JP2018084010A - 炭素繊維前駆体繊維不織布、炭素繊維不織布およびガス拡散電極基材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に凹凸を形成した場合においても機械強度の低下が抑えられる炭素繊維不織布を製造するための炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法を提供する。【解決手段】表面に凹凸を有する炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法であって、工程1:炭素繊維前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与し、含水率を1質量%以上に調整する工程;工程2:工程1で含水率を調整した炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して凹凸を形成する工程;をこの順に有する炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、炭素繊維不織布、特に、固体高分子形燃料電池等の電気化学装置に用いられるガス拡散電極の基材として好適に用いられる炭素繊維不織布の製造方法、および当該炭素繊維不織布を製造するための炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は環境負荷が小さく、かつ、発電効率が高い特徴を有するため、小型で高出力が要求される自動車用などでの適用拡大が期待されている。
固体高分子形燃料電池の電極は、電気伝導性を有するとともに、触媒層への水素や空気の輸送を妨げない必要があることから、ガス拡散電極と呼ばれ、その基材としては、カーボンペーパー、炭素繊維からなる不織布や織物など、多孔質の炭素シートが広く用いられている。
また、固体高分子形燃料電池のガス拡散電極は、水素や空気の輸送を妨げないように発電で生じた水を速やかに排出する特性が求められるため、ガス拡散電極にフッ素樹脂等で撥水処理する方法や、ガス拡散電極にフッ素樹脂と導電粒子からなるマイクロポーラス層を形成する方法によって水の排出改善が試みられている。
しかし、これらの方法でも水の排出特性は十分ではないため、ガス拡散電極の表面に凹凸加工を施すことで排水特性を改善する試みがなされている。特許文献1には炭素繊維前駆体繊維からなる不織布を凸形状が形成されたエンボスロールなどでプレスした後に焼成し、炭素繊維不織布の表面に非貫通孔を分散形成した炭素繊維不織布をガス拡散電極基材として用いることにより、排水特性を改善する技術が開示されている。
特許文献1のようにガス拡散電極の表面に非貫通孔を形成することにより、排水特性は向上する。しかし、非貫通孔を形成するためにエンボスロールなどの凸形状部で押された箇所は、高い圧力を受けるため、繊維交錯点で繊維が扁平化し、機械強度が低下しやすいという課題があった。本発明は、このような凹凸の形成を行った場合においても機械強度の低下が抑えられる炭素繊維不織布を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、表面に凹凸を有する炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法であって、
工程1:炭素繊維前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与し、含水率を1質量%以上に調整する工程;
工程2:工程1で含水率を調整した炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して凹凸を形成する工程;
をこの順に有する炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法、および、さらに工程1および工程2を経て得られた炭素繊維前駆体繊維不織布を炭化処理する炭素繊維不織布の製造方法。である。
工程1:炭素繊維前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与し、含水率を1質量%以上に調整する工程;
工程2:工程1で含水率を調整した炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して凹凸を形成する工程;
をこの順に有する炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法、および、さらに工程1および工程2を経て得られた炭素繊維前駆体繊維不織布を炭化処理する炭素繊維不織布の製造方法。である。
炭素繊維前駆体不織布に水または界面活性剤水溶液を含ませた状態で表面を押圧して凹凸の付与を行うことで、押圧後の反発により再び凹凸が元に戻ろうとして低くなってしまう現象が抑制される。従って、同じ高さの凹凸を付与する場合にはより小さい押圧力で凹凸を形成することが可能となり、高圧の付与による炭素繊維前駆体繊維の扁平化による機械強度低下を防ぐことができる。そして、固体高分子形燃料電池等のガス拡散電極基材として使用した場合に良好な排水特性と機械強度を両立し得る炭素繊維不織布を得ることができる。
