JP5756056B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動手段が複数設けられ、始動手段への入球に基づいて図柄変動ゲームを実行させる遊技機に関する。
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、入球率向上機能が搭載されている(例えば、特許文献1)。入球率向上機能は、大当り遊技終了後に、単位時間あたりの始動手段(後に詳述する第2始動手段)への遊技球の入球確率を向上させる入球率向上状態を付与する機能である。入球率向上状態は、単位時間あたりの始動手段への遊技球の入球確率が増加することで、大当り抽選の権利を獲得し易くなることから、遊技者にとって有利な状態となり得る。
特許文献1のパチンコ遊技機では、第1図柄変動ゲームの始動条件を付与する第1始動手段と、第2図柄変動ゲームの始動条件を付与する第2始動手段と、を備えている。第1始動手段は、常時開口している一方で、第2始動手段は、入球率向上状態中に開口し易くなる。そして、保留中の第1図柄変動ゲームを示す第1始動保留球が存在する場合であっても、保留中の第2図柄変動ゲームを示す第2始動保留球が存在する場合には、第2図柄変動ゲームを優先的に実行させるようになっている。
特許文献1のように複数の始動手段が設けられている場合、大当り抽選に当選したときに付与される特典の種類又は大当りの種類の選択割合が始動手段毎に異なる場合がある。特に、第1始動手段よりも第2始動手段の方が、大当り抽選に当選した場合、付与される大当りの有利度合いが高くなるように規定されている。
特開2010−99230号公報
入球率向上状態が付与されている場合、第1始動手段よりも第2始動手段に遊技球が入球し易くなるため、主として第2図柄変動ゲームが実行され易い。その一方で、大当り遊技中を含み、入球率向上状態が付与されていない場合、第2始動手段よりも第1始動手段に遊技球が入球し易いため、主として第1図柄変動ゲームが実行され易い。このため、第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選したことによって生起された大当り遊技終了後、入球率向上状態が付与されるとしても、その入球率向上状態の開始時に第2始動保留球が記憶されている可能性は低い。よって、入球率向上状態が付与されているにもかかわらず、第2始動保留球が記憶されていない場合には、第2図柄変動ゲームに比して大当りの有利度合いの低い第1図柄変動ゲームが実行されてしまう虞があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、大当り遊技の終了後において、有利度合いの高い第2図柄変動ゲームを優先して実行させることができ、遊技に対する興趣の減退を抑制することができる遊技機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域において遊技球が入球可能な第1始動手段と、前記遊技領域において遊技球が入球可能な第2始動手段と、前記第1始動手段による遊技球の入球を契機に図柄を変動表示させて行う第1図柄変動ゲームを表示する第1表示手段と、前記第2始動手段による遊技球の入球を契機に図柄を変動表示させて行う第2図柄変動ゲームを表示する第2表示手段と、を備え、前記第1図柄変動ゲーム又は前記第2図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示されたことを条件として、大当り遊技が生起される遊技機において、前記第1始動手段に遊技球が入球したときに前記第1図柄変動ゲームの実行の保留を示す第1始動保留球を記憶する第1保留記憶手段と、前記第2始動手段に遊技球が入球したときに前記第2図柄変動ゲームの実行の保留を示す第2始動保留球を記憶する第2保留記憶手段と、前記第1図柄変動ゲーム又は前記第2図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの大当り判定を実行する大当り判定手段と、大当り遊技終了後において、前記第2始動手段への単位時間あたりの遊技球の入球確率を向上させる入球率向上状態の付与状態を制御する遊技状態制御手段と、前記遊技領域において遊技球が入球可能な第3始動手段と、大当り遊技中に開放され、前記遊技領域において遊技球が入球可能な特別入賞口と、前記特別入賞口の開閉制御を行う特別入賞口制御手段と、を備え、前記第1始動手段は、一定の入球確率で遊技球が入球し得るように構成される一方で、前記第2始動手段は、前記入球率向上状態が付与されていない非入球率向上状態時よりも前記入球率向上状態の付与時に遊技球が入球し易くなるように構成され、前記第2図柄変動ゲームにおける大当りは、前記第1図柄変動ゲームにおける大当りよりも有利度合いが高く規定され、前記大当り判定手段は、前記第2始動保留球が記憶されていない場合であって、前記第1始動保留球が記憶されている場合には、前記第1図柄変動ゲームの大当り判定を実行する一方で、前記第2始動保留球が記憶されている場合には、前記第1始動保留球の有無を問わずに前記第2図柄変動ゲームの大当り判定を実行し、前記特別入賞口制御手段は、前記非入球率向上状態時に行われた前記第1図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された後に、前記第3始動手段への遊技球の入球を契機として大当り遊技を開始させ、前記第2保留記憶手段は、前記第3始動手段に遊技球が入球したときに第2始動保留球を記憶することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記第3始動手段は、一定の入球確率で遊技球が入球し得るように構成され、前記非入球率向上状態時では、前記第1始動手段よりも前記第3始動手段に遊技球が入球し難い、又は前記第1図柄変動ゲームの消化効率よりも前記第2図柄変動ゲームの消化効率が低いことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記遊技領域に遊技球を発射させる発射装置を備え、前記遊技領域には、前記発射装置によって発射された遊技球が流下可能な第1流下経路と第2流下経路とが形成され、前記第1流下経路は、前記第1始動手段に遊技球が入球し易く、前記第2始動手段及び前記第3始動手段に遊技球が入球し難い一方で、第2流下経路は、前記第2始動手段及び前記第3始動手段に遊技球が入球し易く、前記第1始動手段に遊技球が入球し難いことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記第2流下経路には、前記第1流下経路に比して、前記特別入賞口に遊技球が入球し易くなるように前記特別入賞口が配置されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記第2始動保留球に基づいて行われる大当り判定の判定結果を示唆する予告演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段を備え、前記第3始動手段に入球した第2始動保留球に基づいて行われる大当り判定の判定結果を示唆する予告演出の演出態様は、前記第2始動手段に入球した第2始動保留球に基づいて行われる大当り判定の判定結果を示唆する予告演出の演出態様と異なることを要旨とする。
本発明によれば、大当り遊技の終了後において、有利度合いの高い第2図柄変動ゲームを優先して実行させることができ、遊技に対する興趣の減退を抑制することができる。
パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。 遊技盤を示す正面図。 大当りの種類を説明する説明図。 パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。 特別図柄入力処理の流れを示すフローチャート。 コマンド設定処理の流れを示すフローチャート。 特別図柄開始処理の流れを示すフローチャート。 図7の続きを示すフローチャート。 大当り遊技処理の流れを示すフローチャート。 (a),(b)は、大当り遊技が生起されるまでの流れ及び保留変化演出の態様を示すタイミングチャート。
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1には、パチンコ遊技機1が略示されており、パチンコ遊技機1の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は、図1に示すようにパチンコ遊技機1を機正面側から見た場合において、中枠Y2に重なるように組み付けられている。前枠Y3は、遊技球を貯留可能な上皿Y4を一体成形した構成とされているとともに、裏面側には、機内部に配置された遊技盤10を保護するガラス支持枠が組み付けられている。また、中枠Y2の前面側であって前枠Y3の下部には、上皿Y4から溢れ出た遊技球を貯留する下皿Y5が装着されているとともに、下皿Y5の右方には、遊技球を遊技盤10に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドルHD(発射装置)が装着されている。
遊技者が発射ハンドルHDを把持して回動操作すると、上皿Y4に貯留されている遊技球が1球ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤10に向けて発射される。遊技盤10に向けて発射される遊技球は、発射ハンドルHDの回動量に応じて発射の強弱が設定される。
次に、遊技盤10の構成を、図2に従って詳しく説明する。
図2に示すように、遊技盤10の前面には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域10aを形成する誘導レールYRが円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レールYRによって遊技盤10には、該遊技盤10の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の発射レールとしての誘導路YRaが形成されるとともに、誘導レールYRの内側に遊技領域10aが形成される。また、遊技盤10の前面であって誘導レールYRの外側となる遊技領域10a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域10bとされている。
図1に示すように、パチンコ遊技機1の遊技盤10のほぼ中央には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)HWが装着されている。表示枠体HWの略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口HWaが形成されており、当該セット口HWaに整合して表示枠体HWには液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する第1表示手段、第2表示手段及び演出実行手段としての演出表示装置11が装着されている。
また、演出表示装置11の左下方には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12aが配設されている。また、第1特別図柄表示装置12aの右方には、7セグメント型の第2特別図柄表示装置12bが配設されている。特別図柄表示装置12a,12bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特別図柄表示装置12aの図柄変動ゲームを「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第2特別図柄表示装置12bの図柄変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、以下の説明で、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームを纏めて示す場合には「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。
特別図柄表示装置12a,12bには、複数種類(本実施形態では、101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、演出表示装置11には、図柄列毎に複数種類の飾り図柄(飾図)が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。
演出表示装置11は、特別図柄表示装置12a,12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。以下、第1特図変動ゲームに対応する飾図の図柄変動ゲーム、及び第1特図変動ゲームを纏めて「第1図柄変動ゲーム」と示す場合がある。また、第2特図変動ゲームに対応する飾図の図柄変動ゲーム、及び第2特図変動ゲームを纏めて「第2図柄変動ゲーム」と示す場合がある。また、以下の説明で、単に「図柄変動ゲーム」と示す場合には、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームの両方のゲームを示すものとする。
第1特別図柄表示装置12aの上方には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した第1特図変動ゲーム(特1)用の始動保留球(第1始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第1特図変動ゲーム(特図1)用の始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞口15に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第1特図変動ゲーム中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第1保留記憶数は、実行保留中の第1特図変動ゲームの実行回数を示す。
