JP5754773B2 - 加熱用容器、局所加熱装置および加熱方法 - Google Patents

加熱用容器、局所加熱装置および加熱方法 Download PDF

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Description

本発明は、被加熱物を局所加熱装置により加熱する技術に関する。
アスベストなど人体に健康被害をもたらす有害な廃棄物は、厳重に管理された状態で運搬、廃棄される必要がある。そのため、有害廃棄物を無害化することにより、一般廃棄物として扱えるようにする技術が開発されている。例えば、特許文献1には、赤外線などの光を集光して局所的に加熱することにより、アスベストのような融点の高い材料を含む廃棄物を溶融させる技術が記載されている。この技術によれば、アスベストを一旦溶融させることによって非繊維化、無害化させ、また、塊状物となるため、その体積を大幅に減少させることもできる。また、局所的に加熱する装置であることから、薬液などを用いた化学的な無害化処理を行う装置に比べて、装置を小型化することも可能である。
特開2010−5541号公報
このように、特許文献1に開示された技術は、アスベストなどの有害廃棄物の無害化にあたって非常に有効な技術であるが、集光によって効率的にアスベスト含有廃棄物を加熱、溶融させるために、加熱前にアスベストを棒状に成型しておく必要があった。しかしながら、有害廃棄物を成型する装置においても、有害廃棄物が飛散しないようにするなど厳重な管理が必要であることから、装置の保守、管理にコストがかかる場合があった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、局所的に被加熱物を加熱する装置を用いる場合に、棒状に成型する装置を用いなくても被加熱物の効率的な加熱を可能とすることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、局所加熱装置によって吊設された状態で、被加熱物を保持するための加熱用容器であって、前記局所加熱装置における加熱領域の上下方向の長さよりも管長が長い管形状であり、内部空間に前記被加熱物を保持した状態で一端部を下方に位置させた場合に、当該内部空間に当該被加熱物が保持された状態を保つように形成された管部と、前記管部の他端部に設けられ、前記局所加熱装置に吊設されるために当該局所加熱装置と連結する連結部とを具備することを特徴とする加熱用容器を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記連結部は、前記管部よりも熱伝導率が低く、かつ融点が高い部材を有し、前記部材は、前記局所加熱装置に吊設された状態において、前記管部から前記局所加熱装置への熱の伝達経路上に位置するように設けられていることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記局所加熱装置は、集光により加熱し、前記管部は、前記光を吸収する部材で形成されていることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記管部は、電気伝導性を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記記載の加熱用容器と、前記加熱用容器を吊設し、上下方向に当該加熱用容器を移動させる吊設部と、前記吊設された前記加熱用容器の一部を局所的に加熱する加熱部とを具備することを特徴とする局所加熱装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記加熱用容器の下方に設けられ、前記管部よりも融点の高い材料を用いて構成される回収用容器をさらに具備することを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記管部は、前記他端部が開口し、前記吊設部は、前記他端部の開口から排出されるガスを吸入する排気ガス吸入部を有することを特徴とする。
また、本発明は、加熱用容器に被加熱物を装填する装填工程と、局所加熱装置に前記加熱用容器を吊設する吊設工程と、前記局所加熱装置により前記加熱用容器の下端部を加熱し、前記被加熱物と前記下端部とをまとめて溶融させる加熱工程とを備えることを特徴とする加熱方法を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記加熱工程においては、前記溶融させた前記被加熱物および前記加熱用容器を落下させ、回収用容器に回収させることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記装填工程においては、前記被加熱物を圧縮することを特徴とする。