本発明において、炭素繊維不織布とは、炭素繊維前駆体繊維不織布を不活性ガス雰囲気下で加熱して炭化させたものである。炭素繊維前駆体繊維不織布とは、ウエブを構成する炭素繊維前駆体繊維を機械的な交絡、加熱による融着、バインダーによる接着といった方法で固定させたものである。また、ウエブとは炭素繊維前駆体繊維を積層してシート状にしたものである。
<炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法>
〔工程1〕
工程1は、炭素繊維不織布前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与し、含水率を1質量%以上に調整する工程である。
〔工程1〕
工程1は、炭素繊維不織布前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与し、含水率を1質量%以上に調整する工程である。
炭素繊維前駆体繊維とは、炭化処理により炭素繊維化する繊維であり、炭化率が15%以上の繊維であることが好ましく、30%以上の繊維であることがより好ましい。本発明に用いられる炭素繊維前駆体繊維としては、水を付与することで可塑化して炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧した際に凹凸を形成しやすいことや、強伸度が高く加工性が良いことから、ポリアクリロニトリル(PAN)系繊維を不融化したPAN系耐炎繊維を用いることが好ましい。本明細書においてPAN系繊維とは、アクリロニトリル90質量%、好ましくは95質量%以上からなるアクリル系共重合体からなる繊維を意味し、アクリロニトリルと共重合するコモノマーとしては、アクリル酸、イタコン酸等の有機酸、若しくはそれらの有機酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸等の有機酸、若しくはそれら有機酸の金属塩等が挙げられる。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、等方性ピッチやメソフェーズピッチからなるピッチ系繊維、広葉樹、針葉樹、一年生植物繊維のクラフトパルプ化処理やオルガノソルブ処理により回収されたリグニン誘導体からなるリグニン系繊維、ポリアセチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、バクテリアセルロース、レーヨンなどのセルロース系繊維、ポリベンゾオキサゾール系繊維および、これらを不融化した繊維、などを併用することができる。
炭素繊維前駆体繊維不織布を構成する炭素繊維前駆体繊維の繊維長は、3mmを超えるものが好ましい。繊維長が3mmを超えるものであると、炭素繊維前駆体繊維不織布に凹凸を形成した際、凹部と凸部の境界の壁面で炭素繊維が厚さ方向へ配向しやすく、電極の厚さ方向の導電性を高めることができる。炭素繊維の繊維長は15mmを超えることがより好ましい。また繊維長の上限は特に限定されないが、一般に100mm以下であることが好ましい。なお、本明細書において、繊維長は数平均繊維長を意味する。
炭素繊維前駆体繊維不織布を構成する炭素繊維前駆体の繊維径は、小さい程、炭素繊維化した際に高い表面積を得られ、導電性や熱伝導が優れる炭素繊維不織布が得られる一方、取り扱いが難しくなる。そのため、炭素繊維前駆体繊維の繊維径は、5〜50μmが好ましく、8〜35μmがより好ましい。
本発明に用いられる炭素繊維前駆体繊維不織布は、炭素繊維前駆体繊維により形成されたウエブを、交絡、加熱融着、バインダー接着等により結合して布帛状としたものである。ウエブとしては、乾式のパラレルレイドウエブまたはクロスレイドウエブ、エアレイドウエブ、湿式の抄造ウエブ、押出法のスパンボンドウエブ、メルトブローウエブ、エレクトロスピニングウエブを用いることができる。
繊維の配向方向を変えることで、MD、TDの引張強度バランスをコントロールしやすく、形態安定性を得やすいことから、乾式ウエブをニードルパンチやウォータジェットパンチで機械的に交絡させた不織布であることが好ましい。また、不織布の交絡にニードルパンチを用いることで繊維を厚み方向に配向させやすく、炭素繊維不織布とした際に厚み方向の電気抵抗を低下させることができることから、炭素繊維前駆体繊維不織布がニードルパンチ不織布であることがより好ましい。
工程1における炭素繊維前駆体繊維不織布の目付は特に限定されるものではないが、工程通過性の観点で40g/m2以上であることが好ましく、繊維の絡合を効率的に行うため1000g/m2以下であることが好ましい。目付は、50〜800g/m2であることがより好ましく、50〜600g/m2であることがさらに好ましい。
工程1における炭素繊維前駆体繊維不織布の見かけ密度は、工程安定性の点で0.05g/cm3以上であることが好ましく、後述する工程2にて炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧し、巨視的な凹凸の形成が容易である点で0.30g/cm3以下であることが好ましい。
