JP5759538B2 - 組織開創器保持具 - Google Patents

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Description

[関連出願についての相互参照]
該当なし
本発明は、概して手術用開創器保持具(stay)に関し、より詳細には、エラストマーバンドを有する手術用開創器保持具に関する。
外科的切開部を開いた、または、露出させた状態に維持する構造物を提供することが、多くの外科手術において望まれていることが分かっている。組織を外科医の邪魔にならないところに維持する手段が必要なことから、いくつもの組織開創システム(tissue retraction systems)が長年にわたって開発されている。このようなシステムの一つは、フレームまたは支持体と、組織係合部分とを含んでいる。
このようなフレームとともに使用する保持具が当該技術において公知であり、一般に、保持用フック、ハンドル、および、バンドを有する。しかし、これらの保持具には、1つまたは2つ以上の欠点がある。直径が一定でハブがないエラストマーバンドは、簡単に変形して開創器フレームの切り欠き部を滑り抜け、そのために切開部が閉じるのを許してしまう傾向がある。さらに、従来技術による保持具の多くは、血や残屑がたまりうる開口部および/または空洞部があるハンドルやバンドを有する。このような保持具は、オートクレーブで消毒したり、再使用したりすることはできない。
さらに、伝統的な手術用保持具の硬いハンドル部分は、てこの腕として働き、開創の力のベクトル外にあるあらゆる力を機械的に増幅する。てこの腕が力を増幅すると、保持具と組織の遠位の接触面で、組織への圧力と損傷が増す。保持具の硬いハンドルの外形は、手術部位での視界や細かい手術技法の妨げとなりうる。例えば、手術部位に用いられている手術用縫合糸は、保持具のハンドルにたびたびひっかかるが、これは、保持具のハンドルの外形が手術部位内で高くなっているためである。一般に、伸縮性がある保持具なら、手術部位に形を合わせ、開創器システムが手術中に侵入している部分の全体的な外形を小さくすることができる。しかしながら、硬いハンドル部分は、組織や開創器フレームと直接接触しない保持器の部位であり、そのために保持器の総合的な開創性能を制限する。比較的小さな手術では、フレームが硬いハンドルのすぐ近くで保持具と接触することもある。
本発明のいくつかの態様の例の基本を理解してもらうために、以下に本発明を簡単に要約する。この要約は、本発明の詳しい全体像ではない。さらに、この要約は、本発明の重要な要素を特定しようとするものでもなければ、本発明の範囲を正確に説明しようとするものでもない。この要約の唯一の目的は、後述するより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡単な形で示すことである。
本発明の一態様によれば、手術用保持具は、第1端部がある長手方向ボディを備えたエラストマーバンドを備えている。この手術用保持具は、組織係合部分およびアンカー部分を含む組織保持部材をさらに備えている。アンカー部分は、エラストマーバンドの第1端部に連結され、組織係合部分が第1端部から外側へ向けて延びるようにされている。保持具がハンドルを含まないよう、エラストマーバンドの実質的に全てを手術用開創器フレームと係合するように構成することができる。
本発明の別の態様によれば、手術用保持具は、第1端部がある長手方向ボディを備えたエラストマーバンドを備えている。この手術用保持具は、アンカー部分に連結された組織係合部分を備えた組織保持部材を備えている。アンカー部分は、エラストマーバンドの第1端部に少なくとも部分的に埋め込まれており、組織係合部分がバンドの第1端部から外側へ向けて延びるようにされている。保持具がハンドルを含まないよう、エラストマーバンドの実質的に全ての部分を手術用開創器フレームと係合するように構成することができる。
本発明の別の態様によれば、ハンドレス手術用保持具は、断面寸法がほぼ一定で、第1端部がある長手方向ボディを備えたエラストマーバンドを備えている。手術用保持具は、さらに、アンカー部分に取り外し不能に連結された組織係合部分を備えた組織保持部材を備えている。アンカー部分は、長手方向ボディの断面寸法より小さい断面寸法を有し、かつ、エラストマーバンドの第1端部内に少なくとも部分的に埋め込まれており、組織係合部分がバンドの第1端部から延びるようにされている。エラストマーバンドは、アンカー部分が使用中に外れることがないようにする材料から形成されている。
上述した全体的な説明と以下の詳細な説明がともに本発明の例および解説的な実施形態であり、請求する本発明の本質および性質を理解するための全体像または枠組みを与えようとしていることは分かるであろう。添付図面が含まれているのは、本発明をさらに理解できるようにするためであり、この添付図面は本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明のさまざまな実施形態の例を図示しており、記載とともに、本発明の原理と動作を説明するという役割を果たす。
本発明の上述した、および、他の態様は、以下の記載を添付図面を参照しながら読むことで、本発明に関係する当業者に明らかとなるであろう。
手術用保持具の例を示す側面図である。 図1の手術用保持具の正面図である。 図1の手術用保持具とともに使用するための組織保持部材の例を示す側面図である。 図3の組織保持部材の組織係合部分の例を示す側面図である。 図3の組織保持部材のアンカー部分の例を示す側面図である。 図1の詳細Aの保持具に埋め込まれた組織保持部材の例を示す側面図である。 図1の詳細Aの保持具に埋め込まれた組織保持部材の例を示す側面図である。 図1の詳細Aの保持具に埋め込まれた組織保持部材の例を示す側面図である。 図1の詳細Aの保持具に埋め込まれた組織保持部材の例を示す側面図である。 図1の詳細Aの保持具に埋め込まれた組織保持部材の例を示す側面図である。 開創器フレームの例とともに使用されている一連の手術用開創器保持具の模式図である。 図6の線7−7に沿った断面図である。 図6の線8−8に沿った断面図である。
