JP6103373B2 - 脈波計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人体の脈波を計測する脈波計測装置に関する。
従来より、血液中のヘモグロビンの光吸収特性を利用して人体の脈波を計測する光学式の脈波センサが知られている(例えば特許文献1参照)。この脈波センサは、人体(ユーザの皮膚)に光を照射する発光素子と、その発光素子で照射された光の反射光を受信する受光素子とを備え、血液の脈動によって生じる血流量の変化、すなわち脈波を受光素子での受光量の変化として検出するものである。
脈波センサで計測された脈波は、例えば脈拍数の算出に用いられたり、血圧の算出に用いられたりする。脈拍数や血圧を正確に算出するためには、脈波を正確に解析できるようにその脈波を計測する必要があり、具体的には、計測された脈波の振幅を小さすぎでも大きすぎでもない適正範囲に入れる必要がある。一方で、光学式の脈波センサを利用した脈波計測では、環境(周囲の明るさの違いなど)や個人(皮膚の色の違いなど)によって、脈波センサで計測される脈波信号が変化する。そのため、脈波振幅が適正範囲に入るための脈波センサのゲイン、具体的には、脈波センサの発光素子の光量や、受光素子で受信された脈波信号を増幅するアンプの増幅度を、環境や個人に応じて最適に調整する必要がある。
そこで、従来では、脈波振幅を見ながら、その脈波振幅が適正範囲に入るまで、脈波センサのゲイン(光量やアンプの増幅度)を段階的に変化させる方法がとられていた。すなわち、従来の方法では、脈波センサのゲインの段階を複数設定する。そして、(1)脈波センサで計測された脈波から脈波振幅を計算し、(2)その脈波振幅が適正範囲に入っているか否かを判断し、(3)脈波振幅が適正範囲から外れている場合には脈波センサのゲインを現在のゲインから1段階だけ変え、(4)脈波信号が落ち着くのを待つ、という上記(1)〜(4)の処理を最適なゲインが得られるまで(脈波振幅が適正範囲に入るまで)繰り返している。なお、特許文献1には、計測された脈波の振幅が規格範囲(適正範囲)外の場合には、発光素子の光量や受光素子のゲインを調整することが記載されている。
特公平6−18555号公報
しかしながら、従来のゲイン調整の方法では、脈波センサのゲインを1段階ずつ変化させて最適なゲインを得ていたので、その最適なゲインが得られるまでに時間がかかるという問題点があった。この点、特許文献1には、脈波振幅が規格範囲(適正範囲)から外れていた場合に脈波センサのゲインを調整するとしか記載されていないので、この問題点を解決するものとはなっていない。
脈波センサのゲインが、脈波振幅が適正範囲に入る最適ゲインに調整されるまでの時間を短縮できる脈波計測装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の脈波計測装置は、ユーザの皮膚に光を照射する照射手段と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段とを備える脈波センサと、
前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段と、
前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段と、
前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段と、を備え、
前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードを有することを特徴とする。
本発明によれば、脈波振幅と現在のゲインとに基づいて最適ゲインを予測し、予測された最適ゲインまで一気に変化させるので、段階的にゲインを変化させたときに比べて、最適ゲインに調整されるまでの時間を短縮できる。
脈波計測装置の構成図である。 脈波計測装置の外観の第1例を示した図である。 脈波計測装置の外観の第2例を示した図である。 図3の脈波計測装置の使用状態の図である。 ユーザ登録情報のテーブルを例示した図である。 脈波信号32と適正範囲63等の各種範囲とを示した図である。 ゲイン調整処理のフローチャートである。 光量初期値を決定する処理のフローチャートである。 脈波振幅を算出する処理のフローチャートである。 振幅算出区間の設定方法を説明するための図であり、心電信号50と脈波信号32とを示した図である。 心電信号を利用しないで脈波振幅を算出する手法を説明する図である。 振幅過小範囲64内の脈波信号321を示した図である。 AD範囲60を超えた脈波信号322を示した図である。 DC成分が含まれた脈波信号の推移を示した図である。 第1モードで最適なゲイン値を算出する処理のフローチャートである。 光量に対して脈波振幅がどのように変化するかの関係81を例示した図である。 今回の計測タイミングで求めた、光量と脈波振幅の関係82を例示した図である。 脈波信号の形状を三角形で簡略化した図である。 光量に対して脈波振幅がどのように変化するかの関係81を例示し、その関係81を用いてAD範囲の最大値、最小値まで脈波振幅を下げることができる光量Lの算出方法を説明する図である。
以下、本発明に係る脈波計測装置の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の脈波計測装置1の構成図を示している。その脈波計測装置1は、例えばユーザの脈拍数や血圧を計測する装置として実現されている。脈波計測装置1は、例えば図2や図3に例示する外観を有している。すなわち、図2の脈波計測装置1は、箱状(角型)の筐体14内に図1の各構成(脈波センサ2以外の構成)を収容する形で構成されている。また、図3の脈波計測装置1は、球形状の筐体15に図1の各構成を収容する形で構成されている。
図1に示すように、脈波計測装置1は、ユーザの脈波信号を検知する脈波センサ2と、その脈波センサ2で計測された脈波信号に対して各種処理を行う処理回路3、4、6とを備える。脈波センサ2は、発光部21(例えば発光ダイオード)及び受光部22(例えばフォトダイオード)を含んで構成される周知の光学式反射型センサである。具体的には、発光部21からユーザの皮膚に向けて光が照射されると、光の一部が人体の内部を通る小・細動脈(毛細動脈)を流れる血液中のヘモグロビンに吸収され、残りの光が小・細動脈で反射して散乱し、散乱した光の一部が受光部22に入射する。血液の脈動により小・細動脈をながれるヘモグロビンの量は波動的に変化し、ヘモグロビンに吸収される光も波動的に変化する。したがって、小・細動脈で反射して受光部22で検出される受光量が変化することになり、このときの受光量の変化を脈波信号(例えば電圧信号)として、脈波センサ2から出力される。
図2の例では、脈波センサ2は、筐体14外に設けられ、各種信号を伝達するコード24を介して筐体14内の回路と接続されている。また、図3の例では、脈波センサ2は、筐体15の表面に露出する形で設けられる。脈波を計測する際には、脈波センサ2はユーザの皮膚に接触するようにして用いられる。図3の脈波計測装置1の例では、図4に示すように、筐体15がユーザの両手で把持されて、その際に片方の手の掌150が脈波センサ2に接触するようになっている。
