JP5742324B2 - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
[A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう。)、及び
[B]感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう。)
を含有し、
全重合体中の構造単位の総数に対する構造単位(I)の含有割合が5モル%以上35モル%以下である感放射線性樹脂組成物である。
式(c)中、gは、0又は1である。
式(d)中、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。このアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。但し、R7とR8とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共に2価の脂環式基を形成していてもよい。)
(1)当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、レジスト被膜を形成するレジスト被膜形成工程、
(2)上記レジスト被膜の少なくとも一部に放射線を照射する露光工程、及び
(3)上記露光されたレジスト被膜を現像する現像工程
を有する。当該レジストパターン形成方法によれば、当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、良好な形状を保持しつつ、現像欠陥の発生が抑制されたレジストパターンを得ることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。また、本発明の効果を損なわない限り、さらに任意成分を含有してもよい。以下、各構成成分について順に説明する。
本発明における[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体を含有し、かつ後述するように、全重合体中の構造単位の総数に対する構造単位(I)の含有割合を特定範囲とすることで、未露光部における現像欠陥の発生を抑制することができ、かつ良好な形状のレジストパターンを得ることができる。上記構成とすることで、現像欠陥の発生が抑制される理由は必ずしも明確ではないが例えば、特定構造の構造単位(I)を有する[A]重合体を含有し、全重合体中の構造単位(I)の含有割合を上記のように比較的高く設定することで、露光部における重合体の現像液及びリンス液に対する溶解性が向上して溶け残りが抑制され、その結果、この溶け残り分の未露光部への沈着に起因する現像欠陥の発生が抑制されると考えられる。また、本発明の感放射線性樹脂組成物は、含有する重合体の現像液及びリンス液に対する溶解性が向上すると考えられるにもかかわらず、得られるパターン形状の悪化は見られず良好な形状を維持するという特徴も有する。
上記ベース重合体としては、構造単位(I)及び酸解離性基を含む構造単位を有するベース重合体(以下、「[A1]重合体」ともいう。)が好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、ベース重合体として、[A1]重合体を含有することで、露光部の重合体全体の現像液等に対する溶解性がより向上し、その結果、現像欠陥の抑制性をより向上させることができる。[A1]重合体における酸解離性基を含む構造単位としては、例えば、後述の構造単位(II)、構造単位(IV)等が挙げられる。
上記撥水性添加剤としては、構造単位(I)を有し、[A1]重合体よりもフッ素原子含有率が高い重合体(以下、「[A2]重合体」ともいう。)が好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体として、ベース重合体としての[A1]重合体に加えて、上記[A2]重合体をさらに含有することで、フッ素原子含有率が高いことに起因して、[A2]重合体がレジスト被膜表層に偏在化する。その結果、液浸露光時に上層膜を別途形成することを要せず、レジスト被膜表面の現像後の親水性をより高めることができ、従って、水切れ防止等の特性をより向上させることができる。加えて、現像時における露光部の重合体の溶解性及び未露光部のレジスト被膜表面の親水性をより高めることができ、その結果、現像欠陥の抑制性をさらに向上させることができる。なお、このフッ素原子含有率(質量%)は13C−NMRにより構造を確認し算出することができる。
構造単位(I)は、上記式(1)で表される構造単位である。
上記R1は、アルカリ解離性基である。「アルカリ解離性基」とは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基又はスルホキシル基等の極性官能基中の水素原子を置換する基であって、アルカリの存在下(例えば、23℃のテトラメチルアンモニウムヒドロキシシド2.38質量%水溶液中)で解離する基をいう。[A]重合体がR1で表されるアルカリ解離性基を有することで、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト被膜の露光部の現像液に対する溶解性が向上させることができる。また、
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、パーフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、パーフルオロメチル基、1−フルオロプロピル基、1−トリフルオロプロピル基、1−パーフルオロプロピル基、2−フルオロプロピル基、2−トリフルオロプロピル基、2−パーフルオロプロピル基、1−フルオロブチル基、1−トリフルオロブチル基、2−パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基等のフッ素化アルキル基;
フルオロシクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、テトラフルオロパーフルオロシクロプロピル基、パーフルオロシクロプロピル基、フルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロブチル基、フルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、フルオロシクロペンチルメチル基、パーフルオロシクロペンチルメチル基、フルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、フルオロノルボルニル基、パーフルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、パーフルオロアダマンチル基等のフッ素化脂環式炭化水素基等が挙げられる。
上記式(d)中、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。このアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。但し、R7とR8とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共に2価の脂環式基を形成していてもよい。
メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基等の1価の鎖状炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、2−メチルシクロブチル基、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の1価の脂肪族環状炭化水素基;
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロピル基、パーフルオロ−1−プロピル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、パーフルオロ−2−プロピル基、パーフルオロ−1−ブチル基、パーフルオロオクチル基等の1価のフッ素化鎖状炭化水素基;
