JP5756311B2 - 燃料チューブ - Google Patents

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Description

複数の層を径方向に積層してなる樹脂製のチューブ本体の端部にコネクタを溶接接合してなる燃料チューブに関する技術分野に属する。
従来より、複数の層を径方向に積層してなるチューブ本体と、接続用のコネクタとを備えた燃料チューブとして、例えば、コネクタにチューブ本体を圧入固定したものや、コネクタとチューブ本体とを溶接により一体固定したものが知られている。
例えば、特許文献1に示す燃料チューブでは、外周部に複数の突起を有するニップルに燃料チューブの端部を圧入して固定するようにしている。また、特許文献2に示す燃料チューブでは、チューブ本体を径方向に積層された三つの層で構成して、その最内層及び最外層を、コネクタに設けられたテーパ部にスピン溶接により溶着するようにしている。
上記チューブ本体の最内層は、例えば特許文献3に示すように導電性樹脂で構成される。これにより、最内層と燃料との摩擦により蓄積した電荷がスパークして燃料に引火するのを防止している。
特表2000−146063号公報 特表2002−504980号公報 特開2010−54055号公報
しかしながら、チューブ本体をコネクタに溶接固定した上記特許文献1に示す燃料チューブでは、チューブ本体をコネクタに圧入固定したものに比べて、チューブ本体とコネクタとの接触面積が減少するため、チューブ本体及びコネクタを含む燃料チューブ全体の電気抵抗値が高くなってしまう。このため、最内層と燃料との摩擦により生じた静電荷が蓄積してスパークを起こし易くなるという問題があり、燃料チューブの耐燃料引火性を向上させる観点から改良の余地がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少なくとも三つの層を径方向に積層してなり且つ最内層が導電性樹脂で形成されたチューブ本体と、該チューブ本体の端部に溶接により接続されたコネクタとを備えた燃料チューブに対して、その構成に工夫を凝らすことで、静電荷の蓄積に起因したスパークの発生を防止して、燃料チューブの耐燃料引火性を向上させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、最内層である第1層に隣接してその径方向外側に積層された第2層を導電性樹脂で形成するとともにコネクタに溶着させるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、少なくとも三つの層を径方向に積層してなり且つ最内層である第1層が導電性樹脂で構成された樹脂製のチューブ本体と、該チューブ本体の端部に溶接されたコネクタとを備えた燃料チューブを対象とする。 そして、上記第1層に隣接してその径方向外側に積層された第2層は、導電性樹脂で形成されているとともに上記コネクタに溶着されており、上記第2層の電気抵抗値は、上記第1層の電気抵抗値よりも低いものとする
この構成によれば、最内層である第1層に隣接してその径方向内側に積層された第2層を導電性樹脂で形成するとともにコネクタに溶着するようにしたことで、第2層とコネクタとの溶着部に通電経路を確保することができる。これにより、コネクタとチューブ本体とを含む燃料チューブ全体の電気抵抗値を低下させて、静電荷の蓄積に起因したスパークの発生を防止することができる。
ここで、燃料チューブの電気抵抗値を下げるための方法として最内層である第1層の厚みを大きくすることが考えられるが、第1層(最内層)には通常、耐燃料性の観点から比較的高価な樹脂が使用されるため、第1層の厚みを大きくとると製品コストが増加してしまう。これに対して、本発明では、第2層を導電性樹脂で形成するようにしたことで、第1層の厚みを大きくとらなくても、燃料チューブ全体としての電気抵抗値を低く抑えることができ、これにより、製品コストの増加を抑制することができる。
また、第2層の電気抵抗値が第1層の電気抵抗値よりも低いため、第1層の電気抵抗値が高くても、燃料チューブ全体として所望の導電性を容易に得ることができる。したがって、第1層の電気抵抗値を下げるために、第1層の厚みを大きくとる必要がなくなり、この結果、製品コストを低減することができる。また、第1層の電気抵抗値を下げるために、第1層に多量の導電性フィラーを混入したりする必要がなくなり、導電性フィラーの混入量が増加することによるチューブの強度低下や耐衝撃性の低下を防止することができる。尚、本明細書において、「電気抵抗値」の語は、体積電気抵抗値を意味していて、表面電気抵抗値とは区別して用いている。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記コネクタは、上記チューブ本体の端部が挿入されて溶接される環状凹部を有し、上記環状凹部は、該凹部の開口側から奥側に向かって径が小さくなる外周側壁面と、該外周側壁面の径方向内側に位置し、開口側から奥側に向かって径が略一定となる内周側壁面と、該内周側壁面における奥側の端部に接続され、開口側から奥側に向かって径が大きくなる奥側壁面とを有しているものとする。
この構成によれば、チューブ本体の第2層及び最外層をコネクタに溶着することができる。すなわち、例えばスピン溶接によりチューブ本体にコネクタを接合する際には、コネクタの環状凹部にチューブ本体の端部を挿入して、コネクタに対してチューブ本体を相対回転させながら開口側から奥側に押し込むことで、チューブ本体とコネクタとの接触面を摩擦熱で溶融させる。このとき、環状凹部の外周側壁面は、開口側から奥側に向かって径が小さくなるよう形成されているため、チューブ本体の最外層が外周側壁面に接触し、その接触面が摩擦により溶融することで最外層をコネクタに溶着させることができる。
一方、環状凹部の内周側壁面は、開口側から奥側に向かって径が略一定になるように形成されているため、チューブ本体の第1層(特に第1層の奥側の端部)と内周側壁面との接触は抑制される。しかし、内側周壁面の奥側端部には、開口側から奥側に向かって径が大きくなる奥側壁面が形成されているため、第1層の奥側の端部がこの奥側壁面に接触する。これにより、第1層の奥側の端部が該奥側壁面により面取り加工するかの如く削られて、この結果、第1層に隣接してその外側に位置する第2層が奥側壁面に接触するようになる。したがって、この第2層をコネクタに溶着可能な樹脂で構成しておけば、この第2層と奥側壁面との接触部が摩擦により溶融して、該第2層を奥側壁面に溶着させることができる。
このように、本請求項2の発明によれば、導電性を有する第2層をコネクタに確実に溶着することができるため、請求項1の発明と同様の作用効果を確実に得ることができる。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、上記第2層はナイロン系樹脂からなるものとする。
この構成によれば、第2層を比較的融点の低いナイロン系樹脂で構成するようにしたことで、第2層をコネクタに対して確実に溶着することができる。よって、請求項1の発明と同様の作用効果をさらに確実に得ることができる。
