JP5753529B2 - 三線軌道における異物侵入防止部材 - Google Patents
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Description
例えば、標準軌条と狭軌条との間に配置させ、隣り合う軌条間の空間内に降雪が入り込むことを防止するための軌道用護輪部材、三線軌道用防雪ラバーに関する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、4線軌道の標準軌条と狭軌条との間に敷設される4線軌道用護輪ラバーに関する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。さらに、本線レールとガードレールとの間に形成される隙間に装着される踏切用防護材に関する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
本発明の目的は、三線軌道において、第1軌道専用レールと第2軌道専用レールとの空隙に、異物が落下してきたとき、第1軌道レール締結装置、第2軌道レール締結装置、第1軌道レール締結装置と第2軌道レール締結装置との間等に異物が侵入して入り込むことを防止することができる三線軌道における異物侵入防止部材を提供することにある。
本発明1の三線軌道における異物侵入防止部材は、第1軌道と、前記第1軌道と軌間寸法が異なる第2軌道との共用区間に敷設されている前記第1軌道の第1軌道専用レールと、前記第1軌道専用レールを、軌道スラブに締結している第1軌道レール締結装置と、前記第1軌道専用レールに対して平行になるように敷設されている前記第2軌道の第2軌道専用レールと、前記第2軌道専用レールを、前記軌道スラブに締結している第2軌道レール締結装置とを備えた三線軌道において、前記第1軌道専用レールと前記第2軌道専用レールとの間に形成されている空隙に異物が侵入することを防止するための異物侵入防止部材であって、平面視したとき前記空隙を覆うための主構成面を形成するための部位であって、前記第1軌道専用レールの長手方向と直交する方向に延在して、前記空隙を覆うように設けられ、前記異物が前記空隙内に侵入することを防止するための異物侵入防止部と、前記異物侵入防止部の長手方向の一端側に、前記異物侵入防止部の端面から前記第1軌道専用レールの長手方向の一方の側に突出するように一体に形成され、前記第1軌道レール締結装置に係合可能な第1係合軸部と、前記異物侵入防止部の長手方向の他端側に、前記異物侵入防止部の端面から前記第1軌道専用レールの長手方向の他方の側に突出するように一体に形成され、前記第2軌道レール締結装置に係合可能な第2係合軸部とからなることを特徴とする。
本発明2の三線軌道における異物侵入防止部材によれば、第1係合軸部、第2係合軸部が第1軌道レール締結装置及び第2軌道レール締結装置のばね尻部に係合されるものであり、第1軌道レール締結装置、第2軌道レール締結装置に対して取り付け、取り外す作業が容易であり、特別な工具等を使用しなくても施工が可能である。そして、異物侵入防止部材を取り付ける作業の作業性が大幅に向上し、作業者の作業時間短縮、疲労軽減等を図ることができる。さらに、この異物侵入防止部材は、万が一、損傷した場合にも、交換が容易である。
本発明4の三線軌道における異物侵入防止部材によれば、底部の底面が円筒状に丸くなっており、第1軌道レール締結装置と第2軌道レール締結装置で高さが異なっている場合でも安定性が向上している。
本発明6の三線軌道における異物侵入防止部材によれば、材質が耐候性のよいゴム及び/または樹脂材料であり、メンテナンスが不要であり、異物が落下した時の衝撃を緩衝することができる。また、この異物侵入防止部材は、着火し難く、かつ、十分な電気絶縁抵抗を有しているので、第1軌道専用レール、第2軌道専用レール間に設けても何の問題を生じさせるおそれがない。
本発明7の三線軌道における異物侵入防止部材によれば、標準軌の軌道と狭軌の軌道とからなる三線軌道において好適なものとなった。
図1は、本発明の異物侵入防止部材を示す図であって、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。図2は、本発明の異物侵入防止部材が、三線軌道に取り付けられた状態を示す平面図、図3は、図2をA−A線で切断した断面図、図4は、三線軌道を示す正面図である。図5は、本発明の異物侵入防止部材の作用を模式的に示した説明図である。
