JP5748549B2 - 空気調和装置及び空気調和装置の制御方法 - Google Patents

空気調和装置及び空気調和装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電動機によって駆動される圧縮機を有し、冷媒が冷媒回路を循環する空気調和装置及び空気調和装置の制御方法に関するものである。
空気調和装置では、長時間停止状態が継続した後や、運転時の室内外の温度条件によって、圧縮機のケース内に液状の冷媒(以下「液冷媒」という。)が溜まることがある。このとき、圧縮機の潤滑油に冷媒が溶け込んで、潤滑油が高希釈となり、圧縮機の潤滑不良等が引き起こされる。
特許文献1では、圧縮機内に溜まっている液相の冷媒を除去する技術が開示されている。また、特許文献2では、低能力・低周波数運転時に、液化した冷媒によって圧縮機の潤滑油の希釈度が上昇することを防止する技術が開示されている。
特開2006−170575号公報 特許第3481076号公報
ところで、液冷媒が溜まっている状態で、圧縮機が高周波数で運転すると、潤滑油が冷媒とともに圧縮機から流出してしまう。その結果、潤滑不良による圧縮機故障、又は潤滑油が冷媒配管や凝縮器の壁面に付着し、冷媒の循環量低下や熱交換率が悪化する。そのため、圧縮機内に液冷媒が溜まっている状態では、潤滑油が圧縮機から流出しないように、圧縮機の周波数が上昇しないような保護制御が設けられる。
また、この間に、電子膨脹弁(EEV)を調整して、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液冷媒が含まれないようにしつつ、すなわち液バックを抑制しつつ、圧縮機内では、クランクケースヒータや電動機を熱源として、液冷媒を蒸発させている。しかし、昨今の電動機の高効率化に伴い、運転中の消費電力が抑制され、電動機の発熱量は、低下傾向にあるため冷媒の加熱に長時間を要する。
また、空気調和装置の動作開始時に、液冷媒が圧縮機内に溜まっており、動作開始後において、室内機と室外機を結ぶガス管から液バックが長時間続く場合、冷媒の蒸発に時間がかかり、液冷媒が圧縮機内に溜まった状態が継続する。この場合でも、電動機の発熱量は低下傾向にあるため、冷媒の加熱に長時間を要する。そして、空気調和装置の動作開始から、高周波数の運転に移行するまで長時間かかることで、所望の冷房能力又は暖房能力を発揮するまでの立ち上がりに遅れが生じる。また、圧縮機の故障の原因ともなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、圧縮機内に溜まった液状の冷媒の蒸発を促進し、所望の冷房能力又は暖房能力を発揮するまでの立ち上がり時間を短縮することが可能な空気調和装置及び空気調和装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の空気調和装置及び空気調和装置の制御方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る空気調和装置は、電動機によって駆動され冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを有する冷媒回路と、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断する判断部と、液状の冷媒が含まれるか否かの判断に応じて、圧縮機を駆動する電動機の力率を変化させる制御部とを備える。
この発明によれば、冷媒回路にて、冷媒が圧縮機によって圧縮され、圧縮された冷媒が凝縮器によって凝縮され、凝縮された冷媒が膨張弁によって膨張され、膨張された冷媒が蒸発器によって蒸発される。このとき、蒸発器において、全ての冷媒が蒸発することが望ましいが、全ての冷媒が蒸発し切れず、液状の冷媒が圧縮機に供給される場合がある。本発明では、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かが判断され、液状の冷媒が含まれるか否かの判断に応じて、圧縮機を駆動する電動機の力率が変化する。以下、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれることを「液バック」ともいう。
運転時に電動機の力率が低いときは、力率が高いときに比べて、電動機の発熱量が高い。そこで、例えば液バックが発生していると判断されたとき、電動機の力率を低下させることで、電動機の発熱量を高め、電動機の発熱によって圧縮機内で冷媒の温度を上昇させ、冷媒を蒸発させることができる。その結果、圧縮機内で、液状の冷媒が圧縮機に使用される潤滑油に溶け込んでいる場合、冷媒を蒸発させることによって、圧縮機に潤滑油を残すことができる。
