JP5751759B2 - 光学用膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学用反射防止膜に用いる中空構造を有するカプセルを用いた光学用膜の製造方法及び光学用膜製造用塗工液に関し、特に優れた強度と低屈折率を有する光学用膜の製造方法に関する。
反射防止膜による反射防止は、光の波長程度の厚みからなる薄膜を形成し、光の干渉効果により反射率を低減する方法、または微粒子を用いて微小な凹凸を形成し、光の散乱により反射像を散らして輪郭をぼやかす処理方法などがある。
光の干渉効果により反射率を減らす方法としては、屈折率が低く、透明な材料であるフッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、シリカなどを数十ナノメートルから数百ナノメートルの厚みで基材上に成膜する方法がある。また、第2族元素のハロゲン化合物は、屈折率が低いことで知られている。
例えば、第2族元素のハロゲン化合物であるフッ化マグネシウムは、屈折率が1.38である。しかし、屈折率1.5程度のレンズ表面に百ナノメートル前後の膜厚で成膜することにより、400から700ナノメートルの可視域において反射率を2%以下にすることが出来る。
更に反射率を低く抑えるためには、屈折率をさらに低くする必要がある。そのためには、空気の屈折率が1.0のため、前記フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムやシリカの層内に空隙を形成することにより、屈折率下げることができる。例えば、屈折率1.38のフッ化マグネシウムの薄膜内に30%(体積)の空隙を設けると、屈折率を1.27まで下げることができる。また、一般的には、屈折率を低くするほど反射率を低減させることができる。
空隙を効率良く取り込む方法としては、フッ化マグネシウム微粒子を作製し、バインダーとともに成膜することによって、粒子間の隙間に空隙を形成し、屈折率の低下を行うことが報告されている。(特許文献1参照)
特WO02/018982号公報
しかしながら、特許文献1においては、屈折率を下げるために空隙を増加するためには、フッ化マグネシウム微粒子の粒径を大きくし、バインダーの量を少なくしなくてはならない。その結果、バインダーの量が減ることによって粒子同士、粒子と基材、粒子とその下層との密着力が減少し、基材から粒子の剥離が生じたりする。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、優れた強度および低屈折率を有し、光学用反射防止膜に用いることができる光学用膜の製造方法及び光学用膜製造用塗工液を提供するものである。
上記の課題を解決する光学用膜の製造方法は、バインダーとなる成分を含有する溶液に、第2族元素のハロゲン化合物のシェルと、前記バインダーとなる成分を硬化させる成分を含むコアとから形成されるカプセルが分散する塗布液を用意する工程と、前記塗布液を基材上に塗布する工程と、前記基材上に塗布した前記カプセルと、前記バインダーとなる成分とを加熱し、前記カプセルから前記バインダーとなる成分を硬化させる成分を蒸発させて前記バインダーとなる成分を硬化させ、前記第2族元素のハロゲン化合物のシェルからなる中空粒子を含む光学用膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明は、優れた強度および低屈折率を有し、光学用反射防止膜に用いることができる光学用膜の製造方法および光学用膜製造用塗工液を提供することができる。
また、本発明は、カプセル粒子の粒径を制御することによって、光の干渉効果により、反射率を低減する方法および微小な凹凸を形成し、光の散乱により反射像を散らして輪郭をぼやかす処理方法のどちらにも用いることが可能である。
本発明に係る光学用膜製造用塗工液の製造方法の一実施態様を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る光学用膜の製造方法は、下記の光学用膜製造用塗工液を用いて製造することができる。
本発明に係る光学用膜製造用塗工液は、シェルが第2族元素のハロゲン化合物からなり、コアに沸点が300℃以下の化合物が含まれるカプセルが、少なくともシラザンが溶解している溶媒中に分散されていることを特徴とする。
以下に、まず、本発明の光学用膜製造用塗工液の調製方法について説明する。
図1は、本発明に係る光学用膜製造用塗工液の製造方法の一実施態様を示す模式図である。図1(a)は、第2族元素を含む化合物、または第17族元素(ハロゲン)を含む化合物のどちらかの水溶液を作製し、有機溶剤と混合した際の模式図である。図1(b)は、更にO/W型のエマルジョンとした際の模式図であり、図1(c)は、更に有機溶剤を用いてO/W/O型のエマルジョンを形成した際の模式図であり、図1(d)は、更に反応させカプセルを形成した際の模式図である。
