JP5755898B2 - ガス警報器、ガス警報器におけるガスセンサのヒータ温度制御方法 - Google Patents

ガス警報器、ガス警報器におけるガスセンサのヒータ温度制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス警報器におけるヒータ温度制御技術に関する。
ガス警報器においては、都市ガスやLPガスなどの検知対象ガスを検知するためにガスセンサが用いられている。ガスセンサは、ガスを検知するために、ヒータ抵抗に電圧を印加してヒータ温度をたとえば400℃など所定温度に加熱して使用される。そして、検知ガスとの反応により変化するセンサ抵抗の変化を測定することにより、ガス検知を行っている。
ヒータの上昇温度は、ヒータ部に注入する電力量(電圧×電流)によって制御することができる。よって、ガス警報器の周囲の環境温度に対応して、ガスセンサ部のヒータの温度が変化してしまう。ヒータ温度が所定の値よりも低い場合は、検知ガスに対するセンサの感度が不十分だったり、検知ガス以外のガスに対して高感度化したりする。ヒータ温度が所定の値よりも高い場合は、ガスに対する感度変化の他にセンサ自体を故障させてしまう恐れもある。このため、ヒータ温度が一定になるように、ヒータに印加するヒータ電力を制御する必要がある。
従来のヒータ温度の制御技術としては、周囲温度検出部を設けて、この検出部が検出する周囲温度にしたがってガスセンサのヒータ抵抗に印加するヒータ電圧を補正計算し、ヒータ電圧を制御することにより、ヒータ温度を制御していた。
なお、ヒータ温度の制御方法としては、たとえば数十秒毎のセンサ駆動周期でヒータ系回路をパルス的に駆動するときのセンサ駆動時間幅を制御することによりヒータ温度を制御する従来技術が知られている(特許文献1)。
そのほか、季節変動による温度特性等に応じて、ガスセンサのセンサ抵抗の検出電圧によるガスもれ警報の判定レベルを補正する従来技術も知られている(特許文献2)。
特開1999−248659号公報 特開平11−283147号公報
しかし、従来の制御技術では、下記の課題より、ガスセンサ部のヒータ温度を正確に一定にするような制御を行うことができなかった。このため、ガスもれの検出精度に限界があるという問題点を有していた。
1)ヒータ温度をセンサ本体に積層された温度センサより測定することは、センサ構造や回路構造を複雑にし、技術的及び価格的にも実現が困難であった。
2)センサ駆動時間幅を制御してヒータ温度を制御することは、目的とする温度制御に対し、十分な制御が出来なかった。また、電池駆動にとって電力の使用効率が悪い問題があった。
そこで、本発明の課題は、ヒータに注入する電力量を測定して、ヒータに印加する電圧を算出し、ヒータ電圧を制御することで、ヒータ温度を一定に保つ制御を実現することによりガスもれの検出精度を向上させることにある。
態様の一例では、ヒータ温度を一定に保つ必要があるガスセンサを備えるガス警報器として実現され、以下の構成を有する。
ヒータ電圧印加部は、ガスセンサのセンサ駆動時間毎に、ガスセンサ内のヒータ抵抗にヒータ電圧を印加する。
周囲温度検出部は、周囲温度を検出する。
ヒータ電力量補正部は、周囲温度のデータ値に基づいて、ガスセンサのセンサ駆動時間毎にヒータ抵抗に与えるヒータ電力量を補正する。
ヒータ抵抗値算出部は、ガスセンサのセンサ駆動時間毎に、ヒータ抵抗両端の電圧値と、ヒータ抵抗に接続されたシャント抵抗両端の電圧値から算出された電流値とに基づいて、ヒータ抵抗値を算出する。
ヒータ電圧算出部は、算出された前記ヒータ抵抗値と前記補正したヒータ電力量とに基づいて、次回のセンサ駆動時間にヒータ抵抗に印加するヒータ電圧を算出する。
ガスセンサのセンサ駆動時間毎に、算出された前記ヒータ電圧を次回のセンサ駆動時間にヒータ電圧印加部よりヒータ抵抗に印加することにより、ヒータ温度を一定に保つ制御が実現でき、ガスもれの検出精度を向上させることができる。
ガス警報器の周囲温度に応じて、ガスセンサ内のヒータ温度を一定に保つ制御が実現される。この結果、ガスもれの検出精度を向上させることが可能となる。
