JP5749094B2 - 塞栓捕捉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体の管腔において血栓等の塞栓を捕捉するための塞栓捕捉装置に関する。
血管やリンパ管等、生体の管腔内では、血栓や脂肪塞栓、腫瘍塞栓等の物質が管腔内で塞栓となって遊離し、詰まりを起こして血流等を阻害することがある。例えば血栓は、血管を塞ぐことで虚血や梗塞を引き起こし、下流の細胞への酸素や栄養等の補給を絶つために組織の壊死を招き、患者の生命を脅かす危険性もある。
近年では、血管内治療等、管腔内における治療技術が進歩し、外科的に血流の確保を行う方法が実施されるようになった。例えば、バルーン付きのマイクロカテーテルで血管を拡張する血管拡張術や、ステントと呼ばれる網状の筒を血管内に留置し、血管壁を内側から支えて狭窄を防ぐステント留置術等がある。さらに、血管の狭窄部に直接ワイヤを通し、このワイヤに設けられたフィルタ等で塞栓を捕捉する装置がこれまでに開発されている(例えば特許文献1参照)。
例として、図8に従来の塞栓捕捉装置を示す。ここでは、人体の血管100に従来の塞栓捕捉装置200を用いる例について図示する。
図8に示すように、従来の塞栓捕捉装置200は、シャフト201と、塞栓捕捉フィルタ203とを備えている。
シャフト201は、その先端近傍に塞栓捕捉フィルタ203が配置された長尺なワイヤである。シャフト201は、血管100内を進行させるために細く柔軟なワイヤからなり、シャフト201の基端を操作することで塞栓捕捉フィルタ203を血管100内の任意の位置に設置する。
塞栓捕捉フィルタ203は、合成樹脂や不織布等からなり血管100内で遊離した塞栓を捕捉するバスケット形状のフィルタ本体204Aと、このフィルタ本体204Aを支持する弾性又は形状記憶性を有する支持部204Bと、フィルタ本体204Aあるいは支持部204Bを結束してシャフト201に固定あるいはスライド可能に取り付ける結束部206と、から構成される。
この塞栓捕捉装置200は、搬送カテーテル(図示せず)内に収納された状態で血管100内の任意の位置に運ばれ、搬送カテーテルから放出されると、塞栓捕捉フィルタ203が弾性又は形状記憶性によって自動的に血管100の内壁にフィットするように拡張する。塞栓捕捉フィルタ203は、フィルタ本体204Aに小孔203Aを複数設けることで、血管100内の血流を確保しながら塞栓を捕捉することが可能である。
図8に示すように、従来の塞栓捕捉装置200は、血流(図中矢印)の上流側から装置を挿入するもので、バスケット形状の塞栓捕捉フィルタ203の開口205は、血流と対向するようにシャフト201の基端側を向くように配置されている。
特開2004−097807号公報
しかしながら、上記従来の塞栓捕捉装置200は、血流の上流側で塞栓を発生させる可能性のある手術や処置等が行われる場合には、設置したくても、塞栓捕捉装置203を搬送する搬送カテーテルやシャフト201がその手術や処置等の邪魔になるという問題があった。
以下、胸部大動脈瘤(TAA)のステントグラフト内挿術を例に挙げて説明する。図9は、胸部大動脈瘤(TAA)のステントグラフト内挿術の概略を示す模式図である。なお、図9中の矢印は血流を示している。
大動脈は、体の中で最も太い血管であり、心臓から全身に血液を送る根幹の動脈である。この大動脈は高い血圧が掛かるために、動脈硬化等による血管の劣化と共に動脈瘤ができやすい。大動脈は、心臓から横隔膜までの胸部大動脈101と横隔膜より下の腹部大動脈とに分かれており、胸部大動脈101に発生する動脈瘤がここで説明する胸部大動脈瘤(TAA)102である。
大動脈瘤は、発生しても痛み等の自覚症状はないものの、ひとたび破裂すると激痛、呼吸苦、意識障害等を起こし、突然死にも繋がる危険性がある。そのため、発見された大動脈瘤に対する処置は破裂を予防することが主となる。
近年、大動脈瘤の治療法の一つとして行われているステントグラフト内挿術は、ステントと一体化した人工血管(ステントグラフト)301を大動脈瘤に内挿して、動脈瘤前後の正常な径の血管に固定する治療法で、これにより動脈瘤102への血流を阻止して破裂を防止することができる。
