JP5743787B2 - 光半導体素子収納用パッケージおよびこれを備えた光半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、LD(レーザダイオード)、PD(フォトダイオード)に代表される光半導体素子を収納する光半導体素子収納用パッケージおよびこれを備えた光半導体装置に関する。
光半導体素子を収納する光半導体素子収納用パッケージとしては、例えば、特許文献1に記載されたパッケージが知られている。特許文献1に記載されたパッケージは、側部に開口部を有する枠体および、この開口部の周辺の外表面に取着された貫通孔を有する筒状の固定部材を備えている。この固定部材に光ファイバあるいは光ファイバが挿入されたフェルールを固定することによって、光ファイバをパッケージ内に収納される光半導体素子と光学的に結合させることができる。
特開2000−106445号公報
特許文献1に記載されたパッケージの製造時あるいは使用時において、固定部材に熱応力が伝わる場合がある。このような場合、筒状の固定部材における貫通孔の軸方向がずれることによって、光ファイバの光半導体素子に対する所望の光学的な結合が得られない可能性がある。筒状の固定部材を枠体の開口部に挿入して固定することによって、筒状の固定部材における貫通孔の上記のずれを小さくできるが、光ファイバの光半導体素子に対するより良好な光学的結合が求められている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、筒状の固定部材における貫通孔の軸方向のずれが抑制されることによって光半導体素子の作動性を向上させることが可能な光半導体素子収納用パッケージを提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子を搭載するための搭載領域を有する基体と、前記搭載領域を囲むように前記基体の上面に設けられた、内周面および外周面に開口する開口部を有する枠体と、前記開口部に挿入された、前記枠体に囲まれた領域の内側および外側にそれぞれ開口する貫通孔を有する光ファイバ保持部材とを備えている。
前記光ファイバ保持部材は、前記開口部に挿入された筒状の本体部および該本体部の下方に位置して、前記枠体に囲まれた領域の内側において下端が前記基体の上面に接合部材によって接合された複数の本体支持部を有している。そして、前記本体支持部の前記下端における前記貫通孔の貫通方向に垂直で前記基体の前記上面に平行な方向の幅が、前記本体部における前記貫通孔の貫通方向に垂直で前記基体の前記上面に平行な方向の幅よりも小さいことを特徴としている。

上記の態様にかかる光半導体素子収納用パッケージにおいては、光ファイバ保持部材は、開口部に挿入された筒状の本体部および本体部の下方に位置して、枠体に囲まれた領域の内側において下端が基体の上面に接合部材によって接合された複数の本体支持部を有し
ている。このように複数の本体支持部を有していることから、光ファイバ保持部材を基体に固定することができる。
さらに、本体支持部の下端における貫通孔の貫通方向に垂直で前記基体の前記上面に平行な方向の幅が、本体部における貫通孔の貫通方向に垂直で前記基体の前記上面に平行な方向の幅よりも小さい。これにより、複数の本体支持部を基体の上面に接合する接合部材が、本体部を平面透視した場合に重なり合う領域において濡れ広がることが容易となる。そのため、光ファイバ保持部材を安定して基体に固定することができて、光ファイバ保持部材における貫通孔の軸方向のずれを抑制できる。結果として、光ファイバを光ファイバ保持部材に固定した場合に、光半導体素子に対する光学的な結合を良好なものにできる。
本発明の一実施形態の光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置を示す分解斜視図である。 図1に示す光半導体素子収納用パッケージにおける光ファイバ保持部材の拡大斜視図である。 (a)は、図2に示す光ファイバ保持部材の下面側からの平面図である。(b)は、図3(a)に示す光ファイバ保持部材のX−X断面図である。 図2に示す光ファイバ保持部材の第1の変形例を示す拡大斜視図である。 (a)は、図4に示す光ファイバ保持部材の下面側からの平面図である。(b)は、図5(a)に示す光ファイバ保持部材のX−X断面図である。 図2に示す光ファイバ保持部材の第2の変形例を示す拡大斜視図である。 (a)は、図6に示す光ファイバ保持部材の下面側からの平面図である。(b)は、図7(a)に示す光ファイバ保持部材のX−X断面図である。 図2に示す光ファイバ保持部材の第3の変形例を示す拡大斜視図である。 (a)は、図8に示す光ファイバ保持部材の下面側からの平面図である。(b)は、図9(a)に示す光ファイバ保持部材のX−X断面図である。
