JP5761059B2 - 焼結機の操業方法及び焼結機の操業システム - Google Patents
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Description
即ち、パレット底面に装備されたグレートバーの破損、隣り合うパレット間のサイドウォールの連接部の隙間、さらにパレットシールバーの磨耗などにより、密閉構造に隙間が生じ、原料充填層を経由しない、即ち、焼結の焼成に寄与しない無駄な空気(漏風)が大量にウィンドボックス内に流れ込む。この漏風が多いと焼結鉱の製造にそれだけ無駄な動力が消費されることになり、経済的に大きな損失となるばかりではなく、漏風が多いパレットでは、焼結充填層の粉コークスを燃焼させる空気量が不足し、焼成不十分のまま排鉱部に到達し、焼結が完了してしまうため、歩留が低下してしまう。
前記焼結機は、
ドワイトロイド式焼結機を構成する複数のパレットのそれぞれに設けられ、それぞれの
パレットの識別情報を担持した複数のRFIDタグと、
前記複数のパレットの走行路を形成する筐体に設けられ、周回する各パレットに設けら
れた前記RFIDタグとの間で電波を送受信可能な位置に設けられたアンテナと、
前記アンテナに接続され、各RFIDタグから送信された識別情報を受信するリーダ/
ライタと、
前記リーダ/ライタで受信された識別情報に基づいて、前記識別情報に係るパレットの
位置を認識するパレット位置認識手段と、
前記複数のパレットの下方に配置されるウィンドボックス内に設けられ、前記ウィンド
ボックス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、
前記リーダ/ライタ及び前記酸素濃度計が接続され、前記リーダ/ライタ及び前記酸素
濃度計から出力される信号に基づいて、前記焼結機の操業状態を制御する操業状態制御手
段とを備え、
前記パレット位置認識手段により、各パレットの位置を認識する工程と、
前記酸素濃度計により測定された酸素濃度に基づいて、各パレットに対応する酸素濃度
を取得する工程と、
前記各パレット毎に取得した酸素濃度の内、酸素濃度が所定値以上のパレットを特定する工程と、
特定した前記パレットがウィンドボックス間を移動する際に、特定した前記パレットが移動中のウィンドボックスのダンパーの開度を調整して、風量を増加させる工程を実施することを特徴とする焼結機の操業方法。
(2)(1)に記載の焼結機の操業方法において、
特定した前記パレットがウィンドボックス間を移動する際に、特定した前記パレットが移動中のウィンドボックスのダンパーの開度を調整して、風量を増加させる工程に替えて
特定した前記パレットへの装入原料の装入時に装入密度を低下させる工程を実施することを特徴とする焼結機の操業方法。
(3)(1)に記載の焼結機の操業方法において、
特定した前記パレットがウィンドボックス間を移動する際に、特定した前記パレットが移動中のウィンドボックスのダンパーの開度を調整して、風量を増加させる工程に替えて、
特定した前記パレットと全パレットの酸素濃度の平均値との差が所定値以上の場合、焼結機の走行速度を低下させる工程を実施することを特徴とする焼結機の操業方法。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の焼結機の操業方法において、
特定した前記パレットは、前記パレット酸素濃度の値が、全パレットの酸素濃度の平均値より2%以上高いパレットであることを特徴とする焼結機の操業方法。
RFIDタグ11による位置認識とパレットの速度検出による位置認識に一定の差異が生じた場合は、それぞれのパレット番号を照合する。アンテナ12が、RFIDタグ11のパレット番号を読み飛ばした場合等のトラブルを補完し、誤認識を防止する。
図6は、本発明の漏風検知装置のシステム構成概略を示す。レーザー式酸素濃度計16により測定された情報は、信号処理部14で処理され、パレット毎に排風中の酸素濃度を認識することができる。
第一の実施形態のフローを図7に示す。各パレットに取り付けたRFID11のタグ情報(S1)をアンテナ12に受信(S2)し、RFIDタグ情報は、リーダ/ライタ13を通して送信(S3)し、信号処理部に入力される。一方、速度検出器15による各パレットの速度検出情報(S4)および、レーザー式酸素濃度計16による酸素濃度情報(S(5)は、信号処理部14に入力される。信号処理部14で、RFIDタグ情報、パレットの速度検出情報及び酸素濃度情報より、信号処理(S6)を行い、各パレット毎の漏風情報(S7)を取得する。そして、各パレット毎の漏風情報に応じて、当該パレットに対応するウィンドボックスのダンパー開閉処理(S8)を行う。