図1に示すように、受光部22はアンプ3に接続され、受光部22で受信された脈波信号はアンプ3に入力される。アンプ3は、脈波センサ2(受光部22)からの脈波信号を増幅する。アンプ3で増幅された脈波信号(アナログ信号)はA/D変換器4に入力され、そのA/D変換器4にてデジタル値に変換される。そのA/D変換器4は、所定の振幅範囲(以下、AD範囲という)内のアナログ信号に対しては正常にデジタル値に変換できる一方で、振幅レベルがAD範囲を超えるアナログ信号に対してはその超えた部分に対してはデジタル値に変換できない。そのAD範囲(電圧範囲)は例えば0V〜5Vの範囲とされる。A/D変換器4でデジタル値に変換された脈波信号は後述するCPU5に入力される。
なお、脈波センサ2で検知される脈波信号にはDC成分(直流成分)が含まれている。そのDC成分は、皮膚の表面で反射した光や環境光に起因するものであり、血液の脈動とは無関係である。そのため、脈波計測装置1には脈波信号に含まれたDC成分を除去するフィルタ(図示外)が設けられている。そのフィルタは、例えばA/D変換器4の前段(例えばアンプ3の前又はアンプ3の内部又はアンプ3とA/D変換器4の間)に設けられている。
また、脈波センサ2(受光部22)は、交流信号に重畳したDC成分を検出する直流成分検出回路6にも接続されている。脈波センサ2で検知された脈波信号はその直流成分検出回路6に入力され、直流成分検出回路6にて脈波信号に含まれるDC成分が検出される。交流信号に重畳されたDC成分を検出(抽出)する方法は周知であるので、直流成分検出回路6によるDC成分の検出原理の説明は割愛する。直流成分検出回路6で検出されたDC成分は後述するCPU5に入力される。
脈波計測装置1は、さらに、CPU5とROM7とRAM8と表示部9と操作部10と温度センサ11と光量制御部12とゲイン制御部13とを備える。光量制御部12は発光部21の光量を調整する回路である。ゲイン制御部13はアンプ3の増幅度(ゲイン)を調整する回路である。
CPU5は、A/D変換器4から入力された脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲に入るように、脈波センサ2のゲイン、具体的には発光部21の光量や受光部22のゲイン(厳密にはアンプ3の増幅度)を調整するゲイン調整処理を実行する。なお、本実施形態では、CPU5は、脈波センサ2のゲイン調整として、アンプ3の増幅度を固定とし、発光部21の光量を調整している。CPU5が実行するゲイン調整処理は本発明の特徴であるので後に詳細に説明する。
また、CPU5は、振幅が適正範囲に入った脈波信号に基づいて例えば脈拍数/分や血圧などを算出する。脈波信号の周期(1拍分の時間)をTとしたとき、脈拍数/分は60÷Tにより求めることができる。血圧は例えば特開2008−279185号公報に記載の方法により求めることができる。
ROM7には、CPU5が実行する処理のプログラムや、過去に脈波計測を行ったユーザの登録情報等が記憶されている。なお、ROM7としては、情報の書き込みも可能な不揮発性メモリ(例えばEEPROM、フラッシュメモリ)が用いられる。ここで、図5は、ROM7に記憶されたユーザ登録情報のテーブル71を例示している。テーブル71は、ユーザを特定する特定情報として各ユーザのユーザ番号が格納されるユーザ番号欄711と、過去に脈波計測を行った際にゲイン調整処理により得られた最適なゲイン値(発光部21の最適光量)Gが格納されるゲイン値欄712とを少なくとも含む。その他、テーブル71には、ユーザに関する情報(例えば計測された脈拍数、血圧等を格納する欄や、ユーザの年齢、身長、体重等を格納する欄)が設けられる。各ユーザ登録情報は、ユーザ番号欄711に格納されるユーザ番号に対応付けて格納されている。
さらに、ROM7には、脈波に影響すると考えられるユーザの属性に応じた発光部21の光量の初期値が記憶されている。具体的には例えば、ユーザの属性としてユーザの性別、人種、年齢に応じた光量初期値がROM7に記憶されている。例えば、ユーザの性別を考えたとき、男性に比べて女性のほうが冷え性の人が多く、その冷え性の影響で女性のほうが男性よりも脈波が計測しにくい、つまり脈波振幅が小さくなる傾向がある。そこで、女性用の光量初期値、男性用の光量初期値を定め、例えば女性用の光量初期値を男性用の光量初期値よりも大きくする。なお、脈波計測装置1には、脈波計測を行う際の発光部21の光量の調整モードとして、最適な光量になるまで発光部21の光量を、予め定められた複数段階(具体的には例えば9段階)の範囲で1段階ずつ変化させるモード(第2モード)が設けられている。そして、光量初期値を上記複数段階(9段階)のうちの何段階目であるかで設定しても良い。具体的には、光量の段階数を9段階として、段階の数値が大きくなるほど光量が大きくなるとしたとき、例えば、男性用の光量初期値は5段階目の光量とし、女性用の光量初期値は7段階目の光量とする。
また、例えば、ユーザの人種を考えたとき、皮膚の色が濃い(黒い)人種ほど、発光部21から照射された光が皮膚を透過しにくくなるので、脈波振幅が小さくなる傾向がある。そこで、人種(黒人、黄色人(アジア人)、白人)に応じた光量初期値を定め、例えば白人、黄色人(アジア人)、黒人の順に光量初期値を大きくする。光量初期値を複数段階(9段階)のうちの何段階目であるかで設定する場合には、例えば、白人の光量初期値を1段階目に、黄色人の光量初期値を5段階目に、黒人の光量初期値を9段階目に設定する。
また、例えば、ユーザの年齢を考えたとき、本発明者は、高齢の人の脈波は計測しにくいという知見をもっている。そこで、例えば、若齢のユーザ用(例えば40歳未満のユーザ用)の光量初期値と、高齢のユーザ用(例えば40歳以上のユーザ用)の光量初期値とを定め、高齢のユーザ用の光量初期値を、若齢のユーザ用の光量初期値よりも大きくする。光量初期値を複数段階(9段階)のうちの何段階目であるかで設定する場合には、例えば高齢のユーザ用の光量初期値を7段階目に、若齢のユーザ用の光量初期値を3段階目に設定する。
なお、性別、人種、年齢の全てを考慮した光量初期値を設定しても良く、例えば、男性、黒人、高齢のユーザ用の光量初期値や、女性、黄色人、若齢のユーザ用の光量初期値などを設定しても良い。
RAM8には、CPU5がゲイン調整処理等の処理を進めるうえで必要な各種情報(例えば脈波信号の振幅の値など)が一時的に記憶される。
表示部9は、計測された脈波信号やCPU5が算出した脈拍数や血圧などの各種情報を表示する。その表示部9は、図2、図3に示すように、例えば筐体14、15の前面に設けられた液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
操作部10は、図2、図3に示すように例えば筐体14、15の前面に設けられ、脈波計測が行われるユーザにより操作される部分である。操作部10は例えば押下操作が行われるプッシュボタンである。その操作部10は、図2に示すように、例えば、脈波計測装置1に対して脈波計測の開始を指示する計測開始ボタン101や脈波計測の終了を指示する計測終了ボタン102を含む。さらに、操作部10は、表示部9に表示された脈波信号32(図2参照)の振幅レベルが小さすぎる又は大きすぎると判断したユーザにより操作されることを想定した、脈波計測装置1に対してゲイン(発光部21の光量)の調整を指示するゲイン調整ボタン103(図2、図3参照)を含む。その他、操作部10は、脈波計測装置1に対してユーザの登録を指示する登録ボタンや、ユーザに関する情報(例えば、ユーザを特定する情報(図5のユーザ番号)、ユーザの年齢、性別、人種等)を入力する入力ボタン等を含む。操作部10はCPU5に接続されており、操作部10が操作されたことを示す信号はCPU5に入力される。