第2特別図柄表示装置12bの上方には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、機内部で記憶した第2特図変動ゲーム(特図2)用の始動保留球(第2始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第2特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞口16又は第3始動入賞口18に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第2特図変動ゲーム中に第2始動入賞口16又は第3始動入賞口18へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第2保留記憶数は、実行保留中の第2特図変動ゲームの実行回数を示す。
また、第1特別図柄保留表示装置13aの上方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されている。そして、特図変動ゲームを開始させる際、その時点における第1保留記憶数と第2保留記憶数が共に「1」以上である場合は、第2特図変動ゲームが優先して実行される。一方、特図変動ゲームの開始条件が成立した際、その時点における第1保留記憶数が「1」以上であって、第2保留記憶数が「0(零)」である場合は、第1特図変動ゲームが実行される。すなわち、第2特図変動ゲームは、後述する始動条件が成立すると、その時点において先に第1始動保留球が存在する場合であっても、その始動保留球よりも先に実行される(割り込み実行される)。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
また、図2に示すように、画像表示部GHの下方領域には、第1保留記憶数を画像表示するための第1保留画像表示領域Haと、第2保留記憶数を画像表示するための第2保留画像表示領域Hbが、各別に形成されている。第1保留画像表示領域Haは、第1保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域Ha1,Ha2,Ha3,Ha4を有して構成されている。同様に、第2保留画像表示領域Hbは、第2保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域Hb1,Hb2,Hb3,Hb4を有して構成されている。
そして、各保留画像表示領域Ha,Hbでは、各保留記憶数に対応する個数の個別表示領域が、保留有表示の態様で画像表示される。例えば、保留記憶数「2」の場合には、対応する2個の個別表示領域が保留有表示の態様で画像表示される一方で、残りの個別表示領域が保留無表示の態様で画像表示される。なお、図2では、第1保留記憶数の保留有表示の態様を左下がりの斜線で示すとともに、第2保留記憶数の保留有表示の態様を右下がりの斜線で示している。
そして、本実施形態では、第2保留画像表示領域Hbを用いて事前演出が実行される。事前演出は、当該演出の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが実行される以前に、当該ゲームが大当りとなる可能性があることを予告する演出である。本実施形態では、第2保留画像表示領域Hbを用い、事前演出の対象となる始動保留球に対応する個別表示領域の保留有表示の態様を、他の個別表示領域の保留有表示の態様とは異なる態様に変化させている。以下、第2保留画像表示領域Hbを用いた事前演出を「保留変化演出」と示す。
図2に示すように、遊技盤10において、演出表示装置11の下方には、第1入賞口15aを有する第1始動手段としての第1始動入賞口15が配置されている。一方、遊技盤10において、演出表示装置11の右下方には、第2入賞口16aを有する第2始動手段としての第2始動入賞口16が配置されている。また、遊技盤10において、演出表示装置11の右方であって、第2始動入賞口16の右上方には、第3入賞口18aを有する第3始動手段としての第3始動入賞口18が配置されている。
第1始動入賞口15は、常時遊技球の入球を許容し得るように第1入賞口15aを常時開放させた構成とされている。第1始動入賞口15の奥方には、入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されている。第1始動入賞口15は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
第2始動入賞口16は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉羽根17を備えている。第2始動入賞口16は、開閉羽根17の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球し易い開状態とされる一方で、開閉羽根17の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球し難い閉状態とされる。
第2始動入賞口16の奥方には、入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。第2始動入賞口16は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
第3始動入賞口18は、常時遊技球の入球を許容し得るように第3入賞口18aを常時開放させた構成とされている。第3始動入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知する第3始動口スイッチSW3(図4に示す)が配設されている。第3始動入賞口18は、入球した遊技球を第3始動口スイッチSW3で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。加えて、第3始動入賞口18は、大入賞口扉21の開放条件を付与し得る。
また、演出表示装置11の右方であって、第3始動入賞口18の上方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図4に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口16の開閉羽根17を開放状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根17の開放によって第2始動入賞口16に遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、第2特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、演出表示装置11の右下方であって、第2始動入賞口16の左下方には、特別入賞口としての大入賞口20が配設されている。大入賞口20は、正面視横長矩形状に形成されており、大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21を備えている。
大入賞口20の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5(図4に示す)が配設されている。大入賞口20は、入球した遊技球をカウントスイッチSW5で検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口20は、大当り遊技中に大入賞口扉21の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、遊技盤10では、矢印Y1に示すように、遊技者から見て遊技領域10aの左方領域を転動し、流下する遊技球が、第1始動入賞口15に入球可能となるように障害釘Kなどの遊技構成部材が配置されている。その一方で、矢印Y1に示すように、遊技者から見て遊技領域10aの左方領域を転動し、流下する遊技球が、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、作動ゲート19、又は大入賞口20に入球不能となるように障害釘Kなどの遊技構成部材が配置されている。
一方、遊技盤10では、矢印Y2に示すように、遊技者から見て遊技領域10aの右方領域を転動し、流下する遊技球が、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、作動ゲート19、又は大入賞口20に入球可能となるように障害釘Kなどの遊技構成部材が配置されている。その一方で、矢印Y2に示すように、遊技者から見て遊技領域10aの右方領域を転動し、流下する遊技球が、第1始動入賞口15に入球不能となるように障害釘Kなどの遊技構成部材が配置されている。
これにより、遊技領域10aの左方領域を遊技球が転動した場合、遊技球は、第1始動入賞口15に入球可能であるが、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、又は作動ゲート19に入球不能である。同様に、遊技領域10aの右方領域を遊技球が転動した場合、遊技球は、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、又は作動ゲート19に入球可能であるが、第1始動入賞口15に入球不能である。
また、第3始動入賞口18の周囲には、第1始動入賞口15の周囲よりも多い障害釘Kが配設されている。これにより、第3始動入賞口18、第1始動入賞口15、開状態となった第2始動入賞口16の順に遊技球が入球し易い。
また、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、作動ゲート19、及び大入賞口20は、同一の流下経路上に位置するように配置されている。このため、発射ハンドルHDの操作量(遊技球の発射強度)を大幅に変更しなくても、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、作動ゲート19、又は大入賞口20に遊技球を入球可能である。
これにより、作動ゲート19を狙って遊技球を発射させた場合、大当り遊技中でなければ、第3始動入賞口18、又は第2始動入賞口16に遊技球が入球し得る。また、大当り遊技中は、大入賞口20に加え、第2,第3始動入賞口16,18にも遊技球が入球し得る。同様に、第3始動入賞口18を狙って遊技球を発射させた場合、大当り遊技中でなければ、第2始動入賞口16に遊技球が入球し得る。また、大当り遊技中は、大入賞口20に加え、第2始動入賞口16にも遊技球が入球し得る。また、第2始動入賞口16を狙って遊技球を発射させた場合、大当り遊技中であれば、大入賞口20にも遊技球が入球し得る。
本実施形態では、遊技領域10aの左方領域において、第1始動入賞口15に至る流下経路が、第1流下経路に相当する。一方、遊技領域10aの右方領域において、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、作動ゲート19、又は大入賞口20に至る流下経路が、第2流下経路に相当する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を低確率から高確率に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態において確変状態は、次回、大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な変動時間短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される。変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態(以下、「非変短状態」と示す)と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選確率が低確率から高確率に変動する。また、変短状態では、普通当り抽選に当選した際、非変短状態とは異なる動作パターン、かつ多い回数で開閉羽根17が開閉動作する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根17の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。
本実施形態において変短状態は、次回の大当りが生起されるまでの間、予め定めた変短上限回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は変短上限回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。変短状態は、開閉羽根17が遊技者にとって有利に動作し、単位時間あたりの第2始動入賞口16への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根17の単位時間あたりの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機1に規定する大当りの種類について、図3に従って説明する。
以下の説明では、パチンコ遊技機1の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示す。また、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、大入賞口20が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、5ラウンド又は15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口20の開閉動作が所定回数(本実施形態では1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口20は、入球上限個数の遊技球が入球するまでの間、又は予め定めたラウンド遊技時間(本実施形態では、25秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて大当り遊技が終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当り抽選に当選した場合、3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。
図3に示すように、図柄Aには、特図1の大当り図柄として25種類が、図柄aには、特図2の大当り図柄として50種類がそれぞれ振り分けられている。図柄Bには、特図1の大当り図柄として50種類が、図柄bには、特図2の大当り図柄として25種類がそれぞれ振り分けられている。図柄C及び図柄cには、特図1又は特図2の大当り図柄として25種類がそれぞれ振分けられている。
