以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下では、発光素子であるLEDを主走査方向に列設したLEDアレイをヘッド部とし、千鳥状に配置された複数のLEDアレイを用いて感光体への画像の書き込みを行うLED書き込み方式の画像形成装置に対して本発明を適用した例について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す構成図である。この画像形成装置1は、プリンタ2、スキャナ3、FAXモデム4、PCI接続された他のデバイス(PCIオプション)5、SDRAM6やHDD7などの記憶装置を備えた複合機として構成されている。
この画像形成装置1には、SDRAM6やHDD7などの記憶装置に対するデータの書き込みや読み出しを制御するメモリコントローラ8が設けられている。メモリコントローラ8には、ユーザによる操作入力の受け付けや各種情報の表示を行う操作パネル9も接続されている。
また、画像形成装置1には、プリンタ2やスキャナ3の動作を制御するエンジンコントローラ10が設けられている。エンジンコントローラ10の内部には、画像形成装置1の全体の動作を統括的に制御するCPU11や、各種の画像処理を行う画像処理部12が設けられている。
また、画像形成装置1には、外部機器との間で通信を行うためのプリンタインターフェース13が設けられている。画像形成装置1は、このプリンタインターフェース13により、LANなどのネットワーク経由でホストPC14と接続されている。ホストPC14は、各種イメージの画像データをネットワーク経由で画像形成装置1に送出するコンピュータである。
FAXモデム4、PCIオプション5、メモリコントローラ8、エンジンコントローラ10およびプリンタインターフェース13は、画像形成装置1内部において、PCIバス15によって相互に接続されている。
プリンタ2は、LEDアレイ16により感光体ドラム17に画像を書き込み、感光体ドラム17に形成された静電潜像を現像部18で現像して、搬送部19により搬送される記録紙23に転写することで、記録紙23に画像を形成する構成である。画像形成装置1は、このプリンタ2のLEDアレイ16による画像の書き込みを制御するためのLEDアレイ制御装置100が設けられている。
以上のように構成される画像形成装置1において、メモリコントローラ8は、ホストPC14からプリンタインターフェース13、PCIバス15を介して画像データを受け取り、SDRAM6、HDD7へと一旦格納しておく。FAXモデム4により受信した画像データや、PCIオプション5からの画像データも同様に、メモリコントローラ8がPCIバス15を介してこれらの画像データを受け取り、SDRAM6、HDD7へ格納する。また、スキャナ3によって読み取られた原稿の画像データも同様に、メモリコントローラ8がPCIバス15を介して画像データを受け取り、SDRAM6、HDD7へ格納する。
エンジンコントローラ10は、SDRAM6、HDD7に格納されている画像データの転送をメモリコントローラ8に対して要求し、転送されてきた画像データに対して画像処理部12により画質改善などの画像処理を行って、LEDアレイ制御装置100へと転送する。
LEDアレイ制御装置100は、LEDアレイ16への画像データの転送制御や、LED点灯制御信号(LED発光ストローブ信号)の生成、転送などを行い、LEDアレイ16による感光体ドラム17への画像の書き込みを制御する。LEDアレイ制御装置100による制御のもとで、LEDアレイ16が露光を行うことで、除電ランプ20による除電と帯電チャージャ21による帯電が行われた感光体ドラム17に静電潜像が形成される。そして、この感光体ドラム17に形成された静電潜像に、現像部18から供給されるトナーが付着することで、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
感光体ドラム17に形成されたトナー像は、転写チャージャ22と対向する位置にて、転写チャージャ22のサポートにより感光体ドラム17から分離され、搬送部19によって搬送されてきた記録紙23に転写される。記録紙23に転写されたトナー像は、定着部24によって記録紙23に熱定着される。トナー像の定着が行われた記録紙23は、印刷物として画像形成装置1から排出される。また、記録紙23へのトナー像の転写が終了した後の感光体ドラム17上に残ったトナーは、クリーニングブレード25によってクリーニングされる。
感光体ドラム17の近傍には、光反射型センサからなる濃度センサ26が設けられている。画像形成装置1では、印刷画像の濃度を安定させるために、LEDアレイ16による露光前に、感光体ドラム17に対して、濃度センサ26での読み取り専用の黒ベタパターン画像を生成し、黒ベタパターン部分を読み取った濃度センサ26の出力電圧をモニタすることで、感光体ドラム17に付着しているトナー量を検出して、現像部18によるトナー補給量を調節している。
次に、画像形成装置1が備えるLEDアレイ制御装置100の具体的な構成例について、従来例と対比しながら説明する。
まず、従来例のLEDアレイ制御装置について、図2および図3を参照して説明する。ここでは、A3幅サイズに対応する3つのLEDアレイを千鳥状に配置してA0幅サイズの印刷を可能にした構成を例に挙げて説明する。
図2は、従来例のLEDアレイ制御装置200の内部構成を示すブロック図であり、図3は、3つのLEDアレイ201〜203のレイアウトを説明する図である。従来例のLEDアレイ制御装置200は、図3に示すレイアウトで千鳥状に配置された3つのLEDアレイ201〜203による画像の書き込みを制御するものであり、図2に示すように、3つのLEDアレイ201〜203のそれぞれに対応する3つのLEDアレイ駆動制御部211〜213と、1つのデータ制御部220と、LEDアレイ202用の画像メモリ230と、LEDアレイ203用の画像メモリ240と、レジスタ制御部250と、基準信号生成部260とを備える。なお、図2中のエンジンコントローラ10、メモリコントローラ8、SDRAM6およびHDD7は、図1に示したものと同じである。
