JP5742029B2 - コレステロ−ル搬出ペプチド - Google Patents

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Description

この発明は、コレステロ−ル搬出ペプチドに関するものである。更に詳細には、この発明は、HDL産生作用を併せ持つコレステロ−ル搬出ペプチドに関するものである。
コレステロ−ルは、生体を構成し、維持していく上で必須の成分である。しかし、コレステロ−ル自体は、脂質の1種であることから、水が主体の血液には溶解しないので、そのままの状態では血液で運搬することができない。そこで、コレステロ−ルは、生体内では、アポリポタンパク質と結合してリポタンパク質という複合体の状態で血液中を運搬されている。このリポタンパク質は、一般的に、アポリポタンパク質粒子の密度・比重などにより、カイロミクロン、超低比重リポタンパク質(VLDL)、低比重リポタンパク質(LDL)および高比重リポタンパク質(HDL)の4つに大きく分類されている。
これらのリポタンパク質のうち、低比重リポタンパク質(LDL)および高比重リポタンパク質(HDL)が血液中でのコレステロ−ルの運搬に主に関わっている。低比重リポタンパク質(LDL)は、コレステロ−ルを細胞に運搬するという重要な役割を果たしている。一方、高比重リポタンパク質(HDL)は、コレステロ−ルを細胞から肝臓に運搬するという重要な役割を果たしている。したがって、正常な状態では、LDLとHDLとは均衡が取れていて、コレステロ−ルの受け渡しと排除とが適切に行われて問題は生じないようになっている。ところが、一旦LDLとHDLとの均衡が崩れると、体内でのコレステロ−ルの制御ができなくなり、体内で様々な異常、障害、疾病などを起因することが知られている。
特に低比重リポタンパク質(LDL)コレステロ−ルの高値は、動脈硬化症などの心血管疾患の極めて高いリスクファクタ−であることはよく知られている。この意味で、低比重リポタンパク質(LDL)コレステロ−ルが「悪玉コレステロ−ル」と通称されている所以である。そこで、心血管疾患を予防または治療するための第一選択肢として、このLDLコレステロ−ルを低下させるLDLコレステロ−ル低下療法が適用される。このLDLコレステロ−ル低下療法には、一般に、スタチンなどのコレステロ−ル低下薬などの投与によって行われる。しかし、かかるLDLコレステロ−ル低下療法だけでは、心血管疾患の発症を十分には抑制できていないのが現状である(例えば、非特許文献1参照)。
一方、上記したように、高比重リポタンパク質(HDL)は、コレステロ−ルを細胞から肝臓に運搬する”いわゆるコレステロ−ル逆転送系“において重要な役割、すなわち組織コレステロ−ルのスカベンジャ−としての重要な役割を果たしている。このことから、高比重リポタンパク質(HDL)コレステロ−ルは、低比重リポタンパク質(LDL)コレステロ−ルが「悪玉コレステロ−ル」と通称されているのに対して、「善玉コレステロ−ル」と通称されている。したがって、高比重リポタンパク質(HDL)コレステロ−ルの血中濃度は、規定濃度よりも高い値が必要とされる。反対に、HDLコレステロ−ルが規定値よりも低値になると、十分な量のコレステロ−ルが肝臓に運搬されず分解されなくなり、その結果血液中のコレステロ−ル量が増加して、心血管疾患リスクファクタ−の1つになることが示されている(例えば、非特許文献2、3参照)。したがって、LDLコレステロ−ル低下療法の次の治療標的として、HDLコレステロ−ルの作用増強療法が注目を浴びている(例えば、非特許文献4、5参照)。
現在、HDLコレステロ−ルの作用増強療法としては、HDLコレステロ−ルの増加薬としてのスタチン類、コレステロ−ルエステル転送タンパク阻害薬などの薬物投与療法が実施されている。しかし、これらはいずれも十分な効果を上げているとはいえない。つまり、現在入手できるコレステロ−ル予防・治療用薬は、満足できるHDLコレステロ−ル増加作用効果を奏することができていないのが現状である(例えば、非特許文献1参照)。
一方、HDL またはその主要タンパク成分であるアポリポタンパク質A−I(ApoA−I)が、アテロ−ム性動脈硬化症状を予防することを示すインビボ(in vivo)での実験デ−タが報告されている。つまり、ヒトにおいて、血清ApoA−I(配列番号1)とアテロ−ム形成とは反比例の関係にあること(例えば、非特許文献2、6、特許文献1参照)や、HDLの構成成分がアテロ−ム性動脈硬化のリスクを減少する(例えば、非特許文献7、特許文献1参照)が明らかにされてきた。また、HDL またはApoA−Iが、プラ−クの退縮を生起することも明らかにされてきた(例えば、非特許文献8、9参照)。これらの知見から、HDLおよびその主要タンパク成分であるアポリポタンパク質であるアポリポタンパク質A−I(ApoA−I)自体を治療標的とした研究開発も進められてきた。
これらの研究開発の結果、HDL作用を増強するための合成HDL (reconstituted high density lipoprotein: rHDL)が各種作製されている(例えば、非特許文献10参照)。かかるrHDLとしては、例えば、ヒト血漿または血清を処理して一連の超遠心(ultracentrifugation)処理にて単離されたHDL(例えば、非特許文献11参照)、クロマトグラフィ−等の常套の精製手段を用いて精製したアポリポタンパク質A−I(ApoA−I)(例えば、特許文献2および非特許文献12参照)などが挙げられる。その他、ApoA−Iまたはその変異体も遺伝子組替えにより作製されている(例えば、特許文献1、5および非特許文献13参照)。
上記のように作製されたHDLまたはApoA−Iは、脂質と組み合わせて各種の合成HDL (rHDL) が調製されている。かかるrHDLとしては、例えば、血漿とApoA−Iと大豆レシチンとから作製されたrHDL(特許文献6)、ApoA−Iと、卵もしくは大豆から抽出したホスファチジルコリンとから作製されたrHDL(特許文献7)、ApoA−Iとジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)とから作製されたrHDL(例えば、非特許文献14参照)などを挙げることができる。これらの他に、本発明者らによって作製されたrHDLとして、アポリポタンパク質A−I(ApoA−I)と1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン (POPC) とから作製されたrHDL(POPC/ApoA−I)(例えば、非特許文献1、15参照)や、上記rHDL(POPC/ApoA−I)に活性リン脂質の一つであるスフィンゴシン−1−リン酸 (sphingosine−1−phosphate: SIP) を加えた新型rDHL(POPC/SIP/ApoA−I)などが挙げられる(例えば、非特許文献3参照)。本発明者らによって作製されたrHDL(POPC/ApoA−I)は、マクロファ−ジとの共培養により、細胞内に蓄積していた余分なコレステロ−ルの引き抜きが確認された(例えば、非特許文献1、3参照)。また、この新型rHDL(POPC/SIP/ApoA−I)は、インビトロ(in vitro)においてコレステロ−ルの引き抜き作用に加えて、冠動脈内皮細胞の管腔形成促進作用を示した(例えば、非特許文献15参照)。このような結果の他に、rHDL (ApoA−I) の注入(infusion)により、血漿高比重リポタンパク質抗炎症作用とコレステロ−ル搬出能が増加したとの結果が得られたことから、rHDL (ApoA−I) の注入(infusion)は、潜在的なアテロ−ム形成予防効果を有している可能性も示された(例えば、非特許文献16参照)。このようなrHDLについての結果から、rHDLは注目を浴びてきている。
しかし、一方では、アポリポタンパク質A−I(ApoA−I)またはHDLを医薬品として実際に使用するには、様々な問題点があることも浮き彫りになってきた。ApoA−Iは、243個のアミノ酸残基からなる大きな分子のタンパク質であることから、製造方法が複雑でかつ困難であり、その製造コストも高価になるとともに、保存中の安定性、生体内での活性物質の送達や半減期などの製造上ならびに再現性などにおける様々な困難な問題を解決しなければならないことも判明した(例えば、特許文献1参照)。
他方、ApoA−I 自体がコレステロ−ル搬出作用を有しているとの有力な根拠から、ApoA−Iの構造または活性を疑似(mimic)する様々なペプチドが作製されてきた。かかる疑似ペプチドの設計に当たっては、ApoA−Iの鍵となる活性が、このタンパク質の独特の二次構造特性の多数の反復の存在、すなわちクラスA型の両親媒性αヘリックスに依存するとの報告(例えば、非特許文献17参照)に基づいて、クラスA型の両親媒性αヘリックスを形成するように焦点が当てられてきた。
