図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2、図3に示すように、遊技盤4の遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10(始動口)、開閉式の第2始動口11a(始動口、可変始動口)を有する始動口装置11、1対のゲート12(第2の始動口)、開閉式の大入賞口13a(可変特別入賞口)を有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が、夫々遊技球が通過可能に図示の配置で設けられている。第1始動口10、1対のゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、1対のゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有する。つまり、第2始動口11aは、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。つまり、大入賞口13aは、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに作動し得る。
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1 個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球が貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示器16及び可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は、そのセンタ枠体15aが遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、そのセンタ枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
画像表示器16は、画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体15aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示器16には、主に、大当り抽選等に基づいて選択された遊技演出パターンの演出画像(動画)が表示される。可動役物装置17は、大当り抽選等に基づいて特定の遊技演出パターンが選択された場合に作動して、可動役物17aを画像表示器4の画面前側において遊技盤4の盤面と平行な方向へ移動させる。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。尚、第1,第2特図表示器19a,19bが図柄表示手段に相当する。
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第1特図保留数に関わらず、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、1対のゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号、払出制御基板22からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22、演出制御基板23に制御情報を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報、払出球検出SW26b、球有り検出SW26c、満タン検出SW26dからの信号を受けて、払出モータ26aを制御し、遊技制御基板22に制御情報を出力する。演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報、演出ボタンSW6からの信号を受けて、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器16、スピーカ27を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の枠ランプ28a、盤ランプ28b、可動役物装置17を制御する。
図4に示すように、遊技制御基板21の主にコンピュータにより、図示の複数手段30〜37,40〜47,50が構成されている。
特図カウンタ手段30は、16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り判定値(大当りカウンタ値)を、設定範囲(0〜65535)内で微小時間(0.1μs)毎に順次更新し、また、8ビット構成の所謂ソフト乱数である特図判定値(特図カウンタ値)を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms)毎に順次更新する。
特図取得手段31は、第1特図保留数が4未満のときに遊技球が第1始動口10に入賞した場合、その遊技球入賞時に特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値と特図判定値を取得し、これら両判定値がペアで第1特図判定用情報となる。また、第2特図保留数が4未満のときに遊技球が第2始動口11aに入賞した場合、その遊技球入賞時に特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値と特図判定値を取得し、これら両判定値がペアで第2特図判定用情報となる。この特図取得手段31により取得された特図判定用情報が特図保留記憶手段32に記憶(格納)される。