この従来例のLEDアレイ制御装置200において、データ制御部220は、エンジンコントローラ10内の画像処理部12から転送された画像データを受け取って、受け取った画像データを、LEDアレイ201用の画像データと、LEDアレイ202用の画像データと、LEDアレイ203用の画像データとに振り分ける。そして、データ制御部220は、振り分けた画像データのうち、LEDアレイ202用の画像データを画像メモリ230に格納するとともに、LEDアレイ203用の画像データを画像メモリ240に格納する。
LEDアレイ202用の画像データが格納される画像メモリ230の容量は、図3中のM1で示す、LEDアレイ201とLEDアレイ202との副走査方向における設置位置の差に相当するライン数分の画像データのデータ量以上が必要である。また、LED203用の画像データが格納される画像メモリ240の容量は、図3中のM2で示す、LEDアレイ201とLEDアレイ203との副走査方向における設置位置の差に相当するライン数分の画像データのデータ量以上が必要である。ただし、これら画像メモリ230,240の容量を過度に大きくするとコストアップを招くことになる。そこで、従来例のLEDアレイ制御装置200では、LEDアレイ201〜203のサイズやレイアウトに特化したメモリサイズに対応できる最小容量のメモリを、画像メモリ230,240として用いるようにしている。
LEDアレイ201〜203による1ライン分の画像書き込みのタイミングは、エンジンコントローラ10内のCPU11により管理されている。CPU11は、画像の副走査方向における1ラインごとに、LEDアレイ制御装置200内のレジスタ制御部250に対して、書き込みスタートを通達する。そのほかにも、CPU11は、LEDアレイ201とLEDアレイ202との副走査方向における設置位置の差(図3中のM1)に相当するライン数の情報、LEDアレイ201とLEDアレイ203との副走査方向における設置位置の差(図3中のM2)に相当するライン数の情報、LEDアレイ201とLEDアレイ202との主走査方向におけるオーバーラップ部分のマスク領域(図3中のM3)の情報、LEDアレイ202とLEDアレイ203との主走査方向におけるオーバーラップ部分のマスク領域(図3中のM4)の情報など、LEDアレイ201〜203の位置関係を表す情報(レイアウト関連情報)や、LEDアレイ201〜203それぞれの1ラインあたりの発光時間設定値などを、レジスタ制御部250に通知する。レジスタ制御部250は、これらの情報をLEDアレイ制御装置200内のレジスタ(図示せず)に保存する。
基準信号生成部260は、CPU11からレジスタ制御部250に書き込みスタートが通達されると、LEDアレイ201〜203による1ライン分の画像書き込みのタイミングを制御する基準となるライン周期信号を生成する。そして、このライン周期信号を基準として、レジスタに保存されたCPU11からの情報をもとに、画像メモリ230,240から画像データを読み出すタイミングを制御する画像メモリリードタイミング信号や、LEDアレイ駆動制御部211〜213がLEDアレイ201〜203に対して画像データを転送するタイミングを制御する画像データ転送タイミング信号、LEDアレイ201〜203が画像の書き込みを行うタイミングを制御する書き込みタイミング信号などを生成する。
データ制御部220は、基準信号生成部260からLEDアレイ202用の画像メモリリードタイミング信号とLEDアレイ203用の画像メモリリードタイミング信号とを受け取る。そして、データ制御部220は、LEDアレイ202用の画像メモリリードタイミング信号に基づいて、画像メモリ230からLEDアレイ202用の画像データを読み出してLED駆動制御部212に転送する。また、データ制御部220は、LEDアレイ203用の画像メモリリードタイミング信号に基づいて、画像メモリ240からLEDアレイ203用の画像データを読み出してLED駆動制御部213に転送する。なお、LEDアレイ201用の画像データは、画像メモリ230,240には格納されないため、データ制御部220がエンジンコントローラ10内の画像処理部12から画像データを受け取った際に、LEDアレイ201に対応したLEDアレイ駆動制御部211へと転送している。
LEDアレイ駆動制御部211〜213は、それぞれ、対応するLEDアレイ201〜203用の画像データ転送タイミング信号を基準信号生成部260から受け取り、この画像データ転送タイミング信号に基づいて、データ制御部220から受け取った画像データをLEDアレイ201〜203に転送する。また、LEDアレイ駆動制御部211〜213は、それぞれ、レジスタに保存された、対応するLEDアレイ201〜203の1ラインあたりの発光時間設定値をもとにLED発光ストローブ信号を生成し、生成したLED発光ストローブ信号を、対応するLEDアレイ201〜203に対して供給する。LEDアレイ駆動制御部211〜213は、これら画像データやLED発光ストローブ信号を供給することで、対応するLEDアレイ201〜203の駆動を制御して、適切に画像の書き込みが行われるようにする。このとき、LEDアレイ駆動制御部211〜213は、レジスタに保存されたマスク領域の情報や、対応するLEDアレイ201〜203が保持する固有の光量補正データなどを用いて、主走査方向における画素のつなぎ目位置を調整する処理や、つなぎ目位置が画像上で目立たなくなるように画素の濃度を補正する処理などを実施する。
