JP2012123376A - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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Tatsuro Masuyama
達郎 増山
Koji Ichikawa
幸司 市川
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Abstract

【課題】優れたCD均一性のレジストパターンを製造できるレジスト組成物を提供する。
【解決手段】(A)式(a)で表される構造単位を有する樹脂と(B)酸発生剤とを含有するレジスト組成物。
Figure 2012123376

[式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物及び該レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法に関する。
近年、半導体の微細加工技術として、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)等の短波長光を露光源とする光リソグラフィ技術が活発に検討されている。このような光リソグラフィ技術に用いられるレジスト組成物としては、例えば、式(u−A)で表される構造単位、式(u−B)で表される構造単位及び式(u−C)で表される構造単位からなる樹脂と、式(B2)で表される酸発生剤とを含むレジスト組成物が知られている(特許文献1)。
Figure 2012123376
特開2007−161707号公報
従来から知られる上記レジスト組成物から製造されるレジストパターンは、CD均一性(CDU)が必ずしも満足できない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕以下の(A)及び(B)を含有するレジスト組成物。
(A)式(a)で表される構造単位を有する樹脂
(B)酸発生剤
Figure 2012123376
[式(a)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
Figure 2012123376
(式(a−1)中、
sは0〜2の整数を表す。
10及びA12は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
11は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、sが2である場合、2つのA11は互いに同一でも異なってもよい。
10及びX11は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表し、sが2である場合、2つのX10は互いに同一でも異なってもよい。
ただし、A10、A11、X10及びX11の炭素数の合計は6以下である。)
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
〔2〕前記式(a)のAが、炭素数1〜6のアルカンジイル基である、前記〔1〕記載のレジスト組成物。
〔3〕前記式(a)のAが、エチレン基である、前記〔1〕記載のレジスト組成物。
〔4〕前記(B)が、式(B1)で表される酸発生剤である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
Figure 2012123376
[式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
〔5〕前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である、前記〔4〕記載のレジスト組成物。
〔6〕さらに、溶剤(D)を含む〔1〕〜〔5〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔7〕(1)前記〔1〕〜〔6〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
本発明によれば、優れたCD均一性(CDU)のレジストパターンを製造し得るレジスト組成物が提供できる。
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物(以下、場合により「本レジスト組成物」という。)は、上述の(A)及び(B)を含む(以下、場合により、(A)樹脂を「樹脂(A)」といい、(B)酸発生剤を「酸発生剤(B)」という)。
さらに、本レジスト組成物は、溶剤(D)を含むことが好ましい。
また、本レジスト組成物は、塩基性化合物(C)を含むことが好ましい。
樹脂(A)などを説明するに当たり、本明細書に示す種々の化合物などにおいて、官能基(基)を例示することがあるが、ここで共通する基を定義しておく。このような定義において、「C」に付して記載した数値は、各々の基の炭素数を示すものである。
本明細書において、「炭化水素基」とは、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基をいう。該脂肪族炭化水素基はさらに鎖式及び脂環式に分類される。本明細書でいう脂肪族炭化水素基とは、特に定義しない限り、鎖式及び脂環式の脂肪族炭化水素基が組み合わさった脂肪族炭化水素基を含む。
鎖式の脂肪族炭化水素基(鎖式炭化水素基)のうち1価のものは、典型的にはアルキル基である。該アルキル基としては、メチル基(C)、エチル基(C)、プロピル基(C)、ブチル基(C)、ペンチル基(C)、ヘキシル基(C)、ヘプチル基(C)、オクチル基(C)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)などが挙げられ、これらは直鎖でも分岐していてもよい。この鎖式炭化水素基は特に限定しない限り、ここに例示したアルキル基の一部に炭素炭素二重結合を含んでいてもよいが、このような炭素炭素二重結合などを有さない、飽和の鎖式炭化水素基、特に飽和のアルキル基が好ましい。2価の鎖式炭化水素基は、ここに示したアルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が該当する。
脂環式炭化水素基のうち1価のものは、典型的には、脂環式炭化水素から水素原子1個を取り去った基である。該脂環式炭化水素基には、炭素炭素不飽和結合1個程度を含む不飽和脂環式炭化水素基でもよく、このような炭素炭素不飽和結合を含まない飽和の脂環式炭化水素基でもよいが、本明細書でいう脂環式炭化水素基は飽和であると好ましい。また、脂環式炭化水素基は単環式のものであっても、多環式のものであってもよい。単環式の脂環式炭化水素は典型的にはシクロアルカンであり、その具体例を示すと、
式(KA−1)で表されるシクロプロパン(C)、式(KA−2)で表されるシクロブタン(C)、式(KA−3)で表されるシクロペンタン(C)、式(KA−4)で表されるシクロヘキサン(C)、式(KA−5)で表されるシクロヘプタン(C)、式(KA−6)で表されるシクロオクタン(C8)、及び、式(KA−7)で表されるシクロドデカン(C12)などが挙げられる。

Figure 2012123376
多環式の脂環式炭化水素は例えば、式(KA−8)で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン(以下「ノルボルナン」という場合がある。)(C)、式(KA−9)で示されるアダマンタン(C10)、式(KA−10)で示される脂環式炭化水素(C10)、式(KA−11)で示される脂環式炭化水素(C14)、式(KA−12)で示される脂環式炭化水素(C17)、式(KA−13)で示される脂環式炭化水素(C10)、式(KA−14)で示される脂環式炭化水素(C11)、式(KA−15)で示される脂環式炭化水素(C15)、式(KA−16)で示される脂環式炭化水素(C12)、式(KA−17)で示される脂環式炭化水素(C14)、式(KA−18)で示される脂環式炭化水素(C15)、式(KA−19)で示される脂環式炭化水素(C17)、式(KA−20)で示される脂環式炭化水素(C9)、式(KA−21)で示される脂環式炭化水素(C8)及び式(KA−22)で示される脂環式炭化水素(C10)などが挙げられる。
Figure 2012123376
2価の脂環式炭化水素基とは、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が該当する。
本明細書において、芳香族炭化水素基は1価の芳香族炭化水素基であり、典型的にはアリール基である。具体的にいえば、フェニル基(C)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などである。
脂肪族炭化水素基は置換基を有することがある。当該置換基の代表例としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アリール基、アラルキル基及びアリールオキシ基を挙げることができる。
ハロゲン原子は特に限定のない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子である。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C)、エトキシ基(C)、プロポキシ基(C)、ブトキシ基(C)、ペンチルオキシ基(C)、ヘキシルオキシ基(C)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられ、該アルコキシ基は直鎖でも分岐していてもよい。
アシル基としては、アセチル基(C)、プロピオニル基(C)、ブチリル基(C)、バレイル基(C)、ヘキサノイル基(C)、ヘプタノイル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの、ベンゾイル基(C7)などのようにアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。該アシル基のうち、アルキル基とカルボニル基とが結合したものの該アルキル基は直鎖でも分岐でもよい。
アリール基の具体例は、上述の芳香族炭化水素基のアリール基として例示したものと同じであり、アリールオキシ基の具体例は、当該アリール基と酸素原子とが結合したものである。
アラルキル基の具体例は、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などである。
芳香族炭化水素基も置換基を有することがある。このような置換基はそのつど定義するが、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アルキル基及びアリールオキシ基を挙げることができる。これらのうち、アルキル基は、鎖式脂肪族炭化水素基として例示したものと同じであり、芳香族炭化水素基に任意に有する置換基のうち、アルキル基以外のものは、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと同じものを含む。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、前記式(a)で表される構造単位(以下「構造単位(a)」という場合がある。)を有する。
<構造単位(a)>
は、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基(以下、「基(a−1)」という場合がある。)である。
のアルカンジイル基は、直鎖状であっても、分岐していてもよい。該アルカンジイル基としては、炭素数1〜6の範囲において、すでに例示したものを含む。該アルカンジイル基を構成する水素原子は置換基に置換されていてもよく、該置換基は、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
1の基(a−1)は、X10及びX11のように、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基等の酸素原子を含む部分構造を有する。
10、A11及びA12の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
10、A11及びA12における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
酸素原子を有する基(a−1)としては、
Figure 2012123376
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
カルボニル基を有する基(a−1)としては、
Figure 2012123376
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
カルボニルオキシ基を有する基(a−1)としては、
Figure 2012123376
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
オキシカルボニル基を有する基(a−1)としては、
Figure 2012123376
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
1が基(a−1)である場合、A10、A11、A12、X10及びX11の合計炭素数は、6以下である。
は炭素数1〜4のアルカンジイル基が好ましく、エチレン基がより好ましい。なお、Aとして好ましいアルカンジイル基は、置換基を有することもあるが、構造単位(a)を誘導する化合物の製造が容易であるため、置換基を有さないアルカンジイル基が特に好ましい。
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基は部分的に、炭素炭素不飽和結合を有していてもよいが、脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。好ましい脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及び脂環式炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた脂肪族炭化水素基でもよい。該アルキル基及び該脂環式炭化水素基としては、各々の炭素数の範囲において、すでに例示したものを含む。なお、アルキル基と脂環式炭化水素基とが組み合わさった脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルアダマンチル基及びメチルノルボルニル基などが挙げられる。
の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。ただし、酸素原子又はカルボニル基に置き換えられるメチレン基の個数は最大2個程度である。
の脂肪族炭化水素基を構成する水素原子は置換基に置換されていてもよい。該置換基は、例えば、ヒドロキシ基及びハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、すでに例示したものを含むが、フッ素原子が好ましい。フッ素原子を置換基として有する脂肪族炭化水素基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基などが挙げられる。
は、好ましくは、置換基を有さないアルキル基及び置換基を有さない脂環式炭化水素基である。
構造単位(a)としては、構造単位(a0)が好ましい。
Figure 2012123376
[式(a0)中、
21は、水素原子又はメチル基を表す。
