以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<盤面構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機に備えられる遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の正面上部には、遊技盤2が配置されている。また、パチンコ機1の正面下右部には、所定角度範囲内で回動可能なハンドル(図示せず)が配置され、そのハンドルの操作により、遊技球が機内から遊技盤2内に向けて発射される。遊技球の発射の勢いは、ハンドルの回転角度によって調整することができる。
遊技盤2内に向けて発射される遊技球は、遊技盤2内の上部に導かれる。遊技盤2内には、多数の障害釘(図示せず)が打たれており、遊技球は、遊技盤2内を障害釘の間を通って下方へと落下していく。遊技盤2内の最下部まで落下した遊技球は、その最下部に形成されたアウト口3から機内に回収される。
遊技盤2内の略中央部には、センタユニット4が配置されている。センタユニット4には、たとえば、カラー液晶表示器からなる演出表示装置5が備えられている。演出表示装置5には、遊技を盛り上げるための演出画像やハンドルの操作をナビゲーションするための文字などが表示される。
センタユニット4の下方には、第1始動口6が配置されている。
1球の遊技球が第1始動口6に入ると、予め定める個数の賞球が払い出されるとともに、大当り遊技を実行するか否かを決定するための第1特図抽選が行われる。第1特図抽選の結果は、たとえば、遊技盤2の右下部に配置された第1特図表示装置8を用いて報知される。すなわち、遊技盤2の右下部には、第1特図表示装置8が配置されており、第1特図表示装置8における図柄変動を経て(第1特図表示装置8に表示される図柄が次々と変動した後)、第1特図抽選の結果を表す第1特別図柄が第1特図表示装置8に停止して表示される。
センタユニット4の右方には、第2始動口7が配置されている。
第2始動口7に関連して、電動チューリップ(以下「電チュー」という。)9が設けられている。電チュー9は、1対の可動羽根を備えており、その1対の可動羽根が開いて、第2始動口7への遊技球の入賞を案内する開姿勢(図1に示される姿勢)と、1対の可動羽根の先端が第1始動口6の下端に近接して、第2始動口7への遊技球の入賞を阻止する閉姿勢とに変位可能である。
電チュー9が開姿勢となり、1球の遊技球が第2始動口7に入ると、予め定める個数の賞球が払い出されるとともに、大当り遊技を実行するか否かを決定するための第2特図抽選が行われる。第2特図抽選の結果は、たとえば、遊技盤2の右下部に配置された第2特図表示装置10を用いて報知される。すなわち、遊技盤2の右下部には、第2特図表示装置10が配置されており、第2特図表示装置10における図柄変動を経て(第2特図表示装置10に表示される図柄が次々と変動した後)、第2特図抽選の結果を表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に停止して表示される。
なお、第1特図抽選および第2特図抽選の結果は、演出表示装置5に表示される演出画像によっても報知される。
第2始動口7の下方には、大入賞口11が設けられている。大入賞口11は、左右に長い矩形状の開口として形成されている。大入賞口11に関連して、開閉板12が設けられている。開閉板12は、遊技盤2の盤面に沿った姿勢で大入賞口11を閉塞し、手前側に傾倒した姿勢で大入賞口11を開放するとともに遊技球を大入賞口11に案内する。
大当り遊技では、所定時間または10個の遊技球が入賞するまでの大入賞口11の開放を1ラウンドとして、大入賞口11の開放が2ラウンド行われる。大入賞口11への1個の遊技球の入賞に対し、予め定める個数(たとえば、15個)の賞球が払い出される。
センタユニット4の右方には、第2始動口7の上方に、遊技球が通過可能なゲート13が配置されている。
1球の遊技球がゲート13を通過すると、電チュー9を開放するか否かを決定するための普図抽選が行われる。普図抽選の結果は、たとえば、遊技盤2の右下部に配置された普図表示装置14を用いて報知される。すなわち、遊技盤2の右下部には、普図表示装置14が配置されており、普図表示装置14における図柄変動を経て(普図表示装置14に表示される図柄が次々と変動した後)、普図抽選の結果を表す普通図柄が普図表示装置14に停止して表示される。
<電気的構成>
図2は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機1は、主制御部21と、演出制御部22などの副制御部とを備えている。主制御部21と演出制御部22を含む副制御部とは、主制御部21から演出制御部22への一方向に信号を送信可能な信号線を介して接続されている。
主制御部21には、CPU23、ROM24およびRAM25を含むマイクロコンピュータが備えられている。ROM24には、各種プログラムが格納されている。RAM25には、第1特図保留記憶領域26、第2特図保留記憶領域27および普図保留記憶領域28が設けられている。
また、パチンコ機1には、遊技球が第1始動口6に入賞したことに応答して検出信号を出力する第1始動口センサ31と、遊技球が第2始動口7に入賞したことに応答して検出信号を出力する第2始動口センサ32と、遊技球が大入賞口11に入賞したことに応答して検出信号を出力する大入賞口センサ33と、遊技球がゲート13を通過したことに応答して検出信号を出力するゲートセンサ34とが備えられている。第1始動口センサ31、第2始動口センサ32、大入賞口センサ33およびゲートセンサ34の検出信号は、主制御部21に入力されるようになっている。
主制御部21には、制御対象として、第1特図表示装置8、第2特図表示装置10、普図表示装置14、第1特図表示装置8への第1特別図柄の表示の保留数(第1特図保留記憶領域26に記憶されている特別図柄乱数の数。以下「第1特図保留数」という。)を表示する第1特図保留表示部41、第2特図表示装置10への第2特別図柄の表示の保留数(第2特図保留記憶領域27に記憶されている特別図柄乱数の数。以下「第2特図保留数」という。)を表示する第2特図保留表示部42、普図表示装置14への普通図柄の表示の保留数(普図保留記憶領域28に記憶されている普通図柄乱数の数。以下「普図保留数」という。)を表示する普図保留表示部43、開閉板12を開閉駆動する開閉板駆動部44および電チュー9を開閉駆動する電チュー駆動部45が接続されている。
第1特図保留表示部41、第2特図保留表示部42および普図保留表示部43は、たとえば、それぞれ4個のLEDランプからなる。
開閉板駆動部44および電チュー駆動部45は、それぞれソレノイドなどを含む。
演出制御部22には、CPU51、ROM52およびRAM53を含むマイクロコンピュータが備えられている。
演出制御部22には、演出表示装置5およびスピーカ(図示せず)が接続されている。演出制御部22は、主制御部21からのコマンドに基づいて、演出表示装置5およびスピーカを制御し、演出表示装置5に演出画像などを表示させるとともに、スピーカから遊技を盛り上げるための効果音を出力させる。
図3は、主制御部が実質的に有する機能処理部を示す図である。
