JP5755179B2 - 電気化学素子の厚さ測定装置及び測定方法 - Google Patents

電気化学素子の厚さ測定装置及び測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、シート状の基材表面に塗布層を塗工して構成された電気化学素子に係り、その塗布層の厚さを、被測定物としての電気化学素子を透過する放射線の強度の減衰量に基づいて測定する測定装置、及び測定方法に関する。
近年、電気自動車等の動力源として、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池の開発が進められている。リチウムイオン二次電池の電極には、集電体としての金属箔(基材に該当)の両面に活物質層(塗布層に該当)を塗布したシート状の電極が用いられている。このようなリチウムイオン二次電池においては、電池容量等のばらつきを低減するためには、シート状の電極の活物質層の塗工量を管理する必要がある。しかし、塗工中における活物質の重量測定は難しいため、作製したシート状の電極の活物質層の厚さを管理することで、活物質層の塗工量の管理を代用している。したがって、リチウムイオン二次電池の製造では、シート状の電極の活物質層の厚さ測定は、電池の容量等のばらつきを低減するために重要であり、活物質層の塗工量の管理上、精度よく測定する必要がある。
ところで、リチウムイオン二次電池のシート状の電極のような、シート状部材の厚さ測定に関しては、被測定物としてのシート状部材に放射線を透過させることによりその厚さを測定する技術がある。特許文献1には、シート状部材のこのような厚さ測定技術に係り、放射線源から出射された放射線が照射された際に所定の部材から二次的に発生する特性X線の強度の減衰量に基づいて演算する厚さ測定装置が開示されている。
また、特許文献2には、電気部品の素材料としての2層以上の異なる成分で構成される多層膜に係り、その膜厚の測定装置として、放射線厚さ計及び赤外線厚さ計を備え、各厚さ計の指示値と、予め求めた前記多層膜を構成するそれぞれの層の吸収感度特性を基に各層の層厚を演算する膜厚測定装置が開示されている。
特開2007−298387号公報 特開2001−317931号公報
ところが、リチウムイオン二次電池のシート状の電極のような電気化学素子の厚さ測定では、特許文献1のように、金属箔表面に塗布された塗布層の厚さをこの塗布層が塗工された基材を透過する放射線の強度の減衰量に基づき測定する場合、塗布層が塗工された金属箔の厚さがばらつくと、正確な塗布層の厚さ測定が困難になる。その一方で、特許文献2のように、多層膜の測定装置として2系統の検出機構を持たせることは、測定装置の大型化、複雑化を招く。
本発明は、このような従来技術の問題点を鑑みなされたものであって、簡易な構造で、シート状の電気化学素子の基材表面に塗布された塗布層の厚さを精度よく測定することができる測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電気化学素子の測定装置及び測定方法は、放射線を検出する放射線源と、放射線の強度を検出する検出器と、検出器及び放射線源を制御する制御部とを有し、被測定物としてのシート状の電気化学素子の基材表面に塗工された塗布層の厚さを、基材表面が塗布層によって被覆された電気化学素子の塗布層部分を透過した放射線の減衰量と、基材表面が塗布層によって被覆されていない電気化学素子の基材表面部分をさらに所定の減衰量の減衰体を介して透過した放射線の減衰量とを比較演算し、基材表面の塗布層の厚さを測定することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構造で、リチウムイオン二次電池やキャパシタ等のシート状の電気化学素子で使用される基材表面に塗布された塗布層の厚さを精度よく測定する測定装置及び測定方法を提供することができる。
上記した以外の、課題、構成、及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
リチウムイオン二次電池の円筒状の捲回電極体の構成説明図である。 リチウムイオン二次電池のシート状の電極の製造工程を示したフローチャートである。 図2に示した製造工程における一部工程の模式図である。 両面それぞれに塗布層が作製された金属箔の幅方向に沿った断面図である。 本実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。 図5に示した厚さ測定装置の平面図である。 比較例に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。 実施の形態に係る厚さ測定装置と比較例に係る厚さ測定装置との間での、電極板原材上の厚みと、その厚みに対応した放射線検出器による検出値との関係図である。 放射線検出器の検出出力と放射線源から照射した放射線の減衰率と関係図である。 厚さ測定装置に含まれる制御部におけるシステム構成の一実施例を示したシステム構成図である。 本発明の他の実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。 本発明のさらに別の他の実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。 本発明のさらに別の他の実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。
以下、本発明に係る電気化学素子の厚さ測定装置及び測定方法の一実施の形態について図面に基づき説明する。
以下の説明では、被測定物として、集電体としての金属箔(基材に該当)の両面に活物質層(塗布層に該当)を塗布して構成されたリチウムイオン二次電池のシート状の電極を例に、その活物質層の厚さ測定に適用した場合について説明する。
なお、本発明に係る電気化学素子の厚さ測定装置及び測定方法は、これから説明するリチウムイオン二次電池のシート状の電極における活物質層の厚さ測定に限らず、シート状の基材表面に塗布層を塗工して構成された電気化学素子であれば、その塗布層の厚さ測定に適用可能である。
まず、本実施の形態に係る電気化学素子の厚さ測定装置及び測定方法を説明するに当たって、被測定物としての、リチウムイオン二次電池のシート状の電極の構成について説明しておく。
リチウムイオン二次電池は、その形状構造により円筒型、角型、ラミネート型に大別される。ここでは、円筒型リチウムイオン二次電池の捲回電極体に適用されるシート状の電極の構成を例に説明する。
円筒型リチウムイオン二次電池は、図示せぬ円筒型の電池容器の内部に、図1に示すような円筒状の捲回電極体を密封収容した構成になっている。電池容器は、有底円筒形の電池缶とハット型の蓋体とを備え、両者をガスケットと言われるシール部材を介在させてかしめ加工で一体的に取付固定することにより、容器内部が外部に対して密封される構造になっている。
図1は、リチウムイオン二次電池の円筒状の捲回電極体の構成説明図である。なお、図1では、捲回電極体80は、一部を展開した状態の外観図で示されている。さらに、その展開部分については、理解を容易にするため、紙面の表側に現れている負極板81N及び第1のセパレータ82の一部を便宜的に図示割愛して、この負極板81N及び第1のセパレータ82の背後に配置されている正極板81P及び第2のセパレータ83が、紙面上に現れるように図示されている。
捲回電極体80は、図1中では現れない軸芯部材の周囲に、負極板81N、第1のセパレータ82、正極板81P、第2のセパレータ83がこの順で積層された状態で、所定長さ分だけ捲回した構成になっている。そのため、負極板81N、第1のセパレータ82、正極板81P、第2のセパレータ83それぞれは、軸芯部材の周囲に捲回される捲回長さ分に合わせた長尺の、薄厚の帯状シート部材として形成されている。その際、軸芯部材の軸方向に沿った第1のセパレータ82及び第2のセパレータ83の帯幅は、軸芯部材の軸方向に沿った負極板81N及び正極板81Pの帯幅よりも大きくなっている。また、第1のセパレータ82及び第2のセパレータ83の捲回長さとしての帯長は、負極板81N及び正極板81Pの帯長よりも長くなっている。これにより、最内周及び最外周の捲回部では、第1のセパレータ82、第2のセパレータ83だけがその余長部分を積層された状態で軸芯部材の周囲に捲回されている。これら構成によって、負極板81Nと正極板81Pとが、捲回部の端部を含む周縁部において、直接接触しないようになっている。
