JP5751939B2 - 自己崩壊性コンクリート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、所定期間経過後に自己崩壊する自己崩壊性コンクリート及びその製造方法などに関連する。より詳細には、アルカリ骨材反応性を有する骨材を含有し、内部のpHが12〜14である自己崩壊性コンクリート及びその製造方法、その自己崩壊性コンクリートで形成された植生基盤、並びにその自己崩壊性コンクリートを植生基盤として用いる植物増殖方法などに関連する。
コンクリートは、一般的には、骨材(粗骨材及び細骨材)とセメントペースト(セメントに水を混ぜたもの)とを混練し、硬化させたものをいう。コンクリートは、強度、耐久性が高く、施工も簡易で、コスト面でも優れていることから、土木・建築の分野を中心に幅広く用いられている。
ポーラスコンクリートは、連続空隙を有する多孔質のコンクリートであり、通常、細骨材をほとんど用いずに、粗骨材とセメントペーストとを混練して製造される。ポーラスコンクリートは、通気性、排水性、吸音性、断熱性などに優れた材料であり、また、空隙部分に微生物を定着させたり、土壌などを充填したりすることなども可能なため、近年、緑化基盤、水質浄化、道路舗装、吸音材、断熱材など、様々な用途に用いられている。
一方、用途の多様化などに伴い、耐久性を意図的に低くして、比較的早期に崩壊させるように形成されたコンクリートなどについても提案されている。例えば、特許文献1には、アマモ場造成のために、廃ガラスなどのアルカリ骨材反応性を有する鉱物を骨材及び結合材の少なくとも一方に採用し、アルカリ刺激による膨張崩壊を生じるように調製したポーラスコンクリートブロックが開示されている。
なお、アルカリ骨材反応とは、コンクリートを崩壊させる反応の一つである。例えば、シリカを含有する骨材を用いたコンクリートの場合、骨材中のシリカがコンクリートのアルカリ性と反応してアルカリシリカゲルが形成される(アルカリ骨材反応)。このアルカリシリカゲルが吸水膨張することにより、コンクリートにひび割れを起こす。
その他、コンクリートなどを短時間で崩壊させる手段として、例えば、特許文献2には、低濃度のグリオキサール水溶液をセメント硬化体に接触させることにより崩壊させる方法が、特許文献3には、重焼マグネシアを主成分とするセメント固化材を土壌に混和し固化し緩行性膨張作用により崩壊させる方法が、特許文献4には、水硬性硬化体からなる内側層部と、水中に載置した後自然崩壊を起こすことにより土砂形状となり内側層部から脱落し得る自然崩壊層からなる表層部とを具備する自然崩壊型硬化体が、特許文献5には、骨材とアスファルトとを含有する混合物からなり、水生植物の植栽に使用する自己崩壊製ブロックが、特許文献6には、自己崩壊性を有し、砂と固化剤と増粘剤とを含有する混練物を成型した植栽基盤が、それぞれ開示されている。
特開2002−291359号公報 特開昭53−149210号公報 特開2005−290172号公報 特開2010−220588号公報 特開2010−130952号公報 特開2008−43246号公報
従来の自己崩壊性コンクリートの場合、設置環境などによっては、水中などに設置した後、自己崩壊するまでに長い期間を要する場合があった。また、そのため、自己崩壊までの期間を調節することが難しかった。
そこで、本発明は、比較的短期間で自己崩壊に到る、若しくは自己崩壊までの期間を調節可能な自己崩壊性コンクリートを提供することなどを目的とする。
本発明者らは、従来の自己崩壊性コンクリートが自己崩壊するまでに長い期間を要する理由は、水中などに設置することによりコンクリート内のpHが低下し、アルカリ骨材反応の進行が遅くなるためであると推定した。そして、骨材とセメントペーストとを混練する際に高アルカリ性の水溶液を用いることなどにより、自己崩壊性を促進でき、比較的短期間で自己崩壊に到るコンクリートを製造できることを新規に見出した。
そこで、本発明では、少なくとも、アルカリ骨材反応性を有する骨材と、アルカリ性物質とを配合して、混練する工程を含む自己崩壊性コンクリート製造方法、及び、この方法などにより得られた自己崩壊性コンクリートなどを提供する。
この方法でコンクリートを製造することにより、水中などに設置した後も、コンクリート内部を高アルカリ性に維持できるため、アルカリ骨材反応が進行しやすく、比較的短期間で自己崩壊させることができる。