本発明の1つまたは複数の態様が組み込まれた実施形態の例が記載され、図面に示されている。これらの図示の例は、本発明を限定しようとするものではない。例えば、本発明の1つまたは複数の態様を他の実施形態で利用することができ、他のタイプの装置においてでさえ利用することができる。さらに、本明細書では、多少の専門用語を便宜上のためだけに使用するが、本発明についての限定と受け取ってはならない。さらにまた、図面では、同じ要素を示すのに同じ参照番号が採用される。
図1に示されている例に移ると、本発明の第1実施形態による手術用開創器保持具10が図示されている。本明細書に以下に記載するように、手術用保持具10は、伸縮性でハンドレスの手術用保持具である。つまり、保持具10がハンドルを含まないように、保持具10の実質的に全ての部分を開創器フレーム60、および/または、手術機器と係合するように構成することができる。従来、伝統的な手術用保持具の硬いハンドル部分は、てこの腕として働き、あらゆる力を機械的に増幅して、保持具と組織の遠位接触面で組織への圧力および損傷を増大さる。これに対して、伸縮性のハンドルレス保持具には、てこの腕の、組織に損傷を与えるという特質はない。多平面伸縮性(multi−planar elasticity)は、開創(retraction)の力ベクトルから外れている開創力(retraction forces)を、これらの力を増幅し、組織にさらに損傷を与えるということなく、受け入れる。組織の損傷、特に皮下および繊細な解剖学的構造に対するものは、この組織の損傷による感染の経路であり、また、美容上の傷であるので、減らさなければならない。
保持具10は、組織保持部材12と、細長いエラストマー部材、すなわち、エラストマーバンド16を含む。以下により詳細に検討するように、保持具10がハンドルを含まないように、エラストマーバンド16の実質的に全ての部分を手術用開創器フレーム60(および/または、手術機器)と係合するように構成することができる。例えば、エラストマーバンド16は、フレーム60の切り欠き部70と係合するように構成され(図6参照)、保持具10は、機械的な干渉により、切り欠き部70を(例えば、手術部位62の方へ)通り抜けないように防止される。バンド16は、第1端部22がある細長いボディ18を有する。一例では(図5A参照)、複数のハブ20を長手方向ボディ18周りに配置することができる。第1端部22は、組織保持部材12が設けられているが、その近傍に配置された1つまたは複数のハブを有することができる。一例では、示されているように、バンド16の第1端部22を少なくとも1つのハブ24で規定し、このハブ24がバンド16の第1端部22の末端部をなすようにすることができる。明確のため、異なる参照番号で特定しているが、ハブ24は他のハブ20と同一であってもよいことは言うまでもない。バンド16の遠位端25は、組織保持部材12の遠位に設けることができ、これもまた、近傍に配置された1つまたは複数のハブ20を、この遠位端25を規定し、遠位端25の末端部となるように有することができる。別の例では(図5D参照)、長手方向ボディ18は比較的滑らかで、ハブ等が全くないものとすることができる。
エラストマーバンド16は、シリコンゴム、ウレタンポリマーなどのエラストマー材料から作られる。一例では、バンド16が単一体であり、1つの要素だけから、または、複数の要素から形成され、例えば、それぞれ、単一の伸縮部分だけ、または、複数の伸縮部分から形成される。バンド16は、好ましくは、約40D〜60Dの範囲内のデュロメーター/硬度を有するが、より高いまたは低いデュロメーター/硬度の値も考えられる。例えば、表1に示すように、さまざまなデュロメーター値により、さまざまな機械的特徴にすることができる。
Figure 0005759538
当然のことながら、硬度が比較的高いと、ハブ20、24と、手術用開創器フレーム60との間の係合特性がよくなる。しかし、これは、保持具10の伸縮品質を悪くする可能性がある。このことは、望ましくはないであろう。なぜならば、比較的伸縮性がない保持具10では、多くの臨床医によって望まれている性質、例えば、手術中に手術部位62がずれるに従い、保持されている組織29とともに移動して、開創されている組織29の断裂を最小限に抑えるという組織保持部材12の能力などが失われるかもしれないからである。伸縮性という性質により、保持具10を組織29および/またはフレーム60から取り外すことも可能になり、また、図6〜図8にもっともよく示されているように、バンド16を都合よく曲げることも可能になる。図示されているように、複数の保持具10を互いに協力させて使用して切開部30を開いた状態に保ち、これにより、切開部30に安定にアクセスできるようにすることも可能である。
図1および図2をさらに参照すると、複数のハブ20がボディ18周りに配置され、ボディ18の長さ方向に間隔をあけて配置されている。ハブ20は、ボディ18から径方向に延出している。一例では、ハブ20、24およびボディ18を含むバンド16全体が1回の成型工程で一体に成型される。ハブ20、24をボディ18と一体に成型して、エラストマーバンド16を、モノリシック構造などの一体構造として形成することができる。好ましくは、バンド16はリキッドインジェクションモールドで形成される。各ハブ20、24には、開創器フレーム60との接触を保つために、ハブ20の、手術部位62と向かい合う端部にフレーム係合面72が設けられている。第1端部22にあるハブ24にさえもフレーム係合面72が設けられるので、ハブ24は、フレーム60との係合に関し、十分に機能する。フレーム係合面72は、ボディ18の長手方向軸に対してほぼ垂直な関係に配置された環状の平坦面とすることができる。例えば、バンド16は、円筒形のボディ部分と、より大きな円筒形のハブ20の部分とを交互に連続するものを有することができる。ハブ20、24には、幅が広い、または平坦な、係合面72を設けて、フレーム60のフランジ64部分の、切り欠き部70を取り囲む下面68に接触させることができる。図6〜図8参照。係合面72は、バンドにかかった張力をバンド16のボディ18から分散させ、これにより、下面68の切り欠き部70の直近の領域から分散させるのに効果がある。
