本願の熱交換装置の実施形態を、画像形成装置における用紙(搬送体)の冷却手段として用いたときの例で説明するが、本願は画像形成装置に限定されることなく、また加温手段としての適応も可能である。つまり、本願の熱交換装置は、冷やした流動媒体で搬送体を冷却すれば冷却装置、温めた流動媒体で搬送体を加温すれば加温装置になる。搬送体の冷却または加温が必要な装置であれば対応可能であり、例えば金属、樹脂の薄板材や紙などの製造工程における圧延/搬送装置、板状食品の加工装置などに搭載可能である。また実施例では、流動媒体として液体を用いているが、熱交換装置の用途によっては気体でも構わない。
また実施例では、熱交換体である冷却プレートを用いて、熱伝達部材である冷却ベルトを介して用紙を冷却しているが、それは用紙表面に形成した画像の劣化(冷却プレートに用紙が接触摺動すると画像面に擦れ傷が生じる)を防ぐためであり、そのような問題が起きない場合、または問題にしない場合は、熱交換体に直接、搬送体を接触させても構わない。
図2は、本実施形態の冷却プレート11を有する冷却装置12を搭載したタンデム型中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の構成概略図である。
複数のローラによって中間転写媒体としての中間転写ベルト51を展張し、中間転写ベルト51はこれらのローラにより回転するように構成すると共に、中間転写ベルト51のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。
中間転写ベルト51の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト51の上方であってローラ52とローラ53との間には、中間転写ベルト51の回転方向の上流側から順に画像形成用のプロセス手段として、画像ステーション54Y、画像ステーション54C、画像ステーション54M、画像ステーション54Bkが配置されている。例えば画像ステーション54Yは、ドラム状の感光体111Yの周囲に帯電装置110Y、光書込装置112Y、現像装置113Y、クリーニング装置114Yが配置され、さらに中間転写ベルト51を挟んで感光体111Yの対向位置に中間転写ベルト51への転写手段としての一次転写ローラ115Yが設けられている。また、他の3つの画像ステーション54C,54M,54Bkも同一構成となっている。そして、それら4つの画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkが互いに所定のピッチ間隔となるように左右並列に配置されている。
本実施形態では光書込装置112をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、感光体111に対して画像情報に応じた露光を行う。
中間転写ベルト51の下方には、シート状部材である用紙4の用紙収納部119および給紙コロ23、レジストローラ対21、中間転写ベルト51を張架するローラ55に中間転写ベルト51を介して対向するように設けられ中間転写ベルト51から用紙4へのトナー像の転写手段としての二次転写ローラ56、中間転写ベルト51の裏面に接するローラ58の対向位置で中間転写ベルト51のおもて面に接するように設けられ中間転写ベルト51のおもて面をクリーニングするクリーニング装置59、熱定着装置116、用紙4を冷却する冷却プレート11を有する冷却装置12、トナー定着後の用紙4の排出部である排紙収容部117などが配置されている。そして、用紙収納部119から排紙収容部117へ至る用紙搬送路128が延びている。また、両面画像形成時に用紙4の裏面への画像形成を行う際に、冷却装置12を一度通過した用紙4の表裏を反転させ、再度、レジストローラ対21へ搬送する両面画像形成用の用紙搬送路29も備えている。
なお、冷却装置12の冷却プレート11は用紙4の熱を受熱する受熱部であり、ファン104を装着したラジエータ103、ポンプ100、タンク101と共に配管であるパイプPで連通/連結され、冷却液が封入されている。冷却液の循環経路はパイプPの矢印で示すように、ラジエータ103で冷やされた冷却液を、冷却プレート11へ供給し、そして冷却プレート11内を廻ってから排出し、その後にタンク101、ポンプ100へ送り、再び、ラジエータ103に戻す順序であり、ポンプ100の回転圧力により冷却液を循環させ、ラジエータ103で放熱することで冷却液、如いては冷却プレート11を冷やす。ポンプ100の送液能力やラジエータ103の大きさなどは、熱設計条件(冷却プレート11が冷却すべき熱量と温度の条件)によって決定される流量、圧力、冷却効率などを元に選定される。
画像の形成プロセスは、画像ステーション54Yに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電装置110Yにより一様に帯電された感光体111Y上に光書込装置112Yにより露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置113Yによりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ115Yにより感光体111Y上から中間転写ベルト51に転写される。転写後の感光体111Yの表面はクリーニング装置114Yによりクリーニングされる。他の画像ステーション54も画像ステーション54Yと同構成であり、同様の画像形成プロセスが行われる。
画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkにおける各現像装置113Y,113C,113M,113Bkは、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有しており、各画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkでイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。よって、中間転写ベルト51の同一画像形成領域が4つの画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkを順次通過する間に、中間転写ベルト51を挟むようにして各感光体111とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ115により与えられる転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト51上に重ね転写されるようにすれば、上記同一画像形成領域が各画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkを1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラートナー画像を得ることができる。
そして、中間転写ベルト51上に形成されてフルカラートナー画像は、用紙4に転写される。転写後の中間転写ベルト51はクリーニング装置59によりクリーニングされる。用紙4への転写は転写時において二次転写ローラ56に転写バイアスを印加して、中間転写ベルト51を介して二次転写ローラ56とローラ55との間に転写電界を形成し、二次転写ローラ56と中間転写ベルト51とのニップ部に用紙4を通過させることにより行なわれる。中間転写ベルト51から用紙4へのフルカラートナー像の転写後、用紙4上に担持されたフルカラートナー像を熱定着装置116で用紙4上に定着することにより、用紙4上にフルカラーの最終画像が形成され、その後、用紙4は排紙収容部117に積載される。