製造工程において、コンクリートの表層に炭酸化処理を行ってもよい。これにより、コンクリートからナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ成分の溶出を抑制できるため、自己崩壊性能を長期間維持できる。
ナトリウムイオン、カリウムイオンは植物の生育に悪影響を及ぼす。それに対し、例えば、この自己崩壊性コンクリートを植生基盤などとして用いる場合、コンクリートの表層に炭酸化処理を行うことにより、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの溶出を抑制できるため、植物を良好に増殖させることができる。
一般的に、植物は、周辺環境のpHが高いと育ちにくい。コンクリートは高いアルカリ性を示すため、コンクリートを植生基盤などに用いた場合、植物の生育が妨げられる場合がある。それに対し、コンクリートの表層に炭酸化処理を行うことにより、表層のpHを中性に近くすることができるため、植物を良好に増殖させることができる。
その他、製造工程において、アルカリ骨材反応性を有する繊維部材を配合してもよい。これにより、セメントの硬化した部分が繊維部材とのアルカリ骨材反応により崩壊しやすくなるため、自己崩壊性を促進できる。
なお、例えば、アルカリ性物質の添加量などを調製してコンクリート内のpHを調整することにより、又は、繊維部材の長さ・太さ・配合量などを調節することにより、自己崩壊までの期間を調節できる。
本発明により、水中などに設置した後、比較的短期間でコンクリートを自己崩壊させることができる。また、これにより、設置してからコンクリートが自己崩壊に至るまでの期間をある程度調節できる。
<本発明に係る自己崩壊性コンクリート製造方法について>
本発明に係る自己崩壊性コンクリート製造方法は、例えば、(1)混練工程、(2)打設工程、(3)炭酸化処理工程、(4)養生工程の各工程により行われる。なお、本発明に係る自己崩壊性コンクリート製造方法は、少なくとも、アルカリ骨材反応性を有する骨材と、アルカリ性物質とを配合して、混練する工程を含むものを広く包含し、例えば、一部の工程を省略・簡略化したり、他の工程を追加したり、若しくは工程の順序を入れ替えたりなどしたことにより、狭く限定されない。
(1)混練工程では、骨材、セメント、水などの混練を行う。
骨材には、アルカリ骨材反応性を有する材料を単独で、若しくは他の骨材と混合して用いる。
アルカリ骨材反応性を有する材料とは、アルカリ骨材反応性試験において「無害でない」と判定されたものをいう。公知の方法、例えば、化学法(JIS A 1145)、モルタルバー法(JIS A 1146)、モルタルバー迅速法(JIS A 1804)などにより、アルカリ骨材反応性を簡易に判定できる。
アルカリ骨材反応性を有する材料として、例えば、陰微晶質石英、玉髄、オパール、火山ガラス、クリストバライト、ウォラストナイト、ゾノトライト、トリジマライト、タルク、マイカ、モンモリロナイトなどの鉱物、廃ガラス、ガラス繊維、ガラスビーズ、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカなどの各種シリカなどが挙げられる。
骨材の粒度は、材質などに応じて適宜設定できるが、例えば、0.3〜30mmのものを用いることができる。
骨材には、必要に応じて、一般的に用いられている粗骨材、細骨材を配合してもよい。粗骨材としては、例えば、砕石、砂利、再生骨材またはこれらの混合物、軽量骨材などを利用できる。細骨材としては、例えば、川砂、海砂、山砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物が挙げられる。
骨材の配合量は、目的・用途に応じ、適宜設定できるが、ポーラスコンクリートを製造するために、例えば、セメント100重量部に対して200〜1,000重量部が好適であり、400〜800重量部がより好適である。
セメントとしては、公知のものを単独で又は混合して用いることができ、特に限定されない。例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色ポルトランドセメント、各種混合セメントなどを用いることができる。また、目的・用途などに応じ、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石粉末、石英粉末、石膏などを適量配合したものを用いてもよい。