主制御部21は、CPU23によるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、第1特図乱数取得部61、第2特図乱数取得部62、普図乱数取得部63、第1特図保留優先モード設定部64、特図乱数判定部65、普図乱数判定部67、大当り遊技制御部68、高確/低確モード設定部69、時短/非時短モード設定部70、時短条件設定部71、第1特図変動時間設定部72および第2特図変動時間設定部73を実質的に有している。
<第1特図乱数取得部>
図4は、第1特図乱数取得部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
遊技球が第1始動口6に入賞し、第1始動口センサ31から主制御部21に検出信号が入力されると(ステップS1のYES)、第1特図乱数取得部61は、第1特図保留記憶領域26に記憶されている特別図柄乱数の数(第1特図保留数)が4であるか否かを判定する(ステップS2)。
第1特図保留数が4未満である場合(ステップS2のNO)、第1特図乱数取得部61は、特別図柄乱数を取得し(ステップS3)、その取得した特別図柄乱数を第1特図保留記憶領域26に格納する(ステップS4)。
一方、第1特図保留数が4である場合(ステップS2のYES)、第1特図乱数取得部61は、特別図柄乱数を取得しない。
特別図柄乱数は、主制御部21のCPU23が内蔵する乱数発生器によって極短周期(たとえば、33μsec周期)で更新されるハード乱数である。
第1特図保留記憶領域26に特別図柄乱数が格納されると、これに応答して、第1特図保留表示部41に表示される第1特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが追加して点灯)される。
<第2特図乱数取得部>
図5は、第2特図乱数取得部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
遊技球が第2始動口7に入賞し、第2始動口センサ32から主制御部21に検出信号が入力されると(ステップS11のYES)、第2特図乱数取得部62は、第2特図保留記憶領域27に記憶されている特別図柄乱数の数(第2特図保留数)が4であるか否かを判定する(ステップS12)。
第2特図保留数が4未満である場合(ステップS12のNO)、第2特図乱数取得部62は、特別図柄乱数を取得し(ステップS13)、その取得した特別図柄乱数を第2特図保留記憶領域27に格納する(ステップS14)。
一方、第2特図保留数が4である場合(ステップS12のYES)、第2特図乱数取得部62は、特別図柄乱数を取得しない。
第2特図保留記憶領域27に特別図柄乱数が格納されると、これに応答して、第2特図保留表示部42に表示される第2特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが追加して点灯)される。
<普図乱数取得部>
図6は、普図乱数取得部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
遊技球がゲート13を通過し、ゲートセンサ34から主制御部21に検出信号が入力されると(ステップS21のYES)、普図乱数取得部63は、普図保留記憶領域28に記憶されている普通図柄乱数の数(普図保留数)が4であるか否かを判定する(ステップS22)。
普図保留記憶領域28に記憶されている普通図柄乱数の数が4未満である場合(ステップS22のNO)、普図乱数取得部63は、普通図柄乱数を取得し(ステップS23)、その取得した普通図柄乱数を普図保留記憶領域28に格納する(ステップS24)。
一方、普図保留記憶領域28に記憶されている普通図柄乱数の数が4である場合(ステップS22のYES)、普図乱数取得部63は、普通図柄乱数を取得しない。
普通図柄乱数は、主制御部21において実行されるプログラム内で更新されるカウンタ型のソフト乱数である。
普図保留記憶領域28に普通図柄乱数が格納されると、これに応答して、普図保留表示部43に表示される普図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが追加して点灯)される。
<第1特図保留優先モード設定部>
図7は、第1特図保留優先モード設定部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
第1特図表示装置8に第1特別図柄が表示されるか、または、第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示されると、第1特図保留優先モード設定部64は、第1特図保留記憶領域26に特別図柄乱数が記憶されているか否か(第1特図保留の有無)、および、第2特図保留記憶領域27に特別図柄乱数が記憶されているか否か(第2特図保留の有無)を繰り返し調べる(ステップS31,S33)。
第1特図保留がある場合(ステップS31のYES)には、第1特図保留優先モード設定部64は、第2特図保留記憶領域27に特別図柄乱数が記憶されているか否かにかかわらず、第1特図保留を消化する(ステップS32)。すなわち、第1特図保留記憶領域26から1つの特別図柄乱数を読み出す。第1特図保留記憶領域26に複数の特別図柄乱数が記憶されている場合、最も先に第1特図保留記憶領域26に格納された特別図柄乱数が読み出される。第1特図保留記憶領域26から特別図柄乱数が読み出されると、これに応答して、第1特図保留表示部41に表示される第1特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
第1特図保留がなく(ステップS31のNO)、第2特図保留がある場合(ステップS33のYES)、第1特図保留優先モード設定部64は、第2特図保留を消化する(ステップS34)。すなわち、1つの第2特図保留記憶領域27から特別図柄乱数を読み出す。第2特図保留記憶領域27に複数の特別図柄乱数が記憶されている場合、最も先に第2特図保留記憶領域27に格納された特別図柄乱数が読み出される。第2特図保留記憶領域27から特別図柄乱数が読み出されると、これに応答して、第2特図保留表示部42に表示される第2特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
第1特図保留および第2特図保留のいずれも0である場合(ステップS31,S33のNO)、第1特図保留優先モード設定部64は、第1特図保留および第2特図保留の有無を繰り返し調べる。
<特図乱数判定部>
図8は、特図乱数判定部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
特図乱数判定部65は、第1特図保留優先モード設定部64によって第1特図保留記憶領域26または第2特図保留記憶領域27から特別図柄乱数が読み出されたことに応答して、その特別図柄乱数の値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かを判定する。
具体的には、特図乱数判定部65は、後述する高確モードが設定さているか否かを判断する(ステップS41)。
高確モードが設定されている状態では(ステップS41のYES)、特図乱数判定部65は、ROM24に記憶されている高確モード用判定値テーブルを参照する(ステップS42)。そして、第1特図保留記憶領域26または第2特図保留記憶領域27から読み出された特別図柄乱数の値がその高確モード用判定値テーブルに格納されている大当り判定値のいずれかと一致するか否かを判定する(ステップS43)。