22は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子は、ヒドロキシ基又はハロゲン原子に置き換わっていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
式(a0)では、R22は、無置換の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましい。
ここで、好ましい構造単位(a)の具体例を示す。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
式(a−1)〜式(a−18)のいずれかで表される構造単位(a)の具体例において、部分構造Mを、部分構造Aに置き換えたものも構造単位(a)の具体例として挙げることができる。
Figure 2012123376
構造単位(a)は式(a’)で示される化合物(以下、場合により「化合物(a’)」という。)から誘導される。
Figure 2012123376
(式(a’)中の符号はいずれも、前記と同義である。)
化合物(a’)は例えば、以下の反応式で示すような方法により製造することができる。
Figure 2012123376
化合物(a’)は、式(as−1)で表される化合物と、式(as−2)で表される化合物とを、溶媒中、塩基触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。溶媒としては、テトラヒドロフランなどが挙げられる。また、塩基触媒としては、ピリジンなどが挙げられる。
式(as−1)で表される化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸又はその誘導体(酸ハライドなど)と、適当なジオール(HO−A−OH)とを縮合することにより製造することができる。市場から容易に入手できるものを例示すると、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
式(as−2)で表される化合物は、例えば、ホスゲンと、アルコール(R−OH)とを縮合することで得ることができる。市場から容易に入手できるものを例示すると、クロロ蟻酸イソブチルなどが挙げられる。
化合物(a’)の具体例は以下のとおりである。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対する構造単位(a)の含有割合は、1〜40モル%の範囲が好ましく、2〜35モル%の範囲がより好ましく、3〜30モル%の範囲がさらに好ましい。
なお、このような含有割合で構造単位(a)を有する樹脂(A)は、樹脂(A)製造時に用いる全モノマーの総モル量に対する化合物(a’)の使用モル量を調節すればよい。
本レジスト組成物は、樹脂(A)は酸発生剤(B)との相乗効果によりレジストパターンを製造できるものが好ましい。
このような樹脂(A)は、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる特性を有する。ここでいう「酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶」となるとは、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となることを意味する。このような樹脂(A)は、分子内にある親水性基の一部又は全部が、酸との接触により脱離し得る保護基により保護されているものであり、樹脂(A)が酸と接触すると当該保護基が脱離して、樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶となる。当該保護基により保護されている親水性基を以下、「酸不安定基」ということにする。該親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基がより好ましい。
従って、樹脂(A)は、構造単位(a)に加えて、酸不安定基を有する構造単位(以下、場合により「構造単位(a1)」といい、該構造単位(a1)を誘導できるモノマーを場合により、「モノマー(a1)」という。)を有するものが好ましい。
<酸不安定基>
親水性基がカルボキシ基である場合の酸不安定基は、該カルボキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、カルボキシ基の−O−と結合する該有機残基の炭素原子が第三級炭素原子である基が挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式(1)で表される基(以下、場合により「酸不安定基(1)」という。)である。
Figure 2012123376
式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2が結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の環を形成する。Ra1及びRa2が結合して形成される環及び該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
a1〜Ra3の脂肪族炭化水素基は、アルキル基又は脂環式炭化水素基が好ましい。該アルキル基としては、炭素数が1〜8の範囲において、すでに例示したものを含む。該脂環式炭化水素基も、炭素数が8以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
a1及びRa2が互いに結合して環を形成する場合とは、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基が、下記に示すいずれかの基となる場合である。このような環の炭素数は、好ましくは3〜12の範囲である。
Figure 2012123376
酸不安定基(1)としては、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3が全てアルキル基である基、このアルキル基のうち、1つはtert−ブチル基であると好ましい。)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2が結合し、これらが結合する炭素原子とともにアダマンタン環を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
一方、親水性基がヒドロキシ基である場合の酸不安定基は、該ヒドロキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、アセタール構造又はケタール構造を含む基となったものが挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式(2)で表される基(以下、場合により「酸不安定基(2)」という。)である。
Figure 2012123376
式(2)中、Rb1及びRb2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rb3は、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rb2及びRb3が結合して、それらが各々結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数3〜20の環を形成してもよい。該炭化水素基がメチレン基を含む場合、そのメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、Rb2及びRb3が結合して形成される環を構成するメチレン基も、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
b1、Rb2及びRb3の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれでもよく、その具体例も炭素数の上限が20以下である範囲において、すでに例示したものを含むが、Rb1及びRb2のうち、少なくとも1つは水素原子であると好ましい。
酸不安定基(2)としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012123376
構造単位(a1)は、酸不安定基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーから誘導されるものが好ましく、酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーから誘導されるものがさらに好ましい。
当該構造単位(a1)は好ましくは、酸不安定基(1)又は酸不安定基(2)を有するものであり、これらの酸不安定基をともに有していてもよい。より好ましくは酸不安定基(1)を有する構造単位(a1)である。
酸不安定基(1)を有する構造単位(a1)の中でも、炭素数5〜20の脂肪族環構造を有する基が好ましい。立体的に嵩高い脂肪族環構造を有する基の構造単位(a1)を有する樹脂(A)は、該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物を用いてレジストパターンを製造したとき、より良好な解像度でレジストパターンを製造することができる。
脂肪族環構造を有する酸不安定基(1)を有する構造単位(a1)の中でも、式(a1−1)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−1)」という。)及び式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)が好ましい。酸不安定基を有する樹脂(A)は、これらを単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
Figure 2012123376
式(a1−1)中、
a1は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
a4は、水素原子又はメチル基を表す。
a6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
a2は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1及び*は上記と同じ意味を表す。)で表される基を表す。
a5は、水素原子又はメチル基を表す。
a7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜5の整数を表す。
a1及びLa2は、好ましくは、酸素原子又は、k1が1〜4の整数である*−O−(CH2k1−CO−O−で表される基であり、より好ましくは酸素原子又は*−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基である。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数8以下のアルキル基又は炭素数8以下の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1である。
構造単位(a1−1)の具体例は以下のとおりである。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
式(a1−1−1)〜式(a1−1−38)のいずれかで表される構造単位(a1−1)の具体例において、上述の部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも構造単位(a1−1)の具体例として挙げることができる。
構造単位(a1−1)としては、式(a1−1−1)、式(a1−1−2)及び式(a1−1−3)のいずれかで表される構造単位(a1−1)並びにこれらの構造単位(a1−1)の部分構造Mが部分構造Aに置き換えられたものが好ましく、式(a1−1−1)、式(a1−1−2)及び式(a1−1−3)のいずれかで表される構造単位(a1−1)がより好ましく、式(a1−1−1)及び式(a1−1−2)のいずれかで表される構造単位(a1−1)がさらに好ましい。なお、これら好ましい構造単位(a1−1)を有する樹脂(A)は、該樹脂(A)を製造する際に、2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート又は2−イソプロピルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートなどを製造用原料[モノマー(a1)]として用いればよい。
一方、構造単位(a1−2)の具体例は以下のとおりである。
Figure 2012123376
式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)のいずれかで表される構造単位(a1−2)において、構造単位(a)の具体例で示したように、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも構造単位(a1−2)として挙げることができる。
なかでも、式(a1−2−1)、式(a1−2−2)、式(a1−2−4)及び式(a1−2−5)のいずれかで表される構造単位(a1−2)、あるいは、これらの構造単位(a1−2)の部分構造Mが部分構造Aに置き換えられたものがより好ましく、式(a1−2−4)及び式(a1−2−4)のいずれかで表される構造単位、あるいは、これらの構造単位(a1−2)の部分構造Mが部分構造Aに置き換えられたものがさらに好ましい。このような構造単位(a1−2)を有する樹脂(A)を製造するためには、1−エチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレートなどをモノマー(a1)として用いればよい。
構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する樹脂(A)を製造する場合、樹脂(A)の全構造単位を100モル%としたとき、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)の合計含有割合は、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましく、25〜60モル%の範囲が一層好ましい。構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)の合計含有割合を、このような範囲にするためには、樹脂(A)を製造する際に、全モノマーの使用量に対する、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー(a1)の使用量を調整すればよい。
具体的には、樹脂(A)を製造するために全モノマー量(100モル%)に対して、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマーの使用量が、10〜95モル%の範囲であると好ましく、15〜90モル%の範囲であるとより好ましく、20〜85モル%の範囲であるとさらに好ましく、25〜60モル%の範囲であると一層好ましい。
樹脂(A)は、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)以外の、酸不安定基を有する構造単位(a1)〔他の構造単位(a1)〕を有していてもよい。
かかる他の構造単位(a1)としては、例えば、以下の式(a1−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマー(以下、場合により「モノマー(a1−3)」という。)から誘導されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