請求項の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記第1層はフッ素系樹脂からなるものとする。
この構成によれば、第1層(最内層)を形成する樹脂としてフッ素系樹脂を採用するようにしたことで、アルコール燃料等に対する耐燃料性(耐久性、耐腐食性等)を向上させることができる。さらに、フッ素樹脂はガソリンが酸化されて生成するサワーガソリンに対する耐性にも優れているため、燃料チューブの耐サワーガソリン性を向上させることができる。
請求項の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記第2層はPA11又はPA12からなるものとする。
この構成によれば、第2層を形成する樹脂として、安価で加工性に優れたPA11又はPA12を採用するようにしたことで、燃料チューブの製造コストを低減することができる。
請求項の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記第1層は、少なくともテトラフルオロエチレンとクロロトリフルオロエチレンのフッ素共重合体、且つ/又は官能基変性からなる樹脂に導電性フィラーを混練して形成されているものとする。
この構成によれば、チューブ本体の第1層(最内層)は、少なくともテトラフルオロエチレンとクロロトリフルオロエチレンのフッ素共重合体、且つ/又は官能基変性からなる樹脂に導電性フィラーを混練して形成されている。この樹脂は、溶融状態における樹脂流動性が低いため、導電性フィラーを混練する際に大きな剪断力を受ける。このため、導電性フィラーが該剪断力による破壊されて、混練後の樹脂の電気抵抗値が非常に高くなってしまう。本発明では、このように、第1層の電気抵抗値が高くなる場合であっても、第2層を導電性樹脂で形成してコネクタに溶着させるようにしたことで、燃料チューブ全体の電気抵抗値を低く抑えて、静電荷の蓄積によるスパークの発生を防止することができる。
請求項の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記コネクタはナイロン系樹脂からなるものとする。
この構成によれば、コネクタを比較的融点の低いナイロン系樹脂で構成するようにしたことで、コネクタに対する第2層の溶着性をさらに高めることができる。
請求項の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記コネクタはPA11又はPA12からなるものとする。
この構成によれば、コネクタを形成する樹脂として安価で加工性に優れたPA11又はPA12を採用するようにしたことで、燃料チューブの製造コストを低減することができる。
請求項の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記コネクタと上記第2層とが同じ樹脂材で構成されているものとする。
この構成によれば、上記コネクタと上記第2層とを同じ樹脂材で形成するようにしたことで、両者の接着性をより一層向上させることができる。
請求項1の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記チューブ本体は、上記第2層と最外層との間に位置し且つ耐燃料透過性を有するバリア層をさらに備えているものとする。
この構成によれば、上記第2層と最外層との間に耐燃料透過性を有するバリア層を設けるようにしたことで、燃料チューブの耐燃料透過性を向上させることができる。
請求項1の発明では、請求項1の発明において、上記バリア層は導電性樹脂で形成されているものとする。
この構成によれば、上記第2層のみでなくバリア層も導電性樹脂で形成するようにしたことで、燃料チューブの電気抵抗値を可及的に低減することができる。
以上説明したように、本発明の燃料チューブによると、最内層である第1層に隣接してその径方向外側に積層された第2層を導電性樹脂で形成するとともにコネクタに溶着させるようにしたことで、静電荷の蓄積に起因したスパークの発生を防止して、燃料チューブの耐燃料引火性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る燃料チューブのチューブ本体を示す、その軸心方向に垂直な断面図である。 チューブ本体とコネクタ(第1コネクタ)との接合構造を示す、燃料チューブの軸心方向に沿った断面図である。 コネクタ(第1コネクタ)の側面図である。 図3のIV-IV線断面図である。 本実施形態及び実施例で使用したコネクタ(第1コネクタ)のチューブ挿入溝部を示す拡大断面図である。 比較例で使用した第2コネクタを示す図5相当図である。 比較例で使用した圧入型コネクタ(第3コネクタ)を示す図5相当図である。 燃料チューブの電気抵抗値の測定方法を説明するための説明図である。 他の実施形態を示す図5相当図である。 他の実施形態を示す図5相当図である。
(実施形態)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る燃料チューブ1を示す。この燃料チューブ1は、例えば、自動車の燃料注入配管と燃料タンクとの連絡、或いはエンジンへ燃料を送る連絡配管に用いられるものである。この燃料チューブ1は、液体燃料に限らず気体燃料にも使用することができる。
上記燃料チューブ1は、図2に示すように、樹脂製のチューブ本体2と、チューブ本体2を配管等に接続するための(接続用の)コネクタ3aとを有している。チューブ本体2とコネクタ3aとは、スピン溶接(摩擦溶接の一種)により一体化されている。
チューブ本体2は、内径及び外径が一端側から他端側まで略一定である円管であって、少なくとも三つの層を径方向に積層して形成されている。図1及び図2に示す例では、チューブ本体2は、最内層4と該最内層4の外側に積層される内層5と内層5の外側に積層される中間層6と最外層7との四つの層で形成されている。これら四つの層4〜7のうち少なくとも最内層4と内層5とが導電性を有している。
上記コネクタ3aは、チューブ本体2が挿入されてスピン溶接されるチューブ挿入溝部11を有している。本実施形態では、チューブ本体2は、詳細は後述するように、最外層7及び内層5を溝部11内の壁面に溶着させることでコネクタ3aに接合されている。
以下、チューブ本体2を構成する各層4〜7の詳細について説明する。
上記最内層4は、燃料が通過する燃料通路8を形成している。最内層4の内周面は燃料通路8内を流れる燃料と直接接触するため、両者の摩擦により蓄積した静電荷がスパークして燃料に引火する虞がある。したがって、これを防止するべく最内層4は導電性を有する樹脂で形成されている。
本実施形態では、最内層4は、樹脂に導電性フィラーを混練して形成されている。導電性フィラーとしては、例えば、金属、炭素等の導電性単体粉末、導電性単体繊維、酸化亜鉛等の導電性化合物の粉末、表面導電化処理粉末等が挙げられる。
上記導電性単体粉末、導電性単体繊維としては、例えば、銅、ニッケル等の金属粉末、鉄、ステンレス等の金属繊維、カーボンブラック、炭素繊維、特開平3−174018号公報等に記載の炭素フィブリル等が挙げられる。上記表面導電化処理粉末は、ガラスビーズ、酸化チタン等の非導電性粉末の表面に導電化処理を施して得られる粉末である。上記導電化処理の方法としては、例えば、金属スパッタリング、無電解メッキ等が挙げられる。上述した導電性フィラーの中でも、カーボンブラックが経済性及び静電荷蓄積防止の観点から特に好ましい。