特図保留消化手段33は、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定用情報を、特図表示器19a,19bでの特別図柄の変動開始毎に1ずつ特図判定手段34による判定に供して特図保留記憶手段32から消化(消去)する。但し、特図保留記憶手段32に第1,第2特図判定用情報の両方が記憶されている場合、第2特図判定用情報を第1特図判定用情報よりも優先して消化し、特図保留記憶手段32に複数の第1特図判定用情報又は複数の第2特図判定用情報が記憶されている場合、それら複数の第1特図判定用情報又は複数の第2特図判定用情報を夫々特図保留記憶手段32に記憶された順序で消化する。
特図判定手段34(判定手段)は、遊技球が始動口10,11aを通過することにより、特図取得手段31により取得された(特図保留記憶手段32に記憶された)特図判定用情報に基づいて、特別遊技を実行させるか否か判定し、特別遊技を実行させると判定した場合には、当該特別遊技実行後に設定される遊技状態を判定する。
具体的に、特図保留消化手段33により消化される特図判定用情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技である大当り遊技を実行させるか否か、また、大当り遊技と部類が異なる特別遊技である小当り遊技を実行させるか否か判定する。この場合、図5に示すように、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて判定する。
低確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/320 の割合で大当り特定値(3,247 ・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を実行させると判定し、高確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約10/320の割合で大当り特定値(3,7 ・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を実行させると判定し、低確テーブルと高確テーブルの何れを用いる場合でも、大当り判定値が約3/320 の割合で小当り特定値(4,44・・・)の何れかと一致する場合に、小当り遊技を実行させると判定する。
大当り遊技を実行させると判定した場合には、次に、その大当り判定値とペアの特図判定値に基づいて、複数種類の大当り図柄(図6に示す8種類の大当り図柄A〜H)の何れか1つを選択する。ここで、その特図判定値が第1特図判定用情報である場合、図6に第1図柄選択テーブルで示す選択率で図柄選択を行い、第2特図判定用情報である場合、図6に第2図柄選択テーブルで示す選択率で図柄選択を行う。そして、選択された大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技実行後に設定される遊技状態の種類が決定される。
特図表示制御手段35は、遊技球が始動口10,11aを通過することを契機に、特図判定手段34による判定結果に基づいて、特図表示器19a,19bに、特別図柄の変動を開始して、特別図柄を変動表示させた後に、前記判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。大当り遊技を実行させると判定された場合には、選択された大当り図柄A〜Hの何れか1つが停止表示され、小当り遊技を実行させると判定された場合には、小当り図柄が停止表示され、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を実行させないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。
特別遊技実行手段36は、特図表示器19a,19bに特定の判定図柄(大当り図柄、小当り図柄)が停止表示された場合、大入賞口13aを開閉させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を実行する。図7に示すように、大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定され、小当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄D,E,G,Hに対応する開閉パターンと同様に設定される。
具体的に、16R(ラウンド)長期開放では、大入賞口13aが16Rに亙って開閉され、各ラウンドは、大入賞口13aを開放して開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口13aを閉塞して終了する。8R長期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。8R短期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、例えば0.1秒経過するR終了条件が成立すると終了する。
ここで、特別遊技において大入賞口13aを8 R短期開放にて開閉させる遊技が第1特別遊技に相当し、この第1特別遊技よりも遊技者に有利に大入賞口13aを8 R長期開放にて開閉させる遊技が第2特別遊技に相当する。
大当り確率設定手段37は、特図判定手段34により特別遊技(大当り遊技)を実行させると判定される確率を、図5に示す低確テーブルを用いて所定の第1確率である低確率(約1/320)(第1確率状態)と、図5に示す高確テーブルを用いて低確率よりも高確率の第2確率である高確率(約10/320)(第2確率状態)の何れかに択一的に設定する。
