JP5742884B2 - 生体状態検出装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、赤外光等の反射光を受光するフォトダイオードの感度特性を制御することにより、脈波センサの容積脈波検出感度及びそのリニアリティなどを向上できる光電容積脈波計が提案されている。
つまり、手首や腕で脈波を計測する場合には、指先で測定する場合に比べて脈波の感度が低いため、例えば皮膚に照射する検出光の光量を大きくし、増幅率(ゲイン)を高くしてセンサ感度をできるだけ確保する対策が考えられる。
感度を制御する方法があるが、この調整時に発生するオフセットの変動幅は通常安静に発生するオフセットの変動幅よりも大きいために、通常のオフセット追従法では、オフセットが追従するまでに非常に時間がかかり、その間は脈波波形が検出できないという問題があった。
分な場合(例えばさちった状態が改善されない場合)には、再度オフセット調整幅の設定を行うことを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、第1のサンプリング周期で、前記オフセットの変化に対する追従を行うとともに、第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期で、前記出力信号のデータの保存を行うことを特徴とする。
また、このプログラムは記録媒体に記録して使用することができる。この記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。つまり、上述した生体状態検出装置の処理を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
なお、実施例1〜4、11は、参考例である。
a)まず、本実施例の生体状態検出装置の構成を説明する。
前記検出回路11は、図8に示す様に、脈波センサ5からの信号を増幅器(オペアンプ)12により増幅する。また、マイクロコンピュータ15からの制御信号(オフセット制御値OS)により、脈波センサ5からの信号(SS)のオフセットを調節する。
b)次に、前記脈波センサ5について、更に詳細に説明する。
えば電圧信号)としてデータ処理装置3に出力する。
c)次に、脈波センサ5から出力される信号等の主な処理方法について説明する。
具体的には、例えば各検出光の光量によって増幅率を変更する場合には、マイクロコンピュータ15から出力される制御信号が、駆動回路7に出力され、駆動回路7によって各LED17、19の印加電圧が調節される。これにより、各検出光の光量を変化させて、増幅率を調節することができる。
本処理は、体動の無い安静時に、脈波を検出するために、可視光及び赤外光のどちらを使用するかを、脈波センサ5からの信号の処理を開始してから5分以内に決定するものであり、以後、その決定された光(検出光)を用いて脈波を検出する。以下、詳細に説明する。
図10は、本実施例における全体の処理の流れを示すメインルーチンである。
まず、図10のステップ(S)100では、(初期設定として)赤外光LED19を用いて、体動信号を検出する。ここで、赤外光LED19を用いるのは、通常、可視光を用
いた場合より赤外光を用いた方が、脈波の影響が少ないからである。
ステップ120では、体動が無く安静な状態であるので、この状態において、脈波検出に用いる光を決定する。即ち、皮膚の色によって脈波検出に用いるのに適した光が異なるので、可視光及び赤外光のどちらの光を用いて脈波を検出するかを決定する。
以下各ステップの処理について説明する。
この体動判定の処理としては、例えば特開2005−160640号公報、特開2002−355227号公報、特開2005−110920号公報の記載の手法など、各種の周知の手法を採用できる。
この検出光判定処理とは、脈波を検出するために使用する検出光を決定するための処理である。すなわち、図3に示す様に、肌の色が黒い人と白い人では、皮膚表面の散乱反射光の光量が異なり、それによって図2に示すオフセットが異なるので、所定の閾値(POmin)を用いてオフセットを判定することにより、肌の色が黒いか白いかを判定して、皮膚の色に最も対応した検出光を決定するものである。以下、フローチャートに基づいて説明する。
周波数スペクトルに現れるので、体動信号から求めた体動成分を除去することにより、脈拍成分のみを取り出すことができる。
尚、検出光を用いて体動を検出する手法としては、周知の各種の手法を採用できる。例えば前記特開2005−110920号公報の手法では、赤外光を用いて体動信号を求め、この体動信号を周知のFFT処理している。そして、その処理結果(周波数スペクトル)から、体動成分を示す周波数ピークが所定の閾値以上か否かという判定により、体動を検出している。
尚、可視光を用いて体動を検出する手法は、基本的に赤外光を用いて体動を検出する周知の手法と同様であるので、その説明は省略する。
図4に示す様に、肌の色が黒い人と白い人では、皮膚表面の散乱反射光の光量が異なるので、可視光及び赤外光の出力信号を同じ増幅率で増幅した場合には、脈波振幅が異なる。従って、本実施例では、所定の閾値(PAmin)を用いて脈波振幅を判定することにより、肌の色が黒いか白いかを判定して、皮膚の色に最も対応した検出光を決定する。以下、フローチャートに基づいて説明する。
続くステップ310では、脈波振幅を求める。
続くステップ320では、脈波振幅が閾値PAminを上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ330に進み、一方否定判断されるとステップ350に進む。
