JP5754109B2 - 高炉への原料装入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炉内への原料装入を旋回シュートで行う高炉への原料装入方法に関する。
高炉は、一般的に焼結鉱、ペレット、塊状鉱石等の鉱石類原料と、コークスとを炉頂より層状に装入し、羽口よりガスを流し、銑鉄を得る。装入された原料であるコークスと鉱石類原料とは炉頂より炉下部へと降下し、鉱石の還元と原料の昇温が起こる。鉱石類原料層は、昇温と上方からの荷重により鉱石類原料の空隙を埋めながら徐々に変形して、高炉のシャフト部の下方においては非常に通気抵抗が大きくガスが殆ど流れない融着層を形成する。
従来、高炉への原料装入方法は、鉱石類原料とコークスとを交互に装入しており、炉内では鉱石類原料層とコークス層が交互に層状となっている。また、高炉内下部には融着帯と呼ばれる鉱石が軟化融着した通気抵抗の大きな鉱石類原料層及びコークス由来の比較的通気抵抗が小さいコークススリットが存在する。
この融着帯の通気性が高炉全体の通気性に大きく影響を及ぼしており、高炉における生産性を律速している。低コークス操業を行う場合、使用されるコークス量が減少することからコークススリットを限りなく薄くすることが考えられる。
融着帯の通気抵抗を改善するためには、鉱石類原料層にコークスを混合することが有効であることが知られており、適切な混合状態を得るために多くの発明が報告されている。
例えば、特許文献1においては、ベルレス高炉において、鉱石ホッパーのうち下流側の鉱石ホッパーにコークスを装入し、コンベア上で鉱石の上にコークスを積層し、炉頂バンカーに装入して、鉱石とコークスとを旋回シュートを介して高炉内に装入するようにしている。
また、特許文献2では、炉頂のバンカーに鉱石とコークスとを別々に貯留して、コークスと鉱石を同時に混合装入することで、コークスの通常装入用バッチ、コークスの中心装入用バッチ及び混合装入用バッチの3通りを同時に行うようにしている。
さらに、特許文献3では、高炉操業における融着帯形状の不安定及び中心部付近におけるガス利用率の低下を防止し、安全操業と熱効率の向上を図るために、高炉における原料装入方法おいて、全鉱石と全コークスを完全混合した後炉内に装入するようしている。
特開平3−211210号公報 特開2004−107794号公報 特開昭59−10402号公報
ところで、融着帯の通気抵抗を改善するためには、前述した特許文献3に記載された従来例のように、鉱石層にコークスを混合することが有効であることが知られている。
しかしながら、鉄鉱石とコークスを混ぜた混合層と、コークス単体の層とでは、通気抵抗が異なるため、コークススリットをなくすことで均一な通気抵抗となる層を形成させる必要がある。前述した特許文献3に記載された従来例では、コークススリットがない高炉について記載されているが、高炉における具体的な原料装入方法については言及されていない。
また、前述した特許文献1においては、炉頂バンカーにおいて鉱石とコークスとを混合させることから、炉頂バンカー内で偏析が生じてしまい、鉄鉱石とコークスとの混合比率を正確に維持することはできないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の課題に着目してなされたものであり、コークススリットを存在させることなく、通気抵抗を低減させた装入原料層を形成することができる高炉への原料装入方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一の形態に係る高炉への原料装入方法は、焼結鉱、ペレット、塊状鉱石などの鉱石類原料及びコークスの高炉装入原料の高炉内への装入を旋回シュートで行う高炉の操業方法であって、前記高炉装入原料を前記高炉に装入する際に、軸心部に中心コークス層を形成し、該中心コークス層の外側に前記鉱石類原料及びコークスを混合させた混合層を形成するようにし、前記高炉の炉頂に配設した3つの第1、第2及び第3炉頂バンカーと、該第1、第2及び第3炉頂バンカーの排出口に配設され当該第1、第2及び第3炉頂バンカーから排出される原料を混合して前記旋回シュートに供給する集合ホッパーとを備え、前記第1炉頂バンカーに前記鉱石類原料と前記コークスとを当該コークス量が全量の30%以下となるように混合させた混合原料を貯留し、前記第2炉頂バンカーに前記コークスのみを貯留し、前記第3炉頂バンカーに前記鉱石類原料のみを貯留し、前記混合層を形成する際に、前記第1、第2及び第3炉頂バンカーから同時に前記混合原料、前記コークス、及び鉱石類原料を排出し、前記集合ホッパーで混合して前記旋回シュートに供給することを特徴としている。