フルオロシクロプロピル基、フルオロシクロブチル基、フルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、フルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、フルオロノルボルニル基、パーフルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、パーフルオロアダマンチル基等の1価のフッ素化脂肪族環状炭化水素基等を挙げることができる。
この中でも、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基及び1,1,1,3,3,3−パーフルオロ−2−プロピル基が好ましい。
本発明の感放射線性樹脂組成物においては、全重合体中の構造単位の総数に対する構造単位(I)の含有割合が5モル%以上35モル%以下であることを要する。当該感放射線性樹脂組成物は[A]重合体を含有し、加えて、上記割合を上記特定範囲とすることで、現像欠陥の発生を抑制することができる。上記割合の上限としては、25モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、17モル%がさらに好ましい。一方、上記割合の下限としては、6モル%が好ましく、8モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。上記割合が上記下限未満だと、現像欠陥の発生が増加する傾向にある。逆に、上記割合が上記上限を超えると、得られるパターンがトップラウンド等となり形状が悪化する傾向にある。
[A]重合体は、上記構造単位(I)に加えて、下記式(2)で表される構造単位(II)を有することが好ましい。構造単位(II)は、下記式(2)におけるYで表される酸解離性基を有する構造単位である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(II)を有していることで、得られるレジストパターンの形状をより良好にすることができる。
これらの基が有する水素原子の一部又は全部を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、及びシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基からなる群より選ばれる1種又は1個以上の基で置換した基等の脂環式骨格を有する基が挙げられる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)に加えて、下記式(3)で表される構造単位(III)を有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が、ラクトン骨格又は環状カーボネート骨格を含む構造単位として構造単位(III)を有することで、得られるレジスト被膜の現像液に対する親和性を向上させることができる。
上記式(3−1a)中、Ra1は、水素原子又は炭素数1〜4の置換基を有してもよいアルキル基である。s1は、1〜3の整数である。
上記式(3−1b)及び(3−1c)中、Ra2は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた2価の基である。s2は、0又は1である。
上記式(3−1c)及び(3−1e)中、Ra3は、酸素原子又はメチレン基である。
上記式(3−1d)及び(3−1e)中、Ra4は、水素原子又はメトキシ基である。
[A]重合体は、上記構造単位(I)に加えて、下記式(4)で表される構造単位(IV)を有してもよい。
上記式(4−a)及び(4−b)中、R15‘は、単結合、又は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基である。
上記式(4−c)中、qの定義は、上記式(4)と同じである。但し、qが2又は3である場合、複数のL及びR13はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
[A]重合体は、上記構造単位(I)に加えて、アルカリ可溶性基を有する構造単位(V)を有していてもよい。[A]重合体が構造単位(V)を有することにより、当該感放射線性樹脂組成物から得られるレジスト被膜の現像液に対する親和性を向上させることができる。
上記式(5−a−1)中、R18は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基である。
[A]重合体は、下記式(6)で表される構造単位(VI)を有してもよい。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(VI)以外の他の構造単位を有してもよい。この他の構造単位を与える重合性不飽和単量体としては、国際公開第2007/116664A号[0047]〜[0048]段落、[0073]〜[0077]段落、及び[0079]〜[0082]段落に開示されている単量体を挙げることができる。
[A]重合体は、例えば、構造単位(I)を与える下記式(m−1)で表される単量体(以下、「化合物(m−1)」ともいう。)をモノマー成分として用い、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合させることにより得ることができる。上記ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ化合物、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類等を用いることができる。
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエーテル類等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(m−1−2−Bb)中、R6及びm2の定義は上記式(c)と同じである。R93は、ハロゲン原子である。
上記式(m−1−2−Bc)中、R7及びR8の定義は上記式(d)と同じである。
上記式(m−1−2−D)中、Rの定義は上記式(1)と同じである。Rhは、水酸基又はハロゲン原子である。
本発明における[B]酸発生体は、放射線の照射(以下、「露光」という)により酸を発生するものである。[B]酸発生体は、露光により発生した酸の作用によって、[A]重合体中に存在する酸解離性基を解離させて、[A]重合体をアルカリ可溶性にする。その結果、レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成することができる。[B]酸発生体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、後述するような化合物である酸発生剤(以下、適宜「[B]酸発生剤」ともいう。)の形態でも、[A]重合体や後述する[C]重合体等他の重合体の一部として組み込まれた酸発生基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]重合体以外にも、構造単位(I)を有しない他の重合体である[C]重合体を含有してもよい。[C]重合体の使用態様としては、[A]重合体と同様、形成されるレジスト被膜における(1)ベース重合体、(2)撥水性添加剤が挙げられる。[C]重合体の例としては、例えば、[A]重合体において説明した構造単位(I)以外の構造単位(II)〜(VI)から構成される重合体を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、酸拡散制御体、脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等の各種の添加剤を含有することができる。
酸拡散制御体としては、例えば、下記式(D)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という)、窒素原子を3個以上有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」という)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。酸拡散制御剤を含有すると、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度を向上させることができる。酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、上述のような化合物である酸拡散制御剤の形態でも、[A]重合体や[C]重合体等の重合体の一部として組み込まれた酸拡散制御基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。このような脂環族添加剤としては、例えば、