一方、普図カウンタ手段40は、8ビット構成のソフト乱数である当り判定値(当りカウンタ値)を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms)毎に順次更新し、また、8ビット構成の所謂ソフト乱数である普図判定値(普図カウンタ値)を、設定範囲(0 〜9)内で微小時間(4ms )毎に順次更新する。
普図取得手段41は、普図保留数が4未満のときに遊技球がゲート12を通過した場合、その遊技球通過時に普図カウンタ手段40により更新された当り判定値と普図判定値を取得し、これら両判定値がペアで普図判定用情報となる。この普図取得手段41により取得された普図判定用情報が普図保留記憶手段42に記憶(格納)される。
普図保留消化手段43は、普図保留記憶手段42に記憶されている普図判定用情報を普図表示器19cでの普通図柄の変動開始毎に1ずつ普図判定手段44による判定に供して普図保留記憶手段42から消化(消去)する。但し、普図保留記憶手段42に複数の普図判定用情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定用情報を普図保留記憶手段42に記憶された順序で消化する。
普図判定手段44(第2の判定手段)は、ゲート12を遊技球が通過することにより、普図取得手段41により取得された(普図保留記憶手段42に記憶された)普図判定用情報に基づいて、補助遊技を実行させるか否か判定する。
具体的に、普図保留消化手段43により消化される普図判定用情報の当り判定値に基づいて、補助遊技を実行させるか否か判定する。補助遊技を実行させると判定した場合には、次に、その当り判定値とペアの普図判定値に基づいて、複数種類の当り図柄(図9に示す2種類の当り図柄a,b)の何れか1つを選択する。ここで、図9に示す選択率で図柄選択を行う。
普図表示制御手段45は、遊技球がゲート12を通過することを契機に、普図判定手段44による判定結果に基づいて、普図表示器19cに、普通図柄の変動を開始して、普通図柄を変動表示させた後に、前記判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。補助遊技を実行させると判定された場合には、選択された当り図柄a,bの何れか1つが停止表示され、補助遊技を実行させないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。
補助遊技実行手段46は、普図表示器19cに特定の判定図柄(当り図柄)が停止表示された場合、第2始動口11aを開閉させる補助遊技を実行する。図8、図9に示すように、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンは、当り図柄の種類、及び補助遊技作動モードの種類に応じて図示のように設定される。
ここで、0.1 秒(=0.1 秒×1回)が第1時間に相当し、5.7秒(=0.1秒×1回+5.6 秒×1回)又は6.0秒(=1.0秒×6回、2.0秒×3回)が第2時間に相当し、第2始動口11aを第1時間(0.1秒)開放する補助遊技が第1補助遊技に相当し、第1時間(0.1秒)よりも長い第2時間(5.7秒又は6.0秒)開放する補助遊技が第2補助遊技に相当する。
補助遊技設定手段47は、図8に示すように、補助遊技作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い、即ち補助遊技実行手段46により第2補助遊技が実行され難い低作動モード(非補助遊技状態)と、第2始動口11aを開状態に作動させ易い、即ち補助遊技実行手段46により第2補助遊技が実行され易い(始動条件の成立頻度が高い)高作動モード(補助遊技状態)の何れかを択一的に設定する。
具体的に、低作動モード(非補助遊技状態)では、普図判定手段44により補助遊技を実行させると判定される当り確率が1/10、普図表示器19cでの普通図柄の普図変動時間が12秒、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンが0.1秒×1回又は0.1秒×1回+5.6秒×1回に設定され、高作動モード(補助遊技状態)では、当り確率が10/10(始動条件の成立頻度) 、普図変動時間が0.5秒、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンが1.0秒×6回又は2.0秒×3回に設定される。
このように、低作動モードよりも高作動モードの方が、当り確率が高く、普図変動時間が短く、補助遊技実行中の第2始動口11aの開放時間が長くなる可能性が高く、故に、第2始動口11aを開状態に作動させ易くなり、遊技球が第2始動口11aに入賞し易くなる。また、低作動モードでは、第2補助遊技よりも第1補助遊技の方が実行され易く、高作動モードでは、第1補助遊技よりも第2補助遊技の方が実行され易くなる。
遊技状態設定手段50は、複数種類の遊技状態(図10に示す4種類の通常遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)の何れか1つを択一的に設定する。尚、時短遊技状態が第1遊技状態(第2有利状態)に相当し、確変遊技状態が第2遊技状態(第1有利状態)に相当する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には通常遊技状態を設定する。
図10に示すように、通常遊技状態、時短遊技状態が設定された場合、大当り確率設定手段37により大当り確率が低確率に設定され、潜確遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、大当り確率設定手段37により大当り確率が高確率に設定される。また、通常遊技状態、潜確遊技状態が設定された場合、補助遊技設定手段46により補助遊技作動モードが低作動モードに設定され、時短遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、補助遊技設定手段46により補助遊技作動モードが高作動モードに設定される。
