JP5759268B2 - 内燃機関の判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の気筒を備えた内燃機関において、複数の気筒間での空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定する内燃機関の判定装置に関する。
従来、複数の気筒を備えた内燃機関の判定装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この内燃機関は、4気筒タイプのものであり、吸気通路、排気通路および排気還流装置などを備えている。吸気通路は、1つの主通路部と、この主通路部から分岐し、4つの気筒にそれぞれ接続された4つの分岐通路部などを有している。また、排気通路は、4つの気筒からそれぞれ延びる4つの分岐通路部と、4つの分岐通路部が互いに合流する合流部などを有している。
また、排気還流装置は、排気通路内の排ガスの一部を還流ガスとして吸気通路に還流させるEGR動作を実行するものであり、EGR通路と、EGR通路の開度を変更するEGR弁とを備えている。EGR通路は、その一端部が排気通路の合流部よりも下流側に接続され、他端部が4つの分岐通路に分岐し、吸気通路の4つの分岐通路部にそれぞれ接続されている。さらに、吸気通路の各分岐通路部には、燃料噴射弁が設けられており、排気通路の各分岐通路部には、空燃比センサが設けられている。
この判定装置では、同公報の図3に示す判定手法により、複数の気筒間での空燃比のばらつきの発生の有無と、その発生原因とが判定される。まず、ステップ1で、4つの空燃比センサの検出信号に基づき、4つの気筒の空燃比を算出し、次に、ステップ2で、各2つの気筒間の空燃比の偏差を所定のしきい値と比較することにより、空燃比のばらつきが発生しているか否かを判別する。そして、空燃比のばらつきが発生していると判別されたときには、ステップ4で、EGR動作を実行中であるか否かを判別し、EGR動作を実行中のときには、ステップ5で、EGR弁を閉弁する。次いで、ステップ6で、空燃比のばらつきが再発生しているか否かを判別する。
そして、空燃比のばらつきが再発生しているときには、ステップ8で、空燃比のばらつきの原因が排気還流装置以外であると判定し、空燃比のばらつきが再発生していないときには、ステップ10で、空燃比のばらつきの原因が排気還流装置の故障であると判定される。
特許第4553007号公報
上記従来の内燃機関の判定装置によれば、空燃比のばらつきを判定するために、気筒数分の空燃比センサを必要とするので、その分、製造コストの上昇を招いてしまう。これを回避するために、空燃比センサの数を減らした場合、空燃比のばらつきを判定できなくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、複数の気筒間での空燃比のばらつきを判定する場合において、良好な判定精度を確保しながら、製造コストを削減することができる内燃機関の判定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数の気筒#1〜#4と、複数の気筒#1〜#4からそれぞれ延びる複数の分岐通路部7aが合流部7bで互いに合流する排気通路7と、排気通路7内の排ガスの一部を還流ガスとして吸気通路4に還流させる排気還流装置10と、排気通路7の合流部7bよりも下流側に設けられた触媒8aとを有する内燃機関3の判定装置1,1Aであって、排気通路7の合流部7bと触媒8aとの間の排ガスの空燃比を表す上流側空燃比パラメータ(検出当量比KACT)に比例した上流側検出信号を出力する上流側空燃比パラメータ検出手段(LAFセンサ23)と、排気通路7の触媒8aよりも下流側の排ガスの空燃比を表す下流側空燃比パラメータ(出力値SVO2)を検出する下流側空燃比パラメータ検出手段(酸素濃度センサ24)と、積分項(適応則入力UADP)を含む所定の第1フィードバック制御アルゴリズム[式(1)〜(10)]を用いて、下流側空燃比パラメータ(出力値SVO2)が所定の下流側目標値VVO2_TRGTに収束するように、上流側空燃比パラメータ(検出当量比KACT)の目標となる上流側目標値(目標当量比KCMD)を算出する上流側目標値算出手段(ECU2、ステップ2〜11)と、所定の第2フィードバック制御アルゴリズム[式(13)〜(18)]を用いて、上流側空燃比パラメータ(検出当量比KACT)が上流側目標値(目標当量比KCMD)に収束するように、複数の気筒#1〜#4に供給される混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段(ECU2、ステップ32)と、排気還流装置10を介して、吸気通路4に還流する排ガスの還流率および還流量の一方を表す還流パラメータ(排気還流率REGR)を、第1所定値(値0)と第1所定値よりも大きい第2所定値(所定の強制オン用値R_ON)との間で切り換えて制御する排気還流制御手段(ECU2、ステップ45,50〜65)と、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムにおける、還流パラメータが第1所定値に制御されているときの積分項である第1積分項(EGR強制オフ時の適応則入力UADP_EGROFF)と、還流パラメータが第2所定値に制御されているときの積分項である第2積分項(EGR強制オン時の適応則入力UADP_EGRON)との間の相対的な大小関係を表す大小関係値(適応則入力偏差DUADP)に応じて、複数の気筒間で空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定する判定手段(ECU2、ステップ70〜83,90〜101)と、を備え、吸気通路4は、1つの主通路部4bと、主通路部4bから分岐し、複数の気筒#1〜#4にそれぞれ接続された複数の分岐通路部4aとを有し、排気還流装置10は、排ガスを還流させるためのEGR通路11と、EGR通路11の開口面積を変更することによって、還流パラメータを変更するEGR制御弁12とを備えており、EGR通路11は、一端部が排気通路7の合流部7bよりも下流側に接続され、他端部が複数の分岐通路部11aに分岐して吸気通路4の複数の分岐通路部4aにそれぞれ接続されており、判定手段は、大小関係値(適応則入力偏差DUADP)に応じて、空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定するとともに、空燃比のばらつきが発生しているときに、大小関係値に応じて、空燃比のばらつきの原因が、排気還流装置10および排気還流装置10以外の機器(燃料噴射弁6、分岐通路部4a)のいずれの故障であるかを特定する(ステップ78〜81)ことを特徴とする。
この内燃機関の判定装置によれば、排気通路の合流部と触媒との間の排ガスの空燃比を表す上流側空燃比パラメータに比例した上流側検出信号が、上流側空燃比パラメータ検出手段から出力される。この上流側空燃比パラメータ検出手段のような、排ガスの空燃比を表す値に比例した検出信号を出力する検出手段の場合、空燃比に対する検出信号値の感度が、理論空燃比よりもリッチ側の排ガスを検出するときの方が、リーン側の排ガスを検出するときよりも高いという特性を有しており、それに起因して、この上流側空燃比パラメータ検出手段を用いた場合、以下に述べるように、本出願人によって出願済みの特願2010−281106号に記載されている事象が発生する。すなわち、複数の気筒における混合気の空燃比をいずれも理論空燃比になるように制御している場合において、複数の気筒への燃料供給量のばらつきなどに起因して、実際の混合気の空燃比が複数の気筒間でばらついたときには、上流側空燃比パラメータ検出手段の検出信号が、理論空燃比のときの値よりもリッチ側にずれた値を示すという事象が発生する。以下の説明では、この事象を「検出信号のリッチ側ずれ」という。
このような検出信号のリッチ側ずれが発生すると、所定の第2フィードバック制御アルゴリズムを用いて、上流側空燃比パラメータが上流側目標値に収束するように、複数の気筒に供給される混合気の空燃比が制御されるので、複数の気筒に供給される混合気の空燃比は、検出信号のリッチ側ずれが発生していないときよりもリーン側に制御されてしまうことになり、その結果、下流側空燃比パラメータが下流側目標値に対してリーン側にずれてしまうことになる。そのような状態が発生した場合、上流側目標値が、積分項を含む所定の第1フィードバック制御アルゴリズムを用いて、下流側空燃比パラメータが所定の下流側目標値に収束するように算出されるので、所定の下流側目標値に対する下流側空燃比パラメータのリーン側のずれを補償するように、積分項の絶対値が増大することになる。
また、排気還流装置を介して、吸気通路に還流する排ガスの還流率および還流量の一方を表す還流パラメータが、第1所定値と第1所定値よりも大きい第2所定値との間で切り換えて制御される。このように排ガスの還流パラメータを切り換えて制御した場合、すなわち還流率または還流量を切り換えて制御した場合、気筒間での空燃比のばらつきが発生していない状態では、還流パラメータが第1所定値および第2所定値にそれぞれ制御されているときの第1積分項および第2積分項は、両者の絶対値がほとんど増大しない状態となる。一方、気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合には、第1積分項および第2積分項の一方の絶対値が、他方の絶対値と比べてかなり大きい値まで増大することになる。したがって、この判定装置によれば、第1積分項と第2積分項との間の相対的な大小関係を表す大小関係値に応じて、複数の気筒間で空燃比のばらつきが発生しているか否かが判定されるので、気筒間での空燃比のばらつきの有無を精度よく判定することができる。これに加えて、2つの検出手段を用いて、気筒間での空燃比のばらつきの有無を判定することができるので、気筒数分のセンサが必要な従来の判定装置と比べて、製造コストを削減することができる。
