JP6023041B2 - 塞栓捕捉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に生体の脈管内で塞栓を捕捉するための装置に関し、特に人体のカテーテル治療の際に使用するのに適した塞栓捕捉装置に関するものである。
最近、大動脈弁狭窄症に対する有効な治療方法の1つである経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter
aortic valve implantation (TAVI))は、開胸手術を必要とせず、患者への負担が少ない点で有利である。TAVIは、経大腿動脈アプローチなどによりカテーテルを用いて人工弁を心臓の大動脈弁に留置する。また、胸部大動脈瘤(Thoracic Aortic Aneurysm (TAA))のステントグラフト内挿術では、同様に大腿動脈からカテーテルを挿入して、動脈瘤の内側にステントグラフトを配置する。これらカテーテル治療の際に生じる血栓などの塞栓が、大動脈から直接左総頸動脈にかつ/又は腕頭動脈を経て右総頸動脈に入ると、脳梗塞などの重大な脳疾患を引き起こす原因となり得る。
かかる脳疾患の危険性を低減しかつ/又はその発症を未然に防止するために、TAVIを行う際に、塞栓を捕捉するフィルターを左総頸動脈及び腕頭動脈又は右総頸動脈に配置する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1によれば、或る実施態様において、それぞれ個別のフィルタ要素を有する2つのフィルタ装置を、共通のカテーテル又は個別のカテーテルを通じて左総頸動脈及び右総頸動脈に送達する。別の実施態様では、近位フィルタ要素と遠位フィルタ要素とを共通のガイド構造に取り付け、各フィルタ要素の開口部をそれぞれ流入方向に向けて配向し、右鎖骨下動脈を通して遠位フィルタ要素を左総頸動脈に送達しかつ近位フィルタ要素を腕頭動脈に配置する。また別の実施態様では、単一のフィルタ構造を大動脈弓に沿って、その先端側の一部が左総頸動脈に配置されかつ基端側の一部が腕頭動脈又は右総頸動脈に配置されるように配備する。
特表2011−525405号公報
しかしながら、特許文献1記載の従来技術には、次のような問題点がある。先ず、共通のカテーテルを用いて2つのフィルタ装置を送達する場合には、使用するカテーテルが管径の大きいものでなければならず、患者にとって負担が最も軽く、合併症の虞が少ない橈骨静脈からの挿入は困難である。そのため、通常上腕動脈から挿入することになるが、上腕動脈の穿刺は、術後の止血が比較的短時間で可能であるものの、上腕動脈の近くに神経があること、大腿動脈に比べて合併症の発生割合がやや高いことなどの問題がある。
次に、近位フィルタ要素と遠位フィルタ要素とを共通のガイド構造に取り付けたフィルタ装置は、ガイド構造が、前記フィルタ要素を送達形態と配備形態との間で駆動するためのコアワイヤを内部に備えた単一の連続したオーバーチューブからなり、該オーバーチューブの外面に近位フィルタ要素と遠位フィルタ要素とが折り畳み可能に取り付けられている。
このオーバーチューブは、腕頭動脈及び左総頸動脈が大動脈弓から略直角に分岐しているので、腕頭動脈から大動脈弓を経て左総頸動脈に至るまで大きく湾曲させなければならない。ところが、前記オーバーチューブは、送達カテーテル内に挿通するため、コアワイヤを操作してフィルタ要素を駆動するために、軸方向に沿って或る程度の硬さが必要であり、その結果比較的撓曲性が低くなる。
そのため、前記オーバーチューブを円滑かつ速やかに腕頭動脈から大動脈弓に沿って左総頸動脈に挿入させることは難しく、その操作には熟練を要する。更に、大動脈弓内で大きく湾曲したオーバーチューブは、血管壁に強く接触して損傷させたり、却って多くの血栓を生じさせる虞がある。また、大きく湾曲したオーバーチューブが大動脈弓内に存在すると、大動脈弓を通してカテーテル治療を行う際に妨げとなる虞がある。
また、単一のフィルタ構造を腕頭動脈内から右総頸動脈内まで大動脈弓に沿って配置する構成においても、該フィルタ構造が大動脈弓内で大きな空間を占有することになる。そのため、TAVI等の施術において大動脈弓を通してカテーテルを送達することが困難になったり、人工弁の円滑な送達を妨げる虞がある。