この方法によると、高炉の軸心部に中心コークス層を形成して、この中心コークス層で軸心部の通気性を確保し、この中心コークス層の外周側に焼結鉱、ペレット、塊状鉱石等の鉱石類原料とコークスとを混合した混合層を形成するので、この混合層でコークススリットが形成されることはなく、高温ガスが直接鉱石類原料間を通過して上昇することにより、通気・伝熱を改善することができる。
この方法によると、例えば鉱石類原料とコークスとをコークス量が全量の30%以下となるように混合した混合原料を貯留する炉頂バンカーと、コークスのみを貯留する炉頂バンカーと、鉱石類原料のみを貯留する炉頂バンガーとを設け、高炉内に混合層を形成する際に、各バンカーから混合原料、鉱石類原料及びコークスを同時に集合ホッパーに排出することにより、集合ホッパーで偏析を生じることなく混合して、旋回シュートに供給することができ、良好な混合層を形成することができる。ここで、混合原料を貯留する炉頂バンカーを設けない場合でも、コークスと鉱石類原料とを個別に貯留する炉頂バンカーから同時に集合ホッパーに排出することにより、混合層を形成することができる。
また、混合原料を貯留する炉頂バンカーで、コークス量が全量の30%を超えると、炉頂バンカー内にコークス及び鉱石類原料を投入するベルトコンベア等で比重及び粒子径差があるコークスと鉱石類原料との偏析が大きくなると共に、ベルトコンベアから炉頂バンカーへの混合原料の投入時にも、局所的にコークスのみや鉱石類原料のみが存在してしまうことになり、良好な混合層の形成が阻害されてコークススリットが形成されてしまう。
また、本発明の他の形態に係る高炉への原料装入方法は、記旋回シュートの原料装入先が軸心部であるときに、前記コークスのみを貯留した前記第2炉頂バンカーからコークスのみを排出して前記中心コークス層を形成することを特徴としている。
この方法によると、旋回シュートの先端が炉内周辺部から中心側に向かって傾動させる順傾動制御する場合には、旋回シュートが垂直に近い状態となって、軸心部に原料を投入する状態となったときに、コークスのみを貯留する炉頂バンカーからコークスを排出することにより、中心コークス層を正確に形成することができる。逆に、旋回シュートの先端が軸心部側から炉内周辺部に向かって傾動させる逆傾動制御する場合には、初期段階でコークスのみを貯留する炉頂バンカーからコークスを排出することにより、中心コークス層を正確に形成することができる。
また、本発明の他の形態に係る高炉への原料装入方法は、前記旋回シュートが、装入開始時に軸心部に前記中心コークス層を形成する垂直傾動状態に制御され、その後徐々に外周側に向かって前記混合層を形成するように逆傾動制御されることを特徴としている。
この方法によると、中心コークス層を形成してからその周囲に混合層を形成するので、中心コークス層内に混合層の鉱石類原料が混入することを確実に防止して、中心コークス層を正確に形成することができる。
また、本発明の他の形態に係る高炉への原料装入方法は、前記高炉の軸心部にコークスを投入するコークス専用シュートを前記旋回シュートの旋回領域外に設け、該コークス専用シュートからコークスを軸心部に装入することにより、前記中心コークス層を形成するようにしたことを特徴としている。
この方法によると、コークス専用シュートでコークスを高炉の軸心部に投入するので、中心コークス層を正確に形成することができる。
また、本発明の他の形態に係る高炉への原料装入方法は、前記コークス専用シュートからコークスを投入することによる中心コークス層の形成は、前記旋回シュートにより前記混合層を形成する原料が軸心部に流れ込み始める前に行うようにしたことを特徴としている。