正極板81Pは、正極集電体である基材としての正極金属箔84Pの両面に、塗布層43として、正極活物質合剤85Pを塗布した正極塗工部86Pを有する。その上で、正極金属箔84Pの帯幅方向の片側端部側、すなわち電池容器内部に収容された状態での容器深さ方向に沿った蓋体装着側には、正極活物質合剤85Pを両面いずれにも塗布していない正極未塗工部(箔露出部)87Pが帯長方向に沿って設けられている。さらに、この正極未塗工部87Pには、正極板81Pの帯長方向に沿って所定間隔で、正極板81Pの帯幅方向外方に突出するタブ88Pが複数設けられている。これら正極未塗工部87Pに形成された複数のタブ88Pは、電池容器内部に収容された捲回電極体80の正極リードを構成する。
これに対し、負極板81Nは、負極集電体である基材としての負極金属箔84Nの両面に、塗布層43としての負極活物質合剤85Nを塗布した負極塗工部86Nを有する。負極金属箔84Nの帯幅方向の片側端部側、すなわち電池容器内部に収容された状態での容器深さ方向に沿った容器底部側には、負極活物質合剤85Nを両面いずれにも塗布していない負極未塗工部(箔露出部)87Nが帯長方向に沿って設けられている。さらに、この負極未塗工部87Nには、負極板81Nの帯長方向に沿って所定間隔で、負極板81Nの帯幅方向外方に突出するタブ88Nが複数設けられている。これら負極未塗工部87Nに形成された複数のタブ88Nは、電池容器内部に収容された捲回電極体80の負極リードを構成する。
捲回電極体80の作製においては、負極板81N及び正極板81Pは、それぞれの未塗工部87N,87P及びタブ88N,88Pが、図1に示すように、軸芯部材の軸方向に沿って互いに反対向きに配置されるようにして、捲回時にその径方向に沿って軸芯部材側から負極板81N、第1のセパレータ82、正極板81P、第2のセパレータ83の順に積層されるように、軸芯部材に捲回される。そして、捲回電極体80は、その正極リードを電池容器の蓋体装着側に、負極リードを電池容器の容器底部側に位置させるようにして、円筒型の電池容器の内部に、電池容器すなわち容器内部の軸線と捲回電極体80の軸芯部材とが同軸になるようにして収容される。
このような捲回電極体80において、負極板81Nでは、その基材の負極金属箔84Nに、例えば、厚さ約10μmのシート状の長尺の銅箔が用いられている。また、負極活物質合剤84Nには、負極活物質としての100重量部の非晶質炭素粉末に対して、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという)を添加し、これに分散溶媒としてN−メチルビロリドン(以下、NMPという)を添加し、これらを混練して作製された合剤が用いられている。
なお、本実施の形態では、負極活物質として非晶質炭素粉末を用いる場合について例示したが、これに限定されるものではなく、リチウムイオンを挿入・脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスのような炭素質材料等でもよく、その粒子形状についても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
その上で、本実施の形態では、負極板81Nは、負極金属箔84Nとしての厚さ約10μmの薄厚の長尺シート状の銅箔の両面に、電池容器収容時の集電部としての負極未塗工部87Nを負極金属箔84Nの幅方向の片側端部側に残して、負極塗工部86Nを負極金属箔84Nの帯長方向に沿って設けたシート状の電極構成になっている。本実施の形態では、一例として、負極金属箔84Nである銅箔の約10μmの厚さを除いた、負極塗工部86Nの厚さが約90μmの負極板81Nを得る。
これに対し、正極板81Pでは、その基材としての正極金属箔84Pには、例えば、負極板81Nと同じく、厚さ約10μmのシート状の長尺の銅箔が用いられている。また、正極活物質合剤85Pには、正極活物質としての100重量部のマンガン酸リチウム(化学式:LiMn)に対して、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛と、結着剤として10重量部のPVDFとを添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加し、これらを混練して作製された合剤が用いられている。
なお、本実施の形態の説明では、正極活物質にマンガン酸リチウムを用いる場合について例示したが、これに限定されるものではなく、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウムや、一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物や、層状結晶構造を有するコバルト酸リチウムやチタン酸リチウムや、これらの一部を金属元素で置換又はドープしたリチウム-金属複合酸化物を用いるようにしてもよい。
その上で、本実施の形態では、正極板81Pは、正極金属箔84Pの両面に、電池容器収容時の集電部としての正極未塗工部87Pを銅箔の帯幅方向の片側端部側に残して、正極塗工部86Pを正極金属箔84Pの帯長方向に沿って設けたシート状の電極構成になっている。本実施の形態では、一例として、正極金属箔84Pである厚さ約10μmの正極金属箔84Pを含まない、正極塗工部86Pの厚さが約110μmの正極板81Pを得る。
また、本実施の形態では、正極板81Pにおける正極塗工部86P、負極板81Nにおける負極塗工部86Nそれぞれの結着材としてPVDFを用いる場合について例示したが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂等の重合体及びこれらの混合体等を用いることができる。また、第1、第2のセパレータ82、83には、例えば、厚さ40μmのポリエチレン製多孔膜等を用いることができる。
次に、上述した構成の負極板81N及び正極板81Pのような、リチウムイオン二次電池のシート状の電極板81(81N,81P)の製造工程について、図2及び図3を基に説明する。
図2は、リチウムイオン二次電池のシート状の電極の製造工程を示したフローチャートである。
図3は、図2に示した製造工程における一部工程の模式図である。
この製造工程フローは、負極板81N、正極板81Pとも、集電体としての金属箔84(84N,84P)の両面に塗布層(活物質層)43としての活物質合剤85(85N,85P)を塗布し、シート状の電極板81(81N,81P)を構成する点で、負極板81N、正極板81Pいずれの場合も同様である。
まず、集電体としての金属箔84に電極塗工部86(86N,86P)を形成するため、金属箔84に塗布する活物質合剤85の合剤スラリーを作製する(ステップS210)。その原料としては、負極板81N又は正極板81Pに合わせて、上述したような活物質、導電体、バインダ樹脂(結着材)が用いられる。活物質合剤85の合剤スラリーは、これら原料を溶剤に加えて分散させるように混練して作製する。作製した合剤スラリーは、タンクに保管される。
次に、集電体としての金属箔84の片面上に、電極塗工部86として形成する活物質合剤85の塗布層(活物質層)43の塗工量に合わせて、作製した活物質合剤85の合剤スラリーを所定量だけ塗布する(ステップS220)。
ここで、活物質合剤85の合剤スラリーの金属箔84の塗布方式にはいろいろな方式が適用可能であるが、ここでは、図3に示すようなダイ方式より行う場合を例に説明する。この場合、ダイ41による塗工に際して、活物質合剤85が塗布される基材の金属箔84は、薄厚、長尺帯状のシート部材からなり、例えば、図示せぬ捲回ロールに巻き取られた状態で装填されている。本実施の形態では、金属箔84は、ダイ41による塗工前は、その帯幅が複数のシート状の電極板81を同時に並列して作製可能な帯幅を有している。この捲回ロールに捲回装填された金属箔84は、ダイ41及びこのダイ41に付設されたバックロール(塗工ロール)42へ定速で送り出される。送り出された金属箔84は、バックロール42上でダイ41の先端と近接して所定の塗工条件で、合剤スラリーからなる活物質合剤85が基材としての金属箔84の片面上に塗布される。この塗布に当たっては、図示せぬタンクに保管されている合剤スラリーからなる活物質合剤85が、図示せぬ送液ポンプを介して、これから作製する活物質合剤85の塗布層(活物質層)43の厚さに応じてダイ41に送られる。その際、塗工厚さ、すなわち作製する塗布層43の厚さの制御は、これから作製する活物質合剤85の塗布層43の厚さに応じて、例えば、ダイ41からの合剤スラリーの塗出量や、ダイ41と金属箔84の表面との隙間量を制御することにより行われる。ここで、作製する所定の厚さの塗布層43とは、後述の乾燥工程後の塗布層43の厚さを意味する。