かかるApoA−I疑似ペプチドとしては、例えば、両親媒性αヘリックスを形成するようにGlu、Lysおよび Leuだけを完全に規則的に配置した22残基からなるApoA−Iの198−2192フラグメントと41%配列相同性を有するペプチド(ELKペプチド)(例えば、非特許文献18、19参照);16−24アミノ酸残基からなるLAPペプチドと呼ばれるApoA−Iとは配列相同性を有しないモデル両親媒性ペプチド(例えば、非特許文献20参照);ApoA−Iのへリックスと配列相同性がない18−24アミノ酸残基からなるペプチド(例えば、非特許文献21参照);ヒトApoA−Iヘリックスの配列に基づいたに基づいた共通する22アミノ酸残基を有するペプチド(例えば、非特許文献22、23参照)などが挙げられる。しかしながら、これまで作製されたApoA−I疑似ペプチドは、いずれもApoA−Iと同程度の活性を示すものはなく、医薬品として有用といえる程の活性を示すものはなかった(例えば、特許文献1参照)。
上記ApoA−I疑似ペプチドの他に、脂質の存在下で両親媒性αヘリックスを形成する15〜29残基のアミノ酸残基、好ましくは22アミノ酸残基からなる「コア」ペプチドからなる多数のApoA−Iアゴニストが作製されている(例えば、特許文献1、5参照)。これらのApoA−Iアゴニストは、 活性にとって決定的であると提唱されている22−merの共通配列(Pro(P) Val(V) Leu(L) Asp(D) Glu(E) Phe(F) Arg(R) Glu(E) Lys(K) Leu(L) Asn(N) Glu(E) Glu(E) Leu(L) Glu(E) Ala(A) Leu(L) Lys(K) Gln(Q) Lys(K) Leu(L) Lys(K):配列番号2)(引用文献には配列番号75として引用されている。以後、「共通22−mer」という)の一次配列中の特定のアミノ酸残基を変えることにより、自然のApoA−Iの活性に近いまたはそれを上回る活性を示す合成ペプチドが得られたと記載されている(例えば、特許文献1、8参照)。さらに、この共通22−merペプチド中の3つの荷電アミノ酸残基(Glu−5、Lys−9及びGlu−13)を、疎水性ロイシン残基で置換することによって、文献から予測できなかったApoA−Iの構造および機能特性を持つ疑似ペプチドが得られたと記載されている(例えば、特許文献1、8参照)。これらの疑似ペプチドは、医薬品として有用な程度の活性を未だ有していないといわざるを得ない。
その上、アポリポタンパク質ApoA−I(ApoA−I)は、その中央ヘリツクスのみがABCA1 (ATP−binding castle transporter A1)を媒介する脂質排出を促進させることができるけれども、脂質排出やHDL産生に対して機能的な相互作用を発揮させるためには、ApoA−IとABCA1との間には十分な長さのアミノ酸配列が必要であり、その長さは220−231残基であるとの報告がなされている(非特許文献24)。
アメリカ特許第6004925号 アメリカ特許第5089602号 フランス特許2343251号 WO/1994/013819 WO/1999/016409 アメリカ特許第7053049号 アメリカ特許第5128318号、同第5652339号 特表2001−517710号、特表2001−518282号、特表2003−525565号、特表2003−525840号、特表2001−522781号
Miura, S. & Saku, K.: 脈管学 (J. Jpn. Coll. Angiol.), 2007, 47: 313−318 Gordon, D.J. & Rifkind, B.M.: N. Engl. J. Med., 1989; 321: 1311−1316 Matsuo, Y., et al.: Atherosclerosis, 2007, 194: 159 −168 Brewer, H.B. Jr.: N. Engl. J. Med., 2004, 350; 1491−1494 Newton, R.S. & Krause, B.R.: Atheroscler. Suppl., 2002, 3: 31−38 Gordon, D.J. , et al.: Circulation, 1989; 79:8−15 Miller, Amer. Heart, 1987, 113: 589−597 Koizumi, et al., 1988, J. Lipid Res. 29:1405−1415 Badimon, et al., 1989, Lab. Invest. 60:455−461 Jonas, A., Methods in Enzymology, 128, 553−582 (1986) J. P. Segrest, J. J. Albers, edts.; Academic Press, Orlando, Fla., USA., 1986 Mezdour, H., et al., J. Chromatogr. 414, 35−45, 1987 Pharaprojects, Oct. 27, 1995; Atherosclerosis, 2(6): 261−265 Clay, M. A., et al., Atherosclerosis, 2001; 157:23−29 Imaizumi, S., et al.: J. Am. Coll. Cardiol. 2008; 51:1604−12 Patel, S., et al., J. Am. Coll. Cardiol. 2009; 53:962−971 Segrest, 1974, FEBS Lett. 38:247−253 Fukushima, et al.: J. Amer. Chem. Soc., 1979, 101: 3703−3704 Nakagawa, et al.: J. Am. Chem. Soc., 1985, 107: 7087−7092 Powell et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1980, 77: 3154−3158 Segrest et al.: J. Biol. Chem., 1983, 258: 2290−2295 Anantharamaiah et al., Arteriosclerosis, 1990, 10: 95−105 Venkatatachalapathi, et al.: 1991, Indian Acad. Sci. B: 585−596 Chroni, A., et al., The Journal of Biological Chemistry, 2003, 278:6719−6730
そこで、先行技術に鑑みて、本発明者らは、ヒトアポリポタンパク質A−I(ApoA−I)の活性に近似した活性を有する合成ペプチドを検討した結果、ApoA−I の中央ヘリックスを構成するアミノ酸配列のアミノ酸残基の1部を変異させたある種の合成ペプチドがコレステロ−ル搬出能を有することを見出して、この発明を完成した。さらに、本発明者らは、かかる合成ペプチドが、コレステロ−ル搬出能ばかりではなく、HDL産生能をも併せて持つことを見出して、この発明を完成した。
したがつて、この発明は、ApoA−Iの中央ヘリックスを構成するアミノ酸配列のアミノ酸残基の1部を変異させた、コレステロ−ル搬出能を有するとともに、HDL産生能を併せ持つコレステロ−ル搬出ペプチドを提供することを目的としている。
さらに具体的には、この発明は、下記一般式 [I] で表されるコレステロ−ル搬出ペプチドを提供することを目的としている。
その上、この発明は、上記コレステロ−ル搬出ペプチド[I]を有効成分として含有する医薬組成物を提供することを目的としている。
この発明は、ApoA−Iの中央ヘリックスを構成するアミノ酸配列のアミノ酸残基の1部を変異させた、コレステロ−ル搬出能を有するある種の合成ペプチドであるコレステロ−ル搬出ペプチドを提供する。
また、この発明は、その好ましい態様として、コレステロ−ル搬出能を有すると共に、HDL産生能を併せ持つ合成ペプチドであるコレステロ−ル搬出ペプチドを提供する。
さらに、この発明は、その好ましい態様として、
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Lys Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Leu Lys Leu Leu(配列番号5)で表されるペプチド(ペプチド番号4);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号6)で表されるペプチド(ペプチド番号5);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Tyr Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号7)で表されるペプチド(ペプチド番号6);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Trp Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号8)で表されるペプチド(ペプチド番号7);
下記アミノ酸配列:
