JP5742884B2 - 生体状態検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可視光や赤外光を用いて脈波や体動等の生体の状態を検出できる生体状態検出装置に関するものである。
従来より、脈拍数等を検出するために、反射型光学式脈拍計(脈波センサ)が開発されている。この脈波センサとしては、例えば指先に装着するものが知られており、脈波センサから指に対して赤外光や可視光を照射して反射光を受光し、その出力信号に基づいて脈拍数等を検出するものがある。具体的には、可視光を照射する可視光照射部と、赤外光を照射する赤外光照射部と、前記可視光及び赤外光の反射光を受光する受光部と、を備え、前記反射光による出脈波を検出して脈拍数などを解析するものである。
また、近年では、脈波センサによる測定精度を向上させるために、各種の技術が提案されている。
例えば特許文献1には、赤外光等の反射光を受光するフォトダイオードの感度特性を制御することにより、脈波センサの容積脈波検出感度及びそのリニアリティなどを向上できる光電容積脈波計が提案されている。
また、特許文献2には、外乱や体動によって受光部からの出力信号が大きく変化するので、その突発的な変動に対応するために、増幅器の出力を所定のレベルにセットして(オフセットを調整して)、増幅器を正常に動作させるようにした脈波計測装置が提案されている。
特許第3208538号公報 特開2002−238866号公報
しかしながら、上述した技術では、指先で脈波を検出する際には問題が無い場合でも、手首や腕などで脈波を検出する場合には、好適に脈拍などを測定できないという下記のような問題があった。
具体的には、手首や腕に脈波センサを装着して脈波等を検出する場合には、指先で測定する場合に比べて、体動の影響を受けやすいという問題があった。
つまり、手首や腕で脈波を計測する場合には、指先で測定する場合に比べて脈波の感度が低いため、例えば皮膚に照射する検出光の光量を大きくし、増幅率(ゲイン)を高くしてセンサ感度をできるだけ確保する対策が考えられる。
しかし、腕振りなどの装着部位の動きによる血流(計測部位の血流量)の変化は、心臓の拍動による血流の変化に比べて、非常に大きくなる(数倍〜数十倍)ので、ゲインが固定されたままでは、信号がマイコンのA/Dの入力電圧範囲を超えてしまい、血流変化の波形を検出できない。
これを回避するために、信号がA/D変換器の入力範囲に入るよう調整する方法として、出力変化に伴うオフセット(ベースライン)を制御する方法や、光量変化などによって
感度を制御する方法があるが、この調整時に発生するオフセットの変動幅は通常安静に発生するオフセットの変動幅よりも大きいために、通常のオフセット追従法では、オフセットが追従するまでに非常に時間がかかり、その間は脈波波形が検出できないという問題があった。
また、手首や腕で脈波を検出する場合には、指先の場合に比べて、脈波センサが皮膚に密着する部分の柔らかさ(皮下脂肪の量)が十分でないため、脈波センサと手首や腕との間に隙間が生じ易い。そのため、隙間から太陽光等が入射すると、その影響は非常に大きいので、脈波の検出に支障が生じることがある。
この対策として、前記光量変化の場合と同様に、オフセットを調節することが考えられるが、同様に通常のオフセット追従法では、オフセットの追従に時間がかかるという問題もある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、体動が生じた場合でも好適な測定が可能であり、装置の装着部分に隙間が発生して外光が入射した場合でも好適な測定が可能な生体状態検出装置を提供することにある。
(1)請求項1の発明は、検出光を照射する光照射部と、前記検出光の反射光を受光する受光部と、を備え、前記反射光による出力信号に基づいて、生体の脈波を検出する生体状態検出装置において、前記生体の皮膚表面からの散乱反射光による出力信号のオフセットを調節するために、受信信号レベルがオフセットを変動させる上限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定値だけ下げ、逆に下限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定量だけ上げるように、前記検出光の光量を調整するオフセット制御値を所定の調整幅で追従設定する構成を備え、前記反射光による出力信号の変化に対応して前記オフセット制御値の調整幅を変化させることを特徴とする。
光量を変化させると皮膚表面の散乱反射光の光量(従ってオフセット)が変動するので、オフセットが過大な場合には、出力信号がマイコンのA/D入力範囲を超えてしまい、脈波が測定できない。
本発明では、光量を調整する際に、オフセット制御値の調整幅を変化させることができるので、例えば光量変化が大きい場合には、調整幅を増加させることにより、速やかな対応が可能である。つまり、速やかにオフセットを追従させることができるので、脈波等の検出を速やかに行うことができる。
(2)請求項2の発明は、検出光を照射する光照射部と、前記検出光の反射光を受光する受光部と、を備え、前記反射光による出力信号に基づいて、生体の脈波を検出する生体状態検出装置において、前記生体の皮膚表面からの散乱反射光による出力信号のオフセットを調節するために、受信信号レベルがオフセットを変動させる上限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定値だけ下げ、逆に下限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定量だけ上げるように、前記検出光の光量を調整するオフセット制御値を所定の調整幅で追従設定する構成を備えるとともに、外乱光の変化を検出した場合には、前記外乱光の変化を検出しない場合に比べて、前記調整幅を大きくすることを特徴とする。