上記最内層4に使用される樹脂は、直接燃料に接触するため、導電性に加えて燃料に対する耐性(耐燃料劣化性、耐燃料腐食性等)を有していることが好ましい。最内層用の樹脂としては、例えば、耐アルコール燃料性及び耐サワーガソリン性に優れたフッ素系樹脂を採用することができる。フッ素系樹脂は、PA樹脂よりも耐燃料透過性に優れていて、耐燃料透過性の観点からも好ましい。
このフッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられ、少なくとも1種の含フッ素単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体であり、前記重合体を1種又は2種以上を用いても構わない。最内層4は必ずしもコネクタ3aに溶着される必要はなく、少なくとも、最外層7及び内層5がコネクタ3aに溶着されていればよい。したがって、最内層4を構成する樹脂は、チューブ本体6とコネクタ3aとを溶接させる温度条件よりも高融点の樹脂であってもよい。
上記内層5は、最内層4と同様に、樹脂に導電フィラーを混練して形成されている。導電性フィラーとしては、上述したように例えばカーボンブラック等を使用することができる。
内層用の樹脂は、熱溶融性を有する脂肪族系熱可塑性樹脂で形成することが好ましい。内層を形成する樹脂は、例えば比較的安価なナイロン系熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリアミド(PA)11、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド99、ポリアミド610、ポリアミド26、ポリアミド46、ポリアミド69、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド912、ポリアミドTMHT、ポリアミド9T、ポリアミド9I、ポリアミド9N、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド10T、ポリアミド10N、ポリアミド11T、ポリアミド11I、ポリアミド11N、ポリアミド1212、ポリアミド12T、ポリアミド12I、ポリアミド12N、ポリアミドMXD6、ポリアミドPACM12、ポリアミドジメチルPACM12等の脂肪族ポリアミドや芳香族ポリアミド等が挙げられ、少なくとも1種のポリアミドや、これらポリアミドの原料モノマーを数種用いた共重合体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。チューブ本体2の耐熱性、機械的強度や、層間接着性の観点から、上記ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6N、ポリアミド9T、ポリアミド9N、ポリアミド12T、ポリアミド12Nが好ましく、この中でもポリアミド11、ポリアミド12がより一層好ましい。内層5を構成する樹脂の融点は240°以下であることがより好ましい。尚、内層5と最外層7とを必ずしも同じ樹脂材で構成する必要はない。
ここで、最内層4は上述の如く耐燃料性等の観点から比較的高価な樹脂で形成されるため、コスト低減の観点から、最内層4の厚みは例えば0.01mm〜0.3mm(チューブ全体の厚みの1%〜30%)の範囲内とすることが好ましい。一方、内層5は比較的安価なナイロン系樹脂で形成されるためその厚みを大きくとってもコスト面でのデメリットは少ない。また、内層5の厚みが大きいほど燃料チューブ1の導電性は良好になるため、内層5の厚みは最内層4よりも大きくとることができる。具体的には、内層5の厚みは例えば0.01mm〜0.7mm(チューブ全体の厚みの1%〜70%)の範囲内とすることが好ましい。尚、ここで示した各層4,5の厚みの範囲は一例であり、この範囲外の厚みを有するものであってもよいことは言うまでもない。
中間層6は、主に燃料チューブの周側面からの燃料漏れを防止するためのバリア層としての機能を有している。中間層6は、耐燃料透過性に優れた樹脂であればどのような樹脂で形成してもよく、例えば、上述のフッ素系樹脂や、上述のナイロン系樹脂から選択できるバリア性の高い樹脂、その他にエチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリチオエーテルサルホン(PTES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)、ポリにビルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSU)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル(EEA)等が挙げられ、これらは接着機能性官能基を有していても構わないし、1種又は2種以上が重合されていても構わない。さらに、チューブ本体2の耐熱性、機械的強度や、層間接着性の観点から、上述のフッ素系樹脂、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612等のバリア性の高い脂肪族ポリアミドや、ポリアミド6T、ポリアミド6N、ポリアミド9T、ポリアミド9N、ポリアミド12T、ポリアミド12N等のバリア性の高い芳香族ポリアミドや、エチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)がより好ましく、この中でもフッ素系樹脂がより一層好ましい。
また、中間層6は、最内層4及び内層5と同様に導電性を有するものであってもよい。中間層6に導電性を付与するためには、上述の如く中間層6を形成する樹脂に導電性フィラーを混練する等すればよい。
上記最外層7は、熱溶融性を有する脂肪族系熱可塑性樹脂で形成することが好ましく、具体的には、例えば、ナイロン系樹脂(例えば、PA11,PA12,PA6,PA66,PA99,PA610,PA6/66,PA6/12等)で形成することができる。最外層7の融点は、240℃以下であることがより好ましい。このように、最外層7を熱溶融性を有するナイロン樹脂(PA樹脂)で形成することで、最外層7をコネクタ3aに対してスピン溶接により確実に溶着することができる。また、PA樹脂は、耐薬品性、耐候性、柔軟性、強度、靱性等の観点から、最外層7に求められる性能を満たしていて、この点からも最外層7の構成樹脂として好ましい。最外層7に使用する樹脂は、コネクタ3aに使用する樹脂と同じ樹脂であることが好ましい。これにより、最外層7とコネクタ3aとの接合性を向上させることができる。
上記最外層7は導電性樹脂で形成してもよいし非導電性樹脂で形成してもよい。但し、最外層7を導電性樹脂で形成する場合には、最外層7にも導電性フィラーを混練する必要があるため、チューブ本体2における導電性フィラーの含有量が多くなってしまう。この導電性フィラーの含有量が多過ぎると、チューブ本体2の強度や耐衝撃性が低下するとともに、押出成形時に溶融樹脂の流動性が悪化してチューブ本体2の成形精度が低下するという問題がある。したがって、チューブ1の強度、耐衝撃性及び成形性の観点から、最外層7は非導電性樹脂で形成することが好ましい。