この方法によると、特に旋回シュートを順傾動制御する場合に、混合層の形成が軸心部近くなる前に中心コークス層を形成することができ、中心コークス層への混合層の鉱石類原料の流れ込みを確実に防止することができる。
本発明によれば、高炉内へ鉱石類原料及びコークスを装入する際に、高炉内の軸心部に中心コークス層を形成し、この中心コークス層から外側に鉱石類原料及びコークスを混合した混合層を形成するので、混合層でコークススリットが形成されることはなく、融着帯で、分散しているコークスによる通気改善を行うことができると共に、高温ガスが混合層の鉱石類原料間を直接通過することにより、伝熱を改善することができる効果が得られる。
このため、融着帯下部の鉱石類原料の高温ガスとの接触面積が拡大されて、浸炭を促進することができる。
さらに、混合層の形成を、コークスのみを貯留する第2炉頂バンカー、鉱石類のみを貯留する第3炉頂バンカー、及び鉱石類原料にコークス量を全量の30%以下混合した混合原料を貯留する第1炉頂バンカーの3つの炉頂バンカーを設け、第1、第2及び第3炉頂バンカーから同時に集合ホッパーに混合原料、コークス及び鉱石類原料を排出することにより、集合ホッパーでコークス及び鉱石類原料を確実に混合して旋回シュートに供給することにより、均一な混合比の混合層を形成することができる。
本発明の高炉への原料装入方法の一実施形態を示す模式図である。 図1の炉頂バンカーを含む原料装入状態を示す模式図である。 炉頂バンカーからの原料排出順序を示す説明図である。 本発明による高炉への原料装入状態と通常高炉での原料装入状態とを対比して示す模式図である。 本発明による高炉への原料装入状態と通常高炉での原料装入状態とを対比し、上部、中部及び下部の還元状態、通気・伝熱状態及び溶融浸炭状態を示す説明図である。 鉱石類原料の高温性状を測定する実験装置を示す概略構成図である。 図6の実験装置の実験結果の通気抵抗と加熱温度との関係を示す特性線図である。 コークス粒子径をパラメータとした鉱石類原料へのコークスの混合割合と最大圧力損失割合との関係を示す特性線図である。 本発明の他の実施形態を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明による高炉への原料装入方法の一実施形態を模式的かに示す図である。
図中、1は、焼結鉱、ペレット及び塊状鉱石の少なくとも一つからなる鉱石類原料2を貯蔵する鉱石類原料ホッパー、3はコークス4を貯蔵するコークスホッパーである。これら鉱石類原料ホッパー1及びコークスホッパー3から所定比率で切出された鉱石類原料2及びコークス4は鉱石コンベア5によって上方に搬送されてリザービングホッパー6に鉱石類原料2及びコークス4が混合されて高炉装入原料7として貯留される。このリザービングホッパー6から切出された高炉装入原料7は装入コンベア8によって高炉10の炉頂に搬送され、レシービングシュート11を介して複数例えば3つの第1炉頂バンカー12b、第2炉頂バンカー12a、第3炉頂バンカー12cの1つ例えば第1炉頂バンカー12bに投入されて貯留される。ここで、第1炉頂バンカー12bに貯留される鉱石類原料及びコークスの混合原料は、コークス量が混合原料の全量の30%以下となるように調整されている。ここで、コークス量を混合原料の全量の30%以下に調整する理由は以下のとおりである。なお、以下の説明においては、第1炉頂バンカー12bを単に炉頂バンカー12b、第2炉頂バンカー12aを単に炉頂バンカー12a、第3炉頂バンカー12cを単に炉頂バンカー12cと言う。
鉱石類原料ホッパー1及びコークスホッパー3から切出された鉱石類原料2及びコークス4は、鉱石コンベア5で、鉱石類原料2上にコークス4が積層された状態で、リザービングホッパー6に投入されることにより、このリザービングホッパー6で鉱石類原料2とコークス4とが混合されて混合原料となる。しかしながら、リザービングホッパー6に貯留された混合原料が装入コンベヤ8でレシービングシュート11まで搬送されるので、この装入コンベア8上で、コークスと鉱石類原料とで比重差及び粒子径差があるので、偏析する可能性があり、さらに、レシービングシュート11を介して炉頂バンカー12bに投入された際にも、偏析する可能性がある。