アルカリ性物質は、水に溶解した際にアルカリ性を示す物質である。アルカリ性物質としては、公知のものを広く採用でき、特に限定されない。例えば、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなど)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなど)、テトラアルキルアンモニウムの水酸化物(水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムなど)、グアニジンなどの強アルカリ性物質が好適であり、比較的安価で入手しやすく、かつ強いアルカリ性を示す点から、アルカリ金属の水酸化物がより好適であり、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが最も好適である。
例えば、アルカリ性物質を水などに溶解した後、骨材とセメントとその高アルカリ性水溶液などを混練してもよいし、骨材とセメントとアルカリ性物質と水を投入してから混練してもよい。
アルカリ性物質の添加量は特に限定されないが、混練後のpHが12〜14になるように調製する。また、例えば、アルカリ性物質の添加量などを調製してコンクリート内のpHを調整することにより、自己崩壊までの期間を調節できる。
水の配合量は、目的・用途に応じ、適宜設定できるが、ポーラスコンクリートを製造するために、例えば、水/セメント比で15〜60質量%が好適である。
その他、必要に応じて、AE剤、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、硬化促進剤、流動化剤など、公知の混和材などを適宜配合してもよい。
以上の通り、アルカリ骨材反応性を有する骨材と、セメントと、アルカリ性物質と水などを適宜配合し、混練する。混練は、通常用いられる方法、例えば、二軸強制練りミキサー、パン型強制練りミキサー、オムニタイプミキサーなどの混練機に配合材料を投入して行うことができる。
この自己崩壊性コンクリート製造方法では、アルカリ骨材反応性を有する骨材のほかに、さらにアルカリ骨材反応性を有する繊維部材を配合してもよい。この繊維部材は、セメントの硬化した部分を硬化後に補強して引張強度を増大させるとともに、セメントとのアルカリ骨材反応により、セメントの硬化した部分を崩壊しやすくさせ、自己崩壊性を促進する。
アルカリ骨材反応性を有する繊維部材としては、例えば、ガラス繊維を用いることができる。この繊維部材の配合量は、繊維部材の種類・長さ・太さなどにより適宜設定できるが、例えば、0.25〜2.0容量%が好適である。
また、上述のコンクリート内のpHを調整することのほか、例えば、繊維部材の長さ・太さ・配合量などを調節することによっても、自己崩壊までの期間を調節できる。
この繊維部材は、例えば、上記の混練の際に添加してもよいし、混練後、アジテータ車で攪拌する際などに投入してもよい。
(2)打設工程では、公知の方法などにより、上記の混練物を型枠などに打ち込む。
型枠などに打ち込んだ後、全体を加圧することにより、若しくは振動機により振動加圧することにより、締固めを行ってもよい。
本発明では、この自己崩壊性コンクリートを、外部から連続した空隙を備えるポーラスコンクリートとして製造することが好ましい。上述の骨材の粒度、水/セメント比などに加え、この締固めにより、ポーラスコンクリートを製造する際の空隙率を調整できる。本発明では、空隙率を5〜30%に調整することが好ましい。
外部から連続した空隙を備えることにより、水中などに設置した際に、水がコンクリート内に均一かつ速やかに浸透するため、アルカリ骨材反応を進行させ、自己崩壊性を促進することができる。
(3)炭酸化処理工程では、コンクリートの表層(ポーラスコンクリートの空隙内の表層を含む、以下同じ)の炭酸化処理を行う。
炭酸化処理は、例えば、20〜100℃、相対湿度20〜80%、5〜100%CO2の環境下で、1〜30日間、処理することにより行うことができる。
炭酸化処理により、コンクリートの表層に存在したカルシウム分が炭酸カルシウムに変化する。これにより、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの溶出を抑制できるとともに、表層のpHを中性に近くすることができる。