上記コネクタ3aは、導電性を有する樹脂製の一体成型品であって、樹脂にガラス繊維(導電性フィラー)を23wt%の割合で混練して形成されている。コネクタ3aに使用する樹脂は、最外層7及び内層5との溶着性を確保するために、熱溶融性を有する脂肪族系熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ナイロン系の樹脂(例えば、PA11,PA12,PA6,PA66,PA99,PA610,PA6/66,PA6/12等)で形成することが好ましい。また、コネクタ3aは、内層5及び最外層7を構成する樹脂と同じ樹脂で形成することがより好ましい。尚、コネクタ3aは、必ずしも導電性を有する必要はなく非導電性樹脂で形成するようにしてもよい。
上記コネクタ3aは、図2〜4に示すように、燃料パイプ(不図示)を脱着自在な略L字状の所謂クイックコネクタであって、その内部には、チューブ本体2内に連通する燃料通路16が形成されている。尚、コネクタ3aは、L字状に限定されず、例えば、ストレート状のものや、パイプとチューブ1とを斜めに接続可能に構成したものあってもよい。
具体的には、コネクタ3aは、チューブ本体2が挿入(嵌合)されてスピン溶接されるチューブ挿入部10と、このチューブ挿入部10から直角に延び、燃料パイプが取り付けられるパイプ取付部21とを備えている。
チューブ挿入部10は、軸心方向の一側に開口する有底円筒状のチューブ挿入溝部11(図5参照)を有している。チューブ挿入溝部11は、その軸心方向から見て円環状をなしている。チューブ挿入溝部11の開口側端部には、その外周を囲むように円環状のバリ収容部14aが形成されている。バリ収容部14aは、チューブ本体2側に開口する皿状の凹部であって、チューブ挿入溝部11に連続して形成されている。尚、このバリ収容部14aは必ずしも設ける必要はない。
チューブ挿入溝部11は、チューブ本体2側に開口する有底の円環状凹部であって、内周側壁面12と外周側壁面13と奥側壁面としての底壁面15とを有している。
チューブ挿入溝部11における内周側壁面12と外周側壁面13との間隔は、開口側から奥側に向かって徐々に小さくなるように形成されている。外周側壁面13は、チューブ挿入溝部11の開口側から奥側(底側)に向かって縮径するテーパ面状に形成されている一方、内周側壁面12は、開口側から奥側に向かって径が略一定になる円筒面状に形成されている。チューブ挿入溝部11の外周径(コネクタ3aの軸心から外周側壁面13までの距離)の最大値は、チューブ本体2をスピン溶接する前の状態において、チューブ本体2の挿入側端部の外径よりも大きい。チューブ挿入溝部11の外周径の最小値は、チューブ本体2をスピン溶接する前の状態において、チューブ本体2の挿入側端部の外径よりも小さい。チューブ挿入溝部11の内周径(コネクタ3aの軸心から内周側壁面12までの距離)は、チューブ本体2をスピン溶接する前の状態において、チューブ本体2の挿入側端部の内径よりも僅かに小さい。
上記チューブ挿入溝部11の底壁面15は、その開口側から奥側に向かって径が大きくなるテーパ面状(円錐面状)をなしている。この底壁面15がチューブ挿入溝部11の軸心方向に対してなす傾斜角度αは、外周側壁面13が該軸心方向に対してなす角度βよりも大きい。チューブ挿入溝部11の底部(奥側端部)には、チューブ本体2のコネクタへの溶接時に生じるバリを収容するバリ収容部14bが設けられている。バリ収容部14bは、底壁面15と外周側壁面13とチューブ本体2の端面とによって囲まれた部分からなる(図2参照)。上記底壁面15の傾斜角度αは、バリ収容部14bを確保する観点では小さい方が好ましいが、小さ過ぎると、後述するスピン溶接時にチューブ本体2をチューブ挿入溝部11の開口側から奥側にストロークさせても、最内層4が底壁面15によってあまり削られないので、内層5を底壁面15に溶着(接触)させることができない。したがって、傾斜角度αは、バリ収容部14bの確保と内層5の底壁面15への溶着性とを両立することができる適切な角度とする必要がある。具体的には、このテーパ角度αは、例えば40°〜50°の範囲内とすることが好ましく、本実施形態では45°とされている。
以下、チューブ本体2とコネクタ3aとをスピン溶接する手順について説明する。先ず、コネクタ3aのチューブ挿入溝部11にチューブ本体2の端部を挿入して、チューブ本体2を、その奥側の端部が底壁面15に当接する状態にセットする。そうして、チューブ本体2のセットが完了した後に、チューブ本体2をチューブ挿入溝部11の開口側から奥側に向かって押し込みながら、コネクタ3aをその軸心回りに所定回転数(本実施形態では2000rpm)で回転させると、チューブ本体2とコネクタ3aとの接触面が摩擦熱で溶融し、溶融した接触面が固化することでチューブ本体2がコネクタ3aに溶着される。ここで、本実施形態では、チューブ挿入溝部11の外周側壁面13は上述の如くテーパ面状に形成されているため、チューブ本体2の外周面が該チューブ挿入溝部11の外周側壁面13に接触して溶着される。このとき生じるバリの殆どは、挿入溝部11の外周側に位置するバリ収容部14aに排出される。
一方、チューブ挿入溝部11の内周側壁面12は、上述の如く、径が略一定の円筒面状に形成されているため、チューブ本体2の最内層4と該挿入溝部11の内周側壁面12との接触は抑制される。しかし、チューブ本体2を溝部11の奥側に押し込むことによって、チューブ本体2の最内層4が、テーパ面状の底壁面15に押し付けられるため、最内層4における底壁面15との接触部分が面取り加工するかの如く削られて、この結果、最内層4に隣接する内層5が底壁面15に接触するようになる。これにより、内層5が底壁面15との接触摩擦により溶融して底壁面15に溶着される。このとき生じるバリは、主に、チューブ挿入溝部11の最奥部に位置するバリ収容部14bに収容される。上記チューブ本体2の押込み量は、内層5を底壁面15に接触させるのに十分な量であればよく、本実施形態では2mmに設定されている。
このように、本実施形態では、導電性を有する内層5がコネクタ3bに直接溶着されるため、コネクタ3b及びチューブ本体2を含む燃料チューブ1全体の電気抵抗値を低減して、静電荷の蓄積によるスパークの発生を防止することができる。
ここで、内層5が導電性を有していない従来の燃料チューブ1では、燃料チューブ1の導電性を確保するために、スピン溶接時にテーパ状の底壁面15によって削り取られた最内層4の削りかすを、コネクタ3bとチューブ本体2との溶着部に混ざり込ませる必要があった。このため、この削りかすが溶着部にうまく混ざり込まないと、燃料チューブ1の電気抵抗値が規定値(例えば、10Ω)を上回ってしまう場合がある。これに対して、本実施形態では、導電性樹脂である内層5がコネクタ3bに直接溶着されるため、最内層4の削りかすが溶着部にうまく混ざり込むか否かに拘わらず、燃料チューブ1の電気抵抗値を規定値以下に抑えて、静電荷の蓄積によるスパークの発生を防止することができる。