液バックが発生しているか否かの判断は、例えばドーム下過熱度、吐出過熱度(TdSH)、又はドーム下若しくは吐出口における温度などの圧縮機又は圧縮機近傍の温度に基づいて判断される。例えば、液バックが発生している場合、圧縮機の温度が低下することから、圧縮機又は圧縮機近傍の温度に基づいて、液バックが発生しているか否かを判断できる。
上記発明において、判断部は、圧縮機の動作時において、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断してもよい。
この発明によれば、圧縮機の動作時に蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かが判断されることから、圧縮機の動作時(例えば、通常運転時)に液バックが生じたとき、圧縮機を駆動する電動機の力率が変化する。例えば、圧縮機の動作時に液バックが発生していると判断されたとき、電動機の力率を低下させることで、電動機の発熱量を高め、電動機の発熱によって圧縮機内で冷媒の温度を上昇させ、冷媒を蒸発させることができる。
上記発明において、判断部は、圧縮機の動作開始直後において、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断してもよい。
この発明によれば、圧縮機の動作開始直後に蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かが判断されることから、圧縮機の動作開始直後に液バックが生じたとき、圧縮機を駆動する電動機の力率が変化する。圧縮機の動作開始直後に、液状の冷媒が圧縮機に溜まった状態では、潤滑油に冷媒が溶け込んでいるため、冷媒と共に潤滑油が冷媒回路の凝縮器側へ流出しないように、高周波数運転へ移行する時期が遅延する。本発明では、圧縮機の動作開始直後に、液バックが発生していると判断されたとき、例えば、電動機の力率を低下させることで、電動機の発熱量を高め、電動機の発熱によって圧縮機内で冷媒の温度を上昇させ、冷媒を蒸発させる。その結果、圧縮機が高周波数運転へ移行できる時期を早めることができる。
上記発明において、制御部は、電動機を流れる電流を変化させることによって、電動機の力率を変化させてもよい。
この発明によれば、電動機の力率は、電動機を流れる電流に応じて変化する。例えば、磁極に対して直交方向の電流成分と、磁極に対して平行方向の電流成分との比を変化させることで、トルクを変更せずに、電流を多く流すことができる。この場合、電動機の銅損が増加して、効率が低下した運転が可能となる。
また、本発明に係る空気調和装置の制御方法は、電動機によって駆動され冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを有する冷媒回路を備える空気調和装置の制御方法であって、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断するステップと、液状の冷媒が含まれるか否かの判断に応じて、圧縮機を駆動する電動機の力率を変化させるステップとを備える。
この発明によれば、蒸発器から圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かが判断され、液状の冷媒が含まれるか否かの判断に応じて、圧縮機を駆動する電動機の力率が変化する。運転時に電動機の力率が低いとき、例えば電動機の力率が低いときは、力率が高いときに比べて、電動機の発熱量が高い。そこで、例えば液バックが発生していると判断されたとき、電動機の力率を低下させることで、電動機の発熱量を高め、電動機の発熱によって圧縮機内で冷媒の温度を上昇させ、冷媒を蒸発させることができる。その結果、圧縮機内で、液状の冷媒が圧縮機に使用される潤滑油に溶け込んでいる場合、冷媒を蒸発させることによって、圧縮機に潤滑油を残すことができる。
本発明によれば、圧縮機内に溜まった液状の冷媒の蒸発を促進し、所望の冷房能力又は暖房能力を発揮するまでの立ち上がり時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和装置を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る空気調和装置の圧縮機を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る空気調和装置の通常運転動作時の液冷媒除去動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る空気調和装置の通常運転動作時の液冷媒除去動作の他の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る空気調和装置の起動時の液冷媒除去動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る空気調和装置について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置を示す構成図である。