そこで、本発明は、上述した従来の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、特にTAVI等のカテーテル治療について使用するのに適しており、その際に脳への塞栓の影響を最小にしつつ、患者の負担をより軽くする低侵襲性の塞栓捕捉装置を提供することにある。
更に本発明の目的は、それらカテーテル治療の円滑な施術を妨げる虞がない塞栓捕捉装置を提供することにある。
かかる問題点を解消するために、本発明は、脈管内で塞栓を捕捉するための塞栓捕捉装置であって、
近位フィルターワイヤー部と、遠位フィルターワイヤー部と、近位フィルターワイヤー部と遠位フィルターワイヤー部との間に可撓性を有する中間コイルワイヤー部とを有する長尺なシャフト部材と、
近位フィルターワイヤー部に配置され、脈管内の位置に送達するための収縮形態と脈管内で塞栓を捕捉するための拡張形態とを有する近位フィルター部と、
遠位フィルターワイヤー部に配置され、脈管内の位置に送達するための収縮形態と脈管内で塞栓を捕捉するための拡張形態とを有する遠位フィルター部とを備え、
近位フィルター部が、拡張形態において脈管内で塞栓を取り込むための入口開口部を遠位側に向けて開口する近位フィルター本体を有し、遠位フィルター部が、拡張形態において脈管内で塞栓を取り込むための入口開口部を近位側に向けて開口する遠位フィルター本体を有することを特徴とする。
このように単一のシャフト部材に設けた近位及び遠位フィルター部を上流側の脈管から分岐した2つの下流側の脈管内にそれぞれ配置したとき、一方の前記下流側の脈管から前記上流側の脈管を跨がって他方の前記下流側の脈管に至る経路に、可撓性を有する中間コイルワイヤー部を配置することによって、たとえ前記脈管同士がきつい角度で接続していても、脈管内壁と強く接触してこれを押圧したり損傷したり、またそれによって塞栓を生じることがないように留置することができ、優れた低侵襲性が得られる。
従って、本発明の塞栓捕捉装置を、例えばTAVI、TAA等のカテーテル治療に用いた場合、近位及び遠位フィルター部を腕頭動脈と左総頸動脈とに配置することによって、脳への塞栓の影響を最小にして施術することができる。しかも、シャフト部材を2つのフィルター部を備えた単一の塞栓捕捉装置は、橈骨動脈のような比較的細い脈管から挿入することができるので、患者の負担をより軽くすることができる。
また、中間コイルワイヤー部は、上流側の脈管内で大きく湾曲したり大きな空間を占有することがない。従って、前記上流側の脈管を通じて、例えばTAVI、TAA等のカテーテル治療を行う際に、その円滑な施術が中間コイルワイヤー部の存在によって妨げられる虞が解消され又は低減するので有利である。
或る実施態様では、近位フィルター本体が、弾性又は形状記憶性を有するワイヤーからなるメッシュ構造を有し、該ワイヤーが、近位フィルター本体の近位端で結束して近位フィルターワイヤー部に固定され、かつ近位フィルター本体の遠位端で、近位フィルターワイヤー部に沿って遠位側に移動すると収縮形態となり、近位側に移動すると拡張形態となるように移動可能に結束され、
遠位フィルター本体が、弾性又は形状記憶性を有するワイヤーからなるメッシュ構造を有し、該ワイヤーが、遠位フィルター本体の近位端で結束して遠位フィルターワイヤー部に固定され、かつ遠位フィルター本体の遠位端で、遠位フィルターワイヤー部に沿って遠位側に移動すると収縮形態となり、近位側に移動すると拡張形態となるように移動可能に結束されている。
近位及び遠位フィルターは、近位及び遠位フィルター本体の遠位端の結束部分を移動可能にしたことによって、前記近位及び遠位フィルター本体内に塞栓を捕捉している状態でも、塞栓捕捉装置を脈管内の留置位置から送達カテーテル内に収容する際に、容易にかつ円滑に収縮形態に変化することができる。
別の実施態様では、シャフト部材が、遠位フィルターワイヤー部の遠位側に可撓性を有する先端案内部を更に有する。これにより、塞栓捕捉装置は、送達カテーテル内を先端案内部に案内されて円滑に進ませることができる。