外乱光が入射した場合(又は入射していた状態から入射がなくなった場合)には、出力信号のオフセットは大きく変動する。そこで、本発明では、外乱光が入射した場合(又は入射していた状態から入射がなくなった場合)には、オフセット調整幅を通常より大きくする。これにより、速やかにオフセットの追従ができるので、脈波等の検出を速やかに行うことができる。
(3)請求項3の発明は、前記調整幅による前記オフセットの変化に対する追従が不十
分な場合(例えばさちった状態が改善されない場合)には、再度オフセット調整幅の設定を行うことを特徴とする。
これにより、出力信号がさちらないように速やかにA/D入力範囲に収めることができる。
(4)請求項4の発明は、第1のサンプリング周期で、前記オフセットの変化に対する追従を行うとともに、第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期で、前記出力信号のデータの保存を行うことを特徴とする。
これにより、オフセットの追従の制御を頻度よく実施することができるとともに、データの保存はそれより少ない頻度で実施するので、メモリを節約しながらオフセット追従をより確実にできるという利点がある。
尚、上述した生体状態検出装置の機能を実現するための各手段は、コンピュータのプログラムにより実行される処理により実現することができる。
また、このプログラムは記録媒体に記録して使用することができる。この記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。つまり、上述した生体状態検出装置の処理を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
皮膚の色によって出力信号が変動する状態を示す説明図である。 出力信号の意味する内容を示す説明図である。 皮膚の色とオフセットの関係を示す説明図である。 可視光を用いた場合の皮膚の色と脈拍振幅の関係を示す説明図である。 赤外光を用いた場合の皮膚の色と脈拍振幅の関係を示す説明図である。 オフセット制御値の調整幅を示す説明図である。 実施例1の生体情報検出装置の構成を示す説明図である。 検出回路等の構成を示す説明図である。 出力信号とオフセット制御値の関係を示す説明図である。 実施例1のメインルーチンを示すフローチャートである。 実施例1の検出光決定処理を示すフローチャートである。 実施例2の検出光決定処理を示すフローチャートである。 実施例3の検出光決定処理を示すフローチャートである。 実施例4の検出光決定処理を示すフローチャートである。 実施例4の脈波の振幅を最大にするための処理を示すフローチャートである。 実施例5の体動があった場合の出力信号の変化を示すグラフである。 実施例5のオフセット調整等の処理を示すフローチャートである。 実施例6のオフセットの変化を直線補間する方法を示すフローチャートである。 実施例7の外乱があった場合の出力信号の変化を示すフローチャートである。 実施例7のオフセット調整等の処理を示すフローチャートである。 実施例8のオフセット調整等の処理を示すフローチャートである。 実施例9のオフセット調整等の処理を示すフローチャートである。 実施例10のオフセット調整等の処理を示すフローチャートである。 実施例11のFFT処理後のデータを示す説明図である。
以下に本発明の最良の実施形態(実施例)を、図面と共に説明する。
なお、実施例1〜4、11は、参考例である。
本実施例の生体状態検出装置は、脈波や体動を検出する場合に、人の皮膚の色等に対応して、脈波又は体動の検出に適した可視光又は赤外光を選択して用いるものである。
a)まず、本実施例の生体状態検出装置の構成を説明する。
図7に示す様に、本実施例の生体状態検出装置1は、人体の脈拍や体動を検出することができる装置であり、主として、データ処理装置3と、脈波センサ5と、脈波センサ5を駆動する駆動回路7と、脈波センサ5からの信号を入力して増幅する検出回路11とから構成されている。
このうち、前記データ処理装置3は、検出回路11からのアナログ信号をA/D変換するA/D変換器13と、A/D変換器13からのデジタル信号を処理して脈波数の検出等の各種の演算処理を行うマイクロコンピュータ15と、マイクロコンピュータからの信号をD/A変換するD/A変換器16とを備えている。
前記脈波センサ5は、人体の手首や腕等に装着される装置であり、後に詳述するように、発光素子として、可視光(緑色)LED17と赤外光LED19を備えるとともに、受光素子として、フォトダイオード(PD)21を備えている。
前記駆動回路7は、可視光LED17と赤外光LED19とに対して、それぞれ異なるタイミングで可視光又は赤外光を照射させるための駆動信号を出力する。
前記検出回路11は、図8に示す様に、脈波センサ5からの信号を増幅器(オペアンプ)12により増幅する。また、マイクロコンピュータ15からの制御信号(オフセット制御値OS)により、脈波センサ5からの信号(SS)のオフセットを調節する。
尚、データ処理装置3と駆動回路7とは、生体状態検出装置本体9の筐体内に収容されているが、脈波センサ5と一体となっていてもよい。