以下、各実施形態にかかる光半導体素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)、これを備えた光半導体装置について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明のパッケージ、光半導体装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
図1〜3に示すように、本実施形態の光半導体素子収納用パッケージ1は、上面に光半導体素子3(以下、単に光素子3ともいう)を搭載するための搭載領域を有する基体5と、搭載領域を囲むように基体5の上面に設けられた、内周面および外周面に開口する開口部を有する枠体7と、この開口部に挿入された、枠体7に囲まれた領域の内側および外側にそれぞれ開口する貫通孔を有する光ファイバ保持部材9(以下、単に保持部材9ともいう)とを備えている。
保持部材9は、開口部に挿入された筒状の本体部11および本体部11の下方に位置して、枠体7に囲まれた領域の内側において下端が基体5の上面に接合部材によって接合された複数の本体支持部13を有している。そして、本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D1が、本体部11における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D2よりも小さいことを特徴としている。
本実施形態のパッケージ1においては、保持部材9が、上記の複数の本体支持部13を有している。本体支持部13を1つではなく複数有していることから、保持部材9を基体5の複数の箇所に固定することができる。そのため、基体5に対して保持部材9の位置決めを安定して図ることができる。
特に、光素子3と光学的な結合を行う上では、保持部材9における枠体7に囲まれた領域の内側に位置する端部の位置決めが重要となる。本実施形態のパッケージ1においては、複数の本体支持部13がそれぞれ枠体7に囲まれた領域の内側にあることから、上記する保持部材9の端部の位置決めを安定して行うことができる。
また、本実施形態のパッケージ1においては、本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D1が、本体部11における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D2よりも小さい。本体支持部13を基体5の上面に接合部材を用いて接合することによって、本体支持部13の基体5に対する位置を固定することができる。
一方、複数の本体支持部13を接合部材によって基体5に接合している場合、本体支持部13の基体5に対する接合箇所に応力が集中する可能性がある。これは、接合部材が一部の領域に偏ることによって、この特定の領域における接合部材の量が過多となると、基体5、保持部材9および接合部材の熱膨張率の違いによって、この接合部材が過多となった領域に大きな熱応力が集中する可能性があるからである。
そのため、基体5の上面において接合部材を濡れ広がりやすくすることが求められる。本実施形態のパッケージ1においては、本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D1が、本体部11の貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D2よりも小さい。
本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D1が、本体部11の貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D2よりも大きい場合、接合部材が濡れ広がる上で本体支持部13自体が障害となる。そのため、例えば、複数の本体支持部13の1つの近くに存在する接合部材が他の本体支持部13の近くへと濡れ広がる上で、前者の本体支持部13の周囲を大きく迂回して濡れ広がることになる。そのため、後者の他の本体支持部13へと接合部材が濡れ広がることが難しくなる。
一方、本実施形態のパッケージ1においては、上記の通り、本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D1が、本体部11の貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D2よりも小さい。そのため、接合部材が本体支持部13の周囲を大きく迂回することなく濡れ広がることができる。これにより、基体5の上面の本体部11を平面透視した場合に重なり合う領域において濡れ広がることが容易となる。結果として、接合部材が特定の領域に偏ることが抑制されるので、保持部材9を安定して基体5に固定することができる。