一方、ステップ350では、脈波振幅がPAminより小さいので、図3に示す様に、測定対象の人の皮膚が黒いと考えられるので、図1に示す様に、皮膚の色の濃い人の脈波の検出に適した赤外光を脈波検出用の検出光として設定する。そして、この赤外光を用いて脈波を検出する。
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例では、可視光又は赤外光のいずれ脈波又は体動に検出に用いるかを決定する場合には、両検出光の脈波振幅の大小により決定する。つまり、脈波と体動では、脈波による信号の振幅が小さいので、脈波の検出を優先して検出光を決定する。以下、フローチャートに基づいて説明する。
続くステップ410では、赤外光を用いて脈波信号を検出し、脈波振幅を求める。
ステップ430では、可視光の脈波振幅が大であるので、可視光で脈波を検出するように設定して、脈波を検出する。
一方、ステップ450では、赤外光の脈波振幅が大であるので、赤外光で脈波を検出するように設定して、脈波を検出する。
従って、本実施例では、可視光と赤外光の両脈波振幅の大小を比較するので、体動より検出しにくい脈波検出に最適な検出光を精度良く設定できるという利点がある。
本実施例では、可視光及び赤外光による脈波振幅を比較する場合には、各脈波振幅を最大になるように光量を設定する。以下、フローチャートに基づいて説明する。
続くステップ510では、光量が調整された可視光を用いて脈波信号を検出し、脈波振幅を求める。
続くステップ530では、赤外光を用いて脈波信号を検出し、脈波振幅を求める。
ステップ550では、可視光の脈波振幅が大であるので、可視光で脈波を検出するよう
に設定して、脈波を検出する。
一方、ステップ570では、赤外光の脈波振幅が大であるので、赤外光で脈波を検出するように設定して、脈波を検出する。
b)次に、前記ステップ500の可視光の調整方法について、図15のフローチャートに基づいて説明する。
続くステップ610では、光量をアップした可視光を用いて、脈波を検出する。
続くステップ630では、オフセット制御値がD/A出力範囲より大か否かを判定する。つまり、出力信号のD/A入力された値に基づいてD/Aフィードバックがかけられるが(即ちオフセット制御値が出力されるが)、このオフセット制御値の出力が限界の時(例えば10bitであれば1024の時)には、オフセット(従って出力信号)がさちっていると判定できるので、この判定にて、さちった状態を検出するものである。
一方、ここでオフセット制御値がD/A出力範囲より大であると判断されるとステップ640に進む。つまり、オフセット制御値がA/D入力範囲を上回った場合には、光量が多すぎるので、基準量だけ光量をダウンする。
これにより、脈波振幅を最大になるように光量を設定することができる。
本実施例の生体状態検出装置は、体動が発生した場合には、出力信号が大きく変動するので、検出光の光量を調節して、感度及びオフセットを調整するものである。
a)まず、本実施例の原理について説明する。
b)次に、本実施例の制御処理について説明する。
続くステップ710では、体動信号に基づいて、体動の有無を判定する。ここで肯定判断されるとステップステップ720に進み、一方否定判断されるとステップ760に進む。
一方、ステップ730では、出力信号が前記図16(c)の様にA/D入力範囲を外れる様な大きな振幅となっているので、出力信号がA/D入力範囲内に入る様に、可視光の光量を調節して、感度を調整する。
一方、ステップ770では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外であるので、通常のオフセット調整幅γを設定する。
続くステップ795では、α、β、γを初期値の0に設定し、前記ステップ700に戻
る。
光量を変化させた場合には、出力信号のオフセットが大きく変動する。従って、その場合は、例えば図18に示す様に、出力信号は、S1、S2の様に変化する。そして、この様な場合は、オフセット調整を行って、例えばS2の電圧レベルを上げてS3の信号に調整する。
従って、本実施例では、S4に示す様に、S1の信号レベルが期間Kにわたり維持されるように、光量調整開始時の出力信号とオフセット追従後の出力信号との間を直線補間している。
図19に示す様に、外乱光が入射した場合には、出力信号のオフセットが大きく変動するので、本実施例ではそれに対応したオフセット追従の処理を行う。
ステップ810では、外乱光入射分に対応したオフセット調整幅βを設定する(図6参照)。
続くステップ840では、前記設定値の合計量(β+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求め、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
この様に、本実施例では、外乱光が入射した場合には、そのオフセット調整を行うので、精度良く脈波等の検出を行うことができる。また、オフセット調整の調整幅は外乱光に
応じて設定できるので、追従速度が速いという利点がある。
本実施例は、外乱光の入射及び体動があった場合の処理に関するものである。
図21に示す様に、ステップ900では、外乱光が入射したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ910に進み、一方否定判断されるとステップ920に進む。
続くステップ920では、例えば赤色光により、体動信号を検出する。
ステップ940では、体動があるので、出力信号がA/D入力範囲を越えているか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ950に進み、一方否定判断されるとステップ970に進む。