また、ヒータへの過剰な電力供給によるセンサの故障や経時的な感度の変化を防止することができ、ガス警報器の信頼性が向上する。
本発明によるガス警報器の実施形態の構成図である。 実施形態におけるセンサ駆動のタイムチャートである。 実施形態によるセンサ駆動処理を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明によるガス警報器の実施形態の構成図である。
ガスセンサ101は、ガスを検出するためのセンサ抵抗102と、センサを加熱するためのヒータ抵抗103を備える。
電池部105は3ボルトの電源を供給する。昇圧回路部106は、電池部105からの3ボルトの電圧を3.3ボルトに昇圧し、昇圧電圧をガスセンサ101内のセンサ抵抗102と、負荷抵抗107と、SW2 108とからなるセンサ系回路に供給する。また、昇圧電圧を、SW1 109と、定電圧回路部110と、ヒータ抵抗103と、シャント抵抗111とからなるヒータ系回路に供給する。さらに、昇圧電圧を、制御回路部104の電源端子VDDに供給する。
制御回路部104は、ガス警報器全体の動作を制御するマイコンである。制御回路部104は、出力端子OUT1およびOUT3を介してトランジスタスイッチであるSW1 109およびSW2 108をオンする。この結果、ガスセンサ101内のセンサ抵抗102と、負荷抵抗107と、SW2 108とからなるセンサ系回路と、SW1 109と、定電圧回路部110と、ヒータ抵抗103と、シャント抵抗111とからなるヒータ系回路を動作させる。また、制御回路部104は、AD(アナログ−ディジタル)変換入力端子AD3を介して、ガスセンサ101のセンサ出力電圧を検出することにより、ガスもれ検出を行う。制御回路部104は、AD変換入力端子AD1,AD2からの制御出力に基づいてヒータ抵抗103の抵抗値を算出する。一方、制御回路部104は、周囲温度検出部117からAD変換入力端子AD4を介して入力される周囲温度データ値に基づいて、ヒータ抵抗103に与えるヒータ電力量を補正する。このとき、周囲温度が高い場合にはヒータ電力量が少なくなるように補正され、周囲温度が低い場合にはヒータ電力量が多くなるように補正される。そして、制御回路部104は、補正したヒータ電力量と、算出したヒータ抵抗103の抵抗値とに基づいてヒータ電圧値を算出する。制御回路部104は、算出したヒータ電圧値を、後述する次のセンサ駆動時間に、出力端子OUT2を介して定電圧回路部110に供給する。OUT2は、DA(ディジタル−アナログ)出力やPWM(パルス幅変調)出力であり所定の電圧を定電圧回路部110に供給する。この結果、ガスセンサ101内のセンサ抵抗102のヒータ温度が一定になるように制御される。
警報部112は、警報音出力部113、警報表示部114、外部警報出力部115を備える。警報音出力部113は、警報音等の音を発する部分であり、例えばブザーやスピーカなどで構成される。警報音出力部113は、制御回路部104からの制御に基づいて、電子音や音声メッセージでガスもれ状態を知らせたりする。警報表示部114は、LED(発光ダイオード)で構成されており、監視時には、LEDを点灯、警報時にはLEDを点滅等、警報器の状態をLEDで知らせる。外部警報出力部115は、ガスメータや集中監視盤などの外部機器へ警報信号の出力を行う。
上述の構成において、制御回路部104と定電圧回路部110とかなる部分がヒータ電圧印加部を構成し、周囲温度検出部117からの周囲温度データに基づいて動作する制御回路部104がヒータ電力量補正部を構成し、シャント抵抗111と制御回路部104によるヒータ抵抗103両端の電圧値検出部とからなる部分がヒータ抵抗値算出部を構成し、制御回路部104がさらにヒータ電圧算出部を構成する。
図2は、実施形態によるセンサ駆動のタイムチャートである。