Ala Thr Glu His Leu Ser Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Phe Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号9)で表されるペプチド(ペプチド番号8)
記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu Tyr(配列番号11)で表されるペプチド(ペプチド番号10);
下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
(配列番号15)で表されるペプチド(ペプチド番号14);
下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
(配列番号16)で表されるペプチド(ペプチド番号15)
または下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
で表されるペプチド(ペプチド番号16)
からなるコレステロール引き抜き能を有するペプチドを提供する。
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Lys Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Leu Lys Leu Leu(配列番号5)で表されるペプチド(ペプチド番号4);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号6)で表されるペプチド(ペプチド番号5);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Tyr Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号7)で表されるペプチド(ペプチド番号6);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Trp Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号8)で表されるペプチド(ペプチド番号7);
下記アミノ酸配列:
Ala Thr Glu His Leu Ser Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Phe Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号9)で表されるペプチド(ペプチド番号8)
記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu Tyr(配列番号11)で表されるペプチド(ペプチド番号10);
下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
(配列番号15)で表されるペプチド(ペプチド番号14);
下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
(配列番号16)で表されるペプチド(ペプチド番号15)
または下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
で表されるペプチド(ペプチド番号16)
からなるコレステロール引き抜き能を有するペプチドを有効成分として含有する心血管疾患予防・治療薬を提供する。
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Lys Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Leu Lys Leu Leu(配列番号5)で表されるペプチド(ペプチド番号4);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号6)で表されるペプチド(ペプチド番号5);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Tyr Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号7)で表されるペプチド(ペプチド番号6);
下記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Trp Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号8)で表されるペプチド(ペプチド番号7);
下記アミノ酸配列:
Ala Thr Glu His Leu Ser Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Phe Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号9)で表されるペプチド(ペプチド番号8)
記アミノ酸配列:
Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu Tyr(配列番号11)で表されるペプチド(ペプチド番号10);
下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
(配列番号15)で表されるペプチド(ペプチド番号14);
下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
(配列番号16)で表されるペプチド(ペプチド番号15)
または下記アミノ酸配列:
Figure 0005742029
で表されるペプチド(ペプチド番号16)
からなるペプチドを有効成分として含有するHDL新生・増強薬を提供する。
この発明のコレステロール搬出ペプチドは、コレステロールを搬出する作用効果と、HDL産生能を併せ持つことから、心血管疾患の予防および治療に有効である。
ヒトA172細胞において、ペプチド(FAMP)とApoA−Iとのコレステロール引き抜き能ならびにT0901317と9cis−レチノイン酸(9cisRA)刺激によりペプチド(FAMP)のコレステロール引き抜き作用が著しく増加することを示す図(実施例3)。 チャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO細胞)ldlA7株におけるペプチド(FAMP−5:Type2S9Y)のコレステロール引き抜き作用を示す図(実施例4)。 実施例1で合成したペプチド(FAMP)を用いて、ヒト末梢血単球由来マクロファージにおける健常者由来細胞ならびにABCA1欠損症患者由来細胞によるコレステロール引き抜き能示す図。 ヒトA172細胞による各ペプチド(20μg/ml)のT0901317と9cis−レチノイン酸との刺激なしまたは刺激有りの条件下でのコレステロ−ル引き抜き能を示す図(実施例6)。 ヒトA172細胞による各ペプチド(20μg/ml)のTO901317と9cis−レチノイン酸との刺激下でのコレステロ−ル引き抜き能を示す図(実施例7)。 実施例1で作成したペプチド(FAMP)(2 mg/ml)の存在下および非存在下でのキャピラリ−電気泳動法によるヒト血漿リポタンパク質の解析結果を示す図。(実施例9) マウスにペプチドを10日間持続投与した場合の高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)による血漿リポタンパク質の解析結果を示す図(実施例10)。 ペプチドをマウスへ経静脈投与した場合のキャピラリ−電気泳動法によるマウス血漿リポタンパク質の解析結果を示す図。(実施例11) ペプチドをマウスへ腹腔内投与した場合のキャピラリ−電気泳動法によるマウス血漿リポタンパク質の解析結果を示す図(実施例11)。 ヒトA172細胞による各ペプチド(20μg/ml)のTO901317、LXR agonist、9-cis−レチノイン酸、RXR agonistによる刺激下でのコレステロ−ル引き抜き能を示す図(実施例12)。 ヒト A172 細胞に対するペプチド(FAMP-5) ならびにapoA-IのTO901317、LXR agonist (5μM)、9-cis−レチノイン酸、RXR agonistでの刺激によるProbunol (10 μM)の非存在下または存在下でのコレステロ−ル引き抜き能を示す図(実施例13)。 ヒト A172 細胞に対する各ペプチドのTO901317、LXR agonist (5μM)、9-cis−レチノイン酸、RXR agonistによる刺激下でのコレステロ−ル引き抜き能を示す図(実施例14)。 ヒト A172 細胞に対する各ペプチドのTO901317、LXR agonist (5μM)、9-cis−レチノイン酸、RXR agonistでの刺激によるProbunol (10μM)の非存在下または存在下でのコレステロ−ル引き抜き能を示す図(実施例14)。 ペプチド(FAMP-5) のアガロースリボ蛋白電気泳動を用いた実験結果を示す図(実施例15)。 ペプチド(FAMP-5) のマウス下肢虚血モデルに対する血流増加を示す図(実施例16)。 マクロファージ中の3H−コレステロールの便中排泄が有意に上昇したことを示す図(実施例17)。
