JP5759549B2 - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法 - Google Patents

乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5759549B2
JP5759549B2 JP2013525588A JP2013525588A JP5759549B2 JP 5759549 B2 JP5759549 B2 JP 5759549B2 JP 2013525588 A JP2013525588 A JP 2013525588A JP 2013525588 A JP2013525588 A JP 2013525588A JP 5759549 B2 JP5759549 B2 JP 5759549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
tread
groove
width
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013525588A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013014949A1 (ja
Inventor
慎太郎 畠中
慎太郎 畠中
浩幸 松本
浩幸 松本
勲 桑山
勲 桑山
潤 渡邉
潤 渡邉
進吾 日浦
進吾 日浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2013525588A priority Critical patent/JP5759549B2/ja
Publication of JPWO2013014949A1 publication Critical patent/JPWO2013014949A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5759549B2 publication Critical patent/JP5759549B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1272Width of the sipe
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C3/00Tyres characterised by the transverse section
    • B60C3/04Tyres characterised by the transverse section characterised by the relative dimensions of the section, e.g. low profile
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0302Tread patterns directional pattern, i.e. with main rolling direction
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0311Patterns comprising tread lugs arranged parallel or oblique to the axis of rotation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0327Tread patterns characterised by special properties of the tread pattern
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C2011/0337Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
    • B60C2011/0339Grooves
    • B60C2011/0358Lateral grooves, i.e. having an angle of 45 to 90 degees to the equatorial plane
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C2011/0337Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
    • B60C2011/0339Grooves
    • B60C2011/0358Lateral grooves, i.e. having an angle of 45 to 90 degees to the equatorial plane
    • B60C2011/036Narrow grooves, i.e. having a width of less than 3 mm

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法に関するものである。
西暦1960年頃までの車両は、車両の重量が軽く、車両に要求される巡航速度も遅かったため、タイヤへの負担が軽く、タイヤの断面幅が狭いバイアスタイヤが用いられていた。しかし、近年の車両の高出力化や高速道路網の発達に伴い、高速走行時の操縦安定性や耐磨耗性の向上が求められるようになってきており、幅広、偏平のラジアル構造のタイヤが主流となりつつある(特許文献1など)。
しかし、タイヤの幅広化は、車両スペースを圧迫し、居住性を低下させる。また、近年、環境問題への関心の高まりにより低燃費性への要求が厳しくなってきている状況にあるが、タイヤを幅広化すると空気抵抗が増大するため、燃費が悪くなるという問題がある。
また、特に、将来に向けて実用化されている電気自動車は、タイヤ車軸回りにタイヤを回転させるトルクを制御するためのモーターなどの駆動部品を収容するスペースの確保が必要となることから、タイヤ回りのスペース確保の重要性も高まりつつある。
さらに、上記のような幅広偏平タイヤは、雨天走行時において、図1(a)にて水の流線を矢印で模式的に示すように、踏み込み面の幅が広いため、水がタイヤの両側方に排出されづらく、排水性が良くない。また、幅広偏平タイヤは、接地長Lも短くなるため、図1(a)に示すように、踏み込み面から侵入した水膜により踏面が浮き上がり、実接地面積が減少してグリップを失う、いわゆるハイドロプレーニング現象を発生しやすく、ウェット性能が低下するという問題がある。
そこで、従来、特に広幅偏平のラジアルタイヤにおいては、大きな溝断面を有する、トレッド周方向に延びる主溝をトレッド踏面に配設する必要があった。
しかし、溝幅の広い主溝を設ける場合には、ネガティブ率が増大して接地面積が減少するため、グリップ力、すなわち操縦安定性やドライ路面での制動性、さらに耐磨耗性や騒音性能も低下してしまうという問題が生じる。また、溝深さの深い溝を設ける場合には、その分、トレッドゴムを厚くする必要があるため、タイヤの重量増を招き、走行性能が悪化する。さらに、冬道でも運転可能なオールシーズン用のタイヤとする場合には、上述の通り、接地面積が減少することから、雪上トラクション性能や雪上ブレーキ性能が低下するという問題も生じる。