さらに、本実施形態では、最外層7のみでなく内層5もコネクタ3aに溶着させるようにしているため、最外層7のみをコネクタ3aを溶着させる場合に比べて、チューブ本体2とコネクタ3aとの接続部からの燃料漏れを抑制することができ、燃料チューブ1の耐燃料透過性を向上させることができる。
また、最内層4をコネクタ3aに溶着させるのではなく、内層5をコネクタ3aに溶着させるようにしたことで、最内層4に使用される樹脂材料の選択に際して、コネクタ3aとの溶着性を考慮する必要がなくなる。このため、最内層4に使用される樹脂の選択範囲が広がるため、最内層4を使用燃料に応じた耐燃料性(耐腐食性、耐久性等)の高い樹脂で形成することができる。よって、燃料チューブ1の電気抵抗値を規定値以下に抑制しつつ、耐燃料透過性と耐燃料性とを向上させることができる。また、最内層4の溶融に備えてその厚みを予め大きくとる必要もないので、最内層4を構成する樹脂に比較的高価な導電性樹脂を使用した場合でも、そのコスト増加を極力抑制することができる。
また、上記実施形態では、チューブ挿入溝部11の底部(奥側端部)にバリ収容部14bを形成するようにしたことで、チューブ本体2のコネクタ3aへのスピン溶接時に発生したバリが燃料通路8内に排出されるのを確実に防止することができる。これにより、燃料にバリが混入するのを確実に防止することができる。
(実施例及び比較例)
次に、具体的に実施した実施例及びその比較例について説明する。表1は、実施例又は比較例で使用したチューブ材料(チューブ本体2を形成する材料)を示す。
Figure 0005756311
(材料1)
材料1は、チューブ本体2を3層構造として、最内層4を、少なくともテトラフルオロエチレンとクロロトリフルオロエチレンのフッ素共重合体且つ/又は官能基変性からなる樹脂(以下、導電性樹脂Iという)で形成し、最内層4に隣接する内層5を導電性PA12(例えば、ダイセル・エボニック社グレード材料:LX9011)で形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料1の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.05mmであり、最外層7の厚みは0.9mmである。
(材料2)
材料2は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を上記導電性樹脂Iで形成し、最内層4に隣接する内層5を導電性PA12で形成し、中間層6を非導電性EFEP(例えば、ダイキン工業社グレード材料:RP5000)で形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料2の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.05mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.7mmである。
(材料3)
材料3は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を導電性樹脂Iで形成し、内層5を導電性PA12で形成し、中間層6を導電性EFEPで形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料3の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.05mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.7mmである。
(材料4)
材料4は、チューブ本体2を3層構造として、最内層4を導電性樹脂Iで形成し、内層5を導電性PA12で形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料4の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.2mmであり、最外層7の厚みは0.75mmである。
(材料5)
材料5は、上記材料2と同様の層構造(層数及び各層の材質)を有している。材料5の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.2mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.55mmである。
(材料6)
材料6は、上記材料3と同様の層構造を有している。材料6の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.2mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.55mmである。
(材料7)
材料7は、チューブ本体2を3層構造として、最内層4を導電性EFEPで形成し、内層5を導電性PA12で形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料7の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.05mmであり、最外層7の厚みは0.9mmである。
(材料8)
材料8は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を導電性EFEPで形成し、内層5を導電性PA12で形成し、中間層6を非導電性EFEPで形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料8の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.05mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.7mmである。
(材料9)
材料9は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を導電性EFEPで形成し、内層5を導電性PA12で形成し、中間層6を導電性EFEPで形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料9の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.05mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.7mmである。
(材料10)
材料10は、チューブ本体2を2層構造として、最内層4を導電性樹脂Iで形成し、最外層7を導電性PA12で形成したものである。材料10の最内層4の厚みは、0.05mmであり、最外層7の厚みは0.95mmである。
(材料11)
材料11は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を導電性樹脂Iで形成し、内層5を非導電性PA12で形成し、中間層6を非導電性EFEPで形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料11の最内層4の厚みは、0.05mmであり、内層5の厚さは0.05mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.7mmである。