この発明に係るコレステロ−ル搬出ペプチドは、一般式[I]:
H−X1−X2−X3−His−Leu−X4−Thr−Leu−X5−Glu−Lys−Ala−
X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−
X18−OH [I]
[式中、X1はAla、単結合(”−”)または一般式[Ia]:
X1e−X1d−X1c−X1b−X1a− [Ia]
(式中、X1aはAlaまたは単結合(”−”)を意味し 、X1bはLys、Argまたは単結合(”−”)を意味し、X1cはAlaまたは単結合(”−”)を意味し、X1dはHisまたは単結合(”−”)を意味し、およびX1eはTyrまたは単結合(”−”)を意味する。)を意味し、
X2はThr、Leu、LysまたはSerを意味し、
X3はGlu、ThrまたはAspを意味し、
X4はSer、PheまたはLysを意味し、
X5はSer、Tyr、Trp、Phe またはGlyを意味し、
X6は単結合(”−”)、Lys、LeuまたはArgを意味し、
X7は単結合(”−”)、ProまたはLysを意味し、
X8は単結合(”−”)またはAlaを意味し、
X9は単結合(”−”)、Pheまたは Leuを意味し、
X10は単結合(”−”)、Glu、GlnまたはAspを意味し、
X11は単結合(”−”)またはAspを意味し、
X12は単結合(”−”)またはLeuを意味し、
X13は単結合(”−”)、Arg、LeuまたはGlyを意味し、
X14は単結合(”−”)、GlnまたはHisを意味し、
X15は単結合(”−”)、Gly、LysまたはSerを意味し、
X16は単結合(”−”)、LeuまたはHisを意味し、
X17は単結合(”−”)、Leu 、Metまたは一般式[Ib]:
X17a−X17b−X17c−X1d [Ib]
(式中、X17aは単結合(”−”)、Leu またはMetを意味し、X17bはPro、Tyrまたは単結合(”−”)を意味し、X17c はValまたは単結合(”−”)を意味し、ならびにはX1dはLeuまたは単結合(”−”)を意味する。)を意味し、
ただし、記号X1a−X1eおよび記号X17a−X17dがいずれも単結合(”−”)を意味する場合は、それらの単結合は全体として1個の単結合(”−”)を意味し、また、同時にX1がAla、X2がThr、X3がGlu、X4がSer、X5がSer、X6がLys、X7がPro、X8がAla、X9がLeu、X10がGlu、X11がAsp、X12がLeu、X13がArg、X14がGln、X15がGly、X16がLeu、およびX17がLeuである場合を除くものとする。]
で表されるペプチド、または一般式[II]:
A −X20 (X21−OH) − A [II]
[式中、Aは、一般式[IIa]:
H−X22−X23−X24−X25−X26−X27−X28−X29−X30−X31−X32−
X33−X34−X35−X36−X37−X38−X39−X40−X41−X42−X43−
X44−X45−X46− [IIa]
(式中、X22はAlaまたはValを意味し、X23はThr, Leu, LysまたはSerを意味し、X24はGlu, ThrまたはAspを意味し、X25はHisまたはSerを意味し、X26はLeuまたはPheを意味し、X27はSer, PheまたはLysを意味し、X28はThrまたはValを意味し、X29はLeuまたはSerを意味し、X30はSer, Gly, Phe, TyrまたはTrpを意味し、X31はGluまたはLeuを意味し、X32はLysまたはSerを意味し、X33はAlaを意味し、X34はLys, Leu, Argまたは単結合(“−“)を意味し、X35はPro, Glu, Lysまたは単結合(“−“) を意味し、X36はAla, Gluまたは単結合(“−“)を意味し、X37はLeu, Tyrまたは単結合(“−“)を意味し、X38はGlu, Gln, Asp, Thrまたは単結合(“−“)を意味し、X39はAsp, Lysまたは単結合(“−“)を意味し、X40はLeu, Lysまたは単結合(“−“)を意味し、X41はArg, Gly, Leuまたはを単結合(“−“)を意味し、X42はGln, Leu, Lys, Hisまたは結合(“−“)を意味し、X43はGly, Leu, Lys, Serまたは結合(“−“)を意味し、X44はLeu, Hisまたは結合(“−“)を意味する。)を意味し、
X20はLys等のアミノ酸残基を意味し、および
X21はLeuまたはAla等のアミノ酸残基を意味する。)
で表される二量体;または一般式[III]:
(A)2−X22 (X23−OH)−(A) [III]
(式中、Aは前記と同じ意味を有し、
X22 はLys等のアミノ酸残基を意味し、および
X23はLeuまたはAla等のアミノ酸残基を意味する。)
で表される四量体である。
本明細書において使用する用語「アミノ酸残基」は、アミノ酸のN末端アミノ基(−NH3)がイミノ基 (−NH−)、またC末端カルボキシル基(−COOH)がカルボニル基 (−CO−)の状態の2価のアミノ酸残基を意味している。アミノ酸残基は、そのN末端イミノ基(−NH−)がそのN末端側に隣接する別のアミノ酸残基のC末端カルボニル基 (−CO−)と結合してペプチド結合 (−CO−NH−)を形成し、他方そのC末端カルボニル基(−CO−)がそのC末端側に隣接するさらに別のアミノ酸残基のN末端イミノ基(−NH−)と結合してペプチド結合 (−CO−NH−) を形成して、それぞれ別のアミノ酸残基と結合している。したがって、記号Xで表される各アミノ酸残基とその隣接アミノ酸残基との間の記号(”−”)は、ペプチド結合の結合子を意味している。なお、隣接するアミノ酸残基が存在しない場合は、そのアミノ酸残基のN末端イミノ基(−NH−)は、水素原子(H−)と結合しアミノ基を形成し、他方C末端カルボニル基(−CO−)は、C末端側のヒドロキシ基(−OH)と結合してカルボキシル基(−CO−OH)を形成する。換言すると、記号X1aで表されるアミノ酸残基に隣接する記号X1bにアミノ酸残基が存在しない場合、記号X1bおよびそれ以降の記号X1c−X1dはすべて単結合となり、X1aで表されるアミノ酸残基のN末端イミノ基(−NH−)は水素原子(H−)と結合しアミノ基を形成する。他方、同様に、X17aで表されるアミノ酸残基に隣接する記号X17bにアミノ酸残基が存在しない場合、記号X17bおよびそれ以降の記号X17c−X17dはすべて単結合となり、X17aで表されるアミノ酸残基のC末端カルボニル基(−CO−)は、C末端側のヒドロキシ基(−OH)と結合してカルボキシル基(−CO−OH)を形成する。
上記一般式において、X6−X17、X1a−X1eおよびX17a−X17dのそれぞれが単結合(“−“)を意味する場合、全体として連続した1個の単結合(“−“)を構成していること意味するものとする。
この発明に係るコレステロール搬出ペプチドのうち、好ましいペプチドとしては、例えば、次のようなアミノ酸配列を有するペプチドを挙げることができる。
(ペプチド番号1)11アミノ酸残基(human type)(配列番号2)
Figure 0005742029
(ペプチド番号2)12アミノ酸残基(human type)(配列番号3)
Figure 0005742029
(ペプチド番号3)23アミノ酸残基(human type)(配列番号4)
Figure 0005742029
(ペプチド番号4)Type1(配列番号5)
Figure 0005742029
(ペプチド番号5)Type2(FAMP)(配列番号6)
Figure 0005742029
(ペプチド番号6)FAMP−5(Type2S9Y)(配列番号7)
Figure 0005742029
(ペプチド番号7)Type2S9W(配列番号8)
Figure 0005742029
(ペプチド番号8)Type3(配列番号9)
Figure 0005742029
(ペプチド番号9)Type4(配列番号10)
Figure 0005742029
(ペプチド番号10)25アミノ酸残基(Type2NY)(配列番号11)
Figure 0005742029
(ペプチド番号11)27アミノ酸残基(Rattus type)type−J5(配列番号12)
Figure 0005742029
(ペプチド番号12)24アミノ酸残基(Murine type)type−J6(配列番号13)
Figure 0005742029
(ペプチド番号13)24アミノ酸残基(human type)(Original:配列番号14)
Figure 0005742029
(ペプチド番号14)二量体 (FAMP-5 - Duo)(配列番号15)
Figure 0005742029
(ペプチド番号15)二量体(Human type original (221-240) - Duo)(配列番号16)
Figure 0005742029
(ペプチド番号16)四量体 (FAMP-5 - Quad)
Figure 0005742029