本実施形態の画像形成装置においては、排紙収容部117に用紙4が積載される前に、用紙4が熱定着装置116の直後に配置された冷却装置12を通過する。通過する際、熱定着装置116で熱せられた用紙4が受熱部である冷却プレート11に冷却ベルトを介して接触し熱交換しながら通過することになるので、冷却プレート11の冷却面で用紙4から熱を吸熱し、この熱を冷却プレート11内部の冷却液へ伝達する。熱が伝達され高温となった冷却液は、この後、冷却プレート11から排出されタンク101やポンプ100を経て、ファン104を装着したラジエータ103に送られ、そこで熱が画像形成装置外に排熱される。ラジエータ103で熱が除去され室温近くにまで下げられた冷却液は、その後、再び冷却プレート11へと送られる。このような冷却液による高い冷却性能の排熱サイクルによって、熱定着装置116で熱せられて高温となった用紙4が効率良く冷やされる。
本実施形態では後述するように、熱交換体である冷却プレート11内に、少なくとも熱交換面である冷却面と同程度の面積領域を有した広幅流路と、流入口から流入する流動媒体である冷却液を複数箇所で広幅流路へ導き送る流導路と、の二種類の流路を形成することや、冷却プレート11内における広幅流路の最適位置設定や狭間隔流路設定を行うことで、冷却液が広幅流路全域でスムースに流れ、搬送体である用紙を効率的に冷やすことができるようにしたので、冷却性能が向上している。従って、用紙4が排紙収容部117に排出され積載される時点では、用紙4の温度を下げ、用紙4上のトナーを確実に硬化状態とさせることができる。特に両面画像形成出力の際に大きな問題となっていたブロッキング現象を回避することができる。
図3は、熱交換装置である用紙4の冷却装置12の概略構成図であり、高温の用紙4の温度を下げる液冷方式の冷却プレート11を備えている。冷却装置12は主に、冷却装置12の上方に位置する冷却ベルトユニット13と下方に位置する搬送ベルトユニット14で構成されている。上方の冷却ベルトユニット13には、高温の用紙4の表面と接触して冷却する役割を担う冷却ベルト15が、そして下方の搬送ベルトユニット14には、用紙4を冷却ベルト15と共に挟持して搬送する役割を担う搬送ベルト16が、それぞれ備えられている。冷却ベルト15、搬送ベルト16は、複数のローラによって展張され、図示しないモータ等の駆動手段によって回動される。本実施形態では、冷却ベルト15は左回動し、搬送ベルト16が右回動することで、用紙4が紙面左側から右側に搬送される。例えば、冷却ベルト15の駆動ローラ17をモータと連結しモータによって駆動ローラ17を回転駆動させ、駆動ローラ17の駆動力を搬送ベルト16のローラ18にギヤ等で伝達し与えることで、冷却ベルト15と搬送ベルト16の線速を合わせ、用紙4を挟持搬送する。冷却ベルト15と搬送ベルト16は、対向する外周面同士が適当なテンションで押付け合ながら広い領域で密着接触するように設けられていて、高温の用紙4をその接触領域に送り込み、そして挟込みながら搬送する。その挟持搬送間に用紙4の冷却を行うのである。
熱交換体である冷却プレート11は、冷却ベルトユニット13側に不動状態で設けられていて、冷却ベルト15の内部に配され、冷却ベルト15を介して用紙4を冷却するのである。このとき冷却ベルト15は、冷却プレート11と用紙4との間に介在する熱伝達部材となるため、できるだけ熱伝導率の高い材質、または薄いフィルム状が望ましい(例えば、薄いステンレスベルトやポリイミドフィルムなど)。冷却ベルト15内での冷却プレート11の配置位置/状態は、上記した冷却ベルト15と搬送ベルト16の互いの外周面が接触する領域における、冷却ベルト15の内周面と密着接触するように設けられている。そうすることで、冷却ベルト15の内周面が密着接触する冷却プレート11の面領域が熱交換面となり、所謂、冷却面19となる。そして、冷却ベルト15との密着性を高めるために、冷却プレート11の冷却面19を湾曲形状としており、冷却ベルト15が冷却面19の全域に略均等な力がかかるようにしている。
以上の状態で冷却ベルト15が回動すると、冷却ベルト15の内周面は冷却プレート11の冷却面19に対して密着状態を保ちながら接触摺動することになる。つまり、冷却面19は摺動面の役割も担うことになるので、滑らかな摺動を可能にする意味においても、冷却面19は湾曲形状が望ましく、その湾曲表面は、凹凸のない高い表面仕上げ精度と、摩擦係数の小さな表面処理が必要となる。なお本実施形態では、用紙4と冷却ベルト15外周面との接触状態、および冷却ベルト15内周面と冷却面19との接触状態をより高め、そして用紙4の挟持搬送力を高めるために、搬送ベルト16の内側から冷却面19に向かって力がかかる押圧ローラ26を適所に設けている。
冷却プレート11自体の材質は、接触摺動する冷却ベルト15との熱交換性、及び冷却プレート11内を流れる冷却液5との熱交換性に関わるものなので、熱伝導率の良い、例えばアルミ製や銅製が良い。
冷却装置12により、用紙4の熱は狭持搬送間に冷却ベルト15が受熱し、その熱を冷却プレート11に伝導して冷却プレート11の冷却液5と熱交換する。そして、その熱交換によって冷却プレート11と冷却ベルト15が冷やされることで、用紙4が冷却され、用紙4の温度が下がるのである。
また、本実施形態では、冷却プレート11を介して用紙4の熱を受熱し熱交換する流動媒体に冷却液5を用いているが、その冷却液5は、図3に示すような冷却プレート11の内部に形成した流路27(流路27は後述する広幅流路27aと複数の流入流導路27bとの総称である)と冷却液循環手段20とで構成した閉ループの循環システムによって循環するようにしている。その循環過程で冷やされた冷却液5が冷却プレート11の流路27を流通することで、冷却プレート11(冷却面19)が冷えるのである。冷却面19で受熱した熱を冷却プレート11の流路27に伝達して冷却液5を温め、その温められた冷却液5を図示しない冷却プレート11の排出口より排出する。そして排出された冷却液5は、タンク101、ポンプ100、ファン104を装着したラジエータ103に送られる。温められた冷却液5はラジエータ103で排熱されて、略室温まで温度が下げられる。その後、冷めた冷却液5は、冷却プレート11の流入口25から再び流路27へと供給される。このような冷却液循環の排熱サイクルによって、高温の用紙4が効率良く冷やされるのである。
ここで、用紙4の温度を効率よく下げるには、用紙4から冷却プレート11の壁部を挟んで冷却液5までの熱流束を増加させる必要がある。ここで、冷却プレート11の壁部と冷却液5との間の熱流束は、「J.P.ホールマン著 伝熱工学<上>(ブレイン図書出版)、P11−12」より、対流熱伝達による数1のように表される。
ただし、
W[W]:熱流束
h[W/m2・℃]:冷却プレート内壁面の熱伝達率
X[m2]:冷却プレート内壁面積
Tr[℃]:冷却プレート内壁面温度
Tw[℃]:液温(冷却プレート内壁面より十分離れた位置)
数1より、熱流束Wを上げるためには、液温Twを下げるか、冷却プレート内壁面積Xを増加するか、冷却プレート内壁面の熱伝達率hを向上させる必要がある。
図4(a)は冷却プレート11を用紙搬送方向と直交する方向から見た場合の断面図であり、図4(b)は冷却プレート11を用紙搬送方向から見た場合の断面図であり、図4(c)は冷却プレート11を上方から見た場合の断面図である。