本発明によれば、局所的に被加熱物を加熱する装置を用いる場合に、棒状に成型する装置を用いなくても被加熱物の効率的な加熱を可能とすることができる。
本発明の実施形態における局所加熱装置の例を説明する図である。 本発明の実施形態における加熱用容器の例を説明する図である。 本発明の実施形態における加熱方法の例を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態における装填工程の例を説明する図である。 本発明の実施形態における加熱工程の例を説明する図である。 本発明の変形例1における加熱用容器の例を説明する図である。
<実施形態>
[概要]
本発明の実施形態における局所加熱装置は、被加熱物を局所的に加熱する装置である。この例においては、局所加熱装置は、集光型の加熱装置である。被加熱物としては、アスベスト(石綿)などを含有した廃棄物である。この局所加熱装置は、人体に有害な廃棄物を加熱、溶融することによって無害化する。
[局所加熱装置1の構成]
図1は、本発明の実施形態における局所加熱装置1の例を説明する図である。図1は、各構成の位置関係を説明する模式図である。局所加熱装置1は、反射鏡2、ハロゲンランプ、キセノンランプなどの光源3、吊設部4、石英管5、回収用容器6、および加熱用容器10を有する。この例における局所加熱装置1は、一般的にフローティングゾーン(FZ)法にて結晶成長を行うときに用いられる一般的な集光型加熱装置とほぼ同様の構成であり、吊設部4の下方に位置して種結晶などを支える軸の代わりに回収用容器6が設けられ、また、吊設部4が原料棒ではなく加熱用容器10を吊設することが異なっている。そのため、局所加熱装置1において一般的な集光型加熱装置と同様な構成については、詳細の説明については省略し、構成の概要を説明する。
反射鏡2は、回転楕円体の形状であり、一方の焦点に設置された光源3から放射される光をもう一方の焦点に集光させる。この集光により加熱される部分は、石英管5内における特定の領域(以下、加熱領域TA(図5参照)という)に位置する部材である。加熱用容器10は、内部空間に被加熱物としての廃棄物を保持するための容器であり、吊設部4によって吊設されている。加熱用容器10の詳細の説明は後述する。
吊設部4は、加熱用容器10と連結することで加熱用容器10を吊設する軸状の部材である。吊設部4は、FZ法においては原料棒を吊設する部分に相当するが、この例においては、加熱用容器10を吊設するようになっている。また、加熱用容器10を吊設した状態で、加熱用容器10を上下方向に移動可能に構成されるとともに、上下方向を回転軸として加熱用容器10を回転可能に構成されている。
石英管5は、加熱用容器10を囲むように構成された管状の部材である。石英管5の内部空間にガスを流すことにより、吊設された加熱用容器10の周囲を、特定のガス雰囲気に制御できるようになっている。
回収用容器6は、吊設された加熱用容器10の下方に設置される容器であり、加熱領域TAにおいて溶融して落下する加熱用容器10の一部(管部11(図2参照))および廃棄物を回収する。回収用容器6は、自身が溶融してしまわないように、管部11および被加熱物としての廃棄物よりも融点が高い材料を用いて構成されることが望ましい。ただし、落下中に溶融物が冷却されるため、必ずしも管部11および廃棄物よりも融点が高くなくてもよい。
[加熱用容器10の構成]
図2は、本発明の実施形態における加熱用容器10の例を説明する図である。図2(a)は、加熱用容器10の正面図、図2(b)は、加熱用容器10の側面図(図2(a)における矢印Sから見た場合の図)、図2(c)は、加熱用容器10の底面図(図2(a)における矢印Bから見た場合の図)である。加熱用容器10は、廃棄物が装填される内部空間を形成する管部11を有するとともに、管部11と吊設部4とを連結するため連結部を構成する筒部12およびワイヤ13を有する。なお、筒部12およびワイヤ13は、管部11を吊設部4によって吊設された状態にするための構成として設けられているが、管部11を吊設部4によって吊設された状態にすることができる構成であれば、別の構成によって連結部を実現してもよい。