遊技状態設定手段50は、特別遊技実行手段36により大当り遊技が実行された場合、その大当り遊技実行後の遊技状態を図7に示すように設定変更する。即ち、特図表示器19a,19bに大当り図柄A〜Cの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、16R長期開放又は8R長期開放となる当該大当り遊技終了時から確変遊技状態が設定され、大当り図柄A,Bの停止時には、特図表示器19a,19bでの特別図柄の特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させ、大当り図柄Cの停止時には、先ず、特図変動回数が50回に達すると、潜確遊技状態へ移行させ、更に、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。
特図表示器19a,19bに大当り図柄Dが停止表示されて、所謂「突確大当り」になった場合、8R短期開放となる当該大当り遊技終了時から確変遊技状態が設定され、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。特図表示器19a,19bに大当り図柄Eが停止表示されて、所謂「潜確大当り」になった場合、8R短期開放となる当該大当り遊技終了時から潜確遊技状態(又は確変遊技状態)が設定され、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。
特図表示器19a,19bに大当り図柄Fが停止表示されて、所謂「通常大当り」になった場合、8R長期開放となる当該大当り遊技終了時から時短遊技状態が設定され、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。特図表示器19a,19bに大当り図柄G,Hの何れかが停止表示されて、所謂「突通大当り」になった場合、大当り図柄Gの停止時には、8R短期開放となる当該大当り遊技終了時から時短遊技状態が設定され、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行させ、大当り図柄Hの停止時には、8R短期開放となる当該大当り遊技終了時から通常遊技状態が設定される。尚、特図表示器19a,19bに小当り図柄が停止表示されても遊技状態は変更されない。
図4に示すように、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25の主にコンピュータにより、特図判定手段34による判定結果に基づいて、演出機器65を用いて遊技演出を実行する演出実行手段60が構成され、この演出実行手段60が図示の複数手段61〜64を備えている。尚、演出機器65は、画像表示器16、可動役物装置17、スピーカ27、ランプ28a,28bにより構成され、演出実行手段60に含まれる。
演出モード設定手段61は、図11に示すように、複数種類の演出モード(4種類の通常演出モード、時短演出モード、確変演出モード、特殊演出モード)の中の何れか1つを、現在設定されている遊技状態に基づいて択一的に選択設定する。
図柄変動中遊技演出実行手段62は、図12(1)に示すように、特図表示器19a,19bに特別図柄を変動中に図柄変動中遊技演出を実行する。この図柄変動中遊技演出は、特別図柄の変動毎に実行され、特別図柄の変動開始と共に開始され、特別図柄の変動停止と共に停止(終了)される。
図13(1)に示すように、実行する図柄変動中遊技演出としては、特図判定手段34による判定結果と、演出モード設定手段61により設定された演出モードの種類に基づいて、複数種類の演出パターンの何れかが選択される。尚、通常演出モードが設定されているときには通常変動演出パターンが、時短演出モードが設定されているときには時短変動演出パターンが、確変演出モードが設定されているときには確変変動演出パターンが、特殊演出モードが設定されているときには特殊変動演出パターンが、夫々選択される。
具体的に、図14に示すように、画像表示器16(演出表示手段に相当する)に表示される図柄変動中遊技演出においては、(1)3つの演出図柄(例えば「123」)が停止状態から、選択された変動演出パターンに基づいて、(2)3組の演出図柄列が変動した後、(3)先ず、左側の演出図柄列が変動停止し、(4)次に、右側の演出図柄列が変動停止し、(5)最後に、中央の演出図柄列が変動停止して、3つの演出図柄「XYZ」が報知図柄として停止する。尚、その他、種々の変動演出パターンに応じた動画が表示される。
特別遊技演出実行手段63は、図12(2)に示すように、特図表示器19a,19bに特定の判定図柄(大当り図柄、小当り図柄)が停止表示された場合、その後、特別遊技が実行されて特別図柄が変動を開始する迄の間に特別遊技演出を実行する。
特別遊技演出実行手段63においては、先ず、オープニング演出実行手段63aが、特別遊技における大入賞口13aの開閉開始前にオープニング演出を実行し、続いて、ラウンド演出実行手段63bが、特別遊技における大入賞口13aの開閉中(ラウンド遊技に相当する)にラウンド演出を実行し、続いて、エンディング演出実行手段63cが、特別遊技における大入賞口13aの開閉終了後(エンディング遊技に相当する)にエンディング演出を実行する。
図13(2)に示すように、実行するオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出としては、特図判定手段34による判定結果と、演出モード設定手段61により設定された演出モードの種類に基づいて、複数種類の演出パターンの何れかが選択される。尚、オープニング演出にはオープニング演出パターンが、ラウンド演出にはラウンド演出パターンが、エンディング演出にはエンディング演出パターンが、夫々選択される。