図4(a)は液冷方式の冷却プレート11の一例で、冷却プレート11を中空のブロック形状とし、その中空部を流路27として内部に冷却液5が流れるようにした。図は冷却プレート11周辺の概略断面図である。冷却プレート11の流路27は、図4(c)に示すように、冷却面19と同程度の面積領域を有した広幅流路27aと、冷却液5が冷却プレート11内に流れ込む流入口25に繋がり広幅流路27aに向かって延びるように流入口25と広幅流路27aとの間の領域に配設した流入路である流入流導路27bと、冷却液5が冷却プレート11外に排出される排出口28に繋がり広幅流路27aに向かって延びるように広幅流路27aと排出口28との間の領域に配設した排出路である排出流導路27jとから成っている。
用紙4は、紙面左側から右側方向に回動駆動される冷却ベルト15と搬送ベルト16とで挟持され、冷却ベルト15や搬送ベルト16と同じ方向に搬送される。冷却プレート11は、冷却ベルト15の内周面に接触するように固定されて設けられている。そして、用紙4が冷却ベルト15と搬送ベルト16とで挟持搬送される際に、冷却ベルト15を介して用紙4が冷却プレート11で冷やされる構成となっている。冷却液5は紙面奥側の流入口25から流入流導路27bを通って広幅流路27a内に流入し、図示しない紙面手前側の排出流導路27jを通って排出口28に向かって流れるようになっている。
図4(b)や図4(c)に示すように、冷却液5が流入口25から流入流導路27bを通って広幅流路27aに流入し、排出流導路27jを通って排出口28から排出される場合、冷却プレート11内部の広幅流路27aにおける冷却液5の流速分布は図中に示す流速プロファイル7のような流れの場を形成する。
図4(b)や図4(c)からわかるように、流入口25と排出口28とを結ぶ中心ラインCLの周辺の流れは速いが、中心ラインCLから用紙搬送方向で遠ざかるほど遅い流れとなっている。冷却液5の流れが遅くなるということは、冷却液5と冷却プレート11との熱伝達率(熱交換率)の低下を招くだけでなく、用紙4から受熱して暖まった冷却液5と、流路27に流入して来る冷えた新しい冷却液5との入れ替え、すなわち広幅流路27a内での冷却液5の出入りがスムースに行かないことになる。広幅流路27a内における流れの最悪状態は冷却液5の滞留であり、そのような滞留が生じる虞もある。広幅流路27a内で冷却液5が滞留してしまうと、冷却プレート11内の冷却液5が高い温度での保温状態となってしまい、用紙4を冷やすことができなくなってしまう。
図4(b)に示した冷却プレート11を用紙搬送方向から見た場合の断面での冷却プレート11内の広幅流路27aにおける流速プロファイル7を、用紙搬送方向の中央付近と端部付近とで別けると、中央付近の流速プロファイルが符号7aであり、端部付近の流速プロファイルが符号7bである。なお、用紙搬送方向の中央付近と端部付近とは、図4(c)でいうところの前記中心付近が中心ラインCL付近の位置であり、前記端部付近が内側面11c付近の位置である。
図4(b)に示した流速プロファイル7からわかるように、用紙搬送方向の中央付近に比べて端部付近の流速が遅くなっているが、これは用紙搬送方向の広幅流路27aの幅が広いことに起因しており、冷却ベルト15を介して接触させる冷却プレート11と用紙4との接触領域(接触幅)を冷却性能を向上させるためにある程度の大きさを必要とする以上は、必然的に起こる現象である。
また、用紙搬送方向の中央付近と端部付近とにおいて共通して、図4(c)に示すように、中心ラインCLの周辺に比べて内上面11b付近と内底面11a付近とで冷却液5の流れが遅くなっているが、これは広幅流路27の高さ(内上面11bから内底面11aまでの間隔)が原因であり、広幅流路27aの高さを高くすると(内上面11bから内底面11aまでの間隔を大きくすると)必ず起こる現象である。そして、用紙4に近接する内底面11a付近の冷却液5の流れが遅いということは、用紙4を冷却するという冷却性能にとって致命的な問題となってしまう。
また、図4(c)に示した冷却プレート11を上方から見た場合の断面での流速プロファイル7を見ると、図4(b)と同様に、広幅流路27aの用紙搬送方向中央付近である中心ラインCL付近に比べて広幅流路27aの用紙搬送方向端部付近である内側面11c付近での冷却液5の流れが著しく遅くなっているのがわかる。これは広幅流路27aの幅を用紙搬送方向に広くしていることが原因であるが、冷却ベルト15を介して接触させる冷却プレート11と用紙4との接触領域(接触幅)を冷却性能を向上させるために稼がなければならないので、どうしても起きてしまう現象である。
結果的に、図4(c)に示した冷却プレート11を上方から見た場合の断面方向では、冷却プレート11の用紙搬送方向中央付近である中心ラインCL付近の狭い範囲でしか、用紙4を効率的に冷やすことができないことがわかる。
以上、図4(b)と図4(c)とをまとめて流速プロファイル7を立体的に見ると、図4(c)で流れの速かった広幅流路27aの用紙搬送方向中央付近においても、図4(b)で示すように広幅流路27aの内上面11b付近や内底面11a付近では流れが遅い。また、図4(b)で示すように内上面11b付近や内底面11a付近、及び、図4(c)で示すように広幅流路27aの用紙搬送方向端部付近である内側面11c付近では、共に冷却液5の流れが遅くなっている。そのため、冷却液5の流れが遅い領域の交わった、広幅流路27aの内上面11b付近や内底面11a付近であって内側面11c付近である領域では、冷却液が冷却液5の滞留または滞留が危惧されるほどの流れしか発生していないと予測される。
したがって、構成例1のような形状構成の冷却プレート11を用いた場合には、液冷方式を用いたとしても、効率の良い用紙4の冷却は難しく大型化は避けられない。
[構成例1]
図1(a)は本構成例に係る冷却プレート11を用紙搬送方向と直交する方向から見た場合の断面図であり、図1(b)は本構成例に係る冷却プレート11を上方から見た場合の断面図であり、図1(c)は本構成例に係る冷却プレート11を用紙搬送方向から見た場合の断面図である。
冷却プレート11の流路27は、図1(b)に示すように、冷却面19と同程度の面積領域を有した広幅流路27aと、冷却液5が冷却プレート11内に流れ込む複数の流入口25(図1では5箇所)のそれぞれに繋がり広幅流路27aに向かって延びるように各流入口25と広幅流路27aとの間の領域に配設した複数の流入流導路27b(図1では流入口25と同数の5本の流入流導路27b)と、冷却液5が冷却プレート11外に排出される複数の排出口28のそれぞれに繋がり広幅流路27aに向かって延びるように広幅流路27aと各排出口28との間の領域に配設した複数の排出流導路27jとから成っている。複数の流入流導路27b及び排出流導路27jは、用紙搬送方向である広幅流路27aの幅方向に並べて配設されている。流入口25と反対側の流入流導路27bの各端は広幅流路27aと繋がるよう貫通しており、それぞれの流入口25から流入流導路27bに流入した冷却液5は各流入流導路27bを通って広幅流路27aに導き送られる。また、排出流導路27jの排出口28とは反対側の端は広幅流路27aと繋がるように貫通しており、広幅流路27aの全域に流れ込んだ冷却液5は、各排出流導路27bを通って冷却プレート11の流入口25とは反対側に設けられた排出口28より排出される。本実施形態では流入口25と排出口28とを同数箇所設けている。
流路27(広幅流路27a、複数の流入流導路27b、及び、複数の排出流導路27j)は、図1(b)に示すように、冷却液5の流れ方向が、用紙搬送方向と交差するように形成されている。これは、各流入流導路27bから広幅流路27aに流入してくる冷却液5の各箇所の流れ方のばらつきにより生じる冷却プレート11の温度勾配によって、用紙4の冷めかたにばらつきが起きないようにするためである。