このとき、混合させるコークス量が全量の30%以下であるときには、炉頂バンカー12bに貯留された時点で、コークスと鉱石類原料とで大きな偏析を生じることはなく、旋回シュート16によって形成される鉱石類原料とコークスとの混合層の混合率を略均一にすることができる。
これに対して、コークス量が全量の30%を超えると比重差及び粒子径差による偏析が起こりやすくなり、炉頂バンカー12bに貯留された時点でコークスと鉱石類原料との偏析が大きくなり、局所的に鉱石類原料のみやコークスのみが存在する領域が発生してしまう。
しかも、炉頂バンカー12bから混合原料を排出する際の排出順序は、図に示すように、高炉の中心軸に近い排出口に近い位置から上方に順次移動し、その後高炉の中心軸から外側に離れる方向に移動し、最後に傾斜側壁の上端側が配設される。
このため、排出口の直上部や傾斜側壁の上端側に鉱石類原料のみやコークスのみが存在する場合には、鉱石類原料のみ又はコークスのみが排出されることになり、後述する集合ホッパー14で他の炉頂ホッパー12a及び12cから排出される鉱石類原料及びコークスと混合されることになるが、鉱石類原料又はコークスの比率が増加して、旋回シュート16によって形成される鉱石類原料及びコークスの混合層の混合率が不均一となる。
また、炉頂バンカー12aには、コークスのみが貯留され、炉頂バンカー12cには鉱石類原料のみが貯留される。
そして、炉頂バンカー12a〜12cから流量調整ゲート13により所定の流量に調整されて排出されたコークス、混合原料及び鉱石類原料は、集合ホッパー14で混合されて直下のベルレス式装入装置15へ送られ、このベルレス式装入装置15の旋回シュート16により高炉10内に装入される。
ここで、旋回シュート16は、高炉10の中心軸を中心に旋回すると同時に高炉10の炉中心の軸心部側から炉壁側へ向かって傾動するように逆傾動制御され、炉頂バンカー12から排出された高炉装入原料が炉中心側から炉壁側へと逆方向に装入を行う逆傾動制御方式で原料装入を行う。
このとき、旋回シュート16が略垂直状態に傾動している初期装入状態では、炉頂バンカー12b及び12cの流量調整ゲート13が閉じられ、炉頂バンカー12aのみの流量調整ゲート13が開かれて、この炉頂バンカー12aに貯留されているコークスのみが旋回シュート16に供給されて、図2に示すように、軸心部に中心コークス層12dが形成される。
その後、旋回シュート16が徐々に水平方向側に傾動して、中心コークス層12dの形成が終了すると、残りの2つの炉頂バンカー12b及び12cの流量調整ゲート13が所定比率で開かれて、炉頂バンカー12aから排出されるコークスと、炉頂バンカー12bから排出される混合原料と、炉頂バンカー12cから排出される鉱石類原料とが同時に集合ホッパー14へ供給される。このため、集合ホッパー14でコークスと鉱石類原料とが完全に混合されてから旋回シュート16に供給されて、図12に示すように、高炉10内の中心コークス層12dの外側にコークスと鉱石類原料とが略均一な混合率となってコークススリットを生じない混合層12eが形成される。
ここで、中心コークス層12d及び混合層12eのコークス量は、中心コークス層12dのコークス量が全コークス量の10質量%以上に設定され、混合層12eのコークス量が全コークス量の65質量%以上に設定されている。
そして、中心コークス層12d及び混合層12eで構成される層を順次高炉10内に下部から上部まで形成して行く。
このように中心コークス層12d及び混合層12eで構成される層を順次積層することにより、高炉10内の軸心部では通気抵抗の小さい中心コークス層12dが高炉下部から高炉上部に向かって形成され、その周囲にコークスと鉱石類原料とが完全混合された混合層12eが形成される。
このため、図4の右半部に示すように、高炉10の下部における湯溜り部に設けた羽口の送風管21からCOを主体とする高温ガスを流入させることにより、軸心部の中心コークス層12dを通って上昇するガス流が形成されると共に、混合層12eを通って上昇するガス流が形成される。この送風管21から流入する高温ガスによって、コークスを燃焼させ、鉱石類原料を還元溶解させる。
