JP5761441B2 - 炭素繊維不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池などの電極基材に適した炭素繊維不織布に関する。
炭素繊維織編物や炭素繊維不織布は、耐腐食性があり、ガスの透過と導電性を高いレベルで両立できるため、固体高分子形燃料電池用のガス拡散電極に適用される。
固体高分子形燃料電池では、導電性や熱伝導度を得るためにガス拡散電極を緻密化すると、反応に必要な水素と空気の拡散が不十分になる場合がある。さらに、反応で生じる水が触媒層やガス拡散電極の空隙を塞ぎ、水素や空気の輸送を妨げてしまう、いわゆるフラッディングの発生により、高い発電効率を得難くなる。一方、電解質膜や触媒層のアイオノマーへの加湿が十分でなく、乾燥が進んだ場合、すなわちドライアウトが生じた場合も高い発電効率が得られない。このことから、供給する水素や空気に加える水分と反応で生じる水で、電解質膜や触媒層のアイオノマーの湿潤状態を維持するとともに、過剰な水は水素や空気の輸送を妨げないように速やかにチャネルへ排出する必要がある。そこで、ガス拡散電極にフッ素樹脂等で撥水処理する方法や、ガス拡散電極にフッ素樹脂と導電粒子からなる微小孔層を形成する方法によって水の排出改善が試みられているが、その効果は十分でなく、更なる性能向上が求められている。
例えば特許文献1および2には、孔を形成したカーボンペーパーをガス拡散電極とすることで、孔から水をスムーズに排出するとともに、ガス拡散を容易にする技術が開示されている。
特許文献2および3には、レーザー加工によって厚みの20〜80%の深さの非貫通孔を形成することで、排水性とガス拡散を容易にするとともに、電解質膜や触媒層のアイオノマーの保湿性を両立させる技術が開示されている。
特開平8−111226号公報 特開2009−211928号公報 特開2011−96385号公報
特許文献1には、ガス拡散電極基材の厚み方向に貫通孔を設けることが、好ましい態様として記載されている。これは、拡散性を向上する効果、排水性を改善する効果があるものの、電解質膜や触媒層のアイオノマーの乾燥を容易にしてしまう。
また、特許文献2および3には、レーザーや機械加工によってガス拡散電極基材に非貫通孔を形成する技術が開示されている。このような非貫通孔は、貫通孔と比べて電解質膜や触媒層のアイオノマーの乾燥抑制が容易になるものの、非貫通孔部分における保湿性の低下は避けられなかった。
本発明は、非貫通孔形成時に非貫通孔の周縁部に存在する炭素繊維が切断されないようにすることで、上記のような保湿低下の問題を解決できることを見出したものである。すなわち、本発明は、炭素繊維不織布の平均孔面積よりも大きい開口面積を有する複数の非貫通孔が表面に分散形成された炭素繊維不織布であって、平面視において前記非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない炭素繊維不織布である。
本発明により、ガス拡散電極からの排水と電解質膜や触媒層のアイオノマーの保湿を高いレベルで兼ね備えた、ガス拡散電極に適した炭素繊維不織布を提供することができる。
実施例1で得られた本発明の炭素繊維不織布の表面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例5で得られた本発明の炭素繊維不織布の表面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例6で得られた本発明の炭素繊維不織布の表面の光学顕微鏡写真である。
<炭素繊維不織布>
以下、本発明の炭素繊維不織布を、固体高分子形燃料電池用のガス拡散電極として用いる場合を例に説明する。
本発明において、炭素繊維不織布とは、炭素繊維により構成されたウエブまたはシートである。炭素繊維とは、炭素繊維前駆体繊維を不活性ガス雰囲気で加熱して炭化したものであり、炭素繊維不織布は、炭素繊維前駆体繊維不織布を不活性ガス雰囲気下で加熱して炭化させたものである。なお、炭素繊維前駆体繊維については後述する。ウエブとしては、乾式のパラレルレイドウエブまたはクロスレイドウエブ、エアレイドウエブ、湿式の抄造ウエブ、押出法のスパンボンドウエブ、メルトブローウエブ、エレクトロスピニングウエブ等を用いることができる。また、シートとしては、これらのウエブを機械的に交絡させたシート、加熱して融着させたシート、バインダーで接着させたシート等を用いることができる。
本発明の炭素繊維不織布は、繊維長20mmを超える炭素繊維からなることが好ましい。繊維長が20mmを超えるものであると、非貫通孔の周縁部における繊維端部の露出が少なくなって、後述するように炭素繊維不織布内部の保湿性を高めることができるとともに、非貫通孔の厚み方向への繊維配向を得やすく、厚み方向の導電性を高めることができる。炭素繊維の繊維長は30mmを超えることがより好ましい。また繊維長の上限は特に限定されないが、一般に100mm以下であることが好ましい。なお、本発明において、繊維長は数平均繊維長を意味するものとする。
炭素繊維の繊維径は、小さいほど高い見かけ密度を達成しやすく、導電性や熱伝導が優れる炭素繊維不織布が得られる一方、炭素繊維不織布の平均孔径が小さくなって、排水性やガス拡散性は低下する傾向がある。そのため、炭素繊維の繊維径は、炭素繊維不織布の用途に応じて適宜決定することが好ましいが、一般的なガス拡散電極として使用する場合には3〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