本実施の形態では、ダイ41による塗布層43の作製により、複数のシート状の電極板81を作製可能な帯幅を有している金属箔84の片面上に、複数の帯状の塗布層43が、活物質合剤85が塗布されていない所定の幅長の金属箔露出部44(後述の図4参照)を介在させて、複数条作製される。そして、各塗布層43の帯幅は、電極塗工部86の2つ分の幅長を有するようになっている。
ダイ41により複数条の塗布層43が作製された基材としての金属箔84は、乾燥機45へ送られて塗布層43の乾燥が行われ、不要な溶剤の除去が行われる(ステップS230)。ダイ41によって片面上に作製された塗布層43が作製された基材としての金属箔84は、乾燥後、図示せぬ搬送ロールを介して、別の捲回ロールへ巻き取られる。
そして、本実施の形態の場合は、電極板81が基材としての金属箔84の両面に電極塗工部86を有する構造となっているため、前述した合剤スラリーの塗布層43の塗工工程(ステップS220)、及び乾燥工程(ステップS230)が、既に片面に塗布層43が作製された基材としての金属箔84の反対面に対しても繰り返して行われる。その際に用いられるダイ41及びバックロール42、並びに乾燥機45に関しては、片面に塗布層43を作製した装置と同じ装置であっても、異なる装置であってもよい。
これにより、本実施の形態では、図4に示すような、基材としての金属箔84の両面それぞれに、塗布層43が対応させて配置された電極板原材46が作製されることになる。
図4は、両面それぞれに塗布層が作製された金属箔の幅方向に沿った断面図である。
図4に示すように、本実施の形態では、塗布層43の塗工工程(ステップS220)、及び乾燥工程(ステップS230)の繰り返しによって、金属箔84の両面それぞれに、幅方向に沿って所定の幅長の金属箔露出部44を介在させて、各塗布層43の帯幅が図1に示した一の捲回電極体80の電極塗工部86の2つ分の帯幅長を有する帯状の塗布層43が、複数条作製されることになる。
このようにして、基材としての長尺シート状の金属箔84の片面若しくは両面それぞれに、金属箔露出部44を介在させて、その長さ方向に沿って延びる塗布層43がその帯幅方向に位置を異ならせて複数条作製された、長尺シート状の電極板原材46が作製される。金属箔露出部44は、電極未塗工部87及びタブ88の形成部になる。
電極板原材46は、厚さ測定装置50を含む検査機47によって、金属箔84の片面又は両面それぞれに金属箔露出部44を介在させて複数条作製された塗布層43それぞれについて、その厚さが測定され塗工量を演算することで、作製された塗布層43の良否判定を含む塗工量検査が行われる(ステップS240)。この塗工量検査の結果は、塗布層43を作製する際のダイ41からの活物質合剤85の塗布量の設定等にフィードバックされる。この結果、本実施の形態によれば、塗布層43の塗工量の管理を精度よく実施することが可能である。
本実施の形態では、電極板原材46は最終的に金属箔84両面それぞれに塗布層43が作製されたものであるため、この塗工量検査工程は、金属箔84の片面に塗布層43が作製された電極板原材46に対して行われた後、前述した塗工工程(ステップS220)、及び乾燥工程(ステップS230)の繰り返しによって金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46に対しても行われることになる。
その後、塗工量検査工程で良品判定された電極板原材46は、本実施の形態の場合は、図1に示した円筒型リチウムイオン二次電池のタブ88を備えたシート状の電極板81なので、電極板原材46の金属箔露出部44それぞれに打ち抜き加工を行って、所定間隔で隣り合うタブ88同士の間の空間部分を形成することにより、タブ88を形成する(ステップS250)。
そして、電極板原材46の金属箔露出部44に対してプレス加工を行って、タブ88間の空間部分の打ち抜き加工で生じた変形を除去した後(ステップS260)、このタブ88間の空間部分が形成された電極板原材46を、その塗布層43の帯幅方向の中間位置、及び金属箔露出部44の帯幅方向の中間位置で、図4に破線で示した裁断線48に沿って、電極板原材46の帯長方向に沿って裁断することにより、複数の個別の電極板81に分割する(ステップS270)。
その上で、このようにして作製された負極板81N用、正極板81P用それぞれの薄厚の長尺シート状の電極板81を所定の順番で積層して、円筒型リチウムイオン二次電池の場合はこの積層したものをさらに捲回することで、図1に示した捲回電極体80を作製する(ステップS280)。
なお、本実施の形態では、円筒型リチウムイオン二次電池に用いる電極板81を作製するため、タブ作製工程(ステップS250)、及びプレス加工(ステップS260)を行うようにしたが、角型リチウムイオン二次電池のようにタブを備えていない電極板にあっては、これら工程は省略可能である。
次に、上述した検査機47に含まれている厚さ測定装置50による、金属箔84の片面又は両面それぞれに金属箔露出部44を介在させて複数条作製された塗布層43それぞれの厚さの測定について説明する。
図5は、本実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。
厚さ測定装置50は、被測定物(検査対象及び測定対象)が搬送される搬送路を挟んで、被測定物に検査用の放射線を照射する放射線源51と、被測定物を透過した検査用の放射線を検出するための放射線検出器52とを互いに対向させて配置した構成になっている。この場合、被測定物としては、塗工工程(ステップS220)、及び乾燥工程(ステップS230)を経て、基材としての金属箔84の片面又は両面それぞれに、金属箔露出部44を介して並設された複数条の塗布層43が作製された電極板原材46が該当する。また、この検査用の放射線としては、本実施の形態では、例えばX線やβ線等といった放射線が用いられ、放射線源51は、図中に破線矢印で示したように、この検査用の放射線を被測定物の電極板原材46に対して照射する構成になっている。
放射線源51及び放射線検出器52は、搬送路を被測定物の電極板原材46を幅方向に横切るように延設配置されたガイド53,54によって、その延設方向に沿って電極板原材46の幅方向に沿って移動可能に支持されている。その上で、放射線源51及び放射線検出器52、又はガイド53,54には、放射線源51及び放射線検出器52を電極板原材46の幅方向に沿って移動させる移動機構(図示略)が設けられている。移動機構は、制御部60によって作動制御される。制御部60によって放射線源51及び放射線検出器52の移動機構が駆動されると、放射線源51及び放射線検出器52は互いの同期を取りながらそれぞれのガイド53,54に沿って移動する。
図6は、図5に示した厚さ測定装置の平面構成図である。
なお、図6においては、理解の容易のために、図5に示したガイド53,54については、図示省略してある。
放射線源51と放射線検出器52とは、ガイド53,54に沿って、放射線源51による放射線の照射位置、及び放射線検出器52による検出位置を、被測定物の電極板原材46の帯幅方向に全域にわたって走査できる。
実際には、放射線源51及び放射線検出器52が互いに同期を取りながらガイド53,54に沿って電極板原材46の帯幅方向に移動する際も、電極板原材46はその帯長方向に沿って搬送路を送られるため、被測定物の電極板原材46に対する放射線の照射位置、及び放射線検出器52による検出位置の走査軌跡は、電極板原材46の帯幅方向に平行ではなく、帯幅方向に対して傾斜した方向になる。