b)次に、前記脈波センサ5について、更に詳細に説明する。
前記図7に示す様に、前記脈波センサ5は、可視光である約520nmの波長の緑色光を(装着部位である)手首等に照射する可視光(緑色光)LED17と、同様に約950nmの波長の赤外光を手首等に照射する赤外光LED19と、人体に照射された可視光又は赤外光の反射光をそれぞれ受光するPD21とを備える光学式反射型センサである。
この可視光LED17、赤外光LED19、PD21は、それぞれ脈波センサ5の筐体の底部に、PD21を挟んで左右に可視光LED17と赤外光LED19とが位置するように並列して配置され、透明な樹脂製の窓を介して、可視光又は赤外光を人体に対して照射できるようにされている。
前記脈波センサ5では、可視光LED17又は赤外光LED19から人体に向かって光が照射されると、光の一部が人体の内部を通る小・細動脈(毛細動脈)にあたって、毛細動脈を流れる血液中のヘモグロビンに吸収され、残りの光が毛細動脈で反射して散乱し、その一部が受光素子であるPD21に入射する。この時、血液の脈動により毛細動脈にあるヘモグロビンの量が波動的に変化するので、ヘモグロビンに吸収される光も波動的に変化する。また、血管径の変化によっても、ヘモグロビンの量が変化する。その結果、毛細動脈で反射してPD21で検出される受光量が変化し、その受光量の変化を脈波情報(例
えば電圧信号)としてデータ処理装置3に出力する。
従って、データ処理装置3に入力した(可視光LED17又は赤外光LED19から照射された光の反射波に対応した)信号を用いることにより、後述する様にして、脈拍数等の生体の状態を求めることができる。
尚、図7では、毛細動脈に照射されて反射する光を点線で示し、皮膚の表面で反射する光を実線で示している。
c)次に、脈波センサ5から出力される信号等の主な処理方法について説明する。
・脈波センサ5から出力される信号は、検出回路11にて所定の増幅率(ゲイン)にて増幅され、A/D変換器13に入力されるが、この増幅率は変更が可能である。
具体的には、例えば各検出光の光量によって増幅率を変更する場合には、マイクロコンピュータ15から出力される制御信号が、駆動回路7に出力され、駆動回路7によって各LED17、19の印加電圧が調節される。これにより、各検出光の光量を変化させて、増幅率を調節することができる。
尚、光量の調節により増幅率を変更する手法以外に、マイクロコンピュータ15からの制御信号により、検出回路11に配置された増幅器12の増幅率を直接に調節する方法や、PD21の感度を調節する手法を採用することができる。
・また、光量を調節する場合には、光量の増減に伴って反射光の光量も大きく増減し、よって、出力信号のオフセットが大きく変動する。従って、光量を調節する場合には、そのオフセット(詳しくは検出回路11から出力される信号のオフセット)を調節する必要が生じることある。
具体的には、検出光の光量を増加させることによりオフセットが増加し、逆に、光量を減少させることによりオフセットが減少する。従って、例えばオフセットが過大となり、検出回路11から出力される信号がマイコンのA/D入力電圧範囲(A/D入力範囲)を外れると、脈波の検出ができないので、図8に示す様に、脈波センサ5から出力される信号からオフセット制御値を減算するようにしている。これにより、出力信号の電圧レベルを任意に設定することができる。
つまり、図9に示す様に、マイクロコンピュータ15においては、A/D変換器13によるA/D変換値に対する上限レベルと下限レベル(A/D入力範囲)が決められており、受光信号レベルがオフセットを変動させる上限の閾値に達すると直流成分のレベルを強制的に所定値だけ下げ、逆に下限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定量だけ上げるようにしている。これによって、いわゆる出力信号が「さちる」という現象を防止して、常に、A/D入力範囲内において、脈波信号が得られるようにしている。
d)次に、データ処理装置3の処理内容について説明する。
本処理は、体動の無い安静時に、脈波を検出するために、可視光及び赤外光のどちらを使用するかを、脈波センサ5からの信号の処理を開始してから5分以内に決定するものであり、以後、その決定された光(検出光)を用いて脈波を検出する。以下、詳細に説明する。
(1)メインルーチン
図10は、本実施例における全体の処理の流れを示すメインルーチンである。
まず、図10のステップ(S)100では、(初期設定として)赤外光LED19を用いて、体動信号を検出する。ここで、赤外光LED19を用いるのは、通常、可視光を用
いた場合より赤外光を用いた方が、脈波の影響が少ないからである。
続くステップ110では、前記体動信号に基づいて、体動の有無を判定し、ここで体動が無いと判断された場合のみ、ステップ120に進む。
ステップ120では、体動が無く安静な状態であるので、この状態において、脈波検出に用いる光を決定する。即ち、皮膚の色によって脈波検出に用いるのに適した光が異なるので、可視光及び赤外光のどちらの光を用いて脈波を検出するかを決定する。
続くステップ130では、検出光として決定された光を用いて、周知の脈波の検出を行い、一旦本処理を終了する。
以下各ステップの処理について説明する。
(2)前記ステップ110の体動判定処理
この体動判定の処理としては、例えば特開2005−160640号公報、特開2002−355227号公報、特開2005−110920号公報の記載の手法など、各種の周知の手法を採用できる。