一方、高確モードが設定されていない状態、つまり後述する低確モードが設定されている状態では(ステップS41のNO)、特図乱数判定部65は、ROM24に記憶されている低確モード用判定値テーブルを参照する(ステップS44)。そして、第1特図保留記憶領域26または第2特図保留記憶領域27から読み出された特別図柄乱数の値がその低確モード用判定値テーブルに格納されている大当り判定値のいずれかと一致するか否かを判定する(ステップS43)。
特別図柄乱数の値が大当り判定値と一致した場合(ステップS43のYES)、第1特図抽選または第2特図抽選の結果が大当りと判定され、大当り遊技の実行が決定される(ステップS45)。そして、第1特図抽選の結果が大当りと判定された場合には、第1特図表示装置8における図柄変動の後、大当りを表す第1特別図柄が第1特図表示装置8に停止して表示される。または、第2特図抽選の結果が大当りと判定された場合には、第2特図表示装置10における図柄変動の後、大当りを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に停止して表示される。
一方、特別図柄乱数の値が大当り判定値と一致しない場合(ステップS43のNO)、第1特図抽選または第2特図抽選の結果がはずれと判定され、大当り遊技は実行されない。第1特図抽選の結果がはずれと判定された場合には、第1特図表示装置8における図柄変動の後、はずれを表す第1特別図柄が第1特図表示装置8に停止して表示される。また、第2特図抽選の結果がはずれと判定された場合には、第2特図表示装置10における図柄変動の後、はずれを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に停止して表示される。
たとえば、高確モード用判定値テーブルは、特別図柄乱数の値と大当り判定値とが一致する確率、つまり第1特図抽選および第2特図抽選で大当りが出る確率(第1特図抽選での大当り確率)が1/25となるように作成され、低確モード用第1判定値テーブルは、特別図柄乱数の値と大当り判定値とが一致する確率が1/25.001となるように作成されている。これにより、高確モード時の大当り確率は、1/25である。また、低確モード時の大当り確率は、高確モード時の大当り確率よりもわずかに低く、1/25.001である。
<普図乱数判定部>
図9は、普図乱数判定部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
普図表示装置14に普通図柄が表示されると、普図乱数判定部67は、普図保留記憶領域28に普通図柄乱数が記憶されているか否か(普図保留の有無)を繰り返し調べる(ステップS61)。
普図保留がある場合(ステップS61のYES)、普図乱数判定部67は、普図保留記憶領域28から1つの普通図柄乱数を読み出す(ステップS62)。普図保留記憶領域28に複数の普通図柄乱数が記憶されている場合、最も先に普図保留記憶領域28に格納された普通図柄乱数が読み出される。
普図保留記憶領域28から普通図柄乱数が読み出されると、これに応答して、普図保留表示部43に表示される普図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
そして、普図乱数判定部67は、後述する時短モードが設定されているか否かを判断する(ステップS63)。
時短モードが設定されている状態では(ステップS63のYES)、普図乱数判定部67は、ROM24に記憶されている時短モード用判定値テーブルを参照する(ステップS64)。そして、普図保留記憶領域28から読み出した普通図柄乱数の値がその時短モード用判定値テーブルに格納されている普通当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS65)。
一方、時短モードが設定されていない状態、つまり後述する非時短モードが設定されている状態では(ステップS63のNO)、普図乱数判定部67は、ROM24に記憶されている非時短モード用判定値テーブルを参照する(ステップS66)。そして、普図保留記憶領域28から読み出した普通図柄乱数の値がその非時短モード用判定値テーブルに格納されている普通当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS65)。
普通図柄乱数の値が普通当り判定値と一致した場合(ステップS65のYES)、普図抽選が当りと判定されて、電チュー9の開放が決定される(ステップS67)。そして、普図表示装置14における図柄変動の後、その当りを表す普通図柄が普図表示装置14に停止して表示される。その後、電チュー駆動部45が制御されて、電チュー9が所定時間(たとえば、5秒間)だけ開姿勢にされる。
一方、普通図柄乱数の値が普通当り判定値と一致しない場合(ステップS65のNO)、普図抽選がはずれと判定され、電チュー9の閉姿勢が保持される。この場合、普図表示装置14における図柄変動の後、はずれを表す普通図柄が普図表示装置14に停止して表示される。
なお、時短モード用判定値テーブルは、普通図柄乱数の値と普通当たり判定値とが一致する確率、つまり普図抽選で当りが出る確率が相対的に高いように作成され、非時短モード用判定値テーブルは、普通図柄乱数の値と普通当たり判定値とが一致する確率が相対的に低いように作成されている。これにより、時短モードの設定中は、普図抽選で当りが出る確率が相対的に高く(たとえば、9998/10000)、非時短モードの設定中は、普図抽選で当りが出る確率が相対的に低い(たとえば、1/10000)。
<大当り遊技制御部>
第1特図抽選または第2特図抽選で大当りが出ると、大当り遊技制御部68は、開閉板駆動部44を制御して、大当り遊技を実行する。
図10は、第1特図抽選での大当りに対する大当り遊技の内容を示す表である。図11は、第2特図抽選での大当りに対する大当り遊技の内容を示す表である。
第1特図抽選での大当りに対する大当り遊技には、図10に示されるように、大当り遊技1および大当り遊技2の2種類がある。大当り遊技1,2のいずれが実行されるかは、第1特図保留記憶領域26から読み出された特別図柄乱数の値と一致した大当り判定値に基づいて決定される。第1大当り抽選での大当りに対して25%の確率で、大当り遊技1が実行され、75%の確率で、大当り遊技2が実行される。
大当り遊技1では、20秒間または10個の遊技球が入賞するまでの大入賞口11の開放を1ラウンドとして、大入賞口11の開放が2ラウンド行われる。この大当り遊技1で獲得が期待される賞球数(出玉数)は、300発である。
大当り遊技2では、5秒間または10個の遊技球が入賞するまでの大入賞口11の開放を1ラウンドとして、大入賞口11の開放が2ラウンド行われる。この大当り遊技2で期待される賞球数(出玉数)は、75発である。
第2特図抽選での大当りに対する大当り遊技は、図11に示されるように、大当り遊技1の1種類しかない。
大当り遊技1では、20秒間または10個の遊技球が入賞するまでの大入賞口11の開放を1ラウンドとして、大入賞口11の開放が2ラウンド行われる。この大当り遊技1で獲得が期待される賞球数(出玉数)は、300発である。
したがって、第2特図抽選での大当りは、第1特別抽選での大当りと比較して、遊技者にとって有利である。
<高確/低確モード設定部>
高確/低確モード設定部69は、大当り遊技の終了後、第1特図表示装置8に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が予め定める高確回数に達するまでの期間(高確期間)、第1特図抽選および第2特図抽選での大当り確率が相対的に高い高確モードを設定する。