さらに、広幅偏平のラジアルタイヤにおいては、転がり抵抗を小さくして低燃費化を図るために、ヒシテリシスロスの小さいトレッドゴムを用いることが有効であることが知られている。しかし、ヒステリシスロスの小さいゴムを用いると、ウェット路面でのグリップ性能が低下するという問題が生じる。
特開平7−40706号公報
以上のように、タイヤの低燃費性、居住性(車両スペース)と、ウェット性能と、ドライ性能と、雪上性能とを両立させるのは一般的に困難であり、これらの性能を両立させるための抜本的な技術が希求されていた。
それゆえ、本発明は、上記の問題を解決することを課題とするものであり、空気抵抗値(Cd値)とタイヤの転がり抵抗値(RR値)とが共に低く、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つ、ドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能に優れた、乗用車用空気入りタイヤ及びその使用方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、まず、ラジアルタイヤの燃費性及び居住性を向上させるためには、タイヤの狭幅化及び大径化、すなわち、タイヤの断面幅SWと外径ODとを適切な比の下に規制することが極めて有効であることを見出した。
さらに、発明者らは、上記のような狭幅、大径化したタイヤにおいて、トレッドパターンンの適切化を図ることにより、ドライ路面、ウェット路面、雪上での走行性能までも向上させることができることの新規知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は、以下の通りである。
(1)一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
前記タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径ODとの比SW/ODは、0.26以下であり、
前記タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
OD≧2.135×SW+282.3
を満たし、
前記トレッド踏面における、単位面積当たりの前記溝の総延長ρは、0.15(mm/mm )以上0.2(mm/mm )以下であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
(2)一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
前記タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径ODとの比SW/ODは、0.26以下であり、
前記タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
OD≧2.135×SW+282.3
を満たし、
前記トレッド踏面をトレッド幅方向に6つの領域に等分し、トレッド幅方向中央の2つの領域をセンタ部、該センタ部のトレッド幅方向両外側の他の4つの領域をショルダ部とするとき、前記センタ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρcは、0.1(mm/mm )以上であり、且つ、前記ショルダ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド周方向に投影した総延長ρsは、0.1(mm/mm )以上であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
(3)一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
OD≧−0.0187×SW +9.15×SW−380
を満たし、
前記トレッド踏面における、単位面積当たりの前記溝の総延長ρは、0.15(mm/mm )以上0.2(mm/mm )以下であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
(4)一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
OD≧−0.0187×SW +9.15×SW−380
を満たし、
前記トレッド踏面をトレッド幅方向に6つの領域に等分し、トレッド幅方向中央の2つの領域をセンタ部、該センタ部のトレッド幅方向両外側の他の4つの領域をショルダ部とするとき、前記センタ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρcは、0.1(mm/mm )以上であり、且つ、前記ショルダ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド周方向に投影した総延長ρsは、0.1(mm/mm )以上であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
(5)前記比SW/ODは、0.24以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタイヤを、内圧を250kPa以上として使用することを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤの使用方法。
本発明によれば、空気抵抗値(Cd値)とタイヤの転がり抵抗値(RR値)とを両立させ、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つ、ドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能に優れた、乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
(a)広幅のラジアルタイヤのウェット性能について説明するための図である。(b)狭幅のラジアルタイヤのウェット性能について説明するための図である。 タイヤの断面幅SWと外径ODを示す図である。 (a)本発明の大径化、狭幅化したタイヤを装着した車両を示す図である。(b)従来のタイヤを装着した車両を示す図である。 (a)、(b)供試タイヤおよび従来タイヤにおける、SWとODとの関係を示す図である。 各タイヤの転がり抵抗値と空気抵抗値との関係を示す図である。 本発明の一実施形態にかかるトレッドパターンの一部を示す展開図である。 本発明の一実施形態にかかるトレッドパターンの一部を示す展開図である。 本発明の一実施形態にかかるトレッドパターンの一部を示す展開図である。 本発明の一実施形態にかかるトレッドパターンの一部を示す展開図である。 本発明の一実施形態にかかるトレッドパターンの一部を示す展開図である。 本発明の一実施形態にかかるトレッドパターンを示す展開図である。 溝の投影長さについて説明するための図である。 トレッドパターンを示す展開図である。 トレッドパターンを示す展開図である。 トレッドパターンを示す展開図である。 トレッドパターンを示す展開図である。 トレッドパターンを示す展開図である。