以上のように構成されている従来例のLEDアレイ制御装置200においては、画像メモリ230,240およびデータ制御部220が、使用するLEDアレイ201〜203のサイズやレイアウトに特化した構成となっている。このため、使用するLEDアレイのサイズやレイアウトを変更したい場合には、それに対応させてLEDアレイ制御装置200自体を作り変える必要があり、開発費、開発工数、開発期間の増大を招いてしまうという問題があった。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1が備えるLEDアレイ制御装置100について説明する。ここでは、A4幅サイズに対応する5つのLEDアレイを千鳥状に配置してA0幅サイズの印刷を可能にした構成を例に挙げて説明する。
図4は、本実施の形態のLEDアレイ制御装置100の内部構成を示すブロック図であり、図5は、5つのLEDアレイ101〜105(図1に示したLEDアレイ16に相当)のレイアウトを説明する図である。LEDアレイ制御装置100は、図5に示すレイアウトで千鳥状に配置された5つのLEDアレイ101〜105による画像の書き込みを制御するものであり、図4に示すように、5つのLEDアレイ101〜105のそれぞれに対応する5つのLEDアレイ駆動制御部(ヘッド駆動制御部)111〜115と、5つのLEDアレイ101〜105のそれぞれに対応する5つのデータ制御部121〜125と、画像メモリ(画像記憶部)130と、アービタ(調停部)140と、レジスタ制御部150と、基準信号生成部(信号生成部)160とを備える。
図5に示すLEDアレイ101〜105のレイアウトの場合でも、基準となるLEDアレイ101と他のLEDアレイ102〜105との間に副走査方向における設置位置の差(図5中のN1〜N4)が存在し、また、隣り合うLEDアレイ間では主走査方向において画素がオーバーラップしている部分(図5中のN5〜N8)が存在する。LEDアレイ制御装置100は、LEDアレイ101〜105の副走査方向における設置位置の差については、画像メモリ130を用いて、LEDアレイ101〜105の副走査方向における設置位置の差に相当するライン数の画像データをディレイさせ、主走査方向における画素のオーバーラップ部分については、余分な画素をマスク処理し、さらに、つなぎ目位置が画像上で目立たなくなるように画素の濃度補正などを行うことによって、画像を正しく再現できるようにしている。主走査方向における画素のオーバーラップ部分のマスク処理や濃度補正は、従来例のLEDアレイ制御装置200と同様、LEDアレイ101〜105のそれぞれに対応するLEDアレイ駆動制御部111〜115により実施される。
また、本実施の形態に係るLEDアレイ制御装置100において、レジスタ制御部150や基準信号生成部160の機能は、基本的に、従来例のLEDアレイ制御装置200におけるレジスタ制御部250、基準信号生成部260と同様である。
すなわち、レジスタ制御部150は、CPU11から、LEDアレイ101とLEDアレイ102との副走査方向における設置位置の差(図5中のN1)に相当するライン数の情報、LEDアレイ101とLEDアレイ103との副走査方向における設置位置の差(図5中のN2)に相当するライン数の情報、LEDアレイ101とLEDアレイ104との副走査方向における設置位置の差(図5中のN3)に相当するライン数の情報、LEDアレイ101とLEDアレイ105との副走査方向における設置位置の差(図5中のN4)に相当するライン数の情報、LEDアレイ101とLEDアレイ102との主走査方向におけるオーバーラップ部分のマスク領域(図5中のN5)の情報、LEDアレイ102とLEDアレイ103との主走査方向におけるオーバーラップ部分のマスク領域(図5中のN6)の情報、LEDアレイ103とLEDアレイ104との主走査方向におけるオーバーラップ部分のマスク領域(図5中のN7)の情報、LEDアレイ104とLEDアレイ105との主走査方向におけるオーバーラップ部分のマスク領域(図5中のN8)の情報など、LEDアレイ101〜105の位置関係を表す情報(レイアウト関連情報)や、LEDアレイ101〜105それぞれの1ラインあたりの発光時間設定値などを受け取り、これらの情報をLEDアレイ制御装置100内の図示しないレジスタ(レイアウト関連情報記憶部)に保存する。
また、基準信号生成部160は、CPU11からレジスタ制御部150に書き込みスタートが通達されると、LEDアレイ101〜105による1ライン分の画像書き込みのタイミングを制御する基準となるライン周期信号を生成する。そして、このライン周期信号を基準として、レジスタに保存されたCPU11からの情報をもとに、画像メモリ130から画像データを読み出すタイミングを制御する画像メモリリードタイミング信号や、LEDアレイ駆動制御部111〜115がLEDアレイ101〜105に対して画像データを転送するタイミングを制御する画像データ転送タイミング信号、LEDアレイ101〜105が画像の書き込みを行うタイミングを制御する書き込みタイミング信号などを生成する。
従来例のLEDアレイ制御装置200と比較して、本実施の形態に係るLEDアレイ制御装置100において特徴的な構成としては、使用するLEDアレイ101〜105ごとに設けられた各LEDアレイ駆動制御部111〜115に対して、それぞれデータ制御部121〜125が個別に接続された構成となっている点が挙げられる。すなわち、LED制御装置100では、使用するLEDアレイごとに、それぞれLEDアレイ駆動部とデータ制御部とが個別に設けられ、LEDアレイの制御系統が、使用するLEDアレイごとに独立した構成となっている。
また、LED制御装置100では、画像データを格納する画像メモリ130が、1つのLEDアレイに対応した容量のメモリを複数用いる構成ではなく、LEDアレイ101〜105の副走査方向における設置位置の差を吸収するためにディレイが必要とされる最大のライン数分の画像データを格納できる容量のメモリを1つ用いる構成となっている。
