JP5746410B1 - 緩止めペアーナット - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な各種の緩止めペアーナットを提供する。【解決手段】現行の偏心式緩止めダブルーナットはネジ軸線よりずれた特殊構造があり、締付けトルクの管理を要し、作業性に難点がある。本緩止めペアーナットは、ネジ軸線の共通な円錐台形状の凸部を有する凸ナットと同形状の凹部を有する凹ナットでなり、その凸部の環状テーパ面の半周以上の表面を若干低位に成形してあり、両ナットをボルトに螺合すると半周以下の高位テーパ面が凹ナットの内側テーパ面に面接触し局部的な塑性変形せず、かつ、両ナットがボルトに強く噛み合うので緩み止め機能が向上し、締付けトルクの管理を要しない作業性のよいペアーナットである。同様な原理による作業性のよい、スペーサ式の緩止めペアーナット、凸部自体であるテーパリングと凹ナットと座金で、またテーパリング、凹ナットとスペーサと座金で構成する軽量な緩止めテーパリング式のペアーナットである。【選択図】 図1
Description
本発明はダブルナット式等の緩止めナットに関する。
緩止めナットは各種が実用されているが、特に偏心式緩止めダブルナットは緩止め効果と作業性の改善が要請されている。
先行技術文献に記された現行の偏心式緩止めーナット(商標名:ハードロックナット)は、その主要部分がネジ部の軸芯より偏心する加工を行うために原理的な弱点を生じ、緩止め効果を保持するにはナット締付けのトルク管理を要し、作業性に課題がある。本発明は偏心加工をせず、緩止め効果の向上を図り作業性のよいかつ締付け効果の大きい緩止めペアーナットを提供することである。
緩止めペアーナットAは、嵌合する略同形の円錐台形状の、ネジ部軸線を共通の軸線とする凸部と凹部をそれぞれ備え、共にボルトに螺合する非軸対称凸ナットと軸対称凹ナットでなり、前記の凸部と凹部の傾斜は等しく、その高さが凹部の深さに等しいか小差があり、かつ凸部が凹部より水平的に大きく、さらに前記非軸対称凸ナットは、凸部の環状テーパ表面の半周以上を削除し、非軸対称となり、半周未満が前記凹ナットの凹部テーパ表面に面接触するペアーナットである。
また、スペーサ式緩止めペアーナットBは、ネジ部軸線と共通の軸線を有する円錐台形状の凸ナットと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する円錐台形状の凹部を備えた軸対称の凹ナットとからなり、前記凸部と凹部がネジ部が、同形または略同形であり、嵌合し面接触するテーパ面をそれぞれ有し、両ナットのテーパ面間の半周未満の範囲内にスペーサを配置するペアーナットである。
また、テーパリング緩止めナットCは、ネジ部軸線と共通の軸線を有するテーパ部を備えた非軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた軸対称凹ナットからなり、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、前記テーパリングは、テーパ部表面の半周以上を削除することにより、非軸対称となり、残りの半周未満が前記軸対称凹ナットの凹部テーパ表面に面接触し、このテーパリングと前記凹ナットと座金または座金なしで構成する緩止めナットである。
また、スペーサ式テーパリング緩止めナットDは、ネジ部軸線と共通の軸線を有するテーパ部を備えた軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた軸対称凹ナットからなり、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、両ナットのテーパ面間の半周未満の範囲内にスペーサを配置し、前記軸対称テーパリングと前記凹ナットとスペーサと座金または座金なしで構成する緩止めナットである。