図柄A,aの大当りは、15ラウンド大当り遊技を付与するとともに、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、次回大当り抽選に当選するまでの間、確変状態及び変短状態を付与する。以下の説明では、図柄A,aの大当りを「15R確変大当り」と示す場合がある。
図柄B,bの大当りは、5ラウンド大当り遊技を付与するとともに、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、次回大当り抽選に当選するまでの間、確変状態を付与する。その一方で、図柄B,bの大当りは、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、変短上限回数を100回とする変短状態を付与する。以下の説明では、図柄B,bの大当りを「5R確変大当り」と示す場合がある。
図柄C,cの大当りは、5ラウンド大当り遊技を付与するとともに、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)。その一方で、図柄C,cの大当りは、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、変短上限回数を100回とする変短状態を付与する。以下の説明では、図柄C,cの大当りを「5R非確変大当り」と示す場合がある。
本実施形態における大当り図柄の振分によれば、第2図柄変動ゲームでは、第1図柄変動ゲームよりも高い確率で、15R確変大当りが決定される。詳しくは、第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選した場合、25/100の確率で15R確変大当りが決定される。その一方で、第2図柄変動ゲームで大当り抽選に当選した場合、50/100の確率で15R確変大当りが決定される。したがって、第2図柄変動ゲームの方が、第1図柄変動ゲームよりも、大当りの有利度合いが高い。本実施形態では、遊技者にとって最も有利な15R確変大当りの選択確率の高低を有利度合いの高低としている。
次に、パチンコ遊技機1の制御構成について説明する。
図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1の機裏側には、パチンコ遊技機1全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機1全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が配設されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の動作を制御する。
ここで、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図4に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW5が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、各種表示装置12a,12b,13a,13b,14と、各種ソレノイドSOL1,SOL2が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機1の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として220個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は65536分の220となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値は、前記220個の値に1980個の値を加えた合計2200個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は65536分の2200となる。
また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から定められている。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。
大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄を導出させる。
はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機1の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、演出制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
本実施形態では、第2図柄変動ゲームの方が、第1図柄変動ゲームよりも、大当りの有利度合いが高くなるように規定している。そして、変短状態中は、開閉羽根17が遊技者にとって有利に動作するため、第1図柄変動ゲームに比して第2図柄変動ゲームが優先的に行われることになる。しかしながら、変短状態は、大当り抽選に当選しないと付与されないため、パチンコ遊技機1では、変短状態が付与されている期間よりも、変短状態が付与されていない期間の方が長くなりがちである。この場合、第2始動入賞口16を狙って遊技球を発射させたとしても、第2始動入賞口16に遊技球が入球し難いため、遊技者は、第1始動入賞口15を狙って遊技球を発射させることになる。そして、第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選すると、大当り遊技終了後、変短状態が付与される。
しかしながら、大当り遊技中を含む非変短状態中は、第2始動入賞口16に遊技球が入球し難いため、大当り遊技終了後に変短状態が付与されたとしても、第2始動保留球が記憶されていない場合には、第2図柄変動ゲームよりも大当りの有利度合いの低い第1図柄変動ゲームが実行される。例えば、取得した特図振分用乱数が、第2図柄変動ゲームでは、図柄aに振り分けられているが、第1図柄変動ゲームでは、図柄Bに振り分けられていることがあるため、遊技者にとって不利となる可能性も否めない。
そこで、大当り遊技終了直後、必ず第2図柄変動ゲームを実行させるために、第3始動入賞口18への遊技球の入球を契機に、大当り遊技を開始させるようにした。加えて、第3始動入賞口18に入球した遊技球を、第2始動保留球として記憶させるようにした。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
最初に、特別図柄入力処理について、図5に従って説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ステップS1において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS5へ移行する。一方、ステップS1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS5へ移行する。
ステップS2の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を1加算し、第1保留記憶数を書き換える(ステップS3)。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を指示する第1保留指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力するように第1保留指定コマンドを送信バッファにセットする。第1保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において出力される。
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と、特図振分用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。
次に、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口16に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、ステップS5において主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2が遊技球を検知したときに出力する第2検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS9へ移行する。一方、ステップS5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS9へ移行する。
ステップS6の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を1加算し、第2保留記憶数を書き換える(ステップS7)。このとき、主制御用CPU30aは、このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を指示する第2保留指定コマンドを送信バッファにセットする。第2保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において出力される。
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と、特図振分用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS8)。
次に、主制御用CPU30aは、第3始動入賞口18に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS9)。すなわち、ステップS9において主制御用CPU30aは、第3始動口スイッチSW3が遊技球を検知したときに出力する第3検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS9の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS9の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS14へ移行する。
ステップS10の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を1加算し、第2保留記憶数を書き換える(ステップS11)。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を指示する第2保留指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、本実施形態では、入球した遊技球を第2始動保留球として記憶する始動入賞口が複数(この例では、2つ)設定されていることになる。
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と、特図振分用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS12)。
次に、主制御用CPU30aは、ステップS13においてコマンド設定処理を実行する。コマンド設定処理とは、特別図柄入力処理において始動入賞口(本実施形態では、第3始動入賞口18)で検知されたときに取得した大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数を事前判定し、その事前判定の結果を指示する事前判定コマンドを決定するための処理である。詳細は後述する。
その後、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられたシステムフラグに「02H」がセットされているか否かを判定する(ステップS14)。システムフラグは、第1図柄変動ゲーム及び第2図柄変動ゲームの結果に基づく大当り遊技の実行状況を示すフラグである。詳しくは、大当り遊技の実行中ではない場合には「00H」がセットされる。大当り遊技の実行中である場合には「01H」がセットされる。一方、第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームで大当り抽選に当選したが、第3始動入賞口18に遊技球が入球していないことにより、大当り遊技が開始されていない場合(大当り待機状態)には「02H」がセットされる。ちなみに、本実施形態における「大当り遊技中」とは、1回目の大入賞口20の開放〜エンディング演出が終了するまでを指す。
ステップS14の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り遊技を実行させるために、大当り遊技の実行中であることを示す「01H」をセットする。システムフラグに「01H」をセットした後、主制御用CPU30aは、大当り遊技を実行させるための大当り遊技処理を実行する。つまり、第3始動入賞口18で遊技球の入球が検知されたときに、既に第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームで大当り抽選に当選しているのであれば、大当り遊技が開始されることになる。なお、大当り遊技処理の詳細は後述する。
また、ステップS10の判定結果が否定の場合であっても、ステップS14へ移行するようになっている。これにより、第3始動入賞口18で遊技球の入球が検知されたときに第2保留記憶数が上限数まで記憶されていた場合、第2保留記憶数は加算されないが、既に第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームで大当り抽選に当選しているのであれば、大当り遊技が開始される。
また、主制御用CPU30aは、システムフラグに「02H」がセットされている期間中に第3検知信号を入力した場合、大当り待機状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球したことを指示する入球指示信号を演出制御基板31に出力する。一方、システムフラグに「00H」又は「01H」がセットされている期間中に第3検知信号を入力した場合、入球指示信号を演出制御基板31に出力しない。ちなみに、大当り待機状態は、第3検知信号を入力するまで継続して生起されるため、その継続時間は不定である。