例えば特開2005−110920号公報では、赤外光を用いて体動信号を求め、この体動信号を周知のFFT処理している。そして、その処理結果(周波数スペクトル)から、体動成分を示す周波数ピークが所定の閾値以上か否かという判定により、体動を検出している。
(3)前記ステップ120の検出光判定処理
この検出光判定処理とは、脈波を検出するために使用する検出光を決定するための処理である。すなわち、図3に示す様に、肌の色が黒い人と白い人では、皮膚表面の散乱反射光の光量が異なり、それによって図2に示すオフセットが異なるので、所定の閾値(POmin)を用いてオフセットを判定することにより、肌の色が黒いか白いかを判定して、皮膚の色に最も対応した検出光を決定するものである。以下、フローチャートに基づいて説明する。
図11に示す様に、まず、ステップ200では、可視光を用いて脈波信号を検出する。続くステップ210では、オフセット制御値を確認する。つまり、常時は出力信号の変動に合わせて、出力電圧がA/D入力範囲から逸脱しない様に、即ち好ましいオフセットとするために、オフセット制御値(図6参照)が設定されているので、このオフセット制御値を取得するものである。
続くステップ220では、オフセット制御値が閾値POminを上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ230に進み、一方否定判断されるとステップ250に進む。
ステップ230では、オフセット制御値がPOminより大きいので、図3に示す様に、測定対象の人の皮膚が白いと考えられるので、図1に示す様に、皮膚の色の白い人の脈波の検出に適した可視光を脈波検出用の検出光として設定する。そして、この可視光を用いて脈波を検出する。
尚、検出光を用いて脈波を検出する手法としては、周知の各種の手法を採用できる。例えば特開2005−110920号公報の手法では、可視光を用いて脈波信号を求めるとともに赤外光を用いて体動信号を求め、この脈波信号及び体動信号を周知のFFT処理している。そして、その処理結果(周波数スペクトル)から、その中の最大ピークを有する成分を脈拍成分として特定している。また、その際に、体動が有る場合には、体動成分が
周波数スペクトルに現れるので、体動信号から求めた体動成分を除去することにより、脈拍成分のみを取り出すことができる。
続くステップ240では、前記ステップ230で可視光を脈波検出用の検出光として設定したので、ここでは、赤外光を体動検出用の検出光として設定する。
尚、検出光を用いて体動を検出する手法としては、周知の各種の手法を採用できる。例えば前記特開2005−110920号公報の手法では、赤外光を用いて体動信号を求め、この体動信号を周知のFFT処理している。そして、その処理結果(周波数スペクトル)から、体動成分を示す周波数ピークが所定の閾値以上か否かという判定により、体動を検出している。
一方、ステップ250では、オフセット制御値がPOminより小さいので、図3に示す様に、測定対象の人の皮膚が黒いと考えられるので、図1に示す様に、皮膚の色の黒い人の脈波の検出に適した赤外光を脈波検出用の検出光として設定する。そして、この赤外光を用いて脈波を検出する。
尚、赤外光を用いて脈波を検出する手法は、基本的に可視光を用いて脈波を検出する周知の手法と同様(周波数スペクトルやそのピークの大きさ等により体動と区別する)であるので、その説明は省略する。
続くステップ260では、前記ステップ250で赤外光を脈波検出用の検出光として設定したので、ここでは、可視光を体動検出用の検出光として設定する。
尚、可視光を用いて体動を検出する手法は、基本的に赤外光を用いて体動を検出する周知の手法と同様であるので、その説明は省略する。
この様に、本実施例では、体動の無い安静の状態で、人の皮膚の色に対応して、脈波及び体動の検出を行う際に、その検出に最も適した検出光を設定している。よって、最適な検出光を用いることにより、脈波及び体動の検出を精度良く行うことができる。また、体動と脈波の検出に用いる検出光を区別することにより、精度の高い脈波等の測定が可能である。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
図4に示す様に、肌の色が黒い人と白い人では、皮膚表面の散乱反射光の光量が異なるので、可視光及び赤外光の出力信号を同じ増幅率で増幅した場合には、脈波振幅が異なる。従って、本実施例では、所定の閾値(PAmin)を用いて脈波振幅を判定することにより、肌の色が黒いか白いかを判定して、皮膚の色に最も対応した検出光を決定する。以下、フローチャートに基づいて説明する。
図12に示す様に、まず、ステップ300では、可視光を用いて脈波信号を検出する。
続くステップ310では、脈波振幅を求める。
続くステップ320では、脈波振幅が閾値PAminを上回るか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ330に進み、一方否定判断されるとステップ350に進む。
ステップ330では、脈波振幅がPAminより大きいので、図4に示す様に、測定対象の人の皮膚が白いと考えられるので、図1に示す様に、皮膚の色の白い人の脈波の検出に適した可視光を脈波検出用の検出光として設定する。そして、この可視光を用いて脈波を検出する。なお、図5に示す様に、赤外光で脈波を検出する場合には、個人差が大きいと考えられる。
続くステップ340では、前記ステップ330で可視光を脈波検出用の検出光として設定したので、ここでは、赤外光を体動検出用の検出光として設定する。
