JP5754411B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生産性が高く、安価で高効率な太陽電池を得る方法に関し、特にパッシベーション性能に優れ、高い光反射効果を持つ太陽電池の裏面構造を安価に形成することができる太陽電池の製造方法を提供するものである。
単結晶や多結晶シリコン基板を用いた一般的な量産型太陽電池の模式図を図1に示す。第1導電型を持つ結晶シリコン基板101の受光面には、基板101の導電型と反対の導電型を有する第2導電型領域102が形成される。第1導電型にはBなどのIII族元素が添加されたp型シリコン基板が主に用いられ、一方の第2導電型領域102はPなどのV族元素を熱拡散させて形成される。更に第2導電型領域102上には、第2導電型領域102を覆うように第1誘電体膜103が形成される。第1誘電体膜103には、以下のような2つの役割がある。
1つ目は、太陽電池に入射する光を最大限取り込むための反射防止膜としての役割であり、屈折率が結晶シリコンより小さく、空気よりも大きい誘電体が用いられる。具体的には酸化チタン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウムなどが利用でき、また、これらの膜厚は、膜の屈折率により異なるが、窒化シリコン膜の場合は一般的に受光面で80〜100nm程度である。
2つ目の役割は、シリコン表面のキャリア再結合抑制である。光生成したキャリアを消滅させるシリコン基板表面の欠陥を終端させるパッシベーションの役割がある。結晶内部のシリコン原子は隣接する原子同士で共有結合し安定な状態にある。しかしながら、原子配列の末端である表面では結合すべき隣接原子が不在となることで、未給合手又はダングリングボンドといわれる不安定なエネルギー準位が出現する。ダングリングボンドは電気的に活性であるため、シリコン内部で光生成された電荷を捕らえて消滅させてしまい、太陽電池の特性が損なわれる。この損失を抑制するため、太陽電池では何らかの表面終端化処理を施してダングリングボンドを低減するか、又は反射防止膜に電荷を持たせることにより、表面における電子あるいは正孔のいずれかの濃度を大幅に低下させることにより電子と正孔の再結合を抑制する。特に後者は電界効果パッシベーションと呼ばれる。窒化シリコン膜などは正電荷を持つことが知られており、電界効果パッシベーションとしてよく知られている。
更に受光面上には、光生成したキャリアを取り出すための第1電極104が、第1誘電体膜103を貫通し、第2導電型領域102に接触するように形成される。この電極の形成方法としては、コストの面から、銀などの金属微粒子を有機バインダーに混ぜた金属ペーストをスクリーン版などを用いて印刷し、熱処理を行って基板と接着する方法が広く用いられている。電極形成は誘電体膜形成後に行うのが一般的である。そのため電極とシリコンを接触させるには、電極−シリコン間の誘電体膜を除去する必要があるが、金属ペースト中のガラス成分や添加物を調整することで、金属ペーストが第1誘電体膜103を貫通してシリコンに接触する、所謂ファイアスルーが可能になっている。
一方、受光面の反対側である非受光面には、光生成したキャリアの再結合を抑制するために、基板101と同じ導電型を発現させる不純物を高濃度に拡散させたBSF(裏面電界)層105が形成され、更にBSF層105を覆うように第2電極106が形成される。
BSF層105の形成方法としては、コストの面から、上記p型シリコン基板に対してアルミニウム微粒子を有機バインダーに混ぜたアルミニウムペーストを、スクリーン版などを用いて印刷し、シリコンとアルミニウムの共融点(577℃)以上の温度で熱処理を行う方法が一般的である。この温度で熱処理を行うと、冷却の過程でシリコンが多くのアルミニウムを取り込みながら再結晶化するので、比較的容易にBSF層105を形成できる。また、上記熱処理と再結晶化の過程で、シリコンとの接触界面から離れたところの大部分のアルミニウムペーストはそのまま残り、第2電極106となる。
