JP5743278B2 - 常温収縮チューブの拡径方法 - Google Patents

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Description

本発明は、常温収縮チューブの拡径方法に関するものである。
従来から、電力ケーブルの端部同士を接続する中間接続部には、絶縁を施すために、該中間接続部の外周に絶縁材料からなる常温収縮チューブを被せることが行われている。
上記電力ケーブルの接続部の絶縁作業は以下のようにして行われる。
まず、常温収縮チューブの中心孔に、筒状に形成された拡径支持体を挿通して、常温収縮チューブを予め拡径しておく。この拡径した常温収縮チューブを一方の電力ケーブルに被せ、接続処理する箇所から外れた位置に退避させておく。この状態で二本の電力ケーブルの導体を接続する。
この後、導体接続処理をした箇所(中間接続部)に常温収縮チューブを引き戻し、しかる後に常温収縮チューブを拡径していた拡径支持体を取り除き常温収縮チューブを収縮させる。これによって中間接続部を常温収縮チューブで覆って絶縁を施す。
なお、上記拡径支持体としては、例えば、プラスチック製紐状体を螺旋状に巻回して円筒状に形成したものが提供されている。このタイプの拡径支持体は、プラスチック製紐状体の一端側から引きほどくことで常温収縮チューブと中間接続部の間から取り除くことが可能となっている。
上記のように常温収縮チューブは、電力ケーブルの接続作業前に予め内側に拡径支持体を挿入して拡径しておく必要がある。
図5に示すように、かかる常温収縮チューブ130の拡径作業には拡径部材100が使用される。この拡径部材100は、中空円筒状の大径部111と、大径部よりも外径が小さい小径部112と、この小径部112と大径部111との間で小径部112の外径から大径部111の外径に徐々に拡径する形状に形成されたテーパ部113とを備えている。
また、大径部111の内側には中心に支柱114が設けられており、常温収縮チューブに拡径支持体120を挿入する場合には、図示のように、大径部111と支柱114との間に拡径支持体120がセットされる。なお、その場合、拡径支持体120は、その一端部の外周面が大径部111の一端部から突出するようにセットされる。
上記構成の拡径部材100を使用して常温収縮チューブ130を拡径するには、拡径部材100の小径部112を常温収縮チューブ130の内側に挿入し、当該常温収縮チューブ130を小径部112,テーパ部113,大径部111の順番に外周面上を滑らせて拡径支持体120側に相対的に移動させる。
この際、拡径部材100の外周面或いは常温収縮チューブ130の内側には、常温収縮チューブ130に浸透しない成分からなる潤滑剤が予め塗布される。
そして、常温収縮チューブ130の先端部が大径部111の端部を越えると自己収縮して拡径支持体120の外周面上に乗り、更に大径部111の外周面上を滑らせて常温収縮チューブ130を押し込むと、常温収縮チューブ130は拡径支持体120上に完全に乗り移り、拡径支持体120上に拡径状態で支持される(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−287327号公報
ところで、拡径部材100を用いて常温収縮チューブ130を拡径するときに、常温収縮チューブが座屈することがある。常温収縮チューブ130に座屈を生じると、その内部に剥離を生じたり、表面に皺が形成されたりして、電気特性や絶縁性能の低下等が生じる原因となることから、座屈の防止は重要な課題となっている。
本発明者の経験では、常温収縮チューブ130の内周面と小径部112の隙間が大きい場合に、常温収縮チューブ130の内周面は小径部112から接触圧を得ることが出来ず、不安定な状態で拡径が行われることから、図6に示すように、常温収縮チューブ130の端部近傍に座屈が発生し易くなる傾向がある。
また、常温収縮チューブ130の内周面と小径部112との間の隙間が小さい場合でも、テーパ部113における拡径量が大きくなると、やはり、常温収縮チューブ130を拡径する過程で座屈が生じてしまう場合があった。
