JP5753600B1 - 有機化合物の製造方法、及びエステルの製造方法 - Google Patents

有機化合物の製造方法、及びエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物質の反応を促進することができる有機化合物の製造方法を提供する。【解決手段】有機化合物の製造方法は、互いに混和しない液体である、第1の液体と第2液体とを混合する混合ステップと、その混合ステップで混合された混合液に、マイクロ波と超音波とを照射することによって第1及び第2の液体のエマルションを生成し、その第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させる反応ステップと、を備える。【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロ波と超音波とを照射することによって物質を反応させる有機化合物の製造方法及びエステルの製造方法に関する。
従来、エステル化反応などによってエステルを製造する場合であって、原料が互いに混和しないものである場合には、マグネチックスターラ等を用いた撹拌を行いながら反応を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第WO2007/088702号
本発明は、油脂とアルコールなどのように、互いに混和しない液体に含まれる物質を反応させる場合に、その反応をより促進することができる有機化合物の製造方法及びエステルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の課題に対して鋭意研究の末、互いに混和しない液体に対してマイクロ波と超音波とを照射することによって、両液体に含まれる物質の反応を促進できることを見いだし、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 互いに混和しない液体である第1の液体と第2の液体に、マイクロ波と超音波とを同時に照射することによって前記第1及び第2の液体の全体のエマルション(ただし、透明及び半透明のエマルションを除く)を維持し、前記第1の液体に含まれる第1の物質と、前記第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させることによって有機化合物(ただし、脂肪酸メチルエステルを除く)を製造する有機化合物の製造方法。
[2] マイクロ波と超音波とを同時に照射することによって前記第1及び第2の液体のエマルション(ただし、透明及び半透明のエマルションを除く)を生成及び維持する、[1]記載の有機化合物の製造方法。
[3] 前記反応はリアクターにおいて行われ、
前記リアクターの内壁は金属で構成されている、[1]または[2]記載の有機化合物の製造方法。
] 前記第1の液体は、親水性液体であり、
前記第2の液体は、親油性液体である、[1]から[]のいずれか記載の有機化合物の製造方法。
] [4]記載の有機化合物の製造方法を用いるエステルの製造方法であって、
前記第1の物質は、ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
前記第2の物質は、酸またはエステルであり、
前記反応では、前記ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸またはエステルとをエステル合成してエステルを製造する、エステルの製造方法。
] 前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
前記第2の物質は、エステルであり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記エステルとをエステル交換反応させてエステルを製造する、[]記載のエステルの製造方法。
] 前記第2の物質は、脂肪酸エステルであり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて脂肪酸エステルを製造する、[]記載のエステルの製造方法。
] 前記第1の物質は、糖であり、
前記反応では、前記糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、[]記載のエステルの製造方法。
] 前記第1の物質は、ショ糖であり、
前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、[]記載のエステルの製造方法。
10] 前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
前記第2の物質は、酸であり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸とをエステル化反応させてエステルを製造する、[]記載のエステルの製造方法。
11] 前記第2の物質は、脂肪酸であり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸とをエステル化反応させて脂肪酸エステルを製造する、[10]記載のエステルの製造方法。
12] 前記第1の物質は、糖であり、
前記反応では、前記糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、[11]記載のエステルの製造方法。
13] 前記第1の物質は、ショ糖であり、
前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、[12]記載のエステルの製造方法。
14] 前記反応は、フロー式のリアクターにおいて行われる、[1]から[]のいずれか記載の有機化合物の製造方法。
本発明による有機化合物の製造方法等によれば、より反応を促進することができる。
化学反応装置の構成を示す図 リアクターの内部の構成の一例を示す図 ショ糖脂肪酸エステルの収率を示すグラフ
互いに混和しない液体である第1の液体と第2の液体とを混合する混合ステップと、その混合ステップで混合された第1及び第2の液体に、マイクロ波と超音波とを照射することによって、第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させる反応ステップとを備えた合成反応方法、及びその合成反応方法を用いたエステルの製造方法について説明する。
第1の液体は、第1の物質を含む液体であればよく、第1の物質そのものであってもよく、または、第1の物質以外の物質を含んでいてもよい。第1の液体に含まれる第1の物質は、単一の物質であってもよく、複数の物質であってもよい。また、第2の液体は、第2の物質を含む液体であればよく、第2の物質そのものであってもよく、または、第2の物質以外の物質を含んでいてもよい。第2の液体に含まれる第2の物質は、単一の物質であってもよく、複数の物質であってもよい。互いに混和しないとは、2個の液体を混合して一定時間以上静置すると、両液体が2層に分離することである。互いに混和しない第1及び第2の液体は、例えば、親水性液体と親油性液体であってもよく、または互いに混和しない親油性液体同士であってもよい。なお、第1及び第2の液体の両方が親油性液体である場合には、第1及び第2の液体の溶解パラメータ(SP値)は、両者が混和しない程度に離れている値であってもよい。また、後述するように、反応ステップにおいてエマルションが生成される場合には、第1及び第2の液体は、エマルションを構成しうる液体であればどのようなものであってもよく、例えば、それぞれ独立して、粘度の低い(流動性の高い)ものであってもよく、そうでなくてもよい。ここで、親水性液体とは、水に溶解する性質である親水性を有する液体であり、親油性液体とは、油類に溶解する性質である親油性を有する液体である。また、上記合成反応方法によって有機化合物を製造する場合、すなわち、その合成反応方法が有機化合物の製造方法である場合には、第1及び第2の物質の少なくとも一方は、有機化合物であってもよい。以下、その合成反応方法が有機化合物の製造方法である場合について説明する。