また、LED制御装置100では、データ制御部121〜125からの画像メモリ130に対するアクセス要求(リード要求)や、エンジンコントローラ10がLEDアレイ制御装置100の画像メモリ130に画像データを書き込む際のアクセス要求(ライト要求)を調停するアービタ140が設けられている。なお、本実施の形態では、エンジンコントローラ10が、画像データをLEDアレイ制御装置100へと転送するだけでなく、画像メモリ130に対するライト要求がアービタ140によって許可されたときに、画像メモリ130に画像データを書き込むようにしている(書き込み部)。
LEDアレイ101〜105の各々に対応するデータ制御部121〜125は、互いに同一の機能を有している。これらデータ制御部121〜125の主な機能は、画像メモリ130に対してリード要求を行い、画像メモリ130から必要な画像データを読み出して、対応するLEDアレイ駆動制御部111〜115に転送することである。
データ制御部121〜125は、基準信号生成部160により生成された画像メモリリードタイミング信号に基づいて、画像メモリ130に対するリード要求を行う。すなわち、各データ制御部121〜125からリード要求が発行されるタイミングは、CPU11から書き込みスタート通達がなされてから、対応するLEDアレイ101〜105の副走査方向における位置に応じてディレイが必要なライン数分の時間が経過したタイミングである。
データ制御部121〜125からの画像メモリ130に対するリード要求は、アービタ140によって調停される。アービタ140は、1ライン分の画像データが1ライン周期内で順次読み出されるように、データ制御部121〜125によるリード要求を調停する。また、アービタ140は、これらデータ制御部121〜125によるリード要求と、エンジンコントローラ10からの画像メモリ130に対するライト要求との調停も行っている。なお、アービタ140によるこれらのアクセス要求の調停については、詳細を後述する。
図6は、LEDアレイ101に対応するLEDアレイ駆動制御部111およびデータ制御部121の具体的な内部構成の一例を示すブロック図である。なお、図6では図示を省略しているが、他のLEDアレイ102〜105に対応するLEDアレイ駆動制御部112〜115およびデータ制御部122〜125も、LEDアレイ駆動制御部111およびデータ制御部121と同様の内部構成を有している。LEDアレイ駆動制御部111〜115およびデータ制御部121〜125は、それぞれ対応するLEDアレイ101〜105ごとに独立して動作し、基準信号生成部160により生成される各種タイミング信号を共有することによって、互いの同期をとる構成となっている。
データ制御部121は、内部にデータバッファ121aを備え、このデータバッファ121aを用いて、副走査遅延制御121bを実施する。副走査遅延制御121bには、画像メモリ制御と、データバッファ制御とが含まれる。
画像メモリ制御は、画像メモリ130から画像データを読み出す際のアドレス制御やリード要求の生成を実行して、画像メモリ130からの画像データ読み出しを制御するものである。具体的には、LEDアレイ101に対応する画像データが画像メモリ130のどこに格納されているかを示す開始アドレス、終了アドレスの情報をレジスタから読み出して、その情報をもとに、画像メモリ130を制御するためのアドレスデータを生成するとともに、画像メモリ130に対するリード要求を生成する。画像メモリ制御により生成されたリード要求およびアドレスデータは、基準信号生成部160が生成する画像メモリリードタイミング信号をトリガとして、アービタ140に渡される。なお、本例では、使用するLEDアレイ101〜105ごとに画像メモリ130上のアドレス空間を区分し、各LEDアレイ101〜105に対応する開始アドレスと終了アドレスの情報をレジスタに登録する構成を想定しているが、画像メモリ130に対する画像データの格納方法はこれに限定されるものではなく、各LEDアレイ101〜105に対応する画像データの格納場所が特定できる方法で格納すればよい。
データ制御部121は、リード要求に対するアクセス許可をアービタ140から受け取ったら、画像メモリ130から該当する画像データの読み出しを開始する。画像メモリ130から読み出された画像データは、一時的にデータバッファ121aに格納される。データバッファ121aとしては、例えば、デュアルポートのFIFOメモリが用いられる。
データバッファ制御は、データバッファ121aに対するライトリセット信号やリードリセット信号の生成、ライトイネーブル生成やリードイネーブル生成を実行し、データバッファ121aに対する画像データの書き込みや読み出しを制御するものである。具体的には、データバッファ121aに一時的に格納された画像データが、次ラインの書き込みタイミング信号がアサートされたときに読み出されてLEDアレイ駆動制御部111に転送されるように、データバッファ121aに対する画像データの書き込みや読み出しが制御する。なお、データバッファ121aの動作については、詳細を後述する。
LEDアレイ駆動制御部111は、主走査レジスト制御111a、LEDアレイI/F制御111bおよび光量補正データ制御111cを実施する。
主走査レジスト制御111aは、レジスタに保存されたLEDアレイ101のマスク領域の情報に基づいて、主走査方向における画素のマスク処理を実行するとともに、記録紙23のサイズや操作パネル9を用いたユーザの操作などに応じて、主走査方向における書き込み位置のシフト処理を実行するものである。これらの処理が行われた画像データが、次段のLEDアレイI/F制御111bに渡される。
LEDアレイI/F制御111bは、主走査レジスト制御111aから受け取った画像データを、LEDアレイ101が受け取ることのできるフォーマットに変換し、変換後の画像データにデータラッチ信号を付加して、LEDアレイ101に転送する処理を実行するものである。また、LEDアレイI/F制御111bは、レジスタに保存されたLEDアレイ101の1ラインあたりの発光時間設定値に基づいてLED発光ストローブ信号を生成され、LEDアレイ101に供給する処理も実行する。