そして、高確期間が終了すると、高確/低確モード設定部69は、第1特図抽選および第2特図抽選での大当り確率が相対的に低い低確モードを設定する。
高確回数は、たとえば、40回に設定されている。
<時短/非時短モード設定部>
時短/非時短モード設定部70は、大当り遊技の終了後、第1特図表示装置8に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が所定の時短回数に達するまでの期間(時短期間)、時短モードを設定する。
そして、時短期間が終了すると、時短/非時短モード設定部70は、非時短モードを設定する。
前述したように、時短モード時は、普図抽選で当りが出る確率が相対的に高く、非時短モード時は、普図抽選で当りが出る確率が相対的に低い。そのため、時短モード時は、電チュー9が相対的に高頻度で開閉し、第2始動口7への遊技球の入賞が相対的に容易である。したがって、時短モードは、第2始動口7への遊技球の入賞が相対的に容易となる態様で電チュー9が動作するモードであると言える。これに対し、非時短モード時は、電チュー9が相対的に低頻度で開閉し、第2始動口7への遊技球の入賞が相対的に困難である。したがって、非時短モードは、第2始動口7への遊技球の入賞が相対的に困難となる態様で電チュー9が動作するモードであると言える。
<時短条件設定部>
図12,13は、時短条件(時短期間の長さ)の設定に用いられる時短条件テーブルである。
時短条件設定部71は、図12に示される時短条件テーブルT1または図13に示される時短条件テーブルT2を参照して、時短期間の長さを設定する。時短条件テーブルT1,T2は、主制御部21のROM24に格納されている。
具体的には、第1特図抽選で大当りが出て、第1特図表示装置8に大当りを表す第1特別図柄が表示された場合、図12に示される時短条件テーブルT1が参照される。そして、現時点でのモード設定状態に基づいて、第1特図抽選での大当りに対する大当り遊技後に設定される時短モードの時短回数が設定される。
低確モードおよび非時短モードが設定されている状態(以下「低確・非時短状態」という。)では、時短回数が1回(<高確回数)に設定される。
低確モードおよび時短モードが設定されている状態(以下「低確・時短状態」という。)では、時短回数が60回(>高確回数)に設定される。
高確モードおよび非時短モードが設定されている状態(以下「高確・非時短状態」という。)では、時短回数が1回に設定される。
高確モードおよび時短モードが設定されている状態(以下「高確・時短状態」という。)では、時短回数が60回に設定される。
第2特図抽選で大当りが出て、第2特図表示装置10に大当りを表す第2特別図柄が表示された場合、図13に示される時短条件テーブルT2が参照される。そして、現時点でのモード設定状態に基づいて、第2特図抽選での大当りに対する大当り遊技後に設定される時短モードの時短回数が設定される。
低確・非時短状態では、時短回数が60回に設定される。
低確・時短状態では、時短回数が60回に設定される。
高確・非時短状態では、時短回数が1回に設定される。
高確・時短状態では、時短回数が60回に設定される。
図12,13を比較して理解されるように、第2特図抽選では、第1特図抽選よりも時短回数が60回に設定されやすい。よって、遊技者にとって、第2特図抽選は、第1特図抽選よりも有利である。
<第1特図変動時間設定部>
図14,15,16は、第1特図表示装置での図柄変動時間の設定に用いられる変動時間テーブルである。
第1特図変動時間設定部72は、図14に示される変動時間テーブルT3、図15に示される変動時間テーブルT4または図16に示される変動時間テーブルT5を参照して、第1特図表示装置8での図柄変動時間(第1特別図柄が表示されるまでに図柄変動が継続する時間)を設定する。変動時間テーブルT3,T4,T5は、主制御部21のROM24に格納されている。
具体的には、時短モードが設定されている状態(以下「時短状態」という。)で、時短モードから非時短モードに移行するまでに第1特図表示装置8に第1特別図柄を表示可能な回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄を表示可能な回数の合計である時短残り回数が2以上である場合には、図14に示される変動時間テーブルT3が参照される。そして、高確モードが設定されているか、低確モードが設定されているかにかかわらず、また、第1特図保留数にかかわらず、第1特図表示装置8での図柄変動時間が2秒間に設定される。
時短残り回数が1である場合には、図15に示される変動時間テーブルT4が参照される。そして、第1特図保留数にかかわらず、低確モードが設定されている場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が相対的に短い12秒間に設定され、高確モードが設定されている場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が相対的に長い20秒間に設定される。
非時短モードが設定されている状態(以下「非時短状態」という。)では、図16に示される変動時間テーブルT5が参照される。高確モードが設定されているか、低確モードが設定されているかにかかわらず、第1特図保留数が0〜2である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が12秒間に設定される。第1特図保留数が3である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が8秒間に設定される。第1特図保留数が4である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が4秒間に設定される。
なお、第1特図変動時間設定部72によって設定される図柄変動時間は、遊技者の大当りに対する期待感、興奮度を高めるためのリーチ演出画像などの特別な演出画像が演出表示装置5に表示されずに、第1特図表示装置8に第1特図抽選のはずれを表す第1特別図柄が表示される場合に適用され、特別な演出画像が演出表示装置5に表示される場合には、図柄変動時間がさらに長い時間に設定されてもよい。
<第2特図変動時間設定部>
図17,18,19は、第2特図表示装置での図柄変動時間の設定に用いられる変動時間テーブルである。
第2特図変動時間設定部73は、図17に示される変動時間テーブルT6、図18に示される変動時間テーブルT7または図19に示される変動時間テーブルT8を参照して、第2特図表示装置10での図柄変動時間(第2特別図柄が表示されるまでに図柄変動が継続する時間)を設定する。変動時間テーブルT6,T7,T8は、主制御部21のROM24に格納されている。
具体的には、時短状態で、時短残り回数が2以上である場合には、図17に示される変動時間テーブルT6が参照される。そして、高確モードが設定されているか、低確モードが設定されているかにかかわらず、また、第2特図保留数にかかわらず、第2特図表示装置10での図柄変動時間が2秒間に設定される。
時短残り回数が1である場合には、図18に示される変動時間テーブルT7が参照される。そして、第2特図保留数にかかわらず、低確モードが設定されている場合には、第2特図表示装置10での図柄変動時間が相対的に短い12秒間に設定され、高確モードが設定されている場合には、第2特図表示装置10での図柄変動時間が相対的に長い20秒間に設定される。