ここでは、第1の液体が親水性液体であり、第2の液体が親油性液体である場合について主に説明する。例えば、本発明によってエステルを製造する場合、すなわち、本発明が有機化合物の製造方法を用いるエステルの製造方法の場合には、第1の物質は、ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質は、酸またはエステルであってもよい。ヒドロキシル基を有する有機化合物は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であってもよく、アルコール性でないヒドロキシル基を有する有機化合物であってもよい。エステル交換反応によってエステルを製造する場合には、第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質は、エステルであってもよい。エステル化反応によってエステルを製造する場合には、第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質は、酸であってもよい。
アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物は特に限定されないが、例えば、糖、またはアルコールであってもよい。糖は特に限定されないが、例えば、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖、多糖類、糖アルコールであってもよい。単糖類としては、例えば、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース、ノノース、またはデコースなどを挙げることができる。二糖類は、単糖類のホモ二糖類であってもよく、ヘテロ二糖類であってもよい。二糖類としては、例えば、ショ糖(スクロース)、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、またはセロビオースなどを挙げることができる。三糖類としては、例えば、ラフィノース、メレジトース、またはマルトトリオースなどを挙げることができる。オリゴ糖としては、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、またはマンナンオリゴ糖などを挙げることができる。多糖類としては、例えば、グリコーゲン、デンプン、セルロース、またはフルクタンなどを挙げることができる。糖アルコールとしては、例えば、テトリトール(例えば、エリトリトールなど)、ペンチトール(例えば、ペンタエリトリトール、アラビトール、リビトール、キシリトールなど)、ヘキシトール(例えば、ソルビトール、ガラクチトール、マンニトールなど)、ヘプチトール、オクチトール、ノニトール、デキトール、ソルビタン、またはドデキトールなどを挙げることができる。アルコールは、例えば、親水性のアルコールであってもよい。親水性のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、またはポリエチレングリコールなどを挙げることができる。また、アルコール性でないヒドロキシル基を有する有機化合物としては、例えば、フェノールなどの酸などを挙げることができる。
エステル交換反応に用いる第2の物質であるエステルは特に限定されないが、脂肪酸エステル、または脂肪酸以外の酸のエステルであってもよい。脂肪酸エステルは特に限定されないが、例えば、脂肪酸アルキルエステル、またはグリセリン脂肪酸エステルなどであってもよい。その脂肪酸は特に限定されないが、例えば、炭素数が7以下の短鎖脂肪酸、炭素数が8〜10の中鎖脂肪酸、炭素数が12以上の長鎖脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸(モノエン脂肪酸)であってもよく、多価不飽和脂肪酸(ポリエン脂肪酸)であってもよい。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、またはエルカ酸などを挙げることができる。脂肪酸以外の酸のエステルとしては、例えば、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、酢酸フェニル、またはフタル酸エステルなどを挙げることができる。
エステル化反応に用いる第2の物質である酸は特に限定されないが、脂肪酸、または脂肪酸以外の酸であってもよい。脂肪酸は、例えば、上述のものであってもよい。また、脂肪酸以外の酸としては、例えば、リン酸、硫酸、スルホン酸、芳香族を含む酸などを挙げることができる。芳香族を含む酸は特に限定されないが、例えば、芳香族カルボン酸、またはフェノール類であってもよい。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、またはテレフタル酸などを挙げることができる。フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ビスフェノールA、オイゲノール、または没食子酸などを挙げることができる。
混合ステップにおいては、第1の液体と第2の液体とを単に足し合わせるだけであってもよく、または、反応ステップ前の予混合を行ってもよい。前者の場合には、第1及び第2の液体は、互いに混和しないものであるため、混合液において両液体は分離したままであってもよい。予混合を行う場合には、例えば、第1の液体と第2の液体とがより均一に混合するように撹拌手段によって撹拌してもよい。その撹拌は、例えば、羽根状の部材または棒状の部材などを回転させる撹拌手段や、マグネチックスターラなどを用いた撹拌であってもよく、バブリング撹拌であってもよい。
また、後述するように、反応ステップにおいてエマルションが生成される場合には、混合ステップまたは反応ステップにおいて、第1及び第2の液体のエマルションの生成を促進するための乳化剤を第1及び第2の液体に加えてもよく、加えなくてもよい。その乳化剤は特に限定されないが、例えば、脂肪酸エステル系のものとして、グリセリン脂肪酸エステル、またはショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができ、脂肪酸アルコール系のものとして、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール等を挙げることができ、脂肪酸塩系のものとして、脂肪酸カリウム、または脂肪酸ナトリウム等を挙げることができ、アンモニウム系のものとして、アルキルアンモニウム塩等を挙げることができ、硫酸、スルホン酸系のものとして、アルキル硫酸塩等を挙げることができる。また、反応ステップによって生成されるエステルが乳化剤である場合には、その乳化剤であるエステルを、第1及び第2の液体のエマルションの生成を促進するための乳化剤として用いてもよい。そのようにすることで、同じ乳化剤であるエステルの生成を促進させることができると共に、添加する乳化剤が不純物となることを回避することができる。例えば、反応ステップにおいて糖脂肪酸エステルを生成する場合には、その糖脂肪酸エステルを乳化剤として混合ステップまたは反応ステップにおいて加えてもよい。
反応ステップにおいては、第1及び第2の液体に対してマイクロ波と超音波とを照射する。なお、そのマイクロ波と超音波との照射によって、両液体のエマルションが生成されてもよく、または、そうでなくてもよい。本実施の形態では、主に前者の場合について説明する。エマルションを生成するとは、エマルション状態でないものをエマルション状態にすることであってもよく、または、エマルション状態を維持することであってもよい。エマルションは、互いに混和しない第1及び第2の液体の分散溶液系である。第1及び第2の液体の一方が親水性液体であり、他方が親油性液体である場合には、そのエマルションは、例えば、水中油滴型のエマルションであってもよく、油中水滴型のエマルションであってもよい。第1及び第2の液体の両方が親油性液体である場合には、そのエマルションは、例えば、油中油滴型のエマルションであってもよい。