一方、放射線源51から照射された放射線は、塗布層43及び基材としての金属箔84それぞれを透過した際に減衰する。したがって、放射線源51及び放射線検出器52の移動により、放射線源51から照射された放射線の照射位置が走査されると、搬送路に被測定物の電極板原材46が介在する場合には、その走査位置に該当する電極板原材46の塗布層43及び金属箔露出部44の介在状況に応じて、電極板原材46を透過する透過放射線の強度は変化することになる。
そこで、放射線検出器52の検出出力は制御部60に供給され、制御部60では、事前に取得した検量線とその検出した減衰した放射線の強度とを比較演算して、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さ、電極板原材46の電極未塗工部87部分の厚さを取得する。その上で、制御部60は、さらにこの取得した電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さから電極未塗工部87部分の厚さを減算することで、電極板原材46の片面又は両面に塗工された塗布層43の厚さを得る。そして、制御部60は、得られた塗布層43の厚さを重量換算し、活物質合剤層の量を得ている。このとき、検量線を取得する透過放射線の強度範囲を狭くすることで、得られる電極板原材46の電極塗工部86部分及び電極未塗工部87部分の厚さの測定精度は向上する。
そのために、本実施の形態の場合、厚さ測定装置50には、搬送路を移送される電極板原材46の帯幅方向の一端側に作製された電極未塗工部87部分とだけ対面するように、既知の減衰率を示す減衰体71が、例えば一方のガイド53に固定されて配置されている。減衰体71のガイド53に対する固定は、放射線源51及び放射線検出器52の電極板原材46の幅方向に全域にわたっての移動に支障を来たさないようにして、取付固定されている。そして、電極板原材46の帯幅方向の一端側に作製された電極未塗工部87eに対して対向するように、放射線源51及び放射線検出器52がガイド53,54の一端側に移動位置しているときには、減衰体71は、放射線の照射方向に沿って、放射線源51と対向する電極未塗工部87eとの間に介在位置するように固定されている。
減衰体71は、樹脂板、金属板等、所定の減衰率が得られるものであれば、その材質は特に制限されるものではない。例えば電極に使用される基材を複数重ねたものでもよい。また、減衰体71は、電極板原材46の電極未塗工部87部分だけに対向して、放射線源51と放射線検出器52との間に配置されていればよく、放射線源51と電極板原材46との間、電極板原材46の電極未塗工部87部分の直上、直下、電極板原材46と放射線検出器52の間でもよい。さらに、放射線源51と電極板原材46との間、電極板原材46と放射線検出器52との間の両方に配置されていてもよい。
そして、放射線源51及び放射線検出器52がガイド53,54の一端側に移動位置しているときに、放射線源51から電極板原材46の一端側の電極未塗工部87eに照射した放射線が、この電極板原材46の一端側の電極未塗工部87eに加えて、減衰体71も透過するようになっている。これにより、放射線検出器52は、その際においては、電極板原材46の基材としての金属箔84に加えて、減衰体71によっても減衰された透過放射線を検出できるようになっている。
電極板原材46の一端側の電極未塗工部87eに対する放射線源51による放射線の照射走査では、放射線検出器52が検出する透過放射線の強度を、この既知の減衰率を示す減衰体71が設けられていない場合に対して、減衰体71の放射線の照射方向に沿った厚さを透過する分だけ下げることができる。したがって、この既知の減衰率を示す減衰体71の種類や厚さ等を調整することによって、その際に放射線検出器52が検出する透過放射線の強度を、電極板原材46の電極塗工部86部分を透過したときに放射線検出器52が検出する透過放射線の強度に近づけることができる。
次に、この既知の減衰率を示す減衰体71をその厚さを調整して電極板原材46の一端側の電極未塗工部87eに対して設け、電極板原材46の一端側の電極未塗工部87eに対する放射線源51による放射線の照射走査で、放射線検出器52が検出する透過放射線の強度を、電極板原材46の電極塗工部86部分を透過したときの放射線検出器52が検出する透過放射線の強度に近づける作用・効果について、比較例の厚さ測定装置90と対照しながら説明する。
図7は、比較例に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。
比較例に係る厚さ測定装置90は、図5及び図6に示した実施の形態に係る厚さ測定装置50に対し、減衰体71が設けられていない点が相違する。また、放射線検出器52の検出出力が供給される制御部60が行う、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さ、電極板原材46の電極未塗工部87部分の厚さを取得する構成について、その検量線が異なるようになっている。
そのため、図7に示した比較例に係る厚さ測定装置90については、図5及び図6に示した実施の形態に係る厚さ測定装置50と同一若しくは同様な構成部分については同一符号を付し、その構成についての詳細な説明は省略する。
図8は、実施の形態に係る厚さ測定装置と比較例に係る厚さ測定装置との間での、電極板原材上の厚みと、その厚みに対応した放射線検出器による検出値との関係図である。
図中、点線で示す関係特性8Aは、現状の検査条件として、照射強度17ボルト[V]の放射線を、放射線源51から被測定物である電極板原材46の各部に対して照射した場合の、[放射線検出器52による検出値]−[電極板原材46の測定対象部分の厚み]の関係特性を示したものである。これに対し、破線で示す関係特性8Bは、現状の検査条件としての照射強度17Vを11Vに変更した場合の、[放射線検出器52による検出値]−[電極板原材46の測定対象部分の厚み]の関係特性を示したものである。
また、本実施の形態、比較例いずれの厚さ測定装置50、90の場合も、放射線検出器52が検出可能な透過放射線の強度の検出範囲は、2〜10Vで、同一である。
このように同じ検出範囲2〜10Vを有する放射線検出器52を用い、例えば、現状の検査条件としての照射強度17Vの放射線を、放射線源51から被測定物の電極板原材46の各部に対して照射した場合について、厚さ測定装置50、90それぞれの作用について説明する。
図8において、点線で示した関係特性8Aに表わされているように、電極板原材46の一端側を含む電極板原材46の電極未塗工部87部分に減衰体71を介さず、直接、この照射強度17Vの放射線を照射した場合は、放射線が基材としての金属箔84だけからなる電極板原材46の電極未塗工部87部分を透過し、放射線検出器52に到達する透過放射線の強度は、図示の場合、符号801で示したような15Vになり、符号810で示した放射線検出器52による検出範囲外になってしまう。
そのため、放射線源51から照射される放射線として、現状の検査条件である照射強度17Vの放射線を用いる場合には、事前に取得した検量線として、図8に示した例では、電極板原材46の被測定部分の厚みが0〜50μmの範囲については、依然として、放射線検出器52による検出範囲810の範囲外になってしまっている。
この結果、電極板原材46における、基材としての厚さ約10μmの厚みの金属箔84については、その厚さ、重量測定に放射線検出器52の検出出力を利用することができないので、制御部60が、事前に取得した検量線とその検出した減衰した放射線の強度とを比較演算して電極板原材46の電極未塗工部87部分の厚さを取得する際、その検出した減衰した透過放射線の強度を取得することができなくなってしまう。この結果、基材としての厚さ約10μmの厚みの金属箔84の厚さ、重量については、手入力設定になってしまい、一定の値になってしまう。そのため、金属箔84の片面又は両面それぞれに塗布層43が塗工されてなる、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さの測定、すなわち塗布層43の厚さ、重量の測定については、基材としての金属箔84の重量変化が、測定誤差として含まれてしまうことになる。
これに対し、この関係特性8Aにおいては、基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分、並びに金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分については、放射線検出器52に到達する透過放射線のそれぞれ強度は、図中、符号802、803でそれぞれ示すように、放射線検出器52による検出範囲810の範囲内になっている。