工程1においては、上述の炭素繊維前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与し、含水率を1質量%以上に調整する。本明細書において含水率とは、炭素繊維前駆体繊維不織布を乾燥後、常温で24時間放置しても吸放湿による質量変化が1%未満となった平衡状態での質量Aおよび、水分が付与された状態の炭素繊維前駆体繊維不織布の質量Bを測定し、以下の式から算出した値である。
含水率(%)=(質量B−質量A)/質量A×100
界面活性剤水溶液を用いると、液の浸透速度を速くでき、また不織布内部まで均一に水分を行き渡らせることができるため好ましい。界面活性剤の種類は特に限定されず、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤のいずれも用いることができる。
界面活性剤水溶液を用いると、液の浸透速度を速くでき、また不織布内部まで均一に水分を行き渡らせることができるため好ましい。界面活性剤の種類は特に限定されず、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤のいずれも用いることができる。
界面活性剤の濃度は浸透性により適宜調整することができるが、一般的には水に対して界面活性剤の有効成分(固形分)を0.3質量%以上とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることがより好ましい。界面活性剤添加量の上限は特に限定されないものの、高濃度にしすぎると粘度が高くなり浸透性が悪くなることや、経済的な観点から5.0質量%以下であることが好ましい。
水分を付与することで炭素繊維前駆体繊維が可塑化され、工程2で炭素繊維前駆体繊維不織布を押圧して凹凸を形成する際の圧力を低くすることができる。これにより、繊維の変形による強度低下を抑制することができ、機械強度の高い炭素繊維不織布を得ることができる。平衡状態または乾燥直後の炭素繊維前駆体繊維不織布では、水分による可塑化効果がないため、凹凸形成に高圧力が必要となる。一方、含水率が高すぎる場合は、凹凸構造を固定するために賦型部材の高温化や低速度での押圧が必要になるため、含水率は250質量%以下に調整することが好ましい。本工程においては、炭素繊維前駆体繊維不織布の含水率を30〜200質量%に調整することがより好ましく、50〜150質量%に調整することがさらに好ましい。
本発明における炭素繊維前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与する方法は特に限定されるものではなく、例えばシャワーやスプレーでの付与や含浸を用いることができる。また、その後にマングルでのニップ、加熱ロールや熱風で乾燥することなどで付与量を調整することができる。
〔工程2〕
工程2は、工程1で含水率を調整した炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して凹凸を形成する工程である。言い換えれば、工程1においては、工程2において凹凸を形成する直前の炭素繊維不織布の含水率が調整される。
工程2は、工程1で含水率を調整した炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して凹凸を形成する工程である。言い換えれば、工程1においては、工程2において凹凸を形成する直前の炭素繊維不織布の含水率が調整される。
凹凸は、炭素繊維前駆体繊維不織布の一端から他端まで連続した凹凸(溝部と畝部)であっても、非連続の凹凸であっても良い。不織布のMD、TDでパターンに異方性がない、すなわち等方的な凹凸を形成すると、縦横いずれの方向にも使用することができるため好ましい。
凹凸パターンの形状は特に限定されないが、凹部と凸部を規則的に配置することが好ましく、ストライプ状(直線状の凹部と直線状の凸部とが交互に配置されたパターン)、ドット状(凹部を海として凸部が島状に存在する形状、もしくは凸部を海として凹部が島状に存在する形状)、または市松模様状(略方形の凹部と凸部を交互に配した形状)であることが特に好ましい。
不織布表面に凹凸を形成することで、不織布の一方から液体を通水させた場合に凹部と凸部で移動しやすさに差が生じる。そのため、炭素繊維維不織布化後に燃料電池のガス拡散電極基材に用いた場合、発電反応により生成した水は、凹部を移動するのではなく、凸部表面を移動して排出される。このような排水効果を発揮するため、凸部が反応ガスの供給および水の排出の障害となることがなく、反応ガスの供給と水の排出をともに良好に行うことができるようになる。
このような排水効果を発揮するため、凹凸パターンがストライプ形状である場合には、凸部の形成ピッチは5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下がさらに好ましい。また、凹凸パターンがドット状の場合には、ドットの形成ピッチは縦横ともに2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。
さらに、ドットの形成密度は30個/cm2〜5000個/cm2が好ましく、100個/cm2〜1500個/cm2がより好ましい。ドット形成密度が30個/cm2以上では、比較的小さな水滴も非連続突起の頂面を底面とするガス流路で移動しやすく、5000個/cm2以下では、突起と水滴の相互作用を減らしやすいためである。この個数は、連続する領域で100の凹凸が占める面積を測定して算出する。