(4)養生工程では、コンクリートの養生を行う。
コンクリートの養生は、公知の方法、例えば、水中養生、蒸気養生などを行うことができる。養生期間は特に限定されないが、例えば、3〜30日間が好適である。養生により、コンクリートを良好に硬化させることができる。
<本発明に係る自己崩壊性コンクリートについて>
本発明に係る自己崩壊性コンクリートは、アルカリ骨材反応性を有する骨材を含有し、内部のpHが12〜14であるものをすべて包含する。
図1は、本発明に係る自己崩壊性コンクリートの例を示す部分断面拡大模式図である。
図1の自己崩壊性コンクリートAは、上述の自己崩壊性コンクリート製造方法により製造されたものの部分断面を拡大したものであり、コンクリートAの骨格材料である骨材1と、セメントが硬化した部分であるセメント部2と、このセメント部2に形成された空隙3とを備える。
骨材1は、上述の通り、アルカリ骨材反応性を有するものが少なくとも含まれている必要がある。このアルカリ骨材反応性を有する骨材1とコンクリートA中のアルカリ性とが反応することにより、アルカリ骨材反応が進行し、自己崩壊に至る。
アルカリ骨材反応性を有する骨材1には、上述のものを用いることができる。骨材1がアルカリ骨材反応性を有する材料であるかどうかについては、上述の公知の手段により、容易に判定できる。
セメント部2は、上述の製造工程における混練物のうち、セメント(骨材1以外の成分)が硬化した部分である。このコンクリートAでは、製造工程において、アルカリ性物質を配合したことにより、コンクリート内部におけるセメント部2のpHが12〜14である。セメント部2のpHは、pHメーターなど、公知の方法により測定できる。
このコンクリートAでは、製造工程で繊維部材21を配合したことにより、セメント部2に、アルカリ骨材反応性を有する繊維部材21を含有する。この繊維部材21には、上述の通り、ガラス繊維などを用いることができる。
空隙3はセメント部2に形成された空間であり、コンクリートの外部から連続する。上述の通り、外部から連続した空隙を備えることにより、水中などに設置した際に、水がコンクリート内に均一かつ速やかに浸透するため、アルカリ骨材反応を進行させ、自己崩壊性を促進することができる。空隙率は5〜30%が好適である。
このコンクリートAでは、製造工程で炭酸化処理を行ったことにより、コンクリートの外部及び空隙3内の表層31(例えば、表面から0.1〜50mmの部位)における炭酸カルシウム含有量が3〜100%である。上述の通り、炭酸化処理を施したことにより、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの溶出を抑制できるとともに、表層のpHを中性に近くすることができる。
<本発明に係る植生基盤及び植物増殖方法について>
本発明は、上述の自己崩壊性コンクリートで形成された植生基盤、及び、その自己崩壊性コンクリートを植生基盤として用いる植物増殖方法を広く包含する。
上述の通り、本発明では、コンクリートの表層に炭酸化処理を行うことにより、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの溶出を抑制できるため、植物を良好に増殖させることができる。また、表層のpHを中性に近くすることができるため、植物を良好に増殖させることができる。従って、この自己崩壊性コンクリートを植生基盤として用いることにより、植物を良好に増殖できる。
実施例1では、本発明に係る自己崩壊性コンクリートにおける水への浸漬日数と圧縮強度との関係を調べた。
試験ケースを表1に示す。
Figure 0005751939
ケース1(対照)では、アルカリ骨材反応性試験で無害と判定された粒径5mm以上の骨材と、セメントと、水道水を、水/セメント比35%で配合し、混練後、型枠に打ち込み、材齢28日まで養生を施し、骨材間空隙率18%のポーラスコンクリートを作成した。
ケース2及びケース3では、アルカリ骨材反応性試験で無害でないと判定された粒径5mm以上のガラス骨材と、セメントと、水道水を、水/セメント比35%で配合し、上記と同様に、混練後、型枠に打ち込み、材齢28日まで水道水中で養生を施し、骨材間空隙率18%のポーラスコンクリートを作成した。