マイクロ波は、第1及び第2の液体を加熱することによって、両液体に含まれる第1及び第2の物質の反応を促進するために照射される。したがって、液の温度に応じて、照射するマイクロ波の出力(パワー)が制御されてもよい。その制御によって、液の温度があらかじめ決められた温度や、あらかじめ決められた温度幅に維持されてもよい。温度の測定対象となる液は、例えば、反応前は第1及び第2の液体の混合液であってもよく、反応後は第1及び第2の液体の混合液と生成物との混合液であってもよい。そのマイクロ波の周波数は特に限定されないが、例えば、2.45GHzであってもよく、5.8GHzであってもよく、24GHzであってもよく、915MHzであってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であってもよい。また、1個の周波数のマイクロ波が照射されてもよく、2個以上の周波数のマイクロ波が照射されてもよい。後者の場合には、例えば、2個以上の周波数のマイクロ波が同時に照射されてもよく、または異なる時期に照射されてもよい。異なる時期に2個以上の周波数のマイクロ波がそれぞれ照射される場合には、例えば、反応の開始時点において、原料に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射され、反応の進んだ時点において、生成物に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射されてもよい。また、例えば、2個以上の周波数のマイクロ波は、同じ位置で照射されてもよく、または異なる位置で照射されてもよい。異なる位置で2個以上の周波数のマイクロ波がそれぞれ照射される場合には、例えば、フロー式のリアクターの上流側の位置、すなわち生成物よりも原料の割合の多い位置において、原料に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射され、そのリアクターの下流側の位置、すなわち原料よりも生成物の割合の多い位置において、生成物に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射されてもよい。
超音波は、第1及び第2の液体を混合させるために照射される。なお、その混合によってエマルションが生成されてもよい。すなわち、超音波は、第1及び第2の液体の一方を分散質として他方の液体である分散媒中に分散させることによってエマルションを生成するために照射されてもよい。したがって、第1及び第2の液体が適切に混合されるように、または両液体のエマルションが生成されるように、照射する超音波の出力(パワー)と周波数の少なくとも一方が制御されてもよい。例えば、第1及び第2の液体にあるパワーの超音波を照射し、両液体が適切に混合されるまで、またはエマルションが生成されるまで徐々に超音波のパワーを上げていく制御を行ってもよい。なお、第1及び第2の液体の種類及び量に応じて、通常、両液体が混合されるのに好適な超音波の出力や周波数、またはエマルションを生成するのに必要な超音波の出力や周波数が決まることになる。したがって、第1及び第2の液体の種類及び量に応じたパワー及び周波数の超音波を第1及び第2の液体の混合液に照射するようにしてもよい。その超音波の周波数は特に限定されないが、例えば、20kHzであってもよく、25kHzであってもよく、40kHzであってもよく、その他の15kHzから10GHzの範囲内の周波数であってもよい。また、1個の周波数の超音波が照射されてもよく、2個以上の周波数の超音波が照射されてもよい。後者の場合には、例えば、2個以上の周波数の超音波が同時に照射されてもよく、または異なる時期に照射されてもよい。また、例えば、2個以上の周波数の超音波は、同じ位置で照射されてもよく、または異なる位置で照射されてもよい。超音波を照射する方法としては、例えば、超音波振動子を第1及び第2の液体を収容する容器(リアクター)の内部に配置し、その超音波振動子から第1及び第2の液体に超音波を直接照射するようにしてもよく、または超音波振動子を第1及び第2の液体を収容する容器に接触させて配置し、その容器を介して第1及び第2の液体に超音波を照射するようにしてもよい。
マイクロ波と超音波とは、同時に照射してもよく、または別々の時期に照射してもよい。なお、後者の場合には、マイクロ波の照射の効果と、超音波の照射の効果とを同時に得られるようにするため、例えば、短い期間でマイクロ波の照射と超音波の照射とを交互に切り替えるようにしてもよい。また、超音波によって混合された第1及び第2の液体、または超音波によって生成されたエマルションに、少なくともマイクロ波が照射されるようにすることが好適である。両液体に含まれる物質の反応、例えば、エマルションの分散媒と分散質とにそれぞれ含まれる物質の反応を促進するためである。また、例えば、マイクロ波と超音波とは、エマルションの生成のために照射されるが、さらに、エマルションの維持のためにも照射されてもよい。すなわち、エマルションが継続的に維持されるようにするため、マイクロ波と超音波とを照射するようにしてもよい。
反応ステップにおいて、第1及び第2の液体にそれぞれ含まれる第1及び第2の物質が反応する。なお、エマルションが生成される場合には、反応ステップにおいて、生成されたエマルションの分散媒及び分散質である第1及び第2の液体(どちらの液体が分散質であってもよい)にそれぞれ含まれる第1及び第2の物質が反応することになる。なお、第1及び第2の液体に第1及び第2の物質が含まれるようになるのは、例えば、エマルションの生成される前であってもよく、または、エマルションの生成された後であってもよい。後者の場合には、例えば、第1の物質を含まない第1の液体と、第2の液体とのエマルションが生成され、その後に第1の物質が加えられ、第1の液体に溶解することによって、第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とが反応してもよく、第2の物質を含まない第2の液体と、第1の液体とのエマルションが生成され、その後に第2の物質が加えられ、第2の液体に溶解することによって、第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とが反応してもよい。なお、エマルションが生成された後に液体に物質が加えられる場合には、その物質は、分散媒である液体に加えられることが好適であるが、そうでなくてもよい。また、その反応時には、第1及び第2の物質以外の第3の物質が反応に関係してもよい。その第3の物質は、例えば、第1及び第2の液体のいずれにも溶けないものであってもよい。また、その第3の物質は、例えば、触媒であってもよく、そうでなくてもよい。反応ステップにおける第1及び第2の物質の反応は、既知の種々のものとすることができ、その第1及び第2の物質、それらの使用量、温度、時間、圧力、pH、溶剤、触媒などの反応条件、反応混合物からの目的物の分離、採取、生成などは既知のものであってもよい。また、その反応は特に限定されないが、例えば、置換反応、付加反応、脱離反応、もしくは転位反応であってもよく、または、それらの2以上の反応の組み合わせであってもよい。
置換反応は、分子中にある原子または原子団が他の原子もしくは原子団に置き換わる型の反応である。置換反応は特に限定されないが、例えば、アミド化反応、ハロゲン化反応、アミン置換反応、エステル化反応、エステル交換反応、イオン交換反応などであってもよい。
アミド化反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