(材料12)
材料12は、チューブ本体2を2層構造として、最内層4を導電性EFEPで形成して、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料12の最内層4の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.8mmである。
(材料13)
材料13は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を導電性EFEPで形成し、内層5を非導電性PA12で形成し、中間層6を非導電性EFEPで形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料13の最内層4の厚みは、0.2mmであり、内層5の厚みは同じく0.2mmであり、中間層6の厚みは0.2mmであり、最外層7の厚みは0.4mmである。
(材料14)
材料14は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を導電性を有するポリフェニレンサルファイド(以下、導電性PPSという)で形成し、内層5をPA12で形成し、中間層6を非導電性PPSで形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。この材料14では、上記導電性PPSとして、ポリフェニレンサルファイド(PPS)にカーボンブラックを、ポリフェニレンサルファイド100質量部に対して10質量部の割合で配合して分散させたものを使用している。また、上記非導電性PPSとしてポリフェニレンサルファイド(東レ社製 商品名:トレリナ)を使用している。材料14の最内層4の厚みは0.05mmであり、内層5の厚みは同じく0.2mmであり、中間層6の厚みは0.25mmであり、最外層7の厚みは0.5mmである。
(材料15)
材料15は、チューブ本体2を3層構造として、最内層4を導電性PA12で形成し、中間層6を非導電性EFEPで形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料15の最内層4の厚みは0.2mmであり、内層5の厚みは同じく0.2mmであり、最外層7の厚みは0.6mmである。
(材料16)
材料16は、チューブ本体2を4層構造として、最内層4を導電性PA12で形成し、内層5を非導電性PA12で形成し、中間層6を非導電性EVOHで形成し、最外層7を非導電性PA11で形成したものである。また、内層5と中間層6との間、及び、中間層6と最外層7との間にはそれぞれ、各層間の接着強度が不足しないよう変性PO(オレフィン系熱可塑性エラストマ)の接着層を0.05mの厚みで設けるようにしている。材料16の最内層4の厚みは0.1mmであり、内層5の厚みは同じく0.05mmであり、中間層6の厚みは0.25mmであり、最外層7の厚みは0.5mmである。
(材料17)
材料17は、チューブ本体2を2層構造として、最内層4を導電性PA12で形成し、最外層7を非導電性PA12で形成したものである。材料17の最内層4の厚みは、0.05mmであり、最外層7の厚みは0.95mmである。
(コネクタ)
次に、実施例又は比較例で使用したコネクタ3について説明する。コネクタ3は、チューブ挿入溝部11の底壁面15をテーパ状にした上述のコネクタ3a(以下、第1コネクタ3aという)と、該底壁面15を平坦状(角度α=90°)にしたコネクタ3b(以下、第2コネクタ3bという)と、圧入型のコネクタ3c(以下、第3コネクタ3cという)との3種類を使用した。尚、以下の説明において、コネクタ3a,3b,3cを区別する必要がない場合には単にコネクタ3というものとする。
第1コネクタ3aの詳細については上述した通りであるため説明を省略する。第2コネクタ3b(図6参照)は、上記第1コネクタ3aと同様に、テーパ面状の外周側壁面13と円筒面状の内周側壁面12とを有しているが、底壁面15を傾斜させていない。このため、第2コネクタ3bを使用した場合には、最外層7のみが第2コネクタ3bの外周側壁面13に溶着されることとなる。
上記第3コネクタ3c(図7参照)は、チューブ本体2の端部に圧入される円筒状の圧入部31を有している。圧入部31の外周面には複数の突起部32が形成されている。この突起部32は、チューブ本体2の内周面に密着して抜け止めとして機能する。
次に、表2〜表6に示す実施例及び比較例について説明する。
実施例は、チューブ本体2の両端部に第1コネクタ3aを溶接した例であり、この例では、材料1〜9のそれぞれについて、後述の性能評価試験を行った。
比較例1は、チューブ本体2の両端部に銅ピン15を圧入固定した例であり(表3参照)、この例では、材料1〜9のそれぞれについて、性能評価試験を行った。
比較例2は、チューブ本体2の両端部に第3コネクタ3cを圧入固定した例であり(表3参照)、この例では、材料1〜9のそれぞれについて性能評価試験を行った。
比較例3は、チューブ本体2の両端部に第2コネクタ3bを溶接した例であり(表3参照)、この例では、材料1〜9のそれぞれについて性能評価試験を行った。
比較例4は、チューブ本体2の両端部に銅ピン15を圧入固定した例であり(表4参照)、この例では、材料10〜14のそれぞれについて性能評価試験を行った。
比較例5は、チューブ本体2の両端部に第3コネクタ3cを圧入した例であり(表4参照)、この例では、材料10〜14のそれぞれについて性能評価試験を行った。
比較例6は、チューブ本体2の両端部に第2コネクタ3bを溶接した例であり(表4参照)、この例では、材料10〜14のそれぞれについて性能評価試験を行った。
比較例7は、チューブ本体2の両端部に第1コネクタ3aを溶接した例であり(表4参照)、この例では、材料10〜14のそれぞれについて性能評価試験を行った。
比較例8は、チューブ本体2の両端部に第2コネクタ3bを溶接した例であり(表5参照)、この例では、材料15及び材料16のそれぞれについて性能評価試験を行った。
(各燃料チューブの性能評価)
各燃料チューブ1の性能評価は、電気抵抗測定値、表面電気抵抗値、及び燃料封入20日後の電気抵抗測定値を基に行った。
(電気抵抗測定値)
電気抵抗測定値は、試験用の燃料チューブ1の両端部に250Vの電圧を印加した際に測定される電気抵抗値である。図8は、チューブ本体2の両端部に銅ピン15を圧入固定した燃料チューブ1における電気抵抗値の測定例を示している。銅ピン15は、大径部15aと該大径部15aと同軸に接続された小径部15bとからなっていて、銅ピン15をチューブ本体2に圧入固定した状態では、大径部15aの外周面がチューブ本体2の内周面に密着するように構成されている。測定に用いた試験用の燃料チューブ1は、内径6mm、外径8mm、チューブ長200mmである。電気抵抗値の測定には抵抗測定器50を使用した。そうして、測定される電気抵抗測定値は、銅ピン15の電気抵抗値が無視し得るほど低いことからチューブ本体単体の電気抵抗値を示していると言える。そして、該電気抵抗値測定値を基に算出される後述の表面電気抵抗値は、チューブ本体単体の表面電気抵抗値を示していて、以下の説明では、これをチューブ実力抵抗値というものとする。