依然として、ハブ20、24は、さまざまな他の係合面構造があるさまざまな他の幾何学形状を有することができる。例えば、ハブ20、24は、米国特許第6,090,043号で検討された幾何学形状のいずれをも有することができる。米国特許第6,090,043号の全開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。さまざまな例において、ハブ20、24の任意のものまたは全てのものは、球状のハブ、円錐状のハブ、半球状のハブ、(例えば、フレーム60の斜めなフランジ64の部分に合うように)バンド16の長手方向軸に対して斜めの、すなわち、はすに切ったハブとすることができ、また、おわんのような形状をした、すなわち、凹状の係合面72を有することができ、あるいは、ボディ18と係合面72の交差部に成型したフィレット(fillet)を有することさえできる。これに加えて、または、これに代えて、ボディ18および/またはハブ20、24は、円形、楕円形、三角形、および、四角形などのさまざまな断面幾何学形状を有することができる。ボディ18は、ハブ等が1つもない比較的滑らかなものとすることもできる。記載したボディおよびハブの幾何学形状は、本発明を限定しようとするものではない。
図3、図4Aおよび図4Bに戻ると、組織保持部材12は、たいていは組織係合部分26を有し、組織係合部分26はバンド16の第1端部22から延びている。組織保持部材12は、好ましくは、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、チタン等)またはプラスチックなどの、一般的に硬い材料から作られる。この材料は、切開部30の組織29と確実に係合し、かつ、開創器フレーム60と係合したときに、手術用保持具10にかかる引張力に持ちこたえる十分に強いものでなければならない。組織保持部材12は、たった1つの材料から作ることもできるし、複数の材料から作ることもできる。例えば、組織係合部分26およびアンカー部分28は、組織保持部材12に望まれる性質しだいで、同じ材料から形成することもできるし、さまざまな材料から形成することさえもできる。材料は、手術で利用できるレベルの材料(surgical grade material)からなり、好ましくは、オートクレーブで消毒することができ、そして、再使用することができるが、使い捨てとすることもできる。これに加えて、または、これに代えて、組織保持部材12の材料は、放射線不透過性とすることができる。放射線不透過性とは、電磁気、特にX線または類似の放射線が特定の材料を比較的透過できないことである。所定の組織保持部材が放射線不透過性であるということは、この組織保持部材を外科手術の前、間、または後に追跡することができ、有益であり得る。あるいは、組織保持部材は、放射線透過性とすることができる。放射線透過性とは、電磁気(例えば、X線または同様の放射線)がその材料を透過することに関し、透明性が相対的に大きいということである。所定の組織保持部材の放射線透過性という特性もまた、組織保持部材が「消え」て医療用のスキャンの邪魔にならないことから、有益であり得る。
組織係合部分26(図4A参照)は、切開部30を取り囲む組織29をしっかりとつかみ、かつ、切開部30を開いた状態に保つように構成されるもので、好ましくは、湾曲させたフック状の形状にしてある、または、別の方法で曲げられている。ただし、まっすぐにする、角を設ける等とすることもできる。さまざまな例において、組織係合部分26は、直径5mmまたは12mmで湾曲させた端部などのフック形状とすることができ、先端は尖らせることも、尖らせないこともできる。ただし、さまざまな他の大きさも考えられる。あるいは、組織係合部分26は、1つまたは複数の尖った先端部があるくま手、クランプ、複数の尖った先端を有するフック等とすることができる。組織係合部分26の幾何学的形状は、本発明を限定しようとするものでないことは言うまでもない。
組織保持部材12は、移行部32で組織係合部分26に連結されたアンカー部分28をさらに含む(図4B参照)。移行部32がさまざまな図(例えば、図3)に模式的に描かれており、明確のために強調されていることは言うまでもない。さまざまな他の例が図5A〜図5Dに示されている。実際には、移行部32は大きくした領域であっても、なくてもよく、かつ/または、使用される連結作業(例えば溶接作業、はんだ付け等)の副産物として形成されてもよい。アンカー部分28は、組織係合部分26にさまざまな方法で取り外し可能に、または、取り外し不能に連結することができる。一例では、アンカー部分28を組織係合部分26に溶接作業によって取り外し不能に連結することができる。例えば、アンカー部分28は組織係合部分26にスポット溶接して、エラストマーバンド16と連結する前に組織保持部材12を形成することができる。他の例ではアンカー部分28を組織係合部分26に、はんだ付け、機械的な留め金具、接着剤、摩擦ばめ等によって連結することができる。さらに別の例では、アンカー部分28を組織係合部分26とともに単一の、モノリシックな要素として形成することができる。例えば、組織保持部材12は、たった1個のもの(例えば、1本の針金、1枚の板等)から形成することにして(例えば、成型する、打ち抜く、ロール加工する等)、このたった1個のものを加工してアンカー部分28と組織係合部分26の各々を形成することができる。または、組織保持部材12は、単一の射出成型されたプラスチック要素、ダイキャスト金属等とすることさえ可能である。