ところが一方で、アルミニウムを使ったBSF構造は、太陽電池裏面におけるキャリア再結合抑制効果が限定的であり、更に光吸収が大きいため、光学的な損失が大きいという問題があった。そこでこれらの問題を回避し、太陽電池を高効率化するために、図2に示すような、所謂PR(Passivated Rear)構造型太陽電池が提案されている。
PR構造の特徴は、非受光面をパッシベーション効果の高い第2誘電体膜107で覆い、更に反射膜108として、反射率の高い銀やアルミニウムといった金属で第2誘電体膜107を覆っている点である。
一方、第2電極109は、第2誘電体膜107のパッシベーション効果をなるべく損なわないように、基板101との接触面積を最小限にするように形成される。
このような改良により、非受光面における光反射率を高め、基板101内を多重反射させることでより多くのキャリアを生成させると同時に、太陽電池裏面におけるキャリア再結合を効果的に抑制し、太陽電池特性を大幅に改善できる。
従来のPR構造形成方法は、例えば非特許文献1(Knobloch, et al., IEEE PVSC (1993))に詳述されている。これによれば、誘電体膜としてシリコン酸化膜を使い、フォトリソグラフィーで酸化膜を開口させ、アルミニウムを真空蒸着することで第2電極と反射膜を形成する。しかしながら、真空蒸着は生産性が非常に低く、コストも高いため、太陽電池の量産には適していない。
これに対し、特許文献1(特開2005−56875号公報)では、工程を簡素化する方法として、開口を施した第2誘電体膜上にアルミニウムペーストをスクリーン印刷し、焼成を行うことで反射膜と第2電極を形成する方法が提案されている。この方法は、真空蒸着に比べれば格段にコストを低く抑えることができるメリットがある。
しかし一方で、アルミニウムペーストの焼結体は一般にポーラスであるため、理想的なアルミニウムの光学特性に比べて光の吸収損失があるという問題があった。また、アルミニウムペースト焼結体と第2誘電体膜との密着性や、第1導電型領域との電気的接触の良否は、アルミニウムペーストの品質に大きく左右されて両立が難しく、しばしば剥離が生じたり、あるいは接触抵抗が増大したりするという問題があった。
特開2005−56875号公報
Knobloch, et al., IEEE PVSC (1993)
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、パッシベーション性能に優れ、高い密着性と光反射効果を持つ太陽電池の裏面構造を安価に形成する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、上記PR構造を有する太陽電池の製造方法において、前記第2誘電体膜上にこの第2誘電体膜に含まれる金属で成る反射膜を、前記第2誘電体膜に連続して形成することで、太陽電池裏面にPR構造を容易且つ安価に形成でき、良好な特性を有する太陽電池が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記の太陽電池の製造方法を提供する。
〔1〕
第1導電型を有する結晶シリコン基板の受光面に、前記基板と電気的に逆極性となる第2導電型を発現させる不純物のうち少なくとも1つの不純物を前記基板に導入して第2導電型領域を形成する工程と、前記受光面を少なくとも部分的に覆う第1誘電体膜を形成する工程と、非受光面を少なくとも部分的に覆う第2誘電体膜を形成する工程と、前記第2誘電体膜に含まれる金属元素を主成分とする反射膜で前記第2誘電体膜を覆う工程と、前記第2導電型領域と接触させて成る第1電極を形成する工程と、前記反射膜で第2誘電体膜を覆った後に前記基板と接触させて成る第2電極を形成する工程と、を備えた太陽電池の製造方法であって、前記第2誘電体膜として酸化アルミニウム膜がアルミニウム単体又はアルミニウム化合物と酸化剤との化学反応によって形成され、続いてこの第2誘電体膜成膜工程における酸化種の導入割合を減少させる又はなくすことにより前記反射膜が形成される太陽電池の製造方法。
〔2〕
前記第2誘電体膜と反射膜は、化学気相堆積法又はスパッタ法のいずれかの方法により形成される〔1〕に記載の太陽電池の製造方法。