また、非軸対称凹ナット式緩止めペアーナットEは、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凸テーパ部を備えた軸対称凸ナットと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた非軸対称凹ナットからなり、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記凸テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、前記凸テーパ部と、前記凹部テーパの内面半周未満の非削除面とが面接触する緩止めペアーナットである。
また、非軸対称凹ナット式テーパリング緩止めナットFは、ネジ部軸線と共通の軸線を有するねじ孔を備えるテーパ部である軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部の半周以上を削除した非軸対称凹ナットからなり、前記テーパリングおよび前記凹部は円錐台形状であり、それらは嵌合するものであり、かつ前記テーパリングと前記凹部の内面半周未満の非削除面とが面接触し、座金とまたは座金なしで構成するテーパリング緩止めナットF。
また、スペーサ式緩止めペアーナットBは、ネジ部軸線と共通の軸線を有する円錐台形状の凸ナットと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する円錐台形状の凹部を備えた軸対称の凹ナットとからなり、前記凸部と凹部がネジ部が、同形または略同形であり、嵌合し面接触するテーパ面をそれぞれ有し、両ナットのテーパ面間の半周未満の範囲内にスペーサを配置するペアーナットである。
また、テーパリング緩止めナットCは、ネジ部軸線と共通の軸線を有するテーパ部を備えた非軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた軸対称凹ナットからなり、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、前記テーパリングは、テーパ部表面の半周以上を削除することにより、非軸対称となり、残りの半周未満が前記軸対称凹ナットの凹部テーパ表面に面接触し、このテーパリングと前記凹ナットと座金または座金なしで構成する緩止めナットである。
また、スペーサ式テーパリング緩止めナットDは、ネジ部軸線と共通の軸線を有するテーパ部を備えた軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた軸対称凹ナットからなり、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、両ナットのテーパ面間の半周未満の範囲内にスペーサを配置し、前記軸対称テーパリングと前記凹ナットとスペーサと座金または座金なしで構成する緩止めナットである。
また、非軸対称凹ナット式緩止めペアーナットEは、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凸テーパ部を備えた軸対称凸ナットと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた非軸対称凹ナットからなり、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記凸テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、前記凸テーパ部と、前記凹部テーパの内面半周未満の非削除面とが面接触する緩止めペアーナットである。
また、非軸対称凹ナット式テーパリング緩止めナットFは、ネジ部軸線と共通の軸線を有するねじ孔を備えるテーパ部である軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部の半周以上を削除した非軸対称凹ナットからなり、前記テーパリングおよび前記凹部は円錐台形状であり、それらは嵌合するものであり、かつ前記テーパリングと前記凹部の内面半周未満の非削除面とが面接触し、座金とまたは座金なしで構成するテーパリング緩止めナットF。
本発明の非軸対称凸ナットと軸対称凹ナットで構成する緩止めペアーナットは、円錐台形状凸部の軸線がネジ軸線と共通であり、両ナットのテーパ面が部分的に面接触することで、この面に応力集中を生ぜず局部的な塑性変形も起こらず、優れた緩み止め作用を果たし、締付けトルクの管理は簡易であり作業性がよく、ペアーナットの再使用が可能であり、