式(a1−3)中、
a9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基又は−COORa13を表す。
a13は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
a10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表すか、或いは、Ra10及びRa11が結合して、これらが結合している炭素原子とともに、炭素数3〜20の環を形成し、該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子は、ヒドロキシ基などに置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
a9のヒドロキシ基を有するアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
a10〜Ra12の脂肪族炭化水素基としては、鎖式炭化水素基(例えば、アルキル基)及び脂環式炭化水素基が挙げられ、炭素数20以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
a10及びRa11が結合して形成される環は脂肪族環が好ましく、具体的には、シクロへキサン環及びアダマンタン環がより好ましい。
a9の−COORa13としては、例えば、メトキシカルボニル基(C)及びエトキシカルボニル基(C)など、すでに例示したアルコキシ基にカルボニル基がさらに結合した基が挙げられる。
モノマー(a1−3)としては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル及び5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
モノマー(a1−3)を用いて製造された樹脂(A)にはモノマー(a1−3)に由来する、立体的に嵩高い構造単位が含まれることになる。このように立体的に嵩高い構造単位を有する樹脂(A)を含む本レジスト組成物により、レジストパターンを製造すれば、より良好な解像度でレジストパターンを得ることができる。さらにモノマー(a1−3)を用いることにより、樹脂(A)の主鎖に剛直なノルボルナン環を導入できるため、該樹脂(A)を含む本レジスト組成物は、ドライエッチング耐性に優れたレジストパターンが得られ易いという傾向がある。
上述のように、良好な解像度でレジストパターンを製造できることや、ドライエッチング耐性に優れたレジストパターンが得られ易いという点では、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対する、モノマー(a1−3)に由来する構造単位の含有割合は10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましい。
酸不安定基(2)を有するモノマー(a1)としては、例えば、以下の式(a1−4)で表されるモノマー(以下、「モノマー(a1−4)」という場合がある。)が挙げられる。
Figure 2012123376
式(a1−4)中、
a32は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上の場合、複数のRa33は同一であっても異なってもよい。
a34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
a2は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基及び炭素数2〜4のアシルオキシ基で置換されていてもよい。ここに示す置換基としては、炭素数が各々の範囲において、すでに例示したものを含む。Xa2の脂肪族炭化水素基は、鎖式炭化水素基であると好ましく、アルカンジイル基であるとより好ましい。なお、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(R)−で表される基に置き換わっていてもよい。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a3としては、炭素数1〜18の炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、該炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基を有していてもよい。
a32の「ハロゲン原子を有してもよいアルキル基」のうち、アルキル基としては、炭素数1〜6の範囲において、すでに例示したものを含む。ハロゲン原子を有するアルキル基、すなわちハロアルキル基とは、アルキル基を構成する水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子に置換されたものである。具体的にハロアルキル基を挙げると、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基などである。
a32及びRa33のハロゲン原子、アルコキシ基及びアシル基の具体例は、すでに例示したものを含む。
a34及びRa35の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。その具体例は、各々の炭素数の範囲において、すでに例示したものを含む。これらのうち、該鎖式炭化水素基としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が好ましく、該脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基が好ましい。該芳香族炭化水素基は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2−メチル−6−エチルフェニルが好ましい。
a32及びRa33がアルキル基である場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
a33のアルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
上述したように、Xa2及びYa3は、これらに含まれる水素原子が、ハロゲン原子及びヒドロキシ基などの置換基に置き換わっていてもよいが、このように水素原子が置き換わっている場合、その置換基は好ましくはヒドロキシ基である。
基が特に好ましい。
モノマー(a1−4)の具体例は以下のとおりである。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
ここに示すモノマー(a1−4)の具体例において、Ra32に相当する水素原子をハロゲン原子、メチル基、ハロアルキル基等に置き換えたものもモノマー(a1−4)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A)が、モノマー(a1−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましい。
酸不安定基(2)を有するモノマー(a1)として、例えば、式(a1−5)で表されるモノマー(以下、「モノマー(a1−5)」という場合がある。)も用いることができる。
Figure 2012123376
式(a1−5)中、
31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
〜Lは、酸素原子又は硫黄原子又は−O−(CH2k1−CO−O−で表される基を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
式(a1−5)においては、
31は、水素原子及びメチル基が好ましい。
は、酸素原子が好ましい。
及びLは、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であると好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
としては、単結合又は−CH−CO−O−が好ましい。
モノマー(a1−5)の具体例は、以下のとおりである。ここでは、R31がメチル基である具体例を示すことにするが、このメチル基を水素原子に置き換えたものも、モノマー(a1−5)の具体例である。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
樹脂(A)が、モノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、10〜90モル%の範囲がより好ましく、10〜85モル%の範囲がさらに好ましく、10〜70モル%の範囲が一層好ましい。
<酸安定構造単位>
樹脂(A)としては、構造単位(a)及び構造単位(a1)に加えて、酸不安定基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」という。)を有していると好ましい。
樹脂(A)が酸安定構造単位を有する場合、構造単位(a1)の含有割合を基準にして、酸安定性構造単位の含有割合を定めるとよい。構造単位(a1)の含有割合と酸安定性構造単位の含有割合との比は、〔構造単位(a1)〕/〔酸安定構造単位〕で表して、好ましくは10〜80モル%/90〜20モル%であり、より好ましくは20〜60モル%/80〜40モル%である。
樹脂(A)に酸安定構造単位を導入する場合に、構造単位(a1)の含有割合を基準にして、酸安定性構造単位の含有割合を定めるときには、構造単位(a)を酸安定構造単位に含めて含有割合を算出する。
酸安定構造単位としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有する構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a2)」という。)及び/又はラクトン環を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a3)」という。)を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜又は塗布膜から得られる組成物層が基板との間に優れた密着性を発現し易くなり、この本レジスト組成物は良好な解像度で、レジストパターンを製造することができる。
<酸安定構造単位(a2)>
酸安定構造単位(a2)を樹脂(A)に導入する場合、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定構造単位(a2)を選択することができる。すなわち、本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
酸安定構造単位(a2)としては、酸安定構造単位(a2−0)及び酸安定構造単位(a2−1)が好ましい。酸安定構造単位(a2)を誘導するモノマーを「酸安定モノマー(a2)」といい、酸安定構造単位(a3)を誘導するモノマーを「酸安定モノマー(a3)」という。また、ここでいう酸安定モノマー(a2)及び酸安定モノマー(a3)に加え、後述する酸安定モノマー(a4)などの酸安定構造単位を誘導するモノマーを「酸安定モノマー」と総称する。
<酸安定構造単位(a2−1)>
酸安定構造単位(a2−1)としては、以下の式(a2−1)で表される構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a2−1)」という。)が挙げられる。
Figure 2012123376
式(a2−1)中、
a3は、酸素原子又は−O−(CH2k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す。)を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
a3は、好ましくは、酸素原子又は、k2が1〜4の整数である−O−(CH2k2−CO−O−で表される基であり、より好ましくは、酸素原子又は、−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定構造単位(a2−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
式(a2−1−1)〜式(a2−1−17)のいずれかで表される酸安定構造単位(a2−1)の具体例において、構造単位(a)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも酸安定構造単位(a2−1)の具体例として挙げることができる。
例示した酸安定構造単位(a2−1)の中でも、式(a2−1−1)、式(a2−1−2)、式(a2−1−13)及び式(a2−1−15)のいずれかで表される酸安定構造単位(a2−1)並びにこれらの酸安定構造単位(a2−1)の部分構造Mが部分構造Aに置き換わったものが好ましく、式(a2−1−1)、式(a2−1−2)、式(a2−1−13)及び式(a2−1−15)のいずれかで表される酸安定構造単位(a2−1)がより好ましい。これらの酸安定構造単位(a2−1)を有する樹脂(A)は、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルオキシカルボニル)メチルなどを、該樹脂(A)製造用のモノマーとして用いればよい。
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、3〜40モル%の範囲が好ましく、3〜35モル%の範囲がより好ましく、3〜30モル%の範囲がさらに好ましく、3〜15モル%が特に好ましい。
<酸安定構造単位(a2−0)>
酸安定構造単位(a2)は、以下の式(a2−0)で表されるもの(以下、「酸安定構造単位(a2−0)」という。)も挙げることができる。
Figure 2012123376
式(a2−0)中、
a30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は互いに同一であっても異なってもよい。
a30のハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基及びハロゲン原子としては、式(a1−4)のRa32で例示したものと同じである。これらのうち、Ra30は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
a31のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
a31のアルコキシ基としては、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
酸安定構造単位(a2−0)として、以下の酸安定構造単位(a2−0)を誘導するモノマー(以下、「酸安定モノマー(a2−0)」という場合がある。)などが挙げられる。
Figure 2012123376
ここに例示する具体例において、ベンゼン環に結合しているメチル基やエチル基を、Ra31として例示したその他の置換基に置き換えたものも、酸安定モノマー(a2−0)の具体例である。