本発明の製造方法においては、上記のようにして形成する凹凸の高さを20μm以上300μm以下とすることが好ましい。凹凸の高さが当該範囲であることで、炭素繊維不織布の強度を保ちつつ、ガス供給の均一性と水の排出性を両立することができる。凹凸の高さは200μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。
押圧して凹凸を形成する方法は特に限定されず、凸部に対応する凹部を有する賦形部材を押し付ける方法や、針状部材により押圧する方法等を用いることができる。中でも好ましいのは、形成する凸部に対応する凹部、または形成する凹部に対応する凸部を有する賦形部材を前記炭素繊維前駆体繊維不織布の表面に押し付ける方法である。この方法においては、炭素繊維前駆体繊維不織布の表面の一部を賦形部材により物理的に押し込むことで、炭素繊維前駆体繊維の切断を防止しつつ凹凸を形成することができる。
押圧から開放された炭素繊維前駆体繊維不織布は厚さが回復し、炭素繊維前駆体繊維不織布の凹部深さが賦型部材の凹部深さに対して浅くなる傾向にあるため、賦形部材表面の凹凸の高さは20μm以上、400μm以下とすることが好ましい。賦型部材の凹凸の高さが当該範囲であることで、炭素繊維不織布の凹凸の高さを20μm以上300μm以下とすることができる。賦形部材表面の凹凸の高さは30μm以上350μm以下であることがより好ましく、30μm以上300μm以下であることがさらに好ましい。
炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧し凹凸を形成するためのより具体的な手段は特に限定されないが、エンボス加工が好ましく、凸部に対応する凹形状を形成したエンボスロールとフラットロールで連続プレスする方法や、同様の凹形状を形成したプレートとフラットプレートでバッチプレスする方法を挙げることができる。プレスの際には、凹凸形状を炭素繊維前駆体繊維不織布に固定するために、加熱した賦形部材で押圧することが好ましい。このときの加熱温度は、炭素繊維前駆体繊維不織布に形成した凹凸の形態安定性の点から、200℃〜300℃が好ましく、220℃〜290℃がより好ましい。
なお、炭素繊維前駆体繊維不織布の表面に凹凸を形成しつつ、凸部で押された箇所の繊維が変形し機械強度が低下するのを抑制するためには、押圧をできるだけ低圧力とすることが好ましいため、押圧時の圧力は1〜7MPaであることが好ましく、2〜4MPaであることがより好ましい。
また、工程2で得られる炭素繊維前駆体繊維不織布の見かけ密度は、最終的に得られる炭素繊維不織布をガス拡散電極として用いた際に優れた導電性と熱伝導度が得られるようにするため、0.20g/cm3以上にすることが好ましく、また優れたガス拡散性を得るため、0.80g/cm3以下にすることが好ましい。炭素繊維前駆体繊維不織布の見かけ密度は、0.30〜0.60g/cm3とすることがより好ましい。
本発明において、炭素繊維前駆体繊維不織布の凹凸の高さおよび賦型部材の凹凸の高さは、以下のように確認できる。
(1)炭素繊維前駆体繊維不織布の凹凸形成面または、賦型部材の凹凸面、直接観察できない場合は粘度やパテ等の軟質材料を凹凸に押し当て、賦型部材の凹凸を転写した面を上にしてレーザー顕微鏡で観察し、形状解析アプリケーションを用いて凹凸を可視化した立体画像を作成する。
(2)(1)の炭素繊維前駆体繊維不織布の凹凸形成面、賦型部材の凹凸面の立体画像において、凸部の高さと凹部の高さとの差の平均値を凹凸の高さとする。
(1)炭素繊維前駆体繊維不織布の凹凸形成面または、賦型部材の凹凸面、直接観察できない場合は粘度やパテ等の軟質材料を凹凸に押し当て、賦型部材の凹凸を転写した面を上にしてレーザー顕微鏡で観察し、形状解析アプリケーションを用いて凹凸を可視化した立体画像を作成する。
(2)(1)の炭素繊維前駆体繊維不織布の凹凸形成面、賦型部材の凹凸面の立体画像において、凸部の高さと凹部の高さとの差の平均値を凹凸の高さとする。
工程2において、水分を含み可塑化した状態で凹凸を形成する処理を行うと同時に含水率を低下させることで、厚さ回復を抑制し、形成した凹凸構造を維持しやすくなる。工程2においては、凹凸形成直後の炭素繊維前駆体繊維不織布の含水率を20質量%未満とすることが好ましく、10質量%未満とすることがより好ましく、5%未満とすることがさらに好ましい。凹凸形成後の含水率は、賦型部材の温度および加熱部への接触時間により調整することができる。
<炭素繊維不織布の製造方法>
上記工程1および工程2を経て得られた炭素繊維前駆体繊維不織布に炭化処理を行うことにより、炭素繊維不織布を製造することができる。炭化処理の方法は特に限定されず、炭素繊維材料分野における公知の方法を用いることができるが、不活性ガス雰囲気下での焼成が好ましく用いられる。不活性ガス雰囲気下での焼成は、窒素やアルゴンといった不活性ガスを供給しながら、800℃以上で炭化処理を行うことが好ましい。焼成の温度は、優れた導電性と熱伝導性を得やすいために1500℃以上が好ましく、1900℃以上がより好ましい。一方、加熱炉の運転コストの観点を考慮すると、3000℃以下であることが好ましい。