RCOOR+NR→RCONR+ROR
式中、R、R、R、R、Rは特に限定されないが、例えば、それぞれ独立して、水素原子、または、置換基を有してもよいアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基などであってもよい。反応がアミド化反応の場合には、例えば、第1の物質がNRであり、第2の物質がRCOORであってもよく、または、その逆であってもよい。
また、ハロゲン化反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
OH+HX→RX+H
式中、Rは特に限定されないが、例えば、置換基を有してもよいアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基などであってもよい。また、Xは、ハロゲン原子であり、例えば、塩素原子(Cl),フッ素原子(F),臭素原子(Br),またはヨウ素原子(I)であってもよい。反応がハロゲン化反応の場合には、例えば、第1の物質がHXであり、第2の物質がROHであってもよい。
また、アミン置換反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
OH+NH→RNH+H
OH+ROH+NH→RNH+2H
OH+ROH+ROH+NH→RN+3H
式中、R、R、Rは特に限定されないが、例えば、それぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基などであってもよい。反応がアミン置換反応の場合には、例えば、第1の物質がNHであり、第2の物質がROH、ROH、ROHであってもよい。
また、反応がエステル合成反応である場合には、例えば、インク原料やバイオディーゼル燃料を製造したり、食品用乳化剤として用いられるショ糖脂肪酸エステル等のエステルを製造したりすることができる。反応がエステル合成反応の場合には、例えば、第1の物質がヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質が酸またはエステルであり、反応ステップにおいて、ヒドロキシル基を有する有機化合物と、酸またはエステルとをエステル合成してエステルを製造してもよい。そのエステル合成反応は、例えば、エステル交換反応であってもよく、エステル化反応であってもよい。反応がエステル交換反応の場合には、例えば、第1の物質がアルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質がエステルであり、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物とエステルとをエステル交換反応させてエステルを製造してもよい。そのエステルが脂肪酸エステルである場合には、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて脂肪酸エステルを製造してもよい。エステルが脂肪酸エステルであり、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物が糖である場合には、反応ステップにおいて、糖と脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて糖脂肪酸エステルを製造してもよい。その糖がショ糖である場合には、反応ステップにおいて、ショ糖と脂肪酸エステルとをエステル交換反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造してもよい。エステル交換反応は特に限定されないが、例えば、次のようなものを挙げることができる。矢印の左側が第1及び第2の物質であり、矢印の右側がエステル交換反応によって生成されるエステルと副産物であるアルコールである。この場合には、例えば、糖やアルコールを含む液体が分散媒となり、エステルを含む液体が分散質となってもよく、または、そうでなくてもよい。
糖+脂肪酸エステル→糖脂肪酸エステル+アルコール
ショ糖+脂肪酸エステル→ショ糖脂肪酸エステル+アルコール
ショ糖+パルミチン酸エステル→ショ糖パルミチン酸エステル+アルコール
ショ糖+ステアリン酸エステル→ショ糖ステアリン酸エステル+アルコール
ショ糖+ミリスチン酸エステル→ショ糖ミリスチン酸エステル+アルコール
ショ糖+オレイン酸エステル→ショ糖オレイン酸エステル+アルコール
ショ糖+ラウリン酸エステル→ショ糖ラウリン酸エステル+アルコール
ショ糖+エルカ酸エステル→ショ糖エルカ酸エステル+アルコール
ソルビタン+脂肪酸エステル→ソルビタン脂肪酸エステル+アルコール
グリセリン+脂肪酸エステル→グリセリン脂肪酸エステル+アルコール
ポリグリセリン+脂肪酸エステル→ポリグリセリン脂肪酸エステル+アルコール
メタノール+トリグリセリド→脂肪酸メチルエステル+グリセリン
上記各エステル交換反応において、糖やショ糖の1以上のヒドロキシル基が脂肪酸エステルに置換することになる。また、そのエステル交換の行われるヒドロキシル基の位置は問わない。また、ショ糖と脂肪酸エステルとのエステル交換反応において、ショ糖の2以上のヒドロキシル基と置換する脂肪酸エステルは、同じ種類の脂肪酸エステルであってもよく、異なる種類の脂肪酸エステルであってもよい。後者の場合には、例えば、ショ糖の2個のヒドロキシル基と置換する脂肪酸エステルは、パルミチン酸エステル、及びステアリン酸エステルであってもよい。
また、反応がエステル化反応の場合には、例えば、第1の物質がアルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質が酸であり、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と酸とをエステル化反応させてエステルを製造してもよい。その酸が脂肪酸である場合には、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と脂肪酸とをエステル化反応させて脂肪酸エステルを製造してもよい。酸が脂肪酸であり、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物が糖である場合には、反応ステップにおいて、糖と脂肪酸とをエステル化反応させて糖脂肪酸エステルを製造してもよい。その糖がショ糖である場合には、反応ステップにおいて、ショ糖と脂肪酸とをエステル化反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造してもよい。エステル化反応は特に限定されないが、例えば、次のようなものを挙げることができる。矢印の左側が第1及び第2の物質であり、矢印の右側がエステル化反応によって生成されるエステルと副産物である水である。この場合には、例えば、糖やアルコールを含む液体が分散媒となり、脂肪酸を含む液体が分散質となってもよく、または、そうでなくてもよい。
糖+脂肪酸→糖脂肪酸エステル+水
ショ糖+パルミチン酸→ショ糖パルミチン酸エステル+水
ショ糖+パルミチン酸→ショ糖ステアリン酸エステル+水
ショ糖+ミリスチン酸→ショ糖ミリスチン酸エステル+水
ショ糖+オレイン酸→ショ糖オレイン酸エステル+水
ショ糖+ラウリン酸→ショ糖ラウリン酸エステル+水
ショ糖+エルカ酸→ショ糖エルカ酸エステル+水
ソルビタン+脂肪酸→ソルビタン脂肪酸エステル+水
グリセリン+脂肪酸→グリセリン脂肪酸エステル+水
ポリグリセリン+脂肪酸→ポリグリセリン脂肪酸エステル+水
メタノール+脂肪酸→脂肪酸メチルエステル+水