一方、動脈瘤102内部では血流が滞りやすいため、動脈瘤102の内壁では血栓が形成されやすい。この血栓は、上記したステントグラフト301の設置を行う際に剥がれ、他の部位で動脈に詰まり塞栓症を引き起こしてしまう危険性がある。そこで、ステントグラフト内挿術に際して、下流で枝分かれする血管(例えば、図9の血管103、104、105)に塞栓捕捉装置を配置できれば、塞栓症の発生を未然に防止することができる。しかし、上述のように従来の塞栓捕捉装置200では、搬送カテーテルやシャフト201が胸部大動脈101側に位置することになるため、互いの搬送カテーテルやシャフト201が干渉し合うだけでなく、ステントグラフト301の搬送や設置等に支障をきたす可能性が高い。
そこで本発明は、上記状況に鑑みて、血流の上流側で塞栓が発生する可能性のある手術や処置等が行われる場合に使用可能な塞栓捕捉装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、生体の管腔内において塞栓を捕捉除去するための塞栓捕捉装置において、先端側が前記管腔内へと送り出される長尺なシャフト部材と、そのシャフト部材の先端に配置される可撓性を有する先端案内部と、その先端案内部の基端側に設けられると共に、弾性又は形状記憶性を有するワイヤが構成するメッシュからなり、装置搬送用のカテーテル内では収縮しそのカテーテルから管腔内へ放出されると拡張するバスケット形状のフィルタ部と、そのフィルタ部を構成する前記ワイヤを先端側及び基端側でそれぞれ結束する結束部と、を有する塞栓捕捉フィルタと、を備え、前記フィルタ部の開口部が、前記シャフト部材の先端側を向き血流と対向するよう配置して、管腔内の遊離した塞栓を捕捉することを特徴とする塞栓捕捉装置を提供する。
ここで、前記フィルタ部は、前記弾性又は形状記憶性を有するワイヤのメッシュからなる略半楕円体のフィルタ本体と、そのフィルタ本体の開口部側を支持して前記シャフト部材に取り付ける支持部とから構成されるのが好適である。あるいは、前記フィルタ部は、前記弾性又は形状記憶性を有するワイヤのメッシュからなる略楕円体からなり、前記拡張の際には、前記先端側結束部と基端側結束部とが前記シャフト部材に沿って接近し、前記略楕円体が中央部で折り返されて略半楕円体に変形するようにしても良い。
また、前記フィルタ部の先端側結束部及び基端側結束部は、何れか一方が前記シャフト部材に沿って軸方向にスライド可能に設けられ、他方が前記シャフト部材に固定されるようにする。あるいは、前記フィルタ部の先端側結束部及び基端側結束部の両方が、前記シャフト部材に沿って軸方向にスライド可能に設けられると共に、前記先端側結束部及び基端側結束部の移動可能範囲を規制するストッパー部材を、前記シャフト部材に固定的に配置するようにしても良い。
なお、前記基端側結束部及び先端側結束部は、X線不透過性の金属素材から構成されるのが好適である。
また、前記先端案内部は、前記シャフト部材の上にX線不透過性の金属素材からなるコイルを巻き付けて形成されるのが良い。
さらに、前記フィルタ部を構成するワイヤは、ニッケルチタンワイヤ、チタンワイヤ、プラチナ又は金から構成されるワイヤとニッケルチタン合金の複合素材のワイヤ、金メッキを施したニッケルワイヤ、又はチタン合金のワイヤの何れかから形成されるのが好適である。
また、前記塞栓捕捉装置は、ヘパリンコーティング、又は親水性コーティングが施されるのが好適である。