非時短状態では、図19に示される変動時間テーブルT8が参照される。そして、高確モードが設定されている場合には、第2特図保留数にかかわらず、第2特図表示装置10での図柄変動時間が20秒間に設定される。また、低確モードが設定されている場合には、第2特図保留数にかかわらず、第2特図表示装置10での図柄変動時間が12秒間に設定される。
なお、第2特図変動時間設定部73によって設定される図柄変動時間は、遊技者の大当りに対する期待感、興奮度を高めるためのリーチ演出画像などの特別な演出画像が演出表示装置5に表示されずに、第2特図表示装置10に第2特図抽選のはずれを表す第1特別図柄が表示される場合に適用され、特別な演出画像が演出表示装置5に表示される場合には、図柄変動時間がさらに長い時間に設定されてもよい。
<パチンコ遊技>
パチンコ機1では、電源が投入されると、低確モードおよび非時短モードが設定される。すなわち、パチンコ機1では、電源投入直後の遊技状態は、低確・非時短状態である。低確・非時短状態では、通常遊技が行われる。
通常遊技では、遊技者は、遊技球が遊技盤2内のセンタユニット4の左側に到達するようにハンドルの回動角度を調整する、いわゆる左打ちを行う。左打ちが行われると、遊技球は、センタユニット4の左側を落下し、センタユニット4の右側には流れない。また、遊技球がセンタユニット4の右側に流れることがあっても、それはごく希である。そのため、左打ちが行われている間、遊技球がゲート13を通過することはない。
ゲージ構成により、遊技球の一部は、センタユニット4の左側から第1始動口6に向かって落下する。遊技球がゲート13を通過しないので、電チュー9は閉じたままであり、第2始動口7に遊技球が入賞することはない。
第1特図保留数が0である状態で、遊技球が第1始動口6に入賞すると、第1特図表示装置8での図柄変動が開始される。低確・非時短状態であり、第1特図保留数が0であるので、第1特図表示装置8での図柄変動が12秒間にわたって続いた後(図16参照)、第1特図抽選の結果を表す第1特別図柄が第1特図表示装置8に停止して表示される。
通常遊技が進み、第1特図抽選で大当りが出ると、その大当りを表す第1特別図柄が第1特図表示装置8に表示される。低確・非時短状態で、第1特図表示装置8に大当りを表す第1特別図柄が表示された場合であるので、大当り遊技後に設定される時短モードの時短回数が1回に設定される(図12参照)。第1特図表示装置8における第1特別図柄の表示後、大当り遊技が実行される。大当り遊技では、ハンドルを最大限に回動させる、いわゆる右打ちを促すメッセージが演出表示装置5に表示され、遊技者は、右打ちを行う。右打ちが行われると、遊技球は、センタユニット4の右側を落下する。大入賞口11の開放中に、センタユニット4の右側を落下する遊技球の一部は、大入賞口11に入る。
図20は、大当り遊技後の第1特図表示装置および第2特図表示装置における図柄変動の合計回数(回転数)、遊技状態、ゾーンならびにナビイメージ(演出表示装置における遊技のナビゲーション表示のイメージ)の対応関係を示す表である。
大当り遊技後は、高確・時短状態に突入する。このとき、時短回数が1回に設定されているので、この時点で時短残り回数は1である。
高確・時短状態での遊技では、遊技者は、ハンドルを最大限に回動させる、いわゆる右打ちを行う。右打ちを促すため、「右打ちしろ!」というメッセージが演出表示装置5に表示される。右打ちが行われると、遊技球は、センタユニット4の右側を落下する。センタユニット4の右側を落下する遊技球は、ゲージ構成により、一部がゲート13を通過し、また、一部が第2始動口7に向かって落下する。
センタユニット4の右側を落下する遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選が行われる。時短状態における普図抽選では、高確率で当りが出るので、第1特図表示装置8における20秒間の図柄変動中に、通常は、第2始動口7への入賞、すなわち第2特図保留が得られる。大当り遊技終了後に、第1特図保留がある場合には、第1特図表示装置8で図柄変動が開始される。このとき、第1特図抽選の結果がはずれであれば、図柄変動時間は、図15に示されるように、20秒間に設定される。一方、大当り遊技終了後に、第1特図保留がない場合には、第2始動口7への入賞に応じて、第2特図表示装置10で図柄変動が開始される。このとき、第2特図抽選の結果がはずれであれば、図柄変動時間は、図18に示されるように、20秒間に設定される。
大当り遊技後、最初に実行された第1/第2特図抽選の結果が大当りである場合には、第1特図表示装置8/第2特図表示装置10に、所定時間の図柄変動の後、その大当りを表す第1/第2特別図柄が表示され、大当り遊技が再び実行される。このとき、高確・時短状態で、大当りを表す第1/第2特別図柄が表示された場合であるので、大当り遊技後に設定される時短モードの時短回数が60回に設定される(図12,13参照)。
以下、時短モードの時短回数が60回に設定された状態をラッシュモードという。ラッシュモード中には、右打ちを促すメッセージが演出表示装置5に表示され、遊技者は、右打ちを行う。ラッシュモード移行時に第1特図保留がある場合には、これが優先的に消化されるものの、右打ちにより、第1始動口6への入賞が抑制される一方、第2始動口7への頻繁な入賞により、持ち球の減少が抑制されるとともに、第2特図保留数が増加する。すなわち、ラッシュモード中は主に、大当たり時の出玉期待値の高い(図10,11参照)第2特図保留が消化されることになる。
また、ラッシュモード中には、高確時大当たり確率(約1/25)との関係から、約91.4%の確率で再度大当たりを引き当てることができ、前述のように、その大当たりが出玉期待値の高い第2特図に係るものとなる。
さらに、再度大当たりを引き当てた場合には、その大当たりに対する大当たり遊技の時短回数が再び60回に設定され(図12,13参照)、ラッシュモードが継続する。このラッシュモードの繰り返しにより、遊技者は、多くの出玉を獲得することができる。
一方、大当り遊技後、最初に実行される第1/第2特図抽選の結果がはずれであり、そのはずれを表す第1/第2特別図柄が第1特図表示装置8/第2特図表示装置10に表示されると、高確・時短状態から高確・非時短状態に移行する。非時短状態における普図抽選では、当りがほとんど出ないので、高確・非時短状態では、第2始動口7への遊技球の入賞は期待できない。また、高確・非時短状態から低確・非時短状態に移行した後に、第2特図表示装置10に大当りを表す第2特別図柄が表示された場合、その大当りに対する大当り遊技後に設定される時短モードの時短回数が60回に設定されるので(図13参照)、高確・非時短状態では、第2特図保留が消化されないことが好ましい。そのため、高確・非時短状態では、左打ちにより、第1始動口6に遊技球を入賞させることが遊技者に有利である。
そこで、高確・非時短状態に移行すると、左打ちを促すメッセージが演出表示装置5に表示される。この表示に従って、遊技者は、第1始動口6への遊技球の入賞を狙って左打ちする。