温度センサ11は、脈波センサ2により脈波計測を行う際にその脈波センサ2が接触するユーザの皮膚部分の温度を検知するセンサである。その温度センサ11は、図2の例では、脈波センサ2の皮膚接触面23に設けられ、図3の例では、脈波センサ2の近く、すなわち、ユーザの手が筐体15を把持した状態で手の掌150(図4参照)が当たる部分に温度センサ11が設けられている。温度センサ11はCPU5に接続されており、温度センサ11で検知された温度はCPU5に入力される。
脈波計測装置1(CPU5)は、ユーザの心電信号(心電図)を計測する心電計測装置100(図1参照)が計測した心電信号を取得できるように構成されている。その心電計測装置100は、ユーザの皮膚に接触して心電信号を検知する電極や、その電極にて検知される心電信号に対して各種処理(ノイズ除去、増幅、AD変換など)を行う処理回路等から構成されている。心電計測装置100は、脈波計測装置1と別体で構成しても良いし、脈波計測装置1に組み込む形で構成しても良い。図3の例では、心電計測装置100としての心電センサ111、112が筐体15の裏面に設けられた例を示している。一方の心電センサ111は、ユーザが筐体15を把持した状態で右指が接触する筐体部分(筐体15の裏面の右端)に設けられ、他方の心電センサ112は、左指が接触する筐体部分(筐体15の裏面の左端)に設けられる。
次に、CPU5が実行するゲイン調整処理の詳細を説明する。上述したように、ゲイン調整処理においては、計測された脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲に入るように発光部21の光量の調整を行う。ここで、図6は、適正範囲等を説明する図であり、脈波信号32と、適正範囲63を含む各種範囲とを示している。図6には、A/D変換器4のAD範囲60(AD範囲60の最大値Vmax(例えば5V)と最小値Vmin(例えば0V)の間の範囲)を図示している。また、図6には、脈波信号の振幅が小さすぎる範囲を示した規格値V1以下の範囲64(以下、振幅過小範囲という)を図示している。
適正範囲63は、振幅過小範囲64の限界値V1(規格値V1、本発明の第4の規格値に相当)より大きい規格値V3(本発明の第2の規格値に相当)と、その規格値V3よりも大きく、かつAD範囲60の限界値Vmax、Vmin(本発明の第3の規格値に相当)よりも小さい規格値V2(本発明の第1の規格値に相当)の間の範囲に設定されている。適正範囲63は例えばAD範囲60の80%〜50%の範囲に設定、すなわち規格値V2がAD範囲60(最大値Vmax、最小値Vmin)の80%に設定され、規格値V3がAD範囲60の50%に設定されている。このように、適正範囲63の上限(規格値V2)をAD範囲60の最大値Vmax、最小値Vminに対して余裕を持った値に設定することで、発光部21の光量を最適な値に調整した後において、時々刻々振幅が変動する脈波信号がAD範囲60を超えてしまうのを抑制できる。なお、図6では、脈波信号32の振幅(脈波信号の最大値と最小値)が適正範囲63に入っている例を示している。
図7にゲイン調整処理のフローチャートを示している。この図7の処理は例えば計測開始ボタン101(図2参照)が操作された時に開始し、脈拍数や血圧を計測できた時又は計測終了ボタン102(図2参照)が操作された時に終了する。
図7の処理を開始すると、先ず、発光部21の光量の初期値を決定する(S11)。図8は、S11の処理の詳細のフローチャートを示している。図8の処理に移行すると、先ず、図5のテーブル71に登録されているユーザ(ユーザ番号が付与されたユーザ)の脈波計測を行う場合には、そのユーザによるユーザ選択操作が行われる(S31)。すなわち、ユーザは、操作部10のうちの所定ボタンを操作することで、自身のユーザ番号の入力を行う(S31)。CPU5は、S31では、ユーザ選択操作により入力されたユーザ番号を受け付ける。なお、未登録のユーザ(ユーザ番号が付与さされていないユーザ)の脈波計測を行う場合には、このS31では何も行われない。
次に、今回のユーザが、図5のテーブル71に登録されたユーザか否かを判断する(S32)。具体的には、S31でユーザ番号が入力された場合には、そのユーザ番号がテーブル71に登録されている場合に登録済みのユーザであると判断する一方で、入力されたユーザ番号がテーブル71に登録されていない場合、又はS31でユーザ番号の入力が無かった場合には未登録のユーザであると判断する(S32)。
登録済みのユーザの場合には(S32:Yes)、S33に進んで、入力されたユーザ番号に対応付けて図5のテーブル71に格納されたゲイン値を光量の初期値として読み出す(S33)。例えば、ユーザ番号「2」が入力された場合には、図5のゲイン値G2が読み出されることになる。その後、図8のフローチャートの処理を終了する。
未登録のユーザの場合には(S32:No)、S34に進んで、ユーザによるユーザ登録操作、具体的には、ユーザに関する情報(ユーザ番号、性別、年齢、人種等)を登録するためのユーザの操作が行われる(S34)。CPU5は、S34では、ユーザ登録操作による入力されたユーザに関する情報を受け付ける。具体的には、S34では、例えば、ユーザは操作部10のうちの登録ボタン(図示外)を操作することでユーザ登録を行うことができる。CPU5は、登録ボタンが操作された場合には、テーブル71に登録されていないユーザ番号を今回のユーザのユーザ番号として設定する。そして、登録ボタンの操作に続けて入力された情報(性別、年齢、人種等)を、設定したユーザ番号に対応付けてテーブル71に格納し、又はRAM8(図1参照)に記憶する。
次に、S34で登録された(テーブル71に格納された、又はRAM8に記憶された)情報のうちの性別が男性か女性かを判断する(S35)。男性の場合には、S36に進んで、ROM7から男性用の光量初期値を読み出し(S36)、女性の場合には、S37に進んで、ROM7から女性用の光量初期値を読み出す(S37)。その後、図8のフローチャートの処理を終了する。
なお、S34において、性別に代えて、又は性別に加えて、ユーザの人種や年齢が入力された場合には、S35〜S37では、ユーザの人種に応じた光量初期値や年齢に応じた光量初期値をROM7から読み出しても良い。または、性別、人種、年齢の全てを考慮した光量初期値がROM7に記憶されている場合には、その光量初期値を読み出しても良い。または、性別に応じた光量初期値と、人種に応じた光量初期値と、年齢に応じた光量初期値とが個別にROM7に記憶されている場合には、S35〜S37では、今回のユーザの性別に応じた光量初期値と、人種に応じた光量初期値と、年齢に応じた光量初期値とを全て読み出し、読み出した複数の光量初期値の平均値を最終的な光量初期値としても良い。
図7の処理に戻り、次に、光量制御部12(図1参照)に指示して、S11で決定した光量初期値で発光部21から光を照射するように脈波センサ2の光量を調整して、脈波信号の計測(脈波サンプリング)を開始する(S12)。このとき、CPU5は、ゲイン制御部13(図1参照)に指示して、アンプ3の増幅度を予め定めた固定値に設定して、脈波サンプリングを行う。これにより、ユーザの属性にかかわらず一律の光量初期値から脈波計測を開始する場合に比べて、以降の処理で最適光量が得られるまでの時間を短縮できる。なお、CPU5は、S12で得られた脈波信号を表示部9に表示するようにしても良い。