空気調和装置は、室外機1と室内機2を備え、冷媒管からなる冷媒回路を有する。
室外機1は、圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器5、アキュムレータ6、暖房用膨張弁13及び室外機1の各部を制御するための室外制御器(図示せず。)を主な構成要素として備えている。また、室内機2は、室内熱交換器7、冷房用膨張弁14及び室内制御器(図示せず。)を備えている。また、室外機1内の室外熱交換器5と室内機2内の室内熱交換器7とは、ガス管8及び液管9によって接続されている。
室外機1において、圧縮機3の吐出側は、ガス管8の途中に介挿された四方弁4に接続されており、圧縮機3の吸入側は、アキュムレータ6を介して四方弁4に接続されている。ここで、圧縮機3は、インバータ駆動の能力可変圧縮機である。
四方弁4がオフである場合、圧縮機3、室外熱交換器5、室内熱交換器7及びアキュムレータ6が順次連結されるようになっている。また、四方弁4がオンである場合、圧縮機3、室内熱交換器7、室外熱交換器5、及びアキュムレータ6が順次連結されるようになっている。
この空気調和装置の冷房運転時には、室外機1の圧縮機3から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、実線矢印で示すように、逆止弁(図示せず。)、四方弁4を経て室外熱交換器5に送られ、ここで外気と熱交換することによって凝縮液化する。この液冷媒は、ストレーナ10、液側操作弁11を順次経て、室内機2に流入する。そして、液冷媒は、冷房用膨張弁14を通過する過程で、断熱膨張した後、室内熱交換器7へ送られ、ここで室内空気を冷却することによって蒸発気化する。室内熱交換器7において吸熱してガスになった冷媒は、ガス管8に流入し、ガス側操作弁12を経て、室外機1に流入し、四方切換弁4、アキュムレータ6を経て、圧縮機3に送られる。
ここで、冷房運転時において、室外熱交換器5は、凝縮器の一例であり、室内熱交換器7は、蒸発器の一例である。そして、圧縮機3と、室外熱交換器5と、冷房用膨張弁14と、室内熱交換器7によって、冷媒回路が構成される。
また、暖房運転時には、四方弁4が冷房運転時と異なる方向に切り換えられる。室外機1の圧縮機3から吐出された冷媒は、破線矢印で示すように、逆止弁(図示せず。)、四方弁4、ガス側操作弁12、ガス管8を経て、室内機2の室内熱交換器7に流入し、ここで室内空気に放熱することによって凝縮液化する。この液冷媒は、液管9、及び液側操作弁11を経て、室外機1に流入する。そして、液冷媒は、ストレーナ10を経て、暖房用膨張弁13を通過する過程で、断熱膨張した後、室外熱交換器5へ送られ、ここで外気から吸熱することによって蒸発気化する。次いで、このガス冷媒は、四方弁4、アキュムレータ6を経て、圧縮機3に送られる。
ここで、暖房運転時において、室内熱交換器7は、凝縮器の一例であり、室外熱交換器5は、蒸発器の一例である。そして、圧縮機3と、室内熱交換器7と、暖房用膨張弁13と、室外熱交換器5によって、冷媒回路が構成される。
アキュムレータ6の入口に接続された配管には、低圧圧力センサ24が設けられる。低圧圧力センサ24は、圧縮機3に吸入される低圧のガス冷媒の圧力を測定する。圧縮機3の底側の外面には、ドーム下温度センサ17が設けられる。ドーム下温度センサ17は、圧縮機3の本体底側(圧縮機3の下方のドーム)の外部温度を測定する。
圧縮機3の吐出口に接続された配管には、吐出管温度センサ18と、高圧圧力センサ25が設けられる。吐出管温度センサ18は、圧縮機3の吐出口に接続された配管の温度を測定する。高圧圧力センサ25は、圧縮機3から吐出される高圧のガス冷媒の圧力を測定する。
室外熱交換器5の外気取り入れ側には、外気温度センサ19が設けられる。外気温度センサ19は、室外機5に取り入れられる外気の温度を測定する。
次に、図2を参照して、圧縮機3について説明する。
圧縮機3は、例えば、固定スクロール(図示せず。)と組み合わされる旋回スクロール22を有するスクロール式圧縮機である。旋回スクロール22は、電動機22を駆動源とし、回転軸21を介して回転する。旋回スクロール22が回転することによって、吸入された冷媒が圧縮され、吐出口から圧縮された冷媒が吐出される。
電動機20は、インバータに設けられた判断・制御部23の指令に応じて、トルクと回転数が調整される。
判断・制御部23は、判断部の一例であり、圧縮機3の動作時、又は圧縮機3の動作開始直後において、冷房運転時の蒸発器としての室内熱交換器7、又は暖房運転時の蒸発器としての室外熱交換器5から圧縮機3に供給される冷媒に液冷媒が含まれるか否かを判断する。すなわち、判断・制御部23は、液バックが発生しているか否かを判断する。