このような酸安定モノマー(a2−0)を用いて、樹脂(A)を製造する場合は、該酸安定モノマー(a2−0)にあるフェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護されているモノマーを用いることもできる。例えば、塩基又は酸で脱離する保護基で保護されたフェノール性ヒドロキシ基は、塩基又は酸の接触により該保護基が脱保護されるため、酸安定構造単位(a2−0)の前駆構造単位は、脱保護することにより、酸安定構造単位(a2−0)が得られる。ただし、樹脂(A)は上述のとおり、酸不安定基を持つ構造単位(a1)を有しているので、フェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護されてなる前駆構造単位を脱保護する際には、構造単位(a1)の酸不安定基を著しく損なわないよう、塩基との接触により脱保護することが好ましい。塩基との接触により脱保護する保護基としては例えば、アセチル基、ベンゾイル基等が好ましい。塩基としては、例えば、4−ジメチルアミノピリジン及びトリエチルアミンなどが挙げられる。
酸安定モノマー(a2−0)の例示の中では、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。もちろん、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンを用いて、樹脂(A)を製造する際には、これらにあるフェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護したものを用いることが好ましい。
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a2−0)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜95モル%の範囲が好ましく、10〜80モル%の範囲がより好ましく、15〜80モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定構造単位(a3)>
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
酸安定構造単位(a3)は好ましくは、以下の式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるものである。樹脂(A)は、これらのうち1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。なお、以下の説明においては、式(a3−1)で示されるものを「酸安定構造単位(a3−1)」という場合があり、式(a3−2)で示されるものを「酸安定構造単位(a3−2)」という場合があり、式(a3−3)で示されるものを「酸安定構造単位(a3−3)」という場合がある。
Figure 2012123376
[式(a3−1)中、
a4は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−2)中、
a5は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は、互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−3)中、
a6は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は、互いに同一であっても異なってもよい。]
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子又は、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定構造単位(a3−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−2)としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−3)は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
式(a3−1−1)〜式(a3−1−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−1)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−2)及び式(a3−3−1)〜式(a3−3−6)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−3)において、構造単位(a)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも、各々酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)として挙げることができる。また、この例示において、ラクトン環が有する置換基(Ra21〜Ra23)としてメチル基を有するものも例示したが、このメチル基を上述のような基に置き換えたものも、酸安定構造単位(a3)の具体例として挙げられる。
酸安定構造単位(a3)の中でも、α−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル及び(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルなどから誘導される酸安定構造単位(a3)が好ましい。
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)からなる群より選ばれる酸安定構造単位(a3)を有する場合、その合計含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜70モル%の範囲が好ましく、10〜65モル%の範囲がより好ましく、10〜60モル%の範囲がさらに好ましく、15〜55モル%の範囲が特に好ましく、15〜50モル%の範囲が一層好ましい。
また、酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)それぞれの含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜70モル%の範囲が好ましく、10〜65モル%の範囲がより好ましく、10〜60モル%の範囲がさらに好ましく、15〜55モル%の範囲が特に好ましく、15〜50モル%の範囲が一層好ましい。
<酸安定モノマー(a4)>
樹脂(A)は、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位を有していてもよい。以下、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位を誘導し得る酸安定モノマーを、場合により「酸安定モノマー(a4)」という。
該酸安定モノマー(a4)としては、以下の式(a4−1)で表される無水マレイン酸、式(a4−2)で表される無水イタコン酸、及び、式(a4−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマー(以下、「酸安定モノマー(a4−3)」という場合がある。)などを挙げることができる。
Figure 2012123376
[式(a4−3)中、
a25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、シアノ基、カルボキシ基又は−COORa27を表すか、或いはRa25及びRa26は互いに結合して−CO−O−CO−を形成する。
a27は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(例えば、Ra27は、第三級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)〕
式(a4−3)のRa25及びRa26において、ヒドロキシ基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基などが好ましい。
a27の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数4〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数4〜12の脂環式炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などがさらに好ましい。
酸安定モノマー(a4−3)としては、例えば、2−ノルボルネン、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、5−ノルボルネン−2−メタノール及び5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
樹脂(A)が、式(a4−1)で表される無水マレイン酸に由来する構造単位、式(a4−2)で表される無水イタコン酸に由来する構造単位及びモノマー(a4−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する場合、その合計含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、2〜40モル%の範囲が好ましく、3〜30モル%の範囲がより好ましく、5〜20モル%の範囲がさらに好ましい。
さらに、酸安定モノマー(a4)としては、例えば、式(a4−4)で表されるスルトン環を有する酸安定モノマー(以下、「酸安定モノマー(a4−4)」という場合がある。)などが挙げられる。
Figure 2012123376
[式(a4−4)中、
a7は、酸素原子又は−T−(CH2k2−CO−O−を(k2は1〜7の整数を表す。Tは酸素原子又はNHである。)を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
a28は、水素原子又はメチル基を表す。
10は、置換基を有していてもよいスルトン環基を表す。]
スルトン環基に含まれるスルトン環とは、脂環式炭化水素を構成するメチレン基のうち、隣り合うメチレン基2つが、一方が酸素原子、他方がスルホニル基に置き換わったものであり、下記に示すものなどが挙げられる。スルトン環基の代表例は、下記スルトン環にある水素原子の1つが、結合手に置き換わったものであり、式(a4−4)においてはLa7との結合手が該当する。
Figure 2012123376
置換基を有するスルトン環基とは、上述の結合手に置き換わった水素原子以外の水素原子がさらに置換基(水素原子以外の1価の基)に置換されたものであり、該置換基は、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフッ化アルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7のアシル基及び炭素数1〜8のアシルオキシ基からなる群より選ばれる。
酸安定モノマー(a4−4)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
ここに示した酸安定モノマー(a4−4)の具体例の各々において、部分構造M’を、部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−4)の具体例として挙げることができる。
Figure 2012123376
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a4−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、2〜40モル%の範囲が好ましく、3〜35モル%の範囲がより好ましく、5〜30モル%の範囲がさらに好ましい。
また、酸安定モノマー(a4)としては、例えば、以下に示すようなフッ素原子を有する酸安定モノマー〔以下、「酸安定モノマー(a4−5)」という場合がある。〕も用いることができる。
Figure 2012123376
このような酸安定モノマー(a4−5)の中でも、単環式又は多環式の脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸5−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチル]プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、(メタ)アクリル酸6−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチル]プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル及び(メタ)アクリル酸4,4−ビス(トリフルオロメチル)−3−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノニルが好ましい。
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a4−5)に由来する構造単位を有する場合、その合計含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜20モル%の範囲が好ましく、2〜15モル%の範囲がより好ましく、3〜10モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定モノマー(a4−6)>
酸安定モノマー(a4)は、式(3)で表される基を有するモノマー[以下、場合により、「酸安定モノマー(a4−6)」という。]も挙げられる。
Figure 2012123376
[式(3)中、R10は、炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す。*は結合手を表す。]
10のフッ化アルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
10のフッ化アルキル基は、その炭素数が1〜4であると好ましく、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基及びペルフルオロプロピル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
酸安定モノマー(a4−6)としては、例えば、以下で表されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
酸安定モノマー(a4−6)において、酸安定モノマー(a4−4)と同様に、部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−6)として挙げることができる。
また、酸安定モノマー(a4−6)としては、以下のものも挙げることができる。
Figure 2012123376
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a4−6)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜30モル%の範囲が好ましく、3〜25モル%の範囲がより好ましく、5〜20モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定モノマー(a4−7)>
酸安定モノマー(a4)は、式(4)で表される基を有するモノマー[以下、場合により、「酸安定モノマー(a4−7)」という。]も挙げられる。
Figure 2012123376
[式(4)中、
11は置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。
12は、置換基を有してもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