本発明の塞栓捕捉装置によれば、血流の上流側で塞栓が発生する可能性のある手術や処置等が行われる場合でも、複数個所で使用することができ、生じた塞栓を確実に捕捉して、塞栓が他の部位に詰まる二次塞栓症を防ぐことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る塞栓捕捉装置の全体概略図である。 胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術に際して、図1の塞栓捕捉装置を設置する位置の例を示す模式図である。 図1の塞栓捕捉装置の使用方法を説明するための模式図である。 本発明の他の実施形態に係る塞栓捕捉装置の全体概略図である。 図4の塞栓フィルタの詳細を示す模式図である。 図4の塞栓捕捉装置の使用方法を説明するための模式図である。 本発明の他の実施形態に係る塞栓捕捉装置の、先端側と基端側の結束部をスライド可能とする例を示す模式図である。 従来の塞栓捕捉装置を示す模式図である。 胸部大動脈瘤(TAA)のステントグラフト内挿術の概略を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、血栓のほか脂肪塞栓、腫瘍塞栓等、人体の管腔内を塞ぐ物質全般をまとめて塞栓と呼ぶことにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る塞栓捕捉装置の全体概略図である。この図に示すように、本実施形態の塞栓捕捉装置10は、シャフト(シャフト部材)11と、先端案内部12と、塞栓捕捉フィルタ13とから構成される。
シャフト11は、その先端に先端案内部12と塞栓捕捉フィルタ13とが配置された長尺なワイヤである。シャフト11は、血管内を進行させるために細く柔軟なワイヤからなり、シャフト11の基端を操作することで塞栓捕捉フィルタ13を血管内の任意の位置に設置する。このシャフト11の素材としては、ニッケルチタン系合金やステンレス鋼等の金属が適している。
シャフト11の先端部には、可撓性を有する先端案内部12が配置されている。この先端案内部12は、塞栓捕捉装置10の先頭に位置して塞栓捕捉装置10を血管内で進行させる際に血管壁等を傷付けずに案内できるように柔軟に形成されている。好適には、コイル状に巻回されたワイヤや編み込まれたワイヤから構成される。また、先端案内部12は、X線不透過性の金属素材(例えば、プラチナ、タングステン等)から構成し、X線透視下で位置や姿勢の確認ができるようにするのが良い。
先端案内部12の基端側には、塞栓捕捉フィルタ13が配置されている。塞栓捕捉フィルタ13は、血管内で遊離した塞栓を捕捉するバスケット形状のフィルタ部14と、このフィルタ部14を構成するワイヤを結束してシャフト11に固定あるいはスライド可能に取り付ける結束部16と、から構成される。
フィルタ部14は、細く柔軟な弾性又は形状記憶性を有するワイヤを編み込んで形成される。本実施形態においては、フィルタ部14は略半楕円体のフィルタ本体14Aを支持部14Bで支持するという、パラシュート型のバスケットで構成している。
パラシュートの傘体に当たる略半楕円体のフィルタ本体14Aは、血流を通す一方で塞栓は確実に捕捉できるよう、編み込んだワイヤのメッシュから構成される。略半楕円体の開口15は、塞栓捕捉装置10の先端側を向くと共に血流(図1及び図3矢印参照)に対向するように配置されている。
パラシュートの吊索に当たる支持部14Bは、一本又は複数本の束ねられたワイヤからなり、フィルタ本体14Aの開口15側を支持してシャフト部材11に取り付けている。
フィルタ本体14Aの基端側は後述する基端側結束部16Bで結束され、支持部14Bの先端側は先端側結束部16Aで結束されて、フィルタ部14はシャフト11に取り付けられている。フィルタ部14は、細く柔軟なワイヤを編み込んで構成しているため、伸縮及び変形が容易である。後述するが、基端側結束部16Bはシャフト11に固定されており、先端側結束部16Aはシャフト11の軸方向に沿ってスライド可能に設けられている。そのためフィルタ部14は、先端側結束部16Aが先端側に移動すると細長く縮径した状態となり、先端側結束部16Bが基端側に移動すると丸くふくらんで図1に示すように拡径する。弾性又は形状記憶性を有するワイヤからなるフィルタ部14は、自然状態ではこの拡径した状態を取るように加工されている。
フィルタ本体14Aと支持部14Bからなるフィルタ部14は、好適には複数本のワイヤから編まれている。ここで、フィルタ部14を構成するワイヤの数と拡張時の径D1の組み合わせとしては、例えば、「32本、D1=3.5mm」、「48本、D1=5.0mm」、「72本、D1=8.0mm」、「72本、D1=12.0mm」等が好適である。