図1は、本発明によるフィルター装置の好適な実施態様を示す全体概略図である。 図2は、図1のフィルター装置を送達カテーテル内に挿入した状態を示す断面図である。 図3は、図1のフィルター装置を留置する過程を説明する模式図である。 図4は、図1のフィルター装置を留置する過程を説明する模式図である。 図5は、図1のフィルター装置を留置する過程を説明する模式図である。 図6は、図1のフィルター装置を留置する過程を説明する模式図である。 図7は、図1のフィルター装置の変形例を示す全体概略図である。 図8は、送達カテーテル内に挿入した図7の変形例を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しつつ、本発明による塞栓捕捉装置の好適な実施態様を、TAVIに使用するフィルター装置に適用した場合について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施態様のフィルター装置1は、長尺なシャフト2と、前記シャフトの先端側に配置された近位フィルター3と遠位フィルター4とを備える。シャフト2は、送達カテーテル等の適当なガイド手段を通して、脈管内を所望の位置まで進ませ、その基端2aで操作するために、全体として細く柔軟なワイヤーで構成れている。このようなシャフト2の材料には、例えばニチノール(商品名)としてよく知られているニッケルチタン系合金やステンレス鋼等の金属材料が適している。
シャフト2の前記フィルターを設けた先端側には、基端側からテーパー部2bを介して縮径された、より細い近位フィルターワイヤー部5と、中間コイルワイヤー部6と、前記近位フィルターワイヤー部と同径の遠位フィルターワイヤー部7とが連続して設けられている。遠位フィルターワイヤー部7の先端には、更に案内用の先端コイルワイヤー部8が設けられている。
中間コイルワイヤー部6及び先端コイルワイヤー部8は、従来から公知の構造を有し、近位及び遠位フィルターワイヤー部5,7よりも更に細径のワイヤー部分をコア材としてそれを覆うように細いコイル線を巻回したり編み込んだもので、前記両フィルターワイヤー部よりも高い可撓性を発揮する。先端コイルワイヤー部8は、例えばプラチナ、タングステン等のX線不透過性材料で構成すると、施術時にX線透視下で位置や姿勢を確認できるので、有利である。
図1では、近位フィルター3及び遠位フィルター4が、それぞれ塞栓を捕捉するためにシャフト2の半径方向に拡張した形態で表されている。この拡張形態において、前記近位及び遠位フィルターは、それぞれパラシュート形状に開いた近位及び遠位フィルター本体9,10と、前記近位及び遠位フィルター本体の各外周縁からそれぞれ近位及び遠位フィルターワイヤー部5,7に延長する複数の紐状の支持部11,12とを有する。
近位フィルター3は、近位フィルター本体9の入口開口部9aが遠位側、即ち遠位フィルター4側を向くように配向されている。遠位フィルター4は、遠位フィルター本体10の入口開口部10aが近位側、即ち近位フィルター3側を向くように配向されている。
本実施態様の近位及び遠位フィルター本体9,10は、細く柔軟で弾性又は形状記憶性を有する複数本のワイヤーをメッシュ状に編み込んだり織り上げて形成される。支持部11,12は、編み込まれ又は織り込まれた前記複数本のワイヤーを前記近位及び遠位フィルター本体の外周縁から複数本ずつ引き出して紐状に束ねて形成される。
近位及び遠位フィルター本体9,10を構成する前記ワイヤーには、従来から公知の材料から適当に選択して使用される。例えば、ニッケルチタン系合金ワイヤー、チタンワイヤー、プラチナ又は金ワイヤーとニッケルチタン系合金ワイヤーとの複合素材、金メッキを施したニッケルワイヤー、又はチタン系合金ワイヤー等が好適である。
このように形成することによって、前記近位及び遠位フィルター本体は、血管内で血流を通過させつつ、その中を流れる血栓等の塞栓を捕捉することができる。更に、前記近位及び遠位フィルター本体は、容易に前記拡張形態から半径方向に収縮又は変形させ、また前記拡張形態に復帰させることができる。