光量補正データ制御111cは、LEDアレイ101内に設けられたROMから、LEDアレイ101を構成している個々のLEDの光量を補正するための光量補正データをシリアル通信で読み出して、LED駆動制御部111内に設けられた光量補正データ格納メモリ111dに書き込む処理を実行するものである。また、光量補正データ制御111cは、LEDアレイ101内のROMから読み出して光量補正データ格納メモリ111dに格納したLEDアレイ101の光量補正データを、光量補正データ格納メモリ111dから適宜読み出して、つなぎ目補正制御を実行する。つなぎ目補正制御とは、LEDアレイ間のつなぎ目となる部分の画像のスジを目立たなくするために、つなぎ目となっている画素の光量を、その光量補正データを変更することによって調整するものである。なお、つなぎ目補正制御の具体例については、例えば、特開2003−72146号公報、特開2004−17503号公報、特開2004−284077号公報などに詳細が記載されている。
つなぎ目補正制御により変更された光量補正データは、再度、LEDヘッド101へと転送される。光量補正データ格納メモリ111dに対する光量補正データの書き込みや読み出しは、補正データメモリ制御によりアドレスデータの生成、リードイネーブル信号の生成、ライトイネーブル信号の生成を実行することで制御される。
次に、アービタ140によるアクセス要求の調停について、図7および図8を参照して説明する。アービタ140は、上述したように、1ライン分の画像データが1ライン周期内で順次読み出されるように、データ制御部121〜125によるリード要求およびエンジンコントローラ10によるライト要求を調停する。具体的には、アービタ140は、これら画像メモリ130に対する各アクセス要求に優先順位を与え、優先順位が最上位のアクセス要求を許可するとともに、許可したアクセス要求の要求元が発行した次のアクセス要求の優先順位を最下位にすることで、データ制御部121〜125によるリード要求およびエンジンコントローラ10によるライト要求を調停する。
図7は、アクセス要求に対するアービタ140による調停の一例を説明する図である。アービタ140は、図7に例示するように、データ制御部121〜125によるリード要求およびエンジンコントローラ10によるライト要求に優先順位を与える。そして、アービタ140は、同時に複数のアクセス要求が発生したときは、優先順位が最上位のアクセス要求を受け付け、受け付けたアクセス要求の要求元にデータバス、アドレスバスを接続して、メモリアクセスを許可する。
例えば、アービタ140は、デフォルト状態では、エンジンコントローラ10によるライト要求の優先順位を最上位とし、次にデータ制御部121によるリード要求、次にデータ制御部122によるリード要求・・・といったように、各アクセス要求に優先順位を与える。そして、アービタ140は、優先順位が最上位であるエンジンコントローラ10によるライト要求を受け付けて、エンジンコントローラ10によるメモリアクセスを許可する。
その後、エンジンコントローラ10による画像メモリ130への画像データの書き込みが終了すると、アービタ140は、エンジンコントローラ10によるライト要求の優先順位を最下位とする。その結果、データ制御部121によるリード要求が最上位になるので、アービタ140は、優先順位が最上位であるデータ制御部121によるリード要求を受け付けて、データ制御部121によるメモリアクセスを許可する。
その後、データ制御部121が画像メモリ130から必要な画像データを読み出すと、アービタ140は、データ制御部121によるリード要求の優先順位を最下位とする。その結果、データ制御部122によるリード要求が最上位になるので、アービタ140は、優先順位が最上位であるデータ制御部122によるリード要求を受け付けて、データ制御部122によるメモリアクセスを許可する。
アービタ140は、以上のようにメモリアクセスの優先順位の移動を繰り返すことによって同時要求を処理し、1ライン分の画像データが1ライン周期内で順次読み出されるように、データ制御部121〜125によるリード要求およびエンジンコントローラ10によるライト要求を調停している。
図8は、アービタ140が図7の例のようにアクセス要求の調停を行った場合における画像メモリ130へのメモリアクセスのタイミングを説明する図である。アービタ140は、図8に示すように、複数のアクセス要求が同時に発生した場合に、優先順位が最上位のアクセス要求を受け付けて、受け付けたアクセス要求の要求元にデータバス、アドレスバスを接続して、メモリアクセスを許可する。優先順位が低い他の要求元は、アクセス要求が許可されている要求元によるアクセス処理が終了しない限り、アクセス要求が受け付けられない状態となっている。その後、アクセス要求が許可された要求元がアクセス処理を終了すると、その要求元による次のアクセス要求の優先順位は最下位となり、その時点で優先順位が最上位のアクセス要求が受け付けられる。このように、アクセス要求の優先順位を移動することによって、同時要求を処理している。
アービタ140は、エンジンコントローラ10およびデータ制御部121〜125による全てのアクセス処理が1ライン周期内で終了するように、各要求元からのアクセス要求の調停を行っている。言い換えると、全てのアクセス処理が1ライン周期内で終了させることが可能な範囲内であれば、画像メモリ130に対するアクセス要求を増やすことも可能であり、その分、搭載するLEDアレイの数を増やすことができる。なお、ライン周期はプリンタ2の印刷速度に応じた限界線速によって定まり、その値はレジスタに格納されている。このライン周期に合わせて、基準信号生成部160によりライン周期信号が生成される。
次に、データバッファ121aの動作の具体例について、図9を参照して説明する。以下の動作例は、データバッファ121aとして、LEDアレイ101に供給する2ライン分の画像データのデータ量以上の容量を有するFIFOメモリを用いた場合の例である。