また、フィルタ部14を構成するワイヤは、ニッケルチタンワイヤ、チタンワイヤ、プラチナ又は金から構成されるワイヤとニッケルチタン合金の複合素材のワイヤ、金メッキを施したニッケルワイヤ、又はチタン合金のワイヤ等からなるのが好適である。
結束部16は、フィルタ部14のワイヤを先端側と基端側でそれぞれ束ねて、シャフト11に取り付けるリング状部材である。本実施形態では、先端側で支持部14Bを結束するのが先端側結束部16Aであり、基端側でフィルタ本体14Aを結束するのが基端側結束部16Bである。これら両結束部16A、16Bは、X線不透過性の金属素材(例えば、プラチナ、タングステン等)から構成し、X線透視下で位置の確認ができるようにする。
ここでは、先端側結束部16Aがシャフト11の軸方向にスライド可能に設けられていると共に、基端側結束部16Bがシャフト11に固定されている。そのため、上述のようにフィルタ部14は、先端側結束部16Aが先端側に移動することにより、搬送カテーテルに細長く縮径した状態で収納することができる。また、搬送カテーテルから管腔内に放出されると、フィルタ部14を構成するワイヤの弾性又は形状記憶性により先端側結束部16Aは基端側に移動し、フィルタ部14は管腔内壁にフィットするように拡張する。
以下、上記した本実施形態の塞栓捕捉装置10を使用する際の態様について説明する。ここでは例として、本塞栓捕捉装置10を胸部大動脈瘤(TAA)のステントグラフト内挿術に際して適用する場合について示す。図2は、胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術に際して、本実施形態に係る塞栓捕捉装置10を設置する位置の例を示す模式図である。
図2では、胸部大動脈瘤102の下流で枝分かれする血管103、104、105にそれぞれ塞栓捕捉装置10を配置した例を示している。このように塞栓捕捉装置10を配置することにより、胸部大動脈瘤102へのステントグラフトの内挿をシャフト等で邪魔することなくスムーズに行いながら、塞栓が生じた際にそれを捕捉することができる。
次に、本実施形態に係る塞栓捕捉装置10の具体的な使用方法について、以下、図3を用いて説明する。
まず、塞栓捕捉装置10を搬送する前段階として、任意の設置箇所の血管100にガイドワイヤ(図示せず)を導入する。そしてこのガイドワイヤを通して血管100にマイクロカテーテル(搬送カテーテル)21を挿入し、ガイドワイヤは後退させる。
次いで、図3(a)に示すように、血管100に挿入したマイクロカテーテル21内に、塞栓捕捉装置10を通して設置箇所まで移動させる。このとき、マイクロカテーテル21内で、塞栓捕捉フィルタ13の先端側結束部16Aは先端側へと移動しており、塞栓捕捉フィルタ13は細長く伸びて縮径した状態でマイクロカテーテル21内を移動する。このように塞栓捕捉フィルタ13は収縮が自在であるため、塞栓捕捉装置10はマイクロカテーテル21内をスムーズに移動できる。
次に、図3(b)に示すように、マイクロカテーテル21の先端から塞栓捕捉装置10の先端案内部12と塞栓捕捉フィルタ13とを放出する。マイクロカテーテル21内から塞栓捕捉フィルタ13が離脱すると、塞栓捕捉フィルタ13はその弾性又は形状記憶性により自動的に血管壁にフィットするように拡張する。次いで、マイクロカテーテル21を後退させ、その状態で、血流を確保しながら塞栓の捕捉を行う。
使用を終えたら、マイクロカテーテル21を前進させ、上記と逆の要領で塞栓捕捉装置10をマイクロカテーテル21に収納する。このとき塞栓捕捉フィルタ13は再び細長く伸びて縮径した状態でマイクロカテーテル21内に収納されるので、フィルタ部14で捕捉した塞栓を逃さずに除去できる。
なお、上記の塞栓捕捉装置10は、その表面を薬剤によりコーティングしても良い。例えば、血液凝固を防ぐ目的で抗凝固薬(例えばヘパリン)によるコーティングを施しても良い。また、親水性コーティングを行えば、血液に触れると潤滑性を発揮するようになるため、血管内への導入操作が容易になる。