図1(a)や図1(c)に示すように、冷却プレート11に形成した広幅流路27aは、冷却ベルト15の内周面が接触する面領域、即ち冷却面19と同程度の領域を有した、所謂、広幅の流路である。本構成例の広幅流路27aは、具体的には、図1(a)に示すように、用紙搬送方向における広幅流路27aの幅をLとし、幅L内における広幅流路27aの高さをGとすると、L>Gの関係を満たす流路である。
従来例の課題として挙げた『冷却性能を上げるには、用紙4との接触領域(接触幅)を稼ぐ必要がある』に対応するには、できるだけ広幅流路27aの幅Lを長くする必要があるが、幅Lを長くすると冷却液5の流れが遅くなったり滞ってしまったりするという問題が生じてしまう。そこで本構成例では、その問題に対処するために、広幅流路27aの高さGを低くし狭間隙の流路とした。広幅流路27aの高さGを低くする理由は、詳細は下記で説明するが、広幅流路27a内を流れる冷却液5の流速の増加が見込め、冷却性能の向上が見込めるからでる。
本構成例の広幅流路27aは、図1(a)に示すように、冷却面19と同様に湾曲形状(冷却面19と同心円の僅かに離れた湾曲形状)としているので、幅Lを弧の長さとしているが、弦の長さでも構わない。また、冷却面19の表面から広幅流路27aの内底面11aまでの間隔(所謂、冷却面19の厚み)が、用紙搬送方向で場所によって極端に異なっていなければ、熱交換効率はあまり変わらないので、成形や加工のし易さやコストなどの理由から、広幅流路27aの内底面11aを冷却面19の形状と異なる形状としても構わない。例えば図1(d)のように広幅流路27aの内底面11aを平面形状としても良く、その場合は用紙搬送方向で広幅流路27aの水平方向の長さが幅Lとなる。
ここで、流路間隙を狭い間隔とする理由を説明する。狭い間隙の流路に流動媒体を流すと、ポンプのパワーを上げるなどして流量を増さなくても狭流路効果によって、そこを流れる流動媒体の流速は速くなるという現象があるが、本構成例では、その現象を利用した。つまり、広幅流路27a内全域の流速を増加させるために、広幅流路27aの流路を狭い間隔としたのである。特に、図4(c)を用いて説明したような、内側面11c付近で流れが遅くなったり滞ったりする問題は、狭い間隔の流路とすることで内側面11c付近でも流速が増加することになり改善される。しかしながら、図4(c)と同じような中央1箇所の流入口25から広幅流路27aへの冷却液5流入では、広幅流路27aの幅Lをさらに長くした場合、広幅流路27aの高さGをどんなに低くしたとしても、広幅流路27aの幅方向端部付近である内側面11c付近で冷却液5の流れが遅くなったり滞ってしまったりするという問題が発生し得る。また、広幅流路27a内での冷却液5の流速が増すからといって広幅流路27aの高さGを低くし狭間隙にし過ぎると流れの圧力損失が大きくなり、逆に流れが悪くなってしまう。
そこで本構成例では、広幅流路27aの高さGを低くし狭間隔としつつ、広幅流路27aの幅方向(用紙搬送方向)に流入口25と流入流導路27bとを複数設けた。具体的に説明すると、複数の流入口25と、その各流入口25に繋がる複数の流入流導路27bとを広幅流路27aの幅方向に設け、広幅流路27aの幅方向に並んだ流入流導路27bの各箇所から広幅流路27aに冷却液5がそれぞれ流れ込むようにし、図4(c)のような広幅流路27aの中央付近だけから冷却液5が流れ込むのではなく、広幅流路27aの幅方向端部付近(図1(b)の内側面11c付近)においても中央付近と同等な流れが発生するようにした。このようにすれば、冷却プレート11の冷却面19全域に亘って、冷却液5の流速が遅くなったり滞ったりするのが抑えられるので、熱交換効率の向上を図ることができる。
本構成例では、流入口25と流入流導路27bとを広幅流路27aの幅方向に5箇所設けているが、流入口25や流入流導路27bの数はこれに限定されるものではない。通常は流量を条件に流体シミュレーションなどで、流入口25や流入流導路27bの形状寸法、広幅流路27aの幅Lに対する適切な数、それらの配置位置、隣接ピッチ間隔などを決める。このことは、以下に記す各構成例にも当てはまる。
なお、流入口25側から排出口28側に向かって、広幅流路27a内で冷却液5が全域でスムースに流れるようにするには、流入口25から流入する冷却液5の流量と、排出口28から排出する冷却液5の流量とを同等とすることが望ましい。そのため本構成例では、流入口25と排出口28との形状寸法及び配設数、配設位置などを同じにしている。しかし、流入口25と排出口28それぞれの合計の断面積が同じであれば、流入口25と排出口28との形状は同じにする必要はない。ただ、配設数や位置に関しては、流入口25側と排出口28側とでそれらが異なってしまうと、広幅流路27a内での冷却液5の流れかたや流れの方向が途中で変わってしまったり、乱流や渦や滞留などの発生も危惧されたりするので、図1(b)に示すように、排出口28は各流入口25に対向する位置に設けた方が良い。なお、この点に関しては流体シミュレーションにより確認済みである。
図1に示す広幅流路27aと複数の流入流導路27bとが設けられた冷却プレート11では、流入口25と流入流導路27bとを同数としている。このときの冷却液循環手段20の配備の仕方には二通りあり、それぞれの流入口25に対して個別に冷却液循環手段20を用意する場合と、1セットの冷却液循環手段20を共用する場合とがある。
図5は流入口25に対して個別に冷却液循環手段20を配備した例である。図6はその際の冷却プレート11と配管であるパイプとの連結状態を示しており、流入用パイプP1の一端側を流入口25に繋げ、排出用パイプP2の一端側を排出口28に繋げた状態を示したものである。
図5に示すように、流入用パイプP1の他端側はラジエータ103と繋がっており、排出用パイプP2の他端側はタンク101と繋がっている。
複数の流入口25に対して冷却液循環手段20を個別に配備するメリットとしては、小規模の冷却液循環手段20を流入口25の数だけ用意し、それぞれの冷却液循環手段20で冷却液5を個別に循環させることができるので、流入口25から流出される冷却液5の流量や流速を個々に制御して調整することができ、流量や流速の最適化を図ることができる。したがって、冷却装置12の要求仕様に応じて冷却性能を自在にコントロールすることが可能となり、冷却性能を向上させることができる。
しかしながら、複数の流入口25に対して冷却液循環手段20を個々に用意するので、部品点数が多くなったり、コストがかかったり、必要設置スペースが大きくなったりなどしてしまい、また規模の小さな冷却液循環手段20といっても多く使えば、合計の消費電力も大きなものとなってしまう。さらには、冷却プレート11、タンク101、ポンプ100、及び、ラジエータ103を繋ぎ連結するパイプの本数も多くなるので、当然、パイプの配管作業が複雑となり、取付けに時間と労力がかかるという問題も生じる。パイプの本数が多くなるということは、パイプの劣化や抜けによる液漏れの危険性も増してしまう。
図7は、複数の流入口25に対して1セットの冷却液循環手段20を共用する場合の例であり、流入用パイプP1や排出用パイプP2を途中から分岐配管部材である中継ジョイントJ1や中継ジョイントj2で分岐させている。図8はその際の冷却プレート11と流入用パイプP1及び排出用パイプP2の連結状態を示しており、流入口25に流入用パイプP1を繋げており、排出口28に排出用パイプP2の一端側を繋げている。