組織保持部材12は、バンド16の第1端部22に、その境界で引き離すことができないような態様で連結することができる。一例では、アンカー部分28を(完全になど)少なくとも部分的にバンド16の第1端部22に(カプセル化するなどで)埋め込むことができる。埋め込むことには、端部が開いていても、閉じていてもよい凹部、穴等にアンカー部分28が入っていることも含まれることは言うまでもない。組織係合部分26はまた、第1端部22に部分的に埋め込まれることであってもよいし、第1端部22に全く拘束されないことであってもよい。いずれにしても、組織係合部分26は、バンド16の第1端部22に対して外へ向かって(第1端部22から外へ向かって)延びる。本明細書に記載のように、エラストマーバンド16は、シリコンゴムまたはウレタンポリマーのような、使用中にアンカー部分28がバンド16から外れないようにする材料から形成される。さまざまな他の材料もバンド16を形成するのに使用することができることは言うまでもない。例えば、エラストマーバンド16の第1端部をアンカー部分28周りに、バンド16を形成している間に成型することができる。図5Aに示されているように、1つまたは複数の成型ピン挿入物(不図示)を成型工程の間に使用して、バンド16の第1端部22内でのアンカー部分28の位置を適切に維持することができる。また、このような挿入物は、結果として生じる成型ボイド31を後に残すことがあるが、これは、保持具10の機能にあまり影響がなく、成型工程の単なる副産物である。
エラストマーバンド16は、アンカー部分28の形にぴったりと一致し、これにより使用中に外れないようにする材料から形成することができる。例えば、成型作業のとき、エラストマーバンド16の材料は、アンカー部分28の周り、中へ、および/または、通り抜けるように流れて、アンカー部分28をバンド16の第1端部22内に効果的に埋め込むことができる。アンカー部分28の幾何学的形状は、ぴったりと形を一致させようとする材料のこのような振る舞いを促進するために、開いた領域、中空部分、開口部、貫通孔、突出部等を設けることで調整することができる。アンカー部分28は、バンド16内部でさまざまな距離を延びることができる。一例では、アンカー部分28は、ほぼ3つのハブ20に等しい距離を延びることができる。別の例では、アンカー部分28は、5/16インチ、1/2インチまたはこれ以上など、一定の距離を延びることができる。アンカー部分28の長さを比較的短くし、これにより材料費を減らし、および/または、埋め込み工程を容易にすることが望ましいことがある。
次に、図5A〜図5Dに移ると、これらは図1の詳細Aを示しており、組織保持部材12のアンカー部分28は、さまざまな幾何学的形状を含むことができる。示されている例が、可能性がある多数の幾何学的形状の一部に過ぎないということは言うまでもない。ここで検討するさまざまなアンカー部分28の組合せを含め、さまざまな他の幾何学的形状が考えられ、使用中にアンカー部分28がバンド16から外れる(例えば、引き抜かれる)ことを防ぐようにする。一例では、アンカー部分28Aは、コイル40のような、複数の曲がった部分を有するワイヤを含むことができる(図5A参照)。コイル40は、内部がほぼ中空であるほぼ円筒形の幾何学的形状を有することができ、ほぼ一定の直径または断面寸法を有することができる。例えば、内部がほぼ中空であると、バンド16の材料がコイル40を通って流れ、表面接触を増やして、アンカー部分28が使用中にバンド16から外れる(例えば、引き抜かれる)ことのないようにすることができる。さらに、コイル40は、複数の軸周りに曲げられるようにすることが可能である。他の実施例では、コイル40は、変動する直径、断面寸法、周波数、振幅等を有することができる。例えば、図5Dに示されているように、アンカー部分28Dは、断面寸法が増加または減少して、長さ方向に沿って異なる量の柔軟性、引き抜き強度、または、触った感じを与えることができる、一部が修正されたコイル41を有することができる。一部が修正されたコイル41での変化により、コイル41の長さ方向にそって破損形態を異なるものとすることもできる。コイル40、41は、コイル40がさまざまな軸においてばね力を示すように、ばね材料から形成することができる。例えば、コイル40、41がバンド16の第1端部22に埋め込まれている場合、コイル40、41は、弾性により、エラストマーバンド16内で長手方向に延びる中立状態を得ようとすることがある。このように、コイル40、41は、比較的柔軟で曲げることができるという特徴を与えることができ、(例えば、手術中に)エラストマーバンド16の第1端部22を湾曲または屈曲させた場合、コイル40、41は、弾性により反対方向の力を与えて、組織29を保持しやすくすることができる。
別の例では、アンカー部分28Bは、互い違いになった幾何学的形状42を含むことができる(図5B参照)。つまり、アンカー部分28Bは、少なくとも2つの形の間で変化する幾何学的形状を有することができる。一例では、アンカー部分28Bの互い違いになった幾何学的形状42は、比較的大きな部分44と、比較的小さな部分46とがあり、全体的に反復して振動する幾何学的形状を有する、正弦曲線の幾何学的形状とすることができる。比較的大きな部分44と小さな部分46を交互させることにより、アンカー部分28Bが表面接触を増やして、使用中にアンカー部分28がバンド16から外れる(例えば、引き抜かれる)ことがないようにすることができる。全体的に反復してはいるが、振幅および/または周波数は、一定のままであってもよいし、なくてもよい。例えば、正弦曲線の幾何学形状は、異なる反復区間を有する異なる部分を含むことができる。あるいは、幾何学形状は反復するものでなくてもよい。