上記実施形態では、半楕円体のフィルタ本体14Aを支持部14Bで支持するパラシュート型の塞栓捕捉フィルタ13を用いる例を示したが、塞栓捕捉フィルタはこれに限らず様々な形状のものを適用可能である。以下、パラソル型の塞栓捕捉フィルタを用いる例について説明する。
図4は、本発明の他の実施形態に係る塞栓捕捉装置の全体概略図である。なお、図1に示す実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の塞栓捕捉装置30は、塞栓捕捉フィルタ33が、血管内で遊離した塞栓を捕捉するバスケット形状のフィルタ部34と、このフィルタ部34を構成するワイヤを結束してシャフト11に固定あるいはスライド可能に取り付ける結束部36と、から構成される。
図5に塞栓捕捉フィルタ33の詳細を示す。この図に示すように、フィルタ部34は、血流を通す一方で塞栓は確実に捕捉できるよう、細く柔軟な弾性又は形状記憶性を有するワイヤを編み込んだメッシュからなり、図5の一点鎖線で示すように略楕円体に形成されている。そして、弾性又は形状記憶性により、自然状態では図5の実線及び破線で示すように、略楕円体が略中央で折り返されたパラソル型のバスケットを形成するように加工されている。パラソル型のバスケットの開口35は、塞栓捕捉装置30の先端側を向くと共に、血流(図6矢印参照)に対向するように配置されている。
後述するが、フィルタ部34を構成するワイヤは、先端側が先端側結束部36Aで、基端側が基端側結束部36Bで結束されてシャフト11に取り付けられており、さらに基端側結束部36Bはシャフト11に固定され、先端側結束部36Aはシャフト11の軸方向に沿ってスライド可能に設けられている。そのためフィルタ部34は、先端側結束部36Aが先端側に移動すると細長く縮径した状態となり、先端側結束部36Bが基端側に移動すると略中央部で折り返されて図4に示すように拡径する。
フィルタ部34は、好適には複数本のワイヤから編まれている。ここで、フィルタ部34を構成するワイヤの数と拡張時の径D2の組み合わせとしては、例えば、「32本、D2=3.5mm」、「48本、D2=5.0mm」、「72本、D2=8.0mm」、「72本、D2=12.0mm」等が好適である。
また、フィルタ部34を構成するワイヤは、ニッケルチタンワイヤ、チタンワイヤ、プラチナ又は金から構成されるワイヤとニッケルチタン合金の複合素材のワイヤ、金メッキを施したニッケルワイヤ、又はチタン合金のワイヤ等からなるのが好適である。
結束部36は、フィルタ部34のワイヤを先端側と基端側でそれぞれ束ねて、シャフト11に取り付けるリング状部材である。結束部36は、フィルタ部34を構成するワイヤの先端側端部を束ねてシャフト11に取り付ける先端側結束部36Aと、ワイヤの基端側端部を束ねてシャフト11に取り付ける基端側結束部36Bとからなる。これら両結束部36A、36Bは、X線不透過性の金属素材(例えば、プラチナ、タングステン等)から構成し、X線透視下での位置確認ができるようにする。
なおここでは、先端側結束部36Aがシャフト11の軸方向にスライド可能に設けられていると共に、基端側結束部36Bがシャフト11に固定されている例を示している。そのため、上述のように塞栓捕捉フィルタ34は、搬送カテーテル内では先端側結束部36Aが先端側に移動することにより細長く縮径した状態で収納することができる。また、搬送カテーテルから管腔内に放出されると、フィルタ部34を構成するワイヤの弾性又は形状記憶性により先端側結束部36Aが基端側へ移動すると共にフィルタ部34が略中央部で折り返されて拡径し、先端側結束部36Aが折り返し部よりも基端側結束部36B側に位置することによりパラソル型に変形する。このように折り返されることにより、フィルタ部34は二重のフィルタを形成し、より確実に塞栓を捕捉することができる。
以下、本実施形態に係る塞栓捕捉装置30の具体的な使用方法について、図6を用いて説明する。