図9は、データバッファ121aとして用いたFIFOメモリの動作を説明するタイミングチャートである。画像メモリ130からアービタ140を経由してデータ制御部121に送られてくる画像データは、図9に示すタイミングで、データバッファ121aに書き込まれ、そして読み出される。
ライトリセット信号は、画像メモリリードタイミング信号のアサートタイミング直後にアサートされて、2ラインに1回の割合でアサートされる。ライトイネーブル信号は、画像メモリ130からの画像データの読み出しと同じタイミングで同じ期間アサートされる。このライトイネーブル信号は、1ラインごとにアサートされる。
リードリセット信号は、書き込みタイミング信号のアサート直後にアサートされて、2ラインに1回の割合でアサートされる。ただし、リードリセット信号がアサートされるのは、ライトリセット信号がアサートされないラインのときのみで、同じラインでライトリセット信号とリードリセット信号とがアサートされることはない。リードイネーブル信号は、リードリセット信号と同様に、書き込みタイミング信号がアサートされた直後にアサートされ、ライトイネーブル信号と同じ期間アサートされる。ただし、リードリセット信号がアサートされるラインでは、リードイネーブル信号がアサートされるのは、リードリセット信号がアサートされた後のタイミングとする。
以上により、データバッファ121aに対する画像データの書き込みや読み出しが制御され、LEDアレイ101に供給する画像データが1ライン分ずつ、データ制御部121からLEDアレイ駆動制御部111へと受け渡される。なお、以上は、LEDアレイ101に対応するデータ制御部121内に設けられたデータバッファ121aの動作例であるが、他のデータ制御部122〜125内に設けられたデータバッファについても、同様に動作する。
以上説明したように、本実施の形態のLEDアレイ制御装置100は、使用するLEDアレイ101〜105ごとに、それぞれLEDアレイ駆動部111〜115とデータ制御部121〜125とが個別に設けられ、LEDアレイの制御系統が、使用するLEDアレイ101〜105ごとに独立した構成となっている。そして、LEDアレイ制御装置100は、LEDアレイ101〜105の副走査方向における設置位置の差については、画像メモリ130を用いて、LEDアレイ101〜105の副走査方向における設置位置の差に相当するライン数の画像データをディレイさせ、主走査方向における画素のオーバーラップ部分については、余分な画素をマスク処理し、さらに、つなぎ目位置が画像上で目立たなくなるように画素の濃度補正などを行うことによって、画像を正しく再現できるようにしている。
したがって、このようなLEDアレイ制御装置100を備える画像形成装置1は、使用するLEDアレイのサイズやレイアウトを変更する場合(例えば、A4幅サイズに対応する5つのLEDアレイを千鳥状に配置してA0幅サイズの印刷を可能にする構成から、A3幅サイズに対応する3つのLEDアレイを千鳥状に配置してA0幅サイズの印刷を可能にする構成に変更する場合)であっても、操作パネル9などを使用して外部から、LEDアレイの設置構成の情報(LEDアレイ間の副走査方向における設置位置の差分ライン数、主走査方向におけるオーバーラップ画素のマスク範囲)や、画像メモリ130のアドレス情報(個々のLEDアレイに転送する画像データが格納されている開始アドレス、終了アドレス)を入力し、LEDアレイ制御装置100内のレジスタに格納することによって、LEDアレイ制御装置100を設計変更することなしで対応することが可能である。これにより、LEDアレイ制御装置100の設計変更に伴う開発費、開発工数、開発期間の増大といった問題を有効に回避することができる。
図10は、A3幅サイズに対応するLEDアレイ(324mm幅)で構成可能な画像形成装置の対応用紙サイズの一覧を示す図であり、図11は、A4幅サイズに対応するLEDアレイ(216mm幅)で構成可能な画像形成装置の対応用紙サイズの一覧を示す図である。これら図10および図11から、例えば、A0+の用紙サイズに対応する画像形成装置は、A3幅サイズに対応する3つのLEDアレイを搭載する構成としてもよいし、A4幅サイズに対応する5つのLEDアレイを搭載する構成としてもよい。本実施の形態に係る画像形成装置1では、A0+の用紙サイズに対応させる場合、5つのLEDアレイを搭載可能な構成、つまり、LEDアレイ制御装置100内のLEDアレイ駆動制御部とデータ制御部とを、それぞれ搭載可能なLEDアレイの最大数と同数である5つずつ設けた構成としておき、LEDアレイのコストトレンドを見ながら、A4幅サイズに対応する5つのLEDアレイを搭載するか、A3幅サイズに対応する3つのLEDアレイを搭載するかを選択すればよい。
また、以上は、同一サイズのLEDアレイを複数搭載する構成について説明したが、本実施の形態に係る画像形成装置1は、搭載する複数のLEDアレイのうちの一部のLEDアレイのサイズが、他のLEDアレイのサイズと異なる構成、つまり、異なるサイズのLEDアレイを混載する構成とすることも可能である。
図12は、A3幅サイズに対応するLEDアレイ(324mm幅)とA4幅サイズに対応するLEDアレイ(216mm幅)とを混載する構成の画像形成装置の対応用紙サイズの一覧を示す図である。LEDアレイの価格は、アレイを構成しているLEDの数で決定される場合が多い。例えば、324mm幅のLEDアレイの価格と216mm幅のLEDアレイの価格とを比べた場合、324mm幅のLEDアレイが使用しているLEDの数は、216mm幅のLEDアレイが使用しているLEDの数に比べておよそ1.5倍であるので、324mm幅のLEDアレイの価格は、216mm幅のLEDアレイの価格のおよそ1.5倍となる。