本実施形態では、ステップS3,S7,S11の処理により、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、又は第3始動入賞口18に入球した遊技球が始動保留球として主制御用RAM30cに記憶される。このことから、主制御用RAM30cは、第1始動保留球を記憶する第1保留記憶手段として機能する。同様に、主制御用RAM30cは、第2始動保留球を記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、コマンド設定処理について図6に従って説明する。
本実施形態において主制御用CPU30aは、第3始動入賞口18に遊技球が入球し、第2始動保留球として記憶されることを契機にコマンド設定処理を実行する。
図6に示すように、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理(図5)のステップS12で取得した大当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS20)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更される。また、以下の説明では、ステップS20の判定を「事前大当り判定」と示す場合がある。
ステップS20の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS9の入球検知の対象となる第2始動保留球が、大当りとなることを事前に認識する。なお、主制御用CPU30aは、ステップS20において、入球検知時に取得した大当り判定用乱数の値が大当りを示す値であるか否かを判定している。
そして、主制御用CPU30aは、ステップS20の肯定判定結果を示す大当り用の事前判定コマンド「D3xxH」を、送信バッファにセットする(ステップS21)。その後、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。事前判定コマンドは、ステップS20,S22の判定結果を示す識別情報(識別子)と上記判定時点の第2保留記憶数を示す保留情報の組み合わせによって構成されている。なお、「xxH」は、第2保留記憶数「01H〜04H」を示している。
一方、ステップS20の判定結果が否定の場合、ステップS9の入球検知の対象となる第2始動保留球が、はずれとなることを事前に認識する。そして、主制御用CPU30aは、ステップS12で取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定値と一致するか否かを判定する(ステップS22)。また、以下の説明では、ステップS22の判定を「事前リーチ判定」と示す場合がある。
ステップS22の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS9の入球検知の対象となる第2始動保留球が、リーチ(はずれリーチ変動)となることを事前に認識する。なお、主制御用CPU30aは、ステップS22において、入球検知時に取得したリーチ判定用乱数の値がリーチを示す値であるか否かを判定している。
そして、主制御用CPU30aは、ステップS22の肯定判定結果を示すリーチ用の事前判定コマンド「D4xxH」を、送信バッファにセットする(ステップS23)。その後、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。
一方、ステップS22の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、ステップS22の否定判定結果を示す事前判定コマンドは設定されない。
事前大当り判定及び事前リーチ判定は、図7の特別図柄開始処理における大当り判定及びリーチ判定に対し、通常は所定の時間差をもって先に実行される。このため、事前大当り判定及び事前リーチ判定は、図柄変動ゲームの実行中や大当り遊技中であっても、第3始動入賞口18へ入球した遊技球(第2始動保留球)を対象に実行される。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
図7に示すように、主制御用CPU30aは、まず、図柄(特図及び飾図)が変動表示中であるか否か、又は大当り遊技中であるか否か判定する(ステップS31)。なお、主制御用CPU30aは、システムフラグに「01H」がセットされているか否かを確認することで、大当り遊技中であるか否かを判定する。
ステップS31の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS31の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を読み出す(ステップS32)。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS33)。ステップS33の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を読み出し(ステップS34)、第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS35)。ステップS35の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS35の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第1特図変動ゲームを実行することを示す値[0]を設定する(ステップS36)。次に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」減算し(ステップS37)、当該第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及びリーチ判定用乱数の値を取得する(ステップS38)。
より詳しくは、主制御用CPU30aは、最も早く記憶した第1保留記憶数「1」に対応付けられた第1記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出す。また、主制御用CPU30aは、乱数を読み出した後、第1保留記憶数「2」に対応付けられた第1記憶領域に記憶されている各種乱数を第1保留記憶数「1」に対応付けられた第1記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数「3」に対応付けられた第1記憶領域に記憶されている各種乱数を第1保留記憶数「2」に対応付けられた第1記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数「4」に対応付けられた第1記憶領域に記憶されている各種乱数を第1保留記憶数「3」に対応付けられた第1記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を読み出した後、第1保留記憶数「1」に対応付けられた第1記憶領域に記憶されている各種乱数を消去する。また、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を1減算した際、1減算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、減算後の第1保留記憶数を指示する第1保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
次に、主制御用CPU30aは、図8に示すように、取得した大当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS39)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更される。
ステップS39の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる確定停止図柄を決定する(ステップS40)。その後、主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを決定する(ステップS41)。続いて、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選したことにより、大当り待機状態であることを示す値「02H」をシステムフラグにセットする(ステップS41a)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS42へ移行する。
一方、ステップS39の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS43)。主制御用CPU30aは、図7のステップS38において主制御用RAM30cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
ステップS43の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップS44)。次に、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動用の変動パターンを決定する(ステップS45)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS42へ移行する。
一方、ステップS43の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップS46)。次に、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンを決定する(ステップS47)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS42へ移行する。
ステップS42において、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特図を変動開始させるように第1特別図柄表示装置12aの表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した確定停止図柄を表示させるように第1特別図柄表示装置12aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS33の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、図7に示すように、特別図柄変動処理フラグに第2図柄変動ゲームを実行することを示す値[1]を設定する(ステップS48)。次に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」減算し(ステップS49)、当該第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及びリーチ判定用乱数の値を取得する(ステップS50)。
より詳しくは、主制御用CPU30aは、最も早く記憶した第2保留記憶数「1」に対応付けられた第2記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出す。また、主制御用CPU30aは、乱数を読み出した後、第2保留記憶数「2」に対応付けられた第2記憶領域に記憶されている各種乱数を第2保留記憶数「1」に対応付けられた第2記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数「3」に対応付けられた第2記憶領域に記憶されている各種乱数を第2保留記憶数「2」に対応付けられた第1記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数「4」に対応付けられた第2記憶領域に記憶されている各種乱数を第2保留記憶数「3」に対応付けられた第2記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数「1」に対応付けられた第2記憶領域に記憶されている各種乱数を消去する。また、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を1減算した際、1減算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、減算後の第2保留記憶数を指示する第2保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
次に、主制御用CPU30aは、図8に示すように、取得した大当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS39)。なお、第2図柄変動ゲームの実行時に行われるステップS39〜S42の処理は、第1図柄変動ゲームを「第2図柄変動ゲーム」と読み替えることで成立する。さらに、第1特別図柄表示装置12aを「第2特別図柄表示装置12b」と読み替えることで成立する。
本実施形態では、図8のステップS39の処理を実行して大当り判定を行う主制御用CPU30aが、大当り判定手段として機能する。
また、図8のステップS41aの処理により、第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームのどちらで大当り抽選に当選した場合であっても、システムフラグに「02H」がセットされる。よって、図5のステップS15に示すように、第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームのどちらで大当り抽選に当選した場合であっても、第3始動入賞口18に遊技球が入球しない限り、システムフラグに「01H」がセットされない。つまり、大当り遊技が開始しない。
なお、主制御用CPU30aは、システムフラグに「02H」をセットした後、大当り待機状態の開始を指示する大当り待機状態指示コマンドを演出制御基板31に出力する。本実施形態では、システムフラグに「02H」がセットされているということは、第3始動入賞口18に遊技球を入球させることさえできれば、大入賞口20を開放させることができる状態である。
次に、大当り遊技処理について、図9に従って説明する。
主制御用CPU30aは、大当り変動となる第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームの終了後、システムフラグに「01H」をセットしている期間中、所定の制御周期毎に大当り遊技処理を実行する。
図9に示すように、主制御用CPU30aは、大当り遊技の実行中であることを示す値「01H」がシステムフラグにセットされているか否かを判定する(ステップS60)。ステップS60の判定結果が否定の場合、大当り遊技を開始できる状態ではないため、主制御用CPU30aは、大当り遊技処理を終了する。
