JP4320925B2 - 脈拍数検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の脈波から脈拍数を検出する脈拍数検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、健康管理の用途から、日常生活やジョギング等の軽い運動時に心臓の拍動数(心拍数)をモニターするニーズが高まっている。
心拍数を検出するには、心拍に伴って発生する活動電位を胸部より計測して、心電図(図5(a)参照)に表し、その振幅のピーク間隔時間から算出する方法が一般的である。しかし、この方法では、電極を体に貼り付ける必要があり、煩わしいため、心拍数の代用として、脈波から脈拍数を検出する方法が提案されている。
【0003】
脈波とは、心臓の拍動に連れて起こる動脈内の圧力変動が末梢動脈に波動して伝わったもので、その計測装置の1つに光学式の脈波センサがある。この脈波センサは、血液中のヘモグロビンの光吸収特性を利用して末梢動脈の血液の波動的な容積変化を計測するもので、人体の指、腕、こめかみ等に簡便に装着して脈波を計測できるため、脈拍数を検出する装置として今後も広く普及していくと考えられる。なお、心拍数及び脈拍数は、それぞれ“60”を心電波形及び脈波波形の振幅のピーク時間間隔(秒)で割って計算される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、脈波から脈拍数を検出する方法では以下の問題が生じる。
通常(安静時)、心電波形と脈波波形の振幅のピーク位置は同期しており、心拍数と脈拍数は一致する。
しかし、日常生活や運動時において、脈波センサを装着した計測部位に体動が生ずると、末梢動脈の血流が乱れ、心拍とは無関係な脈波の振幅のピークが発生し、心拍数と脈拍数は一致しなくなる(図5(b)参照)。こうなると、脈拍数を心拍数の代用として利用しようとする本来の目的が達成できなくなる。
【0005】
また、心拍とは無関係な脈波の振幅のピークは、心拍に同期する脈波の振幅のピークの発生周波数と近いため、通常のノイズ除去に適用されるフィルタ処理では対策が不可能である。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、安静時のみならず、日常生活や運動時においても心拍数と同期した脈拍数を検出できる脈拍数検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
本発明は、生体の脈波から計測された脈波信号を入力して、生体の心拍に同期する振幅のピークを持つ脈波を再生するように学習させたニューラルネットワークを有し、このニューラルネットワークで再生された脈波から脈拍数を算出する脈拍数検出装置であって、生体の脈波を検出するための発光手段と受光手段を備え、発光手段は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光特性に対し、体動に影響を受けやすい470nmの波長を持つ第1の発光素子と、脈動に影響を受けやすい525nmの波長を持つ第2の発光素子とを有し、この第1の発光素子と第2の発光素子を個別に用いて2つの脈波を検出し、その2つの脈波から計測された各脈波信号の微分値をニューラルネットワークに入力して、生体の心拍に同期する振幅のピークを持つ脈波を再生することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の脈拍数検出装置1を実施例に基づいて説明する。
図1は脈拍数検出装置の構成を示す概略図である。
本実施例の脈拍数検出装置1は、人体の脈波から脈拍数を算出するもので、図1に示すように、人体の脈波を検出する脈波センサ2と、この脈波センサ2の検出結果に基づいて脈拍数を算出するデータ処理装置3とを備える。
【0013】
脈波センサ2は、発光素子2a、受光素子2b、及び発光素子2aの駆動回路2cを備える周知の光学式反射型センサであり、例えば人体の指4に取り付けて使用される。この脈波センサ2は、発光素子2aから指4に向かって光を照射し、指4の内部で反射した光を受光素子2bで検出し、その受光素子2bで検出される受光量の変化(即ち脈波情報)を電気信号(例えば電圧信号)に変換してデータ処理装置3へ出力している。
【0014】
ここで、脈波センサ2により脈波を検出するメカニズムについて説明する。
発光素子2aから指4に向かって光が照射されると、光の一部が指4の内部を通る毛細動脈4aに当たって、毛細動脈4aを流れる血液中のヘモグロビンに吸収され、残りの光が毛細動脈4aで反射して散乱し、その一部が受光素子2bに入射する。この時、血液の脈動により毛細動脈4aにあるヘモグロビンの量が波動的に変化するので、ヘモグロビンに吸収される光も波動的に変化する。その結果、毛細動脈4aで反射して受光素子2bに入射する受光量が変化するため、この受光量の変化を脈波情報として検出することができる。
【0015】
データ処理装置3は、検出回路3a、ADコンバータ3b(ADCと呼ぶ)、マイクロコンピュータ3cを内蔵している。
検出回路3aは、脈波センサ2から入力された電気信号を増幅してADC3bへ出力する。
ADC3bは、例えば100Hzのサンプリング周波数で検出回路3aから取り込んだ電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換してマイクロコンピュータに出力する。