近位フィルター3の基端側端部は、近位フィルター本体9を形成する前記ワイヤーが、近位フィルターワイヤー部5に外挿されたリング状の結束具13に結束されている。前記近位フィルターの先端側端部は、全支持部11の端部が、同様に前記近位フィルターワイヤー部に外挿されたリング状の結束具14に結束されている。
基端側の結束具13は、近位フィルターワイヤー部5にその基端側、即ちテーパー部2bに結合する側の端部で固定されている。先端側の結束具14は、前記近位フィルターワイヤー部上にその軸方向に沿ってスライドして移動可能に設けられている。
これによって、近位フィルター3は、図1に示す拡張形態から、結束具14が先端側に移動することにより、近位フィルター本体9をパラシュート形状から半径方向に収縮させかつ近位フィルターワイヤー部5に沿って細長くした収縮形態に変化する。逆に、前記収縮状態から結束具14が基端側に移動すると、近位フィルター3は、近位フィルター本体9が図1のパラシュート形状に開いた拡張形態に戻る。
同様に、遠位フィルター4の基端側端部は、全支持部12の端部が、遠位フィルターワイヤー部7に外挿されたリング状の結束具15に結束されている。前記遠位フィルターの先端側端部は、遠位フィルター本体10を形成する前記ワイヤーが、前記遠位フィルターワイヤー部に外挿されたリング状の結束具16に結束されている。
基端側の結束具15は、遠位フィルターワイヤー部7にその基端側、即ち中間コイルワイヤー部6に接続する側の端部で固定されている。先端側の結束具16は、前記遠位フィルターワイヤー部上にその軸方向に沿ってスライドして移動可能に設けられている。
これによって、遠位フィルター4は、図1に示す拡張形態から、結束具16が先端側に移動することにより、遠位フィルター本体10をパラシュート形状から半径方向に収縮させかつ遠位フィルターワイヤー部7に沿って細長くした収縮形態に変化する。逆に、前記収縮状態から結束具16が基端側に移動すると、遠位フィルター4は、遠位フィルター本体10が図1のパラシュート形状に開いた拡張形態に戻る。
結束具13〜16には、例えばプラチナ、タングステン等のX線不透過性の金属素材を使用することが好ましい。それにより、手術中にX線透視下で前記各結束具の位置を確認することができる。
図2は、図1のフィルター装置1を、その拡張形態における最大外径より十分に小さい内径の送達カテーテル17内に挿入した状態を示している。このとき、近位及び遠位フィルター3,4は、近位及び遠位フィルター本体9,10が送達カテーテル17の内壁17aに押圧されて半径方向に収縮し、それと同時に、移動可能な先端側の各結束具14,16がそれぞれフィルターワイヤー部5,7上を先端側にスライドして、前記フィルターワイヤー部に沿って細長い収縮形態となっている。
使用時には、先に患者の脈管内に送達した送達カテーテル17内にその基端から、フィルター装置1をその先端から挿入し、該送達カテーテルに沿って所定位置まで進ませる。または、予めフィルター装置1をその先端から挿入して収納した状態で、送達カテーテル17を患者の脈管内の所定位置まで送達する。いずれの場合も、近位及び遠位フィルター3,4は、前記送達カテーテルから脈管内に解放されると、近位及び遠位フィルター本体9,10がそれらを構成する前記ワイヤーの弾性又は形状記憶性によって自動的に、移動可能な結束具14,16を基端側にスライドさせつつ半径方向に拡張する。
以下に、図1のフィルター装置1をTAVIに使用する場合について、図3〜図7を用いて具体的に説明する。本実施態様では、フィルター装置1を患者の手首に形成した切開創から橈骨動脈を通して挿入するアプローチ法を適用する。
先ず、図3において、ガイドワイヤー18を前記切開創から橈骨動脈に挿入し、その先端が腕頭動脈19及び大動脈弓20を経て、左総鎖骨動脈21内まで進ませる。次に、同図に示すように、マイクロカテーテルからなる送達カテーテル22をガイドワイヤー18にその基端から外挿し、その先端開口22aが左総鎖骨動脈21内に位置するように送達する。この後、ガイドワイヤー18は送達カテーテル22から拔去する。