一方、ステップ350では、脈波振幅がPAminより小さいので、図3に示す様に、測定対象の人の皮膚が黒いと考えられるので、図1に示す様に、皮膚の色の濃い人の脈波の検出に適した赤外光を脈波検出用の検出光として設定する。そして、この赤外光を用いて脈波を検出する。
続くステップ360では、前記ステップ350で赤外光を脈波検出用の検出光として設定したので、ここでは、可視光を体動検出用の検出光として設定する。
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
本実施例では、可視光又は赤外光のいずれ脈波又は体動に検出に用いるかを決定する場合には、両検出光の脈波振幅の大小により決定する。つまり、脈波と体動では、脈波による信号の振幅が小さいので、脈波の検出を優先して検出光を決定する。以下、フローチャートに基づいて説明する。
図13に示す様に、まず、ステップ400では、可視光を用いて脈波信号を検出し、脈波振幅を求める。
続くステップ410では、赤外光を用いて脈波信号を検出し、脈波振幅を求める。
続くステップ420では、両検出光による脈波振幅の大小を比較する。
ステップ430では、可視光の脈波振幅が大であるので、可視光で脈波を検出するように設定して、脈波を検出する。
続くステップ440では、赤外光で体動を検出するように設定して、体動を検出する。
一方、ステップ450では、赤外光の脈波振幅が大であるので、赤外光で脈波を検出するように設定して、脈波を検出する。
続くステップ460では、可視光で体動を検出するように設定して、体動を検出する。
従って、本実施例では、可視光と赤外光の両脈波振幅の大小を比較するので、体動より検出しにくい脈波検出に最適な検出光を精度良く設定できるという利点がある。
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
本実施例では、可視光及び赤外光による脈波振幅を比較する場合には、各脈波振幅を最大になるように光量を設定する。以下、フローチャートに基づいて説明する。
a)図14に示す様に、まず、ステップ500では、後述する様に、脈波振幅が最大となる様に、可視光の光量を調整する。
続くステップ510では、光量が調整された可視光を用いて脈波信号を検出し、脈波振幅を求める。
続くステップ520では、前記ステップ500と同様に、脈波振幅が最大となる様に、赤外光の光量を調整する。
続くステップ530では、赤外光を用いて脈波信号を検出し、脈波振幅を求める。
続くステップ540では、両検出光による脈波振幅の大小を比較する。
ステップ550では、可視光の脈波振幅が大であるので、可視光で脈波を検出するよう
に設定して、脈波を検出する。
続くステップ560では、赤外光で体動を検出するように設定して、体動を検出する。
一方、ステップ570では、赤外光の脈波振幅が大であるので、赤外光で脈波を検出するように設定して、脈波を検出する。
続くステップ580では、可視光で体動を検出するように設定して、体動を検出する。
b)次に、前記ステップ500の可視光の調整方法について、図15のフローチャートに基づいて説明する。
図15のステップ600で、可視光の光量を、所定の基準量アップするように調整する。
続くステップ610では、光量をアップした可視光を用いて、脈波を検出する。
続くステップ620では、光量をアップした際のオフセット調整に用いられるオフセット制御値を確認する(取得する)。
続くステップ630では、オフセット制御値がD/A出力範囲より大か否かを判定する。つまり、出力信号のD/A入力された値に基づいてD/Aフィードバックがかけられるが(即ちオフセット制御値が出力されるが)、このオフセット制御値の出力が限界の時(例えば10bitであれば1024の時)には、オフセット(従って出力信号)がさちっていると判定できるので、この判定にて、さちった状態を検出するものである。
ここでオフセット制御値がD/A出力範囲以下であると判断されると、まだ光量をアップする余地があるので、再度光量を基準量アップする。
一方、ここでオフセット制御値がD/A出力範囲より大であると判断されるとステップ640に進む。つまり、オフセット制御値がA/D入力範囲を上回った場合には、光量が多すぎるので、基準量だけ光量をダウンする。
続くステップ650では、上述した処理によって決定された光量を最適光量として設定し、一旦本処理を終了する。
これにより、脈波振幅を最大になるように光量を設定することができる。
本実施例では、可視光と赤外光の両脈波振幅の大小を比較する際に、両脈波振幅が最大となる様に調節するので、(体動より検出しにくい)脈波の検出に最適な検出光を一層精度良く設定できるという利点がある。
尚、光量の制御の際には、例えば光量の制御量に応じて、後述する様に、オフセット制御値の調整幅を変更する様に制御してよい。これにより、オフセットの追従速度が増加するという利点がある。
次に、実施例5について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
本実施例の生体状態検出装置は、体動が発生した場合には、出力信号が大きく変動するので、検出光の光量を調節して、感度及びオフセットを調整するものである。
a)まず、本実施例の原理について説明する。
図16(a)に示す様に、体動の無い安静時には、(通常の安静時に適した感度調整された)出力信号はA/D入力範囲内であるので、この出力信号をマイクロコンピュータ15に取り込んで、脈波等の検出を行うことができる。