炭素繊維不織布中において、炭素繊維同士の接点にバインダーとして炭化物が付着していると、炭素繊維同士の接点で接触面積が大きくなり、優れた導電性と熱伝導性が得られる。このようなバインダーを付与する方法としては、炭化処理後の炭素繊維不織布にバインダー溶液を含浸またはスプレーし、不活性雰囲気下で再度加熱処理してバインダーを炭化する方法が挙げられる。この場合、バインダーとしては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂といった熱硬化性樹脂を用いることができ、中でも、炭化収率が高い点でフェノール樹脂が特に好ましい。また、後述するように、熱可塑性樹脂を炭素繊維前駆体不織布に混綿しておく方法も好ましい。
本発明の炭素繊維不織布の平均孔径は、40μm以上であることが好ましく、45μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましい。平均孔径が40μm以上であれば、ガスの拡散と排水で高い性能が得られる。また、平均孔径が100μm以下であれば、ドライアウトを防止しやすい利点がある。なお、本発明の、炭素繊維不織布の平均孔径は、水銀圧入法により測定される値をいう。これは、例えば、PoreMaster(Quantachrome社製)などを用いて測定でき、本発明においては、水銀の表面張力σを480dyn/cm、水銀と炭素繊維不織布との接触角を140°として計算した値を用いる。
〔非貫通孔〕
本発明の炭素繊維不織布は、炭素繊維不織布の平均孔面積よりも大きい開口面積を有する複数の非貫通孔が表面に分散形成されてなるものである。非貫通孔とは、炭素繊維不織布の一方の面に開口部を有し、かつ他面まで達していない孔(凹部)である。ここで、炭素繊維不織布の平均孔面積とは、前述した炭素繊維不織布の平均孔径を直径とする円の面積をいう。
本発明でいう非貫通孔の開口面積は、炭素繊維不織布表面の凹凸の影響を排除するため、炭素繊維不織布を厚み方向に1MPaで加圧した際の炭素繊維不織布の厚み(以下、単に「加圧時厚み」ということがある。)と同じ厚みになるまで炭素繊維不織布の非貫通孔形成面をトリミングしたと仮定した場合の開口面積をいう。加圧時厚みは、2.5cm×2.5cmにカットした炭素繊維不織布を、表面が3cm以上×3cm以上で厚みが1cm以上の金属板で挟み、炭素繊維不織布に対して1MPaの圧力を付与して求める。また、非貫通孔の開口面積は、レーザー顕微鏡等で炭素繊維不織布表面を観察し、形状解析アプリケーションを用いて加圧時厚みに相当する高さにおける各々の非貫通孔の断面積を計測することで求めることができる。なお、加圧時厚みと同じ厚みになるまで炭素繊維不織布の非貫通孔形成面をトリミングすることにより、非貫通孔がなくなるか、あるいは孔の周縁が認識できなくなる場合には、非貫通孔は形成されていないものと判断する。また、以降の記述において非貫通孔の形状について言及する場合には、特に断った場合を除き、加圧時厚みになるまで炭素繊維不織布の非貫通孔形成面をトリミングしたと仮定した場合における非貫通孔についての値であるものとする。
1個の非貫通孔の孔面積は、排水性を確保する観点から、1000μm以上であることが好ましく、2000μm以上であることがより好ましい。また、セパレーターとの接触面積を確保し、十分な導電性や熱伝導性を持たせる観点から、100mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。
非貫通孔の横断面形状(炭素繊維不織布の面内方向で切ったときの断面形状)は特に限定されず、円形、楕円形、四角形、三角形、多角形、星型等任意に選択できる。
非貫通孔の縦断面形状(炭素繊維不織布の面直方向で切ったときの断面形状)も特に限定されず、深さ方向で径が変化しない略長方形であっても、深さ方向で径が変化する略台形、略三角形、略円弧形であってもよいが、深くなるにつれて径が小さくなる逆台形または弓形等に構成すると、排水効率を向上できる点で好ましい。孔形成の容易性の点で、このような非貫通孔は、深さ方向の断面が上弦の弓形であることが好ましい。すなわち、非貫通孔は略球面状の凹部とすることが好ましい。
非貫通孔の深さは特に限定されないが、排水性を確保する観点から、炭素繊維不織布の加圧時厚みに対して5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。また、非貫通孔の深さの絶対値は5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることが更に好ましい。
非貫通孔の深さの上限は特に限定されず、炭素繊維不織布の厚みに応じて適宜設定され得るが、炭素繊維不織布の強度を確保する観点や、ガス供給の均一性を保つ観点から、炭素繊維不織布の加圧時厚みに対して80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。また、炭素繊維不織布自体の厚みが厚くなると燃料電池が大型化してしまうため、炭素繊維不織布はその機能を発揮する限りにおいて薄い方が好ましく、一般的には50μm〜500μm程度である。そのため、非貫通孔の深さは、炭素繊維不織布の厚みに対応して400μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