また、軸対称型の凹凸の両ナットとスペーサで構成するスペーサ式緩み止めペアーナットも同様の効果を果し、さらに、非軸対称テーパリングと、軸対称凹ナットで構成するテーパリング式の緩止めペアーナット、またはスペーサと軸対称テーパリングと軸対称凹ナットで構成するスペーサ式のテーパリング緩止めナットは優れた緩み止め作用と略半減の軽量化と省スペース化を果たし、また非軸対称凹ナットと軸対称凸ナットで構成する非対称凹ナット緩止めナットは優れた緩み止め作用を果たし、また非軸対称凹ナットと軸対称テーパリングで構成する非対称凹ナットテーパリング緩止めナットは優れた緩み止め作用を果たしかつ略半減の軽量化と省スペース化が図れる。これら緩止めナットなどは大きな緩止めのトルクで凹ナットを締付け可能であり、凹ナットに生じる締付け力が凸ナットやテーパリングの締付け力に加わり締結作用に有効に働くことになる。
また、軸対称型の凹凸の両ナットとスペーサで構成するスペーサ式緩み止めペアーナットも同様の効果を果し、さらに、非軸対称テーパリングと、軸対称凹ナットで構成するテーパリング式の緩止めペアーナット、またはスペーサと軸対称テーパリングと軸対称凹ナットで構成するスペーサ式のテーパリング緩止めナットは優れた緩み止め作用と略半減の軽量化と省スペース化を果たし、また非軸対称凹ナットと軸対称凸ナットで構成する非対称凹ナット緩止めナットは優れた緩み止め作用を果たし、また非軸対称凹ナットと軸対称テーパリングで構成する非対称凹ナットテーパリング緩止めナットは優れた緩み止め作用を果たしかつ略半減の軽量化と省スペース化が図れる。これら緩止めナットなどは大きな緩止めのトルクで凹ナットを締付け可能であり、凹ナットに生じる締付け力が凸ナットやテーパリングの締付け力に加わり締結作用に有効に働くことになる。
本発明を図に基づいて説明する。前記のように本発明の緩止めペアーナットAは、図1に示すように、凸ナット1と凹ナット2で構成し、これら凸ナット1と凹ナット2は、ネジ部の軸線12を共通軸線とし、かつ傾斜度を等しくし、さらに略同形の円錐台形状の凸部3を上面に、凹部4を座面にそれぞれ備え、両ナットをボルト8に螺合すると、嵌合し部分的に面接触することを基本とする。
前記両ナットは、円錐台形状の凸部3のテーパ面の一部と略同形状の凹部4の内テーパ面が相互に面接触するように、つまり条件A:凸部と凹部のテーパ面の前記軸線12に対する傾斜角は等しい、条件B:凸部の頂面が凹部の内上面と接触せず、凸部の基部平面と凹ナットの座面外周部と接触しない、つまり接触面以外では凸ナットと凹ナットは接触しないように形成する。なお、条件Bを満たすには、条件Aと凸部の高さと凹部の深さの対応、また凸部の頂面と基部の直径、凹部空間の内上面と下面の直径が多様に相互関連する制約がある。
前記両ナットは、円錐台形状の凸部3のテーパ面の一部と略同形状の凹部4の内テーパ面が相互に面接触するように、つまり条件A:凸部と凹部のテーパ面の前記軸線12に対する傾斜角は等しい、条件B:凸部の頂面が凹部の内上面と接触せず、凸部の基部平面と凹ナットの座面外周部と接触しない、つまり接触面以外では凸ナットと凹ナットは接触しないように形成する。なお、条件Bを満たすには、条件Aと凸部の高さと凹部の深さの対応、また凸部の頂面と基部の直径、凹部空間の内上面と下面の直径が多様に相互関連する制約がある。
例えば、凸ナット1の円錐台形状凸部3は、その高さが略同形状の凹部4の深さに等しいか異なり、凹部4より少し平面的に大きな円錐台形状にナットの上部を部分的に削除し形成され、さらにこの台形環状のテーパ表面は、その半周以上が削除され少し低いテーパ面に形成され、段差付のテーパ面となり、つまり凸ナットは、凹ナット2の凹部内テーパ面との半周未満の接触テーパ面を有し、かつネジ軸線12に関し非対称になる。そして各部寸法はナットの大きさと材質を考慮して決められる。また、両テーパの標準傾斜度は、前記軸線12に対し略10度であるが、60度以下である。