しかし、運動時などの様な体動がある場合には、図16(b)に示す様に、出力信号の振幅が大きくなって、A/D入力範囲を逸脱してしまう。従って、この出力信号から脈波等を精度良く検出できない。
従って、その様な場合には、図16(c)に示す様に、再度、(通常の安静時の感度調整でなく)体動に適した感度調整を行うことにより、出力信号をA/D入力範囲内に治めることができる。
b)次に、本実施例の制御処理について説明する。
図17のフローチャートに示す様に、ステップ700では、例えば赤色光により、体動信号を検出する。
続くステップ710では、体動信号に基づいて、体動の有無を判定する。ここで肯定判断されるとステップステップ720に進み、一方否定判断されるとステップ760に進む。
ステップ720では、体動があり、よって、前記図16(c)の様に出力信号が大きな振幅で振動する可能性があるので、出力信号がA/D入力範囲を越えているか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ730に進み、一方否定判断されるとステップ750に進む。
ステップ750では、体動に応じて規定された光量調整分のオフセット調整幅(図6参照)であるαを0に設定し、ステップ760に進む。
一方、ステップ730では、出力信号が前記図16(c)の様にA/D入力範囲を外れる様な大きな振幅となっているので、出力信号がA/D入力範囲内に入る様に、可視光の光量を調節して、感度を調整する。
続くステップ740では、前記光量調整分のオフセット調整幅をαに設定する。このαの値は、前記図6に示す様に、通常の脈波検出時のオフセット調整幅γよりも大きな光量調節の際のオフセット調整幅である。
つまり、前記ステップ730では、感度を調整するために光量を調節したが、それによってオフセットも大きく変化しているので、出力信号ができる限りA/D入力範囲となる様に、オフセット調整幅αを設定する。尚、光量調節によるオフセット調整幅は、通常のオフセット調整幅γの例えば20倍である。
続くステップ760では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ770に進み、一方否定判断されるとステップ775に進む。
ステップ775では、オフセット調整幅γを0に設定して、ステップ780に進む。
一方、ステップ770では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外であるので、通常のオフセット調整幅γを設定する。
続くステップ780では、前記調整幅の合計量(α+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求める。そして、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
続くステップ790では、オフセット調整された後の出力信号を用いて脈波信号を検出する。
続くステップ795では、α、β、γを初期値の0に設定し、前記ステップ700に戻
る。
本実施例では、体動に応じて光量を変化させて感度を調整する。また、光量変化に伴ってオフセットも大きく変化するので、光量の変化に対応してオフセット調整幅を変更することにより、速やかにオフセット調整(オフセット追従)を行うことができる。
次に、実施例6について説明するが、前記実施例5と同じ内容の説明は省略する。
光量を変化させた場合には、出力信号のオフセットが大きく変動する。従って、その場合は、例えば図18に示す様に、出力信号は、S1、S2の様に変化する。そして、この様な場合は、オフセット調整を行って、例えばS2の電圧レベルを上げてS3の信号に調整する。
しかし、オフセットの追従に時間がかかる場合には、光量調整発生からオフセット追従終了(期間K)までは、脈波信号が得られないことになる。
従って、本実施例では、S4に示す様に、S1の信号レベルが期間Kにわたり維持されるように、光量調整開始時の出力信号とオフセット追従後の出力信号との間を直線補間している。
これにより、期間Kにおいても、オフセットが大きく変化していないかのような脈波信号に相当する信号が得られるので、脈拍数をFFTなどの計算によって算出する場合に、低周波成分の変動量が少なくなり、脈拍数検出が容易になるという利点がある。
次に、実施例7について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
図19に示す様に、外乱光が入射した場合には、出力信号のオフセットが大きく変動するので、本実施例ではそれに対応したオフセット追従の処理を行う。
図20に示す様に、外乱光が入射したか否かを判定する。つまり、外乱光が入射した場合は、通常より極めて大きな光がPD21に入射するので、所定値以上の光が入射した場合には、外乱光が入射したと判断することができる。
ここで肯定判断されるとステップ810に進み、一方否定判断されるとステップ820に進む。
ステップ810では、外乱光入射分に対応したオフセット調整幅βを設定する(図6参照)。
続くステップ820では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ830に進み、一方否定判断されるとステップ840に進む。
ステップ830では、通常のオフセット調整幅γを設定する。
続くステップ840では、前記設定値の合計量(β+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求め、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