本発明の中空粒子は、シェルが第2族元素のハロゲン化合物からなり、コアが中空であるカプセルである。これは、第2族元素を含む化合物と17族元素(ハロゲン)を含む化合物を反応させることにより製造することができる。
本発明の中空粒子の製造方法は以下の4つの工程からなる。
(1)第2族元素を含む化合物を含む水溶液、または第17族元素(ハロゲン)を含む化合物を含む水溶液のうちどちらか一方と、第一の油性有機溶媒とを混合する(図1(a)参照)。
(2)上記の(1)の溶液のO/W型のエマルジョンを形成し、第一の溶液を作製する(図1(b)参照)。
(3)さらに第一の溶液に第二の油性有機溶剤を加えてO/W/O型のエマルジョンを形成し、第二の溶液を作製する(図1(c)参照)。
(4)上記の(1)で用いなかった方の化合物を含む水溶液を、前記第二の溶液に添加し反応させ、第2族元素のハロゲン化合物のシェルを有するカプセルを形成し、第三の溶液を作製する(図1(d)参照)。
第2族元素を含む化合物は、ケイ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、第2族元素のハロゲン化合物を用いることができる。第2族元素のケイ酸塩としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム:第2族元素の炭酸塩としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム:第2族元素のリン酸塩としては、リン酸マグネシウム、リン酸一水素カルシウム:第2族元素の硝酸塩としては、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム:第2族元素のハロゲン化合物としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、臭化バリウムなどがある。
第17族元素(ハロゲン)を含む化合物としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロ酢酸、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどがある。
上記化合物を水溶液として反応に用いる。化合物が水に溶け難い場合は、少量の酸、アルカリ、有機溶媒などを添加しても構わない。
次に、この水溶液に第一の油性有機溶媒を混合する(図1(a))と、有機溶剤相1と水溶液相2とが分離する。
本発明に用いられる第一の油性有機溶剤としては、水と混合し難いものが好ましい。具体的には、ベンゼン、キシレン、トルエン、クメン、スチレン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピルエーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、ミネラルスピリット、パラフィン系溶剤などが挙げられるが、これら以外あるいは複数種組み合わせても構わない。
本発明に用いる第一の油性有機溶媒は、沸点が300℃以下の触媒を用いることが好ましい。300℃をこえると、基材への熱による劣化が見られることがあり好ましくない。なお、基材の耐熱温度が300℃以上あるようであれば使用しても構わない。
次に、混合した、前記第2族元素を含む化合物を含む水溶液、または前記第17族元素(ハロゲン)を含む化合物を含む水溶液のどちらかの水溶液と第一の油性有機溶媒を用いて、O/W型のエマルジョンを形成し、第一の溶液を作製する(図1(b))。O/W型のエマルジョンとは、油滴(有機溶剤相)が水相の中に存在するエマルジョンを指す。図1(b)に示す様に、有機溶剤相1の油滴が、水溶液相2の中に分散する。
エマルジョン(乳化)を形成させるには、攪拌機、超音波分散機、高速攪拌式のホモジナイザー、高圧で液同士を衝突させるホモジナイザーなどを用いることができる。
O/W型のエマルジョンを形成するには、界面活性剤を用いても構わない。好ましい界面活性剤は、HLB値(界面活性剤の水や油への親和性を表す値)が8から16程度の非イオン性のものが好ましい。
界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドなどが挙げられる。
これらの中からHLB値が8から16程度であるものを選択し、単独であるいは複数種で用いればよい。
エマルジョン作製時の装置、反応条件、界面活性剤の種類などによって粒径を制御することができる。