まず、塞栓捕捉装置30を搬送する前段階として、任意の設置箇所の血管100にガイドワイヤ(図示せず)を導入する。そしてこのガイドワイヤを通して任意の設置箇所の血管100でマイクロカテーテル(搬送カテーテル)21を挿入し、ガイドワイヤは後退させる。
次いで、図6(a)に示すように、血管100に挿入したマイクロカテーテル21内に、塞栓捕捉装置30を通して設置箇所まで移動させる。このとき、マイクロカテーテル21内で、塞栓捕捉フィルタ33の先端側結束部36Aは先端側へと移動しており、塞栓捕捉フィルタ33は細長く伸びて縮径した状態でマイクロカテーテル21内を移動する。このように塞栓捕捉フィルタ22は収縮が自在であるため、塞栓捕捉装置30はマイクロカテーテル21内をスムーズに移動できる。
次に、図6(b)に示すように、マイクロカテーテル21の先端から塞栓捕捉装置30の先端案内部12と塞栓捕捉フィルタ33とを放出する。マイクロカテーテル21内から塞栓捕捉フィルタ33が離脱すると、塞栓捕捉フィルタ33はその弾性又は形状記憶性により自動的に折り返されて血管壁にフィットするように拡張する。次いで、マイクロカテーテル21を後退させ、その状態で、血流を確保しながら塞栓の捕捉を行う。
使用を終えたら、マイクロカテーテル21を前進させ、上記と逆の要領で塞栓捕捉装置30をマイクロカテーテル21に収納する。このとき、塞栓捕捉フィルタ33は基端側結束部36Bの方からマイクロカテーテル21に入るため、先端側結束部36Aはスライドせずフィルタ部34は折り返された形状のままで閉じて収納される。そのため、フィルタ部34で捕捉した塞栓を逃さずに除去できる。
なお、ここまでの実施形態では、例として塞栓捕捉装置10、30の先端側結束部16A、36Aをシャフト11に対してスライド可能、基端側結束部16B、36Bをシャフト11に固定とする例を示したが、これに代えて、先端側結束部16A、36Aを固定、基端側結束部16B、36Bをスライド可能としても良い。
図7に、先端側と基端側の結束部をスライド可能とする例を示す。ここでは、図1に示したパラシュート型の塞栓捕捉フィルタ13を例に図示する。なお、図1に示す実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態では、フィルタ部14を構成するワイヤを結束する先端側結束部16C、基端側結束部16Dを双方ともシャフト11に対してスライド可能に設ける。そして、図6(a)に示すように、結束部16C、16Dの移動範囲を規制するためのストッパー部材17が、シャフト11に固定されている。
塞栓捕捉フィルタ13は、結束部16C、16Dが双方ともスライド可能なために、搬送カテーテル内では縮径し、管腔に放出された際には拡径する等、自在に拡縮することができる。一方で、ストッパー部材17がシャフト11に設けられているために、結束部16C、16Dの移動範囲は図6(b)に示す点線の範囲に規制される。なお、ここでは一つのストッパー部材17で結束部16C、16Dの移動範囲を規制する例を示したが、複数のストッパー部材を用いるようにしても良い。また、ストッパー部材17は図7に示すようにフィルタ部14内側に設置しても良いが、フィルタ部14外側、あるいはフィルタ部14の内側と外側の双方に設けても良い。
ちなみに、上記では例として本発明の塞栓捕捉装置10、30を、胸部大動脈瘤のステントグラフト内挿術に際して、胸部大動脈瘤の下流の血管に適用する場合を想定して説明したが、当然ながらその他様々な部位において、様々な場合に使用することができる。例えば、腹部大動脈瘤(AAA)でのステントグラフト内挿術で同様に使用できるほか、ステント設置や血管形成術に際して脚部等で用いることもできる。
上記のように、本発明の塞栓捕捉装置によれば、血流の上流側で塞栓が発生する可能性のある手術や処置等が行われる場合でも、複数個所で使用することができ、生じた塞栓を確実に捕捉して、塞栓が他の部位に詰まる二次塞栓症を防ぐことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、本発明は、生体の管腔において血栓等の塞栓を捕捉するための塞栓捕捉装置に関し、産業上の利用可能性を有する。