このような非貫通孔の深さは、レーザー顕微鏡等で観察し、形状解析アプリケーションを用いて、当該非貫通孔の非開口面から炭素繊維不織布の加圧時厚みに相当する高さだけ開口面側に存在する平面を想定し、非貫通孔のうちこの平面より非開口面側に存在する部分の深さを計測することで求めることができる。
本発明の炭素繊維不織布において、非貫通孔は少なくとも一方の面に分散形成されている。分散形成されている、とは、炭素繊維不織布の表面に、複数の非貫通孔が、開口部の周縁が互いに接することなく配置されている状態を言う。非貫通孔の配置パターンは特に限定されないが、非貫通孔が面内に略均一に分布するように形成されていることが好ましい。
非貫通孔の開口率は、1.5%〜60%であることが好ましい。非貫通孔の開口率が1.5%以上であることにより、十分な排水性を確保することができ、また60%以下であることにより、導電性や熱伝導性に優れたものとすることができる。非貫通孔の開口率は、3%以上であることがより好ましく、また、40%以下であることがより好ましい。非貫通孔の開口率は、レーザー顕微鏡等で炭素繊維不織布の非貫通孔形成面を観察し、形状解析アプリケーションを用いて、一定視野内の各非貫通孔の開口面積の総和を視野面積で除して求めることができる。
また、単位面積当たりの非貫通孔の数は30個/cm〜5000個/cmが好ましく、100個/cm〜1500個/cmがより好ましい。
さらに、本発明の非貫通孔は、単位面積当たりの開口周長が0.1〜20km/mであることが好ましく、0.5〜10km/mであることがより好ましい。開口周長が0.1km/m以上であると、高い排水効果が得られ、10km/m以下であれば、高い保湿効果が得られるためである。
本発明の炭素繊維不織布は、平面視において非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されないことを特徴とする。炭素繊維不織布は一般に、面内方向の透気性が厚み方向の透気性を上回っている。非貫通孔の周縁部に破断繊維が存在するということは、非貫通孔の内壁部において炭素繊維不織布の厚み方向の断面が露出しているということと等しく、その結果不織布内の保湿性が保ちにくくなる。本発明の炭素繊維不織布にはこのような破断繊維が存在しないことから、高い保湿性を得ることができる。
非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されないことは、光学顕微鏡、電子顕微鏡等で炭素繊維不織布の表面観察を行い、各非貫通孔の周囲に、非貫通孔の外部から内部へと向かうよう配向している炭素繊維であって、かつ非貫通孔の周縁部で途切れている炭素繊維が観察されないことにより確認することができる。ここで、本発明の炭素繊維不織布は、全ての非貫通孔においてその周縁部に破断繊維が観察されないことが最も望ましい。しかしながら、多数の非貫通孔を形成した場合には、必ずしも全ての非貫通孔が周縁部に破断繊維を有しないものでなくとも本発明の効果を奏し得ることは明らかである。従って、本発明においては、非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない非貫通孔の数が、非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察される非貫通孔の数よりも多い場合には、「非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない」とするものとする。破断繊維の破断部と、破断していない繊維の端部を厳密に区別することができない場合もあり得るが、その場合は便宜的に、後者を前者に含めて破断繊維の有無を判断するものとする。
非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない非貫通孔は、全非貫通孔中の70%以上存在することが好ましく、80%以上存在することがより好ましく、90%以上存在することがさらに好ましい。なお、非貫通孔は通常かなり多数形成されるため、本発明においては、隣接する20箇所以上の非貫通孔を観察し、その過半数の非貫通孔において周縁部に破断繊維が観察されない場合には、非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない非貫通孔の数が、非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察される非貫通孔の数よりも多いと判断するものとする。
また、本発明の炭素繊維不織布は、平面視において、非貫通孔の周縁部もしくはその近傍に、該非貫通孔の周縁形状に略沿って屈曲した炭素繊維が観察されることが好ましい。このような構成を有することで、非貫通孔の壁面における透湿性がさらに低減され、不織布内の保湿性がさらに向上する。
上記のような本発明の炭素繊維不織布の平面視における構造は、例えば図1の走査型電子顕微鏡写真に示される。なお、図1において、点線部分は非貫通孔の周縁部を示す。
本発明の炭素繊維不織布においては、非貫通孔の壁面を構成している炭素繊維のうち少なくとも一部の炭素繊維が非貫通孔の高さ方向に配向していることが好ましい。非貫通孔の壁面を構成している炭素繊維とは、繊維の少なくとも一部が非貫通孔の内壁面に露出している炭素繊維である。そして、当該炭素繊維が非貫通孔の高さ方向に配向している、とは、非貫通孔を高さ方向に3等分したときに、炭素繊維が2つの等分面(炭素繊維不織布表面と平行な平面)の両方を貫通していることを意味する。
