JP5747873B2 - 2−トリクロロシリルノルボルナンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、2−ノルボルネンとトリクロロシランを、ホスフィンを含有するパラジウム化合物にホスファイト化合物を添加した触媒を用いて反応させることによる2−トリクロロシリルノルボルナンの製造方法に関する。
2−トリクロロシリルノルボルナンは、塗料や接着剤等の各種シリコーン化合物の合成原料、有機合成中間体原料として有用な化合物である。
2−トリクロロシリルノルボルナンの製造方法として、2−ノルボルネンとトリクロロシランのヒドロシリル化反応による製造方法が知られている。例えば、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を触媒として用いて、2−ノルボルネンとトリクロロシランのヒドロシリル化反応を行う方法が知られている(非特許文献1:Petrov, A. D. et al Zhurnal Obschchei Khimii (1961), 31, 1199−1208.)。また、塩化アリルパラジウム2量体と光学活性なホスフィン化合物の存在下に、2−ノルボルネンとトリクロロシランを反応させ、光学活性な2−トリクロロシリルノルボルナンを製造する方法が知られている(特許文献1:特許第3279620号公報)。更に、ノルボルネン類とトリクロロシランの反応として、5−ビニルノルボルネンとトリクロロシランを、パラジウム化合物と二級炭化水素基を有するホスフィン化合物の存在下、又は、二級炭化水素基を有するホスフィンを含有するパラジウム錯体を触媒として反応させることにより、5−ビニルノルボルネンの環内の二重結合に選択的にトリクロロシランを付加させて5−ビニルノルボルニルトリクロロシランを製造する方法が知られている(特許文献2:特許第3856090号公報)。
しかしながら、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を触媒として2−ノルボルネンとトリクロロシランを反応させる製造方法では、目的の2−トリクロロシリルノルボルナンの収率が44.3%と低く、トリクロロシラン1分子に対して2分子のノルボルネンが反応した[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランが20.1%の収率で副生するという問題がある。また、塩化アリルパラジウム2量体を配位子として光学活性なホスフィン化合物の存在下に反応させる方法は、高価な光学活性ホスフィン化合物を使用する必要があり、工業的な製造には適していない。更に、実施例記載の方法では、低温でノルボルネンとトリクロロシランを一括で仕込み反応させる方法で行われており、工業的な実施には適していない。また、上記塩化アリルパラジウム2量体を配位子として光学活性なホスフィン化合物の存在下に2−ノルボルネンとトリクロロシランを反応させる方法を、工業的に実施可能な条件で実施した場合には、目的の2−トリクロロシリルノルボルナンと共にトリクロロシラン1分子に対して2分子のノルボルネンが反応した[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランが多く副生するという問題がある。また、パラジウム化合物と二級炭化水素基を有するホスフィン化合物の存在下、又は二級炭化水素基を有するホスフィンを含有するパラジウム錯体存在下に、2−ノルボルネンとトリクロロシランの反応を行った場合には、反応中に触媒が失活してしまい、反応が完結しないという問題点があった。
以上のことから、トリクロロシラン1分子に対して2分子の2−ノルボルネンが反応した[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランの副生を抑えて、また、高価な光学活性なホスフィン化合物を用いることなく、工業的な実施が容易な条件で、2−トリクロロシリルノルボルナンを製造する方法を開発することが望まれていた。
特許第3279620号公報 特許第3856090号公報
Petrov, A. D. et al Zhurnal Obschchei Khimii (1961), 31, 1199−1208.