(燃料封入20日後の電気抵抗測定値)
燃料封入20日後の電気抵抗測定値は、試験用の燃料チューブ1の内部にFuelC(イソオクタン:トルエン=50:50体積比)とエタノ−ルとを90:10の体積比で混合したアルコ−ル/ガソリン(CE10)を封入して60℃の温度に20日間保持した後、燃料チューブ1の電気抵抗値を測定した値である。電気抵抗値の測定方法は上述した測定方法と同様である。
(表面電気抵抗値)
表面電気抵抗値は、上記電気抵抗測定値を基に次式より算出される値である。
表面電気抵抗値(Ω/sq)=R(πd)/(L−2a)
ここで、Lはチューブ長さであり、aはチューブ本体2への銅ピン15又はコネクタ3の差込み長さである(図8参照)。Rは抵抗測定器50による測定値である。
表2には、実施例に係る燃料チューブ1の電気抵抗測定値及び表面電気抵抗値を示す。表3及び表4には、比較例1〜7に係る燃料チューブ1の電気抵抗測定値及び表面電気抵抗値を示す。表5には、比較例8に係る燃料チューブ1の電気抵抗測定値及び燃料封入20日後の電気抵抗測定値を示す。表6には、実施例(表6では材料1〜6のみを示す)に係る燃料チューブ1の電気抵抗測定値及び燃料封入20日後の電気抵抗測定値を示す。表7には、参考例として、材料10と材料17とのそれぞれについてチューブ実力抵抗値を求めた結果を示す。
Figure 0005756311
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これらの試験結果から以下のことがわかる。すなわち、材料10〜14を使用した燃料チューブ1において(表4参照)、チューブ本体2に第3コネクタ3cを圧入固定した場合(比較例5)の表面電気抵抗値は、チューブ実力抵抗値(比較例4で求めた表面電気抵抗値)と同じ値であるのに対し、チューブ本体2にコネクタ3a,3bを溶接固定した場合(比較例5及び比較例6)の表面電気抵抗値は、チューブ実力抵抗値(比較例4の表面電気抵抗値)よりも高くなっていることがわかる。具体的には、例えば材料12(導電性EFEP/PA12の2層構造)又は材料13(導電性EFEP/PA12/EFEP/PA12の4層構造)を使用した燃料チューブ1では、チューブ実力抵抗値が2×10(Ω/sq)となり、チューブ本体2に第3コネクタ3cを圧入した場合の表面電気抵抗値が同じく2×10(Ω/sq)となっているのに対し、チューブ本体2に第1コネクタ3aを溶接した場合の表面電気抵抗値は、その10倍の2×10(Ω/sq)となり、チューブ本体2に第2コネクタ3bを溶接した場合の表面電気抵抗値は、その30倍の6×10(Ω/sq)となっている。これは、チューブ本体2にコネクタ3a,3bを溶接固定した場合には、チューブ本体2に第3コネクタ3cを圧入固定した場合に比べて、コネクタ3とチューブ本体2との接触部の面積が減少して通電路を確保し難くなるためと考えられる。
また、材料12を使用した場合と材料13を使用した場合とで、コネクタ3の接続方式に拘わらず、燃料チューブ1の表面電気抵抗値が同じになっているのは、両者とも、最内層4に同じ樹脂である導電性EFEPを有していてその厚みも0.2mmで同じであるため(つまり導電層の配置及び構成が同じであるため)と考えられる。このことは、材料10を使用した場合と材料11を使用した場合とを比較してみてもわかる。材料10と材料11とは共に、最内層に同じ厚み(0.05mm)の導電性樹脂Iを有していて導電層の配置及び構成が同じである。このため、材料10を使用した場合と材料11を使用した場合とで、コネクタ3の接続方式に拘わらず、燃料チューブ1の表面電気抵抗値が同じになっている。
表3に示すように、材料1〜9を使用した燃料チューブ1においても同様に、チューブ本体2に第3コネクタ3cを圧入固定した場合の表面電気抵抗値は、チューブ実力抵抗値(比較例1の表面電気抵抗値)と同じ値であるのに対し、チューブ本体2に第2コネクタ3bを溶接固定した場合(比較例3)の表面電気抵抗値は、チューブ実力抵抗値よりも格段に高くなっている。これは、上述したように、チューブ本体2に第2コネクタ3bを溶接した場合には、第3コネクタ3cを圧入する場合に比べて、チューブ本体2とコネクタとの接触部の面積が小さくなるためと考えられる。しかし、材料1〜9を使用した燃料チューブ1において、チューブ本体2に第1コネクタ3aを溶接固定した場合(実施例に係る燃料チューブ1)の表面電気抵抗値は、表2に示すように、チューブ実力抵抗値と同じかそれよりもやや高い程度であって、スパークの発生を防止する上で十分に低い値になっている。具体例として、例えば材料1(導電性樹脂I/PA12/PA12の3層構造)及び材料2(導電性樹脂I/導電性PA12/EFEP/PA12の4層構造)を使用した燃料チューブ1について見ると、チューブ実力抵抗値が4×10(Ω/sq)であり、チューブ本体2に第3コネクタ3cを圧入した場合の表面電気抵抗値が同じく4×10(Ω/sq)であるのに対し(表3参照)、チューブ本体2に第2コネクタ3bを溶接した場合の表面電気抵抗値はその10倍の4×10(Ω/sq)まで上昇している。しかし、チューブ本体2に第1コネクタ3aを溶接した場合(実施例の場合)の表面電気抵抗値は、チューブ実力抵抗値の1.5倍の6×10(Ω/sq)に抑制されて、スパークを防止する観点から十分に低いレベルになっている(表2参照)。ここで、材料1及び材料2は、内層5を形成する導電性PA12の厚みを0.05mmと非常に薄く設定しているが、このように内層5が薄い場合でも所望の導電性性能を確保できることがわかる。尚、材料1と材料2とで、コネクタ3の接続方式に拘わらず、燃料チューブ1の表面電気抵抗値が同じになっているのは、両者とも導電層(導電性樹脂I、導電性PA12)の位置及び厚みが同じであるためと考えられる。
さらに材料1及び材料2よりも導電層(導電性PA12)を厚くした材料4及び材料5を使用した燃料チューブ1について見ると、チューブ実力抵抗値が1×10(Ω/sq)であり、チューブ本体2に第3コネクタ3cを圧入した場合の表面電気抵抗値が同じく1×10(Ω/sq)であるのに対し(表3参照)、チューブ本体2に第2コネクタ3bを溶接した場合の表面電気抵抗値は、その10倍の1×10(Ω/sq)まで上昇している。しかし、チューブ本体2に第1コネクタ3aを溶接した場合(実施例の場合)の表面電気抵抗値は、チューブ実力抵抗値と同じ大きさの1×10(Ω/sq)に抑制されて、材料1及び材料2を使用した場合に比べてさらに低い値になっている(表2参照)。これは、材料4及び材料5では、材料1及び材料2に比べて導電性PA12の厚みを4倍の0.2mmに増やしたためと考えられる。この例では、導電性PA12の厚みを大きくとっているが、導電性PA12は最内層4を形成する導電性樹脂Iに比べて安価なため、製品コストの増加を極力抑制することができる。尚、材料4と材料5とで、コネクタの接続方式に拘わらず、燃料チューブ1の表面電気抵抗値が同じになっているのは、両者とも導電層(導電性樹脂I、導電性PA12)の位置及び厚みが同じであるためと考えられる。