第2締結装置30nは、Tボルト31n、ナット32n、絶縁カラー36n、埋め込みカラー38n等から構成されている。埋め込みカラー38nは、上部にTボルト31nのT状頭部が挿入可能な断面が略矩形状の挿入穴を有している。Tボルト31nは、下部に形成されたT状頭部を挿入穴に挿入後、90度回転させることにより、埋め込みカラー38nの底部に形成された係合部にT状頭部を係合させるものである。Tボルト31nのねじ軸部には、カバープレート37n、絶縁カラー36n、平座金35n、ばね座金34n、平座金33nが挿通され、ナット32nがねじ込まれている。ナット32nを所定のトルクで締め込むことにより、軌道スラブ5に第1タイプレート42nが固定されている。Tボルト31nと第1タイプレート42nとは、絶縁カラー36nにより電気的に絶縁されている。
第1締結装置20sは、ボルト21s、ナット22s、板ばね25s等から構成されている。第2タイプレート42sの凸部42s1には、ハ字状に形成された溝である「あり溝」(図示せず)が形成されている。ボルト21sの下部には、第2タイプレート42sの「あり溝」に係合する「あり形」が形成されている。ボルト21sは、「あり溝・あり形」で係合して第1タイプレート42sに取り付けられる。ボルト21sのねじ軸部には、板ばね25s、平座金23sが挿通され、ナット22sがねじ込まれる。ナット22sを所定のトルクで締め込むことにより、標準軌専用レール2の底部2aを板ばね25sの押圧部25s1が押圧し、第2タイプレート42sと板ばね25sによって、標準軌専用レール2が固定されている。
第2締結装置30sは、Tボルト31s、ナット32s、絶縁カラー36s、埋め込みカラー38s等から構成されている。埋め込みカラー38sは、上部にTボルト31sのT状頭部が挿入可能な断面が略矩形状の挿入穴を有している。Tボルト31sは、下部に形成されたT状頭部を挿入穴に挿入後、90度回転させることにより、埋め込みカラー38sの底部に形成された係合部にT状頭部を係合させるものである。Tボルト31sのねじ軸部には、カバープレート37s、絶縁カラー36s、平座金35s、ばね座金(図示せず)、平座金33sが挿通され、ナット32sがねじ込まれている。ナット32sを所定のトルクで締め込むことにより、軌道スラブ5に第1タイプレート42sが固定されている。Tボルト31sと第1タイプレート42sとは、絶縁カラー36sにより電気的に絶縁されている。
この第1締結装置20s、第2締結装置30sは、前述した狭軌レール締結装置7の第1締結装置20n、第2締結装置30nと同じ、または、ほぼ同じ構成のものである。言い換えると、標準軌専用レール2は、レールの長手方向に直交する面で切断した断面において、標準軌専用レール2の底部2aの両側を、第1締結装置20s、20s、第2締結装置30s、30sで、第2タイプレート42s、軌道スラブ5に締結されている。
異物侵入防止部材10は、狭軌専用レール1(または、標準軌専用レール2)の長手方向と直交する方向に延在して、狭軌専用レール1と標準軌専用レール2との空隙4(図3参照)内に設けられている。異物侵入防止部材10には、異物F(図5参照)が落下等して侵入してきたとき異物Fが空隙4、特に、図2、3おける狭軌専用レール1の右側の狭軌レール締結装置7と、図2、3における標準軌専用レール2の左側の標準軌レール締結装置8との間の空隙4a(図3参照)に侵入して入り込むことを防止するための異物侵入防止部11が形成されている。異物侵入防止部11は、空隙4を覆うための主構成面を形成するための部位であり、異物侵入防止部材10の本体となるものである。異物侵入防止部11は、狭軌専用レール1(または、標準軌専用レール2)の長手方向と直交する方向に延在した部材であって、平面視したとき、異物侵入防止部11の長手方向(延在方向)の一方の側と他方の側で若干ずれた形状である略矩形状に形成された部位である。異物侵入防止部11には、異物侵入防止部11の狭軌専用レール1の長手方向と直交する延在方向の一端側に、異物侵入防止部11の端面から狭軌専用レール1の長手方向の一方の側に突出するように、第1係合軸部12が一体に形成されている。また、異物侵入防止部11には、異物侵入防止部11の延在方向の他端側に、異物侵入防止部11の端面から狭軌専用レール1の長手方向の他方の側に突出するように、第2係合軸部13が一体に形成されている。
なお、異物侵入防止部材は、軟質樹脂である熱可塑性エラストマー〔例えば、TPS(スチレン系エラストマー)、TPVC(塩化ビニル系エラストマー)、TPO(オレフィン系エラストマー)、TPU(ポリウレタン系エラストマー)〕製のものであってもよい。また、異物侵入防止部材は、前述したゴム材料と軟質樹脂(熱可塑性エラストマー)材料とから構成されているもの、例えば、異物侵入防止部と第1係合軸部、第2係合軸部とが異なる材料で構成されたものであってもよい。