特に、近年は、常温収縮チューブ130は、製品コストの低減、当該チューブが装着された中間接続部の細径化などの観点から薄肉化の要求が高くなっているが、常温収縮チューブ130を薄肉化すると、上記の座屈が発生し易くなることから、常温収縮チューブの薄肉化の障害にもなっていた。
また、座屈の防止対策としては,拡径部材のテーパ部の円錐面の傾斜角度を小さくする方法も考えられるが、その場合、テーパ部が従来よりも長くなり、拡径部材のストロークの増大により拡径作業を行うための設備が大型化するという新たな問題が生じるために実施が困難であった。
本発明は、常温収縮チューブの拡径作業において座屈の発生の低減を図ることをその目的とする。
本発明は、電力ケーブルの接続部に被覆装着される常温収縮チューブを拡径し、その中心孔に拡径保持用筒体を挿入するために、前記常温収縮チューブの中心孔に円錐面を有する拡径部材を挿入する常温収縮チューブの拡径方法であって、前記常温収縮チューブの外周面に、伸縮性を備えたシート状の部材からなる補強用筒状体を巻回して前記常温収縮チューブの外周面の全体に密着した状態で覆うように装備してから前記拡径部材により拡径を行い、拡径された前記常温収縮チューブの中心孔に前記拡径保持用筒体を挿入し、その後、前記補強用筒状体を前記常温収縮チューブから除去することを特徴とする。
上記常温収縮チューブの拡径方法では、常温収縮チューブにおける拡径部材側の端部に外周面上に伸縮性を備えた補強用筒状体を装備してから拡径を行うので、常温収縮チューブの先端部は元々の厚みに加えて補強用筒状体の厚みを加えた肉厚の状態とすることができる。そして、常温収縮チューブの先端部は、補強用筒状体による補強効果により、円錐面に圧接したときに半径方向外側への応力に耐えることが可能となるため、座屈の発生を回避することが可能となる。
また、補強用筒状体は伸縮性を備えるので、常温収縮チューブの拡径時には当該常温収縮チューブと共に拡径するため、拡径作業の妨げとはならない。
なお、補強用筒状体は、少なくとも拡径時に座屈を生じ易い範囲、多くの場合は、常温収縮チューブにおける拡径部材の円錐面に対向する端部側の外周面上に補強用筒状体を装備すれば良いが、当該端部近辺に限らず、常温収縮チューブの外周面全体を覆う補強用筒状体を装備しても良い。
また、本発明は、補強用筒状体を、シート状の部材を常温収縮チューブに巻回することにより形成しているので、シート状の部材であれば製造が容易であるため、作業全体のコストの低減を図ることが可能となる。また、拡径保持用筒体の挿入作業後に常温収縮チューブから補強用筒状体を除去する作業を容易に行うことが可能となる。
また、補強用筒状体をシート状の部材を用いて形成することで、巻回量の調節により補強用筒状体の厚みを容易に調節することができ、拡径時に拡径部材を挿入するための負荷と座屈防止効果とのバランスを考慮した適正な厚みに調節することが容易となる。
本発明は、少なくとも、常温収縮チューブにおける拡径部材側の端部外周面上に、伸縮性を備えた補強用筒状体を装備してから拡径を行うことにより、常温収縮チューブの座屈の発生を効果的に低減することができるので、これにより、表面の皺、内部剥離等による常温収縮チューブの電気特性や絶縁性能の低下を回避することができ、常温収縮チューブが電力ケーブルの中間接続部に取り付けられた場合に、高い絶縁性を安定的に発揮することが可能となる。
また、常温収縮チューブの座屈の発生を低減することが可能となるので、常温収縮チューブをより薄肉化して常温収縮チューブの材料コスト低減や当該チューブを装着した中間接続部の細径化を実現することが可能となる。
また、本発明は、拡径部材のテーパ部の円錐面の傾斜角度を小さくせずに座屈を防止が可能であるため、テーパ部の長大化及び設備の大型化を回避することが可能である。