管部11は、この例においては、装填される廃棄物よりも融点の高い鉄などの金属により形成されている。また、管部11は、加熱領域TAの上下方向の長さよりも長い管長を有する管形状であり、下端部11Bにおいて塞がれた形状になっている。加熱用容器10が吊設部4により吊設された状態では下端部11Bが下方に位置するため、装填された廃棄物が管部11の内部空間において保持された状態を保つことになる。
管部11の上端部11Tは開口し、廃棄物が上端部11Tから装填可能になっている。
ワイヤ13は、ニッケル線、エナメル線などの金属ワイヤである。ワイヤ13は、筒部12の内部を通り、両端が結ばれて環状になっている。管部11が吊設された状態とするときには、ワイヤ13と吊設部4とを連結させる。なお、ワイヤ13は、金属に限られず、別の材料により構成されていてもよい。
筒部12は、管部11の上端部11T近傍において、管部11を貫通して設けられた筒状の部材である。筒部12は、この例においては、アルミナにより形成されているが、別の材料により形成されていてもよい。このとき、筒部12は、管部11よりも熱伝導率の低く、融点が高い材料を用いているようにすることが望ましい。このようにすれば、管部11から吊設部4へ熱が伝達される経路上に、熱伝導率の低い材料により構成された筒部12が用いられることになるから、管部11における熱がワイヤ13および吊設部4に伝達されにくい構成とすることができる。
[加熱方法]
図3は、本発明の実施形態における加熱方法の例を説明するフローチャートである。図3に示すように、本発明の実施形態における加熱方法は、装填工程(ステップS110)、吊設工程(ステップS120)、加熱工程(ステップS130)、および取出工程(ステップS140)を有する。
図4は、本発明の実施形態における装填工程の例を説明する図である。を示している。図4は、各構成の位置関係を説明する模式図である。装填工程(ステップS110)は、廃棄物20を加熱用容器10に装填する工程である。この例においては、図4(a)に示すように、管部11の内部空間に廃棄物20を装填する。そして、図4(b)に示すように、プレス機30を用いて、廃棄物20を圧縮する。例えば、この廃棄物20においては、密度が2倍程度となるように圧縮すれば最適であるが、廃棄物の種類などにより、圧縮量を適宜調整すればよい。なお、廃棄物20の圧縮は、されなくてもよい。なお、図4に示す例においては、筒部12およびワイヤ13は管部11から取り外された状態で、廃棄物20が装填されているが、プレス機30を用いない場合などにおいては、筒部12およびワイヤ13が取り付けられた状態まま、廃棄物20が装填されてもよい。
このようにして、廃棄物20は、加熱用容器10に装填されることにより、予め棒状に成型される必要がない。
図3に戻って説明を続ける。吊設工程(ステップS120)は、廃棄物20が装填された加熱用容器10を局所加熱装置1に吊設する工程である。図1に示すように、ワイヤ13と吊設部4とを連結することによって、加熱用容器10が吊設される。このとき、加熱用容器10は、下端部(管部11の下端部11B)が加熱領域TAの外側上方に位置するように、吊設される。
図5は、本発明の実施形態における加熱工程の例を説明する図である。図5は、各構成の位置関係を説明する模式図である。また、図5においては、加熱用容器10における廃棄物20の位置関係がわかるように記してある。加熱工程(ステップS130)は、光源3を点灯させた状態で、加熱用容器10を回転させながら下方(矢印D方向)に移動させ、管部11の下端部11Bを加熱領域TAに侵入させて、加熱、溶融させる工程である。なお、加熱用容器10が回転せずに下方に移動するようになっていてもよい。また、石英管5への廃棄物20などの蒸発物の付着抑制(防汚)のため、石英管5の内部空間には空気などの気体を流しておいてもよい。
図5(a)に示すように、管部11が加熱領域TAに侵入していない状態においては、管部11は加熱されていない。そして、管部11の下端部11Bは加熱領域TAに侵入すると、下端部11Bが加熱される。これにより、下端部11B近傍においては、熱が管部11の全体に伝達され、内部に保持している廃棄物20が管部11を介して予備加熱されることになる。このとき、管部11が金属など熱伝導率が高い部材により構成されているため、周囲に熱を伝達して拡散させる効果により、集光によって加熱された部分のみが局所的に高温になりすぎることはない。そのため、管部11だけが局所的に溶融することで孔が空き、廃棄物20が溶融しないまま落下してしまうことはない。また、管部11のうち加熱領域TAよりも広い範囲で廃棄物20が加熱されることになるから、効率的に廃棄物20を加熱溶融することができる。