非貫通孔の高さ方向に配向している炭素繊維が存在することは、レーザー顕微鏡等で炭素繊維不織布表面を観察し、形状解析アプリケーションを用いて、非貫通孔の1/3深さの等分面と非貫通孔内壁面との交線、および非貫通孔の2/3深さの各等分面と非貫通孔内壁面との交線の両方を共に横切る炭素繊維が観察されることにより確認することができる。また、炭素繊維不織布の非貫通孔を含む任意の断面を走査型電子顕微鏡等で観察し、非貫通孔の深さの1/3と2/3の位置で当該非貫通孔を横切る炭素繊維不織布表面と平行な2直線を描画した上で、当該2直線の両方と交わる炭素繊維が観察されることによっても確認することができる。このような炭素繊維は、一つの非貫通孔中に2本以上存在することが好ましく、5本以上存在することがさらに好ましい。
一般に、孔を形成すると、孔を形成しない場合よりもガス供給側の部材(例えばセパレーター)との接触面積が小さくなり、導電性や熱伝導性が低下してしまう。ところが、炭素繊維は、繊維断面方向よりも繊維軸方向の導電性、熱伝導性が優れているため、非貫通孔の壁面を構成している炭素繊維が非貫通孔の高さ方向に配向している場合、炭素繊維不織布の厚み方向の導電性、熱伝導性が向上し、孔形成による導電性や熱伝導性の低下を補うことができる。
このような炭素繊維は、同様に、非貫通孔を高さ方向に4等分した場合における3つの等分面の全てを貫通していることが好ましく、5等分した場合における4つの等分面の全てを貫通していることがより好ましい。非貫通孔の壁面を構成している炭素繊維のうち少なくとも一部の炭素繊維は、少なくとも非貫通孔の開口部から底部まで、壁面に沿って連続するものであることが好ましい。
また、非貫通孔の高さ方向に配向している炭素繊維は、非貫通孔の底面まで連続していると、非貫通孔の高さ方向への導電性、熱伝導性を向上させる効果が高くなるので好ましい。当該炭素繊維が非貫通孔の底面まで連続している、とは、非貫通孔の壁面を構成している炭素繊維の炭素繊維不織布底面側の先端が屈曲もしくは湾曲し、当該炭素繊維の少なくとも一部が非貫通孔底面にも露出している状態を指す。なお、非貫通孔が球面状である場合等、非貫通孔中において壁面と底面が区別できない場合は、非貫通孔の最深部を底面と考える。炭素繊維不織布の断面を観察したときに、非貫通孔の一の壁面を構成している炭素繊維のうち少なくとも一部の炭素繊維が、非貫通孔の底面まで連続するとともに、さらに他の壁面をも構成していることが好ましい。すなわち、非貫通孔内の2箇所で壁面を構成し、かつ底面まで連続している炭素繊維が存在することが好ましい。
<炭素繊維前駆体繊維不織布>
本発明の炭素繊維不織布は、炭素繊維前駆体繊維不織布を焼成等により炭化して得られる。炭化において不織布の構造は基本的に変化しないため、本発明の炭素繊維不織布を得るためには、上記の炭素繊維不織布において、炭素繊維を焼成前の炭素繊維前駆体繊維に置き換えた炭素繊維前駆体繊維不織布、すなわち、炭素繊維前駆体繊維不織布の平均孔面積よりも大きい開口面積を有する複数の非貫通孔が表面に分散形成された炭素繊維前駆体繊維不織布であって、平面視において非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない炭素繊維前駆体繊維不織布を用いることが好ましい。
<炭素繊維不織布の製造方法>
本発明の炭素繊維不織布は、一例として、工程A:炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して非貫通孔を形成する工程と、工程B:工程Aで得られた炭素繊維前駆体繊維不織布を炭化処理する工程とを有する炭素繊維不織布の製造方法により製造することができる。
〔炭素繊維前駆体繊維不織布〕
炭素繊維前駆体繊維とは、炭化処理により炭素繊維化する繊維であり、炭化率が15%以上の繊維であることが好ましく、30%以上の繊維であることがより好ましい。本発明に用いられる炭素繊維前駆体繊維は特に限定されないが、ポリアクリロニトリル(PAN)系繊維、ピッチ系繊維、リグニン系繊維、ポリアセチレン系繊維、ポリエチレン系繊維、および、これらを不融化した繊維、ポリビニルアルコール系繊維、セルロース系繊維、ポリベンゾオキサゾール系繊維などを挙げることがでる。中でも強伸度が高く、加工性の良いPANを不融化したPAN系耐炎繊維を用いることが特に好ましい。繊維を不融化するタイミングは、不織布を作製する前後いずれでもよいが、不融化処理を均一に制御しやすいことから、シート化する前の繊維を不融化処理することが好ましい。また、不融化していない炭素繊維前駆体繊維不織布を用いる場合、後述する工程Aの後で不融化処理を行うこともできるが、工程Aにおける変形を最小限にする観点からは、不融化した炭素繊維前駆体繊維不織布を工程Aに供することが好ましい。
なお、炭化率は、以下の式から求めることができる。
炭化率(%)=炭化後重量/炭化前重量×100 炭素繊維前駆体繊維不織布は、炭素繊維前駆体繊維により形成されたウエブまたはシートである。ウエブとしては、乾式のパラレルレイドウエブまたはクロスレイドウエブ、エアレイドウエブ、湿式の抄造ウエブ、押出法のスパンボンドウエブ、メルトブローウエブ、エレクトロスピニングウエブを用いることができる。また、シートとしては、これらのウエブを機械的に交絡させたシート、加熱して融着させたシート、バインダーで接着させたシート等を用いることができる。溶液紡糸法で得たPAN系繊維を不融化してウエブ化する場合は、均一なシートを得やすいことから、乾式ウエブまたは湿式ウエブが好ましく、中でも工程での形態安定性を得やすいことから、乾式ウエブを機械的に交絡させたシートが特に好ましい。