このように血管内に留置した送達カテーテル22内にその基端開口からフィルター装置1をその先端から挿入する。フィルター装置1は、近位及び遠位フィルター3,4が図2のように収縮した形態のまま、送達カテーテル22の先端付近まで進ませる。このとき、フィルター装置1は、先端コイルワイヤー部8に案内されて、送達カテーテル22内を円滑に進むことができる。
図4に示すように、フィルター装置1は、遠位フィルター4が左総鎖骨動脈21内に位置し、近位フィルター3が腕頭動脈19内に位置し、かつ中間コイルワイヤー部6が大動脈弓20を跨がって腕頭動脈19と左総鎖骨動脈21との間を延長する位置に進ませる。次に、図5に示すように、送達カテーテル22だけを基端側に引いて、先端開口22aから遠位フィルター4が左総鎖骨動脈21に抜き出されるようにする。送達カテーテル22から開放された前記遠位フィルターは、左総鎖骨動脈21内で自動的に前記収縮形態から図1の拡張形態となる。
更に送達カテーテル22だけを基端側に後退させて、中間コイルワイヤー部6が大動脈弓20内にかつ近位フィルター3が腕頭動脈19内にそれぞれ抜き出されるようにする。送達カテーテル22から開放された前記遠位フィルターは、腕頭動脈21内で自動的に前記収縮形態から図1の拡張形態となる。
このようにしてフィルター装置1は、図6に示すように、遠位フィルター4が左総鎖骨動脈21内に配置され、近位フィルター3が腕頭動脈19内に配置され、かつ中間コイルワイヤー部6が大動脈弓20を跨がって腕頭動脈19と左総鎖骨動脈21との間を延長するように配置される。かかるフィルター装置1の配置は、シャフト2の基端2aを操作することによって調整することができる。
遠位フィルター4は、遠位フィルター本体10が、入口開口10aを大動脈弓20側に向けて、前記パラシュート形状を左総鎖骨動脈21の内壁に適合させて留置される。同時に、近位フィルター3は、近位フィルター本体9が、入口開口9aを大動脈弓20側に向けて、前記パラシュート形状を腕頭動脈19の内壁に適合させて留置される。これによって、上流の大動脈弓20から腕頭動脈19及び左総鎖骨動脈21に流れ込む血流中の血栓等の塞栓23を、血流を確保しながら確実に捕捉することができる。
中間コイルワイヤー部6は、十分な可撓性を有するので、大動脈弓20と腕頭動脈19及び左総鎖骨動脈21との各結合部を、該結合部の形状に沿って略直角に近いきつい角度で湾曲して通過する。中間コイルワイヤー部6が大動脈弓20、腕頭動脈19及び左総鎖骨動脈21の内壁と強く接触することがないので、血管内壁を損傷したり血栓を生じさせる虞が、従来に比して非常に低くなる。更にこの後に、大動脈弓20内で中間コイルワイヤー部6の存在がTAVIの円滑な施術を妨げる虞が非常に少なくなる。
TAVIの術後は、再び送達カテーテル22をフィルター装置1に沿って進ませて、その中に近位フィルター3及び遠位フィルター4を順に回収する。このとき、前記送達カテーテルの先端開口22aに押圧されて、近位及び遠位フィルター本体9,10は、その中に捕捉した塞栓を保持したまま、図2の収縮形態となって収納される。上述したように先端側の結束具14,16をスライド可能にしたので、近位及び遠位フィルター3,4は、前記近位及び遠位フィルター本体内に塞栓を捕捉している状態でも、容易に収縮形態に変化する。
フィルター装置1は、送達カテーテル22に収納されたままそれごと患者の血管から引き抜くことができる。また、フィルター装置1が先に前記送達カテーテルから回収され、その後に前記送達カテーテルを患者の血管から引き抜くこともできる。
本実施態様の変形例では、図7及び図8に示すように、近位及び遠位フィルターワイヤー5,7上にストッパー部材24,25を設けることができる。ストッパー部材24,25は、それぞれ近位フィルター3の結束具31,14間及び遠位フィルター4の結束具15,16間に固定され、遠位側のスライド可能な結束具14,16の基端側への移動範囲を制限する。これにより、近位及び遠位フィルター本体9,10が一定以上に拡張しないように抑制することができる。
