JP5741969B2 - リチウム複合化合物粒子粉末及びその製造方法、非水電解質二次電池 - Google Patents

リチウム複合化合物粒子粉末及びその製造方法、非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の正極活物質として、高容量でサイクル特性・高温安定性に優れた正極活物質を提供する。
近年、AV機器やパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
従来、4V級の電圧をもつ高エネルギー型のリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質としては、スピネル型構造のLiMn、岩塩型構造のLiMnO、LiCoO、LiCo1−XNi、LiNiO、オリビン型のLiFePO4等が一般的に知られているが、いずれの正極活物質においても、更なる特性改善が求められている。
即ち、ノートパソコンなど二次電池で作動する装置はその使用に伴って高温になるため、二次電池として高温下での充放電サイクル特性に優れることが要求される。また、高電圧の場合には電解液との反応が起こりやすく、充放電サイクル特性が低下しやすい。
そこで、高温下での充放電サイクル特性に優れた正極活物質が要求されている。
従来、二次電池の特性改善のために、非水電解液にアルミニウム化合物を添加したものが知られている(特許文献1)。また、コバルト酸リチウムの粒子表面をハロゲン化すること(特許文献2)、各種原料とハロゲン化物とを混合し焼成することによって粒子内にハロゲンを傾斜的に含有させて電解液との反応を抑制する技術(特許文献3〜5)、コバルト酸リチウムなどの粒子表面に酸化物を表面処理することによって、粒子表面での電解液との反応を抑制し構造の安定化を図る技術(特許文献6〜8)がそれぞれ知られている。
特開平10−255837号公報 特開平6−333565号公報 特開2007−95571号公報 特開2000−149925号公報 特開2000−203843号公報 特開2001−28265号公報 特開2002−151077号公報 特開2002−151078号公報
前記諸特性を満たす正極活物質は現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、特許文献1(特開平10−255837号公報)には、電解液中にアルミニウムの酸化物をはじめとした化合物を加えることにより負極への被膜を形成させて負極の劣化を抑制することが記載されているが、正極表面での溶解、構造破壊の抑制には至らないため、高電圧での高レート充放電サイクル特性が十分とは言い難いものである。
また、前出特許文献2(特開平6−333565号公報)にはコバルト酸リチウム粒子表面をハロゲン化することで表面の活性基を不活性化し、電解液との反応を抑制して保存特性を改善することが記載されているが、均一かつどのような粒子表面に対しても再現性のある表面処理が出来ないため電解液から粒子を保護するには不十分であるため、高レート充放電サイクル特性に優れているとは言い難いものである。
また、前出特許文献3乃至5(特開2007−95571号公報、特開2000−149925号公報及び特開2000−203843号公報)には、各種原料の焼成時にハロゲン化物と共に焼成することによって、粒子内にハロゲンを傾斜的に含有させて電解液との反応を抑制することが記載されているが、この方法では全体にハロゲンの含有量が多くなり、酸素置換量が増加するために容量が低下することとなり、本来の高容量を得ることができないため特性が十分とは言い難いものである。
また、前出特許文献6乃至8(特開2001−28265号公報、特開2002−151077号公報及び特開2002−151078号公報)には、粒子表面を酸化物による表面処理を行うことによって、粒子表面での電解液との反応を抑制し、構造の安定化を図り、サイクル特性の向上が可能であるとされているが、この方法では電解液との反応抑制は行えても、結晶構造の保持には十分な効果が得られないため、目的とする高充電電圧での高レートサイクル特性を改善するには特性が不十分である。
そこで、本発明は、初期放電容量に優れ、且つ、高レートでの充放電サイクル特性に優れた正極活物質を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、平均一次粒子径が0.1μm以上で平均2次粒子径が1〜20μmであるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物をコア粒子とし、該コア粒子の粒子表面に少なくともフッ素と金属元素A(AはLi、Mg、Al、Zn、Yから選ばれる少なくとも1種類以上の元素)とを含有する表面処理成分を存在させたリチウム複合化合物粒子粉末であって、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物が下記組成1を有するリチウム複合化合物であり、表面処理成分の組成がA−F−O系の化合物であり、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物に対するA元素の含有率が0.01〜1.0原子%であり、当該リチウム複合化合物粒子粉末の粒子表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置で分析したときの、カチオン強度比(Li/Li)が1.0〜100であるとともに前記遷移金属元素のイオンと表面処理成分の金属元素(A)のイオンとの強度比(A/TM)が1.0〜1000であり、粉体pHが11.5以下であることを特徴とするリチウム複合化合物粒子粉末である(本発明1)。