次に、S12で得られた脈波信号の振幅Haを算出する(S13)。図9は、S13の詳細なフローチャートを示しており、S13ではそのフローチャートの処理により脈波振幅Haを算出する。脈波振幅を正確に算出するためには、脈波の始点(最下点)と終点(最上点)とを正確に検出する必要があるが、脈波信号に重畳したノイズや脈波信号の揺らぎなどの影響により、それら始点、終点の検出が困難となる場合がある。一方で、脈拍は心拍により起こる動脈中の圧力の変動であるので、脈波信号は心電信号と相関があり、具体的には脈波信号は心電信号に対して遅れて伝搬する。また、心拍信号は脈波信号に比べて波形がはっきりとしている。そこで、図9の処理では、ユーザの心拍信号に基づいて脈波振幅を算出している。
具体的には、図9の処理に移行すると、先ず、心電計測装置100(図1参照)から、ユーザの心電信号を取得する(S41)。次に、S41で取得した心電信号に基づいて、脈波信号の中から振幅を算出するための時間区間(振幅算出区間)を設定する(S42)。図10は振幅算出区間の設定方法を説明するための図であり、詳細には、S41で取得した心電信号50と、図7のS12で得られた脈波信号32とを示している。それら心電信号50と脈波信号32の時間軸は同じである。上述したように、脈波信号32は心電信号50(心電信号50のR波51)に対して遅れて伝搬する。つまり、図10の脈波信号32のうちの破線部分32aの波は、1つ前のR波51aにより生じた波である。そこで、S42では、心電信号50のR波51の時間t1を基点とした時間t2までの区間を振幅算出区間として設定する。具体的には、振幅算出区間が、R波51aに対応する脈波32aを含み、心電信号50の周期t3よりも短い区間となるように、時間t2を設定する。より具体的には、時間t1を基点とし、心電信号50の周期t3の所定割合(例えば70%)となる区間を振幅算出区間として設定する。
次に、S42で設定した振幅算出区間の中で脈波信号32の最小値P1と最大値P2とを検出し、それら最小値P1、最大値P2の差Haを脈波振幅として算出する(S43)。その後、図9のフローチャートの処理を終了する。
なお、S42では振幅算出区間を複数設定し、S43では、振幅算出区間ごとに脈波振幅を算出し、得られた複数の脈波振幅に基づいて最終的な脈波振幅を算出するようにしてもよい。具体的には例えば複数の脈波振幅の平均値や中央値を最終的な脈波振幅とする。これにより、ノイズや脈波信号の揺らぎ等の影響を低減した高精度の脈波振幅を得ることができる。
なお、心電信号を利用しないでも脈波振幅を算出することはできる。この場合には例えば図11に示すように、予め設定した一定の時間区間(振幅算出区間)ごとに脈波信号を区切って、各振幅算出区間ごとに脈波振幅H1、H2、H3、H4・・・を算出し、得られた複数の脈波振幅の平均値や中央値を最終的な脈波振幅とする。しかし、心電信号を利用しない手法では、振幅算出区間が図9の手法に比べて不正確である、つまり、1拍分の脈波に満たない振幅算出区間を設定してしまったり、2拍分以上の脈波を含む振幅算出区間を設定してしまったりすることがあるので、脈波振幅の算出精度を確保するためには、多数の振幅算出区間を設定する必要がある。その結果、最終的な脈波振幅が得られるまでに時間がかかってしまう。これに対し、心電信号を利用した手法では、正確な振幅算出区間を設定できるので、振幅算出区間の設定数を抑えることができ、ひいては脈波振幅の算出時間を短縮できる。
図7の処理の説明に戻る。本実施形態では、上記第2モードの他に、脈波センサ2のゲイン(発光部21の光量)を最適な値にまで一気に(段階的な光量調整を経ないで)変化させる第1モードが設けられている。そこで、S13の次に、その第1モードでゲイン調整を行うか否かを判断する(S14)。具体的には、本実実施形態では、S14の判断をする手法として4つの判断手法があり、第1の判断手法として、S13で得られた脈波振幅に基づいて第1モードを行うか否かを判断する。より具体的には、S13で得られた脈波振幅Haが、図6の振幅過小範囲64内の場合(規格値V1以下の場合)又はAD範囲60(最大値Vmax、最小値Vmin)を超えた場合に、第1モードでゲイン調整を行うと判断する。
図12は、脈波信号321の振幅Haが振幅過小範囲64内の場合を示している。この場合には、脈波信号321の振幅Haが小さすぎであり、その脈波信号321から脈拍数や血圧などを求めるのは困難なので、第1モードでゲイン調整を行って発光部21の光量を大きくする必要がある。
図13は、脈波信号322(A/D変換器4でAD変換された後の脈波信号)の振幅がAD範囲60(図13では、最大値Vmax)を超えた場合を示している。この場合には、脈波信号322のAD範囲60を超えた部分322aは最大値Vmaxで飽和してしまい、実際の脈波信号(AD変換する前の脈波信号)の形状とは異なる形状の脈波信号322が得られてしまう。この脈波信号322に基づいて脈拍数や血圧などを求めるとそれらの精度が低下してしまうので、第1モードでゲイン調整を行って発光部21の光量を小さくする必要がある。
次に、第2の判断手法を説明すると、直流成分検出回路6(図1参照)で検出されたDC成分に基づいて第1モードを行うか否かを判断する。ここで、図14は、DC成分が含まれた脈波信号(フィルタでDC成分を除去する前の脈波信号)の推移を示している。図14には、現在の脈波信号を符号「312」で、直前の脈波信号、言い換えると1回前のS12の脈波サンプリングで得られた脈波信号又は所定時間前に得られた脈波信号を符号「311」で図示している。
脈波信号のDC成分が大きく変化したということは、例えば携帯型の脈波計測装置1で脈波計測を行っているユーザが暗い場所から明るい場所に移動した場合など周囲の環境(明るさ)が変わった場合や、脈波センサ2と皮膚との接触状態が変わった場合や、ユーザが変わった場合など、脈波計測の条件が変わったと考えることができる。この場合には、現在の計測条件に応じた光量に調整し直す必要がある。そこで、S14では、直流成分検出回路6で検出されたDC成分が所定の閾値以上変化した場合に、第1モードを行うと判断する。すなわち、図14の例では、現在の脈波信号312のDC成分312aと、直前の脈波信号311のDC成分311aとの差分ΔDCが所定の閾値以上の場合に第1モードを行うと判断する。
次に、第3の判断手法を説明すると、表示部9に表示された脈波信号を見て脈波センサ2のゲイン不足又はゲイン過剰と判断したユーザによりゲイン調整ボタン103(図2、図3参照)が操作された場合に、第1モードを行うと判断する。
次に、第4の判断手法を説明する。脈波計測が行われる皮膚部分の温度が低下している場合には、血流が低下するなどにより脈波信号の振幅が小さくなる傾向がある。そこで、S14では、温度センサ11(図1参照)で検知された温度が所定温度(例えば20℃)以下の場合に、第1モードを行うと判断する。
このように、S14では、上記第1〜第4の判断手法のそれぞれの第1モード実行条件を1つでも満たした場合に第1モードでゲイン調整を行うと判断し、1つも満たさない場合には第1モードではゲイン調整を行わないと判断する。