1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類等を挙げることができる。
界面活性剤は、塗布性、現像性等を改良する作用を示す成分である。このような界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、
以下商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子社製)等を挙げることができる。
当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量は、[A]重合体100質量部に対して、通常、2質量部以下である。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
当該感放射線性樹脂組成物は、通常、その使用に際して、全固形分濃度が1〜50質量%、好ましくは3〜25質量%となるように溶媒に溶解した後、例えば、孔径0.02μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
上記感放射線性樹脂組成物の調製に使用される溶媒としては、例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等の直鎖状又は分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエチレングリコール類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジエチレングリコール類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸ベンジル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;
炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の炭酸エステル類;
ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル等のエーテル類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
カプロン酸、カプリル酸等のカルボン酸類が挙げられる。
本発明のレジストパターン形成方法は、
(1)当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、レジスト被膜を形成するレジスト被膜形成工程、(2)上記レジスト被膜の少なくとも一部に放射線を照射する露光工程、及び(3)上記露光されたレジスト被膜を現像する現像工程を有する。以下、各工程について説明する。
(1)レジスト被膜形成工程は、基板上に、当該感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト被膜を形成する工程である。例えば、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法によって、当該感放射線性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布し、レジスト被膜を形成する。
(2)露光工程は、マスクパターンを介して上記レジスト被膜に放射線を照射し、上記レジスト被膜を露光させる工程である。レジスト被膜に放射線を照射すると露光部に[B]酸発生体に由来する酸が発生し、その酸の作用により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離し、当初アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性であった[A]重合体等がアルカリ可溶性の重合体に変換される。
(3)現像工程は、露光された上記レジスト被膜を現像してレジストパターンを形成する工程である。上記(2)露光工程においてアルカリ可溶性に変換された[A]重合体等がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが形成される。通常、(3)現像工程の後、水等のリンス液を用いる洗浄及び乾燥を行う。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等の直鎖状、分岐状又は環状のケトン類;
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
東ソー株式会社製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒にテトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製「JNM−ECX400」)を使用して測定した。
[A1]重合体は、以下の合成例に記載の方法で合成した。[A1]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す(以下、下記式(M−1)で表される化合物を「化合物(M−1)」のように称することがある。)
化合物(M−1)33.04g(40モル%)、化合物(M−2)12.20g(10モル%)、化合物(M−4)11.11g(10モル%)及び化合物(M−3)43.65g(40モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.03gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−1)を得た(収量78.8g、収率79%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−1)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−4)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ39:10:11:40であった。重合体(A1−1)のMwは6,900であり、フッ素原子含有率は2.8質量%であった。
化合物(M−1)32.88g(40モル%)、化合物(M−2)12.14g(10モル%)、化合物(M−5)6.11g(5モル%)及び化合物(M−3)48.87g(45モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.01gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−2)を得た(収量79.8g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−2)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−5)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ41:10:5:44であった。重合体(A1−2)のMwは7,500であり、フッ素原子含有率は0.9質量%であった。
化合物(M−1)32.66g(40モル%)、化合物(M−2)12.05g(10モル%)、化合物(M−5)12.14g(10モル%)及び化合物(M−3)43.14g(40モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.98gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−3)を得た(収量80.1g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−3)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−5)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ41:10:10:39であった。重合体(A1−3)のMwは7,500であり、フッ素原子含有率は1.8質量%であった。