上記工程1および工程2を経て得られた炭素繊維前駆体繊維不織布に炭化処理を行うことにより、炭素繊維不織布を製造することができる。炭化処理の方法は特に限定されず、炭素繊維材料分野における公知の方法を用いることができるが、不活性ガス雰囲気下での焼成が好ましく用いられる。不活性ガス雰囲気下での焼成は、窒素やアルゴンといった不活性ガスを供給しながら、800℃以上で炭化処理を行うことが好ましい。焼成の温度は、優れた導電性と熱伝導性を得やすいために1500℃以上が好ましく、1900℃以上がより好ましい。一方、加熱炉の運転コストの観点を考慮すると、3000℃以下であることが好ましい。
炭化処理により得られた炭素繊維不織布は、良好な排水特性と機械強度を両立できることから、レドックスフロー型電池の電極基材や固体高分子形燃料電池のガス拡散電極基材などに好ましく用いることができる。
<ガス拡散電極基材>
前述の方法で得られた炭素繊維不織布を固体高分子形燃料電池のガス拡散電極基材として用いる場合は、さらに撥水処理を行うことが好ましい。
前述の方法で得られた炭素繊維不織布を固体高分子形燃料電池のガス拡散電極基材として用いる場合は、さらに撥水処理を行うことが好ましい。
撥水処理としては、炭素繊維不織布に撥水剤をスプレーによる塗布または含浸で付与した後、熱処理することにより行うことが好ましい
撥水剤としては、耐腐食性が優れることから、フッ素系のポリマーを用いることが好ましい。フッ素系のポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが挙げられる。
撥水剤としては、耐腐食性が優れることから、フッ素系のポリマーを用いることが好ましい。フッ素系のポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが挙げられる。
撥水剤の塗布量は、炭素繊維不織布100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、3〜40質量部であることがより好ましい。撥水剤の塗布量が1質量部以上であると、炭素繊維不織布が排水性に優れたものとなり好ましい。一方、50質量部以下であると、炭素繊維不織布が導電性の優れたものとなり好ましい。
また、ガス拡散電極基材として用いる場合は、炭素繊維不織布や、さらに撥水処理を行った炭素繊維不織布に、マイクロポーラス層を形成することが好ましい。
マイクロポーラス層の形成に用いられる、炭素材料を含むカーボン塗液は、水や有機溶媒などの分散媒を含んでも良いし、界面活性剤などの分散助剤を含んでもよい。分散媒としては水が好ましく、分散助剤にはノニオン性の界面活性剤を用いるのがより好ましい。また、カーボン以外の各種炭素材料や撥水剤を含有しても良い。
炭素繊維不織布へのカーボン塗液の塗工方式としては、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、スプレー噴霧、凹版印刷、グラビア印刷、ダイコーター塗工、バー塗工、ブレード塗工などが用いられる。
また、カーボン塗液の炭素繊維不織布への塗工後、80〜120℃の温度で塗液を乾かすことが好ましい。すなわち、塗工物を、80〜120℃の温度に設定した乾燥器に投入し、5〜30分の範囲で乾燥する。乾燥風量は適宜決めればよいが、急激な乾燥は、表面の微小クラックを誘発する場合があるので望ましくない。
実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
1.含水率
炭素繊維前駆体繊維不織布を100℃×15分間熱風で乾燥し、常温で24時間放置しても吸放湿による質量変化が1%未満となるまで静置してから質量Aを測定した。また、水または界面活性剤水溶液を含浸し、マングルで絞った後の炭素繊維前駆体繊維不織布の質量Bを測定し、(質量B−質量A)/質量A×100からエンボス加工直前の炭素繊維前駆体繊維不織布の含水率(質量%)を測定した。
炭素繊維前駆体繊維不織布を100℃×15分間熱風で乾燥し、常温で24時間放置しても吸放湿による質量変化が1%未満となるまで静置してから質量Aを測定した。また、水または界面活性剤水溶液を含浸し、マングルで絞った後の炭素繊維前駆体繊維不織布の質量Bを測定し、(質量B−質量A)/質量A×100からエンボス加工直前の炭素繊維前駆体繊維不織布の含水率(質量%)を測定した。
また、エンボス加工直後の炭素繊維前駆体繊維不織布から20cm×30cmの試験片を切り取り、質量Cを測定した。これを100℃×15分間熱風で乾燥させ、常温で24時間放置しても吸放湿による質量変化が1%未満となるまで静置し、質量Dを測定し、(質量C−質量D)/質量D×100からエンボス加工直後の炭素繊維前駆体繊維不織布の含水率(質量%)を測定した。
2.見かけ密度
炭素繊維前駆体繊維不織布の10cm×10cmの試験片を10枚作製し、それぞれの試験片の質量を測定し、10枚の試験片の平均目付を求めた。また、同試験片を、厚さゲージを用いて、φ5mmの測定子、面圧0.15MPaに加圧した状態で各試験片につき9箇所の厚みを測定し、その平均を各試験片の厚みとした。そして、10枚の試験片の平均厚みを炭素繊維前駆体繊維不織布の厚みとして算出した。また、平均目付と平均厚みから、見かけ密度を算出した。