光の干渉効果により反射率を低減する方法に用いる場合、カプセルの平均粒径(D50)は10nmから100nm程度が好ましい。また微小な凹凸を形成し、光の散乱により反射像を散らして輪郭をぼやかす処理方法に用いる場合は、カプセルの平均粒径(D50)は100nmから数ミクロン程度が好ましい。
次に、このO/W型のエマルジョンである第一の溶液に、第二の油性有機溶媒を添加し、O/W/O型エマルジョンを形成し、第二の溶液を作製する(図1(c))。O/W/O型エマルジョンとは、油滴の周囲に水相が被覆され、さらにその外側に有機溶剤相が存在するエマルジョンを指す。図1(c)に示す様に、有機溶剤相1の油滴の周囲に水溶液相2が被覆され、さらにその外側に有機溶剤相3が存在する。
用いられる第二の油性有機溶剤としては、水と混合し難いものが好ましく、具体的には、前記O/Wエマルジョン(第一の溶液)作製時に用いた第一の油性有機溶剤と同様の有機溶剤を用いることができる。なお、第一の油性有機溶剤と同じものであっても異なったものでもかまわない。
またエマルジョン化には、攪拌機、超音波分散機、高速攪拌式のホモジナイザー、高圧で液同士を衝突させるホモジナイザーなどを用いることができる。
第一の溶液を作製した際と同様に界面活性剤を用いても構わない。
好ましい界面活性剤は、前記した第一の溶液作製時に用いる中よりHLB値(界面活性剤の水や油への親和性を表す値)が3から8程度の非イオン性のものが好ましい。
O/W/O型エマルジョン(第二の溶液)作製後は、第一の溶液作製時に水溶液相2に用いた水溶液が第2族元素を含む化合物であれば、第17族元素(ハロゲン)を含む化合物の水溶液を添加し反応させる。第一の溶液作製時に水溶液相2に用いた水溶液が第17族元素(ハロゲン)を含む化合物であれば、第2族元素を含む化合物の水溶液を添加し反応させる。
この反応によってシェル5が第2族元素のハロゲン化合物で、コア6が有機溶剤相であるカプセル4が形成される(図1(d))。
カプセルとコアの体積比は、反応条件によって変更することが可能であるが、カプセル中に占めるコアの体積は、20%以上85%以下、好ましくは30以上85%以下が好ましい。20%未満であると中空の効果が屈折率に顕著には現れず、また85%をこえると強度が不足し好ましくない。
またコアの形状は一つの球からできていなくてもよく、たとえば複数の球が集まって形成されていたり球以外の形状をしていたりしてもよい。
この反応後に水あるいは有機溶媒などを添加し、デカンテーションを行ない、副生成物の塩や界面活性剤などの不要物を除去する。不要物の除去後、カプセルが分散されている溶液を取り出し、塗工液の作製に用いる。
塗工液は、カプセルが分散されている溶液にバインダーとなる成分を含む溶液、例えばテトラエトキシシランなどのアルコキシシラン類、シラザン類、フッ素を含む有機ポリマー、および触媒、有機溶媒などを添加混合して作製する。
シラザンをバインダーとして用いる場合は、次に示すようなコアにシラザンを硬化させる触媒を含むカプセルおよび塗工液を作製することもできる。
第2族元素を含む化合物を含む水溶液、または第17族元素(ハロゲン)を含む化合物を含む水溶液のうちどちらか一方と、第一の油性有機溶媒とを混合する(図1(a))。この時、第一の油性有機溶剤の代わりにシラザンが硬化できる触媒または前記第一の油性有機溶剤にシラザンが硬化できる触媒を溶かしてO/W型エマルジョン(第一の溶液)とする。
シラザンが硬化できる触媒としては、具体的には、1−メチルピペラジン、1−メチルピペリジン、4,4’−トリメチレンジピペリジン、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、ジアザビシクロ−[2,2,2]オクタン、シス−2,6−ジメチルピペラジン、4−(4−メチルピペリジン)ピリジン、ピリジン、ジピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン、4,4’−トリメチレンジピリジン、2−(メチルアミノ)ピリジン、ピラジン、キノリン、キノキサリン、トリアジン、ピロール、3−ピロリン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、1−メチルピロリジンなどのN−ヘテロ環状化合物;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミンなどのアミン類;更にDBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]5−ノネン)、1,5,9−トリアザシクロドデカン、1,4,7−トリアザシクロノナンなどが挙げられる。