図9に、パレットが、焼結機を周回する場合の1周目〜3周目のパレット毎の排風中の酸素濃度を測定した結果を示す。#61、#75パレットは排風中の酸素濃度が高く、漏風が多いことを示している。これに対し、#144パレットの漏風は少ない。
漏風が多い#61パレットの漏風量は673NM3/T・S(500+1300×2/15・・・計算は後述)であり、有効風量は、1127NM3/T・S(1800−673)である。有効風量は、全パレットの平均1300NM3/T・Sに対して173NM3/T・S少なかった。
漏風が多い#61パレット有効風量は、全パレット平均の87%にとどまったため、焼結鉱の焼成が不十分となり、当該パレットの焼結鉱の成品歩留が72%にとどまった。
そこで、ウィンドボックスのダンパー開度を開けて、173NM3/T・Sの増量をすることにより当該パレットの有効風量を全パレット平均と同等の1300NM3/T・S(1127+173)を確保し、焼結鉱の成品歩留も83%を確保することができた。
漏風が多いパレットは、焼成に有効な風量が不足するので、当該パレットに対応する原料装入密度を調整することにより、当該パレットの有効風量を増加させる方策を検討した。その結果を表2に示す。
図10に原料装入密度の調整方法を示した。焼結原料は、原料装入装置により定量に切り出され、パレット上に装入される。装入ホッパー33からドラムフィーダー34により切り出された原料は、原料装入サブゲート35、原料装入シュートを経てパレット上に堆積する。押さえ込み板は、パレットの底にあるグレート表面から一定の距離にセットされており、パレット上に堆積した原料を所定の層厚に押さえ込む。原料の堆積量が多い場合は、原料の押さえ込みにより原料充填密度が大きくなる。
漏風が多いパレットは、焼成に有効な風量が不足するので、当該パレットに対応する焼結鉱の歩留が低下する。その結果、焼結鉱全体の歩留の平均値を低下させる。そこで、焼結機の走行スピードを減速し、漏風が多いパレットの焼成完了後に排鉱することにより、焼結鉱全体の歩留の低下を防止することができる。
漏風が多いパレットは、焼成に有効な風量が不足するので、当該パレットに対応する焼結鉱の歩留が低下する。その結果、焼結鉱全体の歩留の平均値を低下させる。そこで、焼結機の排風メインブロアーのダンパー操作により、風量を減少させ、焼結フレーム・フロントスピードを下げることで、焼結鉱全体の歩留の低下を防止する。
第五の実施形態は、RFIDタグを有するパレット位置認識装置と、レーザー式酸素濃度計を有する漏風検地装置とを備えたDL式焼結機の操業システムにおいて、パレット位置認識装置により、各パレットの位置を認識する手段と、焼結機の特定の位置におけるウィンドボックス中の酸素濃度を測定する手段と、各パレットが前記特定の位置にある場合の各パレットの前記酸素濃度の値に応じて、焼結操業条件を変更する手段を有することを特徴とする焼結機の操業システムである。
「焼結機の特定の位置におけるウィンドボックス中の酸素濃度を測定する手段」とは、前記段落「0022」に記述したレーザー式酸素濃度計16が取り付けられたウィンドボックス中の酸素濃度をレーザー式酸素濃度計16により測定する手段である。
以下、ウィンドボックス中の酸素濃度の値に応じてウィンドボックスのダンパー開度を調整し、ウィンドボックスの排風量を変更する場合について説明する。
次に、図11で、#61パレットが、#36ウィンドボックス上を通過し、#37ウィンドボックスの上にある時には、#36ウィンドボックスのダンパー17の開度を元に戻し、#37ウィンドボックスのダンパー17の開度を開け、当該パレットの有効風量を他のパレットと同等に確保する。
全パレットAの酸素濃度の平均値から算出される酸素バランスは、式(1)である。
漏風が多い特定パレットBの酸素バランスは、式(2)である。
Q×(D/100)+Q×(21/100)=(Q+Q)×(A/100)・・・・・・・・・・(1)
(Q−ΔQ)×(D/100)+(Q+ΔQ)×(21/100)=(Q+Q)×(8/100)・・・(2)
式(1)より、Qについて解くと、
Q=(A−D)/(21−A)
これを(2)に代入して、ΔQについて解くと、
ΔQ=(B−A)/(21−A)×Q・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
即ち、漏風が多い特定パレットBは、ΔQだけ、排風量を増やすようにウィンドボックス2のダンパー17を調整すればよい。
ここで、Qは全パレットAの平均の排風量、Qは全パレットAの平均の漏風量、ΔQは漏風が多い特定パレットBの漏風量の増分、Dは全パレットAのパレットを通過した排風中の平均の酸素濃度、Aは全パレットAの排風中の平均の酸素濃度、Bは漏風が多い特定パレットBの排風中の酸素濃度である。