このような構造のペアーナットAの作用は、まず被締結材7を貫通するボルト8に非軸対称の凸ナット1を螺合してから、軸対称の凹ナット2にトルクを掛け螺合を進めてゆくとその凹部内テーパ面5は、凸ナットの凸部2の半周未満の高位の外テーパ面6と斜めに面接触し、一方、凸部の半周以上の削除した低位テーパ部分とはスキマ9をなし接触しないので、前記接触面に両ナットの軸線に略垂直かつ反対向きの力成分が派生し、これら力成分が両ナット全体に伝達し、ボルト軸線に垂直な力としても作用し、ナット相互の対称的な位置関係にある半周のネジ部10と11が逆方向にボルトのネジ部に強く噛み合うことになり、つまりクサビ効果が生じ、各ナットの緩みを抑止するのである。
そして、両ナットのテーパ面の接触面は広く、応力集中が生ぜず局部的な塑性変形も起こらず、緩止めの性能が高く、かつ加える締付けトルクの正確な管理は不要つまり大きなトルクで凹ナット2を締付けが可能であり作業性がよく、凹ナットに生じる締付け力が凸ナットの締付け力とともに締結作用に有効に働くことになり、つまり前記の接触面は緩止め作用を誘起するとともに面相互の大きな摩擦力が大きな緩止め作用をなし、かつ締付け作用を強化する重要な要因なのである。また凹、凸ナットの再使用が可能である。
そして、両ナットのテーパ面の接触面は広く、応力集中が生ぜず局部的な塑性変形も起こらず、緩止めの性能が高く、かつ加える締付けトルクの正確な管理は不要つまり大きなトルクで凹ナット2を締付けが可能であり作業性がよく、凹ナットに生じる締付け力が凸ナットの締付け力とともに締結作用に有効に働くことになり、つまり前記の接触面は緩止め作用を誘起するとともに面相互の大きな摩擦力が大きな緩止め作用をなし、かつ締付け作用を強化する重要な要因なのである。また凹、凸ナットの再使用が可能である。
前記既存の偏心式緩止めナットは、凸部がネジ軸線に偏心して加工されており、凸ナットは非軸対称であり、そのテーパ面のほとんどが凹ナット内テーパ面と接触せず、両テーパ面の接触部分における凸部の外径つまり直径はどこでも凹部内径より小さく、つまり大きな円に小さな円が内接する状態であり、これは凸部テーパ面の母線として線状で凹部内面に接触することになり、従ってその線接触部に応力の集中を生じその部分が塑性変形しやすく、このためにナットの締付け上限のトルク管理は必須となり、また繰り返しの振動力により塑性変形すれば、緩み止め作用を減じることになり、ペアーナットの再使用が不可能となる。
なお、両ナットとの間に生ずるテーパ面以外の隙間、つまり凸ナットの凸分の頂面と凹ナットの凹部の底面との間の内部隙間14、及び凸部の基底の周平面と凹部開口の周平面との間の外部周縁隙間15は、凸部の直径が凹部のそれより大きく、凸部の高さと凹部の深さが等しい場合、等しくなる。両ナットは、嵌合状態で前記の内部隙間と外部周縁隙間が必須であり、この場合両ナットは、前記接触面のみで接触することになる。
また、ナットの螺合順序は前記の逆でもよく、先にボルトに螺合した凹ナット2に、凸ナット1を螺合させても、作用、効果は同じである。
また、ナットの螺合順序は前記の逆でもよく、先にボルトに螺合した凹ナット2に、凸ナット1を螺合させても、作用、効果は同じである。
また、円錐台形状のままのつまり軸対称の凸ナット1aと軸対称凹ナット2aとスペーサ13で構成よるスペーサ式緩止めペアーナットB(図2)もよく、円錐台形状の凸部外周または凹部テーパ面の半周未満にスペーサ13を配置する緩み止め方式である。
前記スペーサの概略形状の例は、巾が円錐台形凸部のテーパの母線以下、長さは円錐台形凸部テーパの周長の半分未満、その厚さはナットのネジピッチ程度の各種板状湾曲体がよく、材質は硬鋼質がよい。このスペーサを、単一のものの他、小巾の複数を外周テーパ面の半周未満に小間隔の近接配置または仮付けして、凹ナットを螺合する。また、前記スペーサに替えて硬粒体を前記同様の箇所に塗布配置してもよい。
前記スペーサの概略形状の例は、巾が円錐台形凸部のテーパの母線以下、長さは円錐台形凸部テーパの周長の半分未満、その厚さはナットのネジピッチ程度の各種板状湾曲体がよく、材質は硬鋼質がよい。このスペーサを、単一のものの他、小巾の複数を外周テーパ面の半周未満に小間隔の近接配置または仮付けして、凹ナットを螺合する。また、前記スペーサに替えて硬粒体を前記同様の箇所に塗布配置してもよい。