本実施形態では、T1=20〜60秒のセンサ駆動周期で、T2=100ms(ミリ秒)程度のセンサ駆動時間ずつ、ガスセンサ101を駆動する。具体的には、特には図示しないタイマによる制御に基づいてセンサ駆動周期T1でセンサ駆動時間T2ずつの割込みが発生する毎に、図1の制御回路部104が、以下の動作を実行する。すなわち、制御回路部104は、まず、SW1 109をオンすることにより、SW1 109と、定電圧回路部110と、ガスセンサ101内のヒータ抵抗103と、シャント抵抗111とからなるヒータ系回路を動作せる。このとき、定電圧回路部110には、前回のセンサ駆動時間終了時に算出されたヒータ電圧値が印加される。これにより、センサ駆動時間T2内にガスセンサ101が加熱される。続いて、制御回路部104は、SW2 108をオンすることにより、ガスセンサ101内のセンサ抵抗102と、負荷抵抗107と、SW2 108とからなるセンサ系回路を動作させる。これにより、センサ駆動時間T2内に、制御回路部104が、ガスもれ検知動作を実行する。
さらに、本実施形態では、各センサ駆動時間の終了時に、制御回路部104が、以下に説明するヒータ電圧を自動設定する処理に基づいて、次回のセンサ駆動時間にて定電圧回路部110に印加すべきヒータ電圧値を算出する。
図3は、実施形態による制御回路部104のセンサ駆動処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図1の制御回路部104のマイコンにより繰り返し実行される。
まず、特には図示しないタイマによる制御に基づいてセンサ駆動周期T1でセンサ駆動時間T2ずつのセンサ駆動の開始割込みが発生したか否かが判定される(図3のS1)。
センサ駆動の開始割込みが発生しておらずS1の判定がNoならば、さらに、特には図示しないタイマによる制御に基づいてセンサ駆動時間T2のセンサ駆動の終了割込みが発生したか否かが判定される(図3のS4)。
センサ駆動の終了割込みが発生しておらずS4の判定がNoならば、今回のセンサ駆動処理を終了する。
センサ駆動周期T1でセンサ駆動時間T2ずつのセンサ駆動の開始割込みが発生し図3のS1の判定がYesとなると、制御回路部104は、まず、出力端子OUT1よりSW1 109をオンすることにより、SW1 109と、定電圧回路部110と、ガスセンサ101内のヒータ抵抗103と、シャント抵抗111とからなるヒータ系回路を動作せる(図3のS2)。このとき、制御回路部104は、出力端子OUT2より定電圧回路部110に、前回のセンサ駆動時間終了時に算出したヒータ電圧値を印加する。これにより、センサ駆動時間T2内にガスセンサ101が加熱される。
続いて、制御回路部104は、出力端子OUT3よりSW2 108をオンすることにより、ガスセンサ101内のセンサ抵抗102と、負荷抵抗107と、SW2 108とからなるセンサ系回路を動作させる(図3のS3)。この結果、昇圧回路部106からセンサ抵抗102に昇圧電圧が印加される。
上記センサ駆動時間T2の開始後、センサ駆動時間T2のセンサ駆動の終了割込みが発生し図3のS4の判定がYesとなると、制御回路部104は、AD変換入力端子AD3を介して、ガスセンサ101のセンサ出力電圧を読み込む(図3のS5)。
続いて、制御回路部104は、S5で読み込んだセンサ出力電圧を所定の判定値と比較し、センサ出力電圧が所定の判定値以上である場合に、ガスもれが発生したと判定する(図3のS6)。この結果、制御回路部104は、警報部112へのガスもれ警報出力を行う。
次に、制御回路部104は、周囲温度検出部117からAD変換入力端子AD4を介して周囲温度データ値を読み込む(図3のS7)。続いて、制御回路部104は、S7で読み込んだ周囲温度データ値より、ガスセンサ101内のヒータ抵抗103に供給するヒータ電力量(目標電力値)を補正する(図3のS8)。具体的には、周囲温度データ値が高い場合にはヒータ電力量が少なくなるように補正され、周囲温度データ値が低い場合にはヒータ電力量が多くなるように補正される。