一方、ステップS60の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを送信バッファにセットする(ステップS61)。ラウンドコマンドは、各ラウンド遊技の開始を指示するコマンドであって、1回目のラウンド遊技〜最終回のラウンド遊技の開始をそれぞれ特定できるよう、上限ラウンド数と同一個数だけ定められている。
次に、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技の開始に伴い、大入賞口20を開放させる(ステップS62)。ステップS62において、主制御用CPU30aは、大入賞口ソレノイドSOL2に対して、大入賞口扉21を開動作させるよう、開信号を出力する。
また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技の開始に伴い、主制御用RAM30cにラウンド遊技時間をセットし(ステップS63)、ラウンド遊技時間を計時する。さらに、主制御用CPU30aは、1回のラウンド遊技中に大入賞口20に入球した遊技球の個数を計数する。大入賞口20に入球した遊技球の個数は、遊技球が入球したことを示す検知信号をカウントスイッチSW5から入力した回数により把握できる。
次に、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技時間が経過したか否か、又は入球上限個数の遊技球が大入賞口20に入球したか否かを判定する(ステップS64)。ステップS64の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS64に戻る。つまり、主制御用CPU30aは、ステップS64を肯定判定するまで、ステップS64を実行する。
一方、ステップS64の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技の終了に伴い、大入賞口20を閉鎖させる(ステップS65)。ステップS65において、主制御用CPU30aは、大入賞口ソレノイドSOL2に対して、大入賞口扉21を閉動作させるよう、閉信号を出力する。
続いて、主制御用CPU30aは、ステップS65で終了させたラウンド遊技が、最終回のラウンド遊技であるか否かを判定する(ステップS66)。このとき、主制御用CPU30aは、ステップS61でセットしたラウンドコマンドが特定するラウンド遊技が「15」であるか否かを判定することで、最終回のラウンド遊技であるか否かを判定している。ステップS66の判定結果が否定の場合、最終回のラウンド遊技が開始されていないため、主制御用CPU30aは、大当り遊技処理を終了する。この場合、主制御用CPU30aは、次回のラウンド遊技を開始させるために、予め定めたラウンド間インターバル時間の経過後、再度、ステップS60からの処理を行う。
一方、ステップS66の判定結果が肯定の場合、最終回のラウンド遊技が終了したため、主制御用CPU30aは、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを送信バッファにセットする(ステップS67)。エンディングコマンドは、次周期からの制御周期において出力される。
なお、主制御用CPU30aは、エンディングコマンドを出力した後、エンディング演出の演出時間の計時を開始する。この計時は、主制御用RAM30cに、エンディング演出の演出時間を設定し、制御周期毎(4ms毎)に制御周期分の時間を減算することによって行う。そして、主制御用RAM30cに設定した演出時間の経過後、主制御用CPU30aは、大当り遊技の実行中ではないことを示す値「00H」をシステムフラグにセットする(ステップS68)。その後、主制御用CPU30aは、大当り遊技処理を終了する。本実施形態では、大入賞口20の開閉制御を行う主制御用CPU30aが、特別入賞口制御手段として機能する。そして、主制御用CPU30aは、システムフラグに「01H」がセットされている期間中、所定の制御周期毎に大当り遊技処理を実行する。
このように、図5に示すステップS14において、大当り待機状態であることを示す値「02H」がシステムフラグにセットされていると判定された場合に限って、システムフラグに「01H」をセット可能(ステップS15)、つまり、大当り遊技処理に移行可能である。また、ステップS14の判定は、第3始動入賞口18に遊技球が入球した場合のみ実行される。このため、大当り変動となる第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームの終了後に第3始動入賞口18に遊技球が入球した場合に限って、大当り遊技が開始される。
また、図4のステップS11に示すように、第3始動入賞口18に入球した遊技球は、第2始動保留球として記憶される。これにより、大当り遊技において、大入賞口20を開放させるべく、第3始動入賞口18に遊技球を入球させると、第2始動保留球が記憶される。このため、大当り遊技の終了後に第2始動保留球が必ず記憶されることになり、非変短状態時など第2始動入賞口16に遊技球が入球し難い状況であっても、第1図柄変動ゲームよりも優先して第2図柄変動ゲームが実行される。
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当りの種類毎に設定された変短上限回数を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、特図ゲームの終了時に作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、「低確+変短なし」となる。
本実施形態では、作動フラグに設定する値や作動コマンド及び非作動コマンドの出力状態によって、変短状態の付与態様を制御する主制御用CPU30aが、遊技状態制御手段として機能する。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する処理を説明する。
主制御用CPU30aは、メイン制御プログラムに基づき普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理を実行する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、普通図柄入力処理を説明する。
主制御用CPU30aは、作動ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算(+1)し、普図保留記憶数を書き換える。その後、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理を説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中又は普図当り抽選の当選に基づく開閉羽根17の動作中か否かの普図実行条件を判定する。この判定結果が肯定(普図ゲーム中又は開閉羽根17の動作中である)の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(普図ゲーム中ではなく、かつ開閉羽根17の動作中でもない)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの普図保留判定を行う。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普図保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグを確認し、非変短状態の場合、非変短状態用の普図当り判定値を用いる一方で、変短状態の場合、変短状態用の普図当り判定値を用いる。この遊技状態に応じた普図当り判定値の選択により、変短状態中は、普図当り判定(普図当り抽選)の抽選確率が高確率に変動する。
また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を定めた普図用の変動パターンを選択する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態の場合、第1の変動時間(例えば5秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する一方で、遊技状態が変短状態の場合、第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(例えば1秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する。この遊技状態に応じた変動時間の異なる変動パターンの選択により、変短状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮される。
続いて、主制御用CPU30aは、当該変動パターンに従って普通図柄表示装置14に普図ゲームを実行させる。そして、主制御用CPU30aは、普図用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当り判定を肯定判定している場合には当り図柄を普通図柄表示装置14に確定停止表示させる一方で、普図当り判定を否定判定している場合にははずれ図柄を普通図柄表示装置14に確定停止表示させる。
また、普図当り判定を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームの終了後(当り図柄の確定停止表示後)、開閉羽根17を所定の動作パターンに従って開閉動作させる。主制御用CPU30aは、非変短状態時の場合、開閉羽根17を、第1開放時間(本実施形態では0.2秒)で第1回数(本実施形態では1回)分、開放動作させる。一方、主制御用CPU30aは、変短状態時の場合、開閉羽根17を、第1開放時間よりも長い第2開放時間(本実施形態では1.5秒)で、第1回数よりも多い第2回数(本実施形態では3回)分、開放動作させる。この遊技状態に応じた異なる動作パターンによる開閉羽根17の開放動作の制御により、変短状態中は、開閉羽根17の開放時間が長くなる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図を決定する。特図として大当り図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせ(例えば、[777])を決定する。
その一方で、特図としてはずれ図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。その一方、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、画像データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。その後、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
また、演出制御用CPU31aは、第1保留指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される第1保留記憶数に対応するように第1保留画像表示領域Ha(個別表示領域H1a〜H4a)の画像表示を制御する。同様に、演出制御用CPU31aは、第2保留指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される第2保留記憶数に対応するように第2保留画像表示領域Hb(個別表示領域H1b〜H4b)の画像表示を制御する。
以下、大当り待機状態中に演出制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
演出制御用CPU31aは、大当り待機状態指示コマンドを入力すると、大当り待機状態であることを示す大当り待機演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。大当り待機演出は、例えば、図10(a)に示すように、「おめでとう 右を狙って第3始動口に入れてね」のようなメッセージと、遊技球を入球させるべき第3始動入賞口18を示す矢印画像Qを表示させる態様で実行される。
その後、大当り待機状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球したことを指示する入球指示信号を主制御用CPU30aから入力すると、演出制御用CPU31aは、大当り待機状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球したことを認識する。そして、大当り遊技処理によって、ラウンドコマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、大当り待機演出を終了させ、ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。同様に、大当り遊技処理によって、エンディングコマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、エンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第2保留画像表示領域Hbを用いて、保留変化演出が実行される。
以下、保留変化演出を実行させるために演出制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
事前判定コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、遊技演出の一環として事前演出を実行させる。ただし、大当り用の事前判定コマンド「D3xxH」を入力した場合、演出制御用CPU31aは、必ず事前演出を実行させるが、リーチ用の事前判定コマンド「D4xxH」を入力した場合、事前演出を実行させるか否かの実行抽選を行い、実行抽選に当選した場合に限って事前演出を実行させる。
演出制御用CPU31aは、事前演出として、事前演出の対象となる第2始動保留球に対応する第2保留画像表示領域Hbの個別表示領域Hb1〜Hb4の表示態様を、事前演出用の表示態様とする。図10(a)では、事前演出用の表示態様を「ハート型」とする一方で、事前演出が行われない個別表示領域及び第1保留画像表示領域Haの表示態様を「丸型」としている。このとき、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドに設定された第2始動保留球を示す情報から、事前演出用の表示態様とする第2始動保留球に対応する個別表示領域を特定する。そして、その特定した個別表示領域の表示態様を事前演出用の表示態様とする。事前演出の実行は、事前判定コマンドが第3始動入賞口18への入球に伴って出力されることから、その入球とほぼ同一時期に実行されることなる。