廃棄物20が溶融し、続いて管部11の下端部11Bも溶融し始め、双方がまとめて溶融した状態になると、図5(b)に示すように、廃棄物20および管部11の溶融物21が落下して、回収用容器6に混合物25として回収される。なお、図5(b)において、管部11の下端部11Bは、廃棄物20および管部11の溶融物21(またはそれぞれを混合した溶融物21)が表面張力により管部11および廃棄物20の溶融していない部分に融着しているが、溶融物21の量が増加して重くなるとその一部が落下する。
そして、吊設部4は、溶融物21が落下して管部11の管長が短くなっても、管部11の下端部11Bが加熱領域TAに位置し続けるように、加熱用容器10を下方に移動させていく。このとき、下端部11Bが、加熱領域TAより下方に位置しないように移動させる。加熱用容器10の下方への移動の態様については、操作者が図示しない操作部を操作して調整してもよいし、管部11の形状、材料、廃棄物20の種類などの条件に応じて予め設定されていてもよい。また、加熱領域TA近傍を撮影する撮影部、および撮影画像を解析して管部11の下端部11Bの溶融状態に応じて加熱用容器10が移動するように吊設部4の移動態様を制御する制御部を設けてもよい。
図3に戻って説明を続ける。取出工程(ステップS140)は、回収された混合物25の入った回収用容器6、および残存した加熱用容器10を、局所加熱装置1から取り出す工程である。この混合物25については、管部11および廃棄物20が溶融して混合された部材である。したがって、一旦溶融しているから、有害な廃棄物20は、無害化された状態に変化し、また、塊状物となっているため体積も低減される。
以上が加熱方法の説明である。
このように、本発明の実施形態における局所加熱装置1においては、加熱用容器10に装填された廃棄物20を加熱する。したがって、廃棄物20は、加熱前に事前に成型される必要がない。また、局所加熱装置1は、廃棄物20に集光して加熱するのではなく、廃棄物20が加熱用容器10に装填された状態で管部11の下端部11Bに集光することにより、管部11を介して間接的に廃棄物20を加熱する。これにより、管部11において熱が周囲に拡散することで廃棄物20および管部11を効率的に加熱、溶融させることもできる。また、廃棄物20が管部11の内部空間に保持されているため、従来と比べて、廃棄物20の溶融に伴って発生する蒸気などにより、加熱領域TAの近傍における石英管5に廃棄物20起因の付着物が形成されるのを抑制することもできる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態およびその実施例について説明したが、本発明は以下のように、様々な態様で実施可能である。
[変形例1]
上述した実施形態においては、管部11の下端部11Bは、管の一端部が円板形状の部材によって塞がれた構成であったが、別の構成により塞がれていてもよい。例えば、管の一端部を変形させることにより塞がれるようにしてもよい。
図6は、本発明の変形例1における加熱用容器10aの例を説明する図である。図6は、図2(b)に対応する位置関係であり、加熱用容器10aの側面を示す図である。図6に示すように、加熱用容器10aにおける管部11aの下端部11Baは、図6に示す左右両側から押し潰されて変形することにより、管の一端部が塞がれた構成となっている。
このように、管部11aの下端部11Baにおいて、端部に近づくほど管部11aの内部空間の断面積が狭くなるように構成されていてもよい。
[変形例2]
上述した実施形態においては、被加熱物は、アスベストなどの人体に有害な廃棄物20を例として説明したが、人体に無害な廃棄物であってもよいし、廃棄物以外の様々な材料であってもよい。また、被加熱物は、管部11を介して加熱されることになるから、光透過性のある材料であってもよい。
[変形例3]
上述した実施形態においては、管部11は、鉄により形成されたものとして説明したが、鉄以外の金属などの導体であってもよいし、半導体であってもよいし、絶縁体であってもよい。このとき、管部11は、局所加熱装置1の光源3からの光を吸収する材料であることが望ましく、また、熱伝導率が高いほうが望ましい。絶縁体の場合には、光源3からの光を吸収し、かつ熱伝導率が高い材料のものは少ないが、例えば、色のついたサファイアなどが用いられる。