さらに、アンカー部分28Bは、平坦なもの(例えば平板)、または、ねじられたもの(例えば、螺旋)とすることができる。さらに、交互する幾何学形状42は、比較的柔軟性がなくて、曲げにくいという特徴を与えることであってもよく、このような特徴は、特定の種類の組織係合部分26または組織で有益なことがある。一例では、アンカー部分28Bを比較的平坦にして、ある軸に沿って曲げることができるが、他の軸では曲げに抵抗するようにすることができる。これに加えて、または、これに代えて、いずれのアンカー部分(例えば28A、28B、28C等)も、バンド16のバルク材との接合効果を増減させる表面形態または表面処理を有することができる。さまざまな例において、アンカー部分28Bの表面形態または表面処理は、プラズマ被覆、多孔質表面、柱状表面(pillar surface)等を含みうる。別の例では、アンカー部分28Bは、中空部分、開口部、貫通穴のような、バンド16のバルク材を入れて保持しやすくするための1つまたは2つ以上の開いた領域47を提供できる。さらに、別の例では、アンカー部分28を、正方形、長方形、円形、楕円形、三角形などのほぼ標準的な多角形の幾何学形状を有する、実質的に平坦なものとすることができる。
さらに別の例では、アンカー部分28Cは突出部48を含むことができる(図5C参照)。つまり、アンカー部分28Cは、1つまたは複数の突出部48を有することができ、この複数の突出部48は、同様なものであってもよいし、異なるものであってもよい。突出部48は、アンカー部分28Cの中央部材50からほぼ外側に向けて延びることができ、この中央部材50は、中央にある棒等とすることができるし、他のアンカー部分28Aまたは28Bと同様なものにすることさえできる。一例では、突出部48を球状のもの、かえし、ワイヤ要素等とすることができる。突出部48は、中央部材50に垂直など、さまざまな角度で、または、さまざまな斜めの角度(例えば、第1端部22の方を向いた、または、反対の方を向いた角度)で外に向けて延びることができる。突出部48は、アンカー部分28Cに沿ったさまざまな場所に配置できる。一例では、突出部48の各々を、バンド16のそれぞれのハブ20に対応するように、アンカー部分28に並べることができる。突出部48によって、アンカー部分28Cはハブ20を介する接触面積が増え、使用中にバンド16からアンカー部分28が外れる(例えば引き抜かれる)ことがないようにできる。さらに、突出部48は、第1端部22が相対的に多少柔軟で、曲げられるように一部修正することができる。
さらに他の例において、アンカー部分28は、バンド16の第1端部22に機械的留め金具、接着剤、摩擦ばめ等によって連結することができる。例えば、アンカー部分28は、バンド16の第1端部22に接着剤で接着し、かつ/または、摩擦/締まりばめによって第1端部22で保持することができる。アンカー部分28は、このような連結を促進するための表面の特徴、処理等を含むことができる。これに加えて、または、これに代えて、第1端部22は、アンカー部分28の一部または全てを入れるための開口部、穴等を含むことができる。アンカー部分28は、第1端部22内に埋め込まれてもよいし、埋め込まれなくてもよい。これに加えて、または、これに代えて、アンカー部分28Eは、第1端部22の一部分が入るように、第1端部22の一部分に被せるように適合されたカフス、カラー等のような外側連結器43(図5E参照)を備えることができる。組織係合部分26は、外側連結器43に取り外し可能または取り外し不能に連結することができる。同様に、アンカー部分28は、第1端部22の周りに巻かれた保持ワイヤ、熱収縮チューブ等(不図示)を含む外側連結器43によってバンド16の第1端部22に連結され、保持されるように構成することができる。外側連結器43は、手術用フレーム60と係合する第1端部22の面としての役割を果たすこともできる。外側連結器43は、バンド16の第1端部22の断面寸法を増大させても、させなくてもよいが、保持具10がハンドルを含まないように、(外側連結器43を含む)エラストマーバンドの実質的に全ての部分が、手術用開創器フレーム60(および/または、手術機器)と係合するように構成されたままであることが理解される。連結器を外側のものとして記載したが、外側連結器43の部分が取り外し可能に、または、取り外し不能に長手方向ボディ18の中へと延びる、または、入ることができることは言うまでもない。
これに加えて、または、これに代えて、さまざまなアンカー部分28A、28B、28Cのいずれも、または、全ては、第1端部22付近での保持具10の破損形態を異なるものにすることができる。つまり、アンカー部分28と、ボディ18の材料とは、シリコンの破損および/またはコイルの破損(例えば、そり)など、予期しない破損形態を回避するように構成することができる。例えば、アンカー部分28と、バンド16のバルク材との各々の係数に変化をつけることで、アンカー部分28と、バンド16のバルク材との間の境界でのボイドの形成をいくぶん変える(例えば、増やすまたは減らす)ことができる。用途によるが、アンカー部分28と、バンド16のバルク材料との各々の係数は、力を一様に伝え、かつ/または、破損を管理するために、実質的に等しくてもよいし、異なっていてもよい。一般に、アンカー部分28の係数がバンド16のバルク材料の係数と実質的に等しい場合には、両方の構成要素が保持具10に加えられた全荷重に対して同じような反応を示す。しかし、構成要素間で係数が異なる場合には、構成要素は、異なる反応を示す。係数は、ヤング係数、剛性率、体積弾性率等であってもよいことが理解される。