流入用パイプP1の他端側は冷却液5を分岐させる中継ジョイントJ1の一端と繋がっており、排出用パイプP2の他端側は冷却液5を集合させる中継ジョイントJ2の一端と繋がっている。そして、中継ジョイントJ1の他端は流入用メインパイプP11の一端と繋がっており、中継ジョイントJ2の他端は排出用メインパイプP12一端と繋がっている。流入用メインパイプP11の他端はラジエータ103と繋がっており、排出用メインパイプP12の他端はタンク101と繋がっている。以上のように流入用パイプP1及び排出用パイプP2以外は、冷却液循環手段20を共用利用するようにしている。
なお、冷却液5を分岐させる位置や集合させる位置(中継ジョイントJ1の位置及び中継ジョイントJ2の位置)は、できるだけ冷却プレート11の近くであった方が設置スペースやパイプの扱い性や作業性などに有利である。
このように、複数の流入口25に対して1セットの冷却液循環手段20を共用すれば、低コスト化や省スペース化や省電力化を図ることができる。
[構成例2]
本構成例においては、図9に示すように、複数の流入流導路27cと流入用パイプP3とに連通し流入用パイプP3から流入口25を通って送られてきた冷却液5を、各流入流導路27cに分配して導く流入路である分配流導路27dが、冷却プレート11内に設けられている。そして、流入用パイプP3から流入口25を通って分配流導路27dに送られた冷却液5が、分配流導路27dで各流入流導路27cに分配されて各流入流導路27cから広幅流路27aに流入する。
また、複数の排出流導路27fと排出用パイプP4とに連通し各排出流導路27fから送られてきた冷却液5を、排出口28を通して排出用パイプP4にまとめて導く排出路である合流流導路27gが、冷却プレート11内に設けられている。そして、広幅流路27aから各排出流導路27fを通って合流流導路27gに送られ合流した冷却液5は、合流流導路27gで一つのまとまった流れとなって排出口28を通って排出用パイプP4に排出される。
図9に示す冷却プレート11は、言い換えれば、図8に示した冷却プレート11に、流入用パイプP1、排出用パイプP2、中継ジョイントJ1及び中継ジョイントJ2を収納し一体化した構成と言える。
流入口25は流入用パイプP3の一端と連結され、排出口28は排出用パイプP4の一端と連結されており、流入用パイプP3の他端は図3に示すラジエータ103と繋がっており、排出用パイプP4の他端はタンク101と繋がっている。
図9に示すような構成を冷却プレート11に採用することにより、流入口25を冷却プレート11の一箇所にまとめることができ、図8に示すような流入用パイプP1、排出用パイプP2、中継ジョイントJ1、及び、中継ジョイントJ2などが不要で省くことができるので、更なる低コスト化、省スペース化、及び、配管作業性の向上を図ることができる。また、パイプの連結箇所を図8などに示した構成よりも大幅に減らせるので、液漏れの危険性も低減させることができる。
なお、図9では流入口25を一箇所としているが、広幅流路27aの幅Lをさらに長くする場合は、流入口25を複数箇所設けても良く、その際は分配流導路27dと複数の流入流導路27cとを1セットにした流入路も流入口25と同数設ける。
[構成例3]
本構成例では、図10に示すように広幅流路27aと流導路を形成した冷却プレート11において、流入口25から広幅流路27aに冷却液5を導く流導路を、流入口25の位置で5方向に分岐された複数の流入流導路27cのみとし、また、広幅流路27aから排出口28に冷却液5を導く流導路を複数の排出流導路27fのみとして、図9に示した冷却プレート11から分配流導路27d及び合流流導路27gを削除した構成とした。
各流入流導路27cの一端側が流入口25近傍で合流し、まとまって流入口25と繋がり、そして各流入流導路27cの他端側が個々に広幅流路27aと繋がっており、各流入流導路27cから広幅流路27aに冷却液5が流れ込むようになっている。図10に示した冷却プレート11においては、図9に示した冷却プレート11に設けられた分配流導路27dを省くので、冷却プレート11内で分配流導路27dを設けるために必要としていた領域が不要となり、冷却プレート11の小型化を図ることができる。また、上述したのと同様に流入口25の箇所を減らせることによる効果に加えて、分配流導路27dという流路の一工程を省略できるので、冷却液5の流れの圧力損失が小さくなり、ポンプ100のパワー低減や流速アップが可能となる。
また、各排出流導路27fの一端側が排出口28近傍で合流しまとまって排出口28と繋がり、そして各排出流導路27fの他端側が個々に広幅流路27aと繋がっており、広幅流路27aから各流入流導路27cに冷却液5が流れ込み同一の排出口28から排出されるようになっている。図10に示した冷却プレート11においては、図9に示した冷却プレート11に設けられた合流流導路27gを省くので、冷却プレート11内で合流流導路27gを設けるために必要としていた領域が不要となり、冷却プレート11の小型化を図ることができる。また、排出口28の箇所を減らせることによる効果に加えて、合流流導路27gという流路の一工程を省略できるので、冷却液5の流れの圧力損失が小さくなり、ポンプ100のパワー低減や流速アップが可能となる。
広幅流路27aの幅方向(用紙搬送方向)の全域において、冷却液5がスムースに流れるよう、特に広幅流路27aの幅方向端部付近である内側面11c付近においても十分な流れが発生するよう、流入流導路27bの出口付近の広幅流路27aの領域に、冷却液5の流れが広幅流路27aの幅方向に拡散して広がる形状を設けた。
図1(b)を例に挙げて説明する。流路27(広幅流路27a、複数の流入流導路27b)の形状を、図1(b)に示す二点鎖線Sまで拡張した場合、流路27は冷却プレート11の四隅まで広がりのある四角形形状となり、流路27の面領域及び冷却面19を広げることができる。しかし、その拡張した流路27(広幅流路27a、複数の流入流導路27b)に冷却液5を流入させた場合、各流入流導路27bから出た冷却液5は、ある程度は拡散して広がり広幅流路27a全体に流れて行こうとするが、拡張した四隅付近や、各流入流導路27bの冷却液出口脇の周辺では流れが発生せず、冷却液5が滞留状態となってしまう。冷却液5の滞留は、冷却プレート11の冷却性能を低下させる原因となるので、冷却液5の流れが発生しない領域は不要な領域であり削除すべき領域である。そのような理由から、図1(b)においては冷却プレート11の四隅の領域を削除(二点鎖線Sまで領域を縮小)し、その領域を埋めるようにした。本実施形態ではさらにその埋めた領域を利用して各流入流導路27bから広幅流路27aに流入した直後の冷却液5が、広幅流路27aの幅方向にスムースに向かう案内板の役割を持たせた。例えば、図1(b)に示すように、各流入流導路27bの出口付近の領域において、埋めた領域の側面27iを、広幅流路27aの幅方向(用紙搬送方向)に向かって流路が徐々に広がるような扇形形状とした。
広幅流路27aが更に広幅化しても、上記のような、複数の流入流導路27bと、扇形形状に設けた側面27iによる冷却液ガイドとを組み合わせであれば、広幅流路27aの全域に亘って均等な流れが発生し、冷却プレート11の熱交換効率の向上が図れる。
なお、広幅流路27a内で冷却液5がよりスムースに流れるよう、図1(b)に示すように排出流導路27jの入口付近にも同様に広幅流路27aの冷却液を各排出流導路27jに導く扇形形状のガイドを形成することが望ましい。
