JP5743321B2 - エレベータシステム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、火災時の救出運転を安全に行うことができるエレベータシステムの救出運転方法及びエレベータシステムに関する。
一般に、建物内において火災が発生した場合、建物内から人員を避難させる手段として、建物に備えられているエレベータを活用することが考えられている。このようなエレベータを用いた避難に関し、多くの提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−269154号公報
ところで、エレベータシステムは、エレベータの乗りかごに設けられたかご呼び登録装置及び各階エレベータホールに設けられた乗り場呼び登録装置からの呼びに応じて乗りかごを目的階に移動させている。このようなエレベータシステムにおいて、建物のエレベータ乗り場、又はその近くで火災が発生したり、或いは、炎が回ってきている場合は、その熱によって乗り場呼び登録装置に設けられた呼びボタンの接点が溶着してしまうことがある。
このように乗り場呼びボタンの接点が溶着してしまうと、非常用エレベータの場合、避難者はこの乗り場呼び登録装置から呼びを行うことができなくなる。また、乗り場呼びボタンの接点が溶着すると、運転制御装置側から見ると、乗り場呼びが継続して出力されてることと同じ状態となる。このため、エレベータで避難運転しているとき、この接点溶着による乗り場呼びに応答し、乗りかごが火災発生階に着床してドアを開いてしまい、乗客が被害を受ける可能性がある。
解決しようとする課題は、炎が接近しているようなエレベータホールへの着床を確実に防止できるエレベータシステムの救出運転方法及びエレベータシステムを提供することにある。
本発明の実施の形態によれば、エレベータの乗りかごに設けられたかご呼び登録装置及び各階エレベータホールに設けられた乗り場呼び登録装置からの呼びに応じて前記乗りかごを目的階に移動させるエレベータシステムの救助運転方法であって、建物内の火災が検出されると、各階乗り場呼び登録装置からの乗り場呼びをキャンセルし、各階乗り場呼び登録装置により、複数回のボタン連打による救助呼び方法を案内させ、前記救助呼び方法の案内後、表示した救助呼び方法による呼びがあった場合のみ、救助呼びのあった階床への救助運転を許可することを特徴とする。
本発明の実施の形態によるエレベータシステムは、建物内の火災発生が検出されると、各階乗り場呼び登録装置からの乗り場呼びをキャンセルし、各階乗り場呼び登録装置に、呼びボタン連打による救助呼び方法を案内させる救助呼び指示手段と、前記救助呼び方法の案内後、案内した救助呼び方法による呼びがあった場合のみ、救助呼びのあった階床への救助運転を許可する救助運転制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の一実施の形態に係るエレベータシステムの全体構成を示す構成図である。 本発明の一実施の形態における乗り場呼び登録装置の構成を説明する図である。 本発明の一実施の形態における運転制御装置の構成を説明する図である。 本発明の一実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1はこの実施の形態に係るエレベータシステムの全体構成を示している。図1において、建物10内には昇降路14が設けられ、この昇降路14内にはエレベータ乗りかご(以下、単に乗りかごと呼ぶ)12と釣合錘21とがそれぞれ図示しないガイドレールにより昇降可能に設けられている。これら乗りかご12と釣合錘21とは、巻き上げ機17のシーブに巻き掛けられたロープ22により接続されており、巻き上げ機17の回転により相互に昇降駆動される。
建物10の乗りかご12が停止可能な各階床のエレベータホールには、乗り場呼び登録装置15がそれぞれ設けられている。また、乗りかご12内には、乗客の操作により目的階を指定するかご呼び登録装置16が設けられている。エレベータの運転制御装置11は各乗り場呼び登録装置15及びかご呼び登録装置16と伝送ライン13によりそれぞれ接続しており、乗り場呼び登録装置15及びかご呼び登録装置16からの呼びに応じて巻上機17を制御し、乗りかご12を目的階に移動させる。また、この運転制御装置11は、建物10の各階に設けられた火災検出器23と接続しており、各火災検出器23からの火災検出信号が入力される。