そこで、現状の検査条件としての照射強度17Vを11Vに変更し、放射線源51から照射される放射線の照射強度の出力低下をはかった場合は、破線で示した関係特性8Bのようになる。
この場合は、基材としての金属箔84だけからなる電極板原材46の電極未塗工部87部分を透過した透過放射線の強度の検出値は、符号801’で示すように9.8Vになり、放射線検出器52による透過放射線の強度の検出範囲810の範囲内に収まるようになる。しかしながら、基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分、並びに金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分については、放射線検出器52に到達する透過放射線のそれぞれ強度の検出値が、図中、符号802’、803’でそれぞれ示すように4.0V、2.1Vとなり、放射線検出器52による透過放射線の強度の検出範囲810の範囲内に収まるものの、その出力は関係特性8Aに比べて低下する。
関係特性8Aにおいては、符号802で示した金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分と、符号803で示した金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分との間で、図示の例では、略4.2V以上の放射線検出器52に到達する透過放射線の強度差を利用できる。これに対し、関係特性8Bにおいては、符号802で示した金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分と、符号803で示した金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分との間で、略1.9Vしか放射線検出器52に到達する透過放射線の強度差しか利用できない。したがって、関係特性8Bのように、放射線源51から被測定物である電極板原材46に対して照射する放射線の照射強度の出力低下をはかった場合は、結果的に、塗布層43の塗工工程(ステップS220)、及び乾燥工程(ステップS230)の繰り返しによって作製した塗布層43の厚さ測定の精度が低下する。
この結果、比較例の厚さ測定装置90のように、照射する放射線の照射強度の出力低下をはかって、基材としての金属箔84だけからなる電極板原材46の電極未塗工部87部分の透過放射線の強度も検出できるようにすると、検出幅が広くなってしまうために測定精度が低くなってしまう。
このような比較例の厚さ測定装置90に対し、本実施の形態の厚さ測定装置50では、電極板原材46の一端側を含む電極板原材46の電極未塗工部87部分に対向するとともに、放射線源51と対向する電極未塗工部87eとの間に介在位置するように、既知の減衰率を示す減衰体71を設けて、電極板原材46の電極未塗工部87部分についてだけ、放射線検出器52による透過放射線の強度の検出値を低下させることができる。これにより、電極板原材46における電極未塗工部87部分の検出値を、関係特性8Aにおいて符号805,806で示すように、電極塗工部86部分の検出値と同程度とすることができるような減衰体71を設置することで、検出幅を狭めることができ、検量線を取得する強度範囲を狭めることが可能となる。そして、得られる厚さの精度を、厚さ測定装置90による放射線の照射強度の出力低下をはかった検査方式と比較すると、本実施の形態の厚さ測定装置50による既知の減衰率を示す減衰体71を利用した検査方式では、1V当たりで約20%向上する。
また、図8に図示したように、基材としての厚さ約10μmの厚みの金属箔84だけからなる電極板原材46における電極未塗工部87部分の厚みの変動を、符号805,805,805それぞれで示したように、識別測定することができるようになる。この場合、図8における[厚み[μm]]のスケールは、放射線源51から照射された放射線が減衰体71を透過する場合と透過しない場合とで異なることは言うまでもない。
図9は、放射線検出器の検出出力と放射線源から照射した放射線の減衰率と関係図である。
図9において、点線で示した関係特性9Aは、放射線源から照射強度17Vの放射線を照射した場合の、放射線検出器52の検出出力とこの放射線の減衰率と関係特性であり、破線で示した関係特性9Bは、放射線源から照射強度11Vの放射線を照射した場合の、放射線検出器52の検出出力とこの放射線の減衰率と関係特性である。
図中の関係値に対する符号は、図8に示した関係特性において放射線検出器52が検出した透過放射線の強度の検出値の、関係特性9A、9B上における特性値を示したものである。
図9では、照射強度17V、11Vの相違に関係なく、放射線を基材としての金属箔84だけからなる電極板原材46の電極未塗工部87部分に照射した場合の、基材の金属箔84による放射線の減衰率が約10%であることが理解できる。
同様にして、基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分、並びに金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分については、それぞれ符号802、803に対応する減衰率から、それぞれ減衰率が約45%、約75%であることが理解できる。
したがって、図示の例では、電極板原材46の電極未塗工部87部分に放射線源51から放射線を照射し、基材の厚さを測定するときに、基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46を検査する場合は、減衰率が約35%程度の減衰体71を用いることで、放射線検出器52による透過放射線の強度の検出範囲810の範囲内に収まるようになる。同様に、基材としての金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46を検査する場合は、減衰率が約65%程度の減衰体71を用いることで、放射線検出器52による透過放射線の強度の検出範囲810の範囲内に収まるようになる。
このように、放射線源51から照射する放射線強度、被測定物である電極板原材46の塗布層(活物質層)43での放射線の減衰量、及び基材としての金属箔84での放射線の減衰量により、使用する減衰体71の減衰量は決定される。
したがって、図示の例では、使用する減衰体による放射線の減衰率について、基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46を検査する片面検査時は減衰率が35%程度、基材としての金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46を検査する両面検査時は65%程度と記載したが、これに限定されない。
次に、本実施の形態の厚さ測定装置50に係り、その制御部60の構成等について説明する。
制御部60は、その測定に当って、放射線源51から照射される放射線の強度の制御や、放射線源51と検出器52とのガイド53,54上の移動制御等といった装置各部の作動制御を行うとともに、基材としての金属箔84の表面に塗工された活物質合剤85からなる塗布層43の厚さ等の測定を行う。
図10は、厚さ測定装置に含まれる制御部におけるシステム構成の一実施例を示したシステム構成図である。
図示の例では、制御部60は、作動制御部61と、A/D変換器62と、データ入力部63と、測定演算制御部64と、比較演算テーブル65,66,67と、測定結果記憶部68と、入出力部69とを有して構成されている。
作動制御部61は、測定の際、放射線源51及び放射線検出器52をガイド53,54に沿って互いの同期を取りながら移動させる同期移動機構55に駆動制御信号を供給し、放射線源51及び放射線検出器52による被測定物の電極板原材46上での検査箇所の走査移動制御を行う。また、作動制御部61は、放射線源51及び放射線検出器52それぞれの作動も制御する。
A/D変換器62は、放射線検出器52により検出された透過放射線の強度をA/D変換し、データ入力部63に供給する。