また、図1(b)では、広幅流路27aの幅方向(用紙搬送方向)の両側に大きく広がる一つの扇形形状ガイドを側面27iで形成し、その扇形形状ガイドに全ての流入流導路27bの出口を設け開口させているが、扇形形状ガイドの大きさや形成数や流入流導路27bの開口数などは限定されるものではなく、流体シミュレーション等で最適化されるものである。例えば、図11は複数の流入流導路27bそれぞれの出口に側面27iで扇形形状ガイドを形成した場合であり、図12は複数の流入流導路27bを幾つかのグループに別けて、具体的に図12では流入流導路27bを3つずつ1グループとして、そのグループ毎に側面27iで扇形形状ガイドを形成した場合である。なお、図8、図9及び図10に示した各冷却プレート11の構成に対しても同様に適応できる。
図1〜図12に示した冷却プレート11の構成でも説明したように、広幅流路27a内で冷却液5が全域で、よりスムースに流れるようにするためには、広幅流路27aに流入する冷却液5の量と広幅流路27aから排出される冷却液5の量とをできるだけ同じにし、広幅流路27a内での冷却液5の流れかたや方向が途中から変わらないにようにする必要がある。そこで、冷却プレート11の流入口25側と排出口28側との流路形態(流入口、流導路、パイプ、扇形形状ガイドなどを含む)を同様とした。
[構成例4]
広幅流路27aの幅方向(用紙搬送方向)の全域において、冷却液5が更に均等にスムースに流れるよう、特に広幅流路27aの幅方向端部付近である内側面11c付近においても十分な流れをより確保できるよう、図13に示すように、流入流導路27bの流入口25とは反対側の端である出口の付近に、冷却液5を広幅流路27aの幅方向に拡散して広げる冷却液拡散手段30を設けた。
図1(b)に示した冷却プレート11では、広幅流路27a側にある各流入流導路27bの出口に冷却液5の流れをガイドする大きな扇形形状ガイドを形成することで、冷却液5が広幅流路27aの幅方向にもスムースに流れるようにしている。本構成例では、その扇形形状ガイドよりも、冷却液5が更に広幅流路27aの幅方向で均等に拡散して広がるようにした。
その方法として、広幅流路27aの各流入流導路27bの出口付近に、冷却液5を広幅流路27aの幅方向(用紙搬送方向)に均等拡散させる冷却液拡散手段30を設けた。冷却液拡散手段30は、例えば、図13に示すように、全体的に見れば大きな三角形状をしており、冷却液5がその大きな三角形の頂点部分から広幅流路27aの幅方向両端に向かって二方向に分かれて流れるようにしている。
ただし、大きな三角形状の冷却液拡散手段30をミクロ的に見ると、大きさの異なる小さな複数の三角形状ガイド30aの集まりで構成されている。その三角形状ガイド30aの形状や位置、三角形状ガイド30aの開口幅や開口角度などは、流体シミュレーションで最適化する。三角形状ガイド30aのそれぞれの形状や位置、開口幅や開口角度などを最適化することで、そこを通過する冷却液5の流量や方向が調節され、広幅流路27aの幅方向全域で均等な流れが発生するようになる。したがって、広幅流路27aの幅方向端部付近である内側面11c付近においても十分な流れが発生するようになる。図13中の流れ方向を示す細線矢印が、冷却液5の流れの拡散や広がり状態である。
また、冷却液拡散手段30を広幅流路27aの流入流導路27b付近だけではなく排出流導路27j付近にも設ければ、広幅流路27aの幅方向端部付近である内側面11c付近の冷却液5の流れがより良くなる。
なお、冷却液拡散手段30の拡散方法や、形状などは図13に示したものに限定されるものではなく、例えば孔の開いた部材や網状、繊維状の部材を用いても良い。また、配設の仕方も流入流導路27bの出口付近や排出流導路27jの入口付近の領域に一体的に成形しても良いし、別部材として取付けるようにしても良い。
広幅流路27aが更に広幅化しても、以上のように、複数の流入流導路27bと、冷却液拡散手段30とを組み合わせれば、広幅流路27aの幅方向全域に亘って均等な流れが発生し、冷却プレート11の熱交換効率の向上が図れる。さらに、図13にも示しているが、図1(b)で示した冷却液5をガイドする側面27iで形成された扇形形状ガイドも加えて、複数の流入流導路27bと冷却液拡散手段30と扇形形状ガイドとの3者を組み合わせれば、より広幅流路27aの幅方向全域に亘って均等な流れが発生し、冷却プレート11の熱交換効率の向上がより図れる。
[構成例5]
本構成例は、構成例1から構成例4で記載した流路形態(流導路、流入口、配管方法、扇形形状ガイド、流動媒体拡散手段などを含む)を設ける広幅流路27aに関する内容(位置設定、間隙設定)である。つまり、冷却プレート11の流路構成を、複数の流入流導路27bを含む構成例1から構成例4の流路形態と、構成例5の広幅流路27aの最適位置設定及び狭間隔流路設定とを組み合わせた構成とすることで、構成例1から構成例4で説明した効果に加えて、構成例5の効果が合わさり、冷却プレート11の冷却性能が更に向上し、用紙4の高い冷却効果が望めるようにした。
図14(a)は本構成例に係る広幅流路27aの流路間隙を極めて狭い間隙とした冷却プレート11を用紙搬送方向と直交する方向から見た場合の断面図であり、図14(b)は本構成例に係る前記冷却プレート11を上方から見た場合の断面図であり、図14(c)は本構成例に係る前記冷却プレート11を用紙搬送方向から見た場合の断面図である。
広幅流路27aの形状に関しては、図1(a)でも説明したように広幅流路27aの用紙搬送方向の幅をLとし、その幅L内における広幅流路27aの高さをGとしたときL>Gの関係を満たすようにしている。そして、本構成例では冷却プレート11内における広幅流路27aの位置を最適に設定した。冷却プレート11内の広幅流路27aを設ける最適な位置とは、図14(c)に示すように、冷却プレート11の冷却面19から外上面11dまでの冷却プレート11の厚み(高さ)をHとしたとき、冷却面19からH/2の位置よりも冷却面19に近い位置であり、できれば図14(c)のように可能な限り冷却面19に近接する位置が望ましい。また、広幅流路27aの位置を冷却面19に近いH/2以下の位置にするということは、図14(c)のように広幅流路27aの流路間隙をH/2よりも狭い間隔とするということでもあり、それを冷却面19に近づけるのである。
このように冷却面19に近接する位置に狭間隙の広幅流路27aを設けることで、冷却面19(冷却ベルト15)と冷却液5との熱交換効率(熱伝達効率)が高くなり、冷却面19との高い熱交換応答性や、冷却プレート11による用紙4の高効率な冷却が可能となる。また、冷却プレート11の冷却面19と反対側にある広い外上面11dから広幅流路27aを遠ざけることで、広幅流路27a内を流れる冷却液5に対し外上面11d側からの外気熱の影響も受け難くなる。
また、本構成例では、熱交換効率(熱伝達効率)の更なる向上を図るために、広幅流路27aの流路間隙を更に狭い間隔に後述する条件で設定した。つまり、狭間隙の広幅流路27aとし、広幅流路27aの全域で更に速くスムースに冷却液が流れるようした。
図14(a)に示すように、冷却液5を広幅流路27aに送る各流入流導路27bの直径をDとし、流入流導路27bの配設数をn(図14(a)ではn=5)とし、用紙搬送方向における広幅流路27aの幅をLとし、その幅L内における広幅流路27aの高さをGとしたとき、L>Gであり、L≒D×nまたはL>D×n、並びに、G≒D×nまたはG<D×nの関係を満たすように、広幅流路27aの幅Lと高さGとを設定した。つまり、幅Lと高さGの関係を以下に示す(1)から(4)の何れかの条件を満たすようにして、広幅な流路であっても流速が増すように流路間隙を決めるのである。なお、広幅流路27aの幅Lと高さGとが下記(1)から(4)の条件を満たすことで広幅流路27a内での流速が増すことは、流体シミュレーションで確認済みである。