前記アルミニウム化合物は、アルキルアルミニウム又は塩化アルミニウムのいずれかである〔又は〔2〕に記載の太陽電池の製造方法。

前記酸化剤は、酸素、オゾン、二酸化炭素、亜酸化窒素、水のいずれかである〔〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
本発明によれば、結晶シリコン太陽電池の裏面に高品質なPR構造を簡便に形成することができ、太陽電池の高効率化とコスト削減に極めて有効である。
従来技術による、一般的な太陽電池の構造を示す説明図である。 本発明に係るPR構造を有する、高効率太陽電池の構造を示す説明図である。 本発明に係るPR構造を有する、別の形態の高効率太陽電池の構造を示す説明図である。
本発明の太陽電池の製造方法の一例を以下に述べる。但し、本発明はこの方法で作製された太陽電池に限られるものではない。なお、図の説明において、同一構成部分については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
高純度シリコンにB、Ga又はInのようなIII族元素をドープし、抵抗率0.1〜5Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}p型シリコン基板表面のスライスダメージを、濃度5〜60質量%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリ、もしくは、フッ酸と硝酸の混酸などを用いてエッチングする。単結晶シリコン基板は、CZ法、FZ法のいずれの方法によって作製されてもよい。
引き続き、基板表面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸形成を行う。テクスチャは太陽電池の反射率を低下させるための有効な方法である。テクスチャは、加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどのアルカリ溶液(濃度1〜10質量%、温度60〜100℃)中に10〜30分程度浸漬することで容易に作製される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を制御することが多い。
テクスチャ形成後、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸等、もしくはこれらの混合液の酸性水溶液中で洗浄する。コスト的及び特性的観点から、塩酸中での洗浄が好ましい。清浄度を向上するため、塩酸溶液中に、0.5〜5質量%の過酸化水素水を混合させ、60〜90℃に加温して洗浄してもよい。
次にオキシ塩化リンを用いて、800〜950℃で気相拡散法により第2導電型領域102を形成する。第2導電型領域102は受光面にのみ形成する必要があり、これを達成するために非受光面を2枚を向かい合わせて重ねた状態で拡散したり、非受光面に窒化シリコンなどの拡散バリアを形成したりして、非受光面にリンが拡散されないように工夫を施す必要がある。拡散後、表面にできたガラスをフッ酸などで除去する。
また、本発明における太陽電池においては、図2に示す非受光面構造でもよいし、より高い太陽電池出力を必要とする場合には、図3に示すようにBSF層105を形成してもよい。
この場合、好ましくは臭化ホウ素を用いて900〜1,000℃で気相拡散を行う。BSF層105は、図3に示すように、非受光面全面に形成してもよいし、またあるいは第2電極109の形成箇所に合わせて局所的に形成してもよい。一般的なシリコン太陽電池はBSF層105を非受光面にのみ形成する必要があり、これを達成するために基板2枚の受光面を向かい合わせた状態で2枚重ね合わせて拡散したり、受光面側に窒化シリコンなどの拡散バリアを形成したりして、受光面にホウ素が拡散しないような工夫を施す必要がある。また臭化ホウ素の他、スクリーン印刷やスピンコートが可能なホウ素化合物や、窒化ホウ素のような固体拡散源を使用してもよい。またアルミニウムペーストを非受光面に例えばスクリーン印刷し、シリコンとアルミニウムの共融点(577℃)以上の熱処理を行った後、アルミニウム及びアルミニウムとシリコンの混晶層の全部又は一部をそれぞれ王水、酸、アルカリ溶液などで除去してもよい。