本発明は、上記要望に応えたもので、ホスフィンを含有するパラジウム化合物にホスファイト化合物を添加した触媒を用いて、2−ノルボルネンとトリクロロシランを反応させることにより、[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランの副生を抑えて、収率良く2−トリクロロシリルノルボルナンを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、2−ノルボルネンとトリクロロシランを、ホスフィンを含有するパラジウム化合物にホスファイト化合物を添加した触媒を用いて反応させることにより、従来の触媒と比較して、[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランが副生することを抑えて、2−トリクロロシリルノルボルナンが選択的に得られることを見出し、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、芳香族基を有するホスフィンを含有するパラジウム化合物と下記一般式(1)
P(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 ) (1)
(式中、R 1 、R 2 、R 3 は、同一又は異なる炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
で表されるホスファイト化合物との存在下に、2−ノルボルネンとトリクロロシランとを、i)2−ノルボルネン1モルに対してトリクロロシラン0.5〜2.0モル、ii)2−ノルボルネン1モルに対して芳香族基を有するホスフィンを含有するパラジウム化合物0.000001〜0.01モル、iii)芳香族基を有するホスフィンを含有するパラジウム化合物中のパラジウム1モルに対してホスファイト化合物1.0〜10.0モルの割合で用いて、常圧又は加圧下に不活性雰囲気下0〜200℃で反応させることを特徴とする2−トリクロロシリルノルボルナンの製造方法を提供する。
この場合、反応時間は通常1〜100時間である
本発明によれば、ホスフィンを含有するパラジウム化合物にホスファイト化合物を添加した触媒を用いて、2−ノルボルネンとトリクロロシランを反応させることにより、従来の触媒に比較して、副生物の生成を抑えて反応させることができ、高収率で2−トリクロロシリルノルボルナンが得られるものである。
本発明の2−トリクロロシリルノルボルナンの製造方法は、ホスフィンを含有するパラジウム化合物に、ホスファイト化合物を添加した触媒を用いて、2−ノルボルネンとトリクロロシランを反応させることにより、2−トリクロロシリルノルボルナンを製造するものである。
本発明において、2−ノルボルネンとトリクロロシランとを反応させる場合、その配合比は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、2−ノルボルネン1モルに対してトリクロロシランを好ましくは0.5〜2.0モル、更に好ましくは0.8〜1.2モル、特に好ましくは0.9〜1.1モル用いる。
本発明のホスフィンを含有するパラジウム化合物としては、下記一般式(2)
Pd(PR4 3mn (2)
(式中、R4は、同一又は異なる炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは2又は4、nは0又は2である。)
で表される化合物が好ましい。
ここで、非置換もしくは置換一価炭化水素基としては、直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族一価炭化水素基、特に直鎖状、分岐状又は環境のアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ベンジル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。また、炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;シアノ基;アミノ基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;オルガノオキシカルボニル基;カルボキシル基;オルガノオキシ基;アシル基;オルガノチオ基;アルキルシリル基;アルコキシシリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。Xとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
上記一般式(2)の化合物としては具体的には、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(シクロヘキシルホスフィン)パラジウム等が挙げられる。反応性、触媒の安定性等の点からジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを用いることが好ましい。
上記のホスフィン化合物を含有するパラジウム化合物は、上記一般式(2)の化合物のようなホスフィンを含有するパラジウム錯体を用いても良く、塩化パラジウムや臭化パラジウム等のホスフィンを含有していないパラジウム化合物とホスフィン化合物を混合して生成させても良い。ホスフィンの使用量はパラジウム化合物1モルに対して好ましくは1〜5モル、更に好ましくは2〜4モルである。
本発明のホスフィンを含有するパラジウム化合物の使用量は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、2−ノルボルネンに対して好ましくは0.000001〜0.01モル、更に好ましくは0.000005〜0.005モル、特に好ましくは0.00001〜0.001モルである。ホスフィンを含有するパラジウム化合物の使用量が0.000001モル未満だと触媒の効果が十分に発現しない可能性があり、0.01モルを超えると触媒量に見合うだけの反応促進効果が見られない可能性がある。
本発明のホスファイト化合物としては、下記一般式(1)
P(OR1)(OR2)(OR3) (1)
(式中、R1、R2、R3は、同一又は異なる炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
で表される化合物が好ましい。
ここで、非置換もしくは置換一価炭化水素基としては、直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族一価炭化水素基、特に直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。また、炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;シアノ基;アミノ基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;オルガノオキシカルボニル基;カルボキシル基;オルガノオキシ基;アシル基;オルガノチオ基;アルキルシリル基;アルコキシシリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。
この場合、R1、R2、R3の少なくとも1つは、二級脂肪族炭化水素基又は環状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、例えばイソプロピル基、sec−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記式(1)のホスファイト化合物としては、具体的には、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリ−sec−ブチルホスファイト、トリ−t−ブチルホスファイト、トリシクロペンチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリベンジルホスファイト、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト等が挙げられ、反応性、選択性の点から、特にトリイソプロピルホスファイト、トリ−sec−ブチルホスファイト、トリシクロペンチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイトが好ましい。