さらに、この内燃機関の判定装置によれば、排気還流装置のEGR通路が、一端部が排気通路の合流部よりも下流側に接続され、他端部が複数の分岐通路部に分岐して吸気通路の複数の分岐通路部にそれぞれ接続されているので、複数の気筒間での空燃比のばらつきは、排気還流装置の故障または排気還流装置以外の機器の故障(例えば、吸気通路の分岐通路部のつまりや燃料供給系の不具合など)に起因して発生することになる。さらに、排気還流装置の故障に起因して、複数の気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合、排気還流装置によって排ガスが環流されているときには、還流パラメータが大きいほど、すなわち排ガスの還流率または還流量が大きいほど、混合気中に占める還流ガスの割合が大きくなることに起因して、空燃比のばらつき度合がより大きくなり、それを補償するために、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムにおける積分項の絶対値の増大度合がより大きくなる。すなわち、排気還流装置の故障に起因して、複数の気筒間での空燃比のばらつきが発生しているときには、排気還流装置の動作中、第2積分項の絶対値の方が、第1積分項の絶対値よりも大きくなる。
一方、排気還流装置以外の機器の故障、例えば吸気通路の分岐通路部のつまりや燃料供給系の不具合などに起因して、複数の気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合、排気還流装置によって排ガスが環流されているときには、還流パラメータが大きいほど、すなわち排ガスの還流率または還流量が大きいほど、混合気中に占める吸入空気や燃料の割合が小さくなることによって、空燃比のばらつき度合がより小さくなり、それを補償するために、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムにおける積分項の絶対値の増大度合がより小さくなる。すなわち、排気還流装置以外の機器の故障に起因して、複数の気筒間での空燃比のばらつきが発生しているときには、排気還流装置の動作中、第1積分項の絶対値の方が、第2積分項の絶対値よりも大きくなる。以上のように、この内燃機関では、複数の気筒間での空燃比のばらつきが排気還流装置の故障を原因とする場合と、それ以外の機器の故障を原因とする場合とで、第1積分項の絶対値と第2積分項の絶対値との間での大小関係が異なる傾向を示すので、それを表す大小関係値に応じて、空燃比のばらつきの原因が、排気還流装置の故障であるか、または排気還流装置以外の機器の故障であるかを精度よく特定することができる。
また、請求項2に係る発明は、複数の気筒#1〜#4と、複数の気筒#1〜#4からそれぞれ延びる複数の分岐通路部7aが合流部7bで互いに合流する排気通路7と、排気通路7内の排ガスの一部を還流ガスとして吸気通路4に還流させる排気還流装置10と、排気通路7の合流部7bよりも下流側に設けられた触媒8aとを有する内燃機関3の判定装置1,1Aであって、排気通路7の合流部7bと触媒8aとの間の排ガスの空燃比を表す上流側空燃比パラメータ(検出当量比KACT)に比例した上流側検出信号を出力する上流側空燃比パラメータ検出手段(LAFセンサ23)と、排気通路7の触媒8aよりも下流側の排ガスの空燃比を表す下流側空燃比パラメータ(出力値SVO2)を検出する下流側空燃比パラメータ検出手段(酸素濃度センサ24)と、積分項(適応則入力UADP)を含む所定の第1フィードバック制御アルゴリズム[式(1)〜(10)]を用いて、下流側空燃比パラメータ(出力値SVO2)が所定の下流側目標値VVO2_TRGTに収束するように、上流側空燃比パラメータ(検出当量比KACT)の目標となる上流側目標値(目標当量比KCMD)を算出する上流側目標値算出手段(ECU2、ステップ2〜11)と、所定の第2フィードバック制御アルゴリズム[式(13)〜(18)]を用いて、上流側空燃比パラメータ(検出当量比KACT)が上流側目標値(目標当量比KCMD)に収束するように、複数の気筒#1〜#4に供給される混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段(ECU2、ステップ32)と、排気還流装置10を介して、吸気通路4に還流する排ガスの還流率および還流量の一方を表す還流パラメータ(排気還流率REGR)を、第1所定値(値0)と第1所定値よりも大きい第2所定値(所定の強制オン用値R_ON)との間で切り換えて制御する排気還流制御手段(ECU2、ステップ45,50〜65)と、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムにおける、還流パラメータが第1所定値に制御されているときの積分項である第1積分項(EGR強制オフ時の適応則入力UADP_EGROFF)と、還流パラメータが第2所定値に制御されているときの積分項である第2積分項(EGR強制オン時の適応則入力UADP_EGRON)との間の相対的な大小関係を表す大小関係値(適応則入力偏差DUADP)に応じて、複数の気筒間で空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定する判定手段(ECU2、ステップ70〜83,90〜101)と、を備え、上流側目標値算出手段は、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムによって算出される、積分項以外の演算項(等価制御入力UEQ、到達則入力URCH)に対して、所定のリミット処理(ステップ21〜25)を施しながら、上流側目標値(目標当量比KCMD)を算出することを特徴とする。
この内燃機関の判定装置によれば、排気通路の合流部と触媒との間の排ガスの空燃比を表す上流側空燃比パラメータに比例した上流側検出信号が、上流側空燃比パラメータ検出手段から出力される。この上流側空燃比パラメータ検出手段のような、排ガスの空燃比を表す値に比例した検出信号を出力する検出手段の場合、空燃比に対する検出信号値の感度が、理論空燃比よりもリッチ側の排ガスを検出するときの方が、リーン側の排ガスを検出するときよりも高いという特性を有しており、それに起因して、この上流側空燃比パラメータ検出手段を用いた場合、以下に述べるように、本出願人によって出願済みの特願2010−281106号に記載されている事象が発生する。すなわち、複数の気筒における混合気の空燃比をいずれも理論空燃比になるように制御している場合において、複数の気筒への燃料供給量のばらつきなどに起因して、実際の混合気の空燃比が複数の気筒間でばらついたときには、上流側空燃比パラメータ検出手段の検出信号が、理論空燃比のときの値よりもリッチ側にずれた値を示すという事象が発生する。以下の説明では、この事象を「検出信号のリッチ側ずれ」という。
このような検出信号のリッチ側ずれが発生すると、所定の第2フィードバック制御アルゴリズムを用いて、上流側空燃比パラメータが上流側目標値に収束するように、複数の気筒に供給される混合気の空燃比が制御されるので、複数の気筒に供給される混合気の空燃比は、検出信号のリッチ側ずれが発生していないときよりもリーン側に制御されてしまうことになり、その結果、下流側空燃比パラメータが下流側目標値に対してリーン側にずれてしまうことになる。そのような状態が発生した場合、上流側目標値が、積分項を含む所定の第1フィードバック制御アルゴリズムを用いて、下流側空燃比パラメータが所定の下流側目標値に収束するように算出されるので、所定の下流側目標値に対する下流側空燃比パラメータのリーン側のずれを補償するように、積分項の絶対値が増大することになる。
また、排気還流装置を介して、吸気通路に還流する排ガスの還流率および還流量の一方を表す還流パラメータが、第1所定値と第1所定値よりも大きい第2所定値との間で切り換えて制御される。このように排ガスの還流パラメータを切り換えて制御した場合、すなわち還流率または還流量を切り換えて制御した場合、気筒間での空燃比のばらつきが発生していない状態では、還流パラメータが第1所定値および第2所定値にそれぞれ制御されているときの第1積分項および第2積分項は、両者の絶対値がほとんど増大しない状態となる。一方、気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合には、第1積分項および第2積分項の一方の絶対値が、他方の絶対値と比べてかなり大きい値まで増大することになる。したがって、この判定装置によれば、第1積分項と第2積分項との間の相対的な大小関係を表す大小関係値に応じて、複数の気筒間で空燃比のばらつきが発生しているか否かが判定されるので、気筒間での空燃比のばらつきの有無を精度よく判定することができる。これに加えて、2つの検出手段を用いて、気筒間での空燃比のばらつきの有無を判定することができるので、気筒数分のセンサが必要な従来の判定装置と比べて、製造コストを削減することができる。
さらに、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムによって算出される、積分項以外の演算項に対して、所定のリミット処理を施しながら、上流側目標値が算出されるので、積分項以外の演算項に対して、所定のリミット処理を施していない場合と比べて、積分項の絶対値の増大速度をより向上させることができる。それにより、判定精度の向上と、判定に要する時間の短縮化とを実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項に記載の内燃機関3の判定装置1Aにおいて、排気還流装置10は、排ガスを還流させるためのEGR通路11と、EGR通路11の開口面積を変更することによって、還流パラメータを変更するEGR制御弁12とを備えており、EGR通路11は、一端部が排気通路7に接続され、他端部が吸気通路4の合流部7bおよび合流部7bよりも上流側の部分のいずれかに接続されており、判定手段は、大小関係値(適応則入力偏差DUADP)に応じて、空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定するとともに、空燃比のばらつきが発生しているときに、空燃比のばらつきの原因が排気還流装置10以外の機器の故障であると特定する(ステップ98,99)ことを特徴とする。