この発明に係るコレステロ−ル搬出ペプチドは当該技術分野で慣用されている合成化学的手法に従って調製することができる。合成化学的手法としては、例えば、縮合剤としてジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等のカルボジイミド系縮合剤、(1H−ベンゾトリアゾ−ル−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファ−ト(BOP)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファ−ト(HBTU) 等の縮合剤を用いた縮合法、ニトロフェノ−ル、N−ヒドロキシスクシンイミド、ペンタフルオロフェノ−ル等とのエステルを用いた活性エステル法、クロロギ酸エステル、カルボン酸クロリド等を用いた混合酸無水物法などの液相法、Fmoc法、Boc法等の固相ペプチド合成法を用いて、調製することができる。
この発明に係るコレステロ−ル搬出ペプチドは、高比重リポタンパク(HDL)濃度を上昇させ、コレステロ−ルアシルトランスフェラ−ゼ(LCAT)を活性化させ、さらに逆コレステロ−ル輸送系(RCT)を促進させてコレステロ−ルの搬出(efflux)を増強させるのに有用である。したがって、この発明のコレステロ−ル搬出ペプチドは、アテロ−ム性動脈硬化症、高コレステロ−ル血症等の高脂血症などの心血管疾患ならびに心血管疾患関連障害などの予防ならびに治療に有効である。
かかる心血管疾患や障害を予防または治療するために、この発明のコレステロ−ル搬出ペプチドは、単独でもまたはその1つ以上と組み合わせた医薬組成物として、または心血管疾患や障害の予防もしくは治療に使用することができるその他の薬剤、例えば、スタチン、ナイアシン等のコレステロ−ル低下薬やフィブレ−ト(fibrate)などと組み合わせた医薬組成物として使用することができる。
また、この発明の医薬組成物は、ペプチド−脂質複合体としても製剤化することもできる。ペプチド−脂質複合体として製剤化する場合、使用可能な脂質は、例えば、飽和脂質または不飽和脂質であっても、また天然の脂質であっても合成の脂質であってもよい。かかる脂質としては、例えば、卵ホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルコリン、ジラウリルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレイルホスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−ステアロイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン類;ホスファチジルエタノ−ルアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノ−ルアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノ−ルアミン、ジオレオホスファチジルエタノ−ルアミン等のホスファチジルエタノ−ルアミン類;ホスファチジルグリセロ−ル、ジホスファチジルグリセロ−ル、ジミリストイルホスファチジルグリセロ−ル、ジパルミトイルホスファチジルグリセロ−ル、ジステアロイルホスファチジルグリセロ−ル、ジオレオイルホスファチジルグリセロ−ル等のホスファチジルグリセロ−ル類;ホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸等のホスファチジン酸類;ホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリン、脳ホスファチジルセリン等のホスファチジルセリン類;スフィンゴミエリン、脳スフィンゴミエリン、ジパルミトイルスフィンゴミエリン、ジステアロイルスフィンゴミエリン等のスフィンゴミエリン類;ホスファチジルイノシト−ル;スフィンゴシン1リン酸(SIP: sphingosine−1−phosphate) 等のスフィンゴ脂質;ガラクトセレブロシド、ガングリオシド、セレブロシド、(1,3)−D−マンノシル−(1,3)ジグリセリド、アミノフェニルグリコシド、3−コレステリル−6’−(グリコシルチオ)ヘクシルエ−テル糖脂質、ならびにコレステロ−ル、およびこれらの誘導体が挙げられる。
この発明に係る医薬組成物は、この発明のコレステロ−ル搬出ペプチドやその他の薬剤の他に、薬理学的に許容される担体をさらに含有していてもよい。かかる薬理学的に許容される担体としては、製剤の素材として慣用されている各種有機あるいは無機の担体物質を用いることができる。かかる担体物質としては、例えば、固形製剤においては、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤など、また液状製剤においては、溶剤、分散剤、保存剤、等張化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、安定剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合することができる。また、この発明の医薬組成物においては、例えば、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
この発明の医薬組成物の固形製剤において、賦形剤の例としては、乳糖、白糖、デンプン、α化デンプン、D−マンニト−ル、D−ソルビト−ル、デキストリン、結晶セルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。滑沢剤の例としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、コロイドシリカ、ポリエチレングリコ−ル6000などが挙げられる。結合剤の例としては、ゼラチン、α化デンプン、ショ糖、アラビアゴム、結晶セルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、白糖、D−マンニト−ル、トレハロ−ス、デキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤の例としては、乳糖、白糖、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スカルシウム、カルボキシメチルスタ−チナトリウム、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
この発明の医薬組成物の液状製剤において、溶剤の例としては、蒸留水、生理的食塩水、リンゲル液等の水性溶剤、アルコ−ル、プロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル等の有樹溶剤あるいはゴマ油、トウモロコシ油、オリ−ブ油、綿実油等の植物油などの油性溶剤が挙げられる。分散剤の例としては、ポリソルベ−ト80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリエチレングリコ−ル、カルボキシメチルセルロ−ス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。保存剤の例としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコ−ル、クロロブタノ−ル、フェノ−ルなどが挙げられる。等張化剤の例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニト−ル、D−ソルビト−ル、ブドウ糖などが挙げられる。溶解補助剤の例としては、エタノ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、D−マンニト−ル、トレハロ−ス、安息香酸ベンジル、トリエタノ−ルアミン、トリスアミノメタン、コレステロ−ル、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の例としては、ステアリルトリエタノ−ルアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、メチルセルロ−ス、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの親水性高分子化合物、ポリソルベ−ト類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。安定化剤の例としては、ヒト血清アルブミンなどが挙げられる。緩衝剤の例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の例としては、ベンジルアルコ−ルなどが挙げられる。