次に、受光面の反射防止、パッシベーション膜となる第1誘電体膜103を形成する。第1誘電体膜103としては、窒化シリコン膜などを約100nm程度成膜する。成膜には化学気相堆積装置を用い、反応ガスとしてモノシラン(SiH4)及びアンモニア(NH3)を混合して用いることが多いが、NH3の代わりに窒素を用いることも可能であり、また、H2ガスによる成膜種の希釈やプロセス圧力の調整、反応ガスの希釈を行い、所望の屈折率を実現する。光学的な特性を高めるため、屈折率は1.9〜2.2程度にするのがよい。また、窒化シリコン膜に限らず、酸化チタン、炭化シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウムなどを替わりに用いてもよい。一方、非受光面には、第2誘電体膜107として酸化アルミニウム膜を形成し、これに連続して金属アルミニウムによる反射膜108を形成する。
成膜方法には化学気相堆積(以下、CVD)法が主に用いられるが、反応性スパッタ法を用いてもよい。
CVD法の場合、酸化アルミニウム膜は、アルミニウム前駆体と酸化剤の化学反応により得られる。アルミニウム前駆体はアルキルアルミニウム又は塩化アルミニウムのいずれかが利用できる。また酸化剤には、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)、オゾン(O3)又は亜酸化窒素(N2O)などのガスが使用できる。CVD成膜室へのアルミニウム前駆体供給は、アルゴンや窒素又は水素を液相のアルミニウム前駆体に通し、バブリングすることによって行ってもよいし、液相のアルミニウム前駆体を適度に加熱して気化した後、上記のキャリアガスと混合させて行ってもよい。
CVD装置の方式は特に限定されるものではなく、熱CVDやプラズマCVD、光CVD、あるいは原子層制御CVD(原子層堆積:ALD)を用いてもよい。これらの方法では、枚葉式の装置でもよいが、生産性の面から、好ましくは基板を平面状に複数枚配置し、上記ガス雰囲気に露出させた面に膜を形成する方式や、基板をカセットに複数枚立てかけて横型炉や縦型炉で膜を形成する方式でもよい。但し、後者においては、非成膜面に保護膜を形成したり、非成膜面を向き合わせた2枚を重ねたりして、基板の裏面のみに膜が形成されるようにする必要がある。
酸化アルミニウムの成膜温度は、用いるアルミニウム前駆体によって様々であるが、例としてトリメチルアルミニウムについては150〜550℃、トリエチルアルミニウムについては300〜500℃、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウムについては300〜400℃、トリイソブチルアルミニウムについては250〜300℃で行うのがよい。
基板を成膜室に導入して所望の温度に達した後、アルミニウム前駆体と酸化剤を成膜室に供給する。減圧状態で成膜を行う場合の圧力は、CVD方式によって大きく異なるが、概ね10〜800Paである。
酸化アルミニウム膜の膜厚は、太陽電池の光学的特性を考慮すると、20〜150nmであるのがよく、更に好ましくは30〜100nmである。酸化アルミニウム膜が所望の厚みに形成されたら、酸化剤の供給を停止する。このときアルミニウム前駆体の供給は維持してもよいし、酸化剤と同時に停止し、一度成膜室の排気を行ってから再度供給を開始してもよい。
基板の温度は、酸化アルミニウムと同様に、用いるアルミニウム前駆体によって様々であるが、例としてトリメチルアルミニウムについては150〜550℃、トリエチルアルミニウムについては300〜500℃、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウムについては300〜400℃、トリイソブチルアルミニウムについては250〜300℃で行うのがよい。また生産性の観点から、好ましくは酸化アルミニウム成膜時と同じ温度で行うのがよい。この状態で基板上にはアルミニウムが析出し、金属アルミニウム膜が形成される。また、金属アルミニウムの膜質を改善するため、アルキルアルミニウムに水素ガスを導入してもよい。