また、有機酸、無機酸、金属カルボン酸塩、アセチルアセトナ錯体、金属微粒子も好ましい触媒としてあげられる。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、マレイン酸、ステアリン酸などが、また無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、過酸化水素、塩素酸、次亜塩素酸などが挙げられる。
これらの中でも沸点が300℃以下の触媒を用いることが好ましい。沸点が300℃をこえると、基材への熱による劣化が見られることがあり好ましくない。なお、基材の耐熱温度が300℃以上あるようであれば使用しても構わない。
またこれらの触媒は、単独であるいは第一の溶液作製時の第一の油性有機溶媒に溶かして用いることができる。
その後の第二の溶液の作製、第三の溶液の作製、塗工液の作製は、前述の方法と同様に行なうことができる。
塗工液中に含まれるバインダー(固形分)とカプセルの割合は、カプセルの粒径、所望の強度、所望の屈折率、基材の種類によって異なるため一義的に決めることはできない。しかし、カプセルを隙間なく並べた場合、カプセル同士およびカプセルと基材を密着させるのに必要最低の量が好ましい。概ねバインダー(固形分)とカプセルは、体積比でバインダー:カプセル=1:2.8から1:10、が望ましい。カプセルの割合が10より多いと、基材またはカプセル同士の密着力が低下し、膜の剥離などが起こる場合がある。また2.8より少ないとシリカ等のバインダー成分が増えることにより屈折率が上昇してしまう。
次に、以上述べてきた塗工液を用いて、本発明に係る光学用膜を製造するための製造方法について説明する。本発明に係る光学用膜の製造方法は、下記の方法により行なわれる。
(1)第2族元素を含む化合物を含む水溶液、またはハロゲンを含む化合物を含む水溶液のうちどちらか一方と、第一の油性有機溶剤とを混合してエマルジョンとした第一の溶液を作成する工程、
(2)前記第一の溶液に第二の油性有機溶剤を加えてエマルジョンとした第二の溶液を作成する工程、
(3)前記第二の溶液に前記第2族元素を含む化合物を含む水溶液、または前記ハロゲンを含む化合物を含む水溶液のうち、前記第一の溶液を作成する工程で用いた水溶液とは異なる方の水溶液を加え、第2族元素のハロゲン化合物のシェルと、前記第一の油性有機溶剤を含有するコアとから形成されるカプセルを含有する第三の溶液を作成する工程、
(4)前記第三の溶液にバインダーとなる成分を含む溶液を加えて第四の溶液を作成し、前記第四の溶液を基材上に塗布する工程、
(5)前記基材上に塗布した第四の溶液を加熱し、前記カプセルから前記第一の油性有機溶剤を蒸発させて形成された前記第2族元素のハロゲン化合物のシェルからなる中空粒子を含む光学用膜を形成する工程。
前記第一の油性有機溶剤は、沸点が300℃以下の化合物が含まれることが好ましい。また、第一の油性有機溶剤に、バインダーとなる成分を硬化させる成分が含まれていることが好ましい。例えば、バインダーを含む溶液がシラザンである場合、第一の油性有機溶媒にはシラザンを硬化させる成分が含まれていることが好ましい。このように、バインダーとなる成分を硬化させる成分がコアに含まれている場合は、塗布する時には硬化する成分とバインダーが接触しないため、塗布しやすく、膜を均一に塗布することができる。また、加熱時、硬化する成分とバインダー成分が接触しすることで、加熱することによる結合力だけでなく、より強固にバインダー成分を硬化することができるため、光学膜の強度を増すことが可能となる。
上記製造方法によれば、前記第四の溶液を基材へ塗工し加熱することによってコアに含まれる有機溶媒または触媒が蒸発し、コアが中空のカプセルが得られる。
塗工に用いる基材としては、ガラス、樹脂などを用いることができる。ガラスは、FC5、FCD1、FCD10、LAC7(以上 HOYA株式会社製)、N−SK4、N−SK5、N−SK10、N−LAK10(以上 ショット社製)などを一例としてあげることができる。樹脂としてはウレタンアクリレート、メタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、セルロースなどからなるプラスチックで、屈折率が1.5以上のものを用いることができる。
基材の形状は限定されることはなく、平面、曲面、凹面、凸面、塊状、フィルム状であって構わない。
塗工の方法も特に限定されることはなく、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法など液状塗工液の一般的な塗工方法を用いることが出来る。塗工回数は通常1回が好ましいが、乾燥と塗工を複数回繰り返してもよい。
塗工後は乾燥を行う。乾燥は乾燥機、ホットプレート、電気炉などを用いることが出来る。乾燥温度は、基材に影響を与えずかつカプセル内の有機溶媒または触媒が蒸発できる程度の温度と時間とする。一般的には300℃以下の温度が好ましい。