炭素繊維前駆体繊維不織布の10cm×10cmの試験片を10枚作製し、それぞれの試験片の質量を測定し、10枚の試験片の平均目付を求めた。また、同試験片を、厚さゲージを用いて、φ5mmの測定子、面圧0.15MPaに加圧した状態で各試験片につき9箇所の厚みを測定し、その平均を各試験片の厚みとした。そして、10枚の試験片の平均厚みを炭素繊維前駆体繊維不織布の厚みとして算出した。また、平均目付と平均厚みから、見かけ密度を算出した。
3.炭素繊維前駆体不織布および、賦型部材の凹凸の高さの判定
(1)炭素繊維前駆体繊維不織布の凹凸面または、賦型部材の凹凸面にプロビールノボ ライト(シリコーン樹脂)((株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション)を凹凸に押し当てて硬化後させ、凹凸を転写した面を上にしてレーザー顕微鏡(VK−9710、株式会社キーエンス社製)で観察し、形状解析アプリケーション(VK−Analyzer Plus、株式会社キーエンス社製)を用いて凹凸を可視化した立体画像を作成した。
(2)(1)の凹凸面の立体画像において、凸部の高さと凹部の高さとの差の平均値を求め、炭素繊維不織布および、賦型部材の凹凸の高さとした。
(1)炭素繊維前駆体繊維不織布の凹凸面または、賦型部材の凹凸面にプロビールノボ ライト(シリコーン樹脂)((株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション)を凹凸に押し当てて硬化後させ、凹凸を転写した面を上にしてレーザー顕微鏡(VK−9710、株式会社キーエンス社製)で観察し、形状解析アプリケーション(VK−Analyzer Plus、株式会社キーエンス社製)を用いて凹凸を可視化した立体画像を作成した。
(2)(1)の凹凸面の立体画像において、凸部の高さと凹部の高さとの差の平均値を求め、炭素繊維不織布および、賦型部材の凹凸の高さとした。
4.引張強度
JIS L1913(2010)の6.3.1に準じ、工程2で得られた炭素繊維前駆体繊維不織布または炭素繊維不織布を試験片サイズ幅5cm×長さ15cm、つかみ間隔10cm、引張速度1mm/minの条件で、タテ方向10点の引張試験を行い、試験片が破断した時の強力をたて引張強力(N/5cm)とし、平均値について小数点以下第二位を四捨五入して算出した。なお、工程2で得られた炭素繊維前駆体繊維不織布の引張強度は、100℃×15分間熱風で乾燥させた試験片を用いて測定した。
JIS L1913(2010)の6.3.1に準じ、工程2で得られた炭素繊維前駆体繊維不織布または炭素繊維不織布を試験片サイズ幅5cm×長さ15cm、つかみ間隔10cm、引張速度1mm/minの条件で、タテ方向10点の引張試験を行い、試験片が破断した時の強力をたて引張強力(N/5cm)とし、平均値について小数点以下第二位を四捨五入して算出した。なお、工程2で得られた炭素繊維前駆体繊維不織布の引張強度は、100℃×15分間熱風で乾燥させた試験片を用いて測定した。
5.引張強度保持率
上記の方法で算出した凹凸形成後の炭素繊維前駆体繊維不織布および炭素繊維不織布の引張強度の値を用いて、以下の式から引張強度保持率を算出した。
上記の方法で算出した凹凸形成後の炭素繊維前駆体繊維不織布および炭素繊維不織布の引張強度の値を用いて、以下の式から引張強度保持率を算出した。
引張強度保持率(%)=炭素繊維不織布の引張強度/凹凸形成後の炭素繊維前駆体繊維不織布の引張強度×100
6.電気抵抗
2枚重ねにした炭素繊維不織布の試験片(30mm×30mm)を100mm×100mmの金メッキした銅板に挟み、1MPaに加圧した。銅板間に1.0Aの電流を流し、試験片を挟まない場合との電気抵抗との差を試験片の電気抵抗とした。
6.電気抵抗
2枚重ねにした炭素繊維不織布の試験片(30mm×30mm)を100mm×100mmの金メッキした銅板に挟み、1MPaに加圧した。銅板間に1.0Aの電流を流し、試験片を挟まない場合との電気抵抗との差を試験片の電気抵抗とした。
7.ガス拡散電極とした場合の発電性能
炭素繊維不織布に、固形分濃度3質量%に調整したPTFEの水分散液をPTFE固形分付着量が5質量%になるよう含浸付与し、熱風乾燥機を用いて130℃で乾燥させ、380℃で10分間加熱することで撥水処理を施した。
炭素繊維不織布に、固形分濃度3質量%に調整したPTFEの水分散液をPTFE固形分付着量が5質量%になるよう含浸付与し、熱風乾燥機を用いて130℃で乾燥させ、380℃で10分間加熱することで撥水処理を施した。
次いで、この撥水処理を施した炭素繊維不織布の、エンボス加工時にフラットロールと接触した面にマイクロポーラス層(MPL)の付与を行った。まず、アセチレンブラック(電気化学工業(株)製“デンカブラック”(登録商標))、PTFE樹脂(ダイキン工業(株)製“ポリフロン”(登録商標)D−1E)、界面活性剤(ナカライテスク(株)製“TRITON”(登録商標)X−100)、精製水を用い、アセチレンブラック/PTFE樹脂/界面活性剤/精製水=7.7質量部/2.5質量部/14質量部/75.6質量部の比で混合した塗液を調製した。その後、当該塗液を炭素繊維不織布の下面にダイコーターにより塗工し、120℃で10分加熱乾燥させた後、380℃で10分間焼結し、ガス拡散電極基材とした。