(1)L>Gであり、LがD×nと略同寸法のとき、GはD×nよりも短い(G≧D×nとすると狭間隙になり難い)。
(2)L>Gであり、LがD×nよりも長いとき、GはD×nと略同寸法、または、GはD×nよりも短い(G>D×nとすると狭間隙になり難い)。
(3)L>Gであり、GがD×nと略同寸法のとき、LはD×nよりも長い(L≦D×nとすると狭間隙になり難い)。
(4)L>Gであり、GがD×nよりも短いとき、LはD×nと略同寸法、またはLはD×nよりも長い(L<D×nとすると狭間隙になり難い)。
広幅流路27aの幅Lと高さGとを上述したような関係を満たすようにして、広幅流路27aの流路間隙を幅Lに対して極めて狭い間隙とする。ただし、狭くし過ぎて流れの圧力損失が大きくなり流れが悪くならないようにすることが大前提なので、流体シミュレーション等で確認する必要はある。広幅流路27aが狭間隙となれば、その狭流路効果によって広幅流路27a内全域で流速が増加するようになる。そして、その流速増加が見込める極狭間隙の広幅流路27aに、構成例1から構成例4に示した冷却プレート11の流路形態(流導路、流入口、配管方法、扇形形状ガイド、流動媒体拡散手段などを含む)や、上述したような冷却プレート11内における広幅流路27aの最適位置を組み合わせれば、熱交換効率(熱伝達効率)がより向上する。
ここで、広幅流路27aの形状を上述したような種々の構成を満足する形状にしても、断面積で広幅流路27aと複数の流入流導路27b(ここでの流入流導路27bの断面積は、冷却プレート11に配設する各流入流導路27bの断面積の総計)とを比べた場合に、その関係によっては広幅流路27aの流速が遅くなってしまう場合がある。
通常、流路の形状が上流側と下流側で異なっていても、断面積が同じで、そこを流れる流量が同じであれば、流速は同じである。流量が上流側と下流側で一定であり、断面積が異なる場合、例えば、断面積が上流側より下流側が大きい場合には、上流側より下流側の流速が遅くなる。逆に、断面積が上流側より下流側が小さい場合には、上流側より下流側の流速が速くなる。つまり、複数の流入流導路27bの断面積の総計より広幅流路27aの断面積を大きくしてしまうと、流入流導路27bでの流速よりも広幅流路27a内での流速が遅くなってしまう。
広幅流路27aの断面積が複数の流入流導路27bの断面積の総計よりも大きければ、広幅流路27aを幾ら狭間隙にしたとしても、例えば図1(b)でも説明した冷却プレート11の端部付近である内側面11c付近の流れが著しく遅くなってしまう。これを回避するためには、広幅流路27a内の流速を全体的に確実に増す必要があり、本構成例では、広幅流路27aの断面積を複数の流入流導路27bの断面積の総計よりも小さくするという関係にすることで、広幅流路27a内の流速を増すようにした。
例えば、図14(a)に示すように、広幅流路27aの断面積をAとし、各流入流導路27bの断面積をBとし、流入流導路27bの配設数をn(図14(a)ではn=5)としたとき、A≦B×nの関係を満たすように広幅流路27aの形状、流入流導路27bの形状及び流入流導路27bの配設数を設定する。
なお、広幅流路27a内で冷却液5がスムースに流れるように、単位時間あたりに流入口25から流入流導路27bを通って広幅流路27aに流入する流量と、広幅流路27aから排出流導路27jを通って排出口28で排出される流量とが同等となるようにするのが望ましい。
広幅流路27aの断面積Aと流入流導路27bの断面積Bとを上述したような関係を満たすように設定すれば、広幅流路27aの流路断面は極めて狭小な断面となり、幅Lが広幅となれば必然的に高さGは極めて低くなる。なお、広幅流路27aの断面積Aや流入流導路27bの断面積Bの最適値は、流体シミュレーションで決めればよい。
ただし、広幅流路27aを狭小断面にし過ぎて流れの圧力損失が大きくなり流れが悪くならないことが大前提なので、流体シミュレーション等で確認する必要はある。広幅流路27aの流路が狭間隙となれば、狭流路効果によって、流路内全域の流速が増加するようになる。
そして、その流速増加が見込める極狭間隙の広幅流路27aに、構成例1から構成例4の流路形態(流導路、流入口、配管方法、扇形形状ガイド、流動媒体拡散手段などを含む)や、構成例5の広幅流路27aの最適位置を組み合わせれば、熱交換効率(熱伝達効率)がより向上し、用紙4の高い冷却効果が望める。
本実施形態では、これまで熱交換装置を定着後の用紙4を冷却する冷却手段である冷却装置12に適応したが、同じように用紙4の冷却手段として、定着後の用紙4のカールを矯正するカール矯正装置や、用紙4に形成されたトナー画像の光沢度を制御する光沢制御装置など、出力した画像品質や用紙状態品質の高品位化装置としても適応可能ある。これらの場合においても、冷却装置12と同様に、熱定着装置116の直後に熱交換装置を配設すれば良い。
また、本実施形態の熱交換装置は冷却手段としてだけではなく、流動媒体を熱交換体に流入させる前に温めておけば加温手段としても用いることができる。例えば画像転写前に用紙4を温める加温装置に用いることができ、その場合は用紙収納部119とレジストローラ対21との間に配設する。画像転写前に用紙4を温めるのは、転写時における中間ベルトなどとの転写性向上や、用紙4の含有水分量のコントロールなどからである。
加温装置に適応する際は、その装置構成としては図3の冷却装置12をそのまま利用することができる。冷却装置12の部品名称を変えて図15に示すように加温装置212として見ると、冷えた用紙4は加温ベルトユニット213の加温ベルト215と搬送ベルトユニット214の搬送ベルト216とによる狭持搬送の間に加温ベルト215によって給熱されるが、その給熱する熱は、加温液205と熱交換する加温プレート211によって伝導される。熱交換によって加温プレート211と加温ベルト215とが温められることで、用紙4が加温され、用紙4の温度が上がるのである。
また、加温液205の循環も図3と同様に、加温プレート211の内部に形成した流路227(広幅流路227a、流入流導路227b)と加温液循環手段220とで構成した閉ループの循環システムによって循環するようにしている。その循環過程で温められた加温液205が加温プレート211の流路を流通することで、加温プレート211の加温面219が温まるのである。
加温面219で吸い取って冷えた温度を加温プレート211の流路227に伝達して加温液205を冷やし、その冷やされた加温液205を加温プレート211から排出する。そして排出された加温液205は、タンク101、ポンプ100、ファン104を装着したラジエータ103に送られる。このとき例えば、熱定着装置116から排熱される熱をファン104によってラジエータ103に送風し、冷えた加温液205をラジエータ103で温めて高い温度に上げる。その後、温まった加温液205は、加温プレート211の流入口(不図示)から再び流路227へと供給される。このような加温液循環の給熱サイクルによって、低温の用紙4が効率良く温められるのである。
なお、加温液205を温める手段としては、ヒーターや温風器などの発熱装置でも良いが、熱定着装置116など画像形成装置内の熱源を利用すれば、熱の再利用が可能となり、省エネルギー化など環境性の高い装置となる。