データ入力部63は、A/D変換器62から供給される透過放射線の強度データを取り込み、一時蓄積する。
測定演算制御部64は、後述の入出力部69を介して入力された測定内容データに基づき、作動制御部61に作動制御指示を供給し、作動制御部61に測定内容に応じた放射線源51、放射線検出器52、同期移動機構55の作動制御を実行させる。また、測定演算制御部64は、これに伴い、測定内容データに含まれた被測定物としての電極板原材46に関するデータを基に、データ入力部63に一時蓄積されている透過放射線の強度データを取り込んで、金属箔84の片面又は両面それぞれに金属箔露出部44を介在させて複数条作製された塗布層43の厚さを測定演算する。
より具合的には、測定演算制御部64は、データ入力部63から取り込んだ透過放射線の強度データが、電極板原材46の帯幅方向の一端側に作製された電極未塗工部87eについての透過放射線の強度データである場合は、予め比較演算テーブル65に記憶されている、透過放射線の強度データの大きさと金属箔84の厚さとの関係対応テーブルを参照して、基材としての金属箔84の厚さを算出する。
また、測定演算制御部64は、データ入力部63から取り込んだ透過放射線の強度データが、基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分についての透過放射線の強度データである場合は、予め比較演算テーブル66に記憶されている、透過放射線の強度データの大きさと片面にのみに金属箔84が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さとの関係対応テーブルを参照して、その電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さを算出する。
また、測定演算制御部64は、データ入力部63から取り込んだ透過放射線の強度データが、基材としての金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分についての透過放射線の強度データである場合は、予め比較演算テーブル67に記憶されている、透過放射線の強度データの大きさと両面それぞれに金属箔84が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さとの関係対応テーブルを参照して、その電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さを算出する。
その上で、測定演算制御部64は、被測定物が基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46である場合は、被測定物の電極板原材46に対する検出位置の同じ帯幅方向の走査において、算出した電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さから基材としての金属箔84の厚さを減算して、金属箔84の片面に塗工された塗布層43の厚さを算出する。
また、被測定物が基材としての金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46である場合は、同一の電極板原材46について、既に測定してある、基材としての金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された状態での対応する箇所の電極板原材46の厚さを減算して、既に測定してある側と反対側の金属箔84の片面に塗工された塗布層43の厚さを算出する。
また、測定演算制御部64は、これら測定データ及び算出データに基づいて、被測定物である電極板原材46の良品判定も実行するようになっている。
そして、測定演算制御部64は、これら測定データ及び算出データ等を、測定内容データに含まれた被測定物としての電極板原材46に関するデータに対応付けて、測定結果記憶部68に記憶保存したり、入出力部69から例えば表示装置等の他装置に出力する。
比較演算テーブル65、66、67には、透過放射線の強度データの大きさと金属箔84の厚さとの関係対応テーブル、透過放射線の強度データの大きさと金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さとの関係対応テーブル、透過放射線の強度データの大きさと金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さとの関係対応テーブルが、それぞれ記憶されている。それぞれのテーブルデータ内容は、それぞれ対応する被測定物の厚さ測定時の検量線に該当する。
測定結果記憶部68は、被測定物としての電極板原材46毎の測定結果データが記憶される。入出力部69は、他装置との間で、測定内容データや測定結果データを含むデータの入出力を行う。
そして、制御部60における作動制御部61、データ入力部63、測定演算制御部64、比較演算テーブル65、66、67、測定結果記憶部68、入出力部69といったシステム構成は、メモリ、インタフェース等を含んで構成されたコンピュータ装置によっても実現可能であり、その具体的なシステム構成も、少なくとも減衰体71が介在するか否かで複数の検量線を有するものであるならば、種々の変形例が可能である。
したがって、上述したシステム構成を有する制御部60を備えた本実施の形態に係る厚さ測定装置50によれば、簡易な構造で、リチウムイオン二次電池やキャパシタ等のシート状の電気化学素子で使用される基材表面に塗布された塗布層の厚さを精度よく測定することができる。
次に、本発明に係る厚さ測定装置50の他の実施の形態について説明する。
図11は、本発明の他の実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。
本実施の形態に係る厚さ測定装置56は、図5に示した実施の形態に係る厚さ測定装置50に対し、減衰体71に係る構成が相違する。また、放射線検出器52の検出出力が供給される制御部60が行う、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さ、電極板原材46の電極未塗工部87部分の厚さを取得する構成が、減衰体71に係る構成の相違に応じて、その検量線が異なるようになっている。
そのため、図11に示した比較例に係る厚さ測定装置56については、図5に示した実施の形態に係る厚さ測定装置50と同一若しくは同様な構成部分については同一符号を付し、その構成についての詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る厚さ測定装置56は、図5に示した実施の形態に係る厚さ測定装置50の同じ構成の第1の減衰体71に加えて、第2の減衰体72が設けられている。
第2の減衰体72は、例えば、互いの同期を取りながら被測定物である電極板原材46の幅方向に沿って移動する放射線源51及び放射線検出器52のガイド53,54の中のいずれか一方、又はこれらガイド53,54と平行な図示せぬ別のガイドに、その移動範囲を一部規制されて、電極板原材46の幅方向に沿って移動可能に設けられている。図示の例では、第2の減衰体72は、電極板原材46の帯幅方向の一端側に作製された電極未塗工部87eが通過する搬送路部分上には位置することできないようになっている一方、これ以外の搬送路部分においては、放射線源51及び放射線検出器52の移動と同期を取りながら、電極板原材46の幅方向に沿って放射線源51及び放射線検出器52と一緒に移動可能になっている。
そのために、第2の減衰体72を案内するガイドには、上述した第2の減衰体72の移動を可能にする減衰体移動機構が、放射線源51及び放射線検出器52の移動機構とは別に設けられている。この減衰体移動機構としては、例えば、図11に符号sで示したその移動規制位置において、移動する放射線源51及び放射線検出器52に対し、これらの移動方向に応じて第2の減衰体72をこれらに対して係合又は係合解除し、これらと一体化する係合/係合解除機構等、種々の減衰体移動機構が適用可能である。