このようにして得られる光学用膜の膜厚は、光の干渉効果により反射率を低減する方法に用いる場合は、50nmから200nm程度が好ましい。微小な凹凸を形成し、光の散乱により反射像を散らして輪郭をぼやかす処理方法に用いる場合は、膜厚は100nmから10ミクロンの範囲が好ましい。
本発明の光学用膜は、光学用薄膜が好ましく、また光学用低屈折率膜であることが好ましい。
また基材と塗工面の間には、高屈折率層および中屈折率層などを単層あるいは複数層有していてもよい。
高屈折率層、中屈折率層として具体的には、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化ハフニウム、シリカなどを挙げることが出来る。
これらの高屈折率層、中屈折率層は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法などを用いて形成することが出来る。
本発明の光学用膜は、低屈折率であり、具体的には、屈折率の値が1.30以下、好ましくは1.10以上1.28以下である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
実施例1(塗工液1の作製)
フッ化カリウム0.12molを水40mlに溶かし、界面活性剤としてEMALEXHC−30(日本エマルジョン株式会社製、HLB値11)を0.16g添加したn−ヘキサン溶液10mlを加えた。この混合溶液を超音波分散機にて処理することによってO/W型エマルジョンを得た。このエマルジョンに、n−ヘキサン40mlに界面活性剤とするEMALEX SS−5051(日本エマルジョン株式会社製 HLB値6)1.0gを混合した溶液を添加した。この混合液を超音波分散機にて処理することによりO/W/O型エマルジョンを作製した。
塩化マグネシウム0.06molを水40mlに溶かし、O/W/O型エマルジョン溶液を攪拌しながら添加した。1時間の攪拌後、200mlの水を添加しさらに30分攪拌し油相と水相の2相に分離させた。油相側に、コアにn−ヘキサンを含むフッ化マグネシウムのカプセルを得た。このカプセルの粒径をレーザー散乱方式によって測定したところ、平均粒径(D50)が200nmであった。
2相に分離した上の油相側を分取した。分取した油相に、シラザン溶液(バインダー成分)としてアクアミカNP−110(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、シラザン成分20%品)21.6g添加し、塗工液1とした。この時、バインダー成分(固形分)とカプセル成分の体積比は、バインダー成分:カプセル成分=1:2.8であった。
実施例2(塗工液2の作製)
硝酸マグネシウム0.6molを水400mlに溶かし、界面活性剤としてEMALEX HC−30(日本エマルジョン株式会社製、HLB値11)を1.6g添加したn−ヘキサン溶液100mlを加えた。この混合溶液を圧力式ホモジナイザーにて処理することによってO/W型エマルジョンを得た。このエマルジョンに、n−ヘキサン400mlに界面活性剤とするEMALEX SS−5051(日本エマルジョン株式会社製 HLB値6)10.0gを混合した溶液を添加した。この混合液を超音波分散機にて処理することによりO/W/O型エマルジョンを作製した。
50%フッ酸水溶液48g(フッ酸成分として1.2mol)を水400mlに溶かし、O/W/O型エマルジョン溶液を攪拌しながら添加した。1時間の攪拌後、2000mlの水を添加しさらに30分攪拌し油相と水相の2相に分離させた。油相側に、コアにn−ヘキサンを含むフッ化マグネシウムのカプセルを得た。このカプセルの粒径をレーザー散乱方式によって測定したところ平均粒径(D50)が40nmであった。また一部を乾燥し、比重測定からコアの体積を見積もったところ約73%であった。
2相に分離した上の油相側を分取する。分取した油相にシラザン溶液(バインダー成分)としてアクアミカNP−110(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製 シラザン成分20%品)216gを添加し塗工液2とした。バインダー成分とカプセル成分の体積比は,バインダー成分(固形分):カプセル成分=1:2.8であった。
実施例3(塗工液3の作製)
実施例2において、シラザン溶液としてアクアミカNP−110(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製 シラザン成分20%品)61.5gを添加し塗工液3とした。この時、バインダー成分とカプセル成分の体積比は、バインダー成分(固形分):カプセル成分=1:10であった。