液バックが発生しているか否かの判断は、例えばドーム下過熱度、吐出過熱度(TdSH)、又はドーム下若しくは吐出口における温度などの圧縮機3又は圧縮機3近傍の温度に基づいて判断される。例えば、液バックが発生している場合、圧縮機3の温度が低下することから、圧縮機3又は圧縮機3近傍の温度に基づいて、液バックが発生しているか否かを判断できる。
また、判断・制御部23は、制御部の一例であり、液冷媒が含まれるか否かの判断に応じて、圧縮機3を駆動する電動機20の効率を変化させる。例えば、例えば液バックが発生していると判断されたとき、電動機20の効率を低下させることで、電動機20の発熱量を高め、電動機20の発熱によって圧縮機3内で冷媒の温度を上昇させ、冷媒を蒸発させることができる。その結果、圧縮機3内で、液冷媒が圧縮機3に使用される潤滑油に溶け込んでいる場合、冷媒を蒸発させることによって、圧縮機3に潤滑油を残すことができる。
次に、本実施形態に係る空気調和装置の液冷媒除去動作について説明する。液冷媒除去動作は、圧縮機3内に溜まっている液冷媒を蒸発させる動作である。
まず、空気調和装置が通常運転している場合の液冷媒除去動作について説明する。
本実施形態における液冷媒除去動作は、圧縮機運転中に行われる。したがって、まず、空気調和装置の圧縮機3が運転中であるか否かが判断される(ステップS1)。圧縮器3が運転中ではなく、停止中である場合は、そのまま停止状態が維持される。一方、圧縮機3が運転中である場合は、ドーム下過熱度(SH)が7deg以下であるか否かが判断される(ステップS2)。
ここで、ドーム下過熱度は、ドーム下温度センサ17が測定するドーム下の温度から、低圧圧力センサ24で測定される圧縮機3に吸入される冷媒の飽和温度を減算したものである。なお、ステップS2では、ドーム下過熱度ではなく、ドーム下温度が0℃以下であるか否かが判断されてもよい。また、上記ドーム下過熱度の条件及びドーム下温度の条件のいずれか一方が満たされるか否かが判断されてもよい。
ステップS2にて、条件が満たされない場合は、圧縮機3内の温度が低下していない、すなわち、圧縮機3内に液冷媒がないか又は少ない状態であるため、ステップS5へ移行し、電動機20は、通常運転動作を行う。このとき、電動機20は、通常のインバータ運転で駆動され、所望のトルクと回転数を得る際に、可能な限り高効率となるように、電動機20を流れる電流が制御される。
一方、ステップS2にて、条件が満たされる場合は、圧縮機3内の温度が低下していることから、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていたり、液バックが生じたりしていると推定される。このとき、液冷媒除去処理を実施する。すなわち、電動機20の効率、すなわち電動機20の力率が通常運転時に比べて悪化するように、電動機20は、力率悪化運転動作を行う(ステップS3)。
そして、力率悪化運転動作によって、電動機20の効率が低いとき、例えば電動機20の力率が低いときは、力率が高いときに比べて、電動機20の発熱量が高い。そこで、液バックが発生していると判断されたとき、電動機20の効率を低下させる。その結果、電動機20の発熱量を高め、電動機20の発熱によって圧縮機3内で冷媒の温度を上昇させ、液冷媒3を蒸発させることができる。その結果、圧縮機3内で、液冷媒が圧縮機3に使用される潤滑油に溶け込んでいる場合、冷媒を蒸発させることによって、圧縮機3に潤滑油を残すことができる。
力率悪化運転動作が継続することで、圧縮機3の温度が上昇していく。そこで、力率悪化運転へ移行後、ドーム下過熱度が10degを超えているか否かが判断される(ステップS4)。なお、ステップS4では、ドーム下過熱度に加えて、ドーム下温度が5℃を超えているか否かと合わせて判断されてもよい。
ステップS4にて、条件が満たされない場合は、圧縮機3内の温度が依然として低いことから、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていると推定される。そのため、力率悪化運転を継続して(ステップS3)、液冷媒を蒸発させる。
一方、ステップS4にて、条件が満たされる場合は、圧縮機3の温度が上昇しており、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていないと推定される。そこで、電動機20は、力率悪化運転を解除し、通常運転を行う(ステップS5)。
以上の動作によれば、圧縮機の運転時にて、圧縮機3内に液冷媒が溜まったときや、液バックが生じたとき、圧縮機3内の液冷媒を蒸発させる。なお、ステップS3における力率悪化運転における力率の設定は、一意的に決定されてもよいし、ドーム下過熱度又はドーム下温度に応じて多段階や連続的に変化するようにしてもよい。