続くステップ960では、光量調整分のオフセット調整幅をαに設定する(図6参照)。
続くステップ970では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ980に進み、一方否定判断されるとステップ990に進む。
続くステップ990では、前記設定値の合計量(α+β+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求め、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
続くステップ1010では、α、β、γを初期値の0に設定し、前記ステップ900に戻る。
本実施例は、何度もオフセット調整を行うものである。
図22に示す様に、ステップ1100では、外乱光判定を行う。具体的には、図21のステップ900〜920の処理を行う。
続くステップ1120では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを
判定する。ここで肯定判断されるとステップ1130に進み、一方否定判断されるとステップ1140に進む。
続くステップ1160では、脈波信号を検出し、前記ステップ1100に戻る。
本実施例では、オフセット追従の処理を繰り返すので、精度良くしかも速やかにオフセットの追従が可能であるという利点がある。
本実施例は、本来のサンプリング周期(例えば50msec)よりも短い周期(例えば10msec)でサンプリングを行ってオフセット調整を行うものである。
続くステップ1210では、体動判定を行う。
続くステップ1220では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ1230に進み、一方否定判断されるとステップ1240に進む。
続くステップ1240では、上述の各実施例と同様に、前記設定値の合計量(α+β+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求め、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
続くステップ1260では、本来のサンプリング周期か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ1270に進み、一方否定判断されるとステップ1280に進む。
続くステップ1280では、α、β、γを初期値の0に設定し、前記ステップ1200に戻る。
本実施例では、可視光のみの照射と、赤外光のみの照射と、可視光及び赤外光の同時照射とを、それぞれ異なるタイミングで実施し、各反射光によって得られる出力信号に基づいて、脈波の検出に用いる検出光を決定する。以下具体的に説明する。
例えば前記実施例5〜10の処理は、前記実施例1の検出光の決定の後に行われることが望ましい。
3…データ処理装置
5…脈波センサ
7…駆動回路
11…検出回路
13…A/D変換器
15…マイクロコンピュータ
16…D/A変換器
17…可視光LED
19…赤外光LED
21…フォトダイオード(PD)
Claims (4)
- 検出光を照射する光照射部と、前記検出光の反射光を受光する受光部と、を備え、前記反射光による出力信号に基づいて、生体の脈波を検出する生体状態検出装置において、
前記生体の皮膚表面からの散乱反射光による出力信号のオフセットを調節するために、
受信信号レベルがオフセットを変動させる上限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定値だけ下げ、逆に下限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定量だけ上げるように、前記検出光の光量を調整するオフセット制御値を所定の調整幅で追従設定する構成を備え、
前記反射光による出力信号の変化に対応して前記オフセット制御値の調整幅を変化させることを特徴とする生体状態検出装置。 - 検出光を照射する光照射部と、前記検出光の反射光を受光する受光部と、を備え、前記反射光による出力信号に基づいて、生体の脈波を検出する生体状態検出装置において、
前記生体の皮膚表面からの散乱反射光による出力信号のオフセットを調節するために、
受信信号レベルがオフセットを変動させる上限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定値だけ下げ、逆に下限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定量だけ上げるように、前記検出光の光量を調整するオフセット制御値を所定の調整幅で追従設定する構成を備えるとともに、
外乱光の変化を検出した場合には、前記外乱光の変化を検出しない場合に比べて、前記調整幅を大きくすることを特徴とする生体状態検出装置。 - 前記調整幅による前記オフセットの変化に対する追従が不十分な場合には、再度オフセット調整幅の設定を行うことを特徴とする前記請求項2に記載の生体状態検出装置。
- 第1のサンプリング周期で、前記オフセットの変化に対する追従を行うとともに、第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期で、前記出力信号のデータの保存を行うことを特徴とする前記請求項2又は3に記載の生体状態検出装置。
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