また、イオン交換反応は特に限定されないが、例えば、次のようなものを挙げることができる。第1の液体である水(水層)に含まれる第1の物質であるシアン化ナトリウムと、第2の液体(油層)に含まれるアルキルクロライドとを反応させてもよい。その場合には、触媒である四級アンモニウム塩とのイオン交換反応によって反応が進行し、シアン化アルキルが合成される。なお、アルキルクロライドは特に限定されないが、例えば、C17−Clなどであってもよい。また、触媒である四級アンモニウム塩は特に限定されないが、例えば、(CH(CH15)BuBrなどであってもよい。その場合には、触媒のBrと、シアン化ナトリウム(NaCN)のCNとがイオン交換し、油層にCNが供給され、アルキルクロライドのClと交換してシアン化アルキルが生成される。なお、例えば、アルキルクロライドがC17−Clである場合には、C17−CNが生成される。
付加反応は、2種類以上の分子が直接結合する反応や、ある分子の特定部分に別の分子が新たに付加する型の反応である。付加反応は特に限定されないが、例えば、アルケンのハロゲン化反応、または開環重合反応などであってもよい。
アルケンのハロゲン化反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
2n+HX→C2n+1
2n+X→C2n
式中、Xは、ハロゲン原子であり、例えば、塩素原子(Cl),フッ素原子(F),臭素原子(Br),またはヨウ素原子(I)であってもよい。また、nは2以上の整数である。反応がアルケンのハロゲン化反応の場合には、例えば、第1の物質がHXやXであり、第2の物質がアルケンであってもよい。
また、開環重合反応で用いられる環状化合物は特に限定されないが、例えば、ラクトンもしくはラクタムなどの環状カルボニル化合物、エポキシドなどのオキシラン化合物、または環状オレフィンなどであってもよい。より具体的には、開環重合反応は、ε−カプロラクトンとアルコールやアミン類とを反応させるε−カプロラクトンの開環重合反応であってもよい。反応が開環重合反応の場合には、例えば、第1の物質がアルコールやアミン類であり、第2の物質が環状化合物であってもよい。
脱離反応は、分子から原子または原子団が結合の切断により除去される反応である。脱離反応は特に限定されないが、例えば、アルコールの脱水反応、またはハロゲン化アルキルからハロゲン化水素とアルケンとを得る反応などであってもよい。
転位反応は、分子内の原子の並びが変化する反応である。
なお、反応が脱離反応や転位反応である場合には、例えば、第1の物質がそれらの反応の原料であり、第2の物質がその反応で用いられる触媒であってもよく、または、その逆であってもよい。
また、反応ステップにおける反応は、乳化重合反応であってもよく、または、乳化重合反応でなくてもよい。反応ステップにおける反応が乳化重合反応である場合には、分散質である液体(ここでは、第2の液体とする)は、第2の物質であるモノマーを含む液体である。そのモノマーは、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。また、その分散質をエマルションとする乳化剤を混合ステップにおいて投入してもよく、または乳化剤を投入することなく超音波の照射のみによってエマルションを生成してもよい。また、乳化重合反応の場合には、分散媒である液体(ここでは、第1の液体とする)に含まれる第1の物質は、モノマーの重合を開始させる重合開始剤である。その第1の物質である重合開始剤は、エマルションが生成された後に分散媒に加えられてもよく、エマルションが生成される前に分散媒に加えられていてもよい。乳化重合反応が行われる場合には、反応ステップにおいて、分散媒に含まれる重合開始剤により、分散質に含まれるモノマーの重合が開始され、ポリマー粒子が成長することになる。なお、分散媒からのモノマーの供給がなくなると、重合は停止する。
その乳化重合におけるモノマーは特に限定されないが、例えば、スチレン、メタクリル酸エステル、またはアクリル酸エステルなどであってもよい。また、重合開始剤は特に限定されないが、例えば、アゾアミド系のものであってもよい。そのアゾアミド系の重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]・2塩酸塩(2,2'-Azobis[2-(2-imidazolin-2-yl)propane] Dihydrochloride)、または2,2'−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロパンアミジン](2,2'-Azobis[N-(2-carboxyethyl)-2-methylpropionamidine])などを挙げることができる。なお、その重合開始剤は、分散媒である水に加えられてもよい。すなわち、第1の液体は、重合開始剤を有する水であってもよい。
また、上述の反応は、例えば、バッチ式(回分式)のリアクターにおいて行われてもよく、またはフロー式(連続式)のリアクターにおいて行われてもよい。以下、フロー式のリアクターの一例について説明する。
図1は、上記反応の行われる化学反応装置1の構成の一例を示す図である。化学反応装置1は、混合部12と、リアクター13と、マイクロ波発生器14と、導波管15と、マイクロ波制御部16と、超音波振動子17と、超音波発振器18と、超音波制御部19と、処理液貯留槽20とを備える。
混合部12では、第1及び第2の液体がリアクター13に投入される前に予混合される。第1及び第2の液体は、それぞれ独立して、複数の物質を含むものであってもよく、そうでなくてもよい。混合部12は、例えば、羽根状の部材や翼状の部材、スクリュー状の部材を回転させることによって第1及び第2の液体を混合してもよい。また、第1及び第2の液体と共に、触媒が混合部12において混合されてもよい。その触媒は、固体触媒(不均一系触媒)であってもよく、液状の触媒(均一系触媒)であってもよい。その固体触媒は、例えば、マイクロ波吸収性もしくはマイクロ波感受性を有してもよく、または、そうでなくてもよい。固体触媒がマイクロ波吸収性やマイクロ波感受性を有する場合には、後述するリアクター13の内部においてマイクロ波を照射した際に、固体触媒がマイクロ波によって加熱されることになり、その固体触媒近傍での化学反応が促進されることになる。例えば、2.45GHzのマイクロ波が照射される場合には、マイクロ波吸収性を有する物質として、フラーレンを除くカーボン類(例えば、グラファイト、カーボンナノチューブ、または活性炭など)や、鉄、ニッケル、コバルト、またはフェライト等がある。また、混合部12において予備加熱を行ってもよく、または行わなくてもよい。混合部12で混合された第1及び第2の液体は、リアクター13の上流側に投入される。
リアクター13は、内容物が、上方に未充填空間を有した状態で水平方向に流れる横型のフロー式の反応器である。その内容物は、第1及び第2の液体の混合液である。なお、リアクター13における化学反応によって、第1及び第2の液体に含まれる物質から生成物が生成されるため、リアクター13の内容物には生成物が含まれていると考えてもよい。すなわち、その内容物は、第1及び第2の液体、並びに/または生成物であると言うこともできる。また、内容物は通常、液状のものである。リアクター13の内壁は、マイクロ波を反射する物質で構成されていることが好適である。マイクロ波を反射する物質としては、例えば、金属がある。このリアクター13の内部の構成については後述する。
マイクロ波発生器14は、マイクロ波を発生する。化学反応装置1は、1個のマイクロ波発生器14を備えていてもよく、または2個以上のマイクロ波発生器14を備えていてもよい。そのマイクロ波の周波数は特に限定されないが、例えば、2.45GHz、5.8GHz、24GHz、913MHzなどであってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であってもよい。
導波管15は、マイクロ波発生器14の発生したマイクロ波を、リアクター13の未充填空間に伝送する。導波管15は、通常、図1で示されるように、マイクロ波発生器14の個数と同じ個数だけ存在することになる。なお、導波管15は、マイクロ波発生器14が発生するマイクロ波の周波数に応じた規格のものを使用することが好適である。