この内燃機関の判定装置によれば、排気還流装置は、排ガスを還流させるためのEGR通路と、EGR通路の開口面積を変更することによって、還流パラメータを変更するEGR制御弁とを備えており、EGR通路は、一端部が排気通路に接続され、他端部が吸気通路の合流部および合流部よりも上流側の部分のいずれかに接続されているので、複数の気筒間での空燃比のばらつきは、排気還流装置以外の機器の故障に起因して発生することになる。その場合、前述したように、排気還流装置によって排ガスが環流されているときには、排ガスの還流率が高いほど、空燃比のばらつき度合がより小さくなるので、それを補償するために、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムにおける積分項の絶対値がより小さくなる。すなわち、排気還流装置以外の機器の故障に起因して、複数の気筒間での空燃比のばらつきが発生しているときには、排気還流装置の動作中、第1積分項の絶対値の方が、第2積分項の絶対値よりも大きくなるので、第1積分項と第2積分項との間の相対的な大小関係を表す大小関係値に応じて、空燃比のばらつきの原因が排気還流装置以外の機器の故障であることを精度よく特定することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関3の判定装置1,1Aにおいて、排気還流装置10は、電力供給が停止されているときに、還流ガスの吸気通路4への還流を中止するように構成されており、第1所定値は値0に設定されていることを特徴とする。
この内燃機関の判定装置によれば、排気還流装置が、電力供給が停止されているときに、還流ガスの吸気通路への還流を中止するように構成されており、第1所定値が値0に設定されているので、空燃比のばらつきの有無を判定する際、還流パラメータを第1所定値に制御したときに、排気還流装置への電力供給を停止することができ、それにより、第1所定値が値0以外の値に設定されている場合と比べて、消費電力を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る判定装置およびこれが適用された内燃機関の概略構成を示す模式図である。 燃料噴射コントローラの概略的な構成を示すブロック図である。 触媒後空燃比コントローラの概略的な構成を示すブロック図である。 触媒後空燃比制御処理を示すフローチャートである。 リミット後入力和USLPの算出処理を示すフローチャートである。 燃料噴射制御処理を示すフローチャートである。 吸気制御処理を示すフローチャートである。 判定用のEGR制御処理を示すフローチャートである。 ばらつき判定処理を示すフローチャートである。 気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合において、ECUによる各種の制御処理を実行したときの各種のパラメータの推移を示すタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る判定装置およびこれが適用された内燃機関の概略構成を示す模式図である。 第2実施形態の判定装置によるばらつき判定処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る内燃機関の判定装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の判定装置1は、ECU2を備えており、このECU2は、後述するように、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態に応じて、燃料噴射量、吸入空気量および還流ガス量を制御することにより、混合気の空燃比を制御するとともに、気筒間での空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定する。
このエンジン3は、図示しない車両に搭載された直列4気筒型ガソリンエンジンであり、1〜4番気筒#1〜#4(複数の気筒)を備えている。このエンジン3のクランクシャフト(図示せず)には、クランク角センサ20が設けられており、このクランク角センサ20は、クランクシャフトの回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角(例えば1゜)ごとに1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に応じて、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、各気筒のピストン(図示せず)が吸気行程のTDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、所定クランク角ごとに1パルスが出力される。
また、エンジン3のシリンダブロック(図示せず)には、例えばサーミスタなどで構成された水温センサ21が取り付けられている。水温センサ21は、エンジン3のシリンダブロック内を循環する冷却水の温度であるエンジン水温TWを検出して、その検出信号をECU2に出力する。
さらに、エンジン3の吸気通路4は、1つの主通路部4bと、これから分岐して4つの気筒#1〜#4にそれぞれ接続された4つの分岐通路部4aとを備えている。この主通路部4bには、上流側から順に、エアフローセンサ22およびスロットル弁機構5が設けられている。このエアフローセンサ22は、熱線式エアフローメータで構成されており、吸気通路4の主通路部4b内を流れる空気の流量(以下「吸入空気量」という)を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、このエアフローセンサ22の検出信号に基づき、吸入空気量GAIRを算出する。
また、スロットル弁機構5は、スロットル弁5aおよびこれを開閉駆動するTHアクチュエータ5bなどを備えている。スロットル弁5aは、主通路部4bの途中に回動自在に設けられており、当該回動に伴う開度の変化によりスロットル弁5aを通過する空気の流量を変化させる。THアクチュエータ5bは、ECU2に接続されたモータにギヤ機構(いずれも図示せず)を組み合わせたものであり、ECU2からの制御入力信号によって制御されることにより、スロットル弁5aの開度を変化させる。
また、4つの分岐通路部4aの各々には、各気筒の吸気ポート(図示せず)の上流側に、燃料噴射弁6が取り付けられている。この燃料噴射弁6は、エンジン3の運転中、ECU2からの制御入力信号によって、後述するように、その開弁時間である燃料噴射量と、開閉タイミングである燃料噴射時期とが制御される。
一方、エンジン3の排気通路7は、4つの気筒#1〜#4からそれぞれ延びる4つの分岐通路部7aと、これらが1つに合流する合流部7bと、合流部7bから下流側に延びる主通路部7cとを備えている。
この主通路部7cには、上流側から順に、上流側触媒8aおよび下流側触媒8bが間隔を存して設けられている。2つの触媒8a,8bの各々は、NOx触媒と3元触媒を組み合わせたものであり、NOx触媒による酸化還元作用により、リーンバーン運転時の排気ガス中のNOxを浄化するとともに、3元触媒の酸化還元作用により、リーンバーン運転以外の運転時の排気ガス中のCO、HCおよびNOxを浄化する。
また、主通路部7cの触媒8a,8bの間には、酸素濃度センサ(以下「O2センサ」という)24が設けられている。このO2センサ24は、ジルコニアおよび白金電極などで構成され、上流側触媒8aの下流側の排気ガス中の酸素濃度に基づく検出信号をECU2に出力する。このO2センサ24の検出信号の値(以下「出力値」という)SVO2は、理論空燃比よりもリッチな混合気が燃焼したときには、ハイレベルの電圧値(例えば0.8V)となり、混合気がリーンのときには、ローレベルの電圧値(例えば0.2V)となるとともに、混合気が理論空燃比付近のときには、ハイレベルとローレベルの間の所定の下流側目標値VVO2_TRGT(例えば0.6V)となる。なお、本実施形態では、酸素濃度センサ24が下流側空燃比パラメータ検出手段に相当し、出力値SVO2が下流側空燃比パラメータに相当する。また、下流側目標値VVO2_TRGTとしては、一定値に限らず、エンジン3の負荷に応じたマップ検索によって算出した値を用いてもよい。
また、主通路部7cの上流側触媒8aよりも上流側の合流部7bの付近には、LAFセンサ23が設けられている。このLAFセンサ23は、O2センサ24と同様のセンサと、リニアライザなどの検出回路とを組み合わせることによって構成されており、リッチ領域からリーン領域までの広範囲な空燃比の領域において排気ガス中の酸素濃度をリニアに検出し、その酸素濃度に比例する検出信号をECU2に出力する。ECU2は、このLAFセンサ23の検出信号に基づき、合流部7b付近の排気ガス中の当量比を表す検出当量比KACTを算出する。なお、本実施形態では、LAFセンサ23が上流側空燃比パラメータ検出手段に相当し、検出当量比KACTが上流側空燃比パラメータに相当する。
一方、エンジン3には、排気還流装置10が設けられている。この排気還流装置10は、排気通路7内の排ガスの一部を吸気通路4側に還流させる動作、すなわちEGR動作を実行するものであり、排ガスを還流させるためのEGR通路11と、これを開閉するEGR制御弁12などを備えている。EGR通路11は、その一端部が排気通路7の合流部7bと上流側触媒8aとの間に接続されており、他端部は、4つの分岐通路部11aに分岐して、吸気通路4の4つの分岐通路部4aにそれぞれ接続されている。
また、EGR制御弁12は、そのリフトが最大値と最小値との間でリニアに変化するリニア電磁弁で構成され、ECU2に電気的に接続されている。ECU2は、EGR制御弁12を介して、EGR通路11の開度を変化させることにより、排ガスの還流率(または還流量)を制御する。このEGR制御弁12は、常閉タイプのものであり、ECU2からの制御入力信号が入力されていないときには、EGR通路11を閉鎖状態に保持する。それにより、EGR動作が中止される。