本実施形態における基体5は、板形状であって、上面に光素子3を搭載するための搭載領域を有している。具体的には、本実施形態における基体5は、四角板形状の部分と、この四角板形状の部分の四隅にそれぞれ側方に引き出されてネジ止め孔が形成された部分とを有する形状となっている。このネジ止め孔によってパッケージ1を実装基板25にネジ止めすることによって、パッケージ1を実装基板25に固定することができる。なお、本実施形態において搭載領域とは、基体5を平面視した場合に光素子3と重なり合う領域を意味している。
基体5の例示的な大きさとしては、四角板形状の部分を、例えば一辺5mm以上50m
m以下に設定することができる。また、基体5の厚みとしては、例えば、0.2mm以上2mm以下に設定することができる。
本実施形態においては搭載領域が上面の中央部に形成されているが、光素子3が搭載される領域を搭載領域としていることから、例えば、基体5の上面の端部に搭載領域が形成されていても何ら問題ない。また、本実施形態の基体5は1つの搭載領域を有しているが、基体5が複数の搭載領域を有し、それぞれの搭載領域に光素子3が載置されていてもよい。
基体5の上面における搭載領域には光素子3が配設されている。入出力端子15などを介して光素子3と外部電気回路(不図示)との間で信号の入出力を行うことができる。このように、基体5の上面には光素子3が配設されることから、基体5としては、少なくとも光素子3が配設される部分には高い絶縁性を有していることが求められる。本実施形態における基体5は、複数の絶縁性部材を積層することにより作製される。そして、この基体5の搭載領域に光素子3が搭載される。絶縁性部材としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、又はガラスセラミック材料を用いることができる。
これらのガラス粉末およびセラミック粉末を含有する原料粉末、有機溶剤並びにバインダを混ぜることにより混合部材を作製する。この混合部材をシート状に成形することにより複数のセラミックグリーンシートを作製する。作製された複数のセラミックグリーンシートを積層することにより複数の積層体を作製する。複数の積層体をそれぞれ約1600度の温度で一体焼成することにより基体5が作製される。なお、基体5としては、複数の絶縁性部材が積層された構成に限られるものではない。1つの絶縁性部材により基体5が構成されていてもよい。
また、光素子3が直接に基体5の上面に実装されても良いが、本実施形態のパッケージ1のように、基体5の搭載領域上に配設された、光素子3を搭載するための搭載基板17を備えて、この搭載基板17上に光素子3が搭載されていても良い。搭載基板17としては、絶縁性部材と同様に絶縁性の良好な部材を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、又はガラスセラミック材料を用いることができる。
本実施形態のパッケージ1は、基体5の上面であって搭載領域を囲むように設けられた枠体7を備えている。枠体7としては、例えば、基体5と同様に、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、又はガラスセラミック材料を用いることができる。
また、絶縁性の良好な部材の他にも、例えば、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト及びタングステンのような金属部材、或いはこれらの金属からなる合金を用いることができる。このような金属部材のインゴットに圧延加工法、打ち抜き加工法のような金属加工法を施すことによって枠体7を構成する金属部材を作製することができる。また、枠体7は、1つの部材からなっていてもよいが、複数の部材の積層構造であってもよい。
本実施形態のパッケージ1は、基体5および枠体7の間に位置して、基体5および枠体7を接合する接合材を備えている。接合材としては、例えばロウ材を用いることができる。例示的なロウ材としては、銀ロウが挙げられる。
本実施形態における枠体7は、内周面および外周面に開口する開口部(第1の開口部)を有している。第1の開口部は枠体7の内周面および外周面にそれぞれ開口する貫通孔の形状である。この第1の開口部には、保持部材9が挿入して固定されている。より具体的には、保持部材9は、一端が枠体7の内側に位置するとともに、他端が枠体7の外側に位置するように枠体7に固定されている。
保持部材9は、枠体7に囲まれた領域の内側および外側にそれぞれ開口する貫通孔を有している。保持部材9は光ファイバを保持して固定するための部材である。本実施形態における保持部材9は、光ファイバを固定して位置決めを図るとともに、筒状であることによって、この筒形状の中空部分で光半導体素子3と光ファイバとの間での光の伝達を行うことができる。