さらに、第2の減衰体72には、放射線源51と放射線検出器52との間の放射線進路に対して、第2の減衰体72をこの進路上に進退させる図示せぬ進退機構が付設されている。進退機構は、例えば、図10に示した制御部60の作動制御部61からの指示によって、進入状態と退避状態との間で、第2の減衰体72を移動配置する。これに伴い、制御部60の作動制御部61は、被測定物として、金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時には第2の減衰体72を進行状態に、金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時には第2の減衰体72を退避状態に移動配置する指示を第2の減衰体72の進退機構に出力するようになっている。
図11(A)は被測定物として、金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時における厚さ測定装置56の状態を、図11(B)は、被測定物として、金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時における厚さ測定装置56の状態を、それぞれ示す。
図11(A)に示す金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時には、厚さ測定装置56は、被測定物の電極板原材46の帯幅方向に全域にわたって、第2の減衰体72を退避状態にしている。
これは、図8に示した[放射線検出器52による検出値]−[電極板原材46の測定対象部分の厚み]の関係特性に係り、金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46においては、符号806で示す、電極未塗工部87eにおいて、第1の減衰体71を介在させて、電極板原材46の電極未塗工部87部分の厚さを測定する場合、及び符号803で示す、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さを測定する場合とも、放射線検出器52による検出範囲810の上限に対して未だ十分に余裕がある。そこで、検査条件としての放射線源51からの照射強度17Vを適量分だけ増加変更することにより、その増加後の照射強度に対応した[放射線検出器52による検出値]−[電極板原材46の測定対象部分の厚み]の関係特性において、放射線検出器52による検出範囲810内で、かつ単位厚みの変化に対する検出値の変化がより大きい特性を、その測定に利用することができる。
図11(B)に示す金属箔84の片面のみに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時には、厚さ測定装置56は、一端側に作製された電極未塗工部87eが通過する搬送路部分を除いた、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さ測定時には、第2の減衰体72を退避状態にしている。
これは、図8に示した[放射線検出器52による検出値]−[電極板原材46の測定対象部分の厚み]の関係特性に係り、金属箔84の片面のみに塗布層43が作製された電極板原材46においては、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さを測定する場合は、図11(A)で説明したように、放射線源51からの照射強度17Vを適量分だけ増加変更してしまうと、その増加後の照射強度に対応した[放射線検出器52による検出値]−[電極板原材46の測定対象部分の厚み]の関係特性においては、電極板原材46の電極塗工部86部分の厚さを測定する場合に、放射線検出器52による検出値がその検出範囲810の上限を超えてしまう恐れがある。そこで、図11(A)に示すように、第1の減衰体71に比して放射線の減衰量が低い第2の減衰体72を介在させて、電極板原材46の電極塗工部86部分を透過した透過放射線を、さらに第2の減衰体72を透過させるようにして、放射線検出器52による検出範囲810内になるようにしている。
本実施の形態の厚さ測定装置56によれば、同じ厚さ測定装置56を同じ検査条件で、被測定物が金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46である場合の厚さ測定時にも、被測定物が金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46である場合の厚さ測定時にも利用することができ、いずれの測定時においても塗布層の厚さを精度よく測定することができる。
図12は、本発明のさらに別の他の実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。
本実施の形態に係る厚さ測定装置57は、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56に対し、第1の減衰体71に係る構成が相違する。
そのため、図12に示した厚さ測定装置57については、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56と同一若しくは同様な構成部分については同一符号を付し、その構成についての詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る厚さ測定装置57は、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56の同様な第1の減衰体73に加えて、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56と同じ第2の減衰体72が設けられている。そして、第1の減衰体73は、図11に示した第1の減衰体71よりも、放射線の減衰量が小さく構成されている。具体的には、放射線源51と放射線検出器52との間の放射線進路に、第2の減衰体72と重なるように並べて設けた場合、第1の減衰体73及び第2の減衰体72による放射線の減衰量が図11に示した第1の減衰体71による放射線の減衰量と同じ減衰量になるような構成になっている。図示の例では、図11に示した第1の減衰体71と同じ材質で、厚さが図11に示した第1の減衰体71よりも薄くなっている。
また、これに伴って、第2の減衰体72は、例えば、互いの同期を取りながら被測定物である電極板原材46の幅方向に沿って移動する放射線源51及び放射線検出器52のガイド53,54の中のいずれか一方、又はこれらガイド53,54と平行な図示せぬ別のガイドに、金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時にのみ、電極板原材46の幅方向に沿って、被測定物の電極板原材46の帯幅方向に全域にわたって、放射線源51及び放射線検出器52をガイド53,54に沿った移動と同期を取りながら、移動可能に設けられている。これにより、金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時には、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56のようにその移動範囲は移動規制はされておらず、電極板原材46の帯幅方向の一端側に作製された電極未塗工部87eにも移動位置できるようになっている一方、金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時には、電極板原材46の帯幅方向の一端側に作製された電極未塗工部87eが通過する搬送路部分上に固定配置されるようになっている。
そのために、第2の減衰体72を案内するガイドには、上述した第2の減衰体72の移動を可能にする減衰体移動機構が、放射線源51及び放射線検出器52の移動機構とは別に設けられている。減衰体移動機構は、例えば、図10に示した制御部60の作動制御部61からの指示によって、被測定物の電極板原材46の帯幅方向に全域にわたって、放射線源51及び放射線検出器52をガイド53,54に沿った移動と同期を取りながら、第2の減衰体72を移動させる。これに伴い、制御部60の作動制御部61は、被測定物として、金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時には第2の減衰体72を移動させ、金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材の46厚さ測定時には移動させない指示を第2の減衰体72の減衰体移動機構に出力するようになっている。