さらに、ECU2には、アクセル開度センサ25および吸気温センサ26などが接続されている。このアクセル開度センサ25は、車両の図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを検出して、その検出信号をECU2に出力する。また、吸気温センサ26は、吸気温TAを検出して、その検出信号をECU2に出力する。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、以上の各種のセンサ20〜26の検出信号などに基づいて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、以下に述べるように、触媒後空燃比制御処理および燃料噴射制御処理などの各種の制御処理を実行する。なお、本実施形態では、ECU2が、上流側目標値算出手段、空燃比制御手段、排気還流制御手段および判定手段に相当する。
次に、本実施形態の判定装置1について説明すると、この判定装置1は、図2に示すように、燃料噴射コントローラ100を備えている。この燃料噴射コントローラ100は、以下に述べるように、燃料噴射量TOUTを燃料噴射弁6ごとに算出するものであり、具体的にはECU2によって構成されている。
同図に示すように、この燃料噴射コントローラ100は、触媒後空燃比コントローラ110、サンプラ130、触媒前空燃比コントローラ140、基本噴射量算出部150、総補正係数算出部160および乗算器170を備えている。
まず、触媒後空燃比コントローラ110について説明する。この触媒後空燃比コントローラ110では、以下に述べるように、スライディングモード制御アルゴリズムを適用した制御アルゴリズムを用いて、出力値SVO2を所定の下流側目標値VVO2_TRGTに収束させるための値として、目標当量比KCMD(上流側目標値)が算出される。
触媒後空燃比コントローラ110は、図3に示すように、減算器111、等価制御入力算出部112、切換関数算出部113、到達則入力算出部114、加算器115、リミッタ116、適応則入力算出部117、加算器118、適応補正項算出部119および加減算器120を備えている。
この触媒後空燃比コントローラ110では、まず、減算器111で、下式(1)により、出力偏差DSVO2が算出される。
Figure 0005759268
上式(1)において、記号(k)付きの各離散データは、所定の制御周期ΔTk(例えば10msec)に同期してサンプリングまたは算出されたデータであることを示しており、記号k(kは正の整数)は各離散データのサンプリングまたは算出サイクルの順番を表している。例えば、記号kは今回の制御タイミングでサンプリングまたは算出された値(以下「今回値」という)であることを、記号k−1は前回の制御タイミングでサンプリングまたは算出された値(以下「前回値」という)であることをそれぞれ示している。この点は、以下の離散データにおいても同様である。なお、以下の説明では、各離散データにおける記号(k)を適宜省略する。
また、等価制御入力算出部112では、下式(2)により、等価制御入力UEQ(積分項以外の演算項)が算出される。
Figure 0005759268
上式(2)のSは、出力偏差DSVO2の値0への収束速度を設定するための切換関数設定パラメータであり、−1<S<0の範囲内の値に設定される。また、a1,a2,b1は、後述する式(12)の制御対象モデルにおけるモデルパラメータ(一定値)である。
さらに、切換関数算出部113では、下式(3)により、切換関数σが算出される。
Figure 0005759268
一方、到達則入力算出部114では、下式(4)により、到達則入力URCH(積分項以外の演算項)が算出される。なお、下式(4)のKRCHは、所定の到達則ゲイン(正の一定値)である。
Figure 0005759268
また、加算器115では、下式(5)により、入力和USLP_BSが算出される。
Figure 0005759268
さらに、リミッタ116では、下式(6)〜(8)に示すリミット処理を入力和USLP_BSに施すことにより、リミット後入力和USLPが算出される。
Figure 0005759268
Figure 0005759268
Figure 0005759268
上式(6)〜(8)のAHF,ALFはそれぞれ、上限値および下限値であり、これらの値AHF,ALFは、具体的には、特許第3913940号公報の図19,20に示す算出手法と同じ手法によって算出される。なお、これらの上下限値AHF,ALFを、エンジン3の運転状態に応じて、マップ検索により算出してもよい。
また、適応則入力算出部117では、下式(9)により、積分項である適応則入力UADPが算出される。ここで、下式(9)のKADPは、所定の適応則ゲイン(正の一定値)である。
Figure 0005759268
さらに、加算器118では、下式(10)により、空燃比補正項DKCMDが算出される。
Figure 0005759268
一方、適応補正項算出部119では、適応補正項FLAFADPが算出される。この適応補正項FLAFADPは、具体的には、特許第3904923号公報の図37に示す算出手法と同じ手法によって算出される。
そして、最終的に、加減算器120において、下式(11)により、目標当量比KCMDが算出される。ここで、下式(11)のFLAFBSは、所定の基準当量比(一定値)である。
Figure 0005759268
なお、以上の制御アルゴリズムにおける等価制御入力UEQ、到達則入力URCHおよび適応則入力UADPの算出式は、制御対象モデルとして、空燃比補正項DKCMDを入力とし、出力偏差DSVO2を出力とする下式(12)を用いるとともに、これにスライディングモード制御理論を適用することによって、導出される。
Figure 0005759268
図2に戻り、前述したサンプラ130では、以上のように算出された目標当量比KCMD(k)を、所定の制御周期ΔTn(TDC信号の発生タイミングに同期した制御周期)でサンプリングすることによって、目標当量比KCMDのサンプリング値KCMD(n)を算出する。なお、以下の説明において、記号(n)付きの各離散データは、制御周期ΔTnに同期してサンプリングまたは算出されたデータであることを示しており、記号n(nは正の整数)は各離散データのサンプリングまたは算出サイクルの順番を表している。また、以下の説明では、各離散データにおける記号(n)を適宜省略する。
また、前述した触媒前空燃比コントローラ140では、以下に述べるように、PID制御アルゴリズムを用いて、検出当量比KACTを目標当量比KCMDに収束させるように、空燃比補正係数KAFが算出される。
まず、下式(13)により、追従誤差Eが算出される。
Figure 0005759268
また、下式(14)により、比例項UPが算出される。ここで、KPは所定の比例項ゲイン(正の一定値)である。
Figure 0005759268
さらに、下式(15)により、積分項UIが算出される。ここで、KIは所定の積分項ゲイン(正の一定値)である。
Figure 0005759268
また、下式(16)により、微分項UDが算出される。ここで、KDは所定の積分項ゲイン(正の一定値)である。
Figure 0005759268
次に、下式(17)により、フィードバック補正項DKAFが算出される。
Figure 0005759268
そして、最終的に、下式(18)により、フィードバック補正係数KFBが算出される。ここで、KAFBSは所定の基準値(一定値)である。
Figure 0005759268
一方、前述した基本噴射量算出部150では、吸入空気量GAIRに応じて、図示しないマップを検索することにより、基本噴射量TIMが算出される。
さらに、総補正係数算出部160では、エンジン水温TWおよび吸気温TAなどの運転状態を表す各種のパラメータに応じて、図示しない各種のマップを検索することにより、各種の補正係数を算出するとともに、これらの各種の補正係数を互いに乗算することにより、総補正係数KTOTALが算出される。
そして、最終的に、乗算器170において、下式(19)により、燃料噴射量TOUTが算出される。
Figure 0005759268
次に、図4を参照しながら、ECU2によって実行される触媒後空燃比制御処理について説明する。この触媒後空燃比制御処理は、以下に述べるように、目標当量比KCMDを算出するものであり、所定の触媒後FB実行条件が成立しているときに、前述した所定の制御周期ΔTkで実行される。
なお、所定の触媒後FB実行条件の成立・不成立の判定は、エンジン3の運転状態に応じて、図示しない判定処理において実行されるとともに、所定の触媒後FB実行条件が不成立のときには、目標当量比KCMDは、図示しない算出処理において、エンジン3の運転状態に応じて、マップ検索により算出される。また、以下の説明において算出される各種のデータはすべて、ECU2のRAM内に記憶されるものとする。
同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、RAMに記憶されている出力値SVO2などの各種のデータを読み込む。次いで、ステップ2に進み、前述した式(1)により、出力偏差DSVO2を算出する。
次に、ステップ3で、前述した式(2)により、等価制御入力UEQを算出する。その後、ステップ4で、前述した式(3)により、切換関数σを算出する。
ステップ4に続くステップ5で、前述した式(4)により、到達則入力URCHを算出する。次に、ステップ6で、前述した式(5)により、入力和USLP_BSを算出する。
次いで、ステップ7に進み、リミット後入力和USLPを算出する。この算出処理は、具体的には、図5に示すように実行される。すなわち、まず、ステップ20で、前述した算出手法により、上限値AHFおよび下限値ALFを算出する。