ここで、例えば、B0+の用紙サイズに対応可能な画像形成装置を考えた場合、324mm幅のLEDアレイのみでB0+の用紙サイズに対応させるには、324mm幅のLEDアレイを4つ搭載する必要があり、その合計幅は1296mm(図10参照)となる。また、216mm幅のLEDアレイのみでB0+の用紙サイズに対応させるには、216mm幅のLEDアレイを6つ搭載する必要があり、その合計幅は1296mm(図11参照)となる。一方、324mm幅のLEDアレイと216mm幅のLEDアレイとを混載する場合、324mm幅のLEDアレイを3つ搭載するとともに、216mm幅のLEDアレイを1つ搭載することで、B0+の用紙サイズに対応させることができ、その合計幅は1180mmとなる。
複数のLEDアレイの合計幅は、使用するLEDの数にほぼ対応しているので、複数のLEDアレイの合計幅が短いほどコスト安になる。上記の例のように、異なるサイズのLEDアレイを混載する構成とすることにより、対応させる用紙サイズに応じて、LEDアレイの合計幅を必要最小限の大きさにすることができ、同じサイズの複数のLEDアレイを搭載する場合と比べて、コストの低減を図ることが可能となる。
なお、LEDアレイの価格がアレイを構成しているLEDの数に比例しない場合であっても、異なるサイズのLEDアレイを混載する構成とすることでコスト安になるケースもある。例えば、A0+の用紙サイズに対応可能な画像形成装置を考えた場合、324mm幅のLEDアレイのみでA0+の用紙サイズに対応させるには、324mm幅のLEDアレイを3つ搭載する必要があり、その合計幅は972mm(図10参照)となる。また、216mm幅のLEDアレイのみでA0+の用紙サイズに対応させるには、216mm幅のLEDアレイを5つ搭載する必要があり、その合計幅は1080mm(図11参照)となる。一方、324mm幅のLEDアレイと216mm幅のLEDアレイとを混載する場合、324mm幅のLEDアレイを1つ搭載するとともに、216mm幅のLEDアレイを3つ搭載することで、A0+の用紙サイズに対応させることができ、その合計幅は972mmとなる。
上記の例の場合、324mm幅のLEDアレイと216mm幅のLEDアレイとを混載する場合の合計幅は、324mm幅のLEDアレイのみを搭載する場合の合計幅と同じであるが、216mm幅のLEDアレイが324mm幅のLEDアレイよりも割安となっていれば、324mm幅のLEDアレイを3つ搭載する場合よりも、324mm幅のLEDアレイを1つ、216mm幅のLEDアレイを3つ搭載する場合の方がコスト安となるため、コストの低減を図ることが可能となる。
ところで、上述した本実施の形態に係る画像形成装置1では、使用するLEDアレイ101〜105の設置構成の情報や画像メモリ130のアドレス情報を、操作パネル9などを使用して外部から入力して、LEDアレイ制御装置100内のレジスタに格納するようにしているが、LEDアレイ駆動制御部111〜115が、対応するLEDアレイ101〜105からの光量補正データの読み出しによってLEDアレイの接続有無、サイズなどを認識するようにすれば、使用するLEDアレイ101〜105の設置構成の情報や画像メモリ130のアドレス情報を、自動でレジスタに格納することも可能である。以下、LEDアレイ駆動制御部111〜115にこのような機能を持たせた場合の例について、図13および図14を参照して説明する。
図13は、LEDアレイ駆動制御部111の光量補正データ制御111cにLEDアレイ検出機能を付加した場合の要部構成を示すブロック図であり、図14は、光量補正データ制御111cによってLEDアレイ101のROMから読み出される光量補正データの一例を示す図である。なお、ここでは、LEDアレイ101に対応するLEDアレイ駆動制御部111についてのみ説明するが、他のLEDアレイ102〜105に対応するLEDアレイ駆動制御部112〜115も、LEDアレイ駆動制御部111と同様である。
本例の場合、図13に示すように、LEDアレイ駆動制御部101の光量補正データ制御111cに、LEDアレイ検出を実行する機能が付加されている。LEDアレイ検出は、LEDアレイ101からの光量補正データの読み出しを通じて、対応するLEDアレイ101が接続されているか否か、接続されている場合にはそのLEDアレイ101のサイズを認識する処理である。
LEDアレイ101のROMには、例えば図14に示すようなデータ構造の光量補正データが格納されている。光量補正データがこのようなデータ構造の場合、LEDアレイ駆動制御部111の光量補正データ制御111cにより、LEDアレイ101のROMから光量補正データを読み出した際に、アドレス000h番地の種別データを確認することで、対応するLEDアレイ101が接続されているか否か、接続されている場合にはそのLEDアレイ101のサイズを認識することが可能である。
LEDアレイ101が接続されていない場合、光量補正データの値は、外部でプルアップされているために、すべての番地でFFhとなる。したがって、光量補正データの読み出しを行った際の読み値がFFhとなっている場合に、LEDアレイ101が接続されていないと認識することが可能である。また、図14の例では、アドレス000h番地で01hが読み出された場合、LEDアレイ101が接続されており、A3幅サイズに対応するLEDアレイ(324mm幅)であることを認識できる。また、アドレス000h番地で読み出された値が、A4幅サイズに対応するLEDアレイ(216mm幅)に固有の値である場合、LEDアレイ101が接続されており、そのLEDアレイ101がA4幅サイズに対応するLEDアレイ(216mm幅)であることを認識できる。