2…第2軌道専用レール(標準軌専用レール)
4…空隙
5…軌道スラブ
7…第1軌道レール締結装置(狭軌レール締結装置)
8…第2軌道レール締結装置(標準軌レール締結装置)
10…異物侵入防止部材
11…異物侵入防止部
12…第1係合軸部
13…第2係合軸部
14、15…三角凸部
16、17…半円筒部
20n、20s…第1締結装置
21n、21s…ボルト
22n、22s…ナット
25n、25s…板ばね
30n、30s…第2締結装置
31n、31s…Tボルト
32n、32s…ナット
36n、36s…絶縁カラー
38n、38s…埋め込みカラー
41n、41s…絶縁板
42n…第1タイプレート
42s…第2タイプレート
43n、43s…レール調節パッキン
44n、44s…軌道パッド
Claims (7)
- 第1軌道と、前記第1軌道と軌間寸法が異なる第2軌道との共用区間に敷設されている前記第1軌道の第1軌道専用レールと、前記第1軌道専用レールを、軌道スラブに締結している第1軌道レール締結装置と、前記第1軌道専用レールに対して平行になるように敷設されている前記第2軌道の第2軌道専用レールと、前記第2軌道専用レールを、前記軌道スラブに締結している第2軌道レール締結装置とを備えた三線軌道において、前記第1軌道専用レールと前記第2軌道専用レールとの間に形成されている空隙に異物が侵入することを防止するための異物侵入防止部材であって、
平面視したとき前記空隙を覆うための主構成面を形成するための部位であって、前記第1軌道専用レールの長手方向と直交する方向に延在して、前記空隙を覆うように設けられ、前記異物が前記空隙内に侵入することを防止するための異物侵入防止部と、
前記異物侵入防止部の長手方向の一端側に、前記異物侵入防止部の端面から前記第1軌道専用レールの長手方向の一方の側に突出するように一体に形成され、前記第1軌道レール締結装置に係合可能な第1係合軸部と、
前記異物侵入防止部の長手方向の他端側に、前記異物侵入防止部の端面から前記第1軌道専用レールの長手方向の他方の側に突出するように一体に形成され、前記第2軌道レール締結装置に係合可能な第2係合軸部とからなる
ことを特徴とする三線軌道における異物侵入防止部材。 - 請求項1に記載された三線軌道における異物侵入防止部材において、
前記第1係合軸部は、断面が円形をした円筒状のものであって、前記第1軌道レール締結装置の板バネのばね尻部に挿入、係合されるものであり、
第2係合軸部は、断面が円形をした円筒状のものであって、前記第2軌道レール締結装置の前記板バネのばね尻部に挿入、係合されるものである
ことを特徴とする三線軌道における異物侵入防止部材。 - 請求項1または2に記載された三線軌道における異物侵入防止部材において、
前記異物侵入防止部は、前記異物侵入防止部の長手方向の中央の底面に、所定の幅の凹状切り欠きが形成されているものである
ことを特徴とする三線軌道における異物侵入防止部材。 - 請求項3に記載された三線軌道における異物侵入防止部材において、
前記異物侵入防止部は、前記凹状切り欠きの両側の底面が、半円筒状の半円筒部に形成されているものである
ことを特徴とする三線軌道における異物侵入防止部材。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載された三線軌道における異物侵入防止部材において、
前記異物侵入防止部は、平面視したとき、前記第1係合軸部が突出している端面の反対側の端面に、長手方向端面側が広くなっている三角形状に突出している第1三角凸部と、前記第2係合軸部が突出している端面の反対側の端面に、長手方向端面側が広くなっている三角形状に突出している第2三角凸部とが形成されているものである
ことを特徴とする三線軌道における異物侵入防止部材。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載された三線軌道における異物侵入防止部材において、
前記異物侵入防止部材は、耐候性のよいゴム及び/または樹脂材料で形成されている
ことを特徴とする三線軌道における異物侵入防止部材。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載された三線軌道における異物侵入防止部材において、
前記第1軌道は、標準軌または狭軌の軌道であり、
前記第2軌道は、狭軌または標準軌の軌道である
ことを特徴とする三線軌道における異物侵入防止部材。
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