プラズマCVDや光CVDでは、酸化剤の供給停止後も引き続きプラズマ励起又は光励起を維持してもよいが、アルミニウム膜へ炭素が混入するのを防ぐため、好ましくはプラズマ励起又は光励起を停止するのがよい。
金属アルミニウム膜厚は、30nm以上5μm以下であるのがよく、好ましくは50nm以上200nm以下であるのがよい。30nm未満では光の透過率が高いため光反射効果が低く、また5μmを超えると生産性が低い上、しばしば膜の残留応力が大きくなり基板が反ったり、剥離を生じたりするためである。
一方、反応性スパッタ法を用いる場合には、ターゲットには金属アルミニウムを、酸化剤には酸素やオゾンを、スパッタガスにはアルゴンをそれぞれ用いるのがよい。また、スパッタ装置の方式は特に限定されるものではなく、2極スパッタ装置やマグネトロンスパッタ装置が好適に用いられる。これらの方法では、枚葉式の装置でもよいが、生産性の面から、好ましくは基板を平面状に複数枚配置し、プラズマに露出させた面に膜を形成する方式がよい。
酸化ガス及びスパッタガスを成膜室に導入し、例えば圧力を0.001〜10Pa程度に保つことで酸化アルミニウムが好適に成膜される。酸素の流量比率は15〜80%程度であるのがよく、更に好ましくは30〜60%程度である。また、基板温度は室温でもよいし、50〜70℃程度に加熱してもよい。
酸化アルミニウム膜が所望の膜厚に達したら、反応ガスの供給を停止し、スパッタガスの圧力を例えば0.05〜50Pa程度とすることで、金属アルミニウムが好適に成膜される。次いで上記基板の受光面に第1電極104を形成する。第1電極104の形成方法は特に限定されないが、コストの面から、銀粉末とガラスフリットを有機バインダーと混合した銀ペーストを受光面に印刷し、1〜30分間、700〜850℃程度の温度で焼成することにより形成するのがよい。この熱処理により第1誘電体膜が銀ペーストに侵食され、第1電極と第2導電型領域が電気的に接触する。
一方、第2電極109の形成には、例えばレーザーアニール法が好適に用いられる。この方法は、例えばNd:YAGレーザーのような固体レーザーを用いて反射膜をアニールすることで反射膜のアルミニウムが酸化アルミニウムの層を貫通して基板と電気的に接触させることが可能になる。使用されるレーザーは、パルス照射型でもよいし、連続照射型でもよい。またレーザーの出力は、酸化アルミニウム膜と金属アルミニウム膜の膜厚にもよるが、大凡の目安としては0.1〜70W程度である。
この他の方法としては、酸化アルミニウム膜/金属アルミニウム膜積層体を部分的に除去して開口を設け、この開口に電極材を形成してもよい。開口はエッチングや機械研磨で行ってもよいし、酸化アルミニウム膜/金属アルミニウム膜積層体を形成する前に予め開口部に相当する領域へマスクを形成しておき、積層体形成後にマスクを除去してもよい。上記開口に対し、低温硬化型もしくは焼結性の銀ペーストをディスペンサーやスクリーン印刷により開口部に塗布する。低温硬化型ペーストは大気中で一般に100〜300℃程度の熱処理を行い、一方の焼結性銀ペーストは一般に700〜850℃の熱処理を行うことで、良好な電極が形成される。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
基板厚さ250μm、比抵抗1Ω・cmの、ボロンドープ{100}p型アズカットシリコン基板に、熱濃水酸化カリウム水溶液によりダメージ層を除去後、水酸化カリウム/2−プロパノール水溶液中に浸漬し、テクスチャ形成を行い、引き続き塩酸/過酸化水素混合溶液中で洗浄を行った。