上記動作では、ドーム下過熱度又はドーム下温度に基づいて、力率悪化運転へ移行するか否かが判断されたか、他の過熱度や温度に基づいて判断されてもよい。
図4のフローチャートに示す例では、吐出過熱度(TdSH)に基づいて、力率悪化運転へ移行するか否かが判断される。液冷媒が圧縮機3から吐出されると吐出管の温度が低下することから、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていたり、液バックが生じたりしていると推定される。このとき、液冷媒除去処理を実施する。すなわち、電動機20の効率、すなわち電動機20の力率が通常運転時に比べて悪化するように、電動機20は、力率悪化運転動作を行う。
ステップS12では、圧縮機3が運転中である場合に、吐出過熱度が7deg未満の状態が30秒間継続するか否かが判断される。なお、図4で示した例のステップS11〜S15は、図3で示した例のステップS1〜S5と比較して、その他は同一であるため、詳細な説明は省略する。
吐出過熱度は、吐出管温度センサ18が測定する吐出管の温度から、高圧圧力センサ25で測定される圧縮機3から吐出される冷媒の飽和温度を減算したものである。
図4に示す例によれば、例えば、ドーム下に温度センサが設けられていない空気調和装置の場合であっても、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていること、又は液バックが生じていることを検知して、電動機20を力率悪化運転へ移行させることができる。
次に、図5を参照して、空気調和装置が運転を開始した直後の液冷媒除去動作について説明する。
まず、空気調和装置の電源投入後、圧縮機3の1回目の起動であって、冷房運転起動時の外温が10℃以下であるか否か、又は暖房運転起動時の外温が0℃以下であるか否かが判断される(ステップS21)。ステップS21にて、条件が満たされない場合は、圧縮機3内に液冷媒がないか又は少ない状態であるため、電動機20は、通常運転動作を行う。なお、冷房運転時の蒸発器である室内熱交換器7から圧縮機3までの距離は、暖房運転時の蒸発器である室外熱交換器5から圧縮機3までの距離よりも長いため、冷房運転起動時の液冷媒の量は、暖房運転起動時よりも多い。そのため、外温の判断条件が冷房運転起動時のほうが高めに設定されている。
一方、ステップS21にて、条件が満たされる場合は、さらにドーム下過熱度(SH)が15deg以下であるか否かが判断される(ステップS22)。ステップS22にて、条件が満たされない場合は、圧縮機3内に液冷媒がないか又は少ない状態であるため、電動機20は、通常運転動作を行う。一方、条件が満たされる場合は、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていたり、液バックが生じたりしていると推定される。このとき、液冷媒除去処理を実施する。すなわち、電動機20の効率、すなわち電動機20の力率が通常運転時に比べて悪化するように、電動機20は、力率悪化運転動作を行う(ステップS23)。
力率悪化運転動作が継続することで、圧縮機3の温度が上昇していく。そこで、力率悪化運転へ移行後、ドーム下過熱度が15degを超えているか否かが判断される(ステップS24)。ステップS24にて、条件が満たされない場合は、圧縮機3内の温度が低いことから、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていると推定される。そのため、力率悪化運転を継続して(ステップS23)、液冷媒を蒸発させる。一方、ステップS24にて、条件が満たされる場合は、圧縮機3の温度が上昇しており、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていないと推定される。そこで、電動機20は、力率悪化運転を解除し、通常運転を行う(ステップS25)。
図5で示した例を図3及び図4で示した例と組み合わせることなく、単独で実施することによって、液冷媒除去処理は、電源投入後1回目の起動時に限定される。その結果、通常運転中の場合や、電源が投入されて既に圧縮機3の1回目の起動が完了しており、2回目以降の起動が行われる場合等には、液冷媒除去処理は行われない。本実施形態の液冷媒除去処理は力率を低下させて、圧縮機3の温度を上昇させるものであり、液冷媒除去処理のため、頻繁に力率を低下させると消費電力量が上昇してしまう。そこで、図5で示した例を図3及び図4で示した例と組み合わせることなく、単独で実施することによって、液冷媒除去処理における消費電力の上昇を極力抑えることができる。
なお、図5では、圧縮機3内に液冷媒が溜まっていることが確実な例として、電源投入後1回目の起動時に、液冷媒除去処理の要否を判断する場合について説明したが、液冷媒除去処理の要否の判断時期は、例えばデフロスト(除霜)運転終了後の1回目の起動時としてもよい。これにより、デフロスト(除霜)運転終了後の1回目の起動時に、圧縮機3に溜まっている冷媒を蒸発させることができる。