また、管部11は、装填される被加熱物(廃棄物20)よりも融点の高い材料により形成されていたが、以下に示す条件を満たせば、融点が低い材料により形成されていてもよい。この条件を満たす場合としては、被加熱物が管部11を構成する材料よりも融点が高い場合であっても、これらの融点の差が小さい場合である。この場合には、管部11が先に溶融しても僅かな時間で被加熱物も溶融することになるから、双方がまとめて溶融した状態で落下することになる。
また、被加熱物が管部11を構成する材料よりも融点が高く、これらの融点の差が大きい場合であっても、管部11と被加熱物とが反応、化合し、凝固点降下により融点が下がる場合がある。そのため、実質的には、融点の差が小さくなったのと同様な状態となり、上記条件を満たす場合がある。例えば、管部11が鉄であり、被加熱物が白金である場合には、白金単独では融点が1770℃程度であり、1530℃程度の鉄の融点とは大きく異なっているが、鉄と化合することにより、1600℃程度(1:1の組成比の場合)と融点が低くなる。そのため、白金である被加熱物と鉄である管部11の下端部11Bとがまとめて溶融した状態で落下することになる。このように、被加熱物および管部11の材料の組み合わせは様々なものとすることができる。
一方で、管部11が、光源3からの光を吸収しない部材である場合には、管部11の内部空間の廃棄物20に集光され、廃棄物20が直接加熱されることになる。このような場合であっても、廃棄物20から管部11へ熱が伝達され、上記のように管部11と廃棄物20が化合し、融点が低下する場合には、管部11が存在しない場合に比べて廃棄物20の効率的な加熱、溶融が可能となる。
また、上述した実施形態においては、管部11は、板状の部材により構成されていたが、内部空間に廃棄物20を保持することができれば、一部に孔が形成されていてもよいし、メッシュ状の部材により構成されていてもよい。
[変形例4]
上述した実施形態においては、管部11の上端部11Tは開口していたが、廃棄物20を装填した後に塞ぐようにしてもよい。上端部11Tを塞ぐ場合には、上端部11Tに蓋を取り付けたり、押し潰して変形させて塞いでもよい。このようにすることで、廃棄物20が溶融する際に発生した蒸気を上方に抜けにくくして、吊設部4、石英管5に再付着することを抑制することができる。
[変形例5]
上述した実施形態において、吊設部4は、管部11の下端部11Bの加熱中に管部11の上端部11Tから排出される蒸気などのガス(加熱された廃棄物20から発生するガスなど)を吸入し、排気ダクトなどを介して装置外部(フィルタなどを介してもよい)に排出するための排気ガス吸入部が設けられていてもよい。この場合、排気ガス吸入部は、上端部11Tからのガス(以下、排気ガスという)を吸引するように構成されていてもよい。また、排気ガス吸入部は、上端部11Tと接続して、管部11の内部空間と石英管5の内部空間とを分離するようにしてもよい。上端部11Tと排気ガス吸入部とが直接接続される場合には、上端部11Tと吊設部4とが直接連結する構成として、筒部12およびワイヤ13を用いない構成としてもよい。この場合には、上端部11Tが連結部に相当する。
このようにすると、管体11から石英管5の内部空間に排気ガスを漏れ出しにくくすることができるため、石英管5への防汚効果がある。また、排気ガスが有毒なものであっても、無害化するための無害化装置(フィルタなど)へ導くことができるため、有害な状態のまま外部へ漏れてしまうことを防止することもできる。このように管部11は、下端部11B近傍に位置する廃棄物20からの排気ガスを上端部11Tへ導く煙突のような役割を果たすことにもなる。
なお、このような排気ガスについては、廃棄物20および管部11の下端部11Bが溶融する温度よりも低い温度(例えば、500℃程度)で発生するため、廃棄物20および管部11の下端部11Bが溶融する温度に達したときには、ほぼ排気ガスは出尽くしている。したがって、溶融した結果開口した下端部11Bから排気ガスが出てしまうことは、ほとんどない。
[変形例6]
上述した実施形態においては、局所加熱装置1は、集光により加熱領域TAに位置する部材を加熱していたが、レーザを用いて加熱するようにしてもよい。また、光を用いた加熱でなくてもよく、管部11の下端部11Bを局所的に加熱可能な方式であれば、例えば、誘導加熱方式、抵抗加熱方式、火力を用いた方式など様々な加熱方式を適用することができる。