また、防腐剤の例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノ−ル、ベンジルアルコ−ル、フェネチルアルコ−ル、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。着色剤の例としては、β-カロチン、クロロフィル、ベンガラ等の天然色素、食用赤色2、3号、食用黄色4、5号、食用青色1、2号等の水溶性食用タ−ル色素、上記水溶性食用タ−ル色素のアルミニウム塩等の水不溶性レ−キ色素などが挙げられる。甘味剤の例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテ−ム、ステビアなどが挙げられる。
この発明に係る医薬組成物は、経口経路または非経口経路で投与することができる。この発明の医薬組成物を経口投与経路で投与するには、例えば、溶液、乳剤、シロップ液、懸濁液などの液体の剤型や、錠剤、ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤等のカプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、トロ−チ剤などの固体の剤型で投与することができる。一方、この発明の医薬組成物を非経口投与経路で投与するには、例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤等の注射剤、経皮製剤、軟膏剤等の外用剤、坐剤、ペレット、経鼻剤、吸入剤、点眼剤などの剤型で投与するのがよい。これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤などの放出制御製剤(例えば、徐放性マイクロカプセル剤など)であってもよい。
この発明の医薬組成物は、製剤に関する技術分野において慣用されている方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。例えば、経口剤は、有効成分に、賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コ−ティング基剤を用いてそれ自体公知の方法でコ−ティングすることにより製造することができる。コ−ティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性フィルムコ−ティング基剤、腸溶性フィルムコ−ティング基剤、徐放性フィルムコ−ティング基剤などが挙げられる。
かかるコ−ティング基剤のうち、糖衣基剤としては、例えば、白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどが使用できる。水溶性フィルムコ−ティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、メチルヒドロキシエチルセルロ−スなどのセルロ−ス系高分子;ポリビニルアセタ−ルジエチルアミノアセテ−ト、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが使用できる。腸溶性フィルムコ−ティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス フタレ−ト、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス アセテ−トサクシネ−ト、カルボキシメチルエチルセルロ−ス、酢酸フタル酸セルロ−スなどのセルロ−ス系高分子;メタアクリル酸コポリマ−などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが使用できる。徐放性フィルムコ−ティング基剤としては、例えばエチルセルロ−スなどのセルロ−ス系高分子;アミノアルキルメタアクリレ−トコポリマ−などのアクリル酸系高分子などが使用できる。
また、注射剤は、有効成分を、分散剤、保存剤、等張化剤などと共に水性溶剤などに溶解、懸濁あるいは乳化することによりそれ自体公知の方法で製造することができる。かかる注射剤の製造に際して、所望により溶解補助剤、安定剤、無痛化剤などの添加物を用いてもよい。
この発明に係る医薬組成物は、この発明のコレステロ−ル搬出ペプチドを主な有効成分として含有していることから、コレステロ−ル搬出、血清HDL濃度の上昇およびLCATの活性化ならびにRCTの促進が有用であり、特にヒトを含む哺乳動物における心血管疾患ならびに関連障害の予防ならびに治療に使用することができる。より具体的には、この発明の医薬組成物は、例えば狭心症、高血圧症、高コレステロ−ル血症等の高脂血症、アテロ−ム性動脈硬化症等の動脈硬化症などの心血管疾患や、血管新生作用があることから下肢虚血の閉塞性動脈硬化症やバージャー病や、リスクの類似したアルツハイマー病などにも有効である。更には、例えばバル−ンやステントなどの医療処置の結果進展するアテロ−ム硬化性プラ−クによる再狭窄などの心血管疾患関連障害などに有効である。
この発明に係るコレステロ−ル搬出ペプチドおよび医薬組成物の1回投与量は、患者の病状や身体的状態、投与の方法などにより異なるが、非経口投与では、成人体重1kgあたり活性成分として約0.1〜100mg、好ましくは約0.5〜50mg、より好ましくは約1〜25mgであり、1日投与回数は1回から3回静脈または筋肉注射などにより投与するのが好ましい。また経口または経鼻での投与では、1回投与量は成人の体重1kgあたり活性成分として約1〜100mg、好ましくは約2〜50mgが好ましく、1日投与回数は1〜3回に分けて投与するのがよい。
以下、この発明を実施例により更に詳細に説明するが、以下の実施例は、この発明を限定もしくは制限する意図で一切なく記載されるものではなく、この発明を単に例示してさらに詳細に説明するだけのものであると理解さるべきである。また、この発明は、下記実施例の変異、改良などをその範囲に包含するものと理解されるべきである。
ペプチド番号5(FAMP:配列番号6)の合成方法
ペプチドの合成はアプライドバイオシステム社モデル433Aペプチド自動固相合成装置を用いて、0.25 mmolscalで合成した。アミノ酸はFmoc−アミノ酸を、樹脂としてFmoc−X−PEG−Alko−Resinを使用し、20% Piperidine/N−Methyl−2−pyrrolidoneを脱Fmoc 試薬として、HBTU/HOBt in DMF を活性縮合剤として用いて、カップリングを繰り返し合成した。手動固相合成容器に移し、DCMで数回洗浄後、デシケ−タ−にて一晩減圧乾燥させた。乾燥後、樹脂よりペプチドの切断および側鎖の最終脱保護のために、切り出し試薬(0.25 ml EDT/0.25 H2O/TFA 9.5 ml)を加えて2時間撹拌。溶液をろ過し、ろ液をナスフラスコに移して、窒素ガスで濃縮した。冷エ−テルを用いて結晶化させ、10回のデカンテ−ション後にこれを濾取し、粗ペプチドを得た。得られた粗ペプチド50 mgを2次水3mlに溶解し、この水溶液をSephadexG−25を用いて、ゲルクロマトグラフィ−で分画した。分画したフラクションの吸光度(260 nm)を測定し、各ピ−ク部分を集めて凍結乾燥し、目的のペプチドを得た。同定はMALDI TOF−MSにより行った。
ペプチド番号(1:配列番号2)、ペプチド番号(2:配列番号3)、ペプチド番号(3:配列番号4)、ペプチド番号(4:配列番号5)、ペプチド番号(6:配列番号7)、ペプチド番号(7:配列番号8)、ペプチド番号(8:配列番号9)、ペプチド番号(9:配列番号10)、ペプチド番号(10:配列番号11)、ペプチド番号(11:配列番号12)、ペプチド番号(12:配列番号13) 、ペプチド番号(13:original:配列番号14)、、ペプチド番号(14:FAMP-5 - Duo:配列番号15)、ペプチド番号(15:Human type original (221-240) - Duo:配列番号16)およびペプチド番号(16:FAMP-5 - Quad)で表される各ペプチドは実施例1と実質的に同様にして合成・確認した。
実施例1で合成したペプチド(FAMP)を用いて、ヒト A172 細胞におけるコレステロ−ル引き抜き作用を調べた。
本実施例では、ヒトA172 細胞に、ペプチド(FAMP)(20μg/ml)および比較としてヒト血清由来脂質除去ApoA−I(20μg/ml)を接触させて4時間放置した。4時間後に、ヒト A172 細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定して、ペプチド(FAMP)とApoA−I とのコレステロ−ル引き抜き能を調べた(図1左側)。なお、コントロ−ルとしては、0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)のみを用いた。その結果、ペプチド(FAMP)と ApoA−Iは、コレステロ−ル引き抜き能を有していて、ペプチド(FAMP)のコレステロ−ル引き抜き能は、ApoA−Iのコレステロ−ル引き抜き能より有意に優れていた。
また、このコレステロ−ル引き抜き作用は、TO901317と9cis−レチノイン酸(9cisRA)による刺激により著しく増加することが分かった(図1右側)。この結果、ペプチド(FAMP)は、それ単体でコレステロ−ル引き抜き作用を有すると共に、HDL新生作用も有していることが明らかとなった。