各階床のエレベータホールに設けられた乗り場呼び登録装置15は、図2で示すように、乗り場呼びボタン25及び表示パネル26を有する乗り場表示装置27と、乗り場制御装置28とを有し、運転制御装置11との間で伝送ライン13を介して各種信号を授受する。また、乗り場表示装置27の盤面上に、煙又は炎を感知する感知素子29を設けており、その感知信号は、乗り場制御装置28及び伝送ライン13を経て運転制御装置11に入力される。
運転制御装置11は、前述のように、乗り場呼び登録装置15及びかご呼び登録装置16からの呼びに応じて巻上機17を制御し、乗りかご12を目的階に移動させるものであり、図3で示すように、上記機能を実行する運転制御手段30の他に、救助呼び指示手段31と、救助運転制御手段32とを有する。
救助呼び指示手段31は、各火災検出装置23からの火災検出信号や、各乗り場呼び登録手段15の表示部27に設けられた煙又は炎感知素子29からの感知信号が入力され、建物10内の火災発生が検出されると、その時点で入力されていた各階乗り場呼び登録装置15からの乗り場呼びを一旦、全てキャンセルする。その後、各階乗り場呼び登録装置15に、呼びボタン連打による救助呼び方法を案内させ、乗り場にいる避難者に救助呼び方法を指示する。この呼びボタン連打による救助呼び方法とは、例えば、「乗り場呼びボタン(UP/DNの何れでも可)25を10回繰り返して押す」ことであり、その旨、各階乗り場呼び登録装置15から、図示しない音声出力装置により音声出力したり、表示パネル26に文字表示したりする。
救助運転制御手段32は、各階乗り場呼び登録装置15により上述した救助呼び方法が案内された後、案内したとおりの救助呼び方法による呼び(正しい救助呼びとする)があると、運転制御手段30に対して救助運転を許可し、正しい救助呼びのあった階床へ乗りかご16を向わせて着床させるよう指示する。また、この正しい救助呼びのあった階床の呼びボタン25の応答灯を点灯させ、救助予備を行った避難者に対して救助が受け付けられたことを知らせる。
また、救助運転制御手段32は、各階乗り場呼び登録装置15による救助呼び方法の案内が行われた後に、一定時間以上連続した呼びがあった場合、この呼びが接点溶着によるものと判断し、呼びのあった階床への救出運転は許可しない。また、この一定時間以上連続した呼びのあった階床に対しては、その階床の乗り場呼び登録装置15により、この乗り場呼び登録装置15は使えないことを案内させる。この案内も、音声出力又は文字表示のいずれか又は双方により行う。
次に、この実施の形態の動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。
建物10内に火災が発生すると、運転制御装置11の救助呼び指示手段31には、発生場所近くの火災検出装置23や乗り場呼び登録手段15の煙又は炎感知素子29から火災検出信号や感知信号が入力されるので、建物10内の火災発生が検出される(ステップ401:Y)。火災発生が検出されると、その時点で入力されていた各階乗り場呼び登録装置15からの乗り場呼びを一旦、全てキャンセルする(ステップ402)。その後、各階乗り場呼び登録装置15により、呼びボタン連打による救助呼び方法の案内が、音声出力や文字表示により行われる(ステップ403)。
各階乗り場呼び登録装置15による救助呼び方法の案内が行われた後に、一定時間以上連続した呼びがあった場合(ステップ404:Y)、この呼びは接点溶着によるものと判断し、その階床の乗り場呼び登録装置15により、この乗り場呼び登録装置15は呼び登録を行えないことを案内させる(ステップ405)。勿論、この一定時間以上連続した呼びのあった階床への救出運転は許可しない。したがって、炎などに起因する接点溶着が生じ、呼び登録と同じ状態が継続しても、これを接点溶着と判別するので、炎が乗り場近くにまで周っている危険な階床に乗りかごが着床することはなく、乗客を安全に保護することができる。