1…局所加熱装置、2…反射鏡、3…光源、4…吊設部、5…石英管、6…回収用容器、10,10a…加熱用容器、11,11a…管部、12…筒部、13…ワイヤ、20…廃棄物、21…溶融物、25…混合物、30…プレス機

Claims (11)

  1. 局所加熱装置によって吊設された状態で、被加熱物を保持するための加熱用容器であって、
    前記局所加熱装置における加熱領域の上下方向の長さよりも管長が長い管形状であり、内部空間に前記被加熱物を保持した状態で一端部を下方に位置させた場合に、当該内部空間に当該被加熱物が保持された状態を保つ形状を有し、当該被加熱物が加熱され溶融すると溶融する材料で形成された管部と、
    前記管部の他端部に設けられ、前記局所加熱装置に吊設されるために当該局所加熱装置と連結する連結部と
    を具備し、
    局所加熱装置によって吊設された状態で前記被加熱物が溶融すると、当該被加熱物の溶融物とともに前記管部の下端部が落下する
    ことを特徴とする加熱用容器。
  2. 前記管部は、熱伝導率が第1値であり融点が第1温度である材料で形成され、
    前記連結部は、熱伝導率が前記第1値よりも低い第2値であり、かつ融点が前記第1温度よりも高い第2温度である材料で形成された部材を有し、
    前記部材は、前記局所加熱装置に吊設された状態において、前記管部から前記局所加熱装置への熱の伝達経路上に位置するように設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱用容器。
  3. 前記局所加熱装置は、集光により加熱し、
    前記管部は、前記光を吸収する部材で形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱用容器。
  4. 前記管部は、電気伝導性を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の加熱用容器。
  5. 前記管部は、金属で形成され、
    前記連結部は、酸化物で形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の加熱用容器。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の加熱用容器と、
    前記加熱用容器を吊設し、上下方向に当該加熱用容器を移動させる吊設部と、
    前記吊設された前記加熱用容器の一部を局所的に加熱する加熱部と
    を具備することを特徴とする局所加熱装置。
  7. 前記管部は、融点が第1温度である材料で形成され、
    前記加熱用容器の下方に設けられ、融点が前記第1温度よりも高い第3温度である材料を用いて構成される回収用容器をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項に記載の局所加熱装置。
  8. 前記管部は、前記他端部が開口し、
    前記吊設部は、前記他端部の開口から排出されるガスを吸入する排気ガス吸入部を有する
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の局所加熱装置。
  9. 融点が第1温度である第1材料で形成された加熱用容器に、融点が第2温度である第2材料を含む被加熱物を装填する装填工程と、
    局所加熱装置に前記加熱用容器を吊設する吊設工程と、
    前記局所加熱装置により前記加熱用容器の下端部を加熱し、前記被加熱物と前記下端部とをまとめて溶融させる加熱工程と
    を備え
    前記第1温度は前記第2温度よりも高いか、または、
    前記第1温度は前記第2温度よりも低く、かつ前記第1材料は、前記加熱工程において加熱されると前記第2材料と反応または化合し凝固点降下により融点が下がる材料である
    ことを特徴とする加熱方法。
  10. 前記加熱工程においては、前記溶融させた前記被加熱物および前記加熱用容器を落下させ、回収用容器に回収させる
    ことを特徴とする請求項に記載の加熱方法。
  11. 前記装填工程においては、前記被加熱物を圧縮する
    ことを特徴とする請求項または請求項10に記載の加熱方法。
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