ケース4及びケース5では、アルカリ骨材反応性試験で無害でないと判定された粒径5mm以上のガラス骨材と、セメントと、10%水酸化ナトリウム水溶液を、水/セメント比35%で配合し、ガラス繊維を1.0容量%添加し、混練後、型枠に打ち込んだ。次に、50℃、相対湿度50%、20%COの環境下で、3日間、炭酸化養生を行った後、材齢28日まで蒸気養生を施し、骨材間空隙率18%のポーラスコンクリートを作成した。
各ポーラスコンクリートを、水道水又は海水に所定期間浸漬した後、コンクリートの圧縮試験方法(JIS A 1108)に準じて、圧縮強度を測定した。
結果を図2に示す。図2は、各ポーラスコンクリートの浸漬日数と圧縮強度との関係を示すグラフである。図2中、横軸は浸漬日数(単位:日)を、縦軸は圧縮強度(N/mm2)を表す。
図2に示す通り、アルカリ骨材反応性を有する骨材と、アルカリ性物質とを配合してポーラスコンクリートを作成したものでは、淡水中に浸漬した場合(ケース4)では材齢1年程度で、海水中に浸漬した場合(ケース5)では材齢半年程度で、圧縮強度の低下がみられた。
この結果より、アルカリ骨材反応性を有する骨材と、アルカリ性物質とを配合して作成したポーラスコンクリートの自己崩壊性が確認された。
実施例2では、表層の炭酸化処理を行った場合の植生改善効果を調べた。
試験ケースを表2に示す。
Figure 0005751939
普通ポルトランドセメント又は高炉セメントB種について、セメントペーストを硬化させた後、20℃で水中養生、若しくは50℃、相対湿度50%、20%COの環境下で炭酸化養生を行った。なお、高炉セメントB種は、セメントと高炉スラグ微粉末を等量混合したものである。
次に、養生を行ったセメントペーストの粉砕物と土壌とを混ぜ、そこに、植物(コマツナ)の種子をまき、発芽率と生育量を観察した。
その結果、種子をまいてから1カ月後において、炭酸化養生を行ったセメントペーストの粉砕物と土壌とを混ぜたもの(ケース3、4、7、8)では、水中養生を行ったセメントペーストの粉砕物と土壌とを混ぜたもの(ケース1、2、5、6)と比較して、発芽率及び生育量が著しく改善した。この結果より、セメントを炭酸化することが、植生に非常に有効であることが分かった。
なお、セメントペーストに高炉セメントB種を用いたケース(ケース5〜8)では、普通ポルトランドセメントを用いたケース(ケース1〜4)と比較して、いずれも発芽率及び生育量が良好であった。この結果は、高炉セメントB種ではセメントの含有量が少なく、植物が生育しやすかったためであると推測する。
本発明により、水中などに設置した後、比較的短期間でコンクリートを自己崩壊させることができる。また、これにより、設置してからコンクリートが自己崩壊に至るまでの期間をある程度調節できる。従って、本発明は、自己崩壊性コンクリートとして様々な用途に用いることができる。
また、製造工程も比較的簡易であり、コンクリートの製造及び施工を容易かつ短期間で行うことができるという有利性がある。
その他、本発明における炭酸化処理は、火力発電所、鉄鋼所、化学工場、ごみ焼却場などから排出される燃焼ガスを用いることができ、排出COの削減にも有用である。
アマモは、沿岸浅瀬の砂泥質などに群生する海草である。アマモが群生する場所はアマモ場と呼ばれ、多くの生物が集まり、魚の餌場、産卵、稚魚の育成場となる。近年、沿岸域の埋立て、海水汚染などにより、アマモ場は減少傾向にあり、その再生が課題となっている。本発明は、例えば、このアマモ場の再生などのための植生基盤にも適しており、アマモなどの植物の増殖手段としても有用である。
本発明に係る自己崩壊性コンクリートの例を示す部分断面拡大模式図。 実施例1において、各ポーラスコンクリートの浸漬日数と圧縮強度との関係を示すグラフ。
1 骨材
2 セメント部
21 繊維部材
3 空隙部
31 表層
A 自己崩壊性コンクリート

Claims (3)

  1. 少なくとも、アルカリ骨材反応性を有する骨材と、アルカリ金属の水酸化物とを配合して、混練する工程を含む自己崩壊性コンクリート製造方法。
  2. 表層の炭酸化処理を行う工程を含む請求項1記載の自己崩壊性コンクリート製造方法。
  3. アルカリ骨材反応性を有する繊維部材を配合する請求項1又は請求項2記載の自己崩壊性コンクリート製造方法。
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