マイクロ波制御部16は、後述する温度測定部25が測定した温度に応じて、リアクター13に照射するマイクロ波の出力を制御する。このマイクロ波制御部16による制御によって、リアクター13の内部を所望の温度または所望の温度幅に維持することが可能となる。
超音波振動子17は、超音波を発生する。超音波振動子17は、リアクター13の内部に配設されており、フランジ等を介して超音波発振器18に接続されている。なお、その接続において、マイクロ波が漏洩しないようにすることが好適である。超音波振動子17は、超音波発振器18から受け取る高周波出力に応じて超音波振動をリアクター13の内容物に対して与える。その超音波振動に応じて、第1及び第2の液体が混ざり合うことが好適である。例えば、その超音波振動によって、第1及び第2の液体のエマルションが生成されてもよい。
超音波発振器18は、高周波出力を生成し、超音波振動子17に与える。超音波発振器18は、超音波制御部19によって制御される。
超音波制御部19は、超音波発振器18の高周波出力を制御する。その制御は、例えば、出力(パワー)の大きさの制御であってもよく、オン・オフの制御であってもよい。超音波制御部19は、例えば、第1及び第2の液体に応じた高周波出力の大きさや、第1及び第2の液体に応じた高周波出力のオン・オフのパターンとなるように、超音波発振器18を制御してもよい。
なお、リアクター13の内容物に触媒も含まれる場合には、リアクター13と処理液貯留槽20との間に、リアクター13における反応後の生成物から触媒を分離するための触媒分離部(図示せず)が存在してもよく、またはそうでなくてもよい。その触媒分離部では、例えば、フィルタや沈澱によって固体触媒を分離してもよい。また、固体触媒が磁性体を含むものである場合には、磁石で固体触媒を吸着することによって、固体触媒を分離してもよい。なお、分離された固体触媒は、適宜、再利用することができうる。また、液体の触媒を用いた場合には、触媒分離部において、蒸留や抽出、中和を行うことによって、触媒を分離してもよい。
処理液貯留槽20には、リアクター13から排出された生成物が入れられる。そして、適宜、最終的な製造物と副産物等に分けられることになる。例えば、原料が遊離脂肪酸であり、リアクター13においてエステル化が行われた場合には、バイオディーゼル燃料である製造物と、水である副産物とが得られ、処理液貯留槽20において両者が分けられる。その場合には、酸触媒が用いられる。また、例えば、原料がトリグリセリドであり、リアクター13においてエステル交換が行われた場合には、バイオディーゼル燃料である製造物と、グリセリンである副産物とが得られ、処理液貯留槽20において両者が分けられる。その場合には、アルカリ触媒が用いられる。例えば、原料がショ糖であり、リアクター13において脂肪酸エステルとのエステル合成反応や、脂肪酸とのエステル化反応が行われた場合には、ショ糖脂肪酸エステルである製造物と、アルコールや水などの副産物とが得られ、処理液貯留槽20において両者が分けられる。
なお、リアクター13の後段に、リアクター13での反応後の物質を冷却する図示しない冷却器を備えてもよく、またはそうでなくてもよい。前者の場合には、例えば、その冷却器は、リアクター13での反応後の物質を水冷するものであってもよい。
図2は、本実施の形態によるリアクター13の内部構造の一例を示す図である。図2において、リアクター13は、直列に連続した複数の室31,32,33を有する。その各室31〜33は、リアクター13の内部を仕切る複数の仕切り板21によって区切られたものである。前述のように、リアクター13の内部では、上方に未充填空間22が存在する。その未充填空間22に対して、導波管15を介して、マイクロ波発生器14で発生されたマイクロ波が照射されることになる。仕切り板21は、マイクロ波透過性のものであってもよく、マイクロ波吸収性のものであってもよく、またはマイクロ波を反射するものであってもよい。マイクロ波を透過する材料としては、例えば、テフロン(登録商標)や、石英ガラス、セラミック、窒化珪素アルミナ等がある。また、仕切り板21は、マイクロ波透過性の材料、マイクロ波吸収性の材料、マイクロ波反射性の材料のうち、任意の2以上の材料の組み合わせによって構成されてもよい。
リアクター13に入った第1及び第2の液体である内容物30は、各室31〜33の間を流通し、最終的に下流(図2のリアクター13の右端)から出力される。なお、その仕切り板21には、内容物が流通する流路が存在する。その流路は、内容物が主にリアクター13の上流側(図2の左側)から、下流側(図2の右側)に向かって流れていく流路であるが、図2で示す短い矢印のように、一部は下流側から上流側に流れてもよい。その仕切り板21の流路は、例えば、仕切り板21の上方において内容物がオーバーフローする流路であってもよく、または、仕切り板21の隙間において内容物が流れる流路であってもよい。そのような仕切り板21としては、例えば、国際公開第WO2013/001629号に記載されている各種の仕切り板21を用いてもよい。なお、リアクター13は、上流側から下流側に向かって低くなる傾斜を有してもよく、そうでなくてもよい。
なお、リアクター13内部には、内容物30を撹拌する撹拌手段が存在してもよく、またはそうでなくてもよい。撹拌手段が存在する場合には、その撹拌手段は、各室31〜33ごとに存在してもよく、またはそうでなくてもよい。
また、図2で示されるように、リアクター13は、温度測定部25をも有していてもよい。リアクター13の内部の温度は、リアクター13の内容物30の温度であることが好適である。図2では、各室31〜33に温度測定部25が存在する場合について示しているが、そうでなくてもよい。温度測定部25は、例えば、熱電対によって温度を測定してもよく、赤外線センサによって温度を測定してもよく、光ファイバーによって温度を測定してもよく、その他の方法によって温度を測定してもよい。温度測定部25が測定した温度は、マイクロ波制御部16に渡され、マイクロ波発生器14によるマイクロ波の出力の制御のために用いられる。その制御は、前述のように、各室31〜33の温度を所望の温度または所望の温度幅に維持するための制御である。
また、超音波制御部19による制御に応じて超音波発振器18が高周波出力を超音波振動子17に出力し、その高周波出力に応じて、超音波振動子17が超音波を発生する。その結果、各室31〜33において、内容物30に超音波が照射され、第1及び第2の液体が混ざり合うことになる。なお、その照射によって、第1及び第2の液体のエマルションが生成または維持されてもよい。そのような混合が行われることにより、第1及び第2の液体の接触面積が大きくなり、その結果として、第1及び第2の物質の反応が促進されることになる。そのことは、エマルションが生成または維持される場合に特に顕著になると考えられる。したがって、互いに混和しない2個の液体を単に撹拌翼等で撹拌して反応させる場合と比較して、反応時間が同じ場合には、超音波を照射しなかった場合と比較して高収率となり、収率が同じ場合には、超音波を照射しなかった場合と比較して反応時間が短くなる。
なお、リアクター13の形状は問わない。例えば、リアクター13は、図2の左右方向が長さ方向となる円筒状のものであってもよく、直方体の形状であってもよく、または、その他の形状であってもよい。また、リアクター13の壁面は、断熱材で覆われていてもよい。そのようにすることで、リアクター13の内部の熱が外部に放出されることを防止することができる。
次に、化学反応装置1の動作について簡単に説明する。第1及び第2の液体は、ポンプ11によって混合部12に供給される。そして、混合部12において混合され、リアクター13に投入される。そのリアクター13への原料等の供給速度は、あらかじめ決められていてもよい。