以下、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤ(以下、タイヤとも称する)を導くに至った過程について説明する。
まず、発明者らは、ラジアルタイヤのタイヤ断面幅SW(図2参照)を従前に比し狭くすることによって、車両スペースの確保が可能であること、特にタイヤの車両装着内側近傍に駆動部品の設置スペースが確保されることに着目した(図3参照)。
さらに、タイヤ断面幅SWを狭くすると、タイヤを前方から見た面積(以下、前方投影面積と称する)が減少するため、車両の空気抵抗値(Cd値)が低減されるという効果がある。
しかしながら、接地部分の変形が大きくなるため、同じ空気圧の場合、タイヤの転がり抵抗値(RR値)が大きくなるという問題がある。
一方で、発明者らは、ラジアルタイヤ特有の性質により、上記の問題点を解決しうることを見出した。すなわち、ラジアルタイヤはバイアスタイヤに比し、トレッドの変形が小さいため、ラジアルタイヤの外径OD(図2参照)を従前に比し大きくすることによって、路面の粗さの影響を受けにくくし、同じ空気圧の場合に、転がり抵抗値(RR値)を低減させることができることに着目した。また、大径化することで、タイヤの負荷能力を向上させることもでき、さらに、図3に示すように、ラジアルタイヤの大径化によって車輪軸が高くなり、床下のスペースが拡大されるため、車両のトランク等のスペースや、駆動部品の設置スペースが確保できることができることも見出した。
ここで、上記のように、タイヤの狭幅化と大径化は、共に車両スペース確保の効果があるものの、転がり抵抗値(RR値)に関しては、トレードオフの関係にある。また、タイヤの狭幅化によって車両の空気抵抗値(Cd値)の低減を図ることができる。
そこで、発明者らは、空気抵抗値(Cd値)と転がり抵抗値(RR値)について、タイヤ断面幅とタイヤ外径とのバランスの適切化を図ることによって、これらの特性を従来のラジアルタイヤより向上させるべく鋭意検討した。
発明者らは、タイヤ断面幅SWとタイヤの外径ODとの関係に着目し、規格外のものを含む様々なタイヤサイズのタイヤを車両に装着させて、空気抵抗値(Cd値)と転がり抵抗値(RR値)を計測する試験を行い、これらの特性が共に従来のラジアルタイヤより上回るタイヤのSWとODとが満たす条件を導出した。
以下、SWとODとの最適な関係を導出するに至った実験結果について、詳しく説明する。
発明者らは、以上の知見を元に、タイヤの大径化及び狭幅化により、車両の空気抵抗値の低減と転がり抵抗値の低減とを両立することのできる具体的な条件を究明した。
まず、評価基準となるタイヤとして、最も汎用的な車両で使用され、タイヤ性能の比較に適している、タイヤサイズ195/65R15のタイヤを基準タイヤ1として用意した。この基準タイヤ1のインチアップとなるタイヤサイズ225/45R17のタイヤを基準タイヤ2として用意した。
また、様々なタイヤサイズのタイヤ(供試タイヤ1〜52)を用意した。
そして、これらのタイヤをリムに組み込み、以下の試験を行った。
表1、及び図4に各タイヤの諸元を示す。タイヤの内部構造等、表1に示さないタイヤの諸元については、一般的なタイヤと同様であり、各タイヤは、一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備える。
なお、タイヤサイズに関しては、JATMA(日本のタイヤ規格)、TRA(アメリカのタイヤ規格)、ETRTO(欧州のタイヤ規格)等の従来の規格に捉われずに、これらの規格外のタイヤサイズも含めて、幅広く検討した。
Figure 0005759549
Figure 0005759549
<空気抵抗値>
実験室にて、上記各タイヤを、表2に記載する内圧として、排気量1500ccの車両に装着し、100km/hに相当する速度で送風したときの空気力を車輪下にある床置き天秤を用いて測定し、基準タイヤ1を100とする指数によって評価した。数値が小さいほど空気抵抗は小さい。
<転がり抵抗値>
上記各タイヤを、表2に記載する内圧として、リムに装着して、タイヤ・リム組立体とし、タイヤを装着する車両毎に規定される最大荷重を負荷し、ドラム回転速度100km/hの条件にて転がり抵抗を測定した。
ここで、「タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷」とは、最大乗員数を想定した時に、4輪の中で最も荷重のかかるタイヤへの負荷荷重を意味する。
評価結果は、基準タイヤ1を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを意味する。
以下、評価結果を表2、図4及び図5に示す。図4には、転がり抵抗の低減の効果、及び空気抵抗の低減の効果が見られるタイヤを白色の印で、これらの効果が十分でないタイヤを黒色の印で示す。
Figure 0005759549
Figure 0005759549
表2、図4及び図5に示す試験結果から、タイヤの断面幅SWが165mm未満である場合は、SW/ODは、0.26以下であり、SWが165mm以上である場合は、SWおよび外径ODは、関係式、OD≧2.135×SW+282.3を満たす(以下、「関係式1を満たす」ともいう。)、タイヤサイズのラジアルタイヤは、従来のタイヤであるタイヤサイズ195/65R15の基準タイヤ1と比較して、車両の空気抵抗値(Cd値)と転がり抵抗値(RR値)とが両立されるとの知見を得た。
図4(a)には、タイヤの転がり抵抗値(RR値)及び車両の空気抵抗値(Cd値)とを共に低減するという効果を有するタイヤと、これらの効果を十分に有しないタイヤとを分ける境界(一次式による境界線)を示す;SW<165mmの範囲では、OD=(1/0.26)×SWを示す直線、SW≧165mmの範囲では、OD=2.135×SW+282.3を示す直線。
また、表2、図4(b)及び図5に示す試験結果から、タイヤ内圧を250kPa以上とした際に、タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、OD≧−0.0187×SW+9.15×SW−380を満たす(以下、「関係式2を満たす」ともいう。)、タイヤサイズのラジアルタイヤは、従来のタイヤであるタイヤサイズ195/65R15の基準タイヤ1と比較して、車両の空気抵抗値(Cd値)と転がり抵抗値(RR値)とが両立されるとの知見を得た。
図4(b)には、タイヤの転がり抵抗値(RR値)及び車両の空気抵抗値(Cd値)とを共に低減するという効果を有するタイヤと、これらの効果を十分に有しないタイヤとを分ける境界(二次式による境界線)を示す;OD=−0.0187×SW+9.15×SW−380を示す曲線。
また、発明者らは、表2、図4及び図5に示すように、SW/OD≦0.24を満たす供試タイヤ1〜7及び17において、これらの効果が得られやすいことを見出した。
次に、特に、供試タイヤ1〜18について、車両の燃費性や居住性を評価するため、以下の試験を行った。
<実燃費>
JOC8モード走行による試験を行った。評価結果は、基準タイヤの評価結果を100とした指数で表し、指数が大きい方が、燃費が良いことを表している。
<居住性>
1.7m幅車両にタイヤを装着した際のリアトランク幅を計測した。評価結果は、基準タイヤ1の評価結果を100とした指数で表し、指数が大きい方が、居住性が良いことを表している。