は、単結合、−(CHm10−SO−O−*又は−(CHm10−CO−O−*を表し、ここに示す−(CHm10−を構成するメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよく、該−(CHm10−に含まれる水素原子は、フッ素原子に置き換わっていてもよい。
m10は、1〜12の整数を表す。]
11における炭素数6〜12の芳香族炭化水素基の具体例は、炭素数がこの範囲において、すでに例示したものを含む。これら芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、フェニルオキシ基及びtert−ブチルフェニル基などである。
11としては、以下の基が挙げられる。なお、*は炭素原子との結合手である。
Figure 2012123376
12における炭素数1〜12の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれでもよい。
脂肪族炭化水素基としては、典型的にはアルキル基であり、その具体例は炭素数が1〜12の範囲において、すでに例示したものを含む。脂環式炭化水素基としては、炭素数が12以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
なお、R12が脂肪族炭化水素基である場合、該脂肪族炭化水素基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、ハロゲン原子、硫黄原子、酸素原子及び窒素原子などである〔連結基として、スルホニル基、カルボニル基を含む形態でもよい〕。
このようなヘテロ原子を含むR12としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012123376
12が芳香族炭化水素基である場合、その具体例は、R11の場合と同じである。
としては、下記に示す基が挙げられる。
Figure 2012123376
式(4)で表される基を含む酸安定モノマー(a4)としては、例えば、式(a4−7)で表されるモノマー[以下、場合により「酸安定モノマー(a4−7)」という。]が挙げられる。
Figure 2012123376
[式(a4−7)中、
13は、水素原子又はメチル基を表す。
11、R12及びAは、上記と同じ意味を表す。]
酸安定モノマー(a4−7)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
ここに示した酸安定モノマー(a4−7)において、酸安定モノマー(a4−4)の具体例と同様に、部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−7)として挙げることができる。
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a4−7)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜30モル%の範囲が好ましく、3〜25モル%の範囲がより好ましく、5〜20モル%の範囲がさらに好ましい。
酸安定モノマー(a4)としては、以下の式(a4−8)で示されるモノマー[以下、場合により、「酸安定モノマー(a4−8)」という。]も挙げることができる。
Figure 2012123376
[式(a4−8)中、
環Wは、炭素数3〜36の脂肪族環を表す。
は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよいが、Aのうち、酸素原子に結合している原子は炭素原子である。
14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロアルキル基を表す。
15及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロアルキル基を表す。]
環Wは、単環式又は多環式の炭素数3〜36の脂肪族環であり、その炭素数は5〜18の範囲が好ましく、6〜12の範囲がより好ましい。より具体的には、すでに脂環式炭化水素基の説明において、式(KA−1)〜式(KA−22)で示した脂環式炭化水素の形式で示した脂肪族環を挙げることができる。すなわち、式(a4−7)において
Figure 2012123376
で示される部分構造は、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素を構成する水素原子の1個がAとの結合手に、脂環式炭化水素の環を構成する炭素原子の1つに結合している2つの水素原子が、−O−CO−R15及び−O−CO−R16との結合手に置き換わったものを挙げることができる。
環Wの脂肪族環は、シクロヘキサン環、アダマンタン環、ノルボルナン環及びノルボルネン環が特に好ましい。
の脂肪族炭化水素基は、炭素数が17以下の範囲において、すでに例示したアルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基を挙げることができ、炭素数が17以下の範囲であれば、アルカンジイル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた脂肪族炭化水素基であってもよい。また、Aの脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
ここで、アルカンジイル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた脂肪族炭化水素基の代表例を示しておく。かかる脂肪族炭化水素基としては、以下の式(X−A)、式(X−B)及び式(X−C)で表される基などが挙げられる。
Figure 2012123376
式中、
X1及びXX2は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表し、XX1及びXX2がともに単結合であることはなく、式(X−A)、式(X−B)及び式(X−C)で表される基の総炭素数は17以下である。
の脂肪族炭化水素基は、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。このような基の代表例としては、例えば、式(a)の基(a−1)で例示したものを含む。
は、単結合又は*−(CHs1−CO−O−(*は−O−との結合手を表し、s1は1〜6の整数を表す。)で表される基が好ましく、単結合又は*−CH−CO−O−(*は−O−との結合手を表す。)で表される基がより好ましい。
14は、水素原子又はメチル基が好ましい。
14、R15及びR16のアルキル基としては、炭素数が1〜6の範囲において、その具体例は、すでに例示したものを含む。ハロアルキル基としては、フッ素原子を有するアルキル基(フッ化アルキル基)が特に好ましい。R15及びR16のハロアルキル基のうち、好ましいものとしては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基及びペルフルオロブチル基などが挙げられ、中でも、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基及びペルフルオロプロピル基が挙げられる。
酸安定モノマー(a4−8)としては、以下に示すモノマー等が挙げられる。なお、R14〜R16及びAは、上記と同じ意味を表す。
Figure 2012123376
これらの中でも、
Figure 2012123376
で示される酸安定モノマー(a4−8)がより好ましい。
酸安定モノマー(a4−8)としては、以下で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 2012123376
ここに示した酸安定モノマー(a4−8)において、酸安定モノマー(a4−4)の具体例と同様に、部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−8)の具体例として挙げられる。
好ましい酸安定モノマー(a4−8)は例えば、式(a4−8−a)で表される化合物と、式(a4−8−b)で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。式(a4−8−a)で表される化合物は例えば、特開2002−226436号公報に記載されている1−メタクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタンなどが挙げられる。また、式(a4−8−b)で表される化合物としては例えば、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロ酪酸無水物及びトリフルオロ酢酸無水物などが挙げられる。この反応は、用いる式(a4−8−b)で表される化合物の沸点温度付近で加温することにより、実施することが好ましい。
Figure 2012123376
[式(a4−8−a)及び式(a4−8−b)中の符号はいずれも、上記と同じ意味を表す。]
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a4−8)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜30モル%の範囲が好ましく、3〜25モル%の範囲がより好ましく、5〜20モル%の範囲がさらに好ましい。
<樹脂(A)及びその製造方法>
樹脂(A)は、構造単位(a)を誘導する化合物(a’)と、構造単位(a1)を誘導するモノマー[好ましくは、構造単位(a1−1)又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー]との共重合体が好ましく、さらに好ましくは酸安定構造単位を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものであり、より好ましくは、化合物(a’)、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー、酸安定構造単位(a2)及び/又は酸安定構造単位(a3)を誘導するモノマーとを共重合させたものである。
樹脂(A)は、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)及びシクロへキシル基を有する構造単位(a1−2)のうち、少なくとも1種を有することが好ましく、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)を有することがさらに好ましい。酸安定構造単位(a2)としては、ヒドロキシアダマンチル基を有する構造単位(a2−1)を用いることが好ましい。酸安定構造単位(a3)としては、γ−ブチロラクトン環を有する酸安定構造単位(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−2)の少なくとも1種を有することが好ましい。
樹脂(A)は、上述したようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供することにより製造することができる。
樹脂(A)が、構造単位(a1)を有する場合、その含有合計割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、好ましくは10〜80モル%の範囲であり、より好ましくは20〜60モル%の範囲である。
また、アダマンチル基を有する構造単位(特に構造単位(a1−1))を有する場合には、該構造単位を、構造単位(a1)の合計(100モル%)に対して15モル%以上とすることが好ましい。このようにすると、樹脂(A)を含有する本レジスト組成物から得られるレジストパターンのドライエッチング耐性がより良好になる傾向がある。
樹脂(A)の重量平均分子量は、2,500以上50,000以下であると好ましく、3,000以上30,000以下がさらに好ましい。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものであり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)には、非イオン系酸発生剤、イオン系酸発生剤又はこれらを組み合わせて用いることができる。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)及びスルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)などがある。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン及びスルホニルメチドアニオンなどがある。
酸発生剤(B)としては、本発明の技術分野で使用される酸発生剤(特に光酸発生剤)だけでなく、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤又は光変色剤等の放射線(光)によって酸を発生する公知化合物及びそれらの混合物も、適宜使用できる。例えば、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載されている、放射線によって酸を発生する化合物を、酸発生剤(B)として使用できる。
また、酸発生剤は、公知の方法によって製造することができる。
酸発生剤(B)としては、分子内にフッ素原子を有するフッ素含有酸発生剤が好ましく、以下の式(B1)で表される酸発生剤(B)(以下、「酸発生剤(B1)」という場合がある。)がより好ましい。なお、以下の説明において、この酸発生剤(B1)のうち、正電荷を有するZは「有機カチオン」といい、該有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオン」ということがある。
Figure 2012123376
式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
1及びQ2のペルフルオロアルキル基としては、すでに例示したアルキル基のうち、炭素数1〜6のアルキル基において、該アルキル基を構成する水素原子の全部がフッ素原子に置き換わったものが該当する。
本レジスト組成物に含有される酸発生剤としては、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基又はフッ素原子の酸発生剤(B1)が好ましく、Q1及びQ2がともにフッ素原子である酸発生剤(B1)がさらに好ましい。
b1の脂肪族炭化水素基の具体例は、すでに例示したアルカンジイル基、及び、上述の式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基などである。
b1における前記脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換わったものとしては、例えば、以下の式(b1−1)、式(b1−2)、式(b1−3)、式(b1−4)、式(b1−5)及び式(b1−6)〔以下、式(b1−1)〜式(b1−6)のように表記する。〕のいずれかで示される基が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側の結合手*は、C(Q1)(Q2)と結合し、右側の結合手*はYと結合している。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
Figure 2012123376
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は、飽和の脂肪族炭化水素基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