例えば、図5Aのコイル40を参照すると、コイルの最大そり量は、バンド16の材料の、対応するデュロメーターの最大伸張とほぼ一致するように構成することができる。さらに、(例えば、そりが生じる前の)コイル40の最大の力は、バンド16の材料のデュロメーターの、対応する引張強度とほぼ一致させることができる。同様に、コイル40の設計は、コイル40がバンド16の材料の係数にほぼ等しいk値(例えば、ばね定数)を有するように選択することができる。これらの設計指針により、予期しない破損形態を回避することができる。もちろん、他の破損形態については、コイル40がバンド16の材料の係数とは異なるk値(例えば、ばね定数)を有するようにコイル40の設計を選択することができる。
一例では、エラストマーバンド16を第1の係数を有する材料から形成することができ、アンカー部分28を第2の係数を有するほぼ剛体の材料から形成することができる。前述したように、第1の係数を第2の係数とほぼ等しいものにし、これにより、予期しない破損形態を回避することができる。他の例では、第1の係数(バンド16)を第2の係数(アンカー部分28)よりも大きくする、または、その逆にし、バンド16またはアンカー部分28の予め定められた一方が予期され、かつ、管理された方法で破損するようにできる。例えば、予期された破損形態の1つが、恒久的な塑性変形によってアンカー部分28の「コイルが伸びる」ことである、ということが考えられる。このような場合、第1の係数(バンド16)を第2の係数(アンカー部分28)よりも大きくし、バンド16がアンカー部分28よりも大きく弾性変形できるようにし、アンカー部分28が最初に塑性変形する(例えば、「コイルが伸びる」)一方で、バンド16が伸縮性を維持し、ほぼ変形しないままでいるようにすることができる。アンカー部分28の塑性変形は比較的ゆっくりと生じて、衝撃力を最小にし、組織保持部材12の組織係合部分26が保持している組織29に損傷を与えないようにすることができる。
以下の設計例は、バンド16の材料が60Dというデュロメーター値を有すると仮定している(表1参照)。シリコン製保持具10の理論最大荷重は、約17lbsである(例えば、1520psi×π×r2=17lbs)。ただし、保持具10の最小直径(〜0.12インチ)を用いてシリコンが破損する前の最大荷重を求めた。したがって、コイル40は、そりが生じる前に少なくとも17lbsの最大荷重に持ちこたえるように構成することができる。さらに、コイル40は、5lbs等のような、所望の工業規格よりも大きな最小荷重に持ちこたえられるように構成することもできる。コイルのパラメーター(例えば、コイルの内径、ワイヤ直径、巻回数等)は、反ることなく同様な伸張を達成するために変更してもよい。したがって、コイル40は、k=330psiで少なくとも60Dでの最大伸張(450%)まで材料とともに伸張できるように構成される。それでも、コイル40が長手方向ボディ18よりも先に破損することが望ましい場合には、コイル40を上述した17lbsよりも小さい最大荷重に持ちこたえるように適合させることができる。さまざまな他の値が考えられ、この例で検討した値が変更されうることが理解される。
これに加えて、または、これに代えて、第1端部22からの組織保持部材12の引き抜き強度は、バンド16の第1端部22内にアンカー部分28を挿入する長さ、および/または、位置を調節することにより、いくぶん変えることができる。例えば、引き抜き強度を大きくするために、アンカー部分28を、約5/16インチまたは1/2インチ以上などのように、比較的長い距離を第1端部22の中へと延長することができる。別の例では、引き抜き強度を大きくするために、組織保持部材12をバンド16の第1端部22の内部に、より多くの組織係合部分26が第1端部に埋め込まれるように位置させることができる。例えば、図5Dに示すように、相対的により多くの組織保持部材12をバンド16の第1端部22内に位置させて、移行部32が、バンド16の第1端部22の面23から長い距離D1の間隔をあけて配置されるようにすることができる。このようにして、比較的多くの量のボディ材料(例えば、シリコン、ウレタン等)を移行部32と、第1端部22の面23との間に設け、これにより組織保持部材12の引き抜き強度を大きくする。移行部32と面23との間の距離D1は、所望の引き抜き強度および/または所望の破損形態となるように調節することができる。さらに、移行部32と、第1端部22の面23との間に比較的多量のボディ材料を配置すると、組織係合部分26と第1端部22の間の境界を相対的により安定にすることができる。
これに加えて、または、これに代えて、エラストマーバンド16の長手方向ボディ18は、断面寸法がほぼ一定であり、ボディ18の長さ方向に一定の間隔をあけて配置された複数のハブ20を含むことができる。図5A〜図5Dに示されているように、アンカー部分28をバンド16の第1端部22に少なくとも部分的に埋め込むことができるように、アンカー部分28は、断面寸法を長手方向ボディ18の断面寸法よりも小さくすることができる。例えば、図4Bおよび図5Aに示すように、長手方向ボディ18とコイル40の両方がほぼ円形の断面幾何学形状を有する場合、コイル40の断面の直径D2は、長手方向ボディ18の断面の直径D3よりも相対的に小さくすることができる。さらに、複数のハブ20を実質的に同様なものにして、これにより手術用保持具10の最大断面寸法を規定することができる。図1〜図2に示されているように、ハブ20の断面寸法D4を長手方向ボディ18の断面寸法D3よりも相対的に大きくして、ハブ20が開創器フレーム60と係合できるようにすることが可能である。例えば、図5Cに示されているように、突出部48は、ハブ20内に埋め込むことができ、断面幾何学形状を長手方向ボディ18よりも相対的に大きくしてもよいが、アンカー部分28Cの中央部材50は、それでも、断面寸法を長手方向ボディ18の断面寸法よりも小さくすることができる。結果として、全ての長手方向ボディ18(そして、もしあれば、ハブ20、24)は機能し、保持具10は、いかなる種類のハンドルも含まない。例えば、ハブ20、24の各々を実質的に同様のものとし、手術用保持具10の最大断面寸法を規定させ、かつ/または、長手方向ボディ18の長さ方向に沿って一定間隔をあけて配置することが可能である。同様に、カフス、カラー、保持ワイヤ、他の機械的留め金具等を使用してアンカー部分28を第1端部22に連結することができるが、長手方向ボディ18の断面寸法D3、および/または、ハブ20の断面寸法D4は、相当に大きくなるとは考えられず、保持具10は、依然としてハンドルを含まないと考えられる。