実施例2で製造した各ペプチドを、実施例3と実質的に同様にしてコレステロ−ル引き抜き能を調べた結果を図1に示す。コントロールとして生理食塩水を用いた。
実施例1で合成したペプチド(FAMP)を用いて、チャイニ−ズハムスタ−卵巣由来細胞(CHO細胞)ldlA7株におけるコレステロ−ル引き抜き作用を調べた。
本実施例では、CHO細胞ldlA7株において、pcDNA3.1ベクタ−(mock)およびpcDNA3.1ベクタ−にヒトABCA1 cDNAを挿入したプラスミドをそれぞれリポフェクション法を用いて遺伝子導入した。MockおよびABCA1 cDNA遺伝子導入CHO細胞を、ペプチド(FAMP-5)(20μg/ml)および比較としてヒト血清由来脂質除去ApoA−I(20μg/ml)に接触させて4時間放置した。4時間後に、細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定して、ペプチド(FAMP)と ApoA−Iとのコレステロ−ル引き抜き能を調べた(図2)。なお、コントロ−ルとしては、0.2%BSAのみを用いた。その結果、MockおよびABCA1cDNA遺伝子導入CHO細胞は、いずれもペプチド(FAMP)およびヒト血清ApoA−Iともに有意のコレステロ−ル引き抜き作用を認めたが、ABCA1 cDNA遺伝子導入CHO細胞においては、ペプチド(FAMP)はコレステロ−ル引き抜き作用をより顕著に増加させていた。このことは、ペプチド(FAMP)は、ペプチド単体でコレステロ−ル引き抜き作用を有すると共に、ABCA1輸送体に依存的にHDL新生作用を有していることを明らかにしている。
実施例1で合成したペプチド(FAMP)を用いて、実施例4と実質的に同様にして、ヒト末梢血単球由来マクロファ−ジにおけるコレステロ−ル引き抜き作用を調べた。
本実施例では、ヒト末梢血単球由来マクロファ−ジにおいて、健常者由来細胞ならびに ABCA1 欠損症患者由来細胞を、ペプチド(FAMP)(20μg/ml)および比較としてヒト血清由来脂質除去ApoA−I(20μg/ml)に接触させて4時間放置した。4時間後に、細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定して、ペプチド(FAMP)とApoA−I とのコレステロ−ル引き抜き能を調べた(図3)。なお、コントロ−ルとしては、0.2%BSAのみを用いた。その結果、健常者由来細胞においては、ペプチド(FAMP)およびヒト血清ApoA−I ともに有意のコレステロ−ル引き抜き作用を認めたが、ABCA1 欠損症患者由来細胞においては、ペプチド(FAMP)はコレステロ−ル引き抜き作用を保持していたが、ヒト血清ApoA−Iのコレステロ−ル引き抜き作用は欠損していた。このことは、ペプチド(FAMP)が、ペプチド単体でコレステロ−ル引き抜き作用を有すると共に、ABCA1 輸送体に非依存的にもHDL新生作用を有していることを明らかにしている。
実施例3と同様にして、ヒト A172 細胞を用いてペプチド番号5(Type2)、ペプチド番号6(FAMP-5)およびベブチド番号9(Type4)のそれぞれについてのコレステロ−ル引き抜き能を測定した。
つまり、ヒト A172 細胞に各ペプチド(20μg/ml)を接触させて4時間インキュベ−ション後、ヒト A172 細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定してコレステロ−ル引き抜き能を調べた。なお、コントロ−ルとしては0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)のみを用い、また比較としてApoA−Iとペプチド番号13(original)とを用いた。結果を図4左側に示す。
これに対して、ヒト A172 細胞に各ペプチド(20μg/ml)をTO901317と9cis−レチノイン酸との刺激下で接触させて4時間インキュベ−ション後、ヒト A172 細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定してコレステロ−ル引き抜き能を調べた。結果を図4右側に示す。
これらの結果から、ペプチド番号6(FAMP-5)が有意に優れたコレステロ−ル引き抜き能を有していることが明らかになった。
実施例1と同様にして、ヒト A172 細胞に各ペプチド(20μg/ml)をTO901317と9cis−レチノイン酸との刺激下で接触させて4時間インキュベ−ション後、ヒト A172 細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定してコレステロ−ル引き抜き能を調べた。結果を図5に示す。
本実施例では、キャピラリ−電気泳動法によるヒト血漿リポタンパク質の解析を行った。
インビトロ(in vitro)において、ヒト血漿を、実施例1で作成したペプチド(FAMP)(2 mg/ml)の存在下および非存在下で、17℃で150分間インキュベ−ションを行った。このインキュベ−ションしたヒト血漿をキャピラリ−電気泳動により解析した(図6)。この解析結果から、ペプチド(FAMP)の存在下でインキュベ−ションしたヒト血漿には、preβ-HDLサブフラクションが顕著に増加していることが認められた。この結果は、この発明のペプチドがHDLを新生する作用を有していることを示している。なお、キャピラリ−電気泳動は、張波らの手法(Zhang, B. et al.)に従って実施した。
本実施例では、マウスにペプチドを10日間持続投与した場合の高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)による血漿リポタンパク質の解析を行った。C57BL6マウスにペプチド(FAMP)(2 mg/ml)と生理食塩水を10日間腹腔内持続投与した後の血中脂質プロファイルの変化を高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)によって測定した。その結果、ペプチド(FAMP)の10日間腹腔内持続投与により、HDLサブフラクションが著名に増加していることが認められた(図7)。この解析結果は、この発明のペプチドがインビボ(in vivo)においてもHDLを新生する作用を有していることを示している。
本実施例では、マウスへペプチド急性投与した場合のキャピラリ−電気泳動法によるマウス血漿リポタンパク質の解析を行った。C57BL6マウスにペプチド(FAMP)(2mg/ml)を経静脈投与および腹腔内投与した後、30分後および18時間後の血中脂質プロファイルの変化をキャピラリ−電気泳動によってそれぞれ測定した(図8および図9)。その結果、ペプチド(FAMP)は、経静脈投与および腹腔内投与においても、HDLサブフラクションを著名に増加していることが認められた。この解析結果は、この発明のペプチドがインビボ(in vivo)においてもHDLを新生する作用を有していることを示している。なお、キャピラリ−電気泳動は、実施例9と同様に実施した。
実施例1と同様にして、ヒト A172 細胞に各ペプチド(20μg/ml)をTO901317、LXR agonist (5μM)、9-cis−レチノイン酸、RXR agonist (5μM)にて刺激後、4時間インキュベ−ションしてヒト A172 細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定してコレステロ−ル引き抜き能を調べた。コントロールとして生理食塩水を用いた。結果を図10に示す。
実施例12と同様にして、ヒト A172 細胞にペプチドFAMP-5 (type2S9Y) またはapoA-I(20μg/ml)をTO901317、LXR agonist (5μM)、9-cis−レチノイン酸、RXR agonist (5μM)にて刺激後、Probunol (10μM)の非存在下または存在下にて4時間インキュベ−ションしてヒト A172 細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定してコレステロ−ル引き抜き能を調べた。コントロールとして生理食塩水を用いた。結果を図11図に示す。
実施例12と同様にして、ヒト A172 細胞に各ペプチド(FAMP-5、FAMP-5-Duo、Human type original (221-240、Human type original (221-240)-Duo)(20μg/ml)をTO901317、LXR agonist (5μM)、9-cis−レチノイン酸、RXR agonist (5μM)にて刺激後、Probunol (10μM)の非存在下または存在下にて4時間インキュベ−ションしてヒト A172 細胞から浸出したコレステロ−ル量を測定してコレステロ−ル引き抜き能を調べた。コントロールとして生理食塩水を用いた。結果をそれぞれ図12および13図に示す。
アガロースリボ蛋白電気泳動を用いた実験を行った。ペプチド(FAMP-5)(0.2 mg/ml 〜2 mg/ml)をヒト血漿と、37℃で150分間インキュベーションした後、アガロースリボ蛋白電気泳動を行った結果、ペプチド投与によってコレステロール含量の少ないアポA-Iリッチなpre-βの著名な産生が認められた。結果を図14に示す。