これによって、高炉10の下部における鉱石類原料が溶融することにより、高炉10内に装入されたコークスと鉱石類原料とは炉頂より炉下部へと降下し、鉱石類原料の還元と鉱石類原料の昇温が起こる。
このため、溶融層の上部側に鉱石類原料が軟化した融着帯が形成され、この融着帯の上部側で鉱石類原料の還元が行われる。
このとき、図5の右半部に示すように、高炉10の下部では、混合層12eにおいて、鉱石類原料とコークスとが完全混合されて、鉱石類原料間にコークスが入り込んだ状態となり、コークススリットが無いので、通気性が改善されるとともに、高温ガスが直接鉱石類原料間を通過するため伝熱遅れがなく伝熱特性を改善することができる。
このため、高炉10の融着帯の下部では、鉱石類原料と高温ガスの接触面積が拡大し、浸炭を促進することができる。また、融着帯内では、通気性及び伝熱性を改善することができる。さらに、高炉10の上部でも、鉱石類原料とコークスとが近接して配置されているので、鉱石類原料の還元反応とガス化反応(カーボンソリューションロス反応)との相互活性化現象であるカップリング反応によって還元遅れを生じることなく良好な還元が行われる。
このときの還元反応は、FeO+CO=Fe+COで表される。
また、ガス化反応は、C+CO=2COで表される。
一方、前述した鉱石とコークスとを層状に積層する従来例では、図4の左半部で示すように、高炉内に鉱石とコークスとを交互に装入して、高炉内に鉱石層とコークス層とが層状となるように装入する。この場合には、羽口の送風管21からCO主体の高温ガスを流入させたときに、図5の左半部に示すように、融着帯の下部で、コークススリット減により通気が制限されて圧損が上昇することにより、鉱石の高温ガスとの接触面積が小さくなり浸炭が制限されるという問題がある。
また、融着帯の上部側では、コークススリットが形成され、このコークススリットを通じて鉱石に熱伝導されるため、伝熱遅れが発生し、伝熱不足となるともに、高炉10の上部では、通気性の良いコークス層と通気性の悪い鉱石層とが積層されているので、昇温速度が低下するとともに、還元反応のみが行われ、還元遅れが発生するという問題がある。
しかしながら、本実施形態では、前述したように、軸心部のコークスのみの中心コークス層12dとその周囲のコークスと鉱石類原料とを完全混合した混合層12eとで形成される装入層を積層したので、混合層12eでコークススリットが形成されることがなく、ガス流れを均一化して、良好な伝熱性を確保して安定的な通気改善が可能となり、上記従来例の問題点を解決することができる。
本実施形態の上記効果を実証するために、図6に示す実験装置を用いて、高炉内での原料還元、昇温過程を模擬してその通気抵抗の変化を調べた。
この実験装置は、円筒状の炉体31の内周面に炉芯管32を配置し、この炉芯管32の外側に円筒状の加熱用ヒーター33を配置する。炉芯管32の内側には耐火物で構成された円筒体34の上端に黒鉛製るつぼ35を配置し、このるつぼ35内に装入原料36が装入されている。この装入原料36には、高炉下部の融着層と同程度の状態となるように、パンチ棒37を介して連結した荷重負荷装置38により上部から荷重を負荷する。円筒体34の下部には、滴下物サンプリング装置39が設けられている。
るつぼ35には、その下部の円筒体34を介してガス混合装置40によって調整したガスを送り、るつぼ35内の装入原料36を通過したガスはガス分析装置41で分析される。
加熱用ヒーター33には加熱温度制御用の熱電対42が配設され、この熱電対42で温度を測定しながら図示しない制御装置で加熱用ヒーター33を制御することによって、るつぼ35を1200℃〜1500℃に加熱する。
ここで、るつぼ35内に装入された装入原料36の鉱石としては50〜100質量%の焼結鉱と、0〜50質量%の塊鉄鉱石を混合したものを用いた。
図7は上記実験装置の実験結果の一例を示す鉱石に対するコークスの混合量を変化させた場合及び粒子径を変化させた場合の通気抵抗と加熱温度との関係を示す特性線図である。
この図7に示すように、コークスを混合しない場合には、1400℃以上の高温域で通気抵抗が急激に上昇するのに対し、コークスを混合した場合には通気抵抗が顕著に低下する。このとき、コークスの混合量を増やした場合には、その効果が大きくなることが分かる。これは、コークスを混合することによって、鉱石の変形が抑制され、また混合コークス近傍の空隙が維持されるため、鉱石の変形によって粒子間の空隙が減少するために、通気抵抗値が上昇する現象が防止されるためである。