b4は、炭素数1〜13の2価の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は、飽和の脂肪族炭化水素基が好ましい。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
b5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は、脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
b8は、炭素数1〜14の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は、脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
b9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は、脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
本レジスト組成物に含有される酸発生剤(B)としては、これらの中でも、式(b1−1)で表される2価の基をLb1として有する酸発生剤(B1)が好ましく、Lb2が単結合又はメチレン基である式(b1−1)で表される2価の基をLb1として有する酸発生剤(B1)がより好ましい。
b1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれかで表される基であり、さらに好ましくは式(b1−1)〜式(b1−3)のいずれかで表される基である。
ここで、好ましい式(b1−1)〜式(b1−3)のいずれかで表される基の具体例を挙げる。なお、*は結合手を表し、左右の*の定義は上述のとおりである。
式(b1−1)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
式(b1−2)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
式(b1−3)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
b1の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基は例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基及びグリシジルオキシ基などが挙げられる。芳香族炭化水素基、アラルキル基及びアシル基の具体例はすでに例示したものを含む。
式(B1)におけるYは置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。なかでも、Yはアルキル基及び脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数3〜12の脂環式炭化水素基がより好ましく、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基がさらに好ましい。
Yの脂肪族炭化水素基が置換基を有する場合、該置換基としては例えば、ハロゲン原子(但し、フッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1で表される基(式中、Rb1は、炭素数1〜16の炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。ここでいう芳香族炭化水素基及びアラルキル基には、例えば、アルキル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基をさらに有していてもよい。
Yの脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基及びカルボニル基からなる群より選ばれる基(2価の基)に置き換わっていてもよい。脂環式炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わった基としては例えば、環状エーテル基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基の1つ又は2つが酸素原子に置き換わった基)、環状ケトン基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基の1つ又は2つがカルボニル基に置き換わった基)、スルトン環基(す脂環式炭化水素基を構成するメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びスルホニル基に置き換わった基)及びラクトン環基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びカルボニル基に置き換わった基)などが挙げられる。
Yは、以下に示す式(Y1)、式(Y2)、式(Y3)、式(Y4)及び式(Y5)のいずれかで表される脂環式炭化水素基が好ましく、なかでも、式(Y1)、式(Y2)、式(Y3)及び式(Y5)のいずれかで表される脂環式炭化水素基がより好ましく、式(Y1)及び式(Y2)のいずれかで表される脂環式炭化水素基がさらに好ましい。なお、これらの脂環式炭化水素基を構成する水素原子が置換基に置換されていてもよい。
Figure 2012123376
置換基を有する脂環式炭化水素基としては例えば、以下のものである。
Figure 2012123376
なお、Yがアルキル基であり、かつLb1が炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基である場合、Yと結合する該2価の脂肪族炭化水素基の−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていることが好ましい。この場合、Yのアルキル基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わらない。
Yの脂環式炭化水素基は、式(Y1)及び式(Y2)で示したようにアダマンタン環を有する基が好ましく、これらが置換基を有する場合、その置換基はヒドロキシ基が好ましい。すなわち、置換基を有する脂環式炭化水素基としては、ヒドロキシアダマンチル基が好ましい。
スルホン酸アニオンの好適例を具体的に示すと、式(b1−1−1)、式(b1−1−2)、式(b1−1−3)、式(b1−1−4)、式(b1−1−5)、式(b1−1−6)、式(b1−1−7)、式(b1−1−8)及び式(b1−1−9)〔式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)〕で表されるスルホン酸アニオンを挙げることができる。この式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンにおいて、Lb1は式(b1−1)で表される基が好ましい。また、Rb2及びRb3は、それぞれ独立に、Yが有していてもよい置換基として挙げたものと同じであり、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基及びヒドロキシ基が好ましく、メチル基及びヒドロキシ基がより好ましい。
Figure 2012123376
前記式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)で表されるスルホン酸アニオンの具体例は例えば、特開2010−204646号公報に記載されているスルホン酸アニオンを挙げることができる。
好ましいスルホン酸アニオンは、Lb1が式(b1−1)で表される基であり、Yが、式(Y1)及び式(Y2)で表される脂環式炭化水素基等である。
Yが無置換の脂環式炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−1)〜式(b1−s−9)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
Yがヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−10)〜式(b1−s−18)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
Yが環状ケトン基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−19)〜式(b1−s−29)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Yが芳香族基を有する脂環式炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−30)〜式(b1−s−35)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
Yが、前記ラクトン環基又は前記スルホン酸環基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−36)〜式(b1−s−41)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
Yがアルキル基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下の式(b1−s−42)で表されるものが挙げられる。
Figure 2012123376
酸発生剤(B1)中の有機カチオン(Z+)は有機オニウムカチオン、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、より好ましくは、以下の式(b2−1)、式(b2−2)、式(b2−3)及び式(b2−4)〔式(b2−1)〜式(b2−4)〕のいずれかで表される有機カチオンである。
Figure 2012123376
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を表し、該炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ましい。該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよく、該脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよく、該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b9、Rb10及びRb11は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基がアルキル基である場合、その炭素数は1〜12であることが好ましく、この脂肪族炭化水素基が脂環式炭化水素基である場合、その炭素数は3〜18であることが好ましく、4〜12であることがさらに好ましい。
b12は、炭素数1〜18の炭化水素基を表す。この炭化水素基のうち、芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基を有していてもよい。
b9とRb10とは、互いに結合してイオウ原子を含む3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b11とRb12とは、互いに結合して−CH−CO−を含む3員環〜12員環(好ましくは4員環〜7員環)を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b13、Rb14、Rb15、Rb16、Rb17及びRb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は互いに同一でも異なっていてもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は互いに同一でも異なっていてもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb15は互いに同一でも異なっていてもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は互いに同一でも異なっていてもよい。
b12のアルキルカルボニルオキシ基としては、すでに例示したアシル基と酸素原子とが結合したものである。
b9〜Rb12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
b9〜Rb11の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基などが挙げられる。
b12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などが挙げられる。
b12の芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものとしては、アラルキル基が挙げられ、具体的にはベンジル基等が挙げられる。
b9とRb10との組み合わせが結合して形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
b11とRb12との組み合わせが結合して形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
式(b2−1)〜式(b2−4)で表される有機カチオンの具体例は、特開2010−204646号公報に記載されたものを挙げることができる。
例示した有機カチオンの中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、以下の式(b2−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という場合がある。〕がより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)がさらに好ましい。
Figure 2012123376
式(b2−1−1)中、
b19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
該脂肪族炭化水素基としては、炭素数は1〜12の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数4〜12の脂環式炭化水素基がより好ましい。該脂肪族炭化水素基は、置換基として、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なっていてもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なっていてもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なっていてもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であることが好ましい。
カチオン(b2−1−1)としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
また、有機カチオンとしては、式(b2−3)で表される有機カチオンのうち、以下の有機カチオンも好適なものとして挙げることができる。
Figure 2012123376
酸発生剤(B1)は上述のスルホン酸アニオン及び上述の有機カチオンの組合せである。これらは任意に組み合わせることができる。その組み合わせを表1に示す。なお、表1において、式(b1−s−1)で表されるスルホン酸アニオンなどを、その式番号に応じて、「(b1−s−1)」などと表し、式(b2−c−1)で表される有機カチオンなどを、その式番号に応じて、「(b2−c−1)」などと表す。