マウス下肢虚血モデルを使った実験を行った。マウスの左大腿動脈を結紮した後、第1、3,5病日にPBSまたはペプチド(FAMP-5)(10 mg/ml または50 mg/mlを患側(左)肢に筋注を行った。下肢血流は、ドップラー血流計で評価した。その結果、ペプチド(FAMP-5)投与により虚血肢の顕著な血流増加が認められた(図15)。
マクロファージ特異的RCTについて調べた。マウスに対して5日間PBS またはペプチド(FAMP-5) (50 mg/kg)を腹腔内投与した。投与開始3日後からマウス腹腔内に3H−コレステロールラベルしたマクロファージを投与した後、血中ならびに便中の3H−コレステロール量を測定した。その結果、ペプチド(FAMP-5) 投与により、マクロファージ中の3H−コレステロールの便中排泄が有意に上昇したのがわかった(図16)。
この発明に係るコレステロ−ル搬出ペプチドは、コレステロ−ル搬出作用の他に、HDL産生作用を有しているので、アテロ−ム性動脈硬化症などの心血管疾患の予防ならびに治療に有効であるとこめから、この発明のコレステロ−ル搬出ペプチドは、それ単体でももしくはペプチド−脂質混合物としても、またはこれらを含むその他の薬剤との組合せによる医薬組成物としても医薬品として適用することができる。

Claims (3)

  1. 下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Lys Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Leu Lys Leu Leu(配列番号5)で表されるペプチド(ペプチド番号4);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号6)で表されるペプチド(ペプチド番号5);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Tyr Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号7)で表されるペプチド(ペプチド番号6);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Trp Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号8)で表されるペプチド(ペプチド番号7);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Thr Glu His Leu Ser Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Phe Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号9)で表されるペプチド(ペプチド番号8)
    記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu Tyr(配列番号11)で表されるペプチド(ペプチド番号10);
    下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    (配列番号15)で表されるペプチド(ペプチド番号14);
    下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    (配列番号16)で表されるペプチド(ペプチド番号15)
    または下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    で表されるペプチド(ペプチド番号16)
    からなるコレステロール引き抜き能を有するペプチド。
  2. 下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Lys Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Leu Lys Leu Leu(配列番号5)で表されるペプチド(ペプチド番号4);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号6)で表されるペプチド(ペプチド番号5);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Tyr Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号7)で表されるペプチド(ペプチド番号6);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Trp Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号8)で表されるペプチド(ペプチド番号7);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Thr Glu His Leu Ser Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Phe Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号9)で表されるペプチド(ペプチド番号8)
    記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu Tyr(配列番号11)で表されるペプチド(ペプチド番号10);
    下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    (配列番号15)で表されるペプチド(ペプチド番号14);
    下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    (配列番号16)で表されるペプチド(ペプチド番号15)
    または下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    で表されるペプチド(ペプチド番号16)
    からなるコレステロール引き抜き能を有するペプチドを有効成分として含有する心血管疾患予防・治療薬。
  3. 下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Lys Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Leu Lys Leu Leu(配列番号5)で表されるペプチド(ペプチド番号4);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号6)で表されるペプチド(ペプチド番号5);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Tyr Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号7)で表されるペプチド(ペプチド番号6);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Trp Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号8)で表されるペプチド(ペプチド番号7);
    下記アミノ酸配列:
    Ala Thr Glu His Leu Ser Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Phe Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu(配列番号9)で表されるペプチド(ペプチド番号8)
    記アミノ酸配列:
    Ala Leu Glu His Leu Phe Thr Leu Ser Glu Lys Ala Leu Lys Ala Leu Glu Asp Leu Leu Lys Lys Leu Leu Tyr(配列番号11)で表されるペプチド(ペプチド番号10);
    下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    (配列番号15)で表されるペプチド(ペプチド番号14);
    下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    (配列番号16)で表されるペプチド(ペプチド番号15)
    または下記アミノ酸配列:
    Figure 0005742029
    で表されるペプチド(ペプチド番号16)
    からなるペプチドを有効成分として含有するHDL新生・増強薬。
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