具体的に、図15に示すように、画像表示器16に表示される特別遊技演出において、比較的多くの遊技球を獲得できる(16R又は8R長期開放)特別遊技が実行される場合には、(1)3つの報知図柄「XYZ」が停止状態から、オープニング演出において、(2)「大当り」を表示する。次に、ラウンド演出において、(3)先ず、「ラウンド1」を表示し、特別遊技(大当り遊技)の進行に応じて、(4)「ラウンド2」を表示し・・・、(5)最終ラウンドを表示する。その後、エンディング演出において、(6A)「確変モード突入」を表示する、又は、(6B)「時短モード突入」を表示する。
或いは、具体的に、図16に示すように、画像表示器16に表示される特別遊技演出において、遊技球を実質獲得できない(8R短期開放)特別遊技が実行される場合、(1)3つの報知図柄「XYZ」が停止状態から、オープニング演出において、(2)可動役物17aが移動して、その可動役物演出を表示する。次に、ラウンド演出において、( 3)例えばモード移行演出を表示し、その後、エンディング演出において、(4)「○○モード突入」を表示する。
判定結果報知手段64は、図判定手段34による判定結果を遊技演出を利用して報知する。そこで、基本的に、特図判定手段34による判定の結果、「確変大当り」「潜確大当り」「通常大当り」「突通大当り」(「突確大当り」以外の大当り)である場合、及び「小当り」である場合、その判定結果(正規判定結果)を図柄変動中演出において図柄表示器16に停止表示される報知図柄「XYZ」により報知する。
この報知図柄「XYZ」は、大当り又は小当りである場合、図17に示すように、特図判定手段34により判定され判定図柄の種類に基づいて決定される。例えば、大当り図柄Aにより「確変大当り」になった場合には「777」が決定され、大当り図柄Bにより「確変大当り」になった場合には「111」「333」「555」「999」の何れかが決定され、大当り図柄Fにより「通常大当り」になった場合には「222」「333」「666」「888」の何れかが決定される。尚、ハズレの場合には、図17に示す報知図柄以外の図柄が報知図柄として決定される。
即ち、図14に示すように、図柄変動中遊技演出において、画像表示器16に、前記のように正規判定結果として決定された報知図柄「XYZ」が停止表示され、図15、図16に示すように、その正規判定結果が報知された後に、特別遊技演出が実行される。
但し、判定結果報知手段64は、特図判定手段34による判定の結果、大入賞口13aを8 R短期開放にて開閉させる特別遊技(第1特別遊技)が実行され且つその後に確変遊技状態(第2遊技状態)が設定される「突確大当り」である場合、図柄変動中遊技演出と特別遊技演出の少なくとも一方の実行中に、大入賞口13aを8 R長期開放にて開閉させる特別遊技(第2特別遊技)が実行され且つその後に時短遊技状態(第1遊技状態)が設定される「通常大当り」である非正規判定結果を報知するとともに、その後、その非正規判定結果に代えて、「突確大当り」である正規判定結果を報知する。
実施例1では、判定結果報知手段64は、確変遊技状態(第2遊技状態)が設定されているときに行われた特図判定手段34による判定に基づいて、「突確大当り」である場合に、図柄変動中遊技演出の実行中に「通常大当り」である非正規判定結果を報知後に「突確大当り」である正規判定結果を報知する。
具体的に、図18に示すように、図柄変動中遊技演出において、(1)〜(4)演出図柄列が変動した後、非正規判定結果として報知図柄「222」が一旦仮停止し、次に、その報知図柄「222」に代えて、(5)演出図柄列が再度変動した後、(6)正規判定結果として報知図柄「123」が停止する。その後、オープニング演出において、(7)「突確大当り」を表示し、エンディング演出において、(8)「確変モード突入」を表示する。
以上説明したパチンコ遊技機1によれば次の作用・効果を奏する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されている場合、遊技者は、遊技球を第1始動口10に入賞させるために、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちを行う。つまり、左打ちにより第1始動口10を狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10に入賞すると、第1特図判定用情報が特図保留記憶手段32に記憶される。
また、左打ちにより左側のゲート12を狙うこともでき、普図保留数が4未満のときに、遊技球が左側のゲート12を通過すると、普図判定用情報が普図保留記憶手段42に記憶される。ここで先ず、普図保留記憶手段42に普図判定用情報が記憶されている場合、その普図判定用情報が普通図柄の変動開始毎に順次消化されて当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普通図柄としての当り図柄が変動停止後、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されている場合、補助遊技作動モードとして図8、図9に示す低作動モードが設定され、遊技球が第2始動口11aに殆ど入賞しないため、遊技者が所有の遊技球の数を減らして遊技を行うことになる。即ち、低作動モードが設定されると、普通図柄が変動開始されてから12秒後に変動停止され、1/10の確率で当り抽選で当選し、当り抽選で当選した場合、1/10(トータルで1/100 )の割合で当り図柄bが選択された場合にだけ、第2始動口11aが長期開放するからである。