一方、制御回路部104は、ガスセンサ101のヒータ抵抗103の両端から検出されるヒータ電圧値を読み込む。具体的には、AD変換入力端子AD1に入力される値からAD変換入力端子AD2に入力される値を減算して得られる値が、算出されたヒータ電圧値とされる(図3のS9)。次に、制御回路部104は、シャント抵抗111の電圧値を、AD変換入力端子AD2から読み込み、その電圧値を換算して電流値を算出する(図3のS10)。なお、実際には、シャント抵抗111の両端の電圧がオペアンプで増幅されて測定される。また、シャント抵抗による電流検知は、たとえば電流を検知してガスセンサ101内のヒータ抵抗103の異常を検知し、故障警報を発報するような目的でも使用される。そして、制御回路部104は、S9で算出したヒータ電圧値とS10で算出したヒータ電流値とから、ガスセンサ101内のヒータ抵抗103の抵抗値を算出する(図3のS11)。
最後に、制御回路部104は、図3のS8で補正したヒータ電力量(目標電力値)と、図3のS11で算出したヒータ抵抗103の抵抗値とに基づいて次回のセンサ駆動時のヒータ電圧値を算出する(図3のS12)。制御回路部104は、算出したヒータ電圧値を、次回のセンサ駆動時間T2(図2参照)の開始時に、図3のS2によって、出力端子OUT2を介して定電圧回路部110に供給する。この結果、ガスセンサ101内のセンサ抵抗102のヒータ温度が一定になるように制御される。
以上のようにして、本実施形態では、ガス警報器の周囲温度に応じて、ガスセンサ101内のヒータ温度を一定に保つ制御が実現される。この結果、ガスもれの検出精度を向上させることが可能となる。
101 ガスセンサ
102 センサ抵抗
103 ヒータ抵抗
104 制御回路部
105 電池部
106 昇圧回路部
107 負荷抵抗
108 SW2
109 SW1
110 定電圧回路部
111 シャント抵抗
112 警報部
113 警報音出力部
114 警報表示部
115 外部警報出力部
116 調整信号入力部
117 周囲温度検出部
118 調整信号設定器

Claims (3)

  1. ヒータ温度を一定に保つ必要があるガスセンサを備えるガス警報器において、
    前記ガスセンサのセンサ駆動時間毎に、前記ガスセンサ内のヒータ抵抗にヒータ電圧を印加するヒータ電圧印加部と、
    周囲温度を検出する周囲温度検出部と、
    前記周囲温度のデータ値に基づいて、前記ガスセンサのセンサ駆動時間毎に前記ヒータ抵抗に与えるヒータ電力量を補正するヒータ電力量補正部と、
    前記ガスセンサのセンサ駆動時間毎に、前記ヒータ抵抗両端の電圧値と、前記ヒータ抵抗に接続されたシャント抵抗両端の電圧値から算出された電流値とに基づいて、ヒータ抵抗値を算出するヒータ抵抗値算出部と、
    算出された前記ヒータ抵抗値と前記補正したヒータ電力量とに基づいて、次回のセンサ駆動時間に前記ヒータ抵抗に印加するヒータ電圧を算出するヒータ電圧算出部と、
    を備えることを特徴とするガス警報器。
  2. 前記ヒータ電圧印加部は、前記ヒータ電圧算出部によって算出されたヒータ電圧が印加される定電圧回路部を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス警報器。
  3. ヒータ温度を一定に保つ必要があるガスセンサを備えるガス警報器におけるガスセンサのヒータ温度制御方法であって、
    前記ガスセンサのセンサ駆動時間毎に、前記ガスセンサ内のヒータ抵抗にヒータ電圧を印加し、
    周囲温度を検出し、
    前記周囲温度のデータ値に基づいて、前記ガスセンサのセンサ駆動時間毎に前記ヒータ抵抗に与えるヒータ電力量を補正し、
    前記ガスセンサのセンサ駆動時間毎に、前記ヒータ抵抗両端の電圧値と、前記ヒータ抵抗に接続されたシャント抵抗両端の電圧値から算出された電流値とに基づいて、ヒータ抵抗値を算出し、
    算出された前記ヒータ抵抗値と前記補正したヒータ電力量とに基づいて、次回のセンサ駆動時間に前記ヒータ抵抗に印加するヒータ電圧を算出する、
    ことを特徴とするガス警報器におけるガスセンサのヒータ温度制御方法
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