S14において、第1モードでゲイン調整を行うと判断した場合には(S14:Yes)、S15に進んで、第1モードを実行、具体的には脈波信号の振幅が適正範囲63(図6参照)に入る脈波センサ2のゲイン値G(発光部21の光量)を決定する(S15)。図15は、S15の詳細なフローチャートを示しており、S15ではそのフローチャートの処理により最適なゲイン値Gを決定する。
図15の処理に移行すると、先ず、脈波信号の振幅がAD範囲60(図6参照)を超えたか否かを判断する(S51)。具体的には、S12で得られた脈波信号の最大値又は最小値が、AD範囲60の最大値Vmax又は最小値Vminに達している場合には脈波信号の振幅がAD範囲60を超えたと判断し、最大値Vmax又は最小値Vminに達していない場合には、脈波信号の振幅はAD範囲60内であると判断する。
脈波信号の振幅がAD範囲60内の場合には(S51:No)、S52に進む。この場合には、図12に示すように、脈波信号321の振幅Haが規格値V1以下の場合(図7のS14で上記第1の判断手法により第1モードを行うと判断した場合)を想定している。
S52では、適正範囲63(図6参照)に入る脈波振幅として予めROM7等に記憶された最適振幅Hbと、図7のS13で算出した脈波振幅Haとの振幅比を算出する(S52)。本実施形態では、その振幅比として、脈波振幅Haに対する最適振幅Hbの比(=Hb/Ha)を算出する。
次に、S52で算出した振幅比Hb/Haと、現在の発光部21の光量Laとに基づいて、最適振幅Hbが得られる発光部21の光量である最適光量Lbを最適なゲイン値Gとして算出する(S53)。具体的には例えば、光量と脈波振幅は比例すると仮定して、最適光量Lbは、現在の光量Laを振幅比Hb/Ha倍にした光量、つまり、Lb=La×(Hb/Ha)となる。
なお、光量と脈波振幅は厳密には比例しないので、S53では例えば、図16に示すように、光量に対して脈波振幅がどのように変化するかの関係81を予め調べておき、その関係81をROM7(図1参照)に記憶しておく。そして、S53では、ROM7に記憶した関係81を用いて、最適光量Lbを算出しても良い。このとき、同じ光量であっても個人や環境などの計測条件が変わると脈波振幅は変わってくるので、関係81において最適振幅Hbに対応する光量L2をそのまま用いることができない。そこで、S13で算出した脈波振幅Haに対応する光量L1と、最適振幅Hbに対応する光量L2とを関係81から求める。そして、現在の光量Laを、光量L2と光量L1との比(=L2/L1)倍にした光量を、最適光量Lbとする。つまり、Lb=La×(L2/L1)とする。これによって、光量と脈波振幅とが比例関係にない場合であっても高精度の最適光量Lbを得ることができる。
なお、より高精度の最適光量Lbを得るために、脈波を計測するタイミングで、光量と脈波振幅の関係を求めるようにしても良い。具体的には、図17に示すように、光量をいくつか変化(少なくとも3点以上変化)させて、各光量L31、L32、L33・・・での脈波振幅H31、H32、H33・・・を求める。そして、脈波振幅と光量で定まる座標系において、点(H31、L31)、点(H32、L32)、点(H33、L33)・・・に対する近似線82を、今回の計測条件における光量と脈波振幅の関係として求める。なお、その関係82を求めるタイミングは、今回の計測時であればいつでも良く、例えばS34の処理時に関係82を求めるようにしても良いし、S34以前のタイミングで関係82を求めるようにしても良い。そして、S53では、求めた関係82を用いて、図16で説明したのと同様な方法で、最適光量Lbを算出する。これにより、今回の計測条件を反映した高精度の最適光量Lbを得ることができる。S53の後、図15のフローチャートの処理を終了する。
一方、S51において、図13に示すように、脈波信号322の振幅がAD範囲60を超えている場合には(S51:Yes)、S54に進む。この場合には、先のS13において正確な脈波振幅を得ることができないので、S54以降では脈波振幅を用いないで最適光量を求めている。
図13を参照してS54以降の処理を説明すると、S54では、脈波信号322のAD範囲60を超えた部分322aにおける時間幅である飽和区間長Taを算出する。具体的には、脈波信号322のうち、AD範囲60の最大値Vmax又は最小値Vminと同じ値となっている部分の長さ(図13の例では最大値Vmaxに達している部分の長さ)を飽和区間長Taとして算出する。
次に、脈波信号322の1拍分の時間幅(脈波の周期)である脈波長Tbを算出する(S55)。具体的には、前回までのS12において精度の高い脈波信号、すなわち脈拍数などを算出可能な脈波信号が得られている場合には、S55では、例えばその脈波信号から脈拍数などを算出する過程で得られた脈波長Tbを取得する。または、今回の脈波信号322(図13参照)から脈波長Tbを求めても良い。具体的には、飽和区間の左端322bから時間に逆行する方向に進んで最初の変曲点322c(図13の場合は最下点)を検出する。また、飽和区間の右端322dから時間に順行する方向に進んで最初の変曲点322e(図13の場合は最下点)を検出する。そして、検出した変曲点322c、322e間の長さTbを脈波長として算出する。
ここで、図18は、図13の脈波信号322及びAD範囲60を超えた部分322aを模式的に示した図であり、詳細には脈波信号322及び部分322aの形状を三角形で簡略化した図である。図18の実線部分323が図13の脈波信号322に対応しており、破線部分323aが図13の破線部分322aに対応している。ここで、光量を調整することで、実線部分323及び破線部分323aで定まる三角形(高さ=H11+H12)を、AD範囲の高さH12(実線部分323の高さ)の三角形324(1点鎖線部分)にすることを考える。このとき、発光部21の光量と脈波振幅との関係が比例関係であると仮定すると、図18の脈波長Tb、飽和区間長Ta、高さH11、H12の関係から、現在の光量Laを(1−Ta/Tb)倍することで三角形324の高さH12まで脈波振幅を減少できることがわかる。
そこで、次のS56では、脈波長Tbに対する飽和区間長Taの比Ta/Tbを算出する。次に、その比Ta/Tbと現在の光量Laとに基づいて、脈波振幅が適正範囲63(図6参照)に入る脈波信号が得られる発光部21の光量(最適光量Lb)を最適なゲイン値Gとして算出する(S57)。具体的には、上述したように、現在の光量Laを(1−Ta/Tb)倍にすることで理論上はAD範囲60の最大値Vmax、最小値Vminまで脈波振幅を下げることができる。そして、さらに、適正範囲63内にまで脈波振幅を下げる場合には、適正範囲63の上限値V2(図6参照)と、AD範囲60の最大値Vmax、最小値Vminとの差に応じた分だけ光量を下げればよい。すなわち、S57では、Lb=La×(1−Ta/Tb)×kを計算すればよい。なお、kは、上限値V2と最大値Vmax、最小値Vminとの差に応じた1以下の係数である。