一方、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている場合、遊技者は、遊技球を第2始動口11aに入賞させるために、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちを行う。右打ちにより右側のゲート12を狙うこともでき、前記同様、普図保留数が4未満のときに、遊技球が右側のゲート12を通過すると、普図判定用情報が普図保留記憶手段42に記憶される。
時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている場合、補助遊技作動モードとして図8、図9に示す高作動モードが設定され、遊技球が第2始動口11aに比較的多く入賞するため、遊技者が所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。即ち、高作動モードが設定されると、普通図柄が変動開始されてから0.5秒後に変動停止され、10/10の確率で当り抽選で当選し、当り抽選で当選した場合は全て、第2始動口11aが長期開放するからである。そして、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定用情報が特図保留記憶手段32に記憶される。
特図保留記憶手段32に特図判定用情報が記憶されている場合、その特図判定用情報が特別図柄の変動開始毎に順次消化されて大当り抽選が行われ、その際、特図保留記憶手段32に第1,第2特図判定用情報の両方が記憶されている場合、第2特図判定用情報が第1特図判定用情報よりも優先して消化され、また、第1,第2特図判定用情報は、夫々取得された順番で消化される。
その大当り抽選で当選した場合には、更に、複数種類の大当り図柄の何れかが選択され、そこで選択された大当り図柄が停止表示されて、大当り遊技が発生する。大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンとして、16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れかが選択実行される。遊技者が右打ちを行うことにより、16R長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、8R長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得できる。但し、8R短期開放では、遊技者が右打ちを行なっても、遊技球を実質獲得できない。
また、選択された大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技実行後の遊技状態として、通常遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態の何れかが選択設定される。ここで、確変遊技状態(時短遊技状態)が設定されている場合、遊技者が右打ちを行うことにより、第1特図判定用情報の消化は殆ど行われず、第2特図判定用情報の消化が連続的に行われる。そして、第2特図判定用情報の消化により大当り抽選で当選した場合の大当り図柄の選択対象は、図6の第2図柄選択テーブルの選択率に示すように、大当り図柄A,B,D,Fのみとなる。
つまり、確変遊技状態(時短遊技状態)が設定されている場合の特図判定手段34による判定では、大当り判定された場合には、大当り図柄A又はBにより大入賞口が長期開放する特別遊技が実行された後に確変遊技状態が設定される「確変大当り」、大当り図柄Dにより大入賞口が短期開放する特別遊技が実行された後に確変遊技状態が設定される「突確大当り」、大当り図柄Fにより大入賞口が長期開放する特別遊技が実行された後に時短遊技状態が設定される「通常大当り」、の何れかになる。
さて、特に、確変遊技状態が設定されているときには、遊技者は、遊技者に最も有利な「確変大当り」になることを目指して遊技を行う。故に、その「確変大当り」よりも遊技者に不利な「突確大当り」になった場合、遊技者が損をした気持ちになり、遊技者に遊技意欲の減退や失望感を招き兼ねない。ここで、「通常大当り」になった場合、「突確大当り」になった場合よりも多くの遊技球を獲得できる。しかし、「通常大当り」になった場合、当該大当り遊技実行後に設定される時短遊技状態において大当り確率が低確率になるため、遊技球を実質獲得できない大当り遊技実行後に設定される確変遊技状態において大当り確率が高確率になる「突確大当り」になった場合よりも遊技者に不利である。
つまり、特に、確変遊技状態が設定されているときに、「確変大当り」になることを目指して遊技を行う遊技者にとって、「突確大当り」になった場合よりも「通常大当り」になった場合の方が、遥かに、遊技者に遊技意欲の減退や失望感を招く虞が高くなる。このことを利用して(このことを遊技者が理解できることを前提に)、本発明では、「突確大当り」になった場合、図柄変動中演出の実行中に、先ず、「通常大当り」になる非正規判定結果を報知し、その後、その非正規判定結果に代えて、「突確大当り」になる正規判定結果を報知するように構成してある。
従って、遊技者は、先ず、「通常大当り」になる非正規判定結果の報知を受けて、遊技者が損をした気持ちになり、遊技者に遊技意欲の減退や失望感を招くことがあっても、その後、「通常大当り」よりも遊技者に有利な「突確大当り」になる正規判定結果の報知を受けることにより、遊技者が損をした気持ちになること、遊技者に遊技意欲の減退や失望感を招くことを緩和、或いは払拭することができる。つまり、先ず「通常大当り」である非正規判定結果を報知した後に「突確大当り」である正規判定結果を報知する演出を行うことにより、「突確大当り」の存在意義を高め、遊技性、並びに遊技興趣を一層向上させることができる。