また、図8には、コークス混合割合と最大圧力損失割合との関係を示す特性線図であって、塊コークスと小中塊コークスとを用いて場合において、融着層における通気抵抗値が異なり、小中塊コークスを用いた場合には、塊コークスを用いた場合と比較して同じ混合量でも圧力損失が小さくなることが実証された。
[実施例]
本実施形態の混合層12eについて、全コークス量に対する混合層12eに混合するコークス量を表すコークスの混合率を69質量%とし、高炉の一日の出銑量(t/d)を炉内容積(m)で除した数値である出銑比を2.0とした実施例1、コークスの混合率を84質量%とし、上記出銑比を2.0とした実施例2及びコークスの混合率を84質量%とし、出銑比を2.5とした実施例3と、比較例として、コークスの混合率を0質量%とし、出銑比を2.0とした比較例1、コークスの混合率を34質量%とし、出銑比を2.0とした比較例2及びコークスの混合率を34質量%とし、出銑比を2.5とした比較例3とについて個別に原料装入を行った操業結果を下記表1に示す。
Figure 0005754109
この表1で、コークス比及び微粉炭比は、溶銑1tを製造するに当たり使用したコークス及び微粉炭の量(kg)である。還元材比は、コークス比と微粉炭比の総和である。ガス利用率は、炉頂におけるCOとCOとの濃度の比であり、下記式より計算する。
ガス利用率=CO/(CO+CO)×100
ここで、COは炉頂CO濃度[%]、COは炉頂CO濃度[%]である。
また、ΔP/Vは高炉内での通気抵抗を指数化した指標であり、下記式より計算する。
ΔP/V=(BP−TP)/BGV
ここで、BPは送風圧力[Pa]であり、TPは炉頂圧力[Pa]であり、BGVはボッシュガス量[m(標準状態)/min]である。
この表1から明らかなように、実施例1〜3は、ともにコークス比を332〜320の範囲として比較例1〜3のコークス比362〜350に比較して低コークス比となっており、この場合でも通気抵抗の指標ΔP/Vを比較例1〜3における22.7〜19.5の範囲より低い19.1〜18.5の範囲に抑制することができる。しかも、出銑比を2.5まで上昇させた場合(実施例3)でも比較例1〜3より低いコークス比で通気抵抗を低減することができた。
また、表1から明らかなように、コークスの混合率を前述した65質量%以上に設定することにより、低コークス比とした低還元材比においても通気抵抗低減することができることが実証された。
なお、上記実施形態においては、高炉10内の旋回シュート16を軸心部から外周壁側に順次傾動させる逆傾動制御する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、旋回シュート16を外周壁側から軸心部に傾動させる順傾動制御する場合でも本発明を適用することができる。この場合、旋回シュート16が軸心部に移動するまでは、3つの炉頂バンカー12a〜12cからコークス、混合原料、鉱石類原料を同時に排出して、集合ホッパー14で混合し、旋回シュート16に供給して混合層12eを形成し、軸心部近傍で、炉頂バンカー12b及び12cの流量調整ゲート13を閉じて炉頂バンカー12aからコークスのみを集合ホッパー14を介して旋回シュート16に供給することにより、中央コークス層12dを形成するようにすればよい。
また、上記実施形態においては、旋回シュート16の傾動と、炉頂バンカー12a〜12cの流量調整ゲート13の開閉制御によって、中央コークス層12d及び混合層12eを形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9に示すように、高炉10の軸心部に直接するコークスを投入するコークス専用シュート50を旋回シュート16と干渉しない位置に配設し、このコークス専用シュート50によって高炉10の軸心部に直接コークスを装入して中心コークス層12dを形成するようにしてもよい。この場合、コークス専用シュート50によるコークスの投入時期は、旋回シュート16が順傾動制御される場合には、旋回シュート16によって形成される混合層12eが軸心部に到達する前にコークスを投入することにより、中心コークス層12d内に鉱石類原料が混入することを防止することが望ましい。また、旋回シュート16が逆傾動制御される場合には、先ず、コークス専用シュート50によってコークスを投入して中央コークス層12dを形成した後に、各炉頂バンカー12a〜12cからコークス、混合原料及び鉱石類原料を同時に排出して、集合ホッパー14で混合してから旋回シュート16に供給して混合層12eを形成することが好ましい。