保持部材9は、第1の開口部に挿入された筒状の本体部11および本体部11の下方に位置して、枠体7に囲まれた領域の内側において下端が基体5の上面に接合部材によって接合された複数の本体支持部13を有している。複数の本体支持部13はそれぞれの少なくとも一部が貫通孔の貫通方向に沿って重なり合うように並設されている。それぞれの本体支持部13は平面視した場合に貫通孔の貫通方向に平行な方向と比較して貫通方向に垂直な方向が長い形状である。このように並設された複数の本体支持部13を有していることから、上述の通り、枠体7に囲まれた領域の内側に位置する端部の位置決めを安定して行うことができる。
さらに、本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D1が、本体部11における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D2よりも小さいことから、本体支持部13を基体5の上面に接合部材を用いて接合することによって、本体支持部13の基体5に対する位置を固定することができる。本体部11の例示的な大きさとしては、内径が1.5〜8mm程度、外径D2が3〜10mm程度であって、貫通孔の貫通方向に平行な方向の長さが2〜25mm程度とすることができる。本体支持部13の例示的な大きさとしては、貫通孔の貫通方向に平行な方向の幅が1〜3mm程度、貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅D1が2.5〜9mm程度とすることができる。
本体部11は、図2に示すように円筒形状であっても良いし、図4,5に示すように内周面が円筒形状であるとともに外周面が四角柱形状であっても良い。本体支持部13は、本体部11と基体5との間に位置して本体部11を支持していればよい。そのため、本体支持部13の全体が本体部11の下端よりも厳密に下方に位置している必要はない。
例えば、図2に示すように本体部11が円筒形状である場合、本体部11と基体5との間に位置して本体部11を支持していれば、本体支持部13の一部が本体部11の側方に位置していても良い。また、本体支持部13の下端は、図に示すように、平坦面であることが好ましい。本体支持部13の下端が平坦面であることによって、本体支持部13の基体5に対してより安定して固定することができるからである。
複数の本体支持部13は、図3に示すように、それぞれ少なくとも一部が貫通孔の中心軸Yの下方に位置していることが好ましい。本体支持部13が本体部11を支持することによって、保持部材9が基体5に対して安定して位置決めされている。これによって、光ファイバを光ファイバ保持部材9に固定した場合に、光素子3に対する光学的な結合を良好なものにできる。光ファイバと光素子3との光軸を合わせて光学的な結合を良好なものにするため、光軸の位置に対応する貫通孔の中心軸Yの下方に複数の本体支持部13のそれぞれ少なくとも一部が位置していることが好ましい。
より具体的には、複数の本体支持部13が、貫通孔の中心軸Yを間に挟むようにそれぞれ位置していることによって上記の通り基体5に対して安定して位置決めできる。そのため、図4〜7に示すように、複数の本体支持部13が貫通孔の中心軸Yの下方に位置していなくても、これらの本体支持部13が貫通孔の中心軸Yを間に挟むようにそれぞれ位置している場合には、基体5に対して安定して位置決めできる。
また、それぞれ少なくとも一部が貫通孔の中心軸Yの下方に位置している場合に、図3に示すように、複数の本体支持部13の1つが、本体部11における貫通孔の中心軸に対して平行な2つの側面の一方側と上下に重なり合わず、複数の本体支持部13の他の1つが、2つの側面の他方側と上下に重なり合わない構成であることが好ましい。
上記のように複数の本体支持部13が、本体部11における貫通孔の中心軸に対して平行な2つの側面に対して互い違いとなるように配設されている場合には、基体5の上面における、平面視した場合にこれらの本体支持部13および上記2つの側面で囲まれた領域と上下に重なり合う箇所の対角線上に接合部材を濡れ広げやすくなる。そのため、複数の本体支持部13をさらに安定して基体5に固定し易くなる。
また、複数の本体支持部13の1つが、本体部11における枠体7に囲まれた領域の内側に位置する端部の下方に位置していることが好ましい。上述の通り、光ファイバを光ファイバ保持部材9に固定することによって、光ファイバと光素子3とが光学的に結合される。この光学的な結合を精度の高いものとするためには、特に光ファイバ保持部材9における光素子3に最も近い所での位置ずれを抑制することが求められる。
図4,5に示すように、複数の本体支持部13の1つが、本体部11における枠体7に囲まれた領域の内側に位置する端部の下方に形成されていることによって、上記の光ファイバ保持部材9における光素子3に最も近い所での位置ずれをさらに抑制することができる。