炭化後の炭素繊維不織布に高い導電性と熱伝導性を付与するため、炭素繊維前駆体繊維不織布中において、炭素繊維前駆体繊維は、1mm以下の曲率半径を有する湾曲部を含むものであることが好ましい。炭素繊維前駆体繊維不織布は、曲率半径が500μm以下の湾曲部を有するものであることがより好ましく、曲率半径が200μm以下の湾曲部を有するものであることがさらに好ましい。具体的には、光学顕微鏡や電子顕微鏡で炭素繊維前駆体繊維不織布表面の1.5mm×1.5mmの面積を観察したときに、このような曲率半径の湾曲部を有する炭素繊維前駆体繊維が10本以上確認できることが好ましく、30本以上確認できることがより好ましい。また、光学顕微鏡や電子顕微鏡で炭素繊維前駆体繊維不織布表面の1.5mm×1.5mmの面積を観察したときに、この視野を0.3mm×0.3mmの25個の領域に区切り、このような曲率半径の湾曲部が確認できる領域が5以上あることが好ましく、10以上あることがより好ましい。
1mm以下の曲率半径の湾曲部を有する炭素繊維前駆体繊維を含む炭素繊維前駆体繊維不織布を得る方法としては、押し込み式(スタッフィングボックスを使った)けん縮機等で予めけん縮を付与した炭素繊維前駆体繊維を用いて不織布を構成する方法や、炭素繊維前駆体繊維でウエブを作製した後で、ニードルパンチやウォータージェットパンチといった機械的処理によって繊維を交絡させるとともに繊維を曲げる方法を挙げることができる。けん縮を付与して得たウエブに、更にニードルパンチやウォータージェットパンチ処理を行った炭素繊維前駆体繊維不織布を用いることは、より好ましい方法である。
また、前述のように、炭素繊維不織布の炭素繊維同士の交点に炭化物が付着していると導電性と熱伝導性に優れるため、炭素繊維前駆体繊維不織布はバインダーを含むものであることが好ましい。炭素繊維前駆体繊維不織布にバインダーを含ませる方法は特に限定されないが、炭素繊維前駆体繊維不織布にバインダー溶液を含浸またはスプレーする方法や、予め炭素繊維前駆体繊維不織布にバインダーとなる熱可塑性樹脂製繊維を混綿しておく方法が挙げられる。
炭素繊維前駆体繊維不織布にバインダー溶液を含浸またはスプレーする場合には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂といった熱硬化性樹脂をバインダーとして用いることができ、炭化収率が高いことからフェノール樹脂が好ましい。ただし、バインダー樹脂溶液を含浸した場合は、炭化工程で炭素繊維前駆体繊維とバインダー樹脂の収縮の挙動の差異が生じることによって、炭素繊維不織布の平滑性が低下しやすく、また、バインダーの乾燥時に炭素繊維不織布表面に溶液が移動するマイグレーション現象も生じ易いため、均一な処理が難しくなる傾向がある。
これに対し、予め炭素繊維前駆体繊維不織布にバインダーとなる熱可塑性樹脂製繊維を混綿しておく方法は、炭素繊維前駆体繊維とバインダー樹脂の割合を不織布内で均一にすることができ、炭素繊維前駆体繊維とバインダー樹脂の収縮挙動の差異も生じにくいことから、最も好ましい方法である。このような熱可塑性樹脂製繊維としては、比較的安価なポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維が好ましい。
バインダーの配合量は、炭素繊維不織布の強度、導電性、熱伝導性の向上のため、炭素繊維前駆体繊維100質量部に対し、0.5質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましい。また、排水性向上のため、80質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。
なお、バインダーの付与は、後述する工程Aにおいて炭素繊維前駆体繊維不織布に非貫通孔を賦形した後に、バインダー溶液を含浸またはスプレーすることにより行うこともできる。また、後述する工程Bにおいて炭化処理を行った後の炭素繊維不織布にバインダー溶液を含浸またはスプレーし、再度炭化処理する工程を経ることによっても行うことができる。しかしながら、非貫通孔形成後にバインダーを付与すると、孔周辺にバインダー溶液が溜まって付着量が不均一になる傾向があるため、孔の形成前に行うことが好ましい。
バインダーとなる熱可塑性樹脂製繊維や、含浸またはスプレーする溶液に導電助剤を添加しておくと、導電性向上の観点からさらに好ましい。このような導電助剤としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維のミルドファイバー、黒鉛等を用いることができる。
〔工程A〕
工程Aは、炭素繊維前駆体繊維不織布の表面に非貫通孔を賦形し、非貫通孔を有する炭素繊維前駆体繊維不織布を得る工程である。従来、このような非貫通孔は、炭化後の炭素繊維不織布にレーザー加工や機械加工を行うことで形成するのが一般的であったが、この方法は、孔形成時に非貫通孔の壁面で炭素繊維が切断されることが避けられないため、導電性と熱伝導性の低下を招くという問題があった。
工程Aにおいては、炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して非貫通孔を形成する。押圧の方法は、炭素繊維の切断を伴わない方法であれば特に限定されず、非貫通孔に対応する凸部を有する賦形部材を押し付ける方法や、針状部材により押圧する方法、あるいは水により押圧する方法等を用いることができる。