一方、救助呼び方法が案内された後に、案内したとおりのボタン連打による呼びを検出すると(ステップ406:YES)、これを正しい救助呼びと認識し、この正しい救助呼びのあった階床の呼びボタン25の応答灯を点灯させる(ステップ407)。これにより、救助呼びを行った避難者に対して救助が受け付けられたことを知らせる。また、このボタン連打による呼びが行われた階床に対して優先的に呼び応答オペレーションを実行する(ステップ408)。すなわち、運転制御手段30に対して救助運転を許可し、正しい救助呼びのあった階床へ乗りかご16を向わせて着床させ、避難者を救助するよう指示する。さらに、このボタン連打による呼びが行われたことを、乗りかご12内のかご呼び登録装置16にも受けた表示パネルに表示することにより、乗りかご名12の運転手(消防士など)に、避難者の存在を知らせることができ、救助運転を効果的に行うことができる。したがって、実際に避難者が存在し、救出呼びを行っている階床に乗りかごを着床させ、この避難所を救出することができる。
このように、火災発生時に、各階床からの乗り場呼び登録を一旦キャンセルし、各階床の乗り場呼び登録装置17よって、ボタン連打により呼びを行うように案内するので、避難者による乗り場呼びなのか、呼びボタンの接点溶着による誤った呼びなのかを明確に判別できる。したがって、炎が乗り場にまで達して乗り場呼びボタン25の接点が溶着した危険な階床に乗りかごを着床させてドア開するようなことは確実に防止することができ、救出運転に対する安全性がより一層向上する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11・・・運転制御装置
12・・・乗りかご
15・・・乗り場呼び登録装置
16・・・かご呼び登録装置
23・・・火災検出器
25・・・乗り場呼びボタン
26・・・表示パネル
27・・・乗り場表示装置
29・・・煙又は炎感知素子
30・・・運転制御手段
31・・・救助呼び指示手段
32・・・救助運転制御手段

Claims (5)

  1. エレベータの乗りかごに設けられたかご呼び登録装置及び各階エレベータホールに設けられた乗り場呼び登録装置からの呼びに応じて前記乗りかごを目的階に移動させるエレベータシステムの救助運転方法であって、
    建物内の火災が検出されると、各階乗り場呼び登録装置からの乗り場呼びをキャンセルし、各階乗り場呼び登録装置により、複数回のボタン連打による救助呼び方法を案内させ、
    前記救助呼び方法の案内後は、表示した救助呼び方法による呼びがあった場合のみ、救助呼びのあった階床への救助運転を許可する
    ことを特徴とするエレベータシステムの救助運転方法。
  2. エレベータの乗りかごに設けられたかご呼び登録装置及び各階エレベータホールに設けられた乗り場呼び登録装置からの呼びに応じて前記乗りかごを目的階に移動させるエレベータシステムであって、
    建物内の火災発生が検出されると、各階乗り場呼び登録装置からの乗り場呼びをキャンセルし、各階乗り場呼び登録装置に、呼びボタン連打による救助呼び方法を案内させる救助呼び指示手段と、
    前記救助呼び方法の案内後は、案内した救助呼び方法による呼びがあった場合のみ、救助呼びのあった階床への救助運転を許可する救助運転制御手段と、
    を備えたことを特徴とするエレベータシステム。
  3. 前記救助運転制御手段は、前記救助呼び方法の案内後に、案内した救助呼び方法による呼びがあった場合、救助呼びのあった階床の呼びボタンの応答灯を点灯させることを特徴とする請求項2に記載のエレベータシステム。
  4. 前記救助運転制御手段は、前記救助呼び方法の案内後に、一定時間以上連続した呼びがあった場合、呼びのあった乗り場呼び登録装置に、この乗り場呼び登録装置は使えないことを案内させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のエレベータシステム。
  5. 前記各階乗り場呼び登録装置からの案内出力は、音声出力装置による音声出力又は表示パネルによる文字表示のいずれか又は双方であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のエレベータシステム。
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