なお、上記図3〜図5を用いて示した例におけるドーム下過熱度、ドーム下温度及び外温の値は、一例にすぎず、本発明はこの例に限定されるものではない。
次に、力率悪化運転の一例について説明する。
電動機20のトルクと回転数の制御は、検出した電流・電圧に基づいて、回転子速度と磁極位置を演算し、磁極に対して平行方向の電流成分と、磁極に対して直交方向の電流成分を制御することで行われる。
電動機20のトルクは、磁極に対して直交方向の電流に比例するマグネットトルクが支配的であるが、磁極に対して平行方向の電流成分が負となるように設定することによって、リラクタンストルクも利用できる。したがって、リラクタンストルクを調整することによって、運転の高効率化を図ることができる。
そこで、本実施形態では、通常の高効率運転を図る場合と、低周波数(低速)時の効率悪化運転を図る場合との切り替えは、磁極に対して平行方向の電流に関する指令値を変更することによって行う。
通常の高効率運転を図る場合、各運転回転数と各トルク指令に対して、高効率となる平行方向電流指令値と直交方向電流指令値を予め計算し、テーブル化しておく。そして、このテーブルを利用して電動機20のトルクと回転数を制御することによって、高効率運転を図る。
一方、低周波数(低速)時の効率悪化運転を図る場合、上記通常時の高効率運転に対して、平行方向電流指令値が正となるように制御し、電動機20のトルクに寄与しない電流を増加させる。その結果、電動機20のトルクが同等でも、多くの電流を流すことができるようになり、電動機20の銅損を増加させて、効率が低下した運転が可能となる。
以上、本発明の一実施形態によれば、例えば空気調和装置の起動前、すなわち主電源がOFFの状態で、クランクケースによる通電などが行われず、圧縮機3内に液冷媒が溜まっている場合や、通常運転時の温度条件によって、液バックが生じ、圧縮機3内に液冷媒が溜まっている場合などにおいて、液冷媒の蒸発を促進できる。その結果、低周波数運転から高周波数運転への移行時間を短縮でき、所望の冷房能力又は暖房能力を発揮するまでの立ち上がり時間を改善できる。また、圧縮機3の故障の原因を減らすことも可能となる。特に、本実施形態は、近年の電動機20の高効率化に伴う運転中の消費電力の抑制に関わらず、電動機20による発熱によって圧縮機3内の冷媒を加熱でき、冷媒の蒸発を促進できる。
1 室外機
2 室内機
3 圧縮機
4 四方弁
5 室外熱交換器
6 アキュムレータ
7 室内熱交換器
8 ガス管
9 液管
10 ストレーナ
11 液側操作弁
12 ガス側操作弁
13 暖房用膨張弁
14 冷房用膨張弁
17 ドーム下温度センサ
18 吐出管温度センサ
19 外気温度センサ
20 電動機
21 回転軸
22 旋回スクロール
23 判断・制御部
24 低圧圧力センサ
25 高圧圧力センサ

Claims (5)

  1. 電動機によって駆動され冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを有する冷媒回路と、
    前記蒸発器から前記圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断する判断部と、
    液状の冷媒が含まれるか否かの判断に応じて、前記圧縮機を駆動する前記電動機の力率を変化させる制御部と、
    を備える空気調和装置。
  2. 前記判断部は、前記圧縮機の動作時において、前記蒸発器から前記圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断する請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記判断部は、前記圧縮機の動作開始直後において、前記蒸発器から前記圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断する請求項1に記載の空気調和装置。
  4. 前記制御部は、前記電動機を流れる電流を変化させることによって、前記電動機の力率を変化させる請求項1に記載の空気調和装置。
  5. 電動機によって駆動され冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを有する冷媒回路を備える空気調和装置の制御方法であって、
    前記蒸発器から前記圧縮機に供給される冷媒に液状の冷媒が含まれるか否かを判断するステップと、
    液状の冷媒が含まれるか否かの判断に応じて、前記圧縮機を駆動する前記電動機の力率を変化させるステップと、
    を備える空気調和装置の制御方法。
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