これに対し、第2の減衰体72には、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56のような、放射線源51と放射線検出器52との間の放射線進路に対して、第2の減衰体72をこの進路上に進退させる進退機構は、付設されていない。
図12(A)は、被測定物として、金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時における厚さ測定装置57の状態を、図12(B)は、被測定物として、金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時における厚さ測定装置57の状態を、それぞれ示す。
これにより、図12(A)に示す金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時、図12(B)に示す金属箔84の片面にのみ塗布層43が作製された電極板原材46の厚さ測定時に拘わらず、放射線源51及び放射線検出器52が電極板原材46の帯幅方向の一端側に作製された電極未塗工部87eに移動配置されている基材としての金属箔84の厚さ測定時には、放射線検出器52が検出する透過放射線の強度をその検出範囲810の範囲内に収まるようにすることができる。加えて、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56と同様に、被測定物が金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46、又は被測定物が金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46いずれの厚さ測定時においても、塗布層の厚さを精度よく測定することができる。
図13は、本発明のさらに別の他の実施の形態に係る厚さ測定装置の被測定物の搬送方向に沿って眺めた概略構成図である。
本実施の形態に係る厚さ測定装置58は、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56に対し、第2の減衰体72に係る構成が相違する。
そのため、図13に示した厚さ測定装置58については、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56と同一若しくは同様な構成部分については同一符号を付し、その構成についての詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る厚さ測定装置58は、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56と同じ第1の減衰体71に加えて、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56とは異なる第2の減衰体74が設けられている。第2の減衰体74は、図11に示した第2の減衰体72よりも幅広な、一端側に作製された電極未塗工部87eが通過する搬送路部分を除いた搬送路部分の幅と同じ幅長を備えている。これに伴い、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56に備えられていた第2の減衰体72の減衰体移動機構を省略することができる。
本実施の形態に係る厚さ測定装置58によっても、図11に示した実施の形態に係る厚さ測定装置56と同様に、被測定物が金属箔84の片面にのみに塗布層43が作製された電極板原材46、又は被測定物が金属箔84の両面それぞれに塗布層43が作製された電極板原材46いずれの厚さ測定時においても、塗布層の厚さを精度よく測定することができる。
このように、以上説明した厚さ測定装置50、56〜58によれば、簡易な構造で、二次電池やキャパシタ等の電気化学素子で使用される金属箔表面に塗布された塗布層の厚さを精度よく測定する測定装置及び測定方法を提供することができる。
なお、本発明に係る厚さ測定装置及び測定方法に係る具体的な構成、手順は、基材表面が塗布層によって被覆されていない電気化学素子の基材表面部分の厚さ測定を、所定の減衰量の減衰体を介して透過した放射線の減衰量を基に取得するものであれば、上述した実施の形態に限定されるものではなく、上記説明した以外の種々の具体的な態様が適用可能である。
80 捲回電極体、 81 電極板、 81N 負極板、 81P 正極板、
82 第1のセパレータ、 83 第2のセパレータ、 84 金属箔、
84N 負極金属箔(基材)、 84P 正極金属箔(基材)、
85 活物質合剤、 85N 負極活物質合剤、 85P 正極活物質合剤、
86 電極塗工部、 86N 負極塗工部、 86P 正極塗工部、
87 電極未塗工部、 87N 負極未塗工部、 87P 正極未塗工部、
88,88N,88P タブ、 41 ダイ、 42 バックロール、
43 塗布層、 44 金属箔露出部、 45 乾燥機、
46 電極板原材、 47 検査機、 48 裁断線、
50 厚さ測定装置、 51 放射線源、 52 放射線検出器、
53,54 ガイド、 55 同期移動機構、
56,57,58 厚さ測定装置、 60 制御部、 61 作動制御部、
62 A/D変換器、 63 データ入力部、 64 測定演算制御部、
65 比較演算テーブル、 66 比較演算テーブル、
67 比較演算テーブル、 68 測定結果記憶部、 69 入出力部、
71 第1の減衰体、 72 第2の減衰体、 73 第1の減衰体、
74 第2の減衰体、 90 厚さ測定装置(比較例)、

Claims (6)

  1. 被測定物としての電気化学素子の、塗布層が塗工されている基材塗工部及び塗布層が塗工されていない基材未塗工部を含む各部に、放射線を照射する放射線源と、
    電気化学素子の各部を透過した前記放射線源からの放射線の強度を検出する検出器と、
    前記放射線源から該検出器への前記基材未塗工部が介在する放射線の進路途中に配置され、透過する放射線を減衰させる減衰体と、
    前記検出器及び前記放射線源の作動を制御する一方、
    ・前記放射線源からの放射線が前記基材未塗工部及び前記減衰体を透過する際に前記検出器によって検出された放射線の強度と、
    ・前記放射線源からの放射線が前記基材塗工部を透過する際に前記検出器によって検出された放射線の強度と
    を比較演算して前記塗布層の厚さを演算する制御部と
    を備えていることを特徴とする電気化学素子の厚さ測定装置。
  2. 前記減衰体による放射線の減衰率が、前記塗布層1層分の放射線の減衰率から塗布層2層分の減衰率の間である
    ことを特徴とする請求項1記載の電気化学素子の厚さ測定装置。
  3. 前記減衰体の減衰率を前記塗布層の減衰率と同程度とする
    ことを特徴とする請求項2記載の電気化学素子の厚さ測定装置。
  4. 被測定物としての電気化学素子の、塗布層が塗工されている基材塗工部及び塗布層が塗工されていない基材未塗工部を含む各部に、放射線源から放射線を照射する工程と、
    前記放射線源から該検出器への前記基材未塗工部が介在する放射線の進路途中に配置され、透過する放射線を減衰させる減衰体を用い、前記放射線源からの放射線が前記基材未塗工部及び前記減衰体を透過する際の放射線の強度を検出器によって検出する工程と、
    前記放射線源からの放射線が前記基材塗工部を透過する際の放射線の強度を前記検出器によって検出する工程と、
    ・前記放射線源からの放射線が前記基材未塗工部及び前記減衰体を透過する際に前記検出器によって検出された放射線の強度と、
    ・前記放射線源からの放射線が前記基材塗工部を透過する際に前記検出器によって検出された放射線の強度と
    を比較演算して前記塗布層の厚さを演算する工程と
    を有することを特徴とする電気化学素子の厚さ測定方法。
  5. 前記減衰体の減衰率が塗布層1層分の減衰率から塗布層2層分の減衰率の間であることを特徴とする請求項4記載の電気化学素子の厚さ測定方法。
  6. 前記減衰体の減衰率を塗布層の減衰率と同程度とすることを特徴とする請求項5記載の電気化学素子の厚さ測定方法。
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