また、フッ素系電解質膜NafionXL(デュポン社製)の両面に、白金担持炭素とNafionからなる触媒層(白金量0.4mg/cm2)をホットプレスによって接合し、触媒層被覆電解質膜(CCM)を作成した。このCCMの両面に、上記のように作製したガス拡散電極基材を配して再びホットプレスを行い、膜電極接合体(MEA)とした。ガス拡散電極の周囲にガスケット(ガス拡散電極基材の厚みの80%)を配したMEAをシングルセル(25cm2、サーペンタイン流路)にセットした。このとき、マイクロポーラス層を形成した面をMEA側に向けてセットした。
セル温度、水素と空気の露点を80℃とし、流量はそれぞれ1000cc/分と2500cc/分、ガス出口は開放(無加圧)とし、1.8A/cm2の電流密度で発電させ、そのときの電圧を加湿条件での電圧とした。
[実施例1]
PAN系耐炎糸の捲縮糸を数平均繊維長76mmに切断した後、カード、クロスレヤーでシート化した後、針密度1000本/cm2のニードルパンチを行って炭素繊維前駆体繊維不織布を得た。この炭素繊維前駆体繊維不織布に水を含浸した後、マングルに通し、含水率を47質量%に調整した。
PAN系耐炎糸の捲縮糸を数平均繊維長76mmに切断した後、カード、クロスレヤーでシート化した後、針密度1000本/cm2のニードルパンチを行って炭素繊維前駆体繊維不織布を得た。この炭素繊維前駆体繊維不織布に水を含浸した後、マングルに通し、含水率を47質量%に調整した。
含水率が調整された炭素繊維前駆体繊維不織布の一方の面に、一辺が350μmの正方形で、高さ50μmの凸部が分散形成され、該凸部のピッチがMD、CDとも500μmの金属製エンボスロールと、金属製のフラットロールを用いてエンボス加工を行った。エンボスロールおよびフラットロールの加熱温度は290℃、圧力2MPa、加工速度は50cm/分とした。エンボス加工後の見かけ密度は0.43g/cm3だった。
次に、不活性雰囲気下、2400℃で1時間焼成することで、炭素繊維不織布を得た。
[実施例2]
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、ノニオン界面活性剤ニューコール2303(ドデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物)(日本乳化剤株式会社製)の固形分濃度が0.3質量%である界面活性剤水溶液を含浸し、含水率を50質量%に調整した以外は実施例1と同様に実施して炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.43g/cm3だった。
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、ノニオン界面活性剤ニューコール2303(ドデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物)(日本乳化剤株式会社製)の固形分濃度が0.3質量%である界面活性剤水溶液を含浸し、含水率を50質量%に調整した以外は実施例1と同様に実施して炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.43g/cm3だった。
[実施例3]
含水率を118質量%に調整した以外は実施例2と同様に実施して炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.43g/cm3だった。
含水率を118質量%に調整した以外は実施例2と同様に実施して炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.43g/cm3だった。
[実施例4]
ニューコール2303の固形分濃度が0.2質量%である水溶液を含浸し、含水率を195質量%に調整した以外は実施例2と同様して炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.43g/cm3だった。
ニューコール2303の固形分濃度が0.2質量%である水溶液を含浸し、含水率を195質量%に調整した以外は実施例2と同様して炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.43g/cm3だった。
次に、不活性雰囲気下、2400℃で1時間焼成することで、炭素繊維不織布を得た。外は実施例1と同様に実施して炭素繊維不織布を得た。
[実施例5]
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、炭素繊維前駆体繊維不織布に対して304質量%の水を含むように調整した以外は実施例1と同様に実施して炭素繊維不織布を得た。
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、炭素繊維前駆体繊維不織布に対して304質量%の水を含むように調整した以外は実施例1と同様に実施して炭素繊維不織布を得た。
[比較例1]