また、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力すると、まず、大当り用の事前判定コマンド「D3xxH」であるか否かを判定する。「D3xxH」を入力している場合、演出制御用RAM31cに定められている第2保留記憶数毎に設定された記憶領域のうち、該コマンドで特定される第2保留記憶数と対応する記憶領域に事前判定コマンドを記憶する。一方、リーチ用の事前判定コマンド「D4xxH」を入力している場合、実行抽選に当選した場合のみ、事前判定コマンドを、該コマンドで特定される第2保留記憶数と対応する記憶領域に記憶する。
そして、演出制御用CPU31aは、第2図柄変動ゲームの開始毎に、事前判定コマンドを、入球順序が1つ前の第2保留記憶数に対応する記憶領域に1つずつスライドさせる。なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の開始時に事前判定コマンドを記憶している場合、記憶している事前判定コマンドを消去する。これにより、事前判定コマンドは消去されるが、第2保留指定コマンドは消去されないので、第2保留画像表示領域Hbにおいて事前演出は実行されないが、始動保留球自体が無効となるわけではない。
事前判定コマンドのスライドにより、演出制御用CPU31aは、事前演出を実行させると、以降、第2図柄変動ゲームが開始される毎に第2保留記憶数が1減算されることに伴い、その減算結果に追従させて事前演出の対象となる始動保留球に対応する個別表示領域の表示態様を変更させる。
例えば、事前判定コマンドによって第2保留記憶数「3」が特定されている場合、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドの入力時には事前演出の対象となる第2保留記憶数「3」に対応する個別表示領域Hb3の表示態様を事前演出用の表示態様とする。その後、演出制御用CPU31aは、新たな第2図柄変動ゲームの開始により第2保留記憶数が1減算されて「2」に変更されることに伴い、第2保留記憶数「2」に対応する個別表示領域Hb2の表示態様を事前演出用の表示態様とする。
ところで、第3始動入賞口18に遊技球が入球したが、事前大当り判定及び事前リーチ判定が肯定判定されなかった場合、事前判定コマンドは出力されない。これにより、演出制御用CPU31aは、第3始動入賞口18に遊技球が入球した場合であっても、事前演出用の表示態様に変更しない。
本実施形態では、事前演出を演出表示装置11に実行させる演出制御用CPU31aが、演出制御手段として機能する。
次に、大当り遊技が生起されるまでの流れ及び保留変化演出の態様について、図10(a),(b)に従って説明する。なお、図中、「特1」及び「特2」の横に記載された「○(まる)」は、それぞれ個別表示領域を示す。また、図中、「特1」よりも上部に記載された「1,2,3,4」の数字は、それぞれ保留記憶数を示す。さらに、図中、「第1ゲーム」は、第1図柄変動ゲームを示し、「第2ゲーム」は、第2図柄変動ゲームを示している。また、図中、「第2始動口」は、第2始動入賞口16を示す一方で、「第3始動口」は、第3始動入賞口18を示している。
図10(a)に示すように、非変短状態中は、第2始動入賞口16に遊技球が入球し難いため、遊技者は、第1始動入賞口15を狙って遊技球を発射させる。そして、時点a1に示すように、非変短状態中に行われた第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選したとする。
この場合、時点a2に示すように、大当り変動となる第1図柄変動ゲームの終了後、演出表示装置11では、大当り待機演出が行われる。このとき、演出表示装置11では、第3始動入賞口18を狙うことを指示するメッセージと、第3始動入賞口18を示す矢印画像Qが表示される。これにより、遊技者は、大当り遊技を開始させるために第3始動入賞口18を狙う必要があることを認識する。そして、遊技者は、発射ハンドルHDの操作量を変更し、第3始動入賞口18に向けて遊技球を発射させる。
そして、大当り待機状態中、時点a3に示すタイミングで第3始動入賞口18に遊技球が入球すると、第2保留記憶数が上限数を超えていない場合、その遊技球が第2始動保留球として記憶される。時点a3のタイミングでは、第3始動入賞口18に入球した遊技球が第2保留記憶数「1」として記憶されている。
また、時点a3のタイミングで第3始動入賞口18に入球した遊技球に基づいて行われる事前大当り判定及び事前リーチ判定が、いずれも否定判定されたとすると、事前判定コマンドが出力されない。よって、個別表示領域Hb1における保留有表示の態様は、「丸型」となる。
そして、大当り待機状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球したことにより、大当り遊技が開始される。また、第2始動保留球が記憶されているため、時点a4に示すように、大当り遊技終了後、第2図柄変動ゲームが実行される。
このように、大当り遊技を開始させるべく、第3始動入賞口18に遊技球を入球させる構成とすることで、大当り遊技の開始条件とともに第2図柄変動ゲームの始動条件が成立する。よって、第2始動入賞口16に遊技球が入球し難い非変短状態中であっても、第3始動入賞口18に遊技球を入球させることで第2始動保留球を得ることができるため、大当り遊技終了後、変短状態の付与対象となる1回目の図柄変動ゲームを、第2図柄変動ゲームとすることができる。
また、大当り遊技終了後には、変短状態が付与されることから、第2始動入賞口16に遊技球が入球し易い。よって、遊技者は、大当り遊技中における発射ハンドルHDの操作量を大幅に変更することなく、第2始動入賞口16を狙うことになる。そして、第2図柄変動ゲームの実行中、時点a5に示すタイミングで第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、その遊技球が第2始動保留球として記憶される。
本実施形態では、第2始動入賞口16で遊技球が検知された場合、図6に示すコマンド設定処理が実行されない。これにより、事前演出は行われず、個別表示領域Hb1における保留有表示の態様は、「丸型」となる。なお、本実施形態では、第3始動入賞口18に遊技球が入球した場合であっても、事前大当り判定又は事前リーチ判定が肯定判定されない限り、事前判定コマンドが出力されない。このような場合、遊技者は、第2保留画像表示領域Hbの表示態様から、第2,第3始動入賞口16,18のどちらに入球したのかを区別し得ない。
次に、保留変化演出の実行態様について説明する。
図10(b)に示すように、変短状態中に行われた第2図柄変動ゲームで大当り抽選に当選したとする(時点b1)。なお、第2,第3始動入賞口16,18は、同一の流下経路上に位置するように配置されているため、第2始動入賞口16を狙って遊技球を発射させた場合であっても、第3始動入賞口18に遊技球が入球し得る。そして、大当り変動となる第2図柄変動ゲームの実行中、時点b2のタイミングで第3始動入賞口18に遊技球が入球したとすると、その遊技球が第2始動保留球として記憶される。時点b2のタイミングでは、第3始動入賞口18に入球した遊技球が第2保留記憶数「2」として記憶されている。
また、この遊技球に基づく事前大当り判定が肯定判定されたとすると、個別表示領域Hb2における保留有表示の態様は、事前演出用の表示態様である「ハート型」となる。これにより、遊技者は、第2保留記憶数「2」が、第3始動入賞口18に入球したこと、及び大当りとなる可能性があることを認識する。
そして、時点b3に示すように、大当り変動となる第2図柄変動ゲームの終了後、演出表示装置11では、大当り待機演出が行われる。大当り待機状態中、時点b4に示すタイミングで第3始動入賞口18に遊技球が入球すると、その遊技球が第2始動保留球として記憶される。
そして、大当り待機状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球したことにより、大当り遊技が開始される。このとき、遊技者は、大入賞口20に向けて遊技球を発射させることになるが、大入賞口20と第3始動入賞口18は、同一の流下経路上に位置するように配置されている。よって、時点b5に示すように、大当り遊技中に第3始動入賞口18に遊技球が入球することもある。そして、第3始動入賞口18に入球したのであれば、第2始動保留球として記憶される。
そして、大当り遊技終了後は、時点b6に示すように第2図柄変動ゲームが実行される。時点b6では、第2保留記憶数が1減算されて「3」に変更されることに伴い、第2保留記憶数「1」に対応する個別表示領域Hb1の表示態様が、事前演出用の表示態様となる。そして、時点b6のタイミングで実行された第2図柄変動ゲームの終了後、新たな第2図柄変動ゲームが開始される(時点b7)。なお、時点b7のタイミングで実行される第2図柄変動ゲームは、事前大当り判定で大当りと判定されているため、事前演出で予告されたとおり、大当り変動となる。そして、第2図柄変動ゲームの終了後、時点b8に示すように、演出表示装置11では、大当り待機演出が行われる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)大当り遊技において、大入賞口20を開放させるべく、第3始動入賞口18に遊技球を入球させると、第2始動保留球が記憶されることになる。このため、大当り遊技の終了後に第2始動保留球が必ず記憶されることになり、第1図柄変動ゲームよりも優先して第2図柄変動ゲームが実行される。したがって、大当り遊技の終了後において、有利度合いが高い第2図柄変動ゲームを第1図柄変動ゲームに比して優先して実行させることができ、遊技に対する興趣の減退を抑制することができる。
(2)また、非変短状態中、第2始動入賞口16を狙って遊技球を発射させたとしても、第1始動入賞口15と比較すると第2始動入賞口16に遊技球が入球し難いため、第2図柄変動ゲームの実行権利が得られ難い。そこで、非変短状態中、遊技者は、第1始動入賞口15を狙って遊技球を発射させることになる。そして、第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選した後、大入賞口20を開放させるべく、第3始動入賞口18に遊技球を入球させることで、変短状態が付与されていない期間中、第2始動入賞口16に遊技球を入球させなくても、第2図柄変動ゲームの始動条件が得られることになる。よって、大当り遊技の終了後において、有利度合いが高い第2図柄変動ゲームを第1図柄変動ゲームに比して優先して実行させることができ、遊技に対する興趣の減退を抑制することができる。
(3)一定の入球確率で第1始動入賞口15及び第3始動入賞口18に遊技球が入球し得る場合、大当りの有利度合いの高い第2図柄変動ゲームの始動条件を得るために、遊技者は、第3始動入賞口18を狙って遊技球を発射しがちである。この場合、本来であれば、非変短状態中は、主に第1図柄変動ゲームが行われるため、大当り抽選に当選しても、第2図柄変動ゲームよりも有利度の低い大当りが付与される。ところが、非変短状態であるにも係わらず、第2図柄変動ゲームを容易に実行可能とすると、大当り抽選に当選した際には、第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選したときよりも有利度の高い大当りが付与されることになる。これにより、本来、非変短状態中には得られ難い大当り種が遊技者に獲得され易くなってしまい、総賞球払出個数の面で遊技店側が損をしてしまう。したがって、非変短状態時には、第1始動入賞口15よりも第3始動入賞口18に遊技球が入球し難くすることで、非変短状態中、遊技者は、第1始動入賞口15を狙うことになる。これにより、総賞球払出個数の面で遊技店側が損をしない。
(4)また、一般的に、非変短状態時は、主に、大当りの有利度の低い第1図柄変動ゲームが行われるが、第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選したときには、大当り遊技終了後、大当りの有利度合いの高い第2図柄変動ゲームに切り替わるため、遊技者は、ゲームの主体を第2図柄変動ゲームに切り替えることを一種の目的として遊技を行う傾向にある。したがって、変短状態の付与状態に係わらず、第2図柄変動ゲームばかり行われた場合、第1図柄変動ゲームから第2図柄変動ゲームへ切り替わる楽しみが削がれることなる。よって、非変短状態時には、第1始動入賞口15よりも第3始動入賞口18に遊技球が入球し難くすることで、ゲームの主体を切り替える楽しみを残しつつ、大当り遊技終了後、最初に第2図柄変動ゲームを実行させることができる。
(5)第1始動入賞口15への遊技球の入球を試みる場合には、第1流下経路(実施形態では、図2の矢印Y1で示す経路)を経由するように遊技球を発射させる。この第1流下経路上には、第2,第3始動入賞口16,18が配置されていないので、遊技球が第1流下経路を転動した場合、第2,第3始動入賞口16,18に遊技球が入球しない。これにより、第1流下経路を経由して第1始動入賞口15へ入球した遊技球に基づく第1図柄変動ゲームが大当りとなる場合には、大入賞口20を開放させるために流下経路を変更させる必要がある。そして、第3始動入賞口18は、大入賞口20と同じ流下経路上に配置されているので、第3始動入賞口18に遊技球を入球させることで、大当り遊技の開始条件を付与することができる。加えて、第3始動入賞口18に入球した遊技球が第2始動保留球として記憶されるため、大当り遊技の終了後において、有利度合いが高い第2図柄変動ゲームを第1図柄変動ゲームに比して優先して実行させることができ、遊技に対する興趣の減退を抑制することができる。
(6)大入賞口20への遊技球の入球を試みる場合には、第2流下経路(実施形態では、図2の矢印Y2で示す経路)を経由するように遊技球を発射させることになる。第3始動入賞口18と大入賞口20は、同一の流下経路上に位置するように配置されているため、大入賞口20を狙っていても、第3始動入賞口18に遊技球が入球することがある。これにより、大当り遊技中に第2始動保留球が記憶され易くなり、大当り遊技の終了後において、有利度合いが高い第2図柄変動ゲームを第1図柄変動ゲームに比して優先して実行させることができ、遊技に対する興趣の減退を抑制することができる。