試験結果を以下の表3に示す。
Figure 0005759549
表3に示すように、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たさない供試タイヤ(図4参照)では、それぞれ、燃費性、居住性の少なくとも一方が、基準タイヤ1より低下した供試タイヤがあったのに対し、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たす供試タイヤ1〜7、12及び17(図4参照)は、いずれも基準タイヤ1より燃費性、居住性が共に優れていることがわかる。
発明者らは、斯くの如くして、空気入りラジアルタイヤにおいて、タイヤの断面幅SWおよび外径ODについて、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすことで、車両の空気抵抗値及びタイヤの転がり抵抗値を共に低減し、更に、車両の居住性を向上させつつ、燃費性を向上させることができることを見出したものである。
次に、上記SWとODとが上記関係式(1)及び/又は(2)を満たす空気入りラジアルタイヤのトレッドパターンについて説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態にかかる、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(以下、タイヤと称する)のトレッドパターンを示す展開図である。図6は、タイヤの非接地状態でのトレッド展開図を示している。
図6に示すように、第1の実施形態にかかるタイヤは、トレッド踏面1に、少なくとも1本の、トレッド幅方向に延びる溝2と該溝2及びトレッド端TEによって区画される陸部3とを有する。また、溝2は、全て、溝幅が3mm以下である。すなわち、このタイヤは、溝幅が3mm以下の溝のみからなる溝パターンを有している。
なお、ここでいう溝幅とは、溝の延在方向にわたって溝幅が一定でない場合には、最大溝幅をいうものとする。
また、トレッド踏面とは、タイヤを適用リムに装着するとともに、タイヤを装着する車両毎に規定される最高空気圧を充填して平板上に垂直に置き、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷に相当する重量を負荷したときに平板と接触することになるトレッドゴムの表面領域をいうものとする。
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyreand Rim Technical Organisation)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムをいうものとする。また、「最高空気圧」とは、上記のJATMAYEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)等に定められたラジアルプライタイヤのサイズに対応する適用リム及び空気圧−負荷能力対応表に基づくものである。また、「最大負荷に相当する重量」とは、上記所定の産業規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことである。
ここで、トレッド踏面1をトレッド幅方向に6つの領域に等分し、タイヤ赤道面CLを挟むトレッド幅方向中央の2つの領域をセンタ部4、センタ部4のトレッド幅方向両外側の他の4つの領域をショルダ部5と称する。
図6に示すように、溝2は、タイヤ赤道面CLを境界とする、トレッド踏面1の一方の幅方向半部のトレッド端TEに開口する一方の端部(始端)から、指定タイヤ回転方向Rの方向に向かって、トレッド幅方向内側に、タイヤ赤道面CLに跨ってトレッド踏面1の他方の幅方向半部まで延びている。この溝2の他方の端部(終端)は、トレッド踏面1の他方の半部の陸部3内(センタ部4)に留まっている。
また、図6に示す例では、トレッド周方向に隣接する溝2は、互いに、タイヤ赤道面CLを境界とする反対側のトレッド端TEから延びるように配設されている。
さらに、第1の実施形態において、図6に示すように、溝2は、トレッド幅方向内側へ延びるにつれ、トレッド幅方向に沿った形状となるように配設されている。
このように、本発明にあっては、タイヤの断面幅SWと外径ODとが上記関係式(1)及び/又は(2)を満たし、トレッド踏面1に、少なくとも1本の溝を有し、溝の各々は、溝幅が3mm以下であることが肝要である。
以下、図6の矢印の方向Rをタイヤ回転方向として車両に装着した場合の、本発明の作用効果について説明する。
本発明の第1の実施形態によれば、まず、SWとODとが上記関係式(1)及び/又は(2)を満たし、踏み込み面の幅が狭いため、ウェット路面においては、図1(b)に矢印で水の流線を模式的に示すように、水がタイヤの幅方向両側方に排出されやすい。このため、トレッド踏面に設ける溝が全て溝幅が小さい溝であっても、排水性を確保して、実接地面積を確保することができる。
また、ドライ路面での走行に関しては、第1の実施形態にかかるタイヤはトレッド踏面に溝幅の小さい溝のみを有しているため、ネガティブ率が低い。また、陸部の剛性が高く、陸部の倒れ込みが抑えられる。このため、接地面積を確保して、操縦安定性、制動性、耐磨耗性を確保することができる。
同様に、雪上路面においても、接地面積が確保されるため、雪上トラクション性能や雪上ブレーキ性能が向上する。
従って、第1の実施形態によれば、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能を両立させることができる。
図7は、本発明の第2の実施形態にかかるタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。図7に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、少なくとも1本のトレッド幅方向に延びる溝2と、該溝2及びトレッド端TEにより区画される陸部3とを有する。トレッド踏面1に配設されている溝2は全て、溝幅が3mm以下である。
また、図7に示す例では、溝2は、タイヤ赤道面CLを中心として対称に配置されており、タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向半部において、トレッド端TEから指定タイヤ回転方向に向かってトレッド幅方向内側に延びている。
さらに、図7に示すように、溝2は、トレッド半部において、トレッド端TEから幅方向内側へ延びるにつれ、よりトレッド幅方向に沿った形状となるように配設されている。
また、図7に示すように、第2の実施形態にかかるタイヤは、トレッド踏面1のセンタ部4内に、このセンタ部4内に留まる、トレッド幅方向に延びる溝2を有している。
以下、第2の実施形態にかかるタイヤを図7の矢印の方向Rをタイヤ回転方向として車両に装着したときの作用効果について説明する。
本発明の第2の実施形態によれば、まず、第1の実施形態と同様の作用効果により、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能を両立させることができる。