化合物(M−1)27.83g(35モル%)、化合物(M−2)11.74g(10モル%)、化合物(M−5)23.66g(20モル%)及び化合物(M−3)36.77g(35モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.88gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−4)を得た(収量82.5g、収率83%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−4)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−5)及び化合物(M−4)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ35:10:19:36であった。重合体(A1−4)のMwは7,300であり、フッ素原子含有率は3.6質量%であった。
化合物(M−1)23.25g(30モル%)、化合物(M−2)11.44g(10モル%)、化合物(M−5)34.59g(30モル%)及び化合物(M−3)30.72g(30モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.78gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−5)を得た(収量78.0g、収率78%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−5)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−5)及び化合物(M−4)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ31:10:30:29であった。重合体(A1−5)のMwは7,200であり、フッ素原子含有率は5.3質量%であった。
化合物(M−1)31.70g(40モル%)、化合物(M−2)11.70g(10モル%)、化合物(M−6)14.71g(10モル%)及び化合物(M−3)41.88g(40モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.87gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより重合体(A1−6)を得た(収量80.1g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−6)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−6)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ41:11:9:39であった。この重合体(A1−6)のMwは7,100であり、フッ素原子含有率は1.8質量%であった。
化合物(M−1)30.72g(40モル%)、化合物(M−2)11.34g(10モル%)、化合物(M−7)17.36g(10モル%)及び化合物(M−3)40.58g(40モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.75gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−7)を得た(収量80.1g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−7)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−7)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ40:9:10:41であった。重合体(A1−7)のMwは7,100であり、フッ素原子含有率は5.2質量%であった。
化合物(M−1)31.70g(40モル%)、化合物(M−2)11.70g(10モル%)、化合物(M−8)14.71g(10モル%)及び化合物(M−3)41.88g(40モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.87gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−8)を得た(収量80.1g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−8)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−8)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ40:11:10:39であった。重合体(A1−8)のMwは7,300であり、フッ素原子含有率は2.7質量%であった。
化合物(M−1)30.8g(40モル%)、化合物(M−2)11.37g(10モル%)、化合物(M−9)17.14g(10モル%)及び化合物(M−3)40.69g(40モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.76gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−9)を得た(収量80.1g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−6)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−9)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ39:9:11:41であった。重合体(A1−10)のMwは7,600であり、フッ素原子含有率は0質量%であった。
化合物(M−1)30.59g(40モル%)、化合物(M−2)11.29g(10モル%)、化合物(M−10)17.70g(10モル%)及び化合物(M−3)40.41g(40モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.73gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(A1−10)を得た(収量80.1g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A1−10)における化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−10)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)は、それぞれ39:10:11:40であった。重合体(A1−10)のMwは7,400であり、フッ素原子含有率は0質量%であった。
化合物(M−1)33.11g(40モル%)、化合物(M−2)12.22g(10モル%)及び化合物(M−3)54.67g(50モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.04gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別した。次いで、この白色粉末を50℃で17時間乾燥することにより、重合体(a1−1)を得た(収量80.5g、収率81%)。13C−NMR分析の結果、重合体(a1−1)における化合物(M−1)、化合物(M−2)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ40:11:49であった。重合体(a1−1)のMwは7,400であり、フッ素原子含有率は0質量%であった。