電力ケーブルの中間接続部に常温収縮チューブを配置した状態を示すケーブルの中心線に沿った断面による断面図である。 常温収縮チューブを電力ケーブルの中間接続部に取り付ける作業を順番に示した説明図であって、図2(A)は常温収縮チューブの位置を中間接続部に合わせた状態、図2(B)は拡径保持用筒体の解体を開始した状態、図2(C)は拡径保持用筒体の除去が完了した状態を示す。 図3(A)は常温収縮チューブの中心孔を拡径するための拡径部材の側面図、図3(B)は図3(A)におけるX−X線に沿った断面図である。 常温収縮チューブに対する拡径保持用筒体の装着のための拡径作業を示す工程図であって、図4(A)拡径開始前の各部の配置を示し、図4(B)は拡径部材の前進移動開始状態を示し、図4(C)は常温収縮チューブに対する拡径部材の挿入完了状態を示し、図4(D)はこの挿入が完了した拡径部材と常温収縮チューブを一旦後退させた状態を示し、図4(E)は拡径部材が常温収縮チューブから完全に脱した状態を示す。 従来の拡径部材の側面図である。 従来の拡径部材による常温収縮チューブの座屈発生状況を示す説明図であって、図6(A)は常温収縮チューブを断面視した側面図を示し、図6(B)は側面図を示す。る。
[発明の実施形態の概要]
本発明の実施の形態について図1〜図4に基づいて説明する。
本実施形態は、電力ケーブル90,90の中間接続部91を絶縁するために被覆装着される常温収縮チューブ80の中心孔81に予め拡径保持用筒体70を挿入するための拡径方法に関するものである。
この常温収縮チューブ80の拡径方法では、当該常温収縮チューブ80の外周面に補強用筒状体60を装着し、かかる状態で後述する拡径部材10により拡径を行うことを特徴とするものである。
[電力ケーブル]
図1は、電力ケーブル90,90の中間接続部91に常温収縮チューブ80を配置した状態を示している。
上記電力ケーブル90,90の端部は、ビニールシース94、絶縁層93を順次段剥ぎして導体92を露出させ、導体92,92同士を接続管で接続するなど周知の手法で中間接続部91を形成する。
[常温収縮チューブ]
常温収縮チューブ80は、図1に示すように、中心孔81が形成された筒状の絶縁層82と、絶縁層82の内周面上であって長手方向中間位置に形成された内部半導電層84と、絶縁層82の外周面全体を覆うように形成された外部半導電層83とを備えている。
上記絶縁層82は、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレン等の絶縁性材料から形成され、内部半導電層84及び外部半導電層83は上記絶縁性材料にカーボンを添加した半導電性ゴムから形成されている。さらに、絶縁層82、内部半導電層84及び外部半導電層83は、一体成型されている。
上記常温収縮チューブ80の中心孔81の内径は、電力ケーブル90及び中間接続部91の外径よりも小さく設定されている。この常温収縮チューブ80は、中間接続部91に装着する前に、その内径が電力ケーブル90の外径よりも大きな拡径保持用筒体70が中心孔81に装着され、電力ケーブル90を容易に挿入できるようにされる。そして、電力ケーブル90の中間接続部91が形成された後に拡径保持用筒体70を除去して、常温収縮チューブ80を収縮させて電力ケーブル90及び中間接続部91の外周面への密着を可能としている。
[拡径保持用筒体]
拡径保持用筒体70は、例えば、プラスチック製の紐状体71を螺旋状に巻回し、互いに隣接する紐状体71の側面同士を融着もしくは接着することで全体を円筒状に形成している。
拡径保持用筒体70の内径寸法は、電力ケーブル90の外径よりも大きく設定されており、拡径保持用筒体70を常温収縮チューブ80の中心孔81に装着することで、電力ケーブル90の挿入を容易とし、また、電力ケーブル90に対して常温収縮チューブ80を任意に移動させることができる。
この拡径保持用筒体70は、全体を構成する紐状体71の一端部をその中心線方向に沿って引っ張ることで紐状体71の接合面同士を剥離させることができ、これにより、拡径保持用筒体70を一端部から順次解体して、常温収縮チューブ80の内側から除去することが可能となっている。
[常温収縮チューブの取り付け作業]
図2は常温収縮チューブ80を電力ケーブル90,90の中間接続部91に取り付ける作業を順番に示した説明図である。
まず、一方の電力ケーブル90を常温収縮チューブ80の内側の拡径保持用筒体70に通した状態で、接続を行う電力ケーブル90,90の導体92,92を接続し、所定の処理を施して中間接続部91を形成する。
この後、図2(A)に示すように、常温収縮チューブ80を中間接続部91の周囲に配置し、拡径保持用筒体70の紐状体71の一端部を当該拡径保持用筒体70の内側から逆側の端部に引っ張り出して、拡径保持用筒体70を一端側から解体する。これにより、図2(B)に示すように、常温収縮チューブ80は一端側から収縮し、その内周面が電力ケーブル90の段剥ぎ部分及び中間接続部91等の外周面に密着する。