(7)第3始動入賞口18は、大入賞口20を開放させることのできる唯一の始動入賞口である。そして、第2保留画像表示領域Hbの表示態様から、第3始動入賞口18に入球した遊技球に基づく大当り判定の判定結果が示唆されているのかを特定可能とすることで、遊技者は、第3始動入賞口18に入球すると、大入賞口20が開放するとともに特別な予告演出が実行される可能性があることを認識する。よって、その他の始動入賞口に比して第3始動入賞口18の特殊性をより一層、認識させることができる。
(8)また、第2始動入賞口16に入球したときと、第3始動入賞口18に入球したときとで、保留有の表示態様が異なる場合、第3始動入賞口18に入球して保留された第2始動保留球と、第2始動入賞口16に入球して保留された第2始動保留球との区別が付け易くなる。
(9)なお、第3始動入賞口18に遊技球が入球した場合であっても、事前大当り判定及び事前リーチ判定が否定判定された場合は、事前演出が実行されない。また、実行抽選に当選しなかった場合も、事前演出は実行されない。この場合、第3始動入賞口18に入球した遊技球は、第2始動入賞口16に入球した遊技球と同一の態様で、保留有表示が行われることになる。したがって、第2保留画像表示領域Hbの表示態様から、第2,第3始動入賞口16,18のどちらに入球したのかを区別し難くすることができる。本実施形態では、第3始動入賞口18に入球したことを契機に事前演出の実行条件が成立するが、第2始動入賞口16に遊技球が入球しても事前演出の実行条件が成立しない。よって、事前演出が実行されて初めて、第3始動入賞口18への入球が第2始動入賞口16への入球よりも有利となる。それにもかかわらず、事前抽選に当選しなかった等して事前演出が実行されなかった場合、第2始動入賞口16に入球したときと同じ現象が生じるため、第3始動入賞口18への入球が有利であることを遊技者が体感することができない。ただし、第2始動入賞口16に入球した遊技球と同一の態様で保留有表示を行うことで、事前演出が起こらなかった場合であっても、もともと事前演出の対象ではない第2始動入賞口16に入球したと感じさせることもできるので、遊技者を落胆させることがない。なお、「同一の態様」とは、保留変化演出が実行されず、単に保留有の表示態様となることを指す。
(10)第2,第3始動入賞口16,18を同一の流下経路上に位置するように配置した。これにより、変短状態中、作動ゲート19を遊技球が通過しなかったり、普図ゲームに当選しなかった場合であったりしても、第3始動入賞口18に遊技球を入球させることができたのであれば、第2始動保留球を得ることができる。
(11)演出表示装置11にて行う大当り待機演出では、第3始動入賞口18を狙うことを指示するメッセージと、第3始動入賞口18を示す矢印画像Qを表示させるようにした。これにより、遊技者は、大当り遊技を開始させるために第3始動入賞口18を狙う必要があることを認識することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・実施形態では、事前大当り判定及び事前リーチ判定を行わず、第3始動入賞口18に遊技球が入球したことのみに基づいて、保留変化演出を実行させても良い。
・実施形態において、事前大当り判定又は事前リーチ判定に当選した場合、事前判定コマンドを分けずに共通化しても良い。これによれば、大当り時とリーチ時において、必ず事前演出を実行することができる。
・実施形態では、第3始動入賞口18への入球時にリーチ演出を伴わないはずれと事前判定された場合であっても、事前演出を実行させるようにしても良い。
・実施形態では、第2始動入賞口16に遊技球が入球した際にも、保留変化演出を実行させるようにしても良い。ただし、第3始動入賞口18への入球に基づいて行われる保留変化演出(事前演出)の実行確率よりも、第2始動入賞口16への入球に基づいて行われる保留変化演出(事前演出)の実行確率を低くすることが好ましい。これにより、第2始動入賞口16に遊技球が入球した場合よりも、第3始動入賞口18に遊技球が入球した方が、高確率で保留変化演出が実行されるため、その他の始動入賞口に比して、第3始動入賞口18の特殊性をより一層、認識させることができる。
・実施形態における事前演出を、発光演出を行うランプや、音声演出を行うスピーカなどで実行しても良い。
・実施形態において、第3始動入賞口18に入球したことを示す演出は、保留変化演出に限られない。例えば、第3始動入賞口18に入球したことに基づいて実行される第2図柄変動ゲーム中、第1,第2始動入賞口15,16に入球したことに基づいて実行される図柄変動ゲーム中には行われない予告演出やリーチ演出を実行させるようにしても良い。また、第3始動入賞口18に入球したことを直接報知するのではなく、間接的に報知する態様であっても良い。例えば、実施形態では、大当り待機状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球すると、大当り遊技が開始されることになる。大入賞口20が開放するということは、第3始動入賞口18に遊技球が入球したことになるので、「大入賞口が開放するよ」など、大入賞口20に係る報知を実行することで、第3始動入賞口18に遊技球が入球したことが間接的に報知されることになる。
・実施形態では、遊技球が入球したときの遊技状態が非変短状態又は変短状態であるかによって、大当り待機演出の報知態様を異ならせても良い。例えば、非変短状態中、遊技者は、第1流下経路を流下させるように遊技球を発射させているため、遊技盤10右方に配置された第3始動入賞口18に遊技球を入球させるために「右を狙って第3始動口に入れてね」などのメッセージを表示させることが好ましい。一方、変短状態中、遊技者は、第2流下経路を流下させるように遊技球を発射させているため、既に右を狙っている状態となる。そこで、変短状態中は、非変短状態中とは異なる報知態様として、「大当りおめでとう」などの異なるメッセージを表示させることが好ましい。なお、変短状態中は、大当り待機演出そのものを実行しなくても良い。
・実施形態では、第2入賞口16aの周囲に障害釘K等を配置して、非変短状態中は、第2始動入賞口16に遊技球を入球不能な構成としても良い。
・実施形態において、第1流下経路から遊技球を転動させた場合であっても、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、又は作動ゲート19のいずれかに遊技球が入球可能となるように配置しても良い。ただし、非変短状態時において、第1始動入賞口15よりも第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、又は作動ゲート19に遊技球が入球し難い配置とすることが好ましい。
・実施形態において、第2流下経路から遊技球を転動させた場合であっても、第1始動入賞口15に遊技球が入球可能となるように配置しても良い。ただし、変短状態時において、第2始動入賞口16、第3始動入賞口18、及び作動ゲート19よりも、第1始動入賞口15に遊技球が入球し難い配置とすることが好ましい。
・実施形態における第3始動入賞口18は、作動ゲート19のように、遊技球を通過させるゲート形状としても良い。これによれば、第3始動入賞口18を通過した遊技球が、さらに第2始動入賞口16に入球する可能性がある。よって、1球の遊技球で第2始動保留球を2球獲得することが可能となる。
・実施形態では、同一の流下経路において、第3始動入賞口18よりも上流に第2始動入賞口16を配置しても良い。
・実施形態では、第2始動入賞口16と第3始動入賞口18を、発射ハンドルHDの操作量を調節することで、いずれか一方を狙えるような配置としても良い。または、作動ゲート19よりも上流に第3始動入賞口18を配置しても良い。また、第3始動入賞口18を、演出表示装置11よりも上方に配置しても良いし、遊技盤10の左側領域に配置しても良い。第2,第3始動入賞口16,18は、どちらの第2図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。ただし、第3始動入賞口18は、常時開口している一方で、第2始動入賞口16は、普図当り抽選に当選した場合のみ、開閉羽根17が開放する。通常、非変短状態中は、第2始動入賞口16に遊技球が入球し難いため、遊技者は、第1始動入賞口15を狙って遊技球を発射させることになる。ただし、非変短状態中であっても、第3始動入賞口18を狙えるような配置とすると、大当りの有利度合いが高く設定された第2図柄変動ゲームの始動条件を得るために、遊技者は、第1始動入賞口15ではなく、第3始動入賞口18を狙って遊技球を発射させてしまい、遊技店の利益が損なわれることも考えられる。そこで、第3始動入賞口18に遊技球を容易に入球可能な配置とする場合には、非変短状態中に行われる第2図柄変動ゲームの変動時間を第1図柄変動ゲームに比して長く設定し(例えば、1分)、図柄変動ゲームの消化効率を下げるなどの設定とすることが好ましい。また、非変短状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球した際には、「左打ちに戻してね」など、第1始動入賞口15を狙うことを促すような演出を実行させても良い。また、第2流下経路において、第3始動入賞口18よりも上流に、第3入賞口18aの開閉を制御するシャッターなどの開閉部材を設け、非変短状態中は開閉部材を閉状態とし、少なくともシステムフラグに「02H」がセットされた後は、開閉部材を開状態とするようにしても良い。
・実施形態では、大当り遊技の開始時に第2始動保留球が1球以上記憶されているか否かを判定し、1球以上記憶されている場合には、そのまま大当り遊技を開始させても良い。その一方、第2始動保留球が記憶されていない場合には、第3始動入賞口18に遊技球が入球したことを契機として、大当り遊技を開始させるようにしても良い。
・実施形態では、大当り遊技終了後、最初に第2図柄変動ゲームが行われたら良いため、大当り終了時までに第2始動保留球を得られることができるのであれば、第3始動入賞口18への遊技球の入球を必要とすることなく大当り遊技を開始させても良い。つまり、大当り図柄が導出されたことを契機として大当り遊技を開始させても良い。大入賞口20と同一の流下経路上に位置するように第3始動入賞口18が配置されていれば、大当り遊技中に第3始動入賞口18に遊技球が入球する可能性がある。よって、大当り遊技を開始させるために第3始動入賞口18に遊技球を入球させなくても、大当り遊技終了後、最初に第2図柄変動ゲームが実行される可能性がある。これにより、第3始動入賞口18を設けなくても、大当り遊技終了後、最初に第2図柄変動ゲームを実行することが可能となる。
・実施形態において、第3始動入賞口18を設けず、第1図柄変動ゲームが終了する時点において第2始動保留球が記憶されている場合に限って大当り遊技を開始させても良い。また、第1図柄変動ゲームで大当り表示結果が表示されてから第2始動保留球が記憶されるまでの間、大当り遊技の開始を延期しても良い。
・実施形態において、第2図柄変動ゲームで大当り抽選に当選した場合、第3始動入賞口18への遊技球の入球を必要とすることなく大当り遊技を開始させても良い。つまり、大当り図柄が導出されたことを契機として大当り遊技を開始させても良い。第2図柄変動ゲームは、第2始動入賞口16に遊技球が入球した際に実行される。また、第2始動入賞口16に遊技球が入球したということは、変短状態が付与されている可能性が高い。そして、変短状態中は、第2始動入賞口16に遊技球が入球し易いため、第3始動入賞口18に遊技球が入球しなくても、第2始動保留球が上限数まで記憶され易い。よって、第2図柄変動ゲームで大当り抽選に当選した場合、第3始動入賞口18への遊技球の入球を必要とすることなく大当り遊技を開始させることで、第3始動入賞口18を狙って遊技球を発射させる手間が省けるため、無駄球が発生し難く、かつスムーズに大当り遊技を消化させることができる。
・実施形態では、大当り待機演出と大当り遊技が開始することを示すオープニング演出を分けて実行しても良い。すなわち、大当り変動となる第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームの終了後に大当り待機状態を生起させる。そして、大当り待機状態中に第3始動入賞口18に遊技球が入球したことを契機に、オープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを、演出制御基板31に出力する態様であっても良い。
・実施形態は、ラウンド遊技毎に第3始動入賞口18に遊技球を入球させないと、大入賞口20が開放しないような態様としても良い。
・実施形態における大当りの有利度の高低は、確変状態の有無、確変状態が付与される確率、付与される変短状態の付与回数、総賞球獲得数の違いなどとしても良い。なお、大当りの有利度の高低を「確変状態の有無」又は「確変状態が付与される確率」とする場合、以下のような構成のパチンコ遊技機を採用しても良い。
すなわち、大入賞口の奥方に特別入賞口を設け、特別入賞口を通過した場合に限り、大当り遊技終了後、確変状態を付与するような構成のパチンコ遊技機である。そして、大当り変動となる第1図柄変動ゲームでの大入賞口の開放時間(例えば、0.3秒)を、大当り変動となる第2図柄変動ゲームでの大入賞口の開放時間(例えば、25秒)よりも短く設定したとする。また、大当り変動となる第1図柄変動ゲームにおける上限ラウンド数(例えば、2回)を、大当り変動となる第2図柄変動ゲームにおける上限ラウンド数(例えば、15回)よりも少なく設定したとする。このような場合、確変状態は、大入賞口を通過したことを契機に付与されるため、大入賞口の開放時間が短くなるに連れて、特別入賞口に入球するチャンスも減少することになる。すると、第1図柄変動ゲームに基づく大当り遊技終了後は、第2図柄変動ゲームに比して確変状態が付与され難くなる。このような構成により、確変状態の有無又は確変状態が付与される確率の違いを生じさせることができる。そして、第2図柄変動ゲームよりも第1図柄変動ゲームにおいて確変状態が付与され難い場合、大当り遊技終了後、変短状態の付与時に第2始動保留球が記憶されていないと、大当り抽選に当選しても確変状態が付与され難い第1図柄変動ゲームから開始されることになる。そこで、本実施形態のように大当り遊技を開始させるべく、第3始動入賞口18に遊技球を入球させ、かつその遊技球を第2始動保留球として記憶させる構成とすれば、確変状態の付与割合が第1,第2図柄変動ゲームにおいて異なるパチンコ遊技機においても、大当り遊技終了後、第2図柄変動ゲームを実行させることができる。また、第1,第2図柄変動ゲームにおいて、大入賞口の開放時間を同一とするが、特別入賞口の入り口にシャッターなどの開閉部材を設けるような構成としても良い。この場合、大当り変動となる第1図柄変動ゲームでは、開閉部材によって特別入賞口を閉状態とすることで、大入賞口の開放時間を異ならせなくても、特別入賞口に遊技球が入り難くなる。