[A2]重合体は、以下の合成例に記載の方法で合成した。[A2]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す(以下、下記式(M−11)で表される化合物を「化合物(M−11)」のように称することがある。)
化合物(M−11)15.40g(20モル%)、化合物(M−12)84.60g(80モル%)、を2−ブタノン200gに溶解し、さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.47gを投入したモノマー溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2,000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状にして洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥することにより、白色粉末の重合体(A2−1)を得た(75g、収率75%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A2−1)の化合物(M−11)及び化合物(M−12)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ21:79であった。重合体(A2−1)のMwは6,500であり、フッ素原子含有率は12.8質量%であった。
化合物(M−13)51.26g(60モル%)、化合物(M−14)26.50g(25モル%)、化合物(M−15)22.24g(15モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.13gを投入したモノマー溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1000mLの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、3時間で滴下した。滴下終了後、さらに3時間80℃で撹拌した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別された白色粉末を2回、400gずつのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥することにより、白色粉末の重合体(A2−2)を得た(82g、収率82%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A2−2)における化合物(M−13)、化合物(M−14)及び化合物(M−15)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ61:24:15であった。重合体(A2−2)のMwは6,500であり、フッ素原子含有率は10.7質量%であった。
各実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物の調製に用いる上記[A1]成分及び[A2]重合体以外の構成成分について下記に示す。
(B−1):4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート(下記式(B−1)で表される化合物)
(D−1):N−(t−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン(下記式(D−1)で表される化合物)
(E−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(E−2):シクロヘキサノン
[A1]重合体として重合体(A1−1)100質量部、[A2]重合体として重合体(A2−1)5質量部、[B]酸発生剤として化合物(B−1)12質量部、[D]酸拡散制御剤として化合物(D−1)0.8質量部、並びに[E]溶媒として溶媒(E−1)1980質量部及び溶媒(E−2)848質量部を混合して感放射線性樹脂組成物溶液を調製した。
下記表1に示す配合処方にしたこと以外は実施例1と同様にして各感放射線性樹脂組成物を調製した。
上記実施例及び比較例で得られた感放射線性樹脂組成物について、下記方法にて、現像欠陥抑制性及びパターン形状良好性の評価を行った。
まず、下層反射防止膜(「ARC66」、日産化学社製)を形成した12インチシリコンウェハ上に、感放射線性樹脂組成物によって、膜厚100nmの被膜を形成し、110℃で60秒間ソフトベーク(SB)を行った。次に、この被膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(「NSR S610C」、NIKON社製)を用い、NA=1.3、Crosspoleの条件により、マスクパターンを介して露光した。露光後、95℃で60秒間ポストベーク(PEB)を行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、幅48nmのラインアンドスペースを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にてウェハ全面に線幅48nmのラインアンドスペースを形成し、欠陥検査用ウェハとした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(「CG−4000」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。
まず、下層反射防止膜(「ARC66」、日産化学社製)を形成した12インチシリコンウェハ上に、感放射線性樹脂組成物によって、膜厚100nmの被膜を形成し、110℃で60秒間ソフトベーク(SB)を行った。次に、この被膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(「NSR S610C」、NIKON社製)を用い、NA=1.3、Crosspoleの条件により、ターゲットパターンサイズが48nmライン/96nmピッチとなるようなマスクパターンを介して露光した。露光後、95℃で60秒間ポストベーク(PEB)を行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
Claims (5)
- [A1]下記式(1)で表される構造単位(I)及び酸解離性基を含む構造単位を有するベース重合体、
[A1]重合体よりもフッ素原子含有率が高い撥水性添加剤、並びに
[B]感放射線性酸発生体
を含有し、
含有する全ての重合体中の構造単位の総数に対する構造単位(I)の含有割合が5モル%以上35モル%以下であり、
固形分における[A1]重合体の含有量が60質量%以上であり、
上記撥水性添加剤が下記式(1)で表される構造単位(I)を有する感放射線性樹脂組成物。
式(b)中、gは、0又は1である。
式(d)中、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。このアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。但し、R7とR8とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共に2価の脂環式基を形成していてもよい。) - 上記Eが−CO−O−*である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 液浸露光に用いられる請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- (1)請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、レジスト被膜を形成するレジスト被膜形成工程、
(2)上記レジスト被膜の少なくとも一部に放射線を照射する露光工程、及び
(3)上記露光されたレジスト被膜を現像する現像工程
を有するレジストパターン形成方法。 - (2)露光工程において、上記レジスト被膜上に液浸露光液を配置し、この液浸露光液を介して上記レジスト被膜に放射線を照射する請求項4に記載のレジストパターン形成方法。
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