JP5758112B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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本発明のマフラ室は、固定スクロールの端板の上面に開口するとともに、吐出ポートに連通する。そして、このマフラ室は、共鳴部と、共鳴部と吐出ポートとを連通する経路部とを有し、マフラ室のサイズfは、共鳴部の容積V、経路部の断面積Sと長さL、および冷媒中の音速cが、以下の式1を満たすように設定されることを特徴とする。
f=c/2π・(S/V・L) 1/2 ・・・式1
このマフラ室は、圧縮された冷媒が高圧室へ吐出するのを遮断する吐出弁により前記開口が閉鎖される。
このように、本発明のマフラ室は、固定スクロールの端板に形成されるので、特許文献1の高低圧室セパレータのような別部材を必要としないため、部品点数を削減できるとともに、別部材にマフラ室を形成した後に固定スクロールに取り付ける手間も省くことができ、製造コストの抑制につながる。
また、本発明のマフラ室は、固定スクロールの端板の上面が開口するように設けられ、吐出弁がその開口を閉鎖することにより形成されるため、圧縮された冷媒が吐出ポートから高圧室へ吐出される際には、吐出弁が押し上げられてマフラ室が高圧室に向けて開口する。したがって、マフラ室に潤滑油が浸入したとしても、圧縮された冷媒とともに吐出ポートおよび開口したマフラ室から高圧室へ向けて吐出されやすい。したがって、長期にわたって継続的に使用しても潤滑油がマフラ室の内部に溜まりにくく、マフラ室の容積が小さくなるのが抑制される。よって、本発明によると、圧力脈動を低減することにより、スクロール型圧縮機の騒音を長期にわたり安定的に低減することができる。
また、本発明のマフラ室は、固定スクロールの端板の上面に開口するように形成されるため、引用文献1に比べて、マフラ室を加工するのが容易である。
さらにまた、本発明によると、吐出ポートに連通してマフラ室が設けられるため、吐出ポートの径が実質的に拡大し圧力損失が低減される。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態におけるスクロール型の圧縮機10は、圧縮機10の外殻を形成するハウジング11と、ハウジング11の内部に固定された固定スクロール20と、固定スクロール20に対して公転旋回する旋回スクロール30と、旋回スクロール30を駆動する駆動部40と、固定スクロール20の上方に設けられた高圧室50と、を備える。圧縮機10は、外部から導入された冷媒ガスを圧縮して、高圧室50を介して圧縮した冷媒ガスを外部に向けて吐出するものである。
主軸41の上端には、主軸41の中心軸から予め定められた寸法だけ偏心した位置に、偏心ピン41a(偏心軸部)が形成されている。偏心ピン41aは、旋回スクロール30の端板31に設けられた円筒状の筒状壁31aに収容され、偏心ピン41aに旋回スクロール30が回転自在に保持されている。
また、主軸41には、ハウジング11の底部のオイル溜まりから吸い上げた潤滑油を主軸41の上端部に供給するための潤滑油流路(図示無し)が形成されている。
このようにして、固定スクロール20と旋回スクロール30は、ラップ壁22とラップ壁32を互いに組み合わされている。これにより、固定スクロール20と旋回スクロール30との間には、渦巻きの中心に対してほぼ対称な複数の圧縮室60が形成される。圧縮室60は、旋回スクロール30が公転旋回すると、それらの容積が次第に減少するようになっている。なお、旋回スクロール30は、オルダムリング等の自転防止機構(図示無し)によって自転が防止されている。
f=c/2π・(S/V・L)1/2…(式1)
図6に示す通り、マフラ室27を設けることにより、マフラ室を備えない圧縮機の圧力脈動のピーク(1)およびピーク(2)のうち、約1kHzの周波数近傍にあるピーク(1)で示される脈動が低減されることがわかった。
また、マフラ室27は、固定スクロール20の端板21に形成されるので、部品点数が増えることがないとともに、別部材にマフラ室を形成した後に固定スクロールに取り付ける手間も省くことができる。
さらに、マフラ室27は、固定スクロール20の端板21の上面26に開口するように形成されるため、加工するのが容易である。
さらにまた、本発明によると、吐出ポート23に連通してマフラ室27が設けられるため、吐出ポート23の径が実質的に拡大し圧力損失が低減される。
図3に示すように、第2実施形態の圧縮機12は、マフラ室27の他にマフラ室272をさらに設けたこと以外は、第1実施形態と同様に構成されている。したがって、図3において、図1と同符号は図1と同じ構成部分を示している。
マフラ室272は、マフラ室27とサイズ(仕様)及び形成位置が異なること以外は、マフラ室27と同様に構成されている。つまり、マフラ室272は、固定スクロール20の端板21の上面26に開口し、共鳴部272aと、共鳴部272aと吐出ポート23とを連通する経路部272bとからなる空隙により形成される。このマフラ室272は、吐出弁25により上面26が開閉される。
吐出ポート23内および圧縮室60内に生じる圧力脈動が複数のピークを有する場合、それぞれのピークの振動を減衰できるようにサイズが設定された複数のマフラ室を設けることが有効であることは既に述べたとおりである。例えば、圧縮機12に第1実施形態のマフラ室27を設けることで、図6に示すピーク(1)近傍の周波数帯域を減衰させ、さらにマフラ室272のサイズをピーク(2)近傍の周波数帯域を減衰できるように設定する。そうすることで、2つの高周波数帯の圧力脈動を低減し、圧縮機12のさらなる低騒音化を実現することが可能となる。