10 塞栓捕捉装置
11 シャフト(シャフト部材)
12 先端案内部
13 塞栓捕捉フィルタ
14 フィルタ部
14B 支持部
14A フィルタ本体
15 開口
16 結束部
16A 先端側結束部
16B 基端側結束部
16C 先端側結束部
16D 基端側結束部
17 ストッパー部材
30 塞栓捕捉装置
33 塞栓捕捉フィルタ
34 フィルタ部
35 開口
36 結束部
36A 先端側結束部
36B 基端側結束部

Claims (7)

  1. 生体の管腔内において塞栓を捕捉除去するための塞栓捕捉装置であって
    前記管腔内に配置される搬送カテーテルと、
    先端側から前記搬送カテーテルを通して、該搬送カテーテルの先端から前記管腔内へと送り出される長尺なシャフト部材と、
    前記シャフト部材上にその先端近くに設けられ塞栓捕捉フィルタと、を備え、
    前記塞栓捕捉フィルタが、弾性又は形状記憶性を有するワイヤを編み込んだメッシュの略楕円体からなるフィルタ部と、前記フィルタ部の前記ワイヤの先端側及び基端側端部をそれぞれ前記シャフト部材上に結束する先端側及び基端側結束部と、を有し、
    前記先端側及び基端側結束部が前記シャフト部材上にその軸方向に沿って相対的に接近離反可能に設けられ、
    前記フィルタ部が、前記先端側及び基端側結束部を互いに離反させて、前記シャフト部材上に収縮させた状態で前記搬送カテーテル内に挿入可能であり、前記搬送カテーテルの先端から前記管腔内へ放出されると、自動的に前記先端側及び基端側結束部が互いに接近しながら前記シャフト部材上に収縮した状態から前記略楕円体に拡張し、更に前記軸方向に沿って前記略楕円体の中央よりも先端側の位置で基端側に向けて折り返され、その折り返し位置よりも基端側に前記先端側結束部が位置することによって、前記シャフト部材の先端側を向いた開口部を有する略半楕円体に変形可能であり、前記シャフト部材を前記搬送カテーテルの先端から収納する際に、前記略半楕円体から折り返した状態のまま前記搬送カテーテル内に収納されるように前記シャフト部材上に収縮可能である、
    ことを特徴とする塞栓捕捉装置。
  2. 前記先端側結束部及び基端側結束部の何れか一方が、前記シャフト部材に沿って軸方向にスライド可能に設けられ、他方が前記シャフト部材に固定されていることを特徴とする請求項に記載の塞栓捕捉装置。
  3. 前記先端側結束部及び基端側結束部の両方が、前記シャフト部材に沿って軸方向にスライド可能に設けられると共に、前記先端側結束部及び基端側結束部の移動可能範囲を規制するストッパー部材が、前記シャフト部材に固定的に配置されていることを特徴とする請求項に記載の塞栓捕捉装置。
  4. 前記基端側結束部及び先端側結束部は、X線不透過性の金属素材から構成されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の塞栓捕捉装置。
  5. 前記シャフト部材の先端に配置される可撓性を有する先端案内部を更に備え、前記先端案内部は、前記シャフト部材の上にX線不透過性の金属素材からなるコイルを巻き付けて形成されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の塞栓捕捉装置。
  6. 前記フィルタ部を構成する前記ワイヤは、ニッケルチタンワイヤ、チタンワイヤ、プラチナ又は金から構成されるワイヤとニッケルチタン合金の複合素材のワイヤ、金メッキを施したニッケルワイヤ、又はチタン合金のワイヤの何れかから形成されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の塞栓捕捉装置。
  7. 前記塞栓捕捉装置が、ヘパリンコーティング、又は親水性コーティングが施されていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の塞栓捕捉装置。
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