本発明のホスファイト化合物の使用量は特に限定されないが、反応性、選択性の点で、用いるパラジウム化合物中のパラジウム1モルに対して、好ましくは1.0〜10.0モル、更に好ましくは1.5〜8.0モル、特に好ましくは2.0〜6.0モルである。ホスファイト化合物の使用量が、1.0モル未満だと反応の選択性が低下したり、反応が進行しない可能性があり、10.0モルを超えると反応性が低下する可能性がある。
本発明は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンメシチレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。また、2−ノルボルネンは、融点が44〜46℃の常温で固体の化合物であるので、取扱を容易にするために2−ノルボルネンを上記溶媒に溶解した状態で用いることもできる。
本発明の反応は、ホスフィンを含有するパラジウム化合物にホスファイト化合物を添加した触媒と2−ノルボルネン中にトリクロロシランを添加して行っても良く、ホスフィンを含有するパラジウム化合物にホスファイト化合物を添加した触媒とトリクロロシラン中に2−ノルボルネンを添加して行ってもよい。2−ノルボルネンを後から添加する場合、2−ノルボルネンを溶媒に溶解して添加することが好ましい。
本発明の反応温度は特に限定されないが、常圧又は加圧下で0〜200℃、好ましくは10〜120℃である。なお、反応時間は、通常1〜100時間、好ましくは2〜20時間である。また、反応雰囲気としては、特に限定されないが、安全上、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1,000mLの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン188.4g(2.0mol)をトルエン62.8gに溶解した溶液とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム140.4mg(0.0002mol)を仕込み、撹拌溶解した後にトリイソプロピルホスファイト124.9mg(0.0006mol)を添加した。内温を80〜90℃に温調しながらトリクロロシラン271.0g(2.0mol)を7.5時間掛けて滴下した後、そのままの温度で1時間熟成した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的の2−トリクロロシリルノルボルナンと[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランの生成比は99.0:1.0の面積%比であった。また、得られた反応液を減圧蒸留して2−トリクロロシリルノルボルナンを80℃/1.2kPaの留分として421.3g(1.84mol)得た。収率は、91.7%であった。
[実施例2]
200mLの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム35.1mg(0.00005mol)を仕込み、撹拌溶解した後にトリエチルホスファイト16.6mg(0.0001mol)を添加した。内温を80〜90℃に温調しながらトリクロロシラン67.8g(0.5mol)を4.0時間掛けて滴下した後、そのままの温度で1時間熟成した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的の2−トリクロロシリルノルボルナンと[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランの生成比は84.5:15.5の面積%比であった。
[比較例1]
200mLの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム35.1mg(0.00005mol)を仕込んだ。内温を80〜90℃に温調しながらトリクロロシラン3.4g(0.025mol)を滴下し1時間熟成した。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、反応は全く進行せず、2−ノルボルネンとトリクロロシランが未反応で残留していた。
[比較例2]
200mLの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液と酢酸パラジウム11.2mg(0.00005mol)を仕込み、撹拌溶解した後にトリイソプロピルホスファイト20.8mg(0.0001mol)を添加した。内温を80〜90℃に温調しながらトリクロロシラン67.8g(0.5mol)を4.0時間掛けて滴下した後、そのままの温度で1時間熟成した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的の2−トリクロロシリルノルボルナンと[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランの生成比は19.7:80.3の面積%比であった。
[比較例3]
200mLの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液と塩化アリルパラジウム2量体3.7mg(0.00002mol)と、(R)−(+)−2−ジフェニルホスフィノ−2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル18.7mg(0.00008mol)を仕込んだ。内温を80〜90℃に温調しながらトリクロロシラン67.8g(0.5mol)を4.0時間掛けて滴下した後、そのままの温度で1時間熟成した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的の2−トリクロロシリルノルボルナンと[3−(2−ノルボルニル)−2−ノルボルニル]トリクロロシランの生成比は52.8:47.2の面積%比であった。
[比較例4]
200mLの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液とジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム14.3mg(0.00005mol)と、トリシクロヘキシルホスフィン28.0mg(0.0001mol)を仕込んだ。内温を80〜90℃に温調しながらトリクロロシラン67.8g(0.5mol)を4.0時間掛けて滴下したが、触媒が途中で失活して、未反応の2−ノルボルネンが残留してしまった。

Claims (2)

  1. 芳香族基を有するホスフィンを含有するパラジウム化合物と下記一般式(1)
    P(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 ) (1)
    (式中、R 1 、R 2 、R 3 は、同一又は異なる炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
    で表されるホスファイト化合物との存在下に、2−ノルボルネンとトリクロロシランとを、i)2−ノルボルネン1モルに対してトリクロロシラン0.5〜2.0モル、ii)2−ノルボルネン1モルに対して芳香族基を有するホスフィンを含有するパラジウム化合物0.000001〜0.01モル、iii)芳香族基を有するホスフィンを含有するパラジウム化合物中のパラジウム1モルに対してホスファイト化合物1.0〜10.0モルの割合で用いて、常圧又は加圧下に不活性雰囲気下0〜200℃で反応させることを特徴とする2−トリクロロシリルノルボルナンの製造方法。
  2. 反応時間が1〜100時間である請求項1記載の2−トリクロロシリルノルボルナンの製造方法。
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