続くステップ850では、オフセット調整された後の出力信号を用いて脈波信号を検出する。
この様に、本実施例では、外乱光が入射した場合には、そのオフセット調整を行うので、精度良く脈波等の検出を行うことができる。また、オフセット調整の調整幅は外乱光に
応じて設定できるので、追従速度が速いという利点がある。
次に、実施例8について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
本実施例は、外乱光の入射及び体動があった場合の処理に関するものである。
図21に示す様に、ステップ900では、外乱光が入射したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ910に進み、一方否定判断されるとステップ920に進む。
ステップ910では、外乱光入射分に対応したオフセット調整幅βを設定する(図6参照)。
続くステップ920では、例えば赤色光により、体動信号を検出する。
続くステップ93では、体動信号に基づいて、体動の有無を判定する。ここで肯定判断されるとステップステップ940に進み、一方否定判断されるとステップ970に進む。
ステップ940では、体動があるので、出力信号がA/D入力範囲を越えているか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ950に進み、一方否定判断されるとステップ970に進む。
ステップ950では、出力信号がA/D入力範囲内に入る様に、可視光の光量を調節して、出力信号のゲインを調整する。
続くステップ960では、光量調整分のオフセット調整幅をαに設定する(図6参照)。
続くステップ970では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ980に進み、一方否定判断されるとステップ990に進む。
ステップ980では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外であるので、通常のオフセット調整幅γを設定する。
続くステップ990では、前記設定値の合計量(α+β+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求め、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
続くステップ1000では、オフセット調整された後の出力信号を用いて脈波信号を検出する。
続くステップ1010では、α、β、γを初期値の0に設定し、前記ステップ900に戻る。
本実施例では、外乱光による光量の変化及び体動に応じて設定された光量の変化に対応してオフセット調整幅を変更することにより、速やかにオフセット調整(オフセット追従)を行うことができる。
次に、実施例9について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
本実施例は、何度もオフセット調整を行うものである。
図22に示す様に、ステップ1100では、外乱光判定を行う。具体的には、図21のステップ900〜920の処理を行う。
続くステップ1110では、体動判定を行う。具体的には、図21のステップ930〜960の処理を行う。
続くステップ1120では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを
判定する。ここで肯定判断されるとステップ1130に進み、一方否定判断されるとステップ1140に進む。
ステップ1130では、上述の各実施例と同様に、前記設定値の合計量(α+β+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求め、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
ステップ1140では、脈波信号を検出し、その後、前記ステップ1120に戻る。尚、前記ステップ1120〜1140が、オフセット追従のために繰り返されるルーチンである。
一方、ステップ1150では、通常のオフセット調整幅γを設定する。
続くステップ1160では、脈波信号を検出し、前記ステップ1100に戻る。
本実施例では、オフセット追従の処理を繰り返すので、精度良くしかも速やかにオフセットの追従が可能であるという利点がある。
次に、実施例10について説明するが、前記実施例1と同じ内容の説明は省略する。
本実施例は、本来のサンプリング周期(例えば50msec)よりも短い周期(例えば10msec)でサンプリングを行ってオフセット調整を行うものである。
図23に示す様に、ステップ1200では、外乱光判定を行う。
続くステップ1210では、体動判定を行う。
続くステップ1220では、出力信号の前回値が、オフセット変動閾値範囲外か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ1230に進み、一方否定判断されるとステップ1240に進む。
ステップ1230では、通常のオフセット調整幅γを設定する。
続くステップ1240では、上述の各実施例と同様に、前記設定値の合計量(α+β+γ)をオフセット調整幅としてオフセット制御値を求め、このオフセット制御値を検出回路11に出力して、出力信号のオフセット調整を行う。
ステップ1250では、脈波信号を検出する。