Figure 2012123376
さらに好ましい酸発生剤(B1)を具体的に示す。このような酸発生剤(B1)は、以下の式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−4)、式(B1−5)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−8)、式(B1−9)、式(B1−10)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−15)、式(B1−16)及び式(B1−17)のいずれかで表されるものである。中でも、酸発生剤(B)は、中でもトリフェニルスルホニウムカチオンを含む塩及びトリトリルスルホニウムカチオンを含む塩が好ましく酸発生剤(B1)である、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)及び(B1−14)のいずれかで表される塩がより好ましい。また、すでに述べたように、Yが置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基が好ましいので、この点では、式(B1−2)、式(B1−3)、(B1−6)、式(B1−7)及び式(B1−11)のいずれかで表される塩がより好ましい。
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
Figure 2012123376
酸発生剤(B)は、酸発生剤(B1)とは異なる酸発生剤を含んでいてもよい。この場合は、酸発生剤(B)の総量における酸発生剤(B1)の含有割合は、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。ただし、本レジスト組成物における酸発生剤(B)は、実質的に酸発生剤(B1)のみであることがさらに好ましい。
<塩基性化合物(以下、場合により「塩基性化合物(C)」という。)>
本レジスト組成物は、塩基性化合物(C)を含むことが好ましい。ここでいう「塩基性化合物」とは、酸を捕捉するという特性を有する化合物、特に、酸発生剤から発生する酸を捕捉するという特性を有する化合物を意味し、上述のように当技術分野でクエンチャーと呼ばれるものである。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及び、塩基性のアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンのいずれでもよい。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012123376
[式(C1)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基を構成する水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基を構成する水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置換されていてもよい。]
Figure 2012123376
[式(C1−1)中、Rc2及びRc3は、前記と同義である。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2012123376
[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n43は0〜8の整数を表し、n43が2以上のとき、複数のRc9は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
Figure 2012123376
[式(C5)及び式(C6)中、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3又はp3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc14及びRc15は互いに同一でも異なっていてもよい。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Figure 2012123376
[式(C7)及び式(C8)中、Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3、r3及びs3が2以上であるとき、複数のRc18、Rc19及びRc20は互いに同一でも異なっていてもよい。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジンなどが挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリンなどが挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン及びビピリジンなどが挙げられる。
上述のとおり、塩基性化合物(C)はアンモニウム塩であってもよい。このアンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリンなどが挙げられる。
<溶剤(D)>
本レジスト組成物に含有される溶剤(D)は、用いる樹脂(A)の種類及びその量、酸発生剤(B)の種類及びその量などに応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
好適な溶剤(D)の例としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンなどのケトン類;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類を挙げることができる。溶剤(D)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本レジスト組成物は、必要に応じて、樹脂(A)、酸発生剤(B)、溶剤(D)及び必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)以外の構成成分を含んでいてもよい。この構成成分を「成分(F)」という場合がある。かかる成分(F)に特に限定はなく、本技術分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などである。
<本レジスト組成物及びその調製方法>
本レジスト組成物は、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)、溶剤(D)及び成分(F)を混合することで調製することができる。かかる混合において、その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、用いる樹脂(A)などの種類や、樹脂(A)などの溶剤(D)に対する溶解度などに応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて選べばよく、0.5〜24時間が好ましい。なお、混合手段は特に限定されず、攪拌混合などを用いることができる。
本レジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量により、本レジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
このように、各成分を混合した後は、孔径0.01〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
溶剤(D)の含有割合は、樹脂(A)の種類などに応じて適宜調節できるが、本レジスト組成物総質量に対して90質量%以上、より好ましくは92質量%以上であり、さらに好ましくは94質量%以上であり、好ましくは99.9質量%以下であり、より好ましくは99質量%以下である。このような含有割合で溶剤(D)を含有する本レジスト組成物は、例えば後述するレジストパターンの製造方法において、厚み30〜300nm程度の組成物層を形成可能な薄膜レジストとして適している。
樹脂(A)の本レジスト組成物に対する含有割合は、該本レジスト組成物の固形分の総質量に対して、好ましい範囲が選択される。具体的にいうと、該固形分の総質量に対する樹脂(A)の含有割合は、80質量%以上99質量%以下であると好ましい。ここで、本レジスト組成物の固形分とは、本レジスト組成物総質量から溶剤(D)の含有量を除いた量のことをいう。溶剤(D)の含有割合が90質量%である本レジスト組成物では、該本レジスト組成物総質量に対する固形分の含有量は10質量%である。
酸発生剤(B)の含有質量は、本レジスト組成物に含有される樹脂(A)100質量部に対して、酸発生剤(B)が好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは3質量部以上である。また、樹脂(A)100質量部に対して、酸発生剤(B)が好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは25質量部以下である。
本レジスト組成物が塩基性化合物(C)を含む場合、その含有割合は、該本レジスト組成物の固形分の総質量に対して、0.01〜1質量%程度が好ましい。
これら樹脂(A)、酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)の各々の好適な含有割合は、本レジスト組成物を調製する際の各々の使用量により制御可能である。本レジスト組成物を調製した後には、これらの各成分又は固形分は、該本レジスト組成物を、例えばガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等の公知の分析手段に供して求めることもできる。
なお、成分(F)を本レジスト組成物に用いる場合には、当該成分(F)の種類に応じて、適切な含有割合を調節することもできる。
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて、該基板上に組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
工程(1)における本レジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーターなど、半導体の微細加工のレジスト材料塗布用として広く用いられている塗布装置によって行うことができる。これにより、基板上にレジスト組成物からなる塗布膜が形成される。当該塗布装置の条件(塗布条件)を種々調節することで、該塗布膜の膜厚は調整可能であり、適切な予備実験などを行うことにより、所望の膜厚の塗布膜になるように塗布条件を選ぶことができる。本レジスト組成物を塗布する前の基板は、微細加工を実施しようとする種々のものを選ぶことができる。なお、本レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄したり、反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜の形成には例えば、市販の有機反射防止膜用組成物を用いればよい。
工程(2)においては、基板上に塗布された本レジスト組成物、すなわち塗布膜を乾燥させて、溶剤〔溶剤(D)〕を除去する。このような乾燥は、例えば、ホットプレートなどの加熱装置を用いた加熱手段(いわゆるプリベーク)、又は減圧装置を用いた減圧手段により、或いはこれらの手段を組み合わせて、該塗布膜から溶剤を蒸発させることにより行われる。乾燥の条件は、本レジスト組成物に含有される溶剤(D)の種類などに応じて選択でき、例えばホットプレートの場合、該ホットプレートの表面温度を50〜200℃程度の範囲にすることが好ましい。また、減圧手段では、適当な減圧機の中に、塗布膜が形成された基板を封入した後、該減圧機の内部圧力を1〜1.0×10Pa程度にすればよい。かくして塗布膜を乾燥させることにより、該基板上には組成物層が形成される。
工程(3)は該組成物層を露光する工程であり、好ましくは、露光機を用いて該組成物層を露光するものである。この際には、微細加工を実施しようとする所望のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を介して露光が行われる。露光機の露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザなど)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するものなど、種々のものを用いることができる。また、該露光機は液浸露光機であってもよい。また、露光機は、電子線又は超紫外光(EUV)を照射するものであってもよい。
上述のとおり、マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤(B)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸の作用により、樹脂(A)にある酸不安定基が脱保護反応により親水性基を生じ、結果として露光部の組成物層にある樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けていないため、樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。このように、露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違する。従って、レジスト組成物へのマスクを介した露光により、所望のレジストパターンを形成することができる。
工程(4)においては、露光部で生じうる脱保護基反応を、さらにその進行を促進するための加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)が行われる。かかる加熱処理は前記工程(2)で示したホットプレートを用いる加熱手段などが好ましい。なお、工程(4)におけるホットプレート加熱を行う場合、該ホットプレートの表面温度は50〜200℃程度が好ましく、70〜150℃程度がより好ましい。
工程(5)は、加熱後の組成物層を現像する工程であり、好ましくは、加熱後の組成物層を現像装置を用いて現像する工程である。現像する工程で、加熱後の組成物層をアルカリ水溶液と接触させると、露光部の組成物層は該アルカリ水溶液に溶解して除去され、未露光部の組成物層は基板上に残るため、当該基板上にレジストパターンが製造される。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液などが挙げられる。
現像後、製造されたレジストパターンに、超純水などでリンス処理を行うことが好ましく、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
以上のような工程(1)〜工程(5)を含むレジストパターン製造方法によれば、本レジスト組成物は、優れたCD均一性(CDU)のレジストパターンを製造することができる。
<用途>
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適である。
工に利用できる。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
合成例1〔式(M−I)で表される化合物の合成〕
Figure 2012123376