以上、本実施形態によれば、シート状部材搬送方向である用紙搬送方向と直交する方向に流動媒体である冷却液5が流れる流路である広幅流路27aが内部に形成された熱交換体である冷却プレート11と、広幅流路27aの冷却液流れ方向上流側と下流側それぞれに連通する流入路である流入流導路27bと排出路である排出流導路27jとに連結させた配管であるパイプPを通して広幅流路27aに冷却液5を搬送する流動媒体搬送手段であるポンプ100とを備え、冷却プレート11の熱交換面である冷却面19に用紙4を直接または熱伝達部材である冷却ベルト15を介して接触させて用紙4と冷却液5との間で熱交換を行う熱交換装置である冷却装置12において、流入流導路27bを冷却プレート11の用紙搬送方向に複数設けたことで、流入口25から複数の流入流導路27bを通って用紙搬送方向の複数箇所から広幅流路27aに冷却液5が流入するので、用紙搬送方向で一箇所から冷却液5が広幅流路27aに流入する場合よりも、広幅流路27aの用紙搬送方向で冷却液5の流速が遅くなったり滞ったりする箇所を低減させることができる。よって、その分、広幅流路27a内の冷却液5の温度が高くなり過ぎて冷却液5と用紙4との温度差が小さくなるを抑えられ、冷却液5と用紙4との間での熱交換効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、広幅流路27aの用紙搬送方向の幅をLとし広幅流路27aの高さをGとするとG<Lの関係を満たすことで、広幅流路27aの高さGが広幅流路27aの用紙搬送方向の幅Lよりも小さいので、前記高さGが前記幅Lより大きい場合よりも広幅流路27a内の冷却液5を少なくすることができる。これにより、前記高さGが前記幅Lよりも大きい場合よりも、用紙4と冷却液5との間で熱交換が行われた際に広幅流路27a内で熱が拡散し得る冷却液5の量が少なく、冷却液5の単位体積当たりの熱量が多くなる。よって、排出口28から排出された冷却液5の単位体積当たりの熱量が多くなり、広幅流路27a内の冷却液5中に熱が残留し難くなるので、広幅流路27a内の冷却液5と用紙4との温度差が小さくなるを抑えられ、冷却液5と用紙4との間での熱交換効率を向上させることができる。また、冷却プレート11内に形成した流路をG<Lの関係を満たすような広幅で狭間隙な形状としたので、冷却液5が流路全域でスムースに流れ熱交換効率が向上し、その結果、用紙4の効率的な冷却が可能となる。
また、本実施形態によれば、流入口25が冷却プレート11の用紙搬送方向に複数設けられており、複数の流入口25それぞれに流入流導路27bを繋げて設けたことで、広幅流路27aの冷却面全域に亘って熱交換効率の向上を図ることができ、用紙4をより効率的に冷却することができる。
また、本実施形態によれば、パイプPから分岐された分岐配管部材である中継ジョイントJ1,J2が設けられており、中継ジョイントJ1,J2と複数の流入口25とをそれぞれ連結したことで、複数の流入口25に対して1セットの冷却液循環手段20を共用することができ、低コスト化や省スペース化や省電力化、パイプPの扱い性の向上などを図ることができる。
また、本実施形態によれば、冷却プレート11内に設けられ複数の流入流導路27cとパイプPとに連通しパイプPから送られてきた冷却液5を各流入流導路27cに分配する分配流入路である分配流導路27dを有することで、更なる低コスト化、省スペース化、配管作業性の向上を図ることができる。また、パイプPの連結箇所を大幅に減らせるので、連結箇所からの液漏れの危険性を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、複数の流入流導路27cのパイプ側端部が流入口25付近で合流していることで、冷却プレート11内の流導路を複数の流入流導路27cのみとしたので、前述した分配流導路27dと流入流導路27cとの両方を設ける場合よりも、冷却プレート11の小型化を図ることができる。また、流導路の簡略化ができるので、冷却液5の流れの圧力損失が小さくなり、省電力化や冷却液5の流速アップが可能となる。
また、本実施形態によれば、複数の流導路の流入口25側とは反対側の各端から広幅流路27aに至るまでの冷却プレート11内の領域に、広幅流路27aが用紙搬送方向に徐々に広がる扇形形状の領域を有していることで、広幅流路27a全域で冷却液5がスムースに流れ、冷却液5と用紙4との間での熱交換効率が向上し、用紙4の冷却効率が非常に良くなる。
また、本実施形態によれば、広幅流路27a内の冷却液5を排出口28に導くガイド部を冷却プレート11内に設けたことで、冷却液5を排出口28からスムームに排出することができ、冷却液5が広幅流路27aの全域でスムースに流れるようになる。
また、本実施形態によれば、複数の流導路の流入口25側とは反対側の各端から広幅流路27aに至るまでの冷却プレート11内の領域に、流導路のそれぞれから流入してきた冷却液5を広幅流路27aの用紙搬送方向に拡散させる流動媒体拡散手段である冷却液拡散手段30を設けたことで、広幅流路27a全域で冷却液5がスムースに流れ、冷却液5と用紙4との間での熱交換効率が向上し、用紙4の冷却効率が非常に良くなる。
また、本実施形態によれば、冷却プレート11の冷却面19から冷却面19と対向する外周面である外上面11dまでの高さをHとしたとき、冷却プレート11の冷却面19からH/2の位置よりも冷却面19に近い位置に広幅流路27aを形成したことで、冷却面19との高い熱交換応答性、高効率な冷却、或いは加温を可能となる。
また、本実施形態によれば、流入流導路27bの直径をDとし、流入流導路27bの配設数をnとし、広幅流路27aの用紙搬送方向の幅をLとし、広幅流路27aの高さをGとすると、L>Gであり、L≒D×nまたはL>D×n、並びに、G≒D×nまたはG<D×nの関係を満たすことで、広幅流路27aを冷却液5が全域で速くスムースに流れる流路形状に設定したので、冷却液5と用紙4との間での熱交換効率がさらに向上し、用紙4をより効率的に冷却することができる。
また、本実施形態によれば、広幅流路27aの冷却液流れ方向と直交する方向の断面積をAとし、流入流導路27bの冷却液流れ方向と直交する方向の断面積をBとし、流入流導路27bの配設数をnとすると、A≦B×nの関係を満たすことで、広幅流路27aを冷却液5が全域で速くスムースに流れる流路形状に設定したので、冷却液5と用紙4との間での熱交換効率がさらに向上し、用紙4をより効率的に冷却することができる。
また、本実施形態によれば、用紙4上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、用紙4上に形成されたトナー像を少なくとも熱によって用紙4に定着させる熱定着手段である熱定着装置116と、熱定着装置116によってトナー像が定着された用紙4を冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、本発明の冷却プレート11を有する熱交換装置である冷却装置12を用いることで、高い冷却性能を持つ冷却プレート11を有する冷却装置12を画像形成装置に搭載したので、出力した画像品質や用紙状態品質の高品位化が可能となる。
また、本実施形態によれば、用紙4上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記用紙4上に形成されたトナー像を少なくとも熱によって該用紙4に定着させる熱定着手段と、前記用紙4を加温する加温手段とを備えた画像形成装置において、前記加温手段として、本発明の加温プレート211を有する熱交換装置である加温装置212を用いることで、高い加温性能を持つ加温プレート211を有する加温装置212を画像形成装置に搭載したので、出力した画像品質や用紙状態品質の高品位化が可能となる。