次に、ステップ21で、入力和USLP_BSが下限値ALFよりも小さいか否かを判別する。この判別結果がYESで、USLP_BS<ALFのときには、ステップ22に進み、リミット後入力和USLPを下限値ALFに設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ21の判別結果がNOのときには、ステップ23に進み、入力和USLP_BSが上限値AHFよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がNOで、ALF≦USLP_BS≦AHFのときには、ステップ24に進み、リミット後入力和USLPを入力和USLP_BSに設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ23の判別結果がYESのときには、ステップ25に進み、リミット後入力和USLPを上限値AHFに設定した後、本処理を終了する。
図4に戻り、ステップ7で、以上のようにリミット後入力和USLPを算出した後、ステップ8に進み、前述した式(9)により、適応則入力UADPを算出する。次いで、ステップ9に進み、前述した式(10)により、空燃比補正項DKCMDを算出する。
ステップ9に続くステップ10で、前述した算出手法により、適応補正項FLAFADPを算出する。次いで、ステップ11に進み、前述した式(11)により、目標当量比KCMDを算出した後、本処理を終了する。
次に、図6を参照しながら、ECU2によって実行される燃料噴射制御処理について説明する。この燃料噴射制御処理は、以下に述べるように、燃料噴射弁6の開弁時間および開閉タイミングを制御するものであり、前述した所定の制御周期ΔTnで実行される。
同図に示すように、まず、ステップ30で、ECU2のRAM内に記憶されている吸入空気量GAIR、検出当量比KACT、目標当量比KCMD、エンジン回転数NE、エンジン水温TWおよび吸気温TAなどの各種のデータを読み込む。この場合、目標当量比KCMDとしては、前述した所定の触媒後FB実行条件が成立しているときには図4の処理によって算出された値を読み込み、所定の触媒後FB実行条件が不成立のときにはマップ検索によって算出された値を読み込む。
次いで、ステップ31に進み、吸入空気量GAIRに応じて、図示しないマップを検索することにより、基本噴射量TIMを算出する。次に、ステップ32で、前述した式(13)〜(18)により、空燃比補正係数KAFを算出する。
ステップ32に続くステップ33で、前述した算出手法により、総補正係数KTOTALを算出する。次いで、ステップ34に進み、前述した式(19)により、燃料噴射量TOUTを算出する。その後、ステップ35で、エンジン回転数NEおよび燃料噴射量TOUTに応じて、図示しないマップを検索することにより、燃料噴射時期θINJを算出する。
次に、ステップ36に進み、以上のように算出された燃料噴射量TOUTおよび燃料噴射時期θINJに対応する制御入力信号を燃料噴射弁6に供給することにより、燃料噴射弁6を駆動する。その後、本処理を終了する。以上により、燃料噴射量TOUTおよび燃料噴射時期θINJの算出結果に対応して、燃料噴射弁6の開弁時間および開閉タイミングが制御される。
次に、図7を参照しながら、ECU2によって実行される吸気制御処理について説明する。この吸気制御処理は、以下に述べるように、スロットル弁機構5を介して、吸入空気量を制御するとともに、排気還流装置10を介して、排気還流率を制御するものであり、前述した所定の制御周期ΔTkで実行される。
同図に示すように、まず、ステップ40で、エンジン回転数NE、吸入空気量GAIRおよび要求トルクTRQなどの各種のデータを読み込む。なお、この要求トルクTRQは、図示しない算出処理において、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じて、図示しないマップを検索することによって算出される。
次いで、ステップ41に進み、吸入空気量制御処理を実行する。具体的には、エンジン回転数NEおよび要求トルクTRQに応じて、図示しないマップを検索することにより、スロットル弁5aの開度の目標となる目標スロットル弁開度を算出する。そして、この目標スロットル弁開度に対応する制御入力信号をTHアクチュエータ5bに供給する。それにより、スロットル弁5aの開度が目標スロットル弁開度になるように制御される。
ステップ41に続くステップ42で、判定用制御実行ずみフラグF_EGR_DONEが「0」であるか否かを判別する。この判定用制御実行ずみフラグF_EGR_DONEは、今回の運転サイクル(イグニッション・スイッチがオンされてからオフされるまでの期間)において、後述する判定用のEGR制御処理を実行済みであるか否かを表すものであり、イグニッション・スイッチがオフ状態からオンされたときに「0」にリセットされるとともに、後述するように、EGR強制オフ制御処理を終了するときに「1」に設定される。
ステップ42の判別結果がYESで、今回の運転サイクルにおいて判定用のEGR制御処理を実行ずみでないときには、ステップ43に進み、実行条件判定処理を実行する。
この実行条件判定処理では、エンジン回転数NE、吸入空気量GAIR、エンジン水温TW、LAFセンサ23およびO2センサ24の活性状態および空燃比制御の状態などに応じて、判定用のEGR制御処理の実行条件が成立しているか否かを判定し、実行条件が成立していると判定されたときには、それを表すために、実行条件成立フラグF_CHECKが「1」に設定され、それ以外のときには、実行条件成立フラグF_CHECKが「0」に設定される。
ステップ43に続くステップ44で、実行条件成立フラグF_CHECKが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ45に進み、後述するように、判定用のEGR制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ42またはステップ44の判別結果がNOのとき、すなわち、今回の運転サイクルにおいて判定用のEGR制御処理を実行ずみであるとき、または判定用のEGR制御処理の実行条件が不成立であるときには、ステップ46に進み、通常用のEGR制御処理を実行する。
この通常用のEGR制御処理では、エンジン3の運転状態に応じて、目標排気還流率REGR_CMDを算出し、目標排気還流率REGR_CMDに対応する制御入力信号がEGR制御弁12に供給される。それにより、実際の排気還流率REGRが目標排気還流率REGR_CMDになるように制御される。以上のように、ステップ46で、通常用のEGR制御処理を実行した後、本処理を終了する。
次に、図8を参照しながら、前述したステップ45の判定用のEGR制御処理について説明する。同図に示すように、まず、ステップ50で、実行条件成立フラグの前回値F_CHECKzが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、今回の制御タイミングが判定用のEGR制御処理の実行条件が成立した直後のタイミングであるときには、EGR強制オン制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ51に進み、それを表すために、EGR強制オンフラグF_EGRONを「1」に設定する。このEGR強制オン制御処理は、EGR制御弁12を強制的に開弁させ、EGR動作を強制的に行うものである。
ステップ51に続くステップ52で、EGR強制オンカウンタの計数値の前回値CTONzを値0に設定した後、ステップ53に進み、目標排気還流率REGR_CMDを所定の強制オン用値R_ON(例えば30%)に設定する。なお、本実施形態では、所定の強制オン用値R_ONが第2所定値に相当する。
次に、ステップ54で、目標排気還流率REGR_CMDに対応する制御入力信号をEGR制御弁12に供給し、これを駆動する。それにより、実際の排気還流率REGR(還流パラメータ)が目標排気還流率REGR_CMDすなわち所定の強制オン用値R_ONになるように制御される。以上のように、ステップ8を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ50の判別結果がYESのとき、すなわち前回以前の制御タイミングで判定用のEGR制御処理の実行条件が成立済みであったときには、ステップ55に進み、EGR強制オンフラグF_EGRONが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ56に進み、EGR強制オンカウンタの計数値CTONをその前回値CTONzと値1の和に設定する。すなわち、EGR強制オンカウンタの計数値CTONを値1インクリメントする。
次いで、ステップ57に進み、EGR強制オンカウンタの計数値CTONが所定値CTREF以上であるか否かを判別する。この所定値CTREFは、EGR強制オン制御処理の開始後、排ガスの還流状態が十分に安定するような値に設定されている。ステップ57の判別結果がNOのときには、EGR強制オン制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ58に進み、EGR強制オンカウンタの計数値の前回値CTONzを今回値CTONに設定する。次に、前述したように、ステップ53,54を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ57の判別結果がYESのときには、EGR強制オン制御処理が値ΔTk・CTREFに相当する時間だけ継続して実行されたことで、EGR強制オン制御処理を終了すべきであると判定して、ステップ59に進み、それを表すために、EGR強制オンフラグF_EGRONを「0」に設定する。
次いで、ステップ60に進み、EGR強制オフカウンタの計数値の前回値CTOFFzを値0に設定した後、ステップ61で、目標排気還流率REGR_CMDを値0に設定する。このように、目標排気還流率REGR_CMDが値0に設定されると、ステップ61に続くステップ54で、EGR制御弁12が全閉状態に制御される。その後、本処理を終了する。
一方、前述したように、ステップ59で、EGR強制オンフラグF_EGRONが「0」に設定されると、前述したステップ55の判別結果がNOとなり、その場合には、ステップ62に進み、EGR強制オフカウンタの計数値CTOFFをその前回値CTOFFzと値1の和に設定する。すなわち、EGR強制オフカウンタの計数値CTOFFを値1インクリメントする。