式(I−1)で表される化合物27.00部、テトラヒドロフラン67.50部及びピリジン18.05部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。得られた混合物に、同温度を保持したまま、式(I−2)で表される化合物25.50部を、1時間かけて添加した。さらに、温度を10℃まで上げ、10℃に到達した時点から、同温度で1時間攪拌した。得られた反応混合物に、n−ヘプタン414.16部、5%塩酸水溶液33.32部及びイオン交換水166.60部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水124.25部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を4回繰り返した。回収された有機層を濃縮することにより、式(M−I)で表される化合物41.91部を得た。
MS(質量分析):230.1(分子イオンピーク)
合成例2〔式(M−J)で表される化合物の合成〕
Figure 2012123376
式(J−1)で表される化合物27.00部、テトラヒドロフラン67.50部及びピリジン18.05部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。得られた混合物に、同温度を保持したまま、式(J−2)で表される化合物30.36部を、1時間かけて添加した。さらに、温度を10℃まで上げ、10℃に到達した時点から、同温度で1時間攪拌した。得られた反応混合物に、メチルイソブチルケトン400部、5%塩酸水溶液35部及びイオン交換水200部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水150部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を4回繰り返した。回収された有機層を濃縮することにより、式(M−J)で表される化合物42.29部を得た。
MS(質量分析):256.1(分子イオンピーク)
合成例3〔式(M−K)で表される化合物の合成〕
Figure 2012123376
式(K−1)で表される化合物27.00部、テトラヒドロフラン67.50部及びピリジン18.05部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。得られた混合物に、同温度を保持したまま、式(K−2)で表される化合物32.98部を、1時間かけて添加した。さらに、温度を10℃まで上げ、10℃に到達した時点から、同温度で1時間攪拌した。得られた反応混合物に、メチルイソブチルケトン400部、5%塩酸水溶液35部及びイオン交換水200部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置後、分液した。回収された有機層に、イオン交換水150部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を4回繰り返した。回収された有機層を濃縮することにより、式(M−K)で表される化合物40.04部を得た。
MS(質量分析):270.2(分子イオンピーク)
樹脂の合成
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
Figure 2012123376
以下、これらのモノマーを、その式番号に応じて、「モノマー(M−A)」〜「モノマー(M−G)」及び「モノマー(M−K)」という。
合成例4〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−A)、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)、モノマー(M−D)及びモノマー(M−I)を用い、そのモル比(モノマー(M−A):モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−D):モノマー(M−I))が40:10:15:30:5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×10の樹脂A1(共重合体)を収率68%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
合成例5〔樹脂A2の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−F)、モノマー(M−G)、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)、モノマー(M−D)及びモノマー(M−I)を用い、そのモル比(モノマー(M−F):モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−D):モノマー(M−I))が55:10:10:10:10:5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×10の樹脂A2(共重合体)を収率61%で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
合成例6〔樹脂A3の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−F)、モノマー(M−G)、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)及びモノマー(M−I)を用い、そのモル比(モノマー(M−F):モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−I))が55:10:10:20:5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量6.9×10の樹脂A3(共重合体)を収率60%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
合成例7〔樹脂A4の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−A)、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)及びモノマー(M−I)を用い、そのモル比(モノマー(M−A):モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−I))が50:20:20:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.1×10の樹脂A4(共重合体)を収率67%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
合成例8〔樹脂A5の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−A)、モノマー(M−B)及びモノマー(M−C)を用い、そのモル比(モノマー(M−A):モノマー(M−B):モノマー(M−C))が50:25:25となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを80℃で約8時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量9.2×10の樹脂A5(共重合体)を収率60%で得た。この樹脂A5は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
合成例9〔樹脂A6の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−F)、モノマー(M−E)、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)、モノマー(M−D)及びモノマー(M−I)を用い、そのモル比(モノマー(M−F):モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−D):モノマー(M−I))が30:14:6:30:15:5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.9×10の樹脂A6(共重合体)を収率63%で得た。この樹脂A6は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
合成例10〔樹脂A7の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−F)、モノマー(M−E)、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)、モノマー(M−D)及びモノマー(M−J)を用い、そのモル比(モノマー(M−F):モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−D):モノマー(M−J))が30:14:6:30:15:5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.6×10の樹脂A7(共重合体)を収率60%で得た。この樹脂A7は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
合成例11〔樹脂A8の合成〕
モノマーとして、モノマー(M−F)、モノマー(M−E)、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)、モノマー(M−D)及びモノマー(M−K)を用い、そのモル比(モノマー(M−F):モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−D):モノマー(M−K))が30:14:6:30:15:5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10の樹脂A8(共重合体)を収率64%で得た。この樹脂A8は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2012123376
実施例1〜8及び比較例1
<レジスト組成物の調製>
合成例4〜11で得られた樹脂A1〜樹脂A8;
以下に示す酸発生剤B1〜B2;
以下に示す塩基性化合物C1;
の各々を表2に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 2012123376
<樹脂>
A1〜A5:樹脂A1〜樹脂A5
<酸発生剤>
B1:特開2010−152341号の実施例に従って合成
Figure 2012123376
B2:特開2007−161707号の実施例に従って合成
Figure 2012123376
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<レジストパターンの製造及びその評価>
実施例1〜5の本レジスト組成物及び比較例1のレジスト組成物は以下のようにして液浸露光によるCD均一性(CDU)評価を行った。以下、本レジスト組成物及び比較例1のレジスト組成物を総称して、「レジスト組成物」ということがある。
<レジスト組成物の液浸露光評価>
(レジストパターンの製造)
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークした。これにより、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を、乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表2の「PEB」欄に記載された温度で60秒間、加熱(ポストエキスポジャーベーク処理)した。次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が55nmとなる露光量を実効感度とした。
(CD均一性(CDU)評価)
実効感度において、ホール径70nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径70nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求めた。その結果を表3に示す。
CDU評価は、走査型電子顕微鏡(CD SEM Hitachi:CG−4000)を用いて行った。
Figure 2012123376
本レジスト組成物(実施例1〜実施例8)を用いて製造されるレジストパターンは優れたCDUで、レジストパターンを形成することができた。一方、比較例1のレジスト組成物では、得られるレジストパターンのCDUが不良であった。
本発明のレジスト組成物は、半導体の微細加工に利用できる。

Claims (7)

  1. 以下の(A)及び(B)を含有するレジスト組成物。
    (A)式(a)で表される構造単位を有する樹脂
    (B)酸発生剤
    Figure 2012123376
    [式(a)中、
    は、水素原子又はメチル基を表す。
    は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
    Figure 2012123376
    (式(a−1)中、
    sは0〜2の整数を表す。
    10及びA12は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
    11は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、sが2である場合、2つのA11は互いに同一でも異なってもよい。
    10及びX11は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表し、sが2である場合、2つのX10は互いに同一でも異なってもよい。
    ただし、A10、A11、A12、X10及びX11の炭素数の合計は6以下である。)
    は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
  2. 前記式(a)のAが、炭素数1〜6のアルカンジイル基である請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 前記式(a)のAが、エチレン基である請求項1記載のレジスト組成物。
  4. 前記(B)が、式(B1)で表される酸発生剤である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
    Figure 2012123376
    [式(B1)中、
    1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    b1は、炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
    Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    +は、有機カチオンを表す。]
  5. 前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である請求項4記載のレジスト組成物。
  6. さらに、溶剤(D)を含む請求項1〜5のいずれか記載のレジスト組成物。
  7. (1)請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層を露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程及び
    を含むレジストパターンの製造方法。
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