そして、図2(C)に示すように、拡径保持用筒体70の解体除去が完了すると、常温収縮チューブ80が完全に電力ケーブル90,90の段剥ぎ部分及び中間接続部91に密着し、これら全てを被覆して、その取り付けが完了する。
[拡径部材]
上述したように、常温収縮チューブ80を電力ケーブル90の中間接続部91に装着するには、予め、拡径保持用筒体70を常温収縮チューブ80の中心孔81に挿入する必要があるが、収縮性を有する常温収縮チューブ80に対してその中心孔81よりも大径の拡径保持用筒体70を挿入するには、常温収縮チューブ80の中心孔81を拡径させるための拡径部材10が必須となる。
図3(A)は常温収縮チューブ80の中心孔81を拡径するための拡径部材10の側面図、図3(B)は図3(A)におけるX−X線に沿った断面図である。
拡径部材10は、拡径作業において最初に常温収縮チューブ80の中心孔81に挿入される小径部20と、当該小径部20に連接されるテーパ部40と、当該テーパ部40に連結されると共に拡径保持用筒体70を保持する大径部30とを備えており、これらはいずれも回転体形状であって全てが同心となるように一体的に連結されている。
また、拡径部材10は、その一端部に小径部20が設けられ、他端部に大径部30が設けられている。以下の説明では、小径部20側を拡径部材10における「前」、大径部30側を「後」と定義して説明する。
上記小径部20は、その外径が長手方向に渡って一定であって常温収縮チューブ80の中心孔81の内径よりも小さい断面円形のロッドであり、拡径作業時にはその前端部側から常温収縮チューブ80の中心孔81に挿入される。
大径部30は、円筒状に形成されると共にその後端部が開口している。さらに、大径部30の内部の中心位置には、拡径作業時に、拡径部材10全体を支持するための支柱31が設けられている。この支柱31の前端部は、大径部30の深部に設けられた図示しない隔壁に固定支持されている。また、拡径作業時には、支柱31の後端部は、油圧装置に保持されて、拡径部材10を常温収縮チューブ80に挿入するために前進移動の動力が付与される。
また、大径部30は、内部が拡径保持用筒体70の格納保持スペースとなっている。大径部30に格納された拡径保持用筒体70は、その後端部が大径部30の後端部から幾分突出した状態となる。
テーパ部40は、前端部が小径、後端部が大径となる円錐台形状であり、前端部の外径は小径部20の外径と一致し、後端部の外径は大径部30の外径と一致している。また、その外周面は円錐面となっており、当該円錐面における中心線に対する傾斜角は5〜30°程度となっている。
なお、小径部20、テーパ部40、大径部30は、一部又は全部について一部材で形成してもよいし、各々を別のパーツで形成して一体的に組み上げても良い。
また、上記構成からなる拡径部材10は、ステンレス等の硬質金属又は強化プラスチック等、拡径時に各部に生じる応力に耐久し得る材料を用いて形成される。
また、拡径部材10の外面と常温収縮チューブ80の内面のいずれか一方又は双方には,拡径作業時に、摩擦低減のための潤滑剤を塗布することが望ましい。その場合、潤滑剤は、常温収縮チューブ80に浸透しにくく、膨潤等の劣化を生じさせないオイル又はグリスを用いることが望ましい。
[補強用筒状体]
常温収縮チューブ80を拡径する際には、その外周面に補強用筒状体60が装着される。この補強用筒状体60は、伸縮性を有する長方形のシート状の部材を常温収縮チューブ80の外周に巻回して筒状の形態を形成している。巻回した補強用筒状体60の両端部は、図3(B)に示すように、先端が薄くなるように形成され、これにより、巻回後の補強用筒状体60の端部がフラットになるようになっている。
補強用筒状体60は、適度な伸縮性と密着性とを備えていることが望ましく、例えば、常温収縮チューブ80と同一材料、例えば、シリコーンゴムで形成されている。
また、巻回された補強用筒状体60の外周には、バンドを装着したり、テープを貼り付けたりすることで筒状の状態が維持する。図3では、補強用筒状体60は環状ゴム製のバンド61で固定した例を示している。また、補強用筒状体60を固定するバンドやテープは、いずれも、補強用筒状体60と同様に伸縮性を有するものが使用される。