次いで、ステップ63に進み、EGR強制オフカウンタの計数値CTOFFが前述した所定値CTREF以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、EGR強制オフ制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ64に進み、EGR強制オフカウンタの計数値の前回値CTOFFzを今回値CTOFFに設定する。次に、前述したように、ステップ61,54を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ63の判別結果がYESのときには、EGR強制オフ制御処理が値ΔTk・CTREFに相当する時間だけ継続して実行されたことで、判定用のEGR制御処理を終了すべきであると判定して、ステップ65に進み、判定用のEGR制御処理を実行済みであることを表すために、判定用制御実行ずみフラグF_EGR_DONEを「1」に設定する。次に、前述したように、ステップ61,54を実行した後、本処理を終了する。
次に、図9を参照しながら、ばらつき判定処理について説明する。このばらつき判定処理は、気筒間での空燃比のばらつきが発生していないか否かを判定するものであり、前述した所定の制御周期ΔTkで実行される。
同図に示すように、まず、ステップ70で、判定実行済みフラグF_CHK_DONEが「1」であるか否かを判別する。この判定実行済みフラグF_CHK_DONEは、今回の運転サイクルにおいて、空燃比のばらつきの有無を判定済みであるか否かを表すものであり、イグニッション・スイッチがオフ状態からオンされたときに「0」にリセットされるとともに、後述するように、空燃比のばらつきの有無を判定したときに「1」に設定される。
ステップ70の判別結果がYESで、今回の運転サイクルにおいて、空燃比のばらつきの有無を判定済みであるときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ70の判別結果がNOのときには、ステップ71に進み、前述した実行条件成立フラグF_CHECKが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、判定用のEGR制御処理を実行中でないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ71の判別結果がYESで、判定用のEGR制御処理を実行中であるときには、ステップ72に進み、前述したEGR強制オンフラグF_EGRONが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、EGR強制オン制御処理を実行中であるときには、ステップ73に進み、EGR強制オン時の適応則入力UADP_EGRON(第2積分項)を、RAM内に記憶されている適応則入力UADPに設定した後、本処理を終了する。このように、EGR強制オン制御処理の実行中、EGR強制オン時の適応則入力UADP_EGRONは、その時点の適応則入力UADPに常に更新される。
一方、ステップ72の判別結果がNOのときには、ステップ74に進み、判定用制御実行ずみフラグF_EGR_DONEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、EGR強制オフ制御処理を実行中であるときには、ステップ75に進み、EGR強制オフ時の適応則入力UADP_EGROFF(第1積分項)を、RAM内に記憶されている適応則入力UADPに設定した後、本処理を終了する。このように、EGR強制オフ制御処理の実行中、EGR強制オフ時の適応則入力UADP_EGROFFは、その時点の適応則入力UADPに常に更新される。
一方、ステップ74の判別結果がYESのときには、ステップ76に進み、判定用制御実行ずみフラグの前回値F_EGR_DONEzが「0」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、今回の制御タイミングが判定用のEGR制御処理を終了した直後のタイミングであるときには、前述したように、ステップ75を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ76の判別結果がNOで、前回以前の制御タイミングにおいて判定用のEGR制御処理が終了していたときには、空燃比のばらつきの有無を判定すべきであるとして、ステップ77に進み、下式(20)により、適応則入力偏差DUADP(大小関係値)を算出する。
Figure 0005759268
次に、ステップ78に進み、適応則入力偏差DUADPが所定の判定値DA以上であるか否かを判別する。この所定の判定値DAは正の一定値に設定されている。この判別結果がYESのときには、排気還流装置10の故障に起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生していると判定して、ステップ80に進み、それを表すために、EGR系故障時ばらつきフラグF_IMBAL_EGRを「1」に設定するとともに、他機器系故障時ばらつきフラグF_IMBAL_INJを「0」に設定する。
一方、ステップ78の判別結果がNOのときには、ステップ79に進み、適応則入力偏差DUADPが所定の判定値の負値−DA以下であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、排気還流装置10以外の機器の故障(例えば燃料噴射弁6を含む燃料供給系の故障や、吸気通路4の分岐通路部4aのつまりなど)に起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生していると判定して、ステップ81に進み、それを表すために、他機器系故障時ばらつきフラグF_IMBAL_INJを「1」に設定するとともに、EGR系故障時ばらつきフラグF_IMBAL_EGRを「0」に設定する。
一方、ステップ79の判別結果がNOで、−DA<DUADP<DAが成立しているときには、排気還流装置10およびそれ以外の機器がいずれも正常で、気筒間での空燃比のばらつきが発生していないと判定して、ステップ82に進み、2つのフラグF_IMBAL_EGR,F_IMBAL_INJをいずれも「0」に設定する。
以上のステップ80〜82のいずれかに続くステップ83で、空燃比のばらつきの有無を判定済みであることを表すために、判定実行済みフラグF_CHK_DONEを「1」に設定する。その後、本処理を終了する。
次に、以上の図9に示す判定手法によって、気筒間での空燃比のばらつきを判定できる原理について説明する。まず、本実施形態のLAFセンサ23のような、排ガスの空燃比に比例した検出信号を出力するセンサの場合、前述した原理(特願2010−281106号に記載されている原理)により、実際の混合気の空燃比が4つの気筒#1〜#4の間でばらつくと、LAFセンサ23の検出信号すなわち検出当量比KACTのリッチ側ずれが発生する。そのような事象が発生した場合、この判定装置1では、前述した式(13)〜(18)の制御アルゴリズムによって、検出当量比KACTが目標当量比KCMDに収束するように、空燃比補正係数KAFが算出されるので、この空燃比補正係数KAFの効果によって、4つの気筒#1〜#4に供給される混合気の空燃比は、検出当量比KACTのリッチ側ずれが発生していないときよりもリーン側に制御されてしまうことになる。
その結果、上流側触媒8aの下流側における排ガスの空燃比もリーン側にずれてしまうことに起因して、出力値SVO2が所定の下流側目標値VVO2_TRGTに対してリーン側にずれてしまうことになる。そのような状態が発生すると、目標当量比KCMDが、前述した式(1)〜(11)の制御アルゴリズムを用いて、出力値SVO2が所定の下流側目標値VVO2_TRGTに収束するように算出されるので、所定の下流側目標値VVO2_TRGTに対する出力値SVO2のリーン側のずれを補償するように、適応則入力UADPの絶対値が増大することになる。
図10は、エンジン3の3番気筒#3用の燃料噴射弁6において、他の燃料噴射弁6よりも数十%多い燃料を噴射してしまう故障が発生し、それに起因して空燃比のばらつきが発生しているときの制御結果例を示している。また、この制御結果例において、時刻t0〜t1間の各データは、前述した所定の触媒後FB実行条件が成立しておらず、目標当量比KCMDとしてマップ検索値を用いた場合のものであり、時刻t1以降のデータは、前述した所定の触媒後FB実行条件が時刻t1で成立し、このタイミングで図4の触媒後空燃比制御処理を開始した場合のものである。
この制御結果例を参照すると明らかなように、時刻t1以降、すなわち図4の触媒後空燃比制御処理を開始した以降、適応則入力UADPの絶対値が増大しており、気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合、それに起因して、積分項である適応則入力UADPの絶対値が増大することが判る。
ここで、本実施形態のエンジン3では、排ガスの還流が排気還流装置10によって気筒ごとに実行されるとともに、燃料噴射が、燃料噴射弁6によって気筒ごとに実行されるので、気筒間での空燃比のばらつきの発生要因としては、排気還流装置10の故障または排気還流装置10以外の機器の故障(具体的には燃料噴射弁6を含む燃料供給系の故障や吸気通路4の分岐通路部4aのつまりなど)が考えられる。
その場合、例えば、排気還流装置10の故障として、3番気筒#3への分岐通路部11aがスラッジなどで詰まってしまい、排ガスが3番気筒#3に還流されない状態が発生しているときには、EGR動作の実行・中止によって、適応則入力UADPの絶対値は以下のような推移を示すことになる。すなわち、目標排気還流率REGR_CMDを値0(%)に設定し、EGR動作を中止したときには、4つの気筒#1〜#4での吸入空気量GAIRおよび燃料噴射量TOUTは同一となるので、気筒間での空燃比のばらつきは発生せず、その結果、適応則入力UADPの絶対値はほとんど増大しない状態となる。