さらに、第2の実施形態によれば、上記センタ部において幅方向に延びる溝を有するため、接地長が長くなるセンタ部における幅方向エッジ成分が増大し、より一層ドライ性能及び雪上性能が向上する。
図8は、本発明の第3の実施形態にかかるタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。図8に示すように、第3の実施形態にかかるタイヤは、トレッド踏面1に、少なくとも1本のトレッド幅方向に延びる溝2と、該溝2及びトレッド端TE1、TE2により区画される陸部3とを有する。溝2は、タイヤ赤道面CLを境界として非対称に配設されている。トレッド踏面1に配設されている溝2は全て、溝幅が3mm以下である。
ここで、トレッド踏面1のタイヤ赤道面CLを境界とする一方の半部T1を、他方の半部をT2とする。
図8に示すように、溝2は、一方の半部T1において、トレッド端TE1からトレッド周方向の一方向に向かってトレッド幅方向に延びている。また、溝2は、他方の半部T2において、トレッド端TE2から上記一方向とは逆方向に向かってトレッド幅方向に延びている。
さらに、図8に示すように、溝2は、一方の半部T1において、トレッド端TE1からタイヤ赤道面CLに向かって幅方向内側に延びるにつれ、よりトレッド幅方向に沿った形状となるように配設され、また、他方の半部T2において、トレッド端TE2からタイヤ赤道面CLに向かって幅方向内側に延びるにつれ、よりトレッド幅方向に沿った形状となるように配設されている。
以下、第3の実施形態にかかるタイヤの作用効果について説明する。
第3の実施形態によれば、まず、第1、第2の実施形態と同様の作用効果により、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能を両立させることができる。
さらに、第3の実施形態によれば、タイヤの回転方向指定が無いため、装着内側と装着外側との間でのクロスローテーションが可能となり、左右荷重不当配分等による偏磨耗を抑制でき、タイヤ寿命を長くすることができる。
図9は、本発明の第4の実施形態にかかるタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。図9に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、少なくとも1本のトレッド幅方向に延びる溝2と、該溝2及びトレッド端TEにより区画される陸部3とを有する。トレッド踏面1に配設されている溝2は全て、溝幅が3mm以下である。
また、図9に示す例では、溝2は、タイヤ赤道面CLを中心として対称に配置されており、タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向半部において、トレッド端TEからトレッド周方向の一方向に向かってトレッド幅方向内側に延びる溝2と、トレッド端TEから上記一方向とは逆方向に向かってトレッド幅方向内側に延びる溝2とがトレッド周方向に交互に配設されている。また、図9に示す例では、溝2は、互いに交差している。
さらに、図9に示すように、溝2は、トレッド半部において、トレッド端TEから幅方向内側へ延びるにつれ、よりトレッド幅方向に沿った形状となるように配設されている。
以下、第4の実施形態にかかるタイヤを車両に装着したときの作用効果について説明する。
本発明の第4の実施形態によれば、まず、第1の実施形態と同様の作用効果により、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能を両立させることができる。
さらに、第4の実施形態によれば、溝が互いに交差して連結しているため、排水性が高まり、特に、ウェット性能が向上する。
また、タイヤの回転方向指定が無いため、装着内側と装着外側との間でのクロスローテーションが可能となり、左右荷重不当配分等による偏磨耗を抑制でき、タイヤ寿命を長くすることができる。
図10は、本発明の第5の実施形態にかかるタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。図10に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、複数の溝2と、溝2及びトレッド端TEにより区画される陸部3とを有する。トレッド踏面1に配設されている溝2は全て、溝幅が3mm以下である。
ここで、図10に示す例では、トレッド踏面1のセンタ部4に配設される溝2は、トレッド幅方向に延び、ショルダ部5に配設される溝2は、トレッド周方向に延びている。
以下、第5の実施形態にかかるタイヤを車両に装着したときの作用効果について説明する。
本発明の第5の実施形態によれば、まず、第1の実施形態と同様の作用効果により、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能を両立させることができる。
さらに、第5の実施形態によれば、上記センタ部においては、溝がトレッド幅方向に延びているため、幅方向エッジ成分を確保することができ、氷上制動性能が高い。また、上記ショルダ部においては、溝がトレッド周方向に延びているため、周方向エッジ成分を確保することができ、氷上旋回性能が高い。また、車両旋回時の排水性が高い。
従って、第5の実施形態によれば、特に、ウェット旋回性、並びに、ドライ性能及び雪上性能をさらに向上させることができる。
また、タイヤの回転方向指定が無いため、装着内側と装着外側との間でのクロスローテーションが可能となり、左右荷重不当配分等による偏磨耗を抑制でき、タイヤ寿命を長くすることができる。
図11は、本発明の第6の実施形態にかかるタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。図11に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、複数の溝2と、溝2及びトレッド端TEにより区画される陸部3とを有する。トレッド踏面1に配設されている溝2は全て、溝幅が3mm以下である。
ここで、図11に示す例では、溝2は、タイヤ赤道面CLを境界として対称に配置されている。
トレッド踏面1の上記センタ部においては、溝2は、楕円形であり、トレッド周方向に隣接する楕円形の溝同士が交差している。また、上記ショルダ部においては、溝2は、四角形の四辺をなす形状である。
以下、第6の実施形態にかかるタイヤを車両に装着したときの作用効果について説明する。
本発明の第6の実施形態によれば、まず、第1の実施形態と同様の作用効果により、低燃費性と車両スペースの確保とを実現でき、且つドライ路面、ウェット路面、雪上路面での走行性能を両立させることができる。
さらに、第6の実施形態によれば、タイヤの回転方向指定が無いため、装着内側と装着外側との間でのクロスローテーションが可能となり、左右荷重不当配分等による偏磨耗を抑制でき、タイヤ寿命を長くすることができる。
ここで、トレッド踏面1内に配置した全ての溝の延在長さ(延在方向に沿った長さ)の合計を、トレッド踏面1の面積で除したものを、「トレッド踏面における、単位面積当たりの溝の総延長ρ」と定義する。
このとき、トレッド踏面1における、単位面積当たりの溝2の総延長ρは、0.15(mm/mm)以上であることが好ましい。排水性をより向上させるためである。