第1特図保留が絶えなければ、第2特図保留が消化されることはなく、第1特図表示装置8での図柄変動および第1特別図柄の表示が繰り返される。高確・非時短状態における第1特図表示装置8での図柄変動時間は、第1特図保留数に応じて異なる。第1特図保留数が0〜2である場合には、図柄変動時間が12秒間に設定されるので(図16参照)、図柄変動中に、第1特図保留を稼ぐことができる。また、第1特図保留数が3である場合には、図柄変動時間が8秒間に設定され、第1特図保留数が4である場合には、図柄変動時間が4秒間に設定される。そのため、第1特図保留数が3,4である場合には、第1特図保留が高速で消化される。
低確・非時短状態に移行した後、第2特図保留が消化される前に、第1特図表示装置8に大当りを表す第1特別図柄が表示されると、その大当りに対する大当り遊技後に設定される時短モードの時短回数が1回に設定されてしまう(図12参照)。この不利益が生じることを防止するためには、高確・非時短状態ですべての第1特図保留が消化されるとよい。
そのため、36回目の図柄変動中に第1特図保留数が4になった場合、37回目の図柄変動中に第1特図保留数が3になった場合、38回目の図柄変動中に第1特図保留数が2になった場合、39回目の図柄変動中に第1特図保留数が1になった場合および40回目の図柄変動中は、第1始動口6に遊技球を入賞させないことが好ましい。
そこで、36回目の図柄変動中に第1特図保留数が4になると、「止め打ちしろ!」というメッセージが演出表示装置5に表示される。同様に、37回目の図柄変動中に第1特図保留数が3になった場合、38回目の図柄変動中に第1特図保留数が2になった場合および39回目の図柄変動中に第1特図保留数が1になった場合にも、「止め打ちしろ!」というメッセージが演出表示装置5に表示される。また、40回目の図柄変動中にも、「止め打ちしろ!」というメッセージが演出表示装置5に表示される。この表示に従って、遊技者は、遊技球の発射を止める。したがって、この36回目の図柄変動の開始から40回目の図柄変動が終了するまでの期間は、低確・非時短状態での第2特図保留の消化の準備のための止め打ち準備ゾーンであると言える。
そして、第2特図保留が消化されることなく、40回目の図柄変動が終了し、第1特図表示装置8に第1特別図柄が表示されると、高確・非時短状態から低確・非時短状態に移行(転落)する。このとき、第1特図保留がすべて消化されていれば、41回目の図柄変動として、第2特図表示装置10での図柄変動が開始される。
第2特図表示装置10での図柄変動の後、第2特別図柄が第2特図表示装置10に表示されると、第2特図保留が1つ消化される。第2特図表示装置10に表示された第2特別図柄が第2特図抽選の結果がはずれであることを表すものであれば、第2特図表示装置10での新たな図柄変動が開始される。このようにして、4つの第2特図保留が次々と消化されていく。
第2特図保留の消化中に、第1始動口6に遊技球が入賞すると、その後、第1特図保留が第2特図保留に優先して消化されてしまう。すなわち、第1始動口6への遊技球の入賞時における第2特図表示装置10の図柄変動が終了した後、第1特図表示装置8での図柄変動が開始されてしまう。そこで、第2特図保留の消化中は、「止め打ちしろ!」というメッセージが演出表示装置5に表示される。
第2特図抽選での大当りを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に表示されることなく、4つの第2特図保留がすべて消化されると、低確・非時短状態での通常遊技となり、演出表示装置5へのメッセージの表示による打ち方のナビゲーションが終了する。
4つの第2特図保留がすべて消化される前に、第2特図抽選での大当りを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に表示されると、大当り遊技が再び実行される。このとき、低確・非時短状態で、第2特図表示装置10に大当りを表す第2特別図柄が表示された場合であるので、大当り遊技後に設定される時短モードの時短回数が60回に設定される(図13参照)。
時短モードの時短回数が60回に設定されると、前述したように、ラッシュ状態に突入する可能性がある。
したがって、第2特図保留が消化されていく期間は、ラッシュ状態に突入する可能性が高いチャンスゾーンであり、この期間においても、遊技者に、大当りを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に表示されることに対する期待感を持たせることができる。
そして、そのチャンスゾーンでは、低確・非時短状態であるので、第2特図表示装置10での図柄変動時間が12秒間に設定される。したがって、チャンスゾーンが短時間で終了せず、ある程度の時間にわたって、遊技者に大当りを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に表示されることに対する期待感を持たせ続けることができる。
<作用効果>
以上のように、このパチンコ機1では、第1始動口6への遊技球の入賞を契機に、第1特図抽選が実行される。そして、第1特図表示装置8での図柄変動が開始され、その図柄変動後、第1特図抽選の結果を表す第1特別図柄が第1特図表示装置8に表示される。第1特図表示装置8での図柄変動中に遊技球が第1始動口6に入賞した場合には、第1特図保留が得られる。
第2始動口7に関連して、開姿勢と閉姿勢とに変位可能な電チュー9が設けられている。開姿勢の電チュー9により、遊技球が第2始動口7へ案内され、第2始動口7に遊技球が入賞する。電チュー9が閉姿勢をなす状態では、第2始動口7への遊技球の入賞が阻止される。
第2始動口7への遊技球の入賞を契機に、第2特図抽選が実行される。そして、第2特図表示装置10での図柄変動が開始され、その図柄変動後、第2特図抽選の結果を表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に表示される。第2特図表示装置10での図柄変動中における第2始動口7への遊技球の入賞により、第2特図保留が得られる。
第1特図抽選または第2特図抽選で大当りが出ると、大当り遊技が実行される。大当り遊技では、遊技者が多数個の賞球を獲得できる。
大当り遊技の終了後は、第1特図抽選および第2特図抽選での大当り確率が相対的に高い高確モードおよび第2始動口7への遊技球の入賞が相対的に容易となる態様で電チュー9が動作する時短モードが設定され、高確・時短状態(いわゆる電サポありの高確状態)となる。
その後、高確モードが継続したまま、時短モードから第2始動口7への遊技球の入賞が相対的に困難となる態様で電チュー9が動作する非時短モードに移行し、高確・非時短状態(いわゆる電サポなしの高確状態)となる。この状態では、第1特図保留が第2特図保留よりも優先して消化される。すなわち、第1特図抽選の結果が第2特図抽選の結果よりも優先して報知される。
その後、高確モードが第1特図抽選および第2特図抽選での大当り確率が相対的に低い低確モードに移行すると、低確・非時短状態(いわゆる電サポなしの低確状態)となる。この状態で第2特図表示装置10に第2特図抽選での大当りを表す第2特別図柄が表示された場合には、高確・非時短状態で第1特図表示装置8に第1特図抽選での大当りを表す第1特別図柄が表示された場合または第2特図表示装置10に第2特図抽選での大当りを表す第2特別図柄が表示された場合と比較して、次の時短モードの長さ(時短期間)が長い期間に設定される。したがって、遊技者に、低確・非時短状態で第2特図表示装置10に大当りを表す第2特別図柄が表示されることに対する大きな期待を抱かせることができる。
