JP5759282B2 - ビードリング及び該ビードリングを有する空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
図1は、上記環体の軸方向の概略断面図である。このモノストランドビードは、図1に示すように、1本のビードワイヤ1をゴム被覆してなるストランドを環体の軸方向(図1のX軸の方向)に複数列及び径方向(図1のY軸の方向)へ複数段積み重ねてなる。
特に近年、環境への配慮から、できる限り資源を使わない軽量化したタイヤを開発することが望まれており、ことビードリングに関しては、上記環体の軸方向の列数及び径方向の段数を減らすことにより軽量化することが考えられる。しかし、列数及び段数の少ないビードリングは、さらに破壊強度が低下するという問題があり、このようなビードリングにおける破壊強度を確保することが望まれている。
その結果、ビードコアの破壊は、ビードリングをなす環体の軸方向中心を境界とする両側で芯数が非対称であることに起因することの知見を得た。すなわち、上述のようにビードリングを1本のビードワイヤを巻回して製造する場合には、周上又は径方向のいずれかの箇所で軸方向中心を境界とする半部同士でビードワイヤの芯数が異なるのが一般的である。例えば、図2に示すように、ビードワイヤの巻き始端と巻き終端とは、破壊強度を高めるためにオーバーラップさせるのが一般的であるが、この例の場合、軸方向いずれかの位置で図示のようなオーバーラップ部分を有することにより、軸方向中心を境界とする半部間で芯数が非対称となる箇所が生じる。また、ビードリング破壊の起点となり得る巻き始端やオーバーラップ部分(巻き終端)においては、張力負担が小さいことより、見た目の芯数の非対称に加えて、内圧時の張力可能なワイヤの配置も非対称となる。これらの非対称性により、図3に矢印で示すように、タイヤの内圧充填時にビードリングの軸方向両側におよそ均等にかかる径方向外側への力による、円形の矢印にて示す回転モーメントが生じる。これにより、ビードリングに捩れが生じ、特に芯数が少ない側の端部に隣接するワイヤ位置に応力が集中し、この芯を起点とする破壊が生じる。
(1)1本のビードワイヤを環体状に従って巻き回して、前記ビードワイヤの芯を該環体状の軸方向へ複数列及び径方向へ複数段に積み重ねてなる環体のビードリングにおいて、
前記環体は、軸方向中心を境界としたときに、前記環体の周方向の少なくとも一部分において前記芯が多い方の半部における軸方向外側のゴムの軸方向厚さw1は、前記環体の少なくとも周方向及び径方向の一部分において、前記芯が少ない方の半部における軸方向外側のゴムの軸方向厚さw2より厚く、
前記環体の少なくとも周方向及び径方向の一部分において、
前記芯が多い半部における、軸方向外側のゴムの厚さw1(mm)は、前記ビードワイヤの径d(mm)の0.1〜2倍であり、
前記芯が少ない半部における、軸方向外側のゴムの厚さw2(mm)は、前記ビードワイヤの径d(mm)の0.1〜1倍であることを特徴とする、ビードリング。
図4に示すように、本発明のビードリングは、ビードワイヤの芯を軸方向へ複数列及び径方向へ複数段に積み重ねてなる、環体の構造を有する。
図示例では、軸方向に2列の芯を有する環体構造であり、図示例では軸方向中心Oを境界とする一方の側に3段、他方の側に2段の芯が積み重なっている。ここで、軸方向中心とは、図4に示すように、環体の軸方向両外側の列の芯の外側ラインをそれぞれm1、m2とするときのm1、m2の中心線である。
図示例では、巻き始端1sと巻き終端1eとが径方向最外側に位置しており、また、図示例で、巻き終端1eは上述したオーバーラップ部分に対応している。
上記の構造のビードコアは、例えば、図4の矢印に示す順序で巻回することにより製造することができる。
図4に示す例では、この断面において、軸方向中心Oを境界として、ビードワイヤの芯数が巻き終端を除いて2つである半部での軸方向外側のゴム2の厚さw1は、ビードワイヤの芯数が巻き始端を除いて1つである半部での軸方向外側のゴム2の厚さw2より厚い。図示例では、ゴムの厚さw1は、径方向全体且つ周方向全周にわたって、他方の半部のゴムの外側厚さw2より厚くなっている。
このように、本発明のビードリングにあっては、図4に示すように、環体の周方向の少なくとも一部分においてビードワイヤの芯が多い方の軸方向半部の軸方向外側のゴム2の厚さは、環体の少なくとも周方向及び径方向の一部分において、ビードワイヤの芯が多い方の軸方向半部の軸方向外側のゴム2の厚さより厚いことが肝要である。