この場合、被締結材7を貫通するボルト8に凸ナット1aを螺合後、前記スペーサ13を配置し凹ナット2aを螺合してゆくと、そのスペーサが凹部ナットのテーパ面に面接触し挟圧され、スペーサのない半周以上のテーパ面にスキマ9が生じ、前記同様に、両ナットの軸芯に略垂直かつ反対向きの力成分が派生し、これら力成分が両ナットに伝達し、各ナットの緩みを抑止するのである。なお後に螺合するナットの締め付けは、スペーサがテーパに面接触するので締め付けトルクの管理は簡易である。また、巾、長さ、厚さの寸法の異なる各種のスペーサを選択して前記した内部隙間と外部周縁隙間を小さくし、前記半周未満の範囲に配置し、ボルトとナットのネジ部の精度のバラツキつまりガタの影響を抑え、効果的な緩み止めを図ることが可能である。
また、前記緩止めペアーナットAの、凸ナット1の凸部のみでなる円錐台形状の非軸対称テーパリングと軸対称凹ナットとで構成するテーパリング緩止めナットCもよい(図3)。
この緩止めナットCは、同様にねじ孔を備える凸部のテーパ表面の半周以上を削除し半周未満を残し、かつ締付け具を掛ける切込み(図示せず)を二個以上を均等間隔で設け、かつそれらの深さは表面削除厚より大きい非軸対称テーパリング18を、座金19とともにボルト8に螺合し被締結材7を締結し、さらに凹ナット2を螺合するとその凹部とテーパリング18のテーパ面が嵌合、半周未満の非削除表面が凹部テーパ面に面接触し、前記同様のクサビ効果が生じて、緩止め作用を発現する。このテーパリングは凸ナット1のナット本体部がなく略半分の軽量化と省スペースが図れる。
この緩止めナットCは、同様にねじ孔を備える凸部のテーパ表面の半周以上を削除し半周未満を残し、かつ締付け具を掛ける切込み(図示せず)を二個以上を均等間隔で設け、かつそれらの深さは表面削除厚より大きい非軸対称テーパリング18を、座金19とともにボルト8に螺合し被締結材7を締結し、さらに凹ナット2を螺合するとその凹部とテーパリング18のテーパ面が嵌合、半周未満の非削除表面が凹部テーパ面に面接触し、前記同様のクサビ効果が生じて、緩止め作用を発現する。このテーパリングは凸ナット1のナット本体部がなく略半分の軽量化と省スペースが図れる。
さらに、前記のスペーサ式ペアーナットBの凸ナットの軸対称凸部のみでなる円錐台形状でねじ孔を備える軸対称テーパリング18aと軸対称凹ナットの組合せに、硬質弾性のスペーサ13を前記同様に配置する軽量、省スペースのスペーサ式テーパリング緩止めナットDもよい(図4)。この緩止めナットDは、座金19とともにボルト8に螺合し被締結材7を締結した軸対称テーパリング18aの後に、凹ナット2aを螺合すると凹部テーパ面とテーパリング18aのテーパ面に前記スペーサ13が挟圧され面接触し、前記同様のクサビ効果が生じ、緩み止め作用を発現する。なお、テーパリング18aには前記同様の切込みを設けてある。このテーパリング緩止めナットDも締付けトルクの管理は簡易で、作業性がよく、そして凹ナットに生じる締付け力がテーパリングの締付け力とともに締結作用に有効に働くことになり、かつボルトの短縮による軽量なかつ省スペースの緩止めナットである。
なお、テーパリングは、内面ネジ切りしたパイプを凸部の所要高さに切断後二箇所以上の切込みを均等間隔に付けてテーパ加工した軸対称リングであり、さらにこのリングのテーパ面の半周以上をグラインダ−などで削除加工して非軸対称テーパリングを製造する。
なお、ボルト、テーパリング、凹、凸ナット、スペーサと座金は非鉄金属、非金属のプラスチックやプラスチックと他材の混合体で製造してもよい。
なお、ボルト、テーパリング、凹、凸ナット、スペーサと座金は非鉄金属、非金属のプラスチックやプラスチックと他材の混合体で製造してもよい。
前記スペーサ式緩止めペアーナットBの軸対称凸ナット1aと非軸対称凹ナットとで構成する非軸対称凹ナット緩止めペアーナットEもよい(図省略)。