本体支持部13は、図2,3に示すように貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅が一定であっても良いが、図8,9に示すように、本体部11の下端部よりも下方に位置する部分における上端から下端に向かって貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅が小さくなっていることが好ましい。本体支持部13を基体5に接合する接合部材は本体支持部13の下面を含む下端部分に接合される。
このとき、本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅が小さい程に接合部材が濡れ広がる事が容易となる。本体支持部13が上記の構成である場合には、本体支持部13の本体部11に対する接合面を大きくして本体部11を本体支持部13によって安定して保持することができる一方で、接合部材が濡れ広がる事をさらに容易にすることができる。さらに、本体支持部13の下端における貫通孔の貫通方向に垂直な方向の幅が小さい程に基体5と本体支持部13との熱膨張係数差に起因して生じる応力を低減させることができ、基体5と本体支持部13との接合部におけるクラックや剥がれを抑制することができる。
保持部材9としては、少なくとも光ファイバを固定できる程度の強度を有していることが好ましい。具体的には、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト及びタングステンのような金属部材、或いはこれらの金属からなる合金を用いることができる。このような金属部材のインゴットに圧延加工法、打ち抜き加工法のような金属加工法を施すことによって筒状の保持部材9を作製することができる。
特に、枠体7と保持部材9とが、同じ金属部材を用いて形成されていることが好ましい
。枠体7と保持部材9との熱膨張差を小さくすることができるので、枠体7と保持部材9との間に生じる応力を小さくすることができるからである。
接合部材は、入出力端子15を基体5に接合するための部材である。接合部材としては、例えばロウ材のような金属部材を用いることができる。例示的なロウ材としては、銀ロウが挙げられる。
本実施形態のパッケージ1の使用時においては、保持部材9の他方の端部にフェルールが固定される。フェルールは、保持部材9の貫通孔に対して一方の端部が開口する貫通孔を有している。そして、フェルールの貫通孔には光ファイバが挿入して固定されている。このようにフェルールが保持部材9に挿入固定されていることによって、光ファイバと半導体素子との光学結合を行うことができる。
フェルールとしては、例えば、ジルコニア、アルミナ等のセラミック材料をもちいることができる。また、光ファイバとしては、石英ガラスのような透光性の材料を用いることができる。なお、本実施形態におけるフェルールは筒状の保持部材9の内周面に固定されているが、これに限られるものではない。例えば、保持部材9の他方の端部の端面にフェルールを接合することによって固定してもよい。
本実施形態のパッケージ1における枠体7は、上記第1の開口部とは別に第2の開口部を有している。第2の開口部には、入出力端子15が挿入固定されている。第2の開口部は、上記の第1の開口部と同様に内周面から外周面にかけて貫通する貫通孔の形状であっても良いが、枠体7の基体5と接合する下面側であって、基板および枠体7の間に部分的に枠体7の内周側および外周側に開口する形状であってもよい。
入出力端子15は、絶縁部材19および絶縁部材19の上面に配設された複数の配線導体21を有している。これらの配線導体21を介して光半導体素子3と外部電気回路(不図示)との間で信号の入出力を行うことができる。このように、絶縁部材19の上面には配線導体21が配設されることから、絶縁部材19としては、高い絶縁性を有していることが求められる。絶縁部材19の例示的な大きさとしては、平面視した場合の一辺が1〜20mm程度であって、厚みが0.5〜2mm程度である四角板形状の部材を用いることができる。
絶縁部材19としては、絶縁性基板と同様に、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体のようなセラミック材料、又はガラスセラミック材料を用いることができる。配線導体21としては、導電性の良好な部材を用いることが好ましい。具体的には、タングステン、モリブデン、ニッケル、銅、銀および金のような金属材料を配線導体21として用いることができる。上記の金属材料を単一で用いてもよく、また、合金として用いてもよい。