以上のように、LEDアレイ駆動制御部101の光量補正データ制御111cが実行するLEDアレイ検出によって認識されたLEDアレイ101の接続有無、接続されているLEDアレイ101のサイズの情報は、レジスタ制御部150に送られてレジスタに格納される。そして、エンジンコントローラ10のCPU11が、これらの情報を用いて、画像形成装置1におけるLEDアレイの設置構成の情報(LEDアレイ間の副走査方向における設置位置の差分ライン数、主走査方向におけるオーバーラップ画素のマスク範囲)や、画像メモリ130のアドレス情報(個々のLEDアレイに転送する画像データが格納されている開始アドレス、終了アドレス)を生成し(情報生成部)、LEDアレイ制御装置100のレジスタに設定する。具体的には、エンジンコントローラ10のCPU11は、例えば、使用するLEDアレイのサイズおよび個数、異なるサイズのLEDアレイを混載した場合の組み合わせなどに対応して、複数のLEDアレイの配置のレイアウトパターンを予め定めておき、実際に接続されているLEDアレイの数やサイズの情報から、予め定めたレイアウトパターンのうちの対応するものを特定して、特定したレイアウトパターンに対応する設置構成の情報や画像メモリ130のアドレス情報を、LEDアレイ制御装置100のレジスタに設定すればよい。
以上のように、LEDアレイ駆動制御部111〜115に、対応するLEDアレイの接続有無や、接続されているLEDアレイサイズなどを認識する機能を設け、エンジンコントローラ10のCPU11が、これらの情報をもとに、LEDアレイの設置構成の情報や画像メモリ130のアドレス情報を自動で生成してレジスタに設定するようにすれば、画像形成装置1の組み付け工程やユーザ先でのLEDアレイの交換の際に、操作パネル9などを使用した手動入力により上記の設定を行う工数を削減することができる。
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置1は、上述したように、画像形成装置1が搭載可能なLEDアレイの最大数と同数のLEDアレイ駆動制御部およびデータ制御部をLEDアレイ制御装置100内に設け、搭載するLEDアレイの数は、LEDアレイ駆動制御部やデータ制御部の数の範囲内で選択できる構成となっている。したがって、LEDアレイ制御装置100が制御対象とするLEDアレイの数が、LEDアレイ駆動制御部やデータ制御部の数よりも少なくなる場合がある。このような場合には、画像メモリ130に対する複数のアクセス要求を調停するアービタ140に、一部のアクセス要求を無効とする機能を設けることで、ライン周期の短縮を図り、効率的な動作を実現できるようにすることが望ましい。
以下、一部のアクセス要求を無効にする機能を持つアービタ140によるアクセス要求の調停の具体例について、図15および図16を参照して説明する。ここでは、図4に示したように、5つのLEDアレイ101〜105に対応して、LEDアレイ制御装置100内に、5つのLEDアレイ駆動制御部111〜115と、5つのデータ制御部121〜125とが設けられている構成において、実際に搭載されているLEDアレイが、3つのLEDアレイ102〜104である場合を例に挙げて説明する。
図15は、一部のアクセス要求を無効にする機能を持つアービタ140によるアクセス要求の調停の一例を説明する図である。本例の場合、LEDアレイ101とLEDアレイ105は画像形成装置1に搭載されていないため、アービタ140は、LEDアレイ101に対応するデータ制御部121が発行するリード要求と、LEDアレイ105に対応するデータ制御部125が発行するリード要求とを無効とし、それ以外のデータ制御部122〜124によるリード要求およびエンジンコントローラ10によるライト要求に優先順位を与える。そして、アービタ140は、上述した例と同様に、優先順位を移動しながら、優先順位が最上位のアクセス要求を順次受け付けるが、データ制御部121が発行するリード要求と、データ制御部125が発行するリード要求については、許可しないようにする。
例えば、アービタ140は、デフォルト状態では、エンジンコントローラ10によるライト要求の優先順位を最上位とし、次にデータ制御部122によるリード要求、次にデータ制御部123によるリード要求・・・といったように、各アクセス要求に優先順位を与える。そして、アービタ140は、優先順位が最上位であるエンジンコントローラ10によるライト要求を受け付けて、エンジンコントローラ10によるメモリアクセスを許可する。
図16は、アービタ140が図15の例のようにアクセス要求の調停を行った場合における画像メモリ130へのメモリアクセスのタイミングを説明する図である。アービタ140は、図16に示すように、エンジンコントローラ10によるライト要求、データ制御部122によるリード要求、データ制御部123によるリード要求、データ制御部124によるリード要求の順で、画像メモリ130に対するこれら4つのアクセス要求を順次受け付けていくが、データ制御部121によるリード要求と、データ制御部125によるリード要求は受け付けない。したがって、デフォルトの状態で優先順位が最下位であったデータ制御部124によるアクセス処理が終了した段階で、次のライン周期に移行して、エンジンコントローラ10によるライト要求を受け付け可能な状態となる。
以上のように、アービタ140が、データ制御部121によるリード要求や、データ制御部122によるリード要求を無効にすることで、残りの4つのアクセス要求を1ライン周期内で処理できる範囲でライン周期を短くできるので、その分、副走査方向の画像の書き込みのスピードを高めて生産性を向上させることができる。
以上、本発明の具体的な実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述した実施の形態は、LED書き込み方式の画像形成装置に対して本発明を適用した例であるが、本発明を適用可能な画像形成装置はこれに限定されるものではなく、複数のヘッド部により1ライン分の画像の書き込みを行う構成の画像形成装置に広く適用可能である。例えば、インクを吐出するノズルを主走査方向に列設したインクジェットヘッドをヘッド部とし、千鳥状に配置された複数のインクジェットヘッドにより記録紙に対して直接画像を書き込むインクジェットプリンタに対しても、本発明は有効に適用可能である。