リアクター13に供給された原料等は、上流側から下流側に流れていく。その際に、マイクロ波発生器14が発生したマイクロ波が導波管15を介してリアクター13の未充填空間22に伝送され、内容物30に照射される。その結果、内容物30が加熱されることになり、反応が促進される。なお、各室31〜33の温度は、温度測定部25によって測定され、図示しない経路によってマイクロ波制御部16に渡される。そして、マイクロ波制御部16は、各室31〜33の温度が所望の温度または所望の温度幅となるようにマイクロ波発生器14の出力を制御する。また、超音波振動子17が発生した超音波が内容物30に照射される。その結果、第1及び第2の液体が混合され、第1及び第2の液体に含まれる物質の反応が促進される。その反応は、前述の合成反応であり、例えば、エステル合成反応やイオン交換反応などであってもよい。なお、マイクロ波及び超音波の照射によって、第1及び第2の液体のエマルションが生成または維持されてもよい。
リアクター13から出力された生成物は処理液貯留槽20に投入され、処理液貯留槽20において、目的とする製造物と副産物とに分けられる。このようにして、最終的な製造物が得られることになる。このような処理が繰り返して実行されることにより、目的とする製造物が順次、生成されていく。
また、リアクター13の各室31〜33に超音波振動子17が存在する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、超音波の照射を終了してもエマルションが長時間にわたって維持される第1及び第2の液体の場合には、室31にのみ超音波振動子17を配設し、室31においてエマルションを生成するようにしてもよい。
また、直列に連続した3個の室31〜33を有するリアクター13について説明したが、この室の個数は問わない。室の個数は、1個、2個、または4個以上であってもよい。
また、温度測定部25とマイクロ波制御部16とを備える化学反応装置1について説明したが、化学反応装置1は、温度測定部25とマイクロ波制御部16とを備えていなくてもよい。例えば、マイクロ波の出力をあらかじめ決められた値にすることによって、リアクター13の内部の温度を所望の温度や温度幅に維持することができる場合には、温度を用いたマイクロ波の出力の制御を行わなくてもよい。
また、第1及び第2の液体が混合されてリアクター13に投入される場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、第1及び第2の液体は、予混合がなされずにリアクター13に投入されてもよい。そのような場合には、化学反応装置1は、混合部12を備えていなくてもよい。
また、化学反応装置1が処理液貯留槽20を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、化学反応装置1から出力された生成物や副産物が混合したものについて、他の装置において生成物の抽出等が行われてもよい。
なお、上述の説明では、内部に未充填空間22を有する横型のフロー式のリアクター13において反応を行う場合について説明したが、内部に未充填空間を有さないフロー式のリアクター13において反応を行ってもよい。その場合には、マイクロ波が内容物30に直接、照射される。内部に未充填空間を有さないフロー式のリアクター13は、例えば、縦型のリアクターであってもよい。縦型のリアクターでは、下方から上方に、または上方から下方に内容物が流通する。
また、上述の説明では、リアクター13の内部に超音波振動子17を配置する場合について説明したが、リアクター13の外部に超音波振動子17を配置し、その超音波振動子17によってリアクター13自体を振動させることによって内容物30に超音波を照射してもよい。
また、上述の説明では、フロー式のリアクター13において反応を行う場合について説明したが、バッチ式のリアクターにおいて反応を行ってもよい。
また、上述の説明では、有機化合物の製造方法や、その有機化合物の製造方法を用いたエステルの製造方法が混合ステップを備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。予混合を行うことなく、第1及び第2の液体に対してマイクロ波と超音波を照射して、両液体に含まれる第1及び第2の物質を反応させるようにしてもよい。
また、上述の説明において、マイクロ波と超音波とを照射する対象となる第1及び第2の液体のうち、少なくとも一方は、固体であったものが加熱されることによって液体になったものであってもよい。具体的には、第1の液体が凝固した第1の固体と、第2の液体とを混合し、その混合物に含まれる第1の固体を、予備加熱によって、またはマイクロ波や超音波の照射によって第1の液体に融解させてもよい。その場合であっても、結果として、互いに混和しない第1及び第2の液体にマイクロ波と超音波とを照射することになり、両液体に含まれる第1及び第2の物質の反応を促進することができる。
以上のように、本発明による有機化合物の製造方法、及びその有機化合物の製造方法を用いたエステルの製造方法によれば、互いに混和しない2個の液体に含まれる物質を反応させる場合に、それらの液体のエマルションを生成して反応させるため、両液体の界面の面積が大きくなり、その結果として、反応が促進されることになる。その結果として、より高い収率や、より短時間での反応を実現することができるようになる。反応がエステル合成である場合には、例えば、より高い収率で、エステルを製造することができるようになる。なお、第1及び第2の液体にマイクロ波と超音波とを照射することによってエマルションが生成されない場合であっても、その照射によって両者が混合し、両液体の界面の面積が大きくなることによって、反応が促進されることになると考えられる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 ショ糖脂肪酸エステルの生成
三口フラスコにショ糖34g、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステル2g、及び水50gを入れ、30分間、60℃にて加熱撹拌することで完全に溶解させた。また、パルミチン酸メチル27gを60℃にて加熱し溶融させ、三口フラスコに投入した。その三口フラスコを撹拌機及び温度計(熱電対)を備え付けたマイクロ波リアクター内に設置した後、三口フラスコ上部より超音波ホーンを導入した。そして、撹拌しながらマイクロ波と超音波を同時に照射し、温度を90℃±2℃に保持しながら、10時間エステル交換反応を行った。このエステル交換反応時の液状は、水中油滴型のエマルションであった。反応終了後、混合物をエタノール100mlにて希釈し、水−エタノール相を減圧にて乾燥させ固形物を得、メチルエチルケトンを100ml加え、固形物をろ過した後、ろ液からエバポレーターでメチルエチルケトンを除去し、ショ糖パルミチン酸エステルを82.9重量%含む固形物26.6gを得た。収率は33.0%であった。
比較例1 マイクロ波の照射のみ
三口フラスコにショ糖34g、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステル2g、及び水50gを入れ、30分間、60℃にて加熱撹拌することで完全に溶解させた。また、パルミチン酸メチル27gを60℃にて加熱し溶融させ、三口フラスコに投入した。その三口フラスコを撹拌機及び温度計(熱電対)を備え付けたマイクロ波リアクター内に設置した後、撹拌しながらマイクロ波を照射し、温度を90℃±2℃に保持しながら、10時間エステル交換反応を行った。なお、この比較例1では、超音波の照射は行わなかった。また、このエステル交換反応時の液状は、2層の液体であった。反応終了後、混合物をエタノール100mlにて希釈し、水−エタノール相を減圧にて乾燥させ固形物を得、メチルエチルケトンを100ml加え、固形物をろ過した後、ろ液からエバポレーターでメチルエチルケトンを除去し、ショ糖パルミチン酸エステルを59.0重量%含む固形物14.7gを得た。収率は11.0%であった。