[実施例]
上述の各構成を適用して常温収縮チューブ80に拡径保持用筒体70を装着する拡径作業を図4の工程図に示す。
拡径作業時には、図4(A)に示すように、常温収縮チューブ80に対して拡径部材10を前進移動させるための油圧装置51に拡径部材10の支柱31の後端部が保持される。
このとき、拡径保持用筒体70は拡径部材10の大径部30の内部に格納保持されている。
また、常温収縮チューブ80は、拡径部材10の小径部20が挿入された状態にあり、常温収縮チューブ80の前方には常温収縮チューブ80の前進移動を規制するストッパ52が配置されている。
さらに、常温収縮チューブ80には、補強用筒状体60が一重に巻回されている。補強用筒状体60は常温収縮チューブ80と同じシリコーンゴムで形成されており、厚さ3[mm]である。また補強用筒状体60の幅は常温収縮チューブ80の長さと等しく、常温収縮チューブ80の外周面全体を密着した状態で覆っている。補強用筒状体60は、ゴム製のバンド61(図3(A)参照)により固定されている。バンド61は、常温収縮チューブ80と同じシリコーンゴムで形成されている。
次に、図4(B)に示すように、油圧装置51の作動により拡径部材10の前進移動が開始される。このとき、常温収縮チューブ80はストッパ52により前進移動が規制されるため、その後端部から拡径部材10のテーパ部40,大径部30が順番に挿入される。
これにより、常温収縮チューブ80は拡径される。また、常温収縮チューブ80の外周面に設けられた補強用筒状体60は、その伸縮性によりも常温収縮チューブ80と共に拡径する。また、ゴム製のバンド61もその周方向に沿って伸びを生じるため、常温収縮チューブ80及び補強用筒状体60の拡径を妨げない。
そして、図4(C)に示すように、常温収縮チューブ80の後端部が拡径保持用筒体70の後端部に到達するまで拡径部材10を前進移動させた後、一旦、拡径部材10を常温収縮チューブ80と共に元の位置まで後退移動する。
そして、図4(D)に示すように、常温収縮チューブ80の前進移動を規制し、拡径部材10の前進移動を許容する新たなストッパ53を設置し、油圧装置51により再び拡径部材10を前進移動させる。
これにより、拡径部材10のみが前進移動し、常温収縮チューブ80及び補強用筒状体60は拡径部材10に対して相対的に後退移動する。このとき、拡径保持用筒体70の後端部の外周面に常温収縮チューブ80の後端部の内周面が密着するので、拡径保持用筒体70は拡径部材10の後方に引き出され、拡径保持用筒体70は常温収縮チューブ80と共にその場に残る。
そして、図4(E)に示すように、拡径部材10が常温収縮チューブ80から完全に脱することで、常温収縮チューブ80内に拡径保持用筒体70が挿入された状態となる。
その後、バンド61を外すことにより補強用筒状体60を常温収縮チューブ80の外周から取り外し、拡径作業が完了する。
なお、上記実施例では、補強用筒状体60の幅を常温収縮チューブ80の長さと等しくして、常温収縮チューブ80全体を補強用筒状体60で覆った場合を示したが、常温収縮チューブ80の座屈し易い個所を中心に部分的に補強用筒状体60を設けても良い。例えば、厚さ1[mm]、幅20[mm]のシートを、常温収縮チューブ80の座屈し易い個所(図6参照)に巻き、補強用筒状体として拡径作業を行った場合も、座屈し易い常温収縮チューブ80の拡径部材10の挿入方向前方側の部分が座屈するのを防止して、拡径保持用筒体70を良好に装着することが可能である。
[拡径部材による技術的効果]
上記補強用筒状体60を用いた常温収縮チューブ80の拡径方法では、常温収縮チューブ80の外周面の全体に補強用筒状体60を装備してから拡径を行うので、常温収縮チューブ80の後端部は元々の厚みに加えて補強用筒状体60の厚みを加えた肉厚の状態とすることができる。
従って、常温収縮チューブ80の厚みが薄く、強度が足りない場合でも、補強用筒状体60の補強効果により、常温収縮チューブ80の後端部がテーパ部40の円錐面に圧接したときに受ける半径方向外側への応力に耐えることが可能となるため、座屈の発生を回避することが可能となる。