一方、EGR動作を実行したときには、還流ガスが3番気筒#3に供給されないことで、3番気筒#3から排出される排ガスは他の気筒よりもリーンな空燃比の状態となり、気筒間での空燃比のばらつきが発生することになる。その結果、適応則入力UADPの絶対値が増大する。以上のように、排気還流装置10の故障に起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合には、適応則入力UADPの絶対値の増大度合は、EGR動作を実行したときの方が、EGR動作を停止したときよりも大きくなる。したがって、図9のステップ78において、DUADP≧DAが成立しているとき、すなわち|UADP_EGRON|≧|UADP_EGROFF|+DAが成立しているときには、排気還流装置10の故障に起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生していると判定することができる。
また、排気還流装置10以外の機器の故障、例えば3番気筒#3への燃料供給系の故障により、3番気筒#3用の燃料噴射弁6から他の気筒用の燃料噴射弁6よりも多い燃料が噴射される状態のときには、EGR動作の実行・中止によって下記のような事象が発生する。すなわち、EGR動作を中止したときには、4つの気筒#1〜#4での吸入空気量GAIRが同一であるものの、3番気筒#3への燃料噴射量TOUTは、他の気筒への燃料噴射量TOUTよりも多くなるので、気筒間での空燃比のばらつきが発生し、その結果、適応則入力UADPの絶対値が増大する。
一方、EGR動作を実行したときにも、3番気筒#3への燃料供給系の故障に起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生するものの、筒内ガス中に占める吸入空気量GAIRの割合がEGR動作の停止中よりも小さくなるように制御されることで、全気筒#1〜#4用の燃料噴射弁6の開弁時間がEGR動作の停止中よりもより短くなるように制御される。その結果、気筒間での空燃比のばらつき度合がEGR動作の停止中よりも小さくなることで、適応則入力UADPの絶対値の増大度合がEGR動作の停止中よりも小さくなる。
このように、燃料供給系の故障が発生している場合には、EGR動作を実行したときの方が、EGR動作を停止したときよりも、適応則入力UADPの絶対値の増大度合が小さくなる。したがって、図9のステップ82において、DUADP≦−DAが成立しているとき、すなわち|UADP_EGRON|≦|UADP_EGROFF|−DAが成立しているときには、燃料供給系の故障または分岐通路部4aのつまりなどに起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生していると判定することができる。
以上の原理によって、第1実施形態の判定装置1によれば、気筒間での空燃比のばらつきの有無を精度よく判定することができるとともに、気筒間での空燃比のばらつきが発生しているときに、その発生要因が排気還流装置10の故障であるか、または排気還流装置10以外の機器の故障(燃料供給系の故障や分岐通路部4aのつまりなど)であるかを特定することができる。
その場合、EGR強制オフ時の適応則入力UADP_EGROFFは、排気還流装置10によるEGR動作を強制的に中止したときの値であり、EGR強制オン時の適応則入力UADP_EGRONは、EGR動作を強制的に実行したときの値であるので、気筒間での空燃比のばらつきが存在する条件下では、適応則入力偏差DUADPの絶対値を迅速かつ確実に増大させることができる。それにより、気筒間での空燃比のばらつき判定およびその発生要因の特定を精度よくかつ迅速に実行することができる。
また、そのように、気筒間での空燃比のばらつき判定を実行する際、排気還流装置10によるEGR動作が強制的に中止されるので、排気還流装置10への電力供給を停止することができ、それにより、第1所定値が値0以外の値に設定されている場合と比べて、消費電力を低減することができる。
さらに、触媒後空燃比制御処理において、等価制御入力UEQおよび到達則入力URCHの和である入力和USLP_BSに対して、図5のリミット処理を施した値USLPを用いて、目標当量比KCMDが算出されるので、等価制御入力UEQおよび到達則入力URCHに対して、リミット処理を施していない場合と比べて、適応則入力UADPの絶対値の増大速度をより向上させることができる。それにより、気筒間での空燃比のばらつき判定およびその発生要因の特定を、より一層、精度よくかつ迅速に実行することができる。
これに加えて、2つのセンサ23,24を用いて、気筒間での空燃比のばらつきの有無を判定することができるので、4つの空燃比センサが必要な従来の場合と比べて、製造コストを削減することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る判定装置について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同じまたは同等の構成要素については、同一の参照番号を付し、その説明は適宜、省略する。なお、本実施形態では、ECU2が、上流側目標値算出手段、空燃比制御手段、排気還流制御手段および判定手段に相当する。
図11に示すように、本実施形態の判定装置1Aが適用されたエンジン3の場合、第1実施形態のエンジン3と比べて、排気還流装置10の構成が一部異なっている。すなわち、本実施形態の排気還流装置10のEGR通路11の場合、その一端部が排気通路7の合流部7bと上流側触媒8aとの間に接続されているとともに、他端部は、分岐することなく、吸気通路4の主通路部4bのスロットル弁5aよりも下流側に接続されている。以上のようなEGR通路11の構成により、本実施形態の場合、気筒間での空燃比のばらつきは、排気還流装置10が故障したときには発生せず、排気還流装置10以外の機器が故障したときに発生することになる。すなわち、前述したように、燃料噴射弁6を含む燃料供給系の故障や分岐通路部4aのつまりなどが発生したときに、気筒間での空燃比のばらつきが発生することになる。
そのため、本実施形態の判定装置1Aの場合、第1実施形態の判定装置1と比べて、前述した各種の制御処理は同一であるとともに、図12に示すばらつき判定処理の内容のみが異なっている。図12のばらつき判定処理を前述した図9の処理と比較すると明らかなように、図12のステップ90〜98は、図9のステップ70〜77,79と同一であるので、以下、図9と異なる点を中心に説明する。
すなわち、ステップ98で、前述したステップ79と同様に、適応則入力偏差DUADPが前述した所定の判定値の負値−DA以下であるか否かを判別し、この判別結果がYESのときには、燃料供給系の故障などに起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生していると判定して、ステップ99に進み、それを表すために、ばらつきフラグF_IMBALを「1」に設定する。
一方、ステップ98の判別結果がNOのときには、燃料供給系などが正常であり、気筒間での空燃比のばらつきが発生していないと判定して、ステップ100に進み、それを表すために、ばらつきフラグF_IMBALを「0」に設定する。
以上のステップ99または100に続くステップ101で、空燃比のばらつきの有無を判定済みであることを表すために、前述した判定実行済みフラグF_CHK_DONEを「1」に設定した後、本処理を終了する。
ここで、第2実施形態のエンジン3では、前述したように、気筒間での空燃比のばらつきが発生している場合、その要因としては、燃料噴射弁6を含む燃料供給系の故障や分岐通路部4aのつまりなどが考えられる。その場合、前述したように、燃料供給系の故障や分岐通路部4aのつまりなどに起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生しているときには、EGR動作の実行中、適応則入力UADPの絶対値の増大度合がEGR動作の停止中よりも小さくなるという事象が発生する。したがって、図12のステップ98において、DUADP≦−DAが成立しているとき、すなわち|UADP_EGRON|≦|UADP_EGROFF|−DAが成立しているときには、燃料供給系の故障や分岐通路部4aのつまりなどに起因して、気筒間での空燃比のばらつきが発生していると判定することができる。
以上の原理によって、第2実施形態の判定装置1Aによれば、第1実施形態の判定装置1と同様に、気筒間での空燃比のばらつきの有無を精度よく判定することができる。これに加えて、気筒間での空燃比のばらつきが発生しているときに、その発生要因が排気還流装置10以外の機器の故障であることを特定することができる。
なお、以上の各実施形態は、上流側空燃比パラメータとして、検出当量比KACTを用いた例であるが、本発明の上流側空燃比パラメータはこれに限らず、排気通路の合流部と触媒との間の排ガスの空燃比を表すものであればよい。例えば、上流側空燃比パラメータとして、排気通路の合流部と触媒との間の排ガスの空燃比そのものを用いてもよい。
また、各実施形態は、上流側空燃比パラメータ検出手段として、LAFセンサ23を用いた例であるが、本発明の上流側空燃比パラメータ検出手段はこれに限らず、排気通路の合流部と触媒との間の排ガスの空燃比を表す上流側空燃比パラメータに比例した検出信号を出力するものであればよい。
さらに、各実施形態は、下流側空燃比パラメータとして、出力値SVO2を用いた例であるが、本発明の下流側空燃比パラメータはこれに限らず、排気通路の触媒よりも下流側の排ガスの空燃比を表すものであればよい。例えば、下流側空燃比パラメータとして、排ガスの空燃比そのものや排ガスの当量比を用いてよい。
一方、各実施形態は、下流側空燃比パラメータ検出手段として、酸素濃度センサ24を用いた例であるが、本発明の下流側空燃比パラメータ検出手段はこれに限らず、排気通路の触媒よりも下流側の排ガスの空燃比を表す下流側空燃比パラメータを検出するものであればよい。例えば、下流側空燃比パラメータ検出手段として、LAFセンサ23と同じタイプのセンサを用いてもよい。