そして、低確・非時短状態で第2特図表示装置10に大当りを表す第2特別図柄を表示させるためには、高確・時短状態で第2特図保留を獲得し、その第2特図保留を残したまま高確・非時短状態を脱して、低確・非時短状態で第2特図保留を消化させる必要がある。
本実施形態では、第1特図保留が第2特図保留よりも優先して消化されるので、第1特図保留を絶やさなければ、第2特図保留は消化されない。そのため、高確・非時短状態がその後しばらく継続する状況下では、第1特図保留を絶やさないように、遊技球を第1始動口6に入賞させるべく、遊技球を発射し続けることが遊技者に有利となる。言い換えれば、高確・非時短状態から低確・非時短状態に移行するまでに第1特別図柄または第2特別図柄を表示可能な回数が第1特図保留の上限数を超える状況下では、第1特図保留数がその上限数に達しない限り、遊技球の発射を止める、いわゆる止め打ちすることが遊技者に不利となる。
よって、高確・非時短状態における無駄な止め打ちを抑制することができる。たとえば、第1特図表示装置8での図柄変動中に、演出表示装置5に遊技者の興奮度を高めるための演出画像が表示される機種であっても、遊技者が演出画像の表示に見入るための止め打ちを抑制することができる。そして、無駄な止め打ちの抑制により、パチンコ機1を設置する遊技店(ホール)の売上の増大を図ることができる。
また、低確・非時短状態で第2特図保留が消化される前に第1特図抽選の大当りが出ることを防止するため、高確・非時短状態で第1特図保留が消化されたうえで、低確・非時短状態に移行することが好ましい。そのためには、高確・非時短状態が終了に近づき、低確・非時短状態に移行するまでに第1特別図柄または第2特別図柄を表示可能な回数(高確残り回数)が第1特図保留の上限数まで減少すると、遊技球の発射を止めればよい。
このように、低確・非時短状態で第2特図表示装置10に大当りを表す第2特別図柄が表示されるようにするため、高確・非時短状態では、その終了に近づくまでは第1始動口6を狙って遊技球を発射し続け、終了に近づくと止め打ちするという技術が介入する。その結果、低確・非時短状態で第2特図表示装置10に大当りを表す第2特別図柄が表示されることに対する大きな期待を遊技者に抱かせながら技術介入を必要とする、興趣に富んだ新規な遊技性を創出することができる。
また、時短モードおよび非時短モードのいずれが設定されているか、第1特図保留数、ならびに第2特図保留数に応じて、第1始動口6および第2始動口7のどちらへの遊技球の入賞が遊技者に有利であるか、つまり左打ちすべきか右打ちすべきかが報知される。
この報知により、遊技者は、第1始動口6および第2始動口7のどちらを狙って遊技球を発射させればよいかがわかる。よって、パチンコ機を遊技者にとって親切な仕様とすることができる。
<第2実施形態>
図21は、本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の主制御部が実質的に有する機能処理部を示す図である。図21において、図3に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
主制御部21は、プログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、第1特図乱数取得部61、第2特図乱数取得部62、普図乱数取得部63、第1特図保留優先モード設定部64、特図乱数判定部65、普図乱数判定部67、大当り遊技制御部68、高確/低確モード設定部69、時短/非時短モード設定部70、時短条件設定部71、第1特図変動時間設定部72、第2特図変動時間設定部73および第2特図保留優先モード設定部74を実質的に有している。
この実施形態に係るパチンコ機1では、遊技状態に応じて、第1特図保留優先モード設定部64による第1特図保留優先モードと、第2特図保留優先モード設定部74による第2特図保留優先モードとが選択的に設定される。
図22は、遊技状態と第1特図保留優先モードおよび第2特図保留優先モードの設定との対応関係を示す表である。
低確・時短状態、高確・非時短状態および高確・時短状態では、第1特図保留優先モード設定部64による第1特図保留優先モードが設定される。第1特図保留優先モードでは、第1特図保留優先モード設定部64により、図7に示される処理が実行される。
低確・非時短状態では、第2特図保留優先モード設定部74による第2特図保留優先モードが設定される。第2特図保留優先モードでは、第2特図保留優先モード設定部74により、次に説明する処理が実行される。
図23は、第2特図保留優先モード設定部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
第1特図表示装置8に第1特別図柄が表示されるか、または、第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示されると、第2特図保留優先モード設定部74は、第2特図保留記憶領域27に特別図柄乱数が記憶されているか否か(第2特図保留の有無)、および、第1特図保留記憶領域26に特別図柄乱数が記憶されているか否か(第1特図保留の有無)を繰り返し調べる(ステップS71,S73)。
第2特図保留がある場合(ステップS71のYES)には、第2特図保留優先モード設定部74は、第1特図保留記憶領域26に特別図柄乱数が記憶されているか否かにかかわらず、第2特図保留を消化する(ステップS72)。これに応答して、第2特図保留表示部42に表示される第2特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
第2特図保留がなく(ステップS71のNO)、第1特図保留がある場合(ステップS73のYES)、第2特図保留優先モード設定部74は、第1特図保留を消化する(ステップS74)。これに応答して、第1特図保留表示部41に表示される第1特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
第1特図保留および第2特図保留のいずれも0である場合(ステップS71,S73のNO)、第2特図保留優先モード設定部74は、第1特図保留および第2特図保留の有無を繰り返し調べる。
このように、低確・非時短状態において、第2特図保留が第1特図保留に優先して消化される。そのため、第1特図保留数が1以上である状態で、高確・非時短状態から低確・非時短状態に移行しても、低確・非時短状態では、第2特図保留が1以上であれば、第1特図保留が消化されずに、第2特図保留が消化され、第2特図抽選の結果を表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に表示される。
よって、大当り遊技後の36回目の図柄変動の開始から40回目の図柄変動が終了するまでの止め打ち準備ゾーンが不要となる。その結果、遊技への技術介入度を下げることができ、初心者に親切な遊技性を発揮することができる。
なお、止め打ち準備ゾーンがないので、大当り遊技後の36回目の図柄変動の開始から40回目の図柄変動が終了するまでの期間において、演出表示装置5に「止め打ちしろ!」というメッセージは表示されない。
<第3実施形態>
図24は、本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機に備えられる遊技盤の正面図である。図24において、図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