実施例4(塗工液4の作製)
硝酸マグネシウム0.6molを水400mlに溶かした。n−ヘキサン100mlに界面活性剤としてEMALEX HC−30(日本エマルジョン株式会社製、HLB値11)を1.6gおよびシラザンの触媒となるn−オクチルアミン2.0gを添加した溶液を硝酸マグネシウムの水溶液に添加した。この混合溶液を圧力式ホモジナイザーにて処理することによってO/W型エマルジョンを得た。このエマルジョンに、n−ヘキサン400mlに界面活性剤とするEMALEX SS−5051(日本エマルジョン株式会社製 HLB値6)10g混合した溶液を添加する。この混合液を超音波分散機にて処理することによりO/W/O型エマルジョンを作製した。
50%フッ酸水溶液48g(フッ酸成分として1.2mol)を水400mlに溶かし、O/W/O型エマルジョン溶液を攪拌しながら添加した。1時間の攪拌後、2000mlの水を添加しさらに30分攪拌し油相と水相の2相に分離させた。油相側に、コアにn−ヘキサンとn−オクチルアミンを含むフッ化マグネシウムのカプセルを得た。このカプセルの粒径をレーザー散乱方式によって測定すると平均粒径が40nmであった。また一部を乾燥し、比重測定からコアの体積を見積もったところ約55%であった。
2相に分離した上の油相側を分取した。分取した油相に触媒を含まないシラザン溶液(バインダー成分)としてアクアミカNN−110(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製 シラザン成分20%品)61.5gを添加し塗工液4とした。この時、バインダー成分とカプセル成分の体積比は、バインダー成分(固形分):カプセル成分=1:10であった。
実施例5
塗工液1を100um厚みのトリアセチルセルロースフイルムに塗工し、130℃で30分乾燥させた。膜厚は8μmであった。
実施例6(光学用膜の製造方法)
塗工液2を清浄化されたシリケートガラス板にスピンコーターによって塗工した。さらに300℃で1時間加熱し、シリケートガラス板上に密着した。膜厚は100nmであった。
実施例7(光学用膜の製造方法)
塗工液3を清浄化されたシリケートガラス板にスピンコーターによって塗工した。さらに300℃で1時間加熱し、シリケートガラス板上に密着した。膜厚は100nmであった。
実施例8(塗工液5の作製)
フッ化カリウム0.12molを水40mlに溶かし、界面活性剤としてEMALEX SP−010V(日本エマルジョン株式会社製、HLB値11)を0.16g添加したn−ヘキサン溶液10mlを加えた。この混合溶液を超音波分散機にて処理することによってO/W型エマルジョンを得た。このエマルジョンに、n−ヘキサン10mlに界面活性剤とするEMALEX SS−5051(日本エマルジョン株式会社製 HLB値6)1.0gを混合した溶液を添加した。この混合液を超音波分散機にて処理することによりO/W/O型エマルジョンを作製した。
塩化カルシウム0.06molを水40mlに溶かし、O/W/O型エマルジョン溶液を攪拌しながら添加した。1時間の攪拌後、200mlの水を添加しさらに30分攪拌し油相と水相の2相に分離させた。油相側に、コアにn−ヘキサンを含むフッ化カルシウムのカプセルを得た。このカプセルの粒径をレーザー散乱方式によって測定したところ、平均粒径(D50)97nmであった。
2相に分離した上の油相側を分取した。分取した油相に、フッ素ポリマー溶液(バインダー成分)としてRFH−01(菱江化学株式会社製 ポリマー成分2%品)28g添加し、塗工液5とした。この時、バインダー成分(固形分)とカプセル成分の体積比は、バインダー成分:カプセル成分=1:5.0であった。
塗工液5を清浄化されたシリケートガラス板にスピンコーターによって塗工した。さらに200℃で1時間加熱し、シリケートガラス板上に密着される。膜厚は100nmであった。
比較例1
メタノール100gに酢酸マグネシウム4水和物7.0gを溶かした。この溶液に50%フッ酸水溶液2.6g(フッ酸成分としてmol)をメタノール100gに溶かした溶液を20分かけて添加しフッ化マグネシウムを生成した。さらにこの溶液をオートクレーブに入れて180℃で24時間処理したところ平均粒径が30nmのフッ化マグネシウムの粒子を得た。さらに濃縮し10%程度のフッ化マグネシウム分散液とした。
この分散液を清浄化されたシリケートガラス板にスピンコーターによって塗工した。さらに100℃で1時間加熱した。その後、バインダーとして、シラザン溶液アクアミカNP−110(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、シラザン成分20%品)を用いて、バインダー成分とフッ化マグネシウム粒子成分の体積比が、バインダー成分:フッ化マグネシウム粒子成分=1:2.8となるよう塗工した。そして、300℃で1時間加熱しシリケートガラス板上に密着した。膜厚は100nmであった。