本実施形態の光半導体装置101は、上記の形態に代表されるパッケージ1と、基体5の搭載領域に搭載された光半導体素子3と、枠体7に接合された、光半導体素子3を封止するための金属からなる蓋体23とを備えている。また、本実施形態の光半導体装置101においては、パッケージ1が、基体5の有するネジ止め孔において実装基板25にネジ止め固定されている。
パッケージ1は、基体5の有するネジ止め孔において、実装基板25にネジ止め固定される。本実施形態の半導体装置においては、基板の搭載領域に光素子3が搭載されている。また、光素子3は配線導体21にボンディングワイヤ27によって接続されている。この光素子3に外部電気回路(不図示)から外部信号を入力することにより、光素子3から
所望の出力を得ることができる。光素子3としては、例えば、LD素子に代表される、光ファイバに対して光を出射する発光素子3、PD素子に代表される、光ファイバに対して光を受光する受光素子3が挙げられる。
蓋体23は、枠体7に接合され、光素子3を封止するように設けられている。蓋体23は、枠体7の上面に接合されている。そして、基体5、枠体7および蓋体23で囲まれた空間において光素子3を封止している。このように光素子3を封止することによって、長期間のパッケージ1の使用による光素子3の劣化を抑制することができる。
蓋体23としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト及びタングステンのような金属部材、或いはこれらの金属からなる合金を用いることができる。また、枠体7と蓋体23は、例えばシーム溶接法によって接合することができる。また、枠体7と蓋体23は、例えば、金−錫ロウを用いて接合してもよい。
以上、本発明の一実施形態の光半導体素子収納用パッケージ1、これを備えた光半導体装置101について説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や実施の形態の組み合わせを施すことは何等差し支えない。
1・・・光半導体素子収納用パッケージ(パッケージ)
101・・・光半導体装置
3・・・光半導体素子(光素子)
5・・・基体
7・・・枠体
9・・・光ファイバ保持部材(保持部材)
11・・・本体部
13・・・本体支持部
15・・・入出力端子
17・・・搭載基板
19・・・絶縁部材
21・・・配線導体
23・・・蓋体
25・・・実装基板
27・・・ボンディングワイヤ

Claims (6)

  1. 上面に光半導体素子を搭載するための搭載領域を有する基体と、
    前記搭載領域を囲むように前記基体の上面に設けられた、内周面および外周面に開口する開口部を有する枠体と、
    前記開口部に挿入された、前記枠体に囲まれた領域の内側および外側にそれぞれ開口する貫通孔を有する光ファイバ保持部材とを備え、
    前記光ファイバ保持部材が、前記開口部に挿入された筒状の本体部および該本体部の下方に位置して、前記枠体に囲まれた領域の内側において下端が前記基体の上面に接合部材によって接合された複数の本体支持部を有し、
    該本体支持部の前記下端における前記貫通孔の貫通方向に垂直で前記基体の前記上面に平行な方向の幅が、前記本体部における前記貫通孔の貫通方向に垂直で前記基体の前記上面に平行な方向の幅よりも小さいことを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
  2. 前記複数の本体支持部は、それぞれ少なくとも一部が前記貫通孔の中心軸の下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子収納用パッケージ。
  3. 前記複数の本体支持部の1つは、前記本体部における前記枠体に囲まれた領域の内側に位置する端部の下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子収納用パッケージ。
  4. 前記本体支持部は、前記本体部の下端部よりも下方に位置する部分における上端から下端に向かって前記貫通孔の貫通方向に垂直で前記基体の前記上面に平行な方向の幅が小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子収納用パッケージ。
  5. 前記本体支持部の前記下端が平坦面であることを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子収納用パッケージ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の光半導体素子収納用パッケージと、
    前記搭載領域に搭載された光半導体素子と、
    前記枠体に接合された、金属からなり前記光半導体素子を封止する蓋体とを備えたことを特徴とする光半導体装置。
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