一方で、トレッド踏面1における、単位面積当たりの溝2の総延長ρは、0.2(mm/mm)以下であることが好ましい。陸部の剛性を確保して、ドライ路面、雪上路面での走行性能をより向上させるためである。
また、上記センタ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρcは、0.1(mm/mm)以上であり、且つ、上記センタ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρsは、0.1(mm/mm)以上であることが好ましい。
上記センタ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρcを、0.1(mm/mm)以上とすることで、幅方向エッジ成分を増加させ、氷上や圧雪路面を引掻く働き、及びウェット路面での接地面への水膜侵入抑止による、制動性能を向上させることができるからである。
また、上記ショルダ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド周方向に投影した総延長ρsを、0.1(mm/mm)以上とすることで、周方向エッジ成分を増加させ、氷上や圧雪路面を引掻く働きにより、旋回性能を向上させることができるからである。
なお、上記センタ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρcは、0.2(mm/mm)以下とすることが好ましく、上記ショルダ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド周方向に投影した総延長ρsは、0.2(mm/mm)以下とすることが好ましい。
ここで、「溝をトレッド幅方向に投影した総延長」は、図12に示すように、溝が複数(図示例では特に3つに注目する)ある場合には、重なり部分も含む投影長さ「2A+B」を意味するものとする。また、「溝をトレッド周方向に投影した総延長」は、図12に示すように、溝が複数(図示例では特に3つに注目する)ある場合には、重なり部分も含む投影長さ「2C+D」を意味するものとする。
さらに、「センタ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρc」とは、センタ部内に配設されている溝について、上記の定義による「溝をトレッド幅方向に投影した総延長」を求め、その値をセンタ部の面積で除したものをいう。
また、「ショルダ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド周方向に投影した総延長ρs」とは、ショルダ部内に配設されている溝について、上記の定義による「溝をトレッド周方向に投影した総延長」を求め、その値をショルダ部の面積で除したものをいう。
加えて、本発明のタイヤにあっては、内圧を250kPa以上として使用することが好ましい。
なぜなら、高内圧とすることにより、ベルト張力が増大し、接地圧が増大することと相まって、ハイドロプレーニング性が向上するからである。
また、内圧は350kPa以下で使用することが好ましい。
なお、本発明のタイヤは、エアボリュームが15000cm以上のものであることが好ましい。タイヤの最低限の負荷能力を保持するために必要だからである。
ここで、本発明のタイヤにあっては、トレッド踏面の外側部分において、冬季用の滑り止めチェーン等を巻くための凹部を設けることが好ましい。
また、本発明のタイヤにあっては、タイヤ周上に、法規で定められるところにより、トレッドウェアインジケータ(溝内の突起)を設けることが好ましい。
また、本発明において、トレッド踏面に配設する溝の溝深さを、例えば、4〜6mmとすることができる。
さらに、本発明にあっては、ネガティブ率は、5%〜20%程度とすることが好ましい。
本発明の効果を確かめるため、発明例1、2、3、4にかかるタイヤを試作し、従来例1、2にかかるタイヤを用意した。
これらのタイヤについて性能を評価するため、以下の試験を行った。
<ウェット制動性>
上記各タイヤを装着した車両につき、ウェット路面を、初速40km/hで走行し、フルブレーキ時の停止距離(mm)を指数評価した。
評価において従来例1を100とした指数で表し、数値が大きい方が、性能が優れていることを示す。
<操縦安定性>
上記各タイヤについて、長い直線部分を含む周回路、および緩やかなカーブの多いハンドリング評価路などからなるテストコース内を、低速から150km/h程度までの速度域で走行し、操縦安定性(ハンドル応答性)をドライバーが10点満点でフィーリング評価した。数値が大きい方が性能に優れていることを示す。
<耐磨耗性>
10万キロ走行後の残溝測定から磨耗量を算出した。従来例1における評価の値を100として、指数評価をした。数値が大きいほど耐磨耗性に優れていることを示す。
<雪上トラクション性能>
雪上でのトラクション性能は、圧雪上をフル加速し、50mの距離に達するまでの時間を測定し、その測定した時間から評価した。評価は、従来例1の結果を100とした指数で表したものであり、数値が大きいほど雪上でのトラクション性能が良好であることを示す。
<雪上ブレーキ性能>
雪上でのブレーキ性能は、圧雪上を時速40km/hからABSフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。評価は、従来例1の結果を100としたときの指数で表したものであり、数値が大きいほど雪上でのブレーキ性能が良好であることを示す。
<タイヤ質量>
タイヤの質量を計測した。従来例1の結果を100としたときの指数で示し、数値が小さい方がタイヤが軽量であることを示している。
各タイヤの諸元及び評価結果は、以下の表4に示している。
Figure 0005759549
表4に示すように、発明例1、2、3、4と、従来例1、2との比較により、SWとODとが上記関係式(1)及び/又は(2)を満たし、且つ溝が全て溝幅3mm以下である発明例1、2、3、4は、従来例1、2より、それぞれ、ウェット制動性、操縦安定性、耐磨耗性、雪上トラクション性能、雪上ブレーキ性能に優れ、タイヤが軽量であることがわかる。
ここで、トレッド踏面における、単位面積当たりの溝の総延長ρを好適化することの効果を見るため、発明例5〜7にかかるタイヤを試作し、上記タイヤ性能を評価する試験を行った。
各タイヤの諸元及び評価結果を以下の表5に示す。なお、表5における「溝密度」とは、トレッド踏面における、単位面積当たりの溝の総延長ρを意味する。また、表5において、評価結果は、発明例6を100としたときの相対値で示している。
Figure 0005759549
表5に示すように、トレッド踏面における、単位面積当たりの溝の総延長ρを好適化した発明例6は、発明例5よりさらにウェット制動性に優れ、また発明例7よりさらにドライ性能、雪上性能に優れていることがわかる。
次に、センタ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρc、及び、ショルダ部における、単位面積当たりの、溝をトレッド周方向に投影した総延長ρsを好適化することの効果を見るため、発明例8〜10にかかるタイヤを試作し、タイヤ性能を評価する試験を行った。