(組成1)
Li1+xNi1−bM2
M2:Mg、Al、Ti、Mn、Co、Zr、Snから選ばれる少なくとも1種類以上の元素
(−0.05≦x≦0.20)、(0≦b≦0.7)
また、本発明は、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物を含む水懸濁液に、A原料としてA元素の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩又はA元素のアルコキシドを用いるとともに、中和剤としてフッ素含有の溶液を用いて、リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面にA元素の金属塩とフッ素との添加比を1:k(A元素の価数≦k≦A元素の価数×2)とする少なくともA元素とフッ素とを含有する表面処理成分を析出させた後、酸素雰囲気の下300〜700℃の温度範囲で加熱処理する本発明1記載のリチウム複合化合物粒子粉末の製造方法である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1記載のリチウム複合化合物粒子粉末からなる正極活物質を含有する正極を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池である(本発明3)。
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末は、粒子表面に耐酸性に優れた表面処理成分を均一に存在させ、充電やサイクルに伴う粒子表面の劣化を抑制できるとともに、粒子の表面を強酸から保護し、結晶構造の破壊を抑制することができ、かつ、少量の処理量とすることで高レートでのサイクル特性に優れた二次電池用の正極活物質として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末について述べる。
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末は、リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物をコア粒子とし、該コア粒子の粒子表面に少なくともフッ素と金属元素A(AはLi、Mg、Al、Ti、Zn、Zr、Yから選ばれる少なくとも1種類以上の元素)とを含有する表面処理成分を存在させたリチウム複合化合物粒子粉末である。
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末において、表面処理成分量を求めるため飛行時間型二次イオン質量分析装置を用いて粒子表面を分析した場合、カチオン強度比(Li/Li)が1.0〜100であるとともに前記遷移金属元素のイオンと表面処理成分の金属元素(A)のイオンとの強度比(A/TM)が1.0〜1000である。
前記カチオン強度比(Li/Li)が1.0未満である場合、十分に表面を保護するだけの表面処理成分が存在しないため、本発明の目的とする効果が得られない。100を超える場合、表面処理成分が多すぎるため、高レートでのサイクル特性が低下する。カチオン強度比は1.0〜80が好ましく、より好ましくは2.0〜60である。
前記遷移金属元素(TM)のイオンと表面処理成分の金属元素(A)のイオンとの強度比(A/TM)が1.0未満の場合、十分に表面を保護するだけの表面処理成分が存在しないため、本発明の目的とする効果が得られない。1000を超える場合、表面処理成分が多すぎるため、高レートでのサイクル特性が低下する。強度比(A/TM)は1.0〜500が好ましく、より好ましくは1.10〜300であり、更により好ましくは1.20〜100である。
なお、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物が組成1に示すようなリチウムコバルト含有複合酸化物である場合には、A/Coの強度比が1.0〜100が好ましく、より好ましくは1.25〜95である。
本発明において、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物に対する表面処理成分中のA元素の含有率は0.01〜1.0原子%が好ましい。前記割合が0.01原子%未満である場合、電解液から十分に保護できる表面処理成分が存在しないため、本発明の目的とする効果が得られない。1.0原子%を超える場合、表面処理成分が多すぎるため、サイクル特性が低下する。表面処理成分中のA元素の含有率は0.02〜0.98原子%がより好ましく、更により好ましくは0.03〜0.95原子%である。
本発明におけるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の平均2次粒子径は1.0〜20μmである。平均2次粒子径が1.0μm未満の場合には、充填密度の低下や電解液との反応性が増加するため好ましくない。20μmを超える場合には、リチウムイオンの拡散距離がのびるため導電性の低下、サイクル特性の悪化を引き起こすため、目的とする効果が得られない。
本発明におけるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の平均一次粒子径は0.1μm以上である。平均粒子径が0.1μm未満の場合には、結晶性が悪くサイクル悪化の要因となる。また平均一次粒子径が15μmを超えると、リチウムの拡散を阻害するため、やはりサイクル劣化の要因となる。即ち、平均一次粒子径は0.1〜15μmがより好ましい。