中でも好ましいのは、形成する非貫通孔に対応する凸部を有する賦形部材を前記炭素繊維前駆体繊維不織布の表面に押し付ける方法である。この方法においては、炭素繊維前駆体繊維不織布の表面の一部を賦形部材により物理的に押し込むことで、炭素繊維前駆体繊維の切断を防止しつつ非貫通孔を形成することができる。これにより、前記非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない炭素繊維前駆体繊維不織布を得ることができる。
より具体的な手段は特に限定されないが、エンボス加工が好ましく、非貫通孔に対応する凸形状を形成したエンボスロールとフラットロールで連続プレスする方法や、同様の凸形状を形成したプレートとフラットプレートでバッチプレスする方法を挙げることができる。プレスの際には、後述する工程Bにおける炭化処理において形態が復元する(非貫通孔がなくなる)ことのないように、ロールやプレートは加熱したものを用いることが好ましい。このときの加熱温度は、炭素繊維前駆体繊維の不織布構造体に形成した非貫通孔の形態安定性の点から160℃〜280℃が好ましく、180℃〜260℃がより好ましい。
また、最終的に得られる炭素繊維不織布の密度や厚みを制御するため、凸部の無いロールやプレートでのプレスを工程Aの前または後に実施することも好ましい態様である。
なお、繊維破断を生じることなく非貫通孔を賦形するためには、比較的低密度の炭素繊維前駆体繊維不織布を変形させることが好ましいため、工程Aに供される前の炭素繊維前駆体繊維不織布は、見かけ密度が0.02〜0.20g/cmであることが好ましく、0.05〜0.15g/cmであることがより好ましい。
また、ガス拡散電極に用いる炭素繊維不織布は、優れた導電性と熱伝導度が得られるため、見かけ密度を0.20g/cm以上にすることが好ましく、優れたガス拡散性を得るため、見かけ密度を1.00g/cm以下にすることが好ましい。そのためには、炭素繊維前駆体繊維不織布の見かけ密度を0.20〜1.00g/cmにしておくことが好ましい。炭素繊維前駆体繊維不織布の見かけ密度を制御するために、工程Aを行った後、フラットロールやフラットプレートでプレスして調整することもできるが、非貫通孔の形状を制御するという観点から、工程Aにおいて、非貫通孔部分だけではなく炭素繊維前駆体不織布全体を同時に押圧することによって、炭素繊維前駆体繊維不織布の見かけ密度を0.20〜1.00g/cmとすることが好ましい。
〔工程B〕
工程Bは、工程Aで得られた炭素繊維前駆体繊維不織布を炭化処理する工程である。炭化処理の方法は特に限定されず、炭素繊維材料分野における公知の方法を用いることができるが、不活性ガス雰囲気下での焼成が好ましく用いられる。不活性ガス雰囲気下での焼成は、窒素やアルゴンといった不活性ガスを供給しながら、800℃以上で炭化処理を行うことが好ましい。焼成の温度は、優れた導電性と熱伝導性を得やすいために1500℃以上が好ましく、1900℃以上がより好ましい。一方、加熱炉の運転コストの観点を考慮すると、3000℃以下であることが好ましい。
炭素繊維不織布を固体高分子形燃料電池のガス拡散電極として用いる場合、炭化後に厚みが30〜400μmとなるように炭素繊維前駆体繊維不織布の形態や炭化処理条件を調整することが好ましい。
なお、炭素繊維前駆体不織布が不融化前の炭素繊維前駆体繊維で形成されている場合には、工程Bの前に不融化工程を行うことが好ましい。このような不融化工程は、通常、空気中で、処理時間を10〜100分、温度を150〜350℃の範囲にする。PAN系不融化繊維の場合、密度が1.30〜1.50g/cmの範囲となるように設定することが好ましい。
〔その他〕
本発明の炭素繊維不織布には、そのまま固体高分子形燃料電池のガス拡散電極として用いることもできるが、発電時の水分管理に優れることから、フッ素系樹脂による撥水処理および/またはMPLといわれるフッ素系樹脂と炭素質の導電助剤からなる層を一方の面に形成することが好ましい。
実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
1.炭素繊維不織布の構造
(1)平均孔径
PoreMaster(Quantachrome社製)を用いて測定し、水銀の表面張力σを480dyn/cm、水銀と炭素繊維不織布との接触角を140°として計算した。
(2)繊維長
製造時の切断繊維長を基に、各工程での伸張、収縮を換算して炭素繊維不織布を構成する繊維の繊維長とした。
(3)見かけ密度
JIS L 1913 6.1(厚さ(A法))に準じて、5cm×5cmの試験片を10枚採取し、全自動圧縮弾性・厚さ測定器((株)大栄科学精機製作所製、型式:CEH−400)を用いて、圧力0.5kPaの加圧下で10秒後における各試験片の厚さを測定した。そして、測定値の平均値を厚さとして求めた後、この厚さと寸法(5cm×5cm)、重量から、少数第3位四捨五入して見かけ密度を求めた。
2.非貫通孔
(1)非貫通孔の有無
光学顕微鏡観察を行い、非貫通孔が形成されているか確認した。
(2)非貫通孔の周縁部への破断繊維の有無
走査型電子顕微鏡で、隣接する20箇所以上の非貫通孔のうち、過半数の非貫通孔において周縁部に破断繊維が観察されなければ、破断繊維がないものと判断した。
(3)非貫通孔の壁面における炭素繊維の高さ方向への配向性