・実施形態は、1種,2種混合のパチンコ遊技機に搭載しても良い。なお、第1種パチンコ遊技機とは、始動入賞口への遊技球の入球を契機に図柄の変動が開始され、所定の図柄の図柄組み合わせが確定停止表示された場合に大当りとなるパチンコ遊技機を指す。また、第2種パチンコ遊技機とは、例えば、始動入賞口への遊技球の入球を契機に特別電動役物が開放し、当該電動役物内の特別領域(所謂、Vゾーン)へ遊技球が入球すると大当りとなるパチンコ遊技機を指す。そして、1種,2種混合のパチンコ遊技機とは、次のようなパチンコ遊技機を指す。すなわち、始動入賞口への遊技球の入球を契機に図柄の変動が開始され、所定の図柄組み合わせが確定停止表示される。その後、特別電動役物によって閉状態とされた特別領域に遊技球を入球させるために、作動ゲートなどを通過させて特別電動役物を開放させる。そして、特別電動役物が開放したときに特別領域に遊技球を入球させることができたのであれば、大当りとなるようなパチンコ遊技機である。
このようなパチンコ遊技機において本実施形態の技術を採用すると、非変短状態時の第1図柄変動ゲームで大当り抽選に当選した後、遊技球を作動ゲートに入球(通過)させる。そして、遊技球が作動ゲートを通過すると、特別電動役物が開放し、該電動役物内の特別領域へ遊技球が入球したことを契機として、大当り遊技が開始されるとともに、第2始動保留球が記憶されることになる。
・ 実施形態では、第3始動入賞口を複数設けても良い。そして、第3始動入賞口毎に、第3始動入賞口に遊技球が入球した後に生起される大当り遊技の有利度合い又は大当り遊技終了後に付与される遊技状態の有利度合いが異なるように大当り種の選択割合を異ならせても良い。例えば、第3始動入賞口を遊技者から見て横方向に併設した場合、左側の第3始動入賞口には、10R確変大当りのみが生起されるように大当り種を対応付けても良い。一方、右側の第3始動入賞口には、15R確変大当り又は5R確変大当りが生起されるように大当り種を対応付けても良い。ただし、どちらの第3始動入賞口に入球した場合であっても、獲得賞球面に対する期待値は、略同一であることが前提である。大当り遊技は、遊技球が入球した第3始動入賞口に対応付けられた大当りのうち決定された大当りの種類に従って、第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームの終了後に開始される。よって、入球した第3始動入賞口の違いにより、付与される大当り遊技の有利度合いが異なることになる。そして、発射ハンドルHDの操作量を変化させることで、いずれか一方の第3始動入賞口を狙えるような構成とする場合、遊技者は、どの第3始動入賞口に遊技球を入球させるか選択することになる。よって、第3始動入賞口への遊技球の入球作業が、単に大入賞口を開放させるためだけの作業ではなくなるため、遊技者に選択させる楽しみを与えることができる。また、いずれか一方の第3始動入賞口に向かって遊技球を入球させる振分部材を設けても良い。これによれば、遊技者は、有利な大当りを付与する第3始動入賞口に向かって遊技球が入球するよう、振分部材によって振り分けられることを望むことになる。また、単位時間あたりの総賞球払出個数を同一とした上で、第3始動入賞口毎に大当り遊技中に行われるラウンド演出の態様を異ならせても良い。
・実施形態における変短状態は、普図ゲームの変動時間の短縮、普図当り抽選に抽選確率の向上、開閉羽根17の開放回数の増加、及び開閉羽根17の開放時間の増加のうち、少なくともいずれか1つを含んでいれば良い。
・実施形態における変短状態は、特図変動ゲームの変動時間、特に、はずれ表示結果が確定停止表示される特図変動ゲームの変動時間が、非変短状態中に比して短縮されることであっても良い。
・実施形態では、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を示す制御コマンドを出力しても良い。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに演出制御用CPU31aが、当りの種類を把握するようにしても良い。
・実施形態では、第1始動入賞口15に入球したことに基づいて行われるゲームと、第2始動入賞口16又は第3始動入賞口18に入球したことに基づいて行われるゲームにおいて、どちらか一方を、飾図を用いないゲームとしても良い。例えば、第1始動入賞口15に入球したことに基づいて行われるゲームでは、遊技者を投影する味方キャラと、味方キャラと対峙する敵キャラによる対戦をゲーム中の演出内容としても良い。そして、大当り抽選に当選した場合、味方キャラが敵キャラに勝利する態様でゲームを行う一方、リーチ抽選に当選した場合、味方キャラと敵キャラが引き分ける態様でゲームを行い、リーチ抽選に当選しなかった場合、味方キャラが敵キャラに敗北するような態様でゲームを行っても良い。
・実施形態では、演出表示装置11を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
・実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記予告演出は、保留中の第2図柄変動ゲームに個別に対応させて表示される保留情報の表示態様を変化させることで、前記第2始動保留球に基づいて行われる大当り判定の判定結果を示唆する保留変化演出であって、前記第2始動手段に入球して保留されている第2図柄変動ゲームの表示態様と、前記第3始動手段に入球して保留されている第2図柄変動ゲームの表示態様と、を異ならせた請求項5に記載の遊技機。
(ロ)前記特別入賞口制御手段は、前記第1図柄変動ゲーム又は前記第2図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された後に、前記第3始動手段への遊技球の入球を契機として、前記特別入賞口を開放させる請求項1に記載の遊技機。
(ハ)前記遊技領域には、前記第3始動手段が複数設置されているとともに、複数の前記第3始動手段のうちいずれか1つに遊技球を入球可能となるように前記第2流下経路が形成され、前記大当り遊技は、遊技球が入球した前記第3始動手段に対応付けられた大当りのうち決定された大当りの種類に従って、第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームの終了後に開始されるようになっており、前記第3始動手段毎に対応付ける大当りの種類又は大当りの種類の決定確率を異ならせた請求項3又は請求項4に記載の遊技機。
(ニ)遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域において遊技球が入球可能な第1始動手段と、前記遊技領域において遊技球が入球可能な第2始動手段と、前記第1始動手段による遊技球の入球を契機に図柄を変動表示させて行う第1図柄変動ゲームを表示する第1表示手段と、前記第2始動手段による遊技球の入球を契機に図柄を変動表示させて行う第2図柄変動ゲームを表示する第2表示手段と、を備え、前記第1図柄変動ゲーム又は前記第2図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示されたことを条件として、大当り遊技が生起される遊技機において、前記第1始動手段に遊技球が入球したときに前記第1図柄変動ゲームの実行の保留を示す第1始動保留球を記憶する第1保留記憶手段と、前記第2始動手段に遊技球が入球したときに前記第2図柄変動ゲームの実行の保留を示す第2始動保留球を記憶する第2保留記憶手段と、前記第1図柄変動ゲーム又は前記第2図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの大当り判定を実行する大当り判定手段と、大当り遊技中に開放され、前記遊技領域において遊技球が入球可能な特別入賞口と、前記特別入賞口の開閉制御を行う特別入賞口制御手段と、を備え、前記第2図柄変動ゲームにおける大当りは、前記第1図柄変動ゲームにおける大当りよりも有利度合いが高く規定され、前記大当り判定手段は、前記第2始動保留球が記憶されていない場合であって、前記第1始動保留球が記憶されている場合には、前記第1図柄変動ゲームの大当り判定を実行する一方で、前記第2始動保留球が記憶されている場合には、前記第1始動保留球の有無を問わずに前記第2図柄変動ゲームの大当り判定を実行し、前記特別入賞口制御手段は、前記第1図柄変動ゲームが終了する時点において前記第2始動保留球が記憶されている場合、大当り遊技を開始させる、又は前記第1図柄変動ゲームで前記大当り表示結果が表示されてから前記第2始動保留球が記憶されるまでの間、前記大当り遊技の開始を保留させる遊技機。
GH…画像表示部、Ha,Hb…保留画像表示領域、HD…発射ハンドル(発射装置)、Y1…矢印(第1流下経路を示す)、Y2…矢印(第2流下経路を示す)1…パチンコ遊技機、10…遊技盤、10a…遊技領域、11…演出表示装置(表示手段、演出実行手段)、15…第1始動入賞口(第1始動手段)、16…第2始動入賞口(第2始動手段)、18…第3始動入賞口(第3始動手段)、30a…主制御用CPU(大当り判定手段、特別入賞口制御手段、遊技状態制御手段)、31a…演出制御用CPU(演出制御手段)。

Claims (5)

  1. 遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域において遊技球が入球可能な第1始動手段と、前記遊技領域において遊技球が入球可能な第2始動手段と、前記第1始動手段による遊技球の入球を契機に図柄を変動表示させて行う第1図柄変動ゲームを表示する第1表示手段と、前記第2始動手段による遊技球の入球を契機に図柄を変動表示させて行う第2図柄変動ゲームを表示する第2表示手段と、を備え、前記第1図柄変動ゲーム又は前記第2図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示されたことを条件として、大当り遊技が生起される遊技機において、
    前記第1始動手段に遊技球が入球したときに前記第1図柄変動ゲームの実行の保留を示す第1始動保留球を記憶する第1保留記憶手段と、
    前記第2始動手段に遊技球が入球したときに前記第2図柄変動ゲームの実行の保留を示す第2始動保留球を記憶する第2保留記憶手段と、
    前記第1図柄変動ゲーム又は前記第2図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの大当り判定を実行する大当り判定手段と、
    大当り遊技終了後において、前記第2始動手段への単位時間あたりの遊技球の入球確率を向上させる入球率向上状態の付与状態を制御する遊技状態制御手段と、
    前記遊技領域において遊技球が入球可能な第3始動手段と、
    大当り遊技中に開放され、前記遊技領域において遊技球が入球可能な特別入賞口と、
    前記特別入賞口の開閉制御を行う特別入賞口制御手段と、を備え、
    前記第1始動手段は、一定の入球確率で遊技球が入球し得るように構成される一方で、前記第2始動手段は、前記入球率向上状態が付与されていない非入球率向上状態時よりも前記入球率向上状態の付与時に遊技球が入球し易くなるように構成され、
    前記第2図柄変動ゲームにおける大当りは、前記第1図柄変動ゲームにおける大当りよりも有利度合いが高く規定され、
    前記大当り判定手段は、前記第2始動保留球が記憶されていない場合であって、前記第1始動保留球が記憶されている場合には、前記第1図柄変動ゲームの大当り判定を実行する一方で、前記第2始動保留球が記憶されている場合には、前記第1始動保留球の有無を問わずに前記第2図柄変動ゲームの大当り判定を実行し、
    前記特別入賞口制御手段は、前記非入球率向上状態時に行われた前記第1図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された後に、前記第3始動手段への遊技球の入球を契機として大当り遊技を開始させ、
    前記第2保留記憶手段は、前記第3始動手段に遊技球が入球したときに第2始動保留球を記憶する遊技機。
  2. 前記第3始動手段は、一定の入球確率で遊技球が入球し得るように構成され、前記非入球率向上状態時では、前記第1始動手段よりも前記第3始動手段に遊技球が入球し難い、又は前記第1図柄変動ゲームの消化効率よりも前記第2図柄変動ゲームの消化効率が低い請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技領域に遊技球を発射させる発射装置を備え、
    前記遊技領域には、前記発射装置によって発射された遊技球が流下可能な第1流下経路と第2流下経路とが形成され、
    前記第1流下経路は、前記第1始動手段に遊技球が入球し易く、前記第2始動手段及び前記第3始動手段に遊技球が入球し難い一方で、
    第2流下経路は、前記第2始動手段及び前記第3始動手段に遊技球が入球し易く、前記第1始動手段に遊技球が入球し難い請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記第2流下経路には、前記第1流下経路に比して、前記特別入賞口に遊技球が入球し易くなるように前記特別入賞口が配置されている請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記第2始動保留球に基づいて行われる大当り判定の判定結果を示唆する予告演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段を備え、
    前記第3始動手段に入球した第2始動保留球に基づいて行われる大当り判定の判定結果を示唆する予告演出の演出態様は、前記第2始動手段に入球した第2始動保留球に基づいて行われる大当り判定の判定結果を示唆する予告演出の演出態様と異なる請求項1に記載の遊技機。
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