表6に各タイヤの諸元及び評価結果を示す。なお、表6において、評価結果は、発明例8を100としたときの相対値で示している。
Figure 0005759549
表6に示すとおり、上記ρcを好適化した発明例8は、発明例9、10よりさらにウェット制動性に優れていることがわかる。
加えて、タイヤを高内圧化して使用することの効果を見るため、上記供試タイヤ17について内圧を変えて、タイヤ性能を評価する試験を行った。
各タイヤの諸元及び評価結果を以下の表7に示す。なお、評価結果は、内圧を250kPaとしたときの相対値で示している。数値が大きい方が各性能に優れていることを示す。
Figure 0005759549
表7に示すとおり、タイヤの内圧を好適化した使用方法によれば、転がり抵抗値が低減され、ウェット制動性も向上することがわかる。
更に、タイヤの溝幅が3mm以下とすることの効果を見るため、上記供試タイヤ17について溝幅を変えて、タイヤ性能を評価する試験を行った。
Figure 0005759549
表8に示すとおり、タイヤの諸性能が向上するためには、タイヤの溝幅を3mm以下とすることが肝要であることがわかる。
1 トレッド踏面
2 溝
3 陸部
4 センタ部
5 ショルダ部

Claims (6)

  1. 一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
    前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
    前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径ODとの比SW/ODは、0.26以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
    OD≧2.135×SW+282.3
    を満たし、
    前記トレッド踏面における、単位面積当たりの前記溝の総延長ρは、0.15(mm/mm )以上0.2(mm/mm )以下であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
    前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
    前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径ODとの比SW/ODは、0.26以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
    OD≧2.135×SW+282.3
    を満たし、
    前記トレッド踏面をトレッド幅方向に6つの領域に等分し、トレッド幅方向中央の2つの領域をセンタ部、該センタ部のトレッド幅方向両外側の他の4つの領域をショルダ部とするとき、前記センタ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρcは、0.1(mm/mm )以上であり、且つ、前記ショルダ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド周方向に投影した総延長ρsは、0.1(mm/mm )以上であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
    前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
    前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
    OD≧−0.0187×SW +9.15×SW−380
    を満たし、
    前記トレッド踏面における、単位面積当たりの前記溝の総延長ρは、0.15(mm/mm )以上0.2(mm/mm )以下であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのプライからなるカーカスと、トレッドとを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
    前記トレッドの踏面に、少なくとも1本の溝を有し、
    前記溝の各々は、溝幅が3mm以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
    OD≧−0.0187×SW +9.15×SW−380
    を満たし、
    前記トレッド踏面をトレッド幅方向に6つの領域に等分し、トレッド幅方向中央の2つの領域をセンタ部、該センタ部のトレッド幅方向両外側の他の4つの領域をショルダ部とするとき、前記センタ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド幅方向に投影した総延長ρcは、0.1(mm/mm )以上であり、且つ、前記ショルダ部における、単位面積当たりの、前記溝をトレッド周方向に投影した総延長ρsは、0.1(mm/mm )以上であることを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記比SW/ODは、0.24以下である、請求項1又は2に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のタイヤを、内圧を250kPa以上として使用することを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤの使用方法。
JP2013525588A 2011-07-28 2012-07-27 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法 Active JP5759549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013525588A JP5759549B2 (ja) 2011-07-28 2012-07-27 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011166041 2011-07-28
JP2011166041 2011-07-28
JP2013525588A JP5759549B2 (ja) 2011-07-28 2012-07-27 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法
PCT/JP2012/004819 WO2013014949A1 (ja) 2011-07-28 2012-07-27 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013014949A1 JPWO2013014949A1 (ja) 2015-02-23
JP5759549B2 true JP5759549B2 (ja) 2015-08-05

Family

ID=47600810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013525588A Active JP5759549B2 (ja) 2011-07-28 2012-07-27 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20140290816A1 (ja)