本明細書で言及しているように、バンド16の第1端部22にあるハブ24にさえフレーム係合面72が設けられており、フレーム60との係合に関して十分機能する。このように、バンド16にある全てのハブ20、24がフレーム60(および/または手術機器)とともに使用できるので、保持具10がいかなる種類のハンドルも含まないことは言うまでもない。つまり、保持具10の任意の部分をユーザーはつかんで、保持具10を思い通りに扱うことができ、保持具10のどの部分も、保持具10を扱うのに相対的により有利であるということはない。さらに、ハンドレス保持具には従来の保持具の制限はなく、開創のために、より多くの保持具を使用することが可能である。従来の硬いハンドルと手術用フレームが互いに作用すると、その結果生じるフレーム周りのハンドルのてこの作用により、組織保持部材が組織から外れることがある。保持具の最大本数と柔軟性が増すことにより、ハンドレス保持具は、このような特有の外れ方を示すことがない。保持具のハンドルをなくすと、保持具を配置するとき、および、止血鉗子等のような手術機器によって配置する場合に、精度を高めることができるであろう。このように改善することで、配置するときの視認性、管理、および、扱いがよくなるので、臨床医および患者にとって安全性の余裕が増す。ハンドレス保持具は、手術機器(例えば、止血鉗子等)とともに、従来の手術用開創器フレームと共に、または、代わりに、比較的小規模、および/または、繊細な手術(例えば、耳、鼻、喉の手術等)のときなどでも使用することができる。
さらに、図6〜図8を参照すると、保持具10は、開創器フレーム60とともに使用可能であり、この開創器フレーム60は、手術部位62の全てまたは一部を取り囲み、保持具10または一連の保持具10を支持する役割を果たして、保持具10が切開部30を開いた状態に保てるように適合されている。なお、この種のフレームは、当該技術でよく知られており、本発明の一部を形成するものではない。フレームの例は、米国特許第6,090,043号および第5,951,467号で検討されており、米国特許第6,090,043号および第5,951,467号の開示内容の全てが参照することにより本明細書に組み込まれる。依然として、保持具10は、手術機器(例えば、止血鉗子等)とともに、従来の手術用開創器フレームの代わりに、または、一緒に使用することもできることが理解される。一例では、保持具10を比較的小規模、および/または、繊細な手術(例えば、耳、鼻、喉の手術等)のときに手術機器とともに単独で使用することができる。したがって、フレーム60は、模式的に描かれ、本発明の状況を説明をするために記載されているに過ぎない。フレーム60は、上面66と、下面68とがあるフランジ64を有する。上面66と下面68は、ほぼ平坦に描かれているが、他の幾何学的形状とすることもできる。フレーム60には、切り欠き部70が設けられており、この切り欠き部70は、上面66から下面68まで延びている。切り欠き部70は、バンド16のボディ18が解放可能に入るように適合されている。切り欠き部70は、好ましくは、バンド16のボディ18とほぼ同じ大きさに、ときにはより小さい大きさに作られる。切り欠き部70がバンド16のボディ18よりも小さな大きさに作られた場合、フレーム60は、ボディ18が切り欠き部70に挿入されたときに、ボディ18を若干圧縮する。
保持具10は、組織保持部材12の組織係合部分26を、保持しようとする組織29の上に置いて、バンド16のボディ18をフレーム60の切り欠き部70の1つに挿入して使用する。保持具10が前方へ、すなわち手術部位62の方へ動くこと、そして、切り欠き部70から引っ張られて抜けることが、機械的な干渉により防止される。より具体的には、フレーム60に隣接するハブ20がフレーム60の下面68の、切り欠き部70を取り囲む一部分に当たり、これにより、伸縮性バンド16の延伸を除き、保持具10が動くことを防止する。
図7に示されているように、本発明のハブ20は、フレーム60の下面68と向かい合わせの接触のような接触をしている係合面72を有することができる。このように係合させると、バンド16にかかった張力がフレーム60に伝えられる領域が分散する。この分散した領域は、ハブのない保持具(不図示)、または、球状のハブ(不図示)がある保持具(これらはいずれも切り欠き部70を通るところを加圧する可能性がある)と比べて大きく、それゆえに、より大きな張力を吸収することができる。
例えば、下面68にまさに接触している係合面72の図示の部分74は、下面68とぴったりと接した関係になり、向かい合わせに接触をすることができる。それゆえに、バンド16にかかった力は、比較的大きな張力を吸収できる幅広い領域にわたって分散される。より大きな張力がバンド16にかかると、バンド16のボディ18は、切り欠き部70にさらに引き込まれる傾向があり、そして、ハブ20は、引っ張られてフレーム60の下面68とよりきつく係合する傾向があり、結果として、図7に示されている構成となる。
さらに、バンド16の第1端部22にあるハブ24でさえフレーム係合面72が設けられていて、フレーム60と係合することに関して十分に機能する。図8に示されているように、ハンドレス設計により、保持具10の配置および使用時の正確さおよび柔軟性をより高めることができる。例えば、組織係合部分26は、開創器フレームの極めて近くに位置する組織29を保持するのに使用することができる。アンカー部分28は、開創器フレーム60および外科医の要求に形を合わせることができる。それでも、前述したように、ハブ20、24はさまざまな幾何学的形状を有することができ、この幾何学的形状は、フレーム60と平面で接触するものであっても、でなくてもよい。