図12は、全パレットAの平均と、漏風が多い特定パレットBの説明図である。パレット上の原料を通過してきた風量をQ、漏風量をQとして考えた。
2 ウィンドボックス
5 焼結機
11 RFIDタグ
12 アンテナ
13 リーダ/ライタ
14 信号処理部
15 速度検出器
16 レーザー式酸素濃度計
17 ウィンドボックスのダンパー
18 ウィンドボックスのダンパー開閉処理部
19 RFID入力部
20 速度信号入力部
21 酸素濃度信号入力部
22 誤認識防止部
23 パレット一演算部
24 測定制御部
25 出力部・
27 漏風信号入力部
28 演算部
29 出力部
30 原料
33 装入ホッパー
34 ドラムフィーダー
35 サブゲート
Claims (4)
- ドワイトロイド式焼結機の操業状態を制御する焼結機の操業方法であって、
前記焼結機は、
ドワイトロイド式焼結機を構成する複数のパレットのそれぞれに設けられ、それぞれの
パレットの識別情報を担持した複数のRFIDタグと、
前記複数のパレットの走行路を形成する筐体に設けられ、周回する各パレットに設けら
れた前記RFIDタグとの間で電波を送受信可能な位置に設けられたアンテナと、
前記アンテナに接続され、各RFIDタグから送信された識別情報を受信するリーダ/
ライタと、
前記リーダ/ライタで受信された識別情報に基づいて、前記識別情報に係るパレットの
位置を認識するパレット位置認識手段と、
前記複数のパレットの下方に配置されるウィンドボックス内に設けられ、前記ウィンド
ボックス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、
前記リーダ/ライタ及び前記酸素濃度計が接続され、前記リーダ/ライタ及び前記酸素
濃度計から出力される信号に基づいて、前記焼結機の操業状態を制御する操業状態制御手
段とを備え、
前記パレット位置認識手段により、各パレットの位置を認識する工程と、
前記酸素濃度計により測定された酸素濃度に基づいて、各パレットに対応する酸素濃度
を取得する工程と、
前記各パレット毎に取得した酸素濃度の内、酸素濃度が所定値以上のパレットを特定する工程と、
特定した前記パレットがウィンドボックス間を移動する際に、特定した前記パレットが移動中のウィンドボックスのダンパーの開度を調整して、風量を増加させる工程を実施することを特徴とする焼結機の操業方法。 - 請求項1に記載の焼結機の操業方法において、
特定した前記パレットがウィンドボックス間を移動する際に、特定した前記パレットが移動中のウィンドボックスのダンパーの開度を調整して、風量を増加させる工程に替えて
特定した前記パレットへの装入原料の装入時に装入密度を低下させる工程を実施することを特徴とする焼結機の操業方法。 - 請求項1に記載の焼結機の操業方法において、
特定した前記パレットがウィンドボックス間を移動する際に、特定した前記パレットが移動中のウィンドボックスのダンパーの開度を調整して、風量を増加させる工程に替えて、
特定した前記パレットと全パレットの酸素濃度の平均値との差が所定値以上の場合、焼結機の走行速度を低下させる工程を実施することを特徴とする焼結機の操業方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の焼結機の操業方法において、
特定した前記パレットは、前記パレット酸素濃度の値が、全パレットの酸素濃度の平均値より2%以上高いパレットであることを特徴とする焼結機の操業方法。
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JP2012022391A JP5761059B2 (ja) | 2012-02-03 | 2012-02-03 | 焼結機の操業方法及び焼結機の操業システム |
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JP2012022391A JP5761059B2 (ja) | 2012-02-03 | 2012-02-03 | 焼結機の操業方法及び焼結機の操業システム |
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JP2012022391A Active JP5761059B2 (ja) | 2012-02-03 | 2012-02-03 | 焼結機の操業方法及び焼結機の操業システム |
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- 2012-02-03 JP JP2012022391A patent/JP5761059B2/ja active Active
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