例えば、ピーク(2)が3kHz近傍の周波数帯域であるとすれば、マフラ室272を(式1)を満たす表2のサイズに設定すればよい。
図4に示すように、第3実施形態の圧縮機13は、マフラ室273の経路部273bを、吐出ポート23から分岐するように設けたこと以外は、第1実施形態と同様に構成されている。したがって、図4において、図1と同符号は図1と同じ構成部分を示している。
第3実施形態のマフラ室273は、固定スクロール20の端板21の上面26に開口するように設けられた共鳴部273a(共鳴部容積=V3)と、共鳴部273aと連通し、吐出ポート23から分岐した経路部273b(経路部長さ=L3)とを備える。このマフラ室273は、吐出弁25により共鳴部273aが開閉される。マフラ室273を、第1実施形態のマフラ室27や第2実施形態のマフラ室272と同様に特定の範囲の周波数を減衰できるよう(式1)を満たすサイズに設定することで、吐出ポート23内および圧縮室60内に生じる圧力脈動を低減することができる。
また、第1実施形態および第2実施形態と同様に、圧縮された冷媒ガスが高圧室50に吐出される際に吐出弁25が押し上げられマフラ室273の共鳴部273aが高圧室50に向けて開口するため、潤滑油がマフラ室273に溜まりにくいという効果を得ることができる。
なお、第3実施形態のマフラ室273は、経路部27b、272bのように上面26が共鳴部27a、27bと同様に端板21の上面26に開口しているわけではないが、共鳴部273aが端板21の上面26に開口しているため、マフラ室273の加工容易性は保たれる。
図5に示すように、第4実施形態の圧縮機14は、第3実施形態のマフラ室273の他にさらにマフラ室274を設けたこと以外は、第3実施形態と同様に構成されている。したがって、図4において、図3と同符号は図3と同じ構成部分を示している。
マフラ室274は、第3実施形態のマフラ室273とサイズが異なること以外は、マフラ室273と同様に構成されている。つまり、マフラ室274は、固定スクロール20の端板21の上面26に開口するように設けられた共鳴部274a(共鳴部容積=V4)と、共鳴部274aと連通し、吐出ポート23から分岐した経路部274b(経路部長さ=L4)とを備える。このマフラ室273は、吐出弁25により共鳴部274aが開閉される。
第2実施形態と同様に、サイズの異なるマフラ室273、274を設けることで、複数のピークを有する圧力脈動を減衰することができるので、圧力脈動の振動をさらに低減し、圧縮機14のさらなる低騒音化を実現することができる。
例えば、マフラ室は、圧力脈動のピークの数に対応する数だけ設けることができる。
さらに、マフラ室27の経路部27bと共鳴部27aとがともに端板21の上面26に開口しているマフラ室27と、共鳴部273aのみが端板21の上面26に開口しているマフラ室273とを同時に設けることもできる。
11…ハウジング、
20…固定スクロール、21…端板、22…ラップ壁、23…吐出ポート、24…開口部、25…吐出弁、26…上面、27,272,273,274…マフラ室、27a,272a,273a,274a…共鳴部、27b,272b,273b,274b…経路部、
30…旋回スクロール、31…端板、31a…筒状壁、32…ラップ壁、
40…駆動部、41…主軸、41a…偏心ピン、42…上部軸受、43…下部軸受、44…電動モータ、44a…固定子、44b…回転子
50…高圧室
60…圧縮室
Claims (4)
- スクロール型圧縮機の外殻を形成するハウジングと、
前記ハウジング内に回転自在に支持され、偏心軸部が一体に形成された主軸と、
前記主軸の前記偏心軸部に回転自在に連結される旋回スクロールと、
前記旋回スクロールと対向することで冷媒を圧縮する圧縮室を形成し、かつ圧縮された前記冷媒を高圧室に向けて吐出する吐出ポートを端板に有する固定スクロールと、
前記固定スクロールの前記端板に形成されるマフラ室と、を備え、
前記マフラ室は、前記固定スクロールの前記端板の上面に開口するとともに、前記吐出ポートに連通し、かつ、
前記マフラ室は、共鳴部と、前記共鳴部と前記吐出ポートとを連通する経路部とを有し、前記マフラ室のサイズfは、前記共鳴部の容積V、前記経路部の断面積Sと長さL、および前記冷媒中の音速cが、以下の式1を満たすように設定されることを特徴とするスクロール型圧縮機。
f=c/2π・(S/V・L) 1/2 ・・・式1 - 仕様の異なる前記マフラ室が複数設けられた請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
- 前記マフラ室は、前記高圧室から前記吐出ポート内および前記圧縮室内に前記冷媒ガスが逆流することで生じる圧力脈動を低減する、請求項1または請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
- 前記スクロール型圧縮機は、車載用の空気調和装置を構成する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機。
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