なお、「芯が多い方の半部」とは、巻き始端と巻き終端(オーバーラップ端)とを除いて芯が多い方の軸方向半部を意味する。具体的には、コア中心軸を境に、巻き始端、オーバーラップ部分(巻き終端)を除いたワイヤの断面積が大きい方を「芯が多い方の半部」とする。仮に、両半部のワイヤ断面積が等しい場合、オーバーラップ部分を含む半部を「芯が多い方の半部」とする。
以下、本発明の作用効果について説明する。
本発明のビードリングは、ビードワイヤの芯が多い方の半部にて、軸方向外側のゴムの少なくとも一部の軸方向厚さが厚いため、図4の湾曲した矢印で示すように、上記のモーメントを打ち消すモーメントが生じ、これによりビードリングの捩れが低減し、ビードワイヤへの負荷が軽減され、破壊強度が向上する。
一方で、このときビードワイヤの芯が少ない方の半部における、軸方向外側のゴムの厚さw2(mm)は、ビードワイヤの径d(mm)の0.1〜0.5倍とすることが好ましい。
ただし、常にw1>w2の関係を満たすものとする。
ビードリングの周上全体で、ビードワイヤの芯が多い方の半部における、軸方向外側のゴムの厚さを他方より厚くすることで、タイヤのユニフォミティを悪化させることなく、ビードの破壊圧を向上させることができる。
また、ビードリングの周上の一部にてゴムを厚くする場合には、特に周上において、軸方向半部同士の芯数に最も差が生じる箇所のゴムを厚くすることが好ましい。
図4に示す例では、少なくとも巻き始端を中心として、周上の10mm〜200mmの範囲において、ゴムの厚さを厚くすることが好ましい。
10mm以下では十分な応力集中低減効果が得られず、一方で、200mm以上としても、それ以上の応力集中低減効果が期待されず、タイヤ重量が増加するのみとなるからである。
なお、ビードワイヤの周長とは、ビードワイヤの巻き始端から、該巻き始端に隣接する内周層上の、巻き始端に対応する点までの周回長さをいう。
これらのタイヤでは、ボディプライと折り返しプライが沿う領域が長く、コア横付近での上記径方向外側へのプライ張力が軸方向中心を境界とする両側でより均等となるからである。特にプライが沿う領域が20mm以上あることがより好ましい。ここで折り返しプライがボディプライに沿うとは、両プライ同士の距離が3mm以内の状態をいう。
この場合、上記小さいビードフィラは、ボディプライと折り返しプライの中に入り、かつ、両プライの沿う長さが20mm以上確保できる大きさのものをいう。
なお、本発明のビードリングは、ビードワイヤの芯数が多い側(ゴム厚さを厚くする側)をタイヤ幅方向内側となるようにタイヤに装着しても良いし、幅方向外側になるようにタイヤに装着しても良い。
これらをタイヤのビード部に埋設したタイヤを試作した。
各タイヤの諸元を表1に示してある。
なお、表1において、芯数は、オーバーラップ部分を含む断面で、巻き始端及び巻き終端を除いて数えている。
また、発明例1は、一方の半部での軸方向外側のゴムの厚さw1(mm)を、周方向全体且つ径方向全体にわたって一様に他方の半部での軸方向外側のゴムの厚さw2(mm)より厚くしている。
また、ビードワイヤの径d(mm)は、1.26mmのものを共通して用いた。
タイヤサイズ155/65R13の上記各タイヤをリムサイズ4.5Jの規定リムにリム組みした後、水を注入し、水圧破壊テストを実施し、ビードコアが破壊したときの圧力を評価した。
評価結果は、従来例を100としたときの指数で表し、数値が大きい方が破壊強度に優れていることを示す。
評価結果を表2に示す。
発明例2の諸元は、評価結果と共に表3に示しており、表に示さない諸元については、発明例2は発明例1と同様である。
なお、表3の「周上」との項目は、巻き始端を中心として、周長のどれだけの部分でゴムを厚くするかを示すものである。
2 軸方向外側のゴム
3 カーカス
Claims (3)
前記環体は、軸方向中心を境界としたときに、前記環体の周方向の少なくとも一部分において前記芯が多い方の半部における軸方向外側のゴムの軸方向厚さw1は、前記環体の少なくとも周方向及び径方向の一部分において、前記芯が少ない方の半部における軸方向外側のゴムの軸方向厚さw2より厚く、
前記環体の少なくとも周方向及び径方向の一部分において、
前記芯が多い半部における、軸方向外側のゴムの厚さw1(mm)は、前記ビードワイヤの径d(mm)の0.1〜2倍であり、
前記芯が少ない半部における、軸方向外側のゴムの厚さw2(mm)は、前記ビードワイヤの径d(mm)の0.1〜1倍であることを特徴とする、ビードリング。
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