非貫通孔の壁面を構成している炭素繊維が非貫通孔の高さ方向に配向しているかどうかは、レーザー顕微鏡(VK−9710、株式会社キーエンス社製)で観察し、形状解析アプリケーション(VK−Analyzer Plus、株式会社キーエンス社製)を用いて判断した。1000μm×1400μmの視野を観察し、非貫通孔の1/3深さの等分面と非貫通孔内壁面との交線、および2/3深さの等分面と非貫通孔内壁面との交線を共に横切る炭素繊維が1本でも観察されれば、非貫通孔の高さ方向に配向している繊維があると判断した。
3.発電性能
フッ素系電解質膜Nafion212(デュポン社製)の両面に、白金担持炭素とNafionからなる触媒層(白金量0.2mg/cm)をホットプレスによって接合し、触媒層被覆電解質膜(CCM)を作成した。このCCMの両面にガス拡散電極を配して再びホットプレスを行い、膜電極接合体(MEA)とした。ガス拡散電極の周囲にガスケット(厚み70μm)を配したMEAをエレクトロケム社製のシングルセル(5cm、サーペンタイン流路)にセットした。このとき、フッ素系樹脂(PTFE)とガス拡散電極の導電助剤(カーボンブラック)とを塗布した面をMEA側に向けてセットした。
(1)加湿条件での電圧
セル温度を60℃、水素と空気の露点を60℃とし、流量はそれぞれ1000cc/分と2500cc/分、ガス出口は開放(無加圧)とし、0.6A/cmの電流密度で発電させ、そのときの電圧を加湿条件での電圧とした。
(2)低加湿条件での電圧
セル温度を90℃、水素と空気の露点を60℃とし、流量はそれぞれ100cc/分と250cc/分、ガス出口は開放(無加圧)とし、0.6A/cmの電流密度で発電させ、そのときの電圧を低加湿条件での電圧とした。
[実施例1]
PAN系耐炎糸のけん縮糸を数平均繊維長51mmに切断した後、カード、クロスレヤーでシート化した後、針密度500本/cmのニードルパンチを行って見かけ密度が0.10g/cm3の炭素繊維前駆体繊維不織布を得た。
この炭素繊維前駆体繊維不織布の一方の面に、直径150μm、高さ150μmの円筒状の凸部が分散形成され、該凸部のピッチがMD、CDとも0.5mm、炭素繊維前駆体繊維不織布の面積に対する凸部の面積比率が3%であるドットパターンの金属製エンボスロールと、金属製のフラットロールを用い、エンボス加工を行った。エンボスロールおよびフラットロールの加熱温度は220℃、線圧は50kN/m、加工速度は50cm/分とした。エンボス加工後の見かけ密度は0.40g/cm3だった。
その後、窒素雰囲気下で、室温から3時間かけて1500℃まで昇温して15分間1500℃で加熱して炭化処理を行い、非貫通孔を有する炭素繊維不織布を得た。電子顕微鏡で表面観察したところ、非貫通孔の周縁部に破断繊維はなかった。実施例1で作成した炭素繊維不織布の平面視画像を図1に示す。図1において、非貫通孔形成部のひとつは点線で図示された部分である。
当該炭素繊維不織布にPTFEを固形分付着量が5%になるよう含浸付与し、乾燥した。さらに、平滑な面(非貫通孔を形成していない面)にカーボンブラックとPTFEからなるペーストを塗布して乾燥後、15分間380℃で加熱処理し、ガス拡散電極を得た。
[実施例2]
繊維長5mmのPAN系耐炎糸を用い、抄造法によって湿式不織布を得た。この湿式不織布に対して、10重量%のフェノール樹脂を含浸し、見かけ密度が0.15g/cmの炭素繊維前駆体繊維不織布を得た。さらに、実施例1と同様のエンボス加工を行い、見かけ密度を、0.40g/cmとし、実施例1と同様にして、炭素繊維不織布を得た。電子顕微鏡で表面観察したところ、非貫通孔の周縁部に破断繊維はなかった。
続いて、当該炭素繊維不織布を用い、実施例1と同様にしてガス拡散電極を得た。
[実施例3]
エンボス加工の線圧を5kN/cmにして、エンボス加工後の見かけ密度を、0.20g/cm3にする以外は実施例1と同様にして、見かけ密度が0.10g/cm3の炭素繊維不織布を得た。電子顕微鏡で表面観察したところ、非貫通孔の周縁部に破断繊維はなかった。
続いて、当該炭素繊維不織布を用い、実施例1と同様にしてガス拡散電極を得た。
[実施例4]
エンボス加工の凸部のピッチをMD、CDとも1mm、炭素繊維前駆体繊維不織布の面積に対する凸部の面積比率を0.75%にする以外は実施例1と同様にして、炭素繊維不織布を得た。電子顕微鏡で表面観察したところ、非貫通孔の周縁部に破断繊維はなかった。
続いて、当該炭素繊維不織布を用い、実施例1と同様にしてガス拡散電極を得た。
[実施例5]
エンボス加工を、線径150μm、ピッチ40/インチのステンレス平織物をバッチ方式のプレス装置を用い、加熱温度は240℃、面圧は10MPa、加圧時間は3分とした以外は実施例1と同様にして炭素繊維不織布を得た。電子顕微鏡で表面観察したところ、非貫通孔の周縁部に破断繊維はなかった。図2において、非貫通孔形成部のひとつは点線で図示された部分である。
[実施例6]
実施例1と同様に作製した炭素繊維前駆体繊維不織布の一方の面に、1辺の長さが300μm、高さ150μmの直方体の凸部が分散形成され、該凸部のピッチがMD、CDとも0.42mm、炭素繊維前駆体繊維不織布の面積に対する凸部の面積比率が50.0%である正方形のドットパターンの金属製エンボスロールと、金属製のフラットロールを用い、エンボス加工を行った。エンボスロールおよびフラットロールの加熱温度は250℃、線圧は50kN/m、加工速度は50cm/分とした。エンボス加工後の見かけ密度は0.40g/cmだった。