比較例2 通常加熱のみ
三口フラスコにショ糖34g、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステル2g、及び水50gを入れ、30分間、60℃にて加熱撹拌することで完全に溶解させた。また、パルミチン酸メチル27gを60℃にて加熱し溶融させ、三口フラスコに投入した。その三口フラスコを油浴内に設置し、撹拌しながら温度計(熱電対)で測定した温度を90℃±2℃に保持しながら、10時間エステル交換反応を行った。なお、この比較例2では、マイクロ波の照射及び超音波の照射は行わなかった。また、このエステル交換反応時の液状は、2層の液体であった。反応終了後、混合物をエタノール100mlにて希釈し、水−エタノール相を減圧にて乾燥させ固形物を得、メチルエチルケトンを100ml加え、固形物をろ過した後、ろ液からエバポレーターでメチルエチルケトンを除去し、ショ糖パルミチン酸エステルを35.5重量%含む固形物10.2gを得た。収率は2.7%であった。
なお、上記実施例1,比較例1,2におけるエステル交換反応時の液状は、マイクロ波や超音波の照射、撹拌を止めた状態で判断した。また、上記実施例1,比較例1のマイクロ波リアクターとしては、μ−Reactor(四国計測工業社製)を用いた。また、上記実施例1,比較例1,2におけるエステル交換は常圧で行った。また、超音波ホーンとしては、UH−600S(株式会社エスエムテー社製)を用い、超音波の周波数は、20kHzとした。また、上記実施例1,比較例1,2において、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステルはそれぞれ同じ市販のものを用いた。
上述の実施例1,及び比較例1,2の収率等は、次の表、及び図3のグラフで示される通りである。
Figure 0005753600
上記表、及び図3のグラフから、マイクロ波(MW)と超音波(US)とを照射した場合(実施例1)の収率が、通常加熱(CH)のみの場合(比較例2)や、マイクロ波の照射のみの場合(比較例1)と比較して、顕著に高いことが分かる。実施例1の場合には、エマルションを生成することによって、ショ糖とエステル(パルミチン酸メチル)の接している界面の面積を増大させることができると共に、内部加熱を行うことができるマイクロ波を照射することによって、両物質が反応するために必要な活性化エネルギーを、両物質の界面に効率よく供給することができ、その結果として、比較例1,2と比較して、非常に高い収率を得ることができているのではないかと推定できる。
なお、この実施例においては、エステル交換反応を行う場合について説明したが、エステル化反応においても、またその他の置換反応や、付加反応、脱離反応、転位反応、またはそれらの2以上の組み合わせにおいても同様に、マイクロ波と超音波とを照射することによってエマルションを生成することにより、より反応が促進されることになると考えられる。
なお、本発明は、以上の実施例に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
本発明の有機化合物の製造方法、またその有機化合物の製造方法を用いたエステルの製造方法によって得られたエステルなどは、例えば、インク原料、バイオディーゼル燃料、または食品用乳化剤などとして利用することができる。
1 化学反応装置
12 混合部
13 リアクター
14 マイクロ波発生器
15 導波管
16 マイクロ波制御部
17 超音波振動子
18 超音波発振器
19 超音波制御部

Claims (14)

  1. 互いに混和しない液体である第1の液体と第2の液体に、マイクロ波と超音波とを同時に照射することによって前記第1及び第2の液体の全体のエマルション(ただし、透明及び半透明のエマルションを除く)を維持し、前記第1の液体に含まれる第1の物質と、前記第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させることによって有機化合物(ただし、脂肪酸メチルエステルを除く)を製造する有機化合物の製造方法。
  2. マイクロ波と超音波とを同時に照射することによって前記第1及び第2の液体のエマルション(ただし、透明及び半透明のエマルションを除く)を生成及び維持する、請求項1記載の有機化合物の製造方法。
  3. 前記反応はリアクターにおいて行われ、
    前記リアクターの内壁は金属で構成されている、請求項1または請求項2記載の有機化合物の製造方法。
  4. 前記第1の液体は、親水性液体であり、
    前記第2の液体は、親油性液体である、請求項1から請求項3のいずれか記載の有機化合物の製造方法。
  5. 請求項4記載の有機化合物の製造方法を用いるエステルの製造方法であって、
    前記第1の物質は、ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
    前記第2の物質は、酸またはエステルであり、
    前記反応では、前記ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸またはエステルとをエステル合成してエステルを製造する、エステルの製造方法。
  6. 前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
    前記第2の物質は、エステルであり、
    前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記エステルとをエステル交換反応させてエステルを製造する、請求項5記載のエステルの製造方法。
  7. 前記第2の物質は、脂肪酸エステルであり、
    前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて脂肪酸エステルを製造する、請求項6記載のエステルの製造方法。
  8. 前記第1の物質は、糖であり、
    前記反応では、前記糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、請求項7記載のエステルの製造方法。
  9. 前記第1の物質は、ショ糖であり、
    前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、請求項8記載のエステルの製造方法。
  10. 前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
    前記第2の物質は、酸であり、
    前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸とをエステル化反応させてエステルを製造する、請求項5記載のエステルの製造方法。
  11. 前記第2の物質は、脂肪酸であり、
    前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸とをエステル化反応させて脂肪酸エステルを製造する、請求項10記載のエステルの製造方法。
  12. 前記第1の物質は、糖であり、
    前記反応では、前記糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、請求項11記載のエステルの製造方法。
  13. 前記第1の物質は、ショ糖であり、
    前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、請求項12記載のエステルの製造方法。
  14. 前記反応は、フロー式のリアクターにおいて行われる、請求項1から請求項4のいずれか記載の有機化合物の製造方法。
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