なお、S53のときと同様に、光量と脈波振幅とは厳密には比例しないので、S57では例えば、図19に示すように、光量に対して脈波振幅がどのように変化するかの関係81を予め調べておき、その関係81をROM7(図1参照)に記憶しておく。そして、S57では、ROM7に記憶した関係81を用いて、最適光量Lbを算出しても良い。具体的には、現在の光量Laに対応する脈波振幅Hcを関係81から求める。そして、その脈波振幅Hcを、(1−Ta/Tb)倍した脈波振幅(=Hc×(1−Ta/Tb))に対応する光量Lを関係81から求める。これによって、光量と脈波振幅とが比例関係にない場合であっても、AD範囲60の最大値Vmax、最小値Vminまで脈波振幅を下げることができる光量Lが得られる。さらに、その光量Lに上記係数kを乗算することで、脈波振幅が適正範囲63に入る最適光量Lbを得ることができる。
なお、S53と同様に、脈波を計測するタイミングで光量と脈波振幅の関係82(図17参照)を求め、S57では、その関係82を用いて最適光量Lbを算出しても良い。これにより、より高精度の最適光量Lbを得ることができる。S57の後、図15のフローチャートの処理を終了する。
図7の処理に戻り、S15で最適なゲイン値G(最適光量Lb)を算出した後、S20に進み、そのゲイン値Gとなるように光量制御部12に発光部21の光量調整を行わせる。つまり、現在の光量LaからS15で得られた最適光量Lbまで、発光部21の光量を一気に変化させる(S20)。これによって、図12の例では、実線の脈波信号321から破線の脈波信号33に一気に変化させることができ、図13の例では、実線の脈波信号322から破線の脈波信号33に一気に変化させることができる。つまり、脈波振幅を適正範囲63内にまで一気に変化させることができる。よって、光量調整の時間を短縮できる。S20の後、S12に戻って、次の時点の脈波信号を計測する(S12)。
一方、S14において、第1モードでゲイン調整を行わないと判断した場合には(S14:No)、S16に進んで、光量を1段階ずつ変化させる第2モードでゲイン調整を行うか否かを判断する(S16)。具体的には、S13で算出した脈波振幅Ha(厳密には脈波振幅Haの最上点及び最下点)が、図6に示す規格値V2と最大値Vmax又は最小値Vminの間の範囲66、又は規格値V1と規格値V3の間の範囲65に入っているか否かに基づいて、第2モードでゲイン調整を行うか否かを判断する。
脈波振幅Haが図6の範囲65、66に入っている場合には(S16:Yes)、第2モードを実行するとして、S17に進む。S17では、脈波振幅Haが図6の範囲65、66のどちらに入っているかに基づいて、脈波振幅Haが小さすぎるのか大きすぎるのかを判断する(S17)。脈波振幅Haが範囲65に入っている場合には、その振幅Haは小さすぎるとして、S18に進んで、ゲイン値G(発光部21の光量)を現在のゲイン値(光量)から1段階増加させる(S18)。その後、S20に進んで、S18で決定したゲイン値Gとなるように光量制御部12に発光部21の光量調整を行わせる。これによって、光量が1段階増加した分だけ脈波振幅を大きくすることができる。
その後、S12に戻って次の時点の脈波サンプリングを行い、その脈波サンプリングで得られた脈波信号の振幅Haが依然として小さすぎる場合には(S17:振幅小)、ゲイン値Gをさらに1段階増加させる(S18、S20)。その後、S16において、脈波振幅Haが図6の範囲65、66のどちらにも入らなくなった場合(S16:No)、つまり脈波振幅Haが適正範囲63に入っている場合には、S21に進んで、現在のゲイン値Gを今回のユーザ番号に対応付けてテーブル71(図5参照)に記録する(S21)。このS21で記録されたゲイン値Gは、次回以降の脈波計測において、S11で決定する光量初期値として用いられる。なお、第1モードで決定したゲイン値(最適光量Lb)は、脈波振幅Haが適正範囲63内に入っていることを確認できたときに、つまりS15→S20により第1モードでゲイン調整を行った後、S12に戻って、S14:No→S16:Noと判断したときに、テーブル71に記録される(S21)。
一方、S17において、脈波振幅Haが範囲66(図6参照)に入っている場合には、その振幅Haは大きすぎるとして、S19に進んで、ゲイン値G(発光部21の光量)を現在のゲイン値(光量)から1段階減少させる(S19)。その後、S20に進んで、S19で決定したゲイン値となるように光量制御部12に発光部21の光量調整を行わせる。これによって、光量が1段階減少した分だけ脈波振幅を小さくすることができる。
その後、S12に戻って次の時点の脈波サンプリングを行い、その脈波サンプリングで得られた脈波信号の脈波振幅Haが依然として大きすぎる場合には(S17:振幅大)、ゲイン値Gをさらに1段階減少させる(S19、S20)。その後、S16において、脈波振幅Haが図6の範囲65、66のどちらにも入らなくなった場合(S16:No)、つまり脈波振幅Haが適正範囲63に入っている場合には、S21に進んで、現在のゲイン値Gを今回のユーザ番号に対応付けてテーブル71(図5参照)に記録する(S21)。その後、CPU5は、適正範囲に入った脈波信号に基づいて脈拍数や血圧などを算出し、算出した脈拍数や血圧などを表示部9に表示する。
以上説明したように、本実施形態によれば、脈波振幅が適正範囲から大きく外れている場合や、計測条件が変化した場合(DC成分が大きく変化した場合、ゲイン調整ボタンが操作された場合、皮膚温度が低下した場合)には、第1モードを実行して光量を一気に変化させるので、光量の調整時間を短縮できる。また、脈波振幅が適正範囲から少し外れている場合には、第2モードを実行して脈波振幅が適正範囲に入るまで光量を1段階ずつ変化させるので、確実に脈波振幅を適正範囲内に入れることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、脈波センサのゲイン調整として、発光部の光量調整を行う例を説明したが、光量に代えて、又は光量に加えてアンプ3(図1参照)の増幅度を調整しても良い。また、上記実施形態では、脈波振幅がAD範囲を超えている場合、又は振幅過小範囲内の場合に第1モードを実行していたが、脈波振幅がAD範囲内、振幅過小範囲外であっても、適正範囲から外れた場合には第2モードに代えて第1モードを実行しても良い。
1 脈波計測装置
2 脈波センサ
21 発光部
22 受光部
5 CPU
12 光量制御部
13 ゲイン制御部

Claims (20)

  1. ユーザの皮膚に光を照射する照射手段(21)と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段(22)とを備える脈波センサ(2)と、
    前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段(12、13、5、S20)と、
    前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段(S13)と、
    前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲(63)内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段(S15)と、を備え、
    前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードと、前記振幅算出手段が算出する振幅が前記適正範囲内に入るまで、予め定められた変化幅で前記ゲインを段階的に変化させる第2モードとを有することを特徴とする脈波計測装置(1)。