その後、窒素雰囲気下で、室温から3時間かけて1500℃まで昇温して15分間1500℃で加熱して炭化処理を行い、非貫通孔を有する炭素繊維不織布を得た。光学顕微鏡で表面観察したところ、非貫通孔の周縁部に破断繊維はなかった。実施例2で作製した炭素繊維不織布の平面視画像を図3に示す。図3において、非貫通孔形成部のひとつは点線で図示された部分である。
続いて、当該炭素繊維不織布を用い、実施例1と同様に撥水処理およびおマイクロポーラス層の形成を行い、ガス拡散電極を得た。また、当該ガス拡散電極を用い、上記3.に従って発電性能試験を行った。
[比較例1]
実施例1と同様にして得た炭素繊維前駆体繊維不織布に、一対のフラットロールでプレス加工を行い、その後、窒素雰囲気下で15分間、1500℃で加熱して炭化処理を行い、炭素繊維不織布を得た。当該炭素繊維不織布に、ビーム径が100μmのYAGレーザーを照射し、MD、CDとも0.5mmに一孔の頻度で非貫通孔加工を行った。
続いて、当該炭素繊維不織布を用い、実施例1と同様にしてガス拡散電極を得た。電子顕微鏡で表面観察したところ、全ての非貫通孔の周縁部に複数の破断繊維が存在した。
各実施例、比較例で作成したガス拡散電極の基材の構成および燃料電池の発電性能を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様にして得た炭素繊維前駆体繊維不織布に、一対のフラットロールでプレス加工を行った。一対のフラットロールの加熱温度は220℃、線圧は50kN/m、加工速度は50cm/分とした。プレス加工後の見かけ密度は0.40g/cmだった。その後、窒素雰囲気下で15分間、1500℃で加熱して炭化処理を行い、炭素繊維不織布を得た。当該炭素繊維不織布に、実施例1と同様のエンボス加工を施した。電子顕微鏡で表面観察したところ、全ての非貫通孔の周縁部に複数の破断繊維が存在した。続いて、実施例1と同様に撥水処理およびおマイクロポーラス層の形成を行い、ガス拡散電極を得た。また、当該ガス拡散電極を用い、上記3.に従って発電性能試験を行った。

Claims (14)

  1. 炭素繊維不織布の平均孔面積よりも大きい開口面積を有する複数の非貫通孔が表面に分散形成された炭素繊維不織布であって、平面視において前記非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない炭素繊維不織布。
  2. 平面視において、前記非貫通孔の周縁部もしくはその近傍に、該非貫通孔の周縁形状に略沿って屈曲した炭素繊維が観察される、請求項1に記載の炭素繊維不織布。
  3. 平均孔径が40μm以上である、請求項1または請求項2に記載の炭素繊維不織布。
  4. 見かけ密度が0.20〜1.00g/cmである、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  5. 繊維長が20mmを超える炭素繊維からなる、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  6. 該非貫通孔の壁面を構成している炭素繊維のうち少なくとも一部の炭素繊維が前記非貫通孔の高さ方向に配向している、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の炭素繊維不織布を用いてなる固体高分子形燃料電池用ガス拡散電極
  8. 請求項7に記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散電極を有する燃料電池。
  9. 炭素繊維前駆体繊維不織布の平均孔面積よりも大きい開口面積を有する複数の非貫通孔が表面に分散形成された炭素繊維前駆体繊維不織布であって、平面視において前記非貫通孔の周縁部に破断繊維が観察されない炭素繊維前駆体繊維不織布。
  10. 炭素繊維不織布の平均孔面積よりも大きい開口面積を有する複数の非貫通孔が表面に分散形成された炭素繊維不織布の製造方法であって、
    工程A:炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して非貫通孔を形成する工程、
    工程B:工程Aで得られた炭素繊維前駆体繊維不織布を炭化処理する工程、
    を有する炭素繊維不織布の製造方法。
  11. 前記工程Aが、前記非貫通孔に対応する凸部を有する賦形部材を前記炭素繊維前駆体繊維不織布の表面に押し付けて非貫通孔を形成する工程である、請求項10に記載の炭素繊維不織布の製造方法。
  12. 前記工程Aにおいて、前記炭素繊維前駆体繊維不織布として、見かけ密度が0.02〜0.20g/cm の炭素繊維前駆体繊維不織布を用いる、請求項10または請求項11に記載の炭素繊維不織布の製造方法。
  13. 前記工程Aにおいて、炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧するとともに、炭素繊維前駆体繊維不織布の見かけ密度を0.20〜1.00g/cm とする、請求項10〜請求項12のいずれかに記載の炭素繊維不織布の製造方法。
  14. 前記炭素繊維前駆体繊維不織布として、熱可塑性樹脂製繊維を含む不織布を用いる、請求項10〜請求項13のいずれかに記載の炭素繊維不織布の製造方法。
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