詳しくは、スペーサ式ペアーナットBの軸対称凸ナット1aと、その凸ナットのテーパ面と面接触するように軸対称凹ナット2の内テーパ表面の半周以上を薄く削除し、残りの元のままの半周未満の部分が接触面となる非軸対称凹ナットとで構成する緩止めペアーナットEである。これら軸対称凸ナットと非軸対称凹ナットをボルト8に螺合すると、前記接触面がその凸ナットのテーパ面と面接触することになり、前記同様のクサビ効果が生じ、各ナットの緩みを抑止するのである。
詳しくは、スペーサ式ペアーナットBの軸対称凸ナット1aと、その凸ナットのテーパ面と面接触するように軸対称凹ナット2の内テーパ表面の半周以上を薄く削除し、残りの元のままの半周未満の部分が接触面となる非軸対称凹ナットとで構成する緩止めペアーナットEである。これら軸対称凸ナットと非軸対称凹ナットをボルト8に螺合すると、前記接触面がその凸ナットのテーパ面と面接触することになり、前記同様のクサビ効果が生じ、各ナットの緩みを抑止するのである。
また、前記スペーサ式テーパリング緩止めナットDのテーパリングと非軸対称凹ナットで構成する非軸対称凹ナット式テーパリング緩止めナットFもよい(図省略)。
詳しくは、スペーサ式テーパリング緩止めナットDの軸対称テーパリング18aと、前記同様の接触面を備える非軸対称凹ナットとで構成する非軸対称凹ナット式テーパリング緩止めナットFである。これら軸対称テーパリングと非軸対称凹ナットをボルト8に螺合すると、前記接触面がそのテーパリングのテーパ面と面接触することになり、前記同様のクサビ効果が生じ、ナットとテーパリングの緩みを抑止するのである。
詳しくは、スペーサ式テーパリング緩止めナットDの軸対称テーパリング18aと、前記同様の接触面を備える非軸対称凹ナットとで構成する非軸対称凹ナット式テーパリング緩止めナットFである。これら軸対称テーパリングと非軸対称凹ナットをボルト8に螺合すると、前記接触面がそのテーパリングのテーパ面と面接触することになり、前記同様のクサビ効果が生じ、ナットとテーパリングの緩みを抑止するのである。
以上、前記諸緩止めペアーナットなどは、凸ナットと凹ナットまたはテーパリングが直接、間接に部分的な面接触し、このゆえに、凹ナットに大きな締付けトルクを掛けてよく、作業性が向上し、相互にネジ軸線に垂直方向の反発力を作用し合うこととなり、緩止めの大きなクサビ効果が生じるとともに、接触面相互の大きな摩擦力が緩止めに寄与し、かつ凹ナットの締付け力の被締結材への伝達による締結機能が向上する。つまり、前記のテーパ面接触は、緩止め作用の誘起と強化、締付け力の伝達作用を兼備する本発明の核心部分である。
説明した六種の緩止めペアーナット等は、非軸対称の凸ナットまたはテーパリングと、軸対称凹ナットとの組み合わせ、軸対称の凸ナットまたはテーパリングと、軸対称の凹ナットとスペーサとの組み合わせ、軸対称の凸ナットまたはテーパリングと、非軸対称凹ナットの組み合わせであり、また公的規制もありその細部の数値や改変を伴ない、またネジ部に緩止め用接着剤の使用や外部周縁隙間に耐候性弾性リングの装着もよい。
説明した六種の緩止めペアーナット等は、非軸対称の凸ナットまたはテーパリングと、軸対称凹ナットとの組み合わせ、軸対称の凸ナットまたはテーパリングと、軸対称の凹ナットとスペーサとの組み合わせ、軸対称の凸ナットまたはテーパリングと、非軸対称凹ナットの組み合わせであり、また公的規制もありその細部の数値や改変を伴ない、またネジ部に緩止め用接着剤の使用や外部周縁隙間に耐候性弾性リングの装着もよい。
前記の凸ナットまたはテーパリングと凹ナットの螺合、嵌合において、被締結材の表面状況などにより軸線が相互に傾くことがあり、この場合のため凹ナットのテーパの傾きを凸ナットまたはテーパリングのテーパの傾きより、数度以内の範囲で小さくするのもよい。これは加工誤差や被締結材の小変形の影響を抑制することである。なお、座金の使用、不使用は被締結材の状況に応じて対応してよく、また凸ナットはフランジ付きもよい。
A 緩止めペアーナット、 B スペーサ式緩止めペアーナット、
C テーパリング緩止めナット、 D スペーサ式テーパリング緩止めナット
1 非軸対称凸ナット、 1a 軸対称凸ナット、 2、2a 軸対称凹ナット、
3 凸部、 4 凹部、 5 内テーパ面、 6 外テーパ面、
7 被締結材、 8 ボルト、 9 スキマ、 10,11 ネジ部、