  2. ユーザの皮膚に光を照射する照射手段(21)と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段(22)とを備える脈波センサ(2)と、
    前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段(12、13、5、S20)と、
    前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段(S13)と、
    前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲(63)内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段(S15)と、を備え、
    前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードと、段階的に変化させる第2モードとを有することを特徴とする脈波計測装置(1)。
  3. ユーザの皮膚に光を照射する照射手段(21)と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段(22)とを備える脈波センサ(2)と、
    前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段(12、13、5、S20)と、
    前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段(S13)と、
    前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲(63)内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段(S15)と、
    前記受光手段が受信した脈波信号をデジタル値に変換するA/D変換器(4)と、
    前記脈波信号の1拍分の時間幅である脈波長を算出する脈波長算出手段(S55)と、
    前記A/D変換器によりデジタル値に変換前の前記脈波信号の振幅が、前記A/D変換器がデジタル値に変換可能なアナログ信号の振幅範囲(60)を超えた場合に、前記脈波信号の前記振幅範囲を超えた部分における時間幅である飽和区間長を算出する飽和区間算出手段(S54)とを備え、
    前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードを有し、
    前記ゲイン予測手段(S52、S53)は、前記振幅算出手段により得られた前記脈波信号の現在の振幅と前記適正範囲内に入る前記振幅として予め定められた最適振幅との振幅比と、現在の前記ゲインとに基づいて前記最適ゲインを予測し、
    前記振幅算出手段は、前記A/D変換器によりデジタル値に変換後の脈波信号に基づきその脈波信号の振幅を算出し、
    前記ゲイン予測手段(S56、S57)は、前記脈波信号の振幅が前記振幅範囲を超えた場合には、前記振幅比に代えて前記飽和区間長と前記脈波長との比を用い、その比と現在の前記ゲインとに基づいて前記最適ゲインを予測することを特徴とする脈波計測装置(1)。
  4. ユーザの皮膚に光を照射する照射手段(21)と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段(22)とを備える脈波センサ(2)と、
    前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段(12、13、5、S20)と、
    前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段(S13)と、
    前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲(63)内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段(S15)と、を備え、
    前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードを有し、
    前記適正範囲は、第1の規格値(V2)以下で、かつ、その第1の規格値よりも小さい第2の規格値(V3)以上の範囲に設定され、
    前記ゲイン調整手段(S14)は、前記脈波信号の振幅が、前記第1の規格値よりも前記振幅が大きい方向に設定された第3の規格値(Vmax、Vmin)を超えた場合に、又は前記第2の規格値よりも前記振幅が小さい方向に設定された第4の規格値(V1)を下回った場合に前記第1モードを実行することを特徴とする脈波計測装置(1)。
  5. ユーザの皮膚に光を照射する照射手段(21)と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段(22)とを備える脈波センサ(2)と、
    前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段(12、13、5、S20)と、
    前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段(S13)と、
    前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲(63)内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段(S15)と、
    ユーザの心電信号を取得する心電信号取得手段(S41)とを備え、
    前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードを有し、
    前記振幅算出手段(S42、S43)は、前記心電信号取得手段が取得した心電信号に基づいて前記脈波信号の中から振幅を算出するための時間区間を設定し、その時間区間における脈波信号の最小値と最大値の差をその脈波信号の振幅として算出することを特徴とする脈波計測装置(1)。
  6. ユーザの皮膚に光を照射する照射手段(21)と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段(22)とを備える脈波センサ(2)と、
    前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段(12、13、5、S20)と、
    前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段(S13)と、
    前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲(63)内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段(S15)と、
    ユーザの属性として性別を取得する属性取得手段(S34、10)と、
    前記属性取得手段が取得した性別に応じた前記ゲインの初期値を設定し、男性用の前記初期値より女性用の前記初期値を大きい値に設定する初期値設定手段(S35〜S37)とを備え、