EP (1) EP2738016B1 (ja)
JP (1) JP5759549B2 (ja)
CN (1) CN103717406B (ja)
WO (1) WO2013014949A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014178174A1 (ja) * 2013-04-30 2014-11-06 株式会社ブリヂストン 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
WO2015194469A1 (ja) 2014-06-17 2015-12-23 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6408333B2 (ja) * 2014-10-03 2018-10-17 株式会社ブリヂストン ランフラットタイヤ
JP6249930B2 (ja) * 2014-11-26 2017-12-20 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6405273B2 (ja) * 2015-03-18 2018-10-17 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
US20190001752A1 (en) * 2015-12-28 2019-01-03 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Heavy truck tire tread and heavy truck tire
EP3882049B1 (en) * 2018-12-13 2024-06-19 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
JP7484212B2 (ja) * 2020-02-21 2024-05-16 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL66975C (ja) * 1932-11-04
US2551238A (en) * 1946-06-24 1951-05-01 Richard O Bohannon Pneumatic tire tread
US3628587A (en) * 1970-04-22 1971-12-21 Goodyear Tire & Rubber Bias-belted tire
JPS6056605A (ja) * 1983-09-06 1985-04-02 Yokohama Rubber Co Ltd:The レース用空気入りタイヤ
JPS60234005A (ja) * 1984-05-02 1985-11-20 Bridgestone Corp ウエツト性能に優れる空気入りタイヤ
JP2901244B2 (ja) * 1988-01-22 1999-06-07 株式会社ブリヂストン 自動車とタイヤの組合せ体
JP3426289B2 (ja) 1993-07-28 2003-07-14 株式会社ブリヂストン 高性能偏平空気入りラジアルタイヤ
JPH08164709A (ja) * 1994-12-09 1996-06-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd 乗用車用タイヤ
US5599409A (en) * 1995-07-14 1997-02-04 Bridgestone/Firestone, Inc. Radial tire/wheel assembly for high brake heat generated service
JP4266053B2 (ja) * 1998-12-28 2009-05-20 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP4044526B2 (ja) * 2004-01-27 2008-02-06 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤとリムとの組立体
JP4436146B2 (ja) * 2004-02-03 2010-03-24 住友ゴム工業株式会社 乗用車用タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013014949A1 (ja) 2013-01-31
JPWO2013014949A1 (ja) 2015-02-23
EP2738016B1 (en) 2017-05-10
EP2738016A1 (en) 2014-06-04
US20140290816A1 (en) 2014-10-02
CN103717406A (zh) 2014-04-09
EP2738016A4 (en) 2015-09-02
CN103717406B (zh) 2016-05-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6408520B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法
JP5781610B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法
JP5759549B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法
JP6114349B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
KR101509318B1 (ko) 공기 타이어
JP5981108B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法
JP5993863B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP5993983B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP6657707B2 (ja) 空気入りタイヤ
RU2766031C1 (ru) Пневматическая шина
JP5845019B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ及びその使用方法
WO2012066724A1 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP6158467B2 (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
US11524527B2 (en) Pneumatic tire
JP2019073247A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5759549

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250