従って、上記拡径方法により、常温収縮チューブ80の先端部に座屈を発生させる原因となる常温収縮チューブ80の薄肉化、或いは拡径を行う径差(拡径が行われる径の変化量)が大きい場合でも、補強用筒状体60の補強により座屈の発生を効果的に抑制することが可能となる。
そして、上述のように、常温収縮チューブ80の座屈の発生が効果的に低減されるので、表面の皺、内部剥離等による電気特性や絶縁性能の低下を回避することができ、常温収縮チューブ80が電力ケーブル90の中間接続部91に取り付けられた場合に、高い絶縁性を安定的に発揮することが可能である。
また、常温収縮チューブ80の座屈の発生を低減することが可能となるので、常温収縮チューブ80の薄肉化を促進して常温収縮チューブ80の材料コスト低減や、常温収縮チューブ80を装着した中間接続部91の細径化が可能となる。
さらに、補強用筒状体60により、拡径部材10のテーパ部40の円錐面の傾斜角度を小さくしないで座屈防止が可能であるため、テーパ部40の長大化を回避し、さらに、長大な拡径部材10を使用するためにストロークの大きな油圧装置を不要とすることができ、設備全体について大型化を回避することが可能である。
また、上記補強用筒状体60は、シート状の部材を常温収縮チューブ80に巻回することにより形成されているが、このようにシート状であれば形成が容易であるため、作業に要するコストの低減を図ることが可能となる。また、常温収縮チューブ80に拡径保持用筒体70を挿入した後に、常温収縮チューブ80から補強用筒状体60を容易に除去することが可能である。
さらに、補強用筒状体60がシート状の部材であれば、巻回数の調節により補強用筒状体60の厚みを容易に調節することができ、拡径時に拡径部材を挿入するための負荷と座屈防止効果とのバランスを考慮した適正な厚みに調節することが容易である。
[その他]
なお、本発明の拡径部材は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、拡径部材10の大径部30は、その内側に拡径保持用筒体70を格納保持する構造であったが、大径部30の外径をテーパ部40の後端の外径よりも一段小さく設定し、大径部30の外周に拡径保持用筒体70を装着しても良い。
補強用筒状体60は伸縮性を備える材料であれば良く、例えば、常温収縮チューブ80と同じ材料でなくとも良い。また、補強用筒状体60については、絶縁性も不要である。
また、補強用筒状体60を巻回した場合の両端部の断面形状は、先端を薄くせずに、例えば、矩形の端部同士を突き合わせて配置しても良い。また、補強用筒状体60の外周側の端部がフラットにならず、段を生じても良い。
また、補強用筒状体60は、図3の例では、シートを一重巻きで形成しているが、より補強を要する場合には、シートを複数回の巻き付けて形成しても良い。
また、補強用筒状体60には、チューブ状、筒状に成形されたものを利用してもよい。
また、補強用筒状体60は、常温収縮チューブ80の外周面全体に渡って装備されているが、これに限らず、座屈が発生しやすい部分、例えば、常温収縮チューブ80の前端側のみあるいは後端部側のみに装備する構成としても良い。
10 拡径部材
20 小径部
30 大径部
40 テーパ部
51 油圧装置
60 補強用筒状体
61 バンド
70 拡径保持用筒体
71 紐状体
80 常温収縮チューブ
81 中心孔
90 電力ケーブル
91 中間接続部

Claims (1)

  1. 電力ケーブルの接続部に被覆装着される常温収縮チューブを拡径し、その中心孔に拡径保持用筒体を挿入するために、前記常温収縮チューブの中心孔に円錐面を有する拡径部材を挿入する常温収縮チューブの拡径方法であって、
    前記常温収縮チューブの外周面に、伸縮性を備えたシート状の部材からなる補強用筒状体を巻回して前記常温収縮チューブの外周面の全体に密着した状態で覆うように装備してから前記拡径部材により拡径を行い、
    拡径された前記常温収縮チューブの中心孔に前記拡径保持用筒体を挿入し、
    その後、前記補強用筒状体を前記常温収縮チューブから除去することを特徴とする常温収縮チューブの拡径方法。
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