上記設計は、生体組織と相互作用する機能要素(例えば、さまざまな形態および目的のフック、くま手、クランプ等)を伸縮性がある保持具のボディに取り付ける単一で汎用的な機構を可能にする。この単一の取り付け機構は、さまざまな保持具の種類を創り出し、サポートするための製造プロセスを簡単にし、かつ、製造コストを低減する。保持具の種類の数が増えると、この新しい自己保持型の開創器技術をこれまでこのような技術の助けを借りずに行われていた外科手術に応用できる数も増えるであろう。
さまざまな有益な利点が本明細書に記載の手術用保持具10により提供される。本明細書で検討したことは、多くの利点の一部を記述しているに過ぎず、本発明を限定しようとするものではない。例えば、手術用保持具10は、さまざまな組織保持システムのための汎用取り付け機構を提供する一方で、製造コストを下げ、かつ、製造をより簡単にもする。保持具10は、特異な手術用途のための保持具組織保持システムの幅を広げるのに費用対効果が高い方法を提供する。手術用保持具10は、手術室のスタッフと手術を受ける患者の安全性を高め、組織の損傷を減らし、手術部位の視認性をよくし、そして、手術室の成果を上げる。保持具10はまた、さまざまな破損形態を管理することができる。保持具10は、当業界で一般的である、結果として生じる組織の外傷や硬い保持具のハンドルによって生じる視覚的な障害を減らす。さらに、保持具の硬いハンドル部分を取り除くことにより、保持具全体の伸縮性/柔軟性が全てのまたは選択された平面内で増大する。手術用保持具10はまた、自己保持型開創器システム技術を数多くの外科手術に応用できるようにするとともに、さまざまな挿入物の形態および材料を通じて保持具の伸縮性/柔軟性を達成および管理できるようにし、また、挿入物のバルク材料に対する相互作用を、さまざまな表面形態および接合処理を利用することで管理できるようにする。
本発明を上述した実施形態の例を参照しながら説明した。本明細書を読み、理解することで修正例や変更例を思いつくであろう。本発明の1つまたは2つ以上の態様が組み込まれた実施形態の例は、添付した特許請求の範囲に入る限り、このような修正例や変更例を全て含むことが意図されている。

Claims (11)

  1. 断面寸法がほぼ一定で、第1端部がある長手方向ボディを備えたエラストマーバンドと、
    組織係合部分およびアンカー部分を備えた組織保持部材であって、前記アンカー部分が前記エラストマーバンドの前記第1端部に完全に埋め込まれ、前記組織係合部分が前記第1端部から外側へ向けて延びるようにされている組織保持部材と、を備え、
    前記組織係合部分およびアンカー部分の断面寸法は前記エラストマーバンドの断面寸法より小さく、
    前記エラストマーバンドの前記長手方向ボディの周りに配置された複数のハブが手術用開創器フレームと係合するように構成されている、
    手術用保持具。
  2. 前記複数のハブのうちの少なくとも1つのハブが前記エラストマーバンドの前記第1端部の近傍に配置されている、請求項1に記載の手術用保持具。
  3. 前記組織保持部材の前記組織係合部分は、前記アンカー部分に取り外し不能に連結されている、請求項1または2に記載の手術用保持具。
  4. 前記組織保持部材の前記組織係合部分は、前記アンカー部分に溶接されている、または、前記アンカー部分と共に形成されている、請求項3に記載の手術用保持具。
  5. 前記アンカー部分は、コイル、互い違いになった幾何学形状、突出部、外側連結器のうちの一つ以上を備えるか、または、前記エラストマーバンドの前記第1端部に少なくとも部分的に埋め込まれている、請求項1乃至4のいずれか記載の手術用保持具。
  6. 前記エラストマーバンドの前記第1端部は、前記アンカー部分周りに成型されており、前記エラストマーバンドは、使用中に前記アンカー部分が外れないようにする材料から形成されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の手術用保持具。
  7. 前記複数のハブの全てが前記手術用開創器フレームと保持のための接触をするように適合されている、請求項1に記載の手術用保持具。
  8. 断面寸法がほぼ一定で、第1端部がある長手方向ボディを備えたエラストマーバンドと、
    アンカー部分に取り外し不能に連結された組織係合部分を備えた組織保持部材であって、前記組織係合部分および前記アンカー部分が前記長手方向ボディの断面寸法より小さい断面寸法を有し、かつ、前記エラストマーバンドの前記第1端部内に完全に埋め込まれて、前記組織係合部分が前記エラストマーバンドの前記第1端部から延びるようにされており、前記エラストマーバンドは、前記アンカー部分が使用中に外れることがないようにする材料から形成されている組織保持部材と、
    を備え
    前記エラストマーバンドの前記長手方向ボディの周りに配置された複数のハブが手術用開創器フレームと係合するように構成されている、
    手術用保持具。
  9. 前記組織係合部分は、前記エラストマーバンドの前記第1端部の面から間隔をあけた移行部において前記アンカー部分に取り外し不能に連結されている、請求項8に記載の手術用保持具。
  10. 前記複数のハブは、前記長手方向ボディと共に形成され、前記長手方向ボディに沿って一定の間隔をあけて配置され、少なくとも1つのハブが前記エラストマーバンドの前記第1端部の近傍に配置されている、請求項8または9に記載の手術用保持具。
  11. 前記ハブの全てが手術用開創器フレームと係合するように構成されている、請求項10に記載の手術用保持具。
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