前記フィルター本体が大きく開き過ぎると、血管内で所望の位置から移動し易くなったり、移動時の血管内壁との接触によって新たに血栓等の塞栓を生じさせる虞がある。この変形例では、ストッパー部材24,25を設けることによって、近位及び遠位フィルター本体9,10の拡張を抑制することによって、好ましくない血管内での移動や塞栓の発生を防止することができる。
本実施態様では、本発明のフィルター装置1をTAVIに使用する場合について説明したが、同様に大動脈内での処置を行うTAAについても適用することができる。また、本発明は、大動脈から分岐した腕頭動脈及び左総鎖骨動脈以外の血管、又はリンパ管等のあらゆる脈管について使用することができる。
本発明は、上述した実施態様に限定されるものでなく、その技術的範囲において上記実施態様に様々な変形・変更を加えて実施することができる。例えば、フィルター装置を構成するシャフト及び/又は各フィルターの表面を適当な薬剤でコーティングしておくことができる。特に親水性コーティングを施した場合、血液に触れて潤滑性を発揮するので、血管内に導入する操作が容易になる。
1 フィルター装置
2 シャフト
3 近位フィルター
4 遠位フィルター
5 近位フィルターワイヤー部
6 中間コイルワイヤー部
7 遠位フィルターワイヤー部
8 先端コイルワイヤー部
9 近位フィルター本体
10 遠位フィルター本体
11、12 支持部
13〜16 結束具
17、22 送達カテーテル
18 ガイドワイヤー
19 腕頭動脈
20 大動脈弓
21 左総鎖骨動脈
23 塞栓

Claims (2)

  1. 脈管内で塞栓を捕捉するための塞栓捕捉装置であって、
    連続して設けられた近位フィルターワイヤー部と中間コイルワイヤー部と遠位フィルターワイヤー部とを有する長尺なシャフト部材と、
    前記近位フィルターワイヤー部に配置され、前記脈管内の位置に送達するための収縮形態と脈管内で塞栓を捕捉するための拡張形態とを有する近位フィルター部と、
    前記遠位フィルターワイヤー部に配置され、前記脈管内の位置に送達するための収縮形態と脈管内で塞栓を捕捉するための拡張形態とを有する遠位フィルター部とを備え、
    前記近位フィルター部が、前記拡張形態において脈管内で塞栓を取り込むための入口開口部を遠位側に向けて開口する近位フィルター本体を有し、前記遠位フィルター部が、前記拡張形態において脈管内で塞栓を取り込むための入口開口部を近位側に向けて開口する遠位フィルター本体を有し、
    前記中間コイルワイヤー部が、前記近位フィルターワイヤー部及び前記遠位フィルターワイヤー部よりも高い可撓性を有する塞栓捕捉装置。
  2. 前記近位フィルター本体が、弾性又は形状記憶性を有するワイヤーからなるメッシュ構造を有し、該ワイヤーが、前記近位フィルター本体の近位端で結束して前記近位フィルターワイヤー部に固定され、かつ前記近位フィルター本体の遠位端で、前記近位フィルターワイヤー部に沿って遠位側に移動すると前記収縮形態となり、近位側に移動すると前記拡張形態となるように移動可能に結束され、
    前記遠位フィルター本体が、弾性又は形状記憶性を有するワイヤーからなるメッシュ構造を有し、該ワイヤーが、前記遠位フィルター本体の近位端で結束して前記遠位フィルターワイヤー部に固定され、かつ前記遠位フィルター本体の遠位端で、前記遠位フィルターワイヤー部に沿って遠位側に移動すると前記収縮形態となり、近位側に移動すると前記拡張形態となるように移動可能に結束され、
    前記近位フィルターワイヤー部には、前記近位フィルター本体の前記近位フィルターワイヤー部に固定された近位側の結束部と移動可能な遠位側の結束部との間に、前記遠位側の結束部の近位側への移動を制限して、前記近位フィルター本体が一定以上に拡張することを抑制するストッパーが固定され、
    前記遠位フィルターワイヤー部には、前記遠位フィルター本体の前記遠位フィルターワイヤー部に固定された近位側の結束部と移動可能な遠位側の結束部との間に、前記遠位側の結束部の近位側への移動を制限して、前記遠位フィルター本体が一定以上に拡張することを抑制するストッパーが固定されている請求項に記載の塞栓捕捉装置。
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