    前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードを有することを特徴とする脈波計測装置(1)。
  7. ユーザの皮膚に光を照射する照射手段(21)と、その照射手段が照射した光の反射光を前記ユーザの脈波信号として受信する受光手段(22)とを備える脈波センサ(2)と、
    前記脈波センサのゲインを調整するゲイン調整手段(12、13、5、S20)と、
    前記脈波センサが検知した脈波信号の振幅を算出する振幅算出手段(S13)と、
    前記振幅算出手段により得られた振幅と現在の前記ゲインとに基づいて、前記脈波信号の振幅が予め定められた適正範囲(63)内に入る前記ゲインである最適ゲインを予測するゲイン予測手段(S15)と、
    ユーザの属性として年齢を取得する属性取得手段(S34、10)と、
    前記属性取得手段が取得した年齢に応じた前記ゲインの初期値を設定し、所定年齢未満の若齢のユーザ用の前記初期値より、所定年齢以上の高齢のユーザ用の前記初期値を大きい値に設定する初期値設定手段(S35〜S37)とを備え、
    前記ゲイン調整手段は、前記ゲインの調整モードとして、前記ゲイン予測手段が予測した最適ゲインまで前記脈波センサのゲインを一気に変化させる第1モードを有することを特徴とする脈波計測装置(1)。
  8. 前記ゲイン調整手段(S18、S19)は、前記ゲインの調整モードとして、前記振幅算出手段が算出する振幅が前記適正範囲内に入るまで、予め定められた変化幅で前記ゲインを段階的に変化させる第2モードを有することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  9. 前記ゲイン予測手段(S52、S53)は、前記振幅算出手段により得られた前記脈波信号の現在の振幅と前記適正範囲内に入る前記振幅として予め定められた最適振幅との振幅比と、現在の前記ゲインとに基づいて前記最適ゲインを予測することを特徴とする請求項1、2、4〜7のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  10. 前記受光手段が受信した脈波信号をデジタル値に変換するA/D変換器(4)と、
    前記脈波信号の1拍分の時間幅である脈波長を算出する脈波長算出手段(S55)と、
    前記A/D変換器によりデジタル値に変換前の前記脈波信号の振幅が、前記A/D変換器がデジタル値に変換可能なアナログ信号の振幅範囲(60)を超えた場合に、前記脈波信号の前記振幅範囲を超えた部分における時間幅である飽和区間長を算出する飽和区間算出手段(S54)とを備え、
    前記振幅算出手段は、前記A/D変換器によりデジタル値に変換後の脈波信号に基づきその脈波信号の振幅を算出し、
    前記ゲイン予測手段(S56、S57)は、前記脈波信号の振幅が前記振幅範囲を超えた場合には、前記振幅比に代えて前記飽和区間長と前記脈波長との比を用い、その比と現在の前記ゲインとに基づいて前記最適ゲインを予測することを特徴とする請求項9に記載の脈波計測装置。
  11. 前記適正範囲は、第1の規格値(V2)以下で、かつ、その第1の規格値よりも小さい第2の規格値(V3)以上の範囲に設定され、
    前記ゲイン調整手段(S14)は、前記脈波信号の振幅が、前記第1の規格値よりも前記振幅が大きい方向に設定された第3の規格値(Vmax、Vmin)を超えた場合に、又は前記第2の規格値よりも前記振幅が小さい方向に設定された第4の規格値(V1)を下回った場合に前記第1モードを実行することを特徴とする請求項1〜3、5〜7のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  12. 前記ゲイン調整手段(S14)は、前記脈波信号の直流成分が所定の閾値以上変化した場合に前記第1モードを実行し、前記脈波信号の直流成分が前記閾値未満変化した場合に前記第2モードを実行することを特徴とする請求項1、2、8のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  13. 前記脈波信号を表示する表示手段(9)と、
    前記ゲインの調整が必要と判断したユーザにより操作が行われる操作部(103)とを備え、
    前記ゲイン調整手段(S14)は、前記操作部が操作された場合に前記第1モードを実行し、前記操作部が操作されなかった場合に前記第2モードを実行することを特徴とする請求項1、2、8、12のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  14. 前記脈波センサにより脈波信号の検知が行われるユーザの皮膚部分の温度を検知する温度センサ(11)を備え、
    前記ゲイン調整手段(S14)は、前記温度センサが検知した温度が所定温度以下の場合に前記第1モードを実行し、前記温度センサが検知した温度が前記所定温度を超えた場合に前記第2モードを実行することを特徴とする請求項1、2、8、12、13のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  15. 前記ゲイン調整手段(S16)は、前記脈波信号の振幅が、前記第1の規格値以上で、かつ前記第3の規格値以下の場合、又は、前記第2の規格値以下で、かつ前記第4の規格値以上の場合に前記ゲインを段階的に変化させる第2モードを実行することを特徴とする請求項4又は11に記載の脈波計測装置。
  16. ユーザの心電信号を取得する心電信号取得手段(S41)を備え、
    前記振幅算出手段(S42、S43)は、前記心電信号取得手段が取得した心電信号に基づいて前記脈波信号の中から振幅を算出するための時間区間を設定し、その時間区間における脈波信号の最小値と最大値の差をその脈波信号の振幅として算出することを特徴とする請求項1〜4、6、7のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  17. 前記ゲイン調整手段が調整した前記最適ゲインを、ユーザを特定する特定情報に対応付けて記憶するゲイン記憶手段(7、71)と、
    今回のユーザの前記特定情報を取得するユーザ情報取得手段(S31、10)と、
    前記ユーザ情報取得手段が取得した前記特定情報に対応付けて前記ゲイン記憶手段に記憶された前記最適ゲインを、今回の脈波計測における前記ゲインの初期値として設定する初期値設定手段(S33)とを備えることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  18. ユーザの属性を取得する属性取得手段(S34、10)と、
    前記属性取得手段が取得した属性に応じた前記ゲインの初期値を設定する初期値設定手段(S35〜S37)とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
  19. 前記属性取得手段は、前記属性としてユーザの性別、人種又は年齢を取得することを特徴とする請求項18に記載の脈波計測装置。
  20. 前記ゲインは前記照射手段の光量であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の脈波計測装置。
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