比較例2
比較例1で作製した分散液を、清浄化されたシリケートガラス板にスピンコーターによって塗工した。さらに100℃で1時間加熱した。その後、バインダーとして、シラザン溶液アクアミカNP−110(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製 シラザン成分20%品)を用いて、バインダー成分とフッ化マグネシウム粒子成分の体積比が、バインダー成分:フッ化マグネシウム粒子成分=1:10となるよう塗工した。そして、300℃で1時間加熱しシリケートガラス板上に密着した。
比較例3
比較例1で作製した分散液を、清浄化されたシリケートガラス板にスピンコーターによって塗工した。100℃で1時間加熱し、シリケート硝子板上に密着した。膜厚は100nmであった。
(評価1)
実施例6、実施例7、比較例1、比較例2および比較例3で作製した光学用膜を、オリンパス株式会社製、レンズ反射率測定機(USPM−RU)を用いて波長400nmから700nmの反射率を測定し、波長550nmの反射率より屈折率を求めた。
(評価2)
光学膜面にスチールウールに200g/cmの荷重をかけ、20回往復させた後、同様に屈折率の測定を行った。
結果を表1に示す。スチールウールでの試験後に屈折率が上昇したサンプルにおいては、カプセルの剥離あるいは表面の傷が見られた。
Figure 0005751759
表より実施例6、7は、比較例1、2に比べて屈折率が低いにもかかわらず、強度もあり基材からカプセルが剥離しにくいことがわかる。また反射防止膜として用いた際には反射率を低く抑えかつ強度のある膜を提供可能となることがわかる。
(評価3)
厚さ1mmのガラス板の裏表の両面に、表面の平滑な偏光板をクロスニコル状態で貼り合せて作製したものの片面に、実施例5で作製したフィルムの塗工液が塗工されていない面を貼り合せて、測定用のサンプル片を作製した。
蛍光灯(8000cd/m)を45°の角度から照射し、−45°の方向から観察したところ、蛍光灯の輪郭はほとんどわからなかった。
本発明の製造方法により得られる光学用膜は、優れた強度および低屈折率を有するので、光学用反射防止膜に利用することができる。
1 有機溶剤相
2 水溶液相
3 有機溶剤相
4 カプセル
5 シェル
6 コア

Claims (5)

  1. バインダーとなる成分を含有する溶液に、第2族元素のハロゲン化合物のシェルと、前記バインダーとなる成分を硬化させる成分を含むコアとから形成されるカプセルが分散する塗布液を用意する工程と、
    前記塗布液を基材上に塗布する工程と、前記基材上に塗布した前記カプセルと、前記バインダーとなる成分とを加熱し、前記カプセルから前記バインダーとなる成分を硬化させる成分を蒸発させて前記バインダーとなる成分を硬化させ、前記第2族元素のハロゲン化合物のシェルからなる中空粒子を含む光学用膜を形成する工程と、を有することを特徴とする光学用膜の製造方法。
  2. 前記塗布液を用意する工程は、第2族元素を含む化合物を含む水溶液、またはハロゲンを含む化合物を含む水溶液のうちどちらか一方と、前記バインダーとなる成分を硬化させる成分を含む溶液とを混合してエマルジョンとした第一の溶液を作成する工程と、
    前記第一の溶液に油性有機溶剤を加えてエマルジョンとした第二の溶液を作成する工程と、
    前記第二の溶液に前記第2族元素を含む化合物を含む水溶液、または前記ハロゲンを含む化合物を含む水溶液のうち、前記第一の溶液を作成する工程で用いた水溶液とは異なる方の水溶液を加え、前記第2族元素のハロゲン化合物のシェルと前記バインダーとなる成分を硬化させる成分を含むコアとから形成されるカプセルを含有する第三の溶液を作成する工程と、
    前記第三の溶液にバインダーとなる成分を含む溶液を加える工程とを有することを特徴とする請求項1記載の光学用膜の製造方法。
  3. 前記第2族元素のハロゲン化合物は、フッ化マグネシウムであることを特徴とする請求項1または2記載の光学用膜の製造方法。
  4. 前記バインダーとなる成分はシラザンを含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の光学用膜の製造方法。
  5. 前記光学用膜は、屈折率の値が1.10以上1.28以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項記載の光学用膜の製造方法。
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