さらに、上記実施形態においては、混合層12eをコークス及び鉱石類原料を完全混合することにより形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、混合層12eの外周壁側に酸化鉄が有物質と炭素質含有物質とを混合して成型した成型物を乾留したフェロコークスを積層するようにしてもよい。
さらにまた、上記実施形態においては、炉頂バンカーを3つ設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、混合原料を貯留する炉頂バンカー12bを省略して、炉頂バンカー12a及び12cからコークスと鉱石類原料とを排出する過程で混合原料を形成するようにしてもよい。また、炉頂バンカーは4つ以上設けるようにしてもよい。
1…鉱石類粉ホッパー、2…鉱石類原料、3…コークスホッパー、4…コークス、5…鉱石コンベア、6…リザービングホッパー、7…高炉装入原料、8…装入コンベア、10…高炉、11…レシービングシュート、12a〜12c…炉頂バンカー、12d…中央コークス層、12e…混合層、13…流量調整ゲート、14…集合ホッパー、15…ベルレス式装入装置、16…旋回シュート、50…コークス専用シュート

Claims (5)

  1. 焼結鉱、ペレット、塊状鉱石などの鉱石類原料及びコークスの高炉装入原料の高炉内への装入を旋回シュートで行う高炉の操業方法であって、
    前記高炉装入原料を前記高炉に装入する際に、軸心部に中心コークス層を形成し、該中心コークス層の外側に前記鉱石類原料及びコークスを混合させた混合層を形成するようにし、
    前記高炉の炉頂に配設した3つの第1、第2及び第3炉頂バンカーと、該第1、第2及び第3炉頂バンカーの排出口に配設され当該第1、第2及び第3炉頂バンカーから排出される原料を混合して前記旋回シュートに供給する集合ホッパーとを備え、
    前記第1炉頂バンカーに前記鉱石類原料と前記コークスとを当該コークス量が全量の30%以下となるように混合させた混合原料を貯留し、前記第2炉頂バンカーに前記コークスのみを貯留し、前記第3炉頂バンカーに前記鉱石類原料のみを貯留し、前記混合層を形成する際に、前記第1、第2及び第3炉頂バンカーから同時に前記混合原料、前記コークス、及び鉱石類原料を排出し、前記集合ホッパーで混合して前記旋回シュートに供給することを特徴とする高炉への原料装入方法。
  2. 記旋回シュートの原料装入先が軸心部であるときに、前記コークスのみを貯留した前記第2炉頂バンカーからコークスのみを排出して前記中心コークス層を形成することを特徴とする請求項に記載の高炉への原料装入方法。
  3. 前記旋回シュートは、装入開始時に軸心部に前記中心コークス層を形成する垂直傾動状態に制御され、その後徐々に外周側に向かって前記混合層を形成するように逆傾動制御されることを特徴とする請求項に記載の高炉への原料装入方法。
  4. 前記高炉の軸心部にコークスを投入するコークス専用シュートを前記旋回シュートの旋回領域外に設け、該コークス専用シュートからコークスを軸心部に投入することにより、前記中心コークス層を形成するようにしたことを特徴とする請求項に記載の高炉への原料装入方法。
  5. 前記コークス専用シュートからコークスを投入することによる中心コークス層の形成は、前記旋回シュートにより前記混合層を形成する原料が軸心部に流れ込み始める前に行うようにしたことを特徴とする請求項に記載の高炉への原料装入方法。
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