図24に示される遊技盤81では、ゲート13がセンタユニット4の左側に配置されている。そのため、遊技盤81を備えるパチンコ機1では、大当り遊技および高確・時短状態での遊技において、遊技者は、右打ちではなく、左打ちを行う。
遊技盤81を備えるパチンコ機1は、図21に示される構成の主制御部21を備えている。そして、遊技状態に応じて、第1特図保留優先モード設定部64による第1特図保留優先モードと、第2特図保留優先モード設定部74による第2特図保留優先モードとが選択的に設定される。
図25は、遊技状態と第1特図保留優先モードおよび第2特図保留優先モードの設定との対応関係を示す表である。
高確・非時短状態では、第1特図保留優先モード設定部64による第1特図保留優先モードが設定される。
高確・非時短状態以外の状態、つまり低確・時短状態、高確・時短状態および低確・非時短状態では、第2特図保留優先モード設定部74による第2特図保留優先モードが設定される。
この構成においても、第1特図保留数が1以上である状態で、高確・非時短状態から低確・非時短状態に移行した場合に、低確・非時短状態では、第2特図保留が1以上であれば、第1特図保留が消化されずに、第2特図保留が消化される。
よって、遊技への技術介入度を下げることができ、初心者に親切な遊技性を発揮することができる。
また、低確・時短状態および高確・時短状態において、第2特図保留が優先して消化されるので、ラッシュ状態中(連荘中)は、遊技者にとって有利な第2特図抽選での大当りが出やすく、遊技者に多量の賞球(出玉)の獲得への大きな期待を抱かせることができる。
<第1変形例>
図26は、高確・非時短状態における第1特図表示装置での図柄変動時間の設定に用いられる変動時間テーブル(変形例)である。
高確・非時短状態では、図16に示される変動時間テーブルT5に代えて、図26に示される変動時間テーブルT9が参照されて、第1特図表示装置8での図柄変動時間が設定されてもよい。
高確残り回数が11回以上である状態および5回以下である状態で、第1特図保留数が0〜2である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が12秒間に設定される。第1特図保留数が3である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が8秒間に設定される。第1特図保留数が4である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が4秒間に設定される。
これに対し、高確残り回数が5よりも大きく、かつ、11よりも小さい状態で、第1特図保留数が0〜3である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が8秒間に設定される。第1特図保留数が4である場合には、第1特図表示装置8での図柄変動時間が4秒間に設定される。
これにより、高確残り回数が6〜10である期間は、その他の期間と比較して、第1特図保留が高速で消化される。したがって、高確残り回数が6〜10である期間は、遊技者にとって、第1特図保留がなくなるかもしれない危険ゾーンであると言える。この危険ゾーンが設けられることにより、遊技者にスリルを与えることができる。
<第2変形例>
図27は、高確・時短状態における第1特図表示装置での図柄変動時間の設定に用いられる変動時間テーブル(変形例)である。
高確・時短状態では、図14〜16に示される変動時間テーブルT3〜T5に代えて、図27に示される変動時間テーブルT10が参照されて、第1特図表示装置8での図柄変動時間が設定されてもよい。
変動時間テーブルT10では、第1特図保留数にかかわらず、第1特図表示装置8での図柄変動時間として、20秒間と8秒間とが用意されている。そして、各第1特図保留が得られたときに実行される抽選により、第1特図表示装置8での図柄変動時間が20秒間と8秒間とに選択的に設定される。
これにより、遊技者の運によっては、大当り遊技直後の高確・時短状態での1回の図柄変動中に第2特図保留を得られない場合があり、遊技者の射幸心を煽ることができる。
<第3変形例>
図28は、高確・時短状態における第2特図表示装置での図柄変動時間の設定に用いられる変動時間テーブル(変形例)である。
高確・時短状態では、図14〜16に示される変動時間テーブルT3〜T5に代えて、図28に示される変動時間テーブルT11が参照されて、第2特図表示装置10での図柄変動時間が設定されてもよい。
すなわち、変動時間テーブルT11では、第2特図保留数にかかわらず、第2特図表示装置10での図柄変動時間として、20秒間と8秒間とが用意されている。そして、各第2特図保留が得られたときに実行される抽選により、第2特図表示装置10での図柄変動時間が20秒間と8秒間とに選択的に設定されてもよい。
<その他の変形例>
以上、本発明の実施形態およびいくつかの変形例について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、パチンコ機1では、大当り遊技の終了後、第1特図表示装置8に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が予め定める高確回数に達するまでの期間、高確モードが設定されるとした。これに代えて、たとえば、第1特図抽選および第2特図抽選と並行して転落抽選が行われて、転落抽選で当りが出た場合、それに応答して、高確モードから低確モードに移行されてもよい。
また、大当り遊技後、高確モードが必ず設定されるのではなく、第1特図抽選および第2特図抽選と並行して確変抽選が行われて、確変抽選で当りが出た場合にのみ、それに応答して、大当り遊技後に確変モードが設定されてもよい。
さらにまた、いわゆるリミッタ機能(低確状態下での初回大当たりが確変大当たり、初回大当たりと、以降の確変状態下での大当たりとの連続回数が所定回数に達した場合に、当該大当たり後の遊技状態を強制的に低確状態に設定する機能)を併用してもよい。たとえば、リミッタ回数を5回に設定した場合、高確・非時短状態での大当たりを繰り返したとしても、少なくとも5回大当たりを引けば、1回転の低確・時短状態へ移行し、さらにこの1回転で大当たりを引けなかったとしても、1回転の低確・時短状態中の第2始動口7への入賞等により、第2特図保留が残っている場合が多く、その後は、この第2特図保留を消化すべきチャンスゾーンへ移行することになる。すなわち、リミッタ機能の併用により、複数回の大当たりを条件として、確実にチャンスゾーンへ移行させることが可能となる。
また、遊技盤2,81内に第3始動口が設けられて、第2始動口への遊技球の入賞だけでなく、第3始動口への遊技球の入賞に対しても、第2特図抽選が行われて、第2特図保留が得られるようにしてもよい。
さらにまた、通常遊技(非時短モードの設定中)における普図抽選で当りが出る確率が比較的高い確率(たとえば、1/500)に設定されて、通常遊技中にも第2特図保留が得られるようにしてもよい。
時短モードにおける所定の条件の一例として、時短期間を取り上げたが、所定の条件は、開閉装置の1回の開放時間であってもよい。開放時間が長いほど、遊技者に有利となる。また、所定の条件は、普図抽選での当り確率(開閉装置を開姿勢に変位させることが決定される確率)であってもよい。当り確率が大きいほど、遊技者に有利となる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。