ここで、導電性PA12と導電性樹脂材料Iとでは、表7からも分かるように、層厚さが同じである場合には、導電性PA12の方が導電性樹脂材料Iよりも導電性が高い(電気抵抗値が小さい)。また、一般的に、導電性EFEPと導電性PA12とでは、層厚さが同じである場合には、導電性PA12の方が導電性EFEPよりも導電性が高い。上記実施例では、内層5を形成する樹脂を、最内層4を形成する樹脂(導電性樹脂材料I又は導電性EFEP)よりも導電性の高い導電性PA12で形成するようにしたことで、燃料チューブ1全体の表面電気抵抗値を低下させて、所望の導電性(スパークを防止可能な導電性)を確実に得ることができる。
さらに、比較例8に係る燃料チューブ1では、表5に示すように、燃料封入20日後の電気抵抗測定値が当初の100倍以上に上昇しているのに対し、実施例に係る燃料チューブ1(表では材料1〜6を使用した場合のみを示す)では、表6に示すように、材料1及び材料2では略3倍、材料3では1.5倍となって、燃料封入20日後も当初と比べて電気抵抗測定値が殆ど変化していないことがわかる。これは、実施例に係る燃料チューブ1では、耐燃料性に劣る導電性PA層を最内層4の外側の内層5に配置するようにしたことで、導電性PA層が燃料との接触により劣化するのを防止できるためと考えられる。
以上の実施例及び比較例より明らかなように、チューブ本体2を最内層4に隣接する内層5を導電性樹脂で形成するとともに第1コネクタ3aに溶着させることで、燃料チューブ1の表面電気抵抗値をチューブ実力抵抗値と同じかやや高い程度に抑制することができ、耐燃料引火性に優れた燃料チューブ1を提供できることがわかる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
すなわち、上記実施形態及び実施例では、一例として、3層又は4層構造の燃料チューブ1について説明を行ったが、本発明は、5層以上の燃料チューブ1に対しても適用可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、チューブ本体2をスピン溶接によりコネクタ3に接合するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、超音波溶接や振動溶接により接合するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、チューブ挿入溝部11の底壁面15を該溝部11の開口側から奥側に向かって拡径するテーパ面状に形成するようにしているが、必ずしもテーパ面状に形成する必要はなく、例えば、図9に示すように、チューブ挿入溝部11内側に凸となる円弧面状に形成するようにしてもよいし、これとは逆側に凸となる円弧面状に形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、テーパ面状の外周側壁面13をチューブ挿入溝部11の開口側から奥側までの全体に亘って形成するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、図10に示すように、テーパ面状の外周側壁面13をチューブ挿入溝部11の奥側端部にのみ形成するようにしてもよい。
本発明は、少なくとも三つの層を径方向に積層してなり且つ最内層が導電性樹脂で構成された樹脂製のチューブ本体と、該チューブ本体の端部に溶接されたコネクタとを備えた燃料チューブに有用であり、特に、最内層を導電性の低い樹脂で形成した場合に有用である。
1 燃料チューブ
2 チューブ本体
3 コネクタ
4 最内層(第1層)
5 内層(第2層)
6 中間層(バリア層)
7 最外層
11 チューブ挿入溝部(環状凹部)
12 内周壁面
13 外周壁面
15 底壁面

Claims (11)

  1. 少なくとも三つの層を径方向に積層してなり且つ最内層である第1層が導電性樹脂で構成された樹脂製のチューブ本体と、該チューブ本体の端部に溶接されたコネクタとを備えた燃料チューブであって、
    上記第1層に隣接してその径方向外側に積層された第2層は、導電性樹脂で構成されているとともに上記コネクタに溶着されており、
    上記第2層の電気抵抗値は、上記第1層の電気抵抗値よりも低いことを特徴とする燃料チューブ。
  2. 請求項1記載の燃料チューブにおいて、
    上記コネクタは、上記チューブ本体の端部が挿入されて溶接される環状凹部を有し、
    上記環状凹部は、該凹部の開口側から奥側に向かって径が小さくなる外周側壁面と、該外周側壁面の径方向内側に位置し、開口側から奥側に向かって径が略一定となる内周側壁面と、該内周側壁面における奥側の端部に接続され、開口側から奥側に向かって径が大きくなる奥側壁面とを有していることを特徴とする燃料チューブ。
  3. 請求項1又は2記載の燃料チューブにおいて、
    上記第2層はナイロン系樹脂からなることを特徴とする燃料チューブ。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料チューブにおいて、
    上記第1層はフッ素系樹脂からなることを特徴とする燃料チューブ。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料チューブにおいて、
    上記第2層はPA11又はPA12からなることを特徴とする燃料チューブ。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料チューブにおいて、
    上記第1層は、少なくともテトラフルオロエチレンとクロロトリフルオロエチレンのフッ素共重合体、且つ/又は官能基変性からなる樹脂に導電性フィラーを混練して形成されていることを特徴とする燃料チューブ。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料チューブにおいて、
    上記コネクタはナイロン系樹脂からなることを特徴とする燃料チューブ。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料チューブにおいて、
    上記コネクタはPA11又はPA12からなることを特徴とする燃料チューブ。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料チューブにおいて、
    上記コネクタと上記第2層とが同じ樹脂材で構成されていることを特徴とする燃料チューブ。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料チューブにおいて、
    上記チューブ本体は、上記第2層と最外層との間に位置し且つ耐燃料透過性を有するバリア層をさらに備えていることを特徴とする燃料チューブ。
  11. 請求項1記載の燃料チューブにおいて、
    上記バリア層は導電性樹脂で形成されていることを特徴とする燃料チューブ。
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