12 軸線、 17 底稜線、 13 スペーサ、 14 内部隙間、
15 外部周縁隙間、 16 頂稜線、 18 非軸対称テーパリング、
18a 軸対称テーパリング、 19 座金、
C テーパリング緩止めナット、 D スペーサ式テーパリング緩止めナット
1 非軸対称凸ナット、 1a 軸対称凸ナット、 2、2a 軸対称凹ナット、
3 凸部、 4 凹部、 5 内テーパ面、 6 外テーパ面、
7 被締結材、 8 ボルト、 9 スキマ、 10,11 ネジ部、
12 軸線、 17 底稜線、 13 スペーサ、 14 内部隙間、
15 外部周縁隙間、 16 頂稜線、 18 非軸対称テーパリング、
18a 軸対称テーパリング、 19 座金、
Claims (6)
- 嵌合する略同形の円錐台形状の、ネジ部軸線を共通の軸線とする凸部と凹部をそれぞれ備え、共にボルトに螺合する非軸対称凸ナットと軸対称凹ナットでなり、前記の凸部と凹部の傾斜は等しく、その高さが凹部の深さに等しいか小差があり、かつ凸部が凹部より水平的に大きく、さらに前記非軸対称凸ナットは、凸部の環状テーパ表面の半周以上を削除することにより非軸対称とし、半周未満が前記凹ナットの凹部テーパ表面に面接触することを特徴とする緩止めペアーナットA。
- ネジ部軸線と共通の軸線を有する円錐台形状の軸対称凸ナットと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する円錐台形状の凹部を備えた軸対称の凹ナットとからなり、それらはボルトに螺合し、前記凸部と凹部が同形または略同形であり、嵌合し面接触するテーパ面をそれぞれ有し、両ナットのテーパ面間の半周未満の範囲内にスペーサを配置することを特徴とするスペーサ式緩止めペアーナットB。
- ネジ部軸線と共通の軸線を有するねじ孔を備えたテーパ部である非軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた軸対称凹ナットからなり、それらはボルトに螺合し、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、前記テーパリングは、テーパ部表面の半周以上を削除することにより非軸対称とし、残りの半周未満が前記軸対称凹ナットの凹部テーパ表面に面接触し、前記のテーパリングと前記凹ナットと座金または座金なしで構成することを特徴とするテーパリング緩止めナットC。
- ネジ部軸線と共通の軸線を有するねじ孔を備えたテーパ部である軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部を備えた軸対称凹ナットからなり、それらはボルトに螺合し、前記テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、両ナットのテーパ面間の半周未満の範囲内にスペーサを配置し、前記軸対称テーパリングと前記凹ナットとスペーサと座金または座金なしで構成することを特徴とするスペーサ式テーパリング緩止めナットD。
- ネジ部軸線と共通の軸線を有する凸テーパ部を備えた軸対称凸ナットと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部表面の半周以上を削除した非軸対称凹ナットからなり、それらはボルトに螺合し、前記凸テーパ部および前記凹部は円錐台形状であって、前記凸テーパ部と前記凹部とは嵌合するものであり、前記凸テーパ部と前記凹部の内面半周未満の非削除面とが面接触することを特徴とする非軸対称凹ナット式緩止めペアーナットE。
- ネジ部軸線と共通の軸線を有するねじ孔を備えるテーパ部である軸対称テーパリングと、ネジ部軸線と共通の軸線を有する凹部の半周以上を削除した非軸対称凹ナットからなり、それらはボルトに螺合し、前記テーパリングおよび前記凹部は円錐台形状であり、それらは嵌合するものであり、かつ前記テーパリングと前記凹部の内面半周未満の非削除面とが面接触し、座金または座金なしで構成することを特徴とする非軸対称凹ナット式テーパリング緩止めナットF。
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