続くステップ1260では、本来のサンプリング周期か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ1270に進み、一方否定判断されるとステップ1280に進む。
ステップ1270では、本来のサンプリング周期であるので、検出した信号を、脈波信号、体動信号として保存する。
続くステップ1280では、α、β、γを初期値の0に設定し、前記ステップ1200に戻る。
本実施例では、短い周期でオフセット調整を行うので、速やかにオフセット調整を終了することができるという利点がある。また、脈波信号や体動信号として記憶するデータは、長い周期のサンプリングデータであるので、メモリを節約できるという利点がある。
次に、実施例11について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例では、可視光のみの照射と、赤外光のみの照射と、可視光及び赤外光の同時照射とを、それぞれ異なるタイミングで実施し、各反射光によって得られる出力信号に基づいて、脈波の検出に用いる検出光を決定する。以下具体的に説明する。
可視光のみを照射した場合の反射光の出力信号、赤外光のみを照射した場合の反射光の出力信号、可視光及び赤外光を同時照射した場合の出力信号を、それぞれFFT処理した結果を、図24に例示する。
この図24から明らかな様に、体動がある場合には、その体動の状態を示す周波数成分のパワーのピークは、可視光のみの照射の解析結果、赤外光のみの照射の解析結果、可視光及び赤外光の同時照射の解析結果がそれぞれ異なるので、例えば体動成分/脈拍成分のパワーの比をとった場合も、それぞれ異なっている。
従って、可視光及び赤外光の同時照射の場合の比を基準として、可視光のみの場合の比や赤外光のみの場合の比を比較することにより、可視光及び赤外光のどちらを体動及び脈波のどちらの検出に用いるかを決定することができる。
例えば可視光のみの場合の比が可視光及び赤外光の同時照射の場合の比より大きい場合には、体動成分が脈拍成分に比べて十分に大きいので、体動成分と脈拍成分の分離が容易である。よって、その様な場合には、可視光を脈波検出用の検出光として採用することができる。これにより、精度良く検出光を決定することができる。
また、体動が無い場合でも可視光及び赤外光の同時照射の出力は利用できる。可視光のみおよび赤外光のみの照射で脈波を検出した時に、いずれか一方のみでは脈波の振幅が不十分の場合には、同時照射にすることで脈波の感度を向上させ、その結果を利用して脈波を検出して脈拍数などを求めることも可能となる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば前記実施例5〜10の処理は、前記実施例1の検出光の決定の後に行われることが望ましい。
また、光量を変えた場合に、オフセットの調整幅を変化させる手法は、脈波や体動の検出の際に採用できるだけでなく、前記実施例1の検出光の決定に際にも適用できる。
1…脈波検出装置
3…データ処理装置
5…脈波センサ
7…駆動回路
11…検出回路
13…A/D変換器
15…マイクロコンピュータ
16…D/A変換器
17…可視光LED
19…赤外光LED
21…フォトダイオード(PD)

Claims (4)

  1. 検出光を照射する光照射部と、前記検出光の反射光を受光する受光部と、を備え、前記反射光による出力信号に基づいて、生体の脈波を検出する生体状態検出装置において、
    前記生体の皮膚表面からの散乱反射光による出力信号のオフセットを調節するために、
    受信信号レベルがオフセットを変動させる上限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定値だけ下げ、逆に下限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定量だけ上げるように、前記検出光の光量を調整するオフセット制御値を所定の調整幅で追従設定する構成を備え、
    前記反射光による出力信号の変化に対応して前記オフセット制御値の調整幅を変化させることを特徴とする生体状態検出装置。
  2. 検出光を照射する光照射部と、前記検出光の反射光を受光する受光部と、を備え、前記反射光による出力信号に基づいて、生体の脈波を検出する生体状態検出装置において、
    前記生体の皮膚表面からの散乱反射光による出力信号のオフセットを調節するために、
    受信信号レベルがオフセットを変動させる上限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定値だけ下げ、逆に下限の閾値に達すると直流成分を強制的に所定量だけ上げるように、前記検出光の光量を調整するオフセット制御値を所定の調整幅で追従設定する構成を備えるとともに
    乱光の変化を検出した場合には、前記外乱光の変化を検出しない場合に比べて、前記調整幅を大きくすることを特徴とする生体状態検出装置。
  3. 前記調整幅による前記オフセットの変化に対する追従が不十分な場合には、再度オフセット調整幅の設定を行うことを特徴とする前記請求項2に記載の生体状態検出装置。
  4. 第1のサンプリング周期で、前記オフセットの変化に対する追従を行うとともに、第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期で、前記出力信号のデータの保存を行うことを特徴とする前記請求項2又は3に記載の生体状態検出装置。
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