マイクロコンピュータ3cには、脈拍数を算出するためのプログラムが組み込まれている。このプログラムは、脈波に血流の乱れがあっても、心拍数と略一致した脈拍数を算出できるようなアルゴリズムによって組み立てられている。
【0016】
上記のアルゴリズムについて説明する。
本アルゴリズムの特徴は、波長の異なる2種類の発光素子2a(本発明に係る第1の発光素子と第2の発光素子)を用いて同時に計測した2種類の脈波信号をニューラルネットワークに入力して、体動の無い状態で計測される脈波信号と振幅のピークが略一致する脈波を再生することにある。
ここで、ニューラルネットの設計及び学習法について図2を用いて説明する。 ニューラルネットは、入力層−中間層−出力層の3層構成とし、中間層のユニット数を100個とした。また、入力層と出力層の特性関数は線形、中間層の特性関数はシグモイドとした。入力は、波長470nm、波長525nmの発光素子2aを用いて同時に計測した脈波信号を入力データ1、入力データ2とした。
【0017】
次に、学習法であるが、入力データ1、2をニューラルネットワークに入力して得られた出力データを教師データと比較し、その誤差を算出して、誤差が規定値以下となるようにユニットの状態を変化させていく。ユニットの状態変化は、バックプロパゲーション法を用いた。
教師データは、心拍に同期する脈波であり、体動の影響を受けない体の部分を用いて、入力データと同時に取得した脈波信号を用いた。
実際の学習では、入力データの任意の数だけ切り出して、順番にニューラルネットワークに入力して学習させて行くという手順を繰り返した。
任意の数だけ切り出したデータは、重複した部分を有している。また、切り出したデータをニューラルネットワークに入力して行く順番は、ランダムにした方が良い。
【0018】
このニューラルネットワークを用いて脈波を再生した結果を図3に示す。
図中(a)、(b)は、それぞれ波長470nm、波長525nmの発光素子2aを用いて同時に計測した脈波信号である。また、(c)は、体動の無い計測部位を使って、リファレンスとして(a)、(b)と同時に計測した脈波であり、心拍と同期する脈波の振幅のピークが観察できる。
図中(d)は、ニューラルネットワークを用いて(a)、(b)の信号から脈波信号を再生したものである。(d)のうち、点線がニューラルネットワークで再生した脈波信号であり、実線が再生目標となる(c)の脈波信号である。
【0019】
ここで、2種類の波長の生理学的意味について図4を用いて説明する。
血液中に含まれる酸化ヘモグロビン(Hb02)と還元ヘモグロビン(Hb)は、図4に示す吸光係数特性を持つ。
Hbは、脈動の少ない静脈中に多く含まれることから、体動の影響を強く受けていると考えられる。また、Hb02は、動脈中に多く含まれることから脈動の影響を強く受けていると考えられる。
このように、脈動と体動の影響に相関のある2種類の波長をニューラルネットワークに入力することにより、心拍に同期するピークを持つ脈波を再生できる。
【0020】
(本実施例の効果)
実際の製品(装置)においては、脈波センサ2を取り付ける計測部位に体動が生ずる事が日常的にあるので、図3(a)、(b)の様な脈波が計測され、心拍とは無関係なピークが発生するため、心拍数と同等な脈拍数は検出できない。
これに対し、本実施例の脈拍数検出装置1によれば、上述したニューラルネットワークを用いることにより、血流の乱れのある図3(a)、(b)の様な信号から、心拍に同期する振幅のピークを持つ脈波(d)を再生することができる。
この結果、再生された脈波(d)から心拍数と同期した脈拍数を検出することができ、安静時のみならず、日常生活や運動時においても精度良く脈拍数を検出することが可能である。
【0021】
なお、本実施例では、波長の異なる2種類の信号をニューラルネットワークに入力しているが、入力信号を2種類より多くしても良いことは言うまでもない。また、体動の種類が一定である場合や比較的緩やかな場合は、1種類の入力信号でも可能である。
更には、計測された脈波信号の微分値を入力データとしてニューラルネットワークに入力しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】脈拍数検出装置の構成を示す概略図である。
【図2】ニューラルネットワークの設計及び学習法の説明図である。
【図3】脈波波形のグラフである。
【図4】波長と吸光係数との相関図である。
【図5】心電図波形と脈波波形のグラフである。
【符号の説明】
1 脈拍数検出装置
2a 発光素子(発光手段)
2b 受光素子(受光手段)
3 データ処理装置(ニューラルネットワーク)
Claims (1)
- 生体の脈波から計測された脈波信号を入力して、生体の心拍に同期する振幅のピークを持つ脈波を再生するように学習させたニューラルネットワークを有し、
このニューラルネットワークで再生された脈波から脈拍数を算出する脈拍数検出装置であって、
前記生体の脈波を検出するための発光手段と受光手段を備え、
前記発光手段は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光特性に対し、体動に影響を受けやすい470nmの波長を持つ第1の発光素子と、脈動に影響を受けやすい525nmの波長を持つ第2の発光素子とを有し、この第1の発光素子と第2の発光素子を個別に用いて2つの脈波を検出し、その2つの脈波から計測された各脈波信号を前記ニューラルネットワークに入力して、生体の心拍に同期する振幅のピークを持つ脈波を再生することを特徴とした脈拍数検出装置。
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