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、水を付与しない以外は実施例1と同様して炭素繊維不織布を得た。
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、水を付与しない以外は実施例1と同様して炭素繊維不織布を得た。
[比較例2]
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、水を付与せず、エンボス加工の圧力を7MPaとした以外は、実施例と同様にして炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.44g/cm3だった。
実施例1と同じ炭素繊維前駆体繊維不織布を用い、水を付与せず、エンボス加工の圧力を7MPaとした以外は、実施例と同様にして炭素繊維不織布を得た。エンボス加工後の見かけ密度は0.44g/cm3だった。
各実施例、比較例で作成した炭素繊維不織布の構成、およびそれらをガス拡散電極として固体高分子形燃料電池に用いた場合の発電性能を表1に示す。
Claims (14)
- 表面に凹凸を有する炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法であって、
工程1:炭素繊維前駆体繊維不織布に水または界面活性剤水溶液を付与し、含水率を1質量%以上に調整する工程;
工程2:工程1で含水率を調整した炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を押圧して凹凸を形成する工程;
をこの順に有する炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。 - 前記工程1において、炭素繊維前駆体繊維不織布の含水率を30質量%以上250質量%以下に調整する、請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記工程2において、凹凸形成直後の炭素繊維前駆体繊維不織布の含水率を、前記工程1で調整した含水率未満であって、かつ20質量%未満とする、請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記工程2において、炭素繊維前駆体繊維不織布の表面を高さ20〜400μmの凹凸を有する賦型部材で押圧する、請求項1〜3に記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記炭素繊維前駆体繊維不織布がポリアクリロニトリル系耐炎繊維からなる不織布である、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記炭素繊維前駆体繊維不織布がニードルパンチ不織布である、請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記工程1において、見かけ密度が0.05g/cm3〜0.30g/cm3の炭素繊維前駆体繊維不織布を用いる、請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記工程1において、目付が40g/m2〜1000g/m2の炭素繊維前駆体繊維不織布を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記炭素繊維前駆体繊維不織布を構成する炭素繊維前駆体繊維の繊維長が3mmを超える、請求項1〜8のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記凹凸が、ストライプ状、ドット状または市松模様状である、請求項1〜9のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 前記押圧を加熱された賦形部材により行う、請求項1〜10のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法。
- 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の炭素繊維前駆体繊維不織布の製造方法により得られた炭素繊維前駆体繊維不織布を炭化処理する炭素繊維不織布の製造方法。
- 請求項12に記載の炭素繊維不織布の製造方法により得られた炭素繊維不織布に、さらに撥水処理を行うガス拡散電極基材の製造方法。
- 請求項12または13に記載の炭素繊維不織布の製造方法により得られた炭素繊維不織布に、さらにマイクロポーラス層を形成するガス拡散電極基材の製造方法。
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WO2020213324A1 (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-22 | 東レ株式会社 | ガス拡散電極基材およびその製造方法ならびにガス拡散電極、膜電極接合体および固体高分子形燃料電池 |
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-
2016
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