JP5920421B2 - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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〈1〉
複数枚の太陽電池用基板にプラズマCVD装置を用いて反射防止膜を同時に製膜する工程を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、上記工程において、まず同一条件で同時に製造した複数枚の太陽電池用基板上に上記プラズマCVD装置を用いて反射防止膜を同時に製膜したものの中で最小の膜厚の反射防止膜を有する基板が最小の反射率を有するものとなる反射防止膜の膜厚を与えるプラズマCVD装置での製造条件を求め、この製造条件で以後の反射防止膜の製膜を繰り返すことにより、この製造条件で複数枚の太陽電池用基板に反射防止膜を製膜する場合、最小の膜厚の反射防止膜が最小の反射率を有する基板を形成すると共に、当該基板を含む反射防止膜付き基板の波長300〜1200nmにおける反射率が3%未満である基板を採取するようにし、その採取以外の基板について、反射防止膜を化学エッチング処理して、該反射防止膜付き基板の反射率が上記採取した反射防止膜付き基板の反射率と同じになるまで反射防止膜の膜厚を減少させ、この反射防止膜の膜厚を減少させた反射防止膜付き基板及び上記採取した反射防止膜付き基板の表裏面に電極を形成して外観を黒色乃至濃紺色の色彩で揃え、短絡電流を一定とした太陽電池を配線接続してモジュール化することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〈2〉
上記反射防止膜を製膜する前に、上記複数枚の太陽電池用基板の反射防止膜を製膜する面に同一条件で同時にテクスチャを形成することを特徴とする〈1〉記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〈3〉
化学エッチングが、反射防止膜付き基板の反射率を測定しながらエッチングするものである〈1〉又は〈2〉記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〈4〉
上記複数枚の太陽電池用基板は、厚さと比抵抗が同じ単結晶シリコン基板である〈1〉〜〈3〉のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〈5〉
上記反射防止膜を製膜する前に、上記複数枚の太陽電池用基板の反射防止膜を製膜する面に同一条件で同時にpn接合を形成することを特徴とする〈1〉〜〈4〉のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
このCVD装置にて反射防止膜を製膜する場合、製膜用ガス導入路16によって所定の製膜用ガスを所定の流量で製膜室11内に導入した後、高周波電源17を動作させて高周波電界を設定する。この操作により、高周波放電が発生して製膜用ガスがプラズマ化し、プラズマによって生じる反応を利用して、シリコン基板12の表面に反射防止膜を製膜する。
なお、本発明において、膜厚は、エリプソメータ(Gaertner Scientific Corporation社製)により測定した値である。また、反射率は、反射率計(島津製作所製)により波長300〜1200nm、25℃で測定した値である。
この場合、上記製造条件のうちでは、製膜時間又は基板を搭載するトレイの移動速度を450mm/分以下の範囲で制御することが好ましい。
厚さ200μm、比抵抗0.5Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板18枚を用意した。濃水酸化カリウム水溶液によりダメージ層を除去した後、これらの試料を同時に水酸化カリウム/2−プロパノール混合溶液に浸漬し、テクスチャーを形成した。水洗、乾燥後、アンモニア過水・フッ酸・塩酸過水・フッ酸洗浄し、水洗、乾燥した。
次に、基板18枚の非受光面どうしを重ね合わせ、石英ボートに搭載して、拡散炉に投入した。ヒーター温度を850℃まで昇温して、オキシ塩化リンを窒素毎分1リットル/分にてバブリングさせた。バブリング蒸発したオキシ塩化リンは、酸素ガス毎分1リットル/分を伴ってシリコン表面にリンガラスとして堆積させた。引き続き、窒素雰囲気中に30分間放置した後、拡散炉から取出した。拡散処理したこれら18枚は、1質量%、20℃HFでリンガラスを除去した。
得られた基板の中で最小膜厚を有する反射防止膜の基板を選定し、この基板の反射防止膜の反射率を最小とする膜厚を与える条件を求めた結果、上記条件のうちトレーの移動速度を450mm/分にすることがよいことを知見した。
従って、以後の反射防止膜の製膜条件を上記のようにして、残り9枚の基板について反射防止膜を製膜した結果、5枚の基板が黒色を呈し、その反射率(反射率計:島津製作所製,波長300〜1200nm,25℃)は3%未満であり、膜厚はエリプソ膜厚測定装置で90nm以内であった。
得られた太陽電池及び太陽電池モジュールの平均反射率、太陽電池の平均短絡電流、平均変換効率及び面内色むらについての結果を表1及び2に示す。
実施例1と同様にして拡散後ガラスエッチングした9枚の基板を用意した。プラズマCVD装置の条件を実施例と同条件とし、トレーの搬送スピードのみを450mm/分から500mm/分にした。この条件で得られた反射防止膜付基板9枚は茶色から黒色、濃紺色、水色を呈した。これらの反射防止膜の膜厚は80〜120nmであり、反射率は平均6%であった。
得られた太陽電池及び太陽電池モジュールの平均反射率、太陽電池の平均短絡電流、平均変換効率及び面内色むらについての結果を表1及び2に示す。
2 n型拡散層
3 反射防止膜
4 表面電極(フィンガー部及びバスバー部)
5 リード線
6 P+層
7 裏面電極
10 CVD装置
11 製膜室
12 基板
13 トレー
14 ヒーターブロック
15 温度制御装置
16 製膜用ガス導入路
17 高周波電源
18 排気装置
20 エッチング装置
21 基板
22 エッチング液滴下ノズル
23 リンス液滴下ノズル
24 反射率計
25 エッチング槽
26 吸着チャック
27 排気
28 ドレイン
30 太陽電池
Claims (5)
- 複数枚の太陽電池用基板にプラズマCVD装置を用いて反射防止膜を同時に製膜する工程を含む太陽電池モジュールの製造方法であって、上記工程において、まず同一条件で同時に製造した複数枚の太陽電池用基板上に上記プラズマCVD装置を用いて反射防止膜を同時に製膜したものの中で最小の膜厚の反射防止膜を有する基板が最小の反射率を有するものとなる反射防止膜の膜厚を与えるプラズマCVD装置での製造条件を求め、この製造条件で以後の反射防止膜の製膜を繰り返すことにより、この製造条件で複数枚の太陽電池用基板に反射防止膜を製膜する場合、最小の膜厚の反射防止膜が最小の反射率を有する基板を形成すると共に、当該基板を含む反射防止膜付き基板の波長300〜1200nmにおける反射率が3%未満である基板を採取するようにし、その採取以外の基板について、反射防止膜を化学エッチング処理して、該反射防止膜付き基板の反射率が上記採取した反射防止膜付き基板の反射率と同じになるまで反射防止膜の膜厚を減少させ、この反射防止膜の膜厚を減少させた反射防止膜付き基板及び上記採取した反射防止膜付き基板の表裏面に電極を形成して外観を黒色乃至濃紺色の色彩で揃え、短絡電流を一定とした太陽電池を配線接続してモジュール化することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
- 上記反射防止膜を製膜する前に、上記複数枚の太陽電池用基板の反射防止膜を製膜する面に同一条件で同時にテクスチャを形成することを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 化学エッチングが、反射防止膜付き基板の反射率を測定しながらエッチングするものである請求項1又は2記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 上記複数枚の太陽電池用基板は、厚さと比抵抗が同じ単結晶シリコン基板である請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 上記反射防止膜を製膜する前に、上記複数枚の太陽電池用基板の反射防止膜を製膜する面に同一条件で同時にpn接合を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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