また、実施形態は、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムとして、式(1)〜(10)のスライディングモード制御アルゴリズムを適用した制御アルゴリズムを用いた例であるが、本発明の所定の第1フィードバック制御アルゴリズムはこれに限らず、積分項を含むとともに、下流側空燃比が所定の下流側目標値に収束するように、上流側目標値を算出できるものであればよい。例えば、所定の第1フィードバック制御アルゴリズムとして、PI制御アルゴリズムや、PID制御アルゴリズム、バックステッピング制御アルゴリズム、スライディングモード制御アルゴリズムでの制御対象モデルを一次系のものに置き換えることによって導出される応答指定型制御アルゴリズムなどを用いてもよい。
さらに、各実施形態は、所定の第2フィードバック制御アルゴリズムとして、式(13)〜(17)のPID制御アルゴリズムを用いた例であるが、本発明の所定の第2フィードバック制御アルゴリズムはこれに限らず、上流側空燃比が上流側目標値に収束するように、複数の気筒に供給される混合気の空燃比を制御できるものであればよい。例えば、所定の第2フィードバック制御アルゴリズムとして、PD制御アルゴリズムや、PI制御アルゴリズム、スライディングモード制御アルゴリズム、バックステッピング制御アルゴリズム、スライディングモード制御アルゴリズムでの制御対象モデルを一次系のものに置き換えることによって導出される応答指定型制御アルゴリズム、最適レギュレータなどを用いてもよい。
さらに、各実施形態は、還流パラメータとして、排気還流率REGRを用いた例であるが、本発明の還流パラメータはこれに限らず、排ガスの還流率および還流量の一方を表すものであればよい。例えば、還流パラメータとして、排ガスの還流量を用いてもよい。
また、各実施形態は、第1所定値として、値0を用いた例であるが、本発明の第1所定値はこれに限らず、第2所定値よりも小さい値であればよい。例えば、第1所定値として、所定の強制オン用値R_ONよりも小さい正値を用いてもよい。
一方、各実施形態は、第1積分項と第2積分項との間の相対的な大小関係を表す大小関係値として、適応則入力偏差DUADPを用いた例であるが、本発明の大小関係値はこれに限らず、第1積分項と第2積分項との間の相対的な大小関係を表す値であれものであればよい。例えば、大小関係値として、適応則入力偏差DUADPの符号反転値−DUADPや、第1積分項および第2積分項の一方と他方との比(UADP_EGROFF/UADP_EGRON,またはUADP_EGRON/UADP_EGROFF)、第1積分項および第2積分項の一方と他方との偏差(UADP_EGROFF−UADP_EGRON,またはUADP_EGRON−UADP_EGROFF)を用いてもよい。
1 判定装置
1A 判定装置
2 ECU(上流側目標値算出手段、空燃比制御手段、排気還流制御手段、判定手段 )
3 内燃機関
#1〜#4 1〜4番気筒(複数の気筒)
4 吸気通路
4a 分岐通路部(排気還流装置以外の機器)
4b 主通路部
6 燃料噴射弁(排気還流装置以外の機器)
7 排気通路
7a 分岐通路部
7b 合流部
8a 上流側触媒(触媒)
10 排気還流装置
11 EGR通路
11a 分岐通路部
12 EGR制御弁
23 LAFセンサ(上流側空燃比パラメータ検出手段)
24 酸素濃度センサ(下流側空燃比パラメータ検出手段)
KACT 検出当量比(上流側空燃比パラメータ)
KCMD 目標当量比(上流側目標値)
SVO2 出力値(下流側空燃比パラメータ)
VVO2_TRGT 所定の下流側目標値
REGR 排気還流率(還流パラメータ)
R_ON 所定の強制オン用値(第2所定値)
UADP 適応則入力(積分項)
UADP_EGROFF EGR強制オフ時の適応則入力(第1積分項)
UADP_EGRON EGR強制オン時の適応則入力(第2積分項)
DUADP 適応則入力偏差(大小関係値)
UEQ 等価制御入力(積分項以外の演算項)
URCH 到達則入力(積分項以外の演算項)

Claims (4)

  1. 複数の気筒と、当該複数の気筒からそれぞれ延びる複数の分岐通路部が合流部で互いに合流する排気通路と、当該排気通路内の排ガスの一部を還流ガスとして吸気通路に還流させる排気還流装置と、前記排気通路の前記合流部よりも下流側に設けられた触媒とを有する内燃機関の判定装置であって、
    前記排気通路の前記合流部と前記触媒との間の排ガスの空燃比を表す上流側空燃比パラメータに比例した上流側検出信号を出力する上流側空燃比パラメータ検出手段と、
    前記排気通路の前記触媒よりも下流側の排ガスの空燃比を表す下流側空燃比パラメータを検出する下流側空燃比パラメータ検出手段と、
    積分項を含む所定の第1フィードバック制御アルゴリズムを用いて、前記下流側空燃比パラメータが所定の下流側目標値に収束するように、前記上流側空燃比パラメータの目標となる上流側目標値を算出する上流側目標値算出手段と、
    所定の第2フィードバック制御アルゴリズムを用いて、前記上流側空燃比パラメータが前記上流側目標値に収束するように、前記複数の気筒に供給される混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、
    前記排気還流装置を介して、前記吸気通路に還流する排ガスの還流率および還流量の一方を表す還流パラメータを、第1所定値と当該第1所定値よりも大きい第2所定値との間で切り換えて制御する排気還流制御手段と、
    前記所定の第1フィードバック制御アルゴリズムにおける、前記還流パラメータが前記第1所定値に制御されているときの積分項である第1積分項と、前記還流パラメータが前記第2所定値に制御されているときの積分項である第2積分項との間の相対的な大小関係を表す大小関係値に応じて、前記複数の気筒間で空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定する判定手段と、
    を備え
    前記吸気通路は、1つの主通路部と、当該主通路部から分岐し、前記複数の気筒にそれぞれ接続された複数の分岐通路部とを有し、
    前記排気還流装置は、排ガスを還流させるためのEGR通路と、当該EGR通路の開口面積を変更することによって、前記還流パラメータを変更するEGR制御弁とを備えており、
    前記EGR通路は、一端部が前記排気通路の前記合流部よりも下流側に接続され、他端部が複数の分岐通路部に分岐して前記吸気通路の前記複数の分岐通路部にそれぞれ接続されており、
    前記判定手段は、前記大小関係値に応じて、前記空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定するとともに、当該空燃比のばらつきが発生しているときに、前記大小関係値に応じて、当該空燃比のばらつきの原因が、前記排気還流装置および当該排気還流装置以外の機器のいずれの故障であるかを特定することを特徴とする内燃機関の判定装置。
  2. 複数の気筒と、当該複数の気筒からそれぞれ延びる複数の分岐通路部が合流部で互いに合流する排気通路と、当該排気通路内の排ガスの一部を還流ガスとして吸気通路に還流させる排気還流装置と、前記排気通路の前記合流部よりも下流側に設けられた触媒とを有する内燃機関の判定装置であって、
    前記排気通路の前記合流部と前記触媒との間の排ガスの空燃比を表す上流側空燃比パラメータに比例した上流側検出信号を出力する上流側空燃比パラメータ検出手段と、
    前記排気通路の前記触媒よりも下流側の排ガスの空燃比を表す下流側空燃比パラメータを検出する下流側空燃比パラメータ検出手段と、
    積分項を含む所定の第1フィードバック制御アルゴリズムを用いて、前記下流側空燃比パラメータが所定の下流側目標値に収束するように、前記上流側空燃比パラメータの目標となる上流側目標値を算出する上流側目標値算出手段と、
    所定の第2フィードバック制御アルゴリズムを用いて、前記上流側空燃比パラメータが前記上流側目標値に収束するように、前記複数の気筒に供給される混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、
    前記排気還流装置を介して、前記吸気通路に還流する排ガスの還流率および還流量の一方を表す還流パラメータを、第1所定値と当該第1所定値よりも大きい第2所定値との間で切り換えて制御する排気還流制御手段と、
    前記所定の第1フィードバック制御アルゴリズムにおける、前記還流パラメータが前記第1所定値に制御されているときの積分項である第1積分項と、前記還流パラメータが前記第2所定値に制御されているときの積分項である第2積分項との間の相対的な大小関係を表す大小関係値に応じて、前記複数の気筒間で空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記上流側目標値算出手段は、前記所定の第1フィードバック制御アルゴリズムによって算出される、前記積分項以外の演算項に対して、所定のリミット処理を施しながら、前記上流側目標値を算出することを特徴とする内燃機関の判定装置。
  3. 前記排気還流装置は、排ガスを還流させるためのEGR通路と、当該EGR通路の開口面積を変更することによって、前記還流パラメータを変更するEGR制御弁とを備えており、
    当該EGR通路は、一端部が前記排気通路に接続され、他端部が前記吸気通路の合流部および当該合流部よりも上流側の部分のいずれかに接続されており、
    前記判定手段は、前記大小関係値に応じて、前記空燃比のばらつきが発生しているか否かを判定するとともに、当該空燃比のばらつきが発生しているときに、当該空燃比のばらつきの原因が前記排気還流装置以外の機器の故障であると特定することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の判定装置。
  4. 前記排気還流装置は、電力供給が停止されているときに、前記還流ガスの前記吸気通路への還流を中止するように構成されており、
    前記第1所定値は値0に設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の判定装置。
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