次に、臭化ホウ素雰囲気下、1,000℃で受光面同士を重ねた状態で熱処理し、非受光面に第1導電型領域を形成した。続けて、オキシ塩化リン雰囲気下、850℃で裏面同士を重ねた状態で熱処理し、受光面に第2導電型領域を形成した。拡散後、フッ酸にてガラス層を除去し、純水洗浄の後、乾燥させた。次に、第1誘電体膜として、厚さ100nmの窒化シリコン膜を、平行平板型プラズマCVD装置により、受光面全面に成膜した。続いて、平行平板型プラズマCVD装置に、アルゴン200ml/minをキャリアガスとしてトリメチルアルミニウム100ml/minと酸素1,000ml/minを供給し、圧力350Pa、基板温度250℃として酸化アルミニウム膜を上記基板の裏面に30nm形成し、続いて温度と圧力を一定に保ったまま酸素の供給を停止し、金属アルミニウム膜を3μm形成した。次に、Nd:YAGレーザーを用い、レーザー光(波長1,064nm、出力15W)をアルミニウム成膜面に照射し、直径約50μmのポイントコンタクトを0.5mm間隔で形成した。最後に、受光面にスクリーン印刷でエッチングペーストを塗布して窒化シリコン膜にくし型電極パターンの開口を設け、そこへ樹脂硬化型銀ペーストをスクリーン印刷で形成し、大気中で150℃の熱処理をした後、キセノンランプ光源の擬似太陽光により出力特性を測定した。
[実施例2]
実施例1と同様の基板の受光面に同様に窒化シリコン膜を形成し、また第1導電型領域を形成した非受光面にマグネトロンスパッタ装置を用い、アルミニウムターゲットと酸素での反応性スパッタ法により、酸素:アルゴン流量比1:1、圧力0.1Paにて酸化アルミニウム膜を30nm形成した。その後、酸素供給を停止し、圧力0.1Paにてアルミニウム膜を3μm形成した。次に、Nd:YAGレーザーを用い、レーザー光(波長1,064nm、出力15W)をアルミニウム成膜面に照射し、直径約50μmのポイントコンタクトを0.5mm間隔で形成した。最後に、受光面にスクリーン印刷でエッチングペーストを塗布して窒化シリコン膜にくし型電極パターンの開口を設け、そこへ樹脂硬化型銀ペーストをスクリーン印刷で形成し、大気中で150℃の熱処理をした後、キセノンランプ光源の擬似太陽光により出力特性を測定した。
[比較例1]
上記拡散及び洗浄後の基板非受光面に、スクリーン印刷によりアルミニウムペーストを基板裏面全面に塗布し、150℃で乾燥した後、ベルト炉にて810℃で5秒間焼成した以外は実施例1と同様に操作し、最後に、キセノンランプ光源の擬似太陽光により出力特性を測定した。
表1は上記実施例及び比較例の出力特性測定結果を示す。
Figure 0005754411
101・・・基板
102・・・第2導電型領域
103・・・第1誘電体膜
104・・・第1電極
105・・・BSF層
107・・・第2誘電体膜
108・・・反射膜
109・・・第2電極

Claims (4)

  1. 第1導電型を有する結晶シリコン基板の受光面に、前記基板と電気的に逆極性となる第2導電型を発現させる不純物のうち少なくとも1つの不純物を前記基板に導入して第2導電型領域を形成する工程と、前記受光面を少なくとも部分的に覆う第1誘電体膜を形成する工程と、非受光面を少なくとも部分的に覆う第2誘電体膜を形成する工程と、前記第2誘電体膜に含まれる金属元素を主成分とする反射膜で前記第2誘電体膜を覆う工程と、前記第2導電型領域と接触させて成る第1電極を形成する工程と、前記反射膜で第2誘電体膜を覆った後に前記基板と接触させて成る第2電極を形成する工程と、を備えた太陽電池の製造方法であって、前記第2誘電体膜として酸化アルミニウム膜がアルミニウム単体又はアルミニウム化合物と酸化剤との化学反応によって形成され、続いてこの第2誘電体膜成膜工程における酸化種の導入割合を減少させる又はなくすことにより前記反射膜が形成される太陽電池の製造方法。
  2. 前記第2誘電体膜と反射膜は、化学気相堆積法又はスパッタ法のいずれかの方法により形成される請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記アルミニウム化合物は、アルキルアルミニウム又は塩化アルミニウムのいずれかである請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記酸化剤は、酸素、オゾン、二酸化炭素、亜酸化窒素、水のいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
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