本発明において、フッ素は、リチウム複合化合物粒子の表面側に偏析していることが好ましい。フッ素が粒子内部に均一に存在する場合、本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末の粉体pHは11.5以下が好ましい。粉体pHが11.5を超える場合、電極作成時に粘度が上昇し均一性が失われ、目的とする効果が得られない。好ましくは11.0以下であり、より好ましくはpHは10.8以下である。
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末のBET比表面積は0.1〜1.5m/gが好ましい。BET比表面積値が0.1m/g未満の場合には、工業的に生産することが困難となる。1.5m/gを超える場合には充填密度の低下や電解液との反応性が増加するため好ましくない。
本発明において、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物は、組成1に示すリチウムニッケル含有複合酸化物である。なお、通常、非水電解質二次電池の正極活物質に用いられるものであってもよく、例えば、組成2に示すようなリチウムコバルト含有複合酸化物、組成3に示すようなリチウムマンガン含有複合酸化物、組成4に示すようなリチウム鉄含有複合酸化物である。
(組成1)
Li1+xNi1−bM2
M2:Mg、Al、Ti、Mn、Co、Zr、Snから選ばれる少なくとも1種類以上の元素 (−0.05≦x≦0.05)、(0≦b≦0.7)
前記組成1において、M2元素として、Co及びMnを用いた場合、下記組成式(1−1)とすることが好ましい。
(組成1−1)
Li1+xNi1−b1−b2Cob1Mnb2
(−0.05≦x≦0.20)、(0≦b1≦0.35、0.1≦b2≦0.5)
前記組成1において、M2元素として、Co及びAlを用いた場合、下記組成式(1−2)とすることが好ましい。
(組成1−2)
Li1+xNi1−b1−b2Cob1Alb2
(−0.05≦x≦0.15)、(0.10≦b1≦0.20、0.01≦b1≦0.10)
(組成2)
Li1+xCo1−aM1
M1:Mg、Al、Ti、Mn、Ni、Zr、Snから選ばれる少なくとも1種類以上の元素 (−0.05≦x≦0.05)、(0≦a≦0.3)
(組成3)
Li1+xMn2−cM3
M3:Li、B、Mg、Al、Ti、Co、Ni、Zr、Snから選ばれる少なくとも1種類以上の元素 (0≦x≦0.3)、(0≦c≦0.6)
(組成4)
Li1+xFe1−dM4PO
M4:Mg、Al、Mn、Co、Ni、Zr、Snから選ばれる少なくとも1種類以上の元素 (−0.05≦x≦0.05)、(0≦d≦0.3)
表面処理成分のうち、金属元素AがLi、Al、Zn、Mg、Yのいずれか一種以上であることが好ましい。さらに、表面処理成分の組成がA−F−O系の化合物であることが好ましい。
次に、本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末は、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物を含む水懸濁液に、A原料としてA元素の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩又はA元素のアルコキシドを添加するとともに、中和剤としてフッ素含有の溶液を用いて、リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面に少なくともA元素とフッ素とを含有する表面処理成分を析出させた後、酸素雰囲気の下で300〜700℃の温度範囲で加熱処理して得られる。
本発明におけるコア粒子であるリチウムコバルト含有複合酸化物、リチウムニッケル含有複合酸化物、リチウムマンガン含有複合酸化物又はリチウム鉄含有複合酸化物は、通常の方法で得られるものであって、例えば、リチウム化合物とコバルト化合物を混合して加熱処理して得る固相法や、溶液中でリチウム化合物とコバルト化合物を反応させてコバルト酸リチウム粒子を得る湿式法のいずれの方法で得られたものでもよい。
また、リチウム−遷移金属元素からなる複合酸化物に存在させるM1からM4の元素はLi、B、Mg、Al、Ti、Mn、Co、Ni、Zr、Snから選ばれる少なくとも1種類以上の元素である。本発明においては、前記各組成1〜4に対応した各元素M1〜M4を、前記リチウム−遷移金属元素からなる複合酸化物の反応中に同時に存在させればよい。
リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物は、一次粒子径が0.1μm以上で平均2次粒子径が1〜20μm、BET比表面積値が0.1〜1.5m/g、Li/TM比はスピネル型構造の場合は0.5〜0.65が好ましく、スピネル型構造以外では0.95〜1.20であることが好ましい。
A元素の原料として、A元素の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩又はA元素のアルコキシドを用いることができる。例えば、アルミニウムであれば、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ソーダ等を用いることができる。
A元素の原料の添加量は、リチウム−遷移金属元素からなる複合酸化物に対して0.01〜1.0mol%であることが好ましい。
A元素の原料を添加した後、フッ素含有の溶液を添加して、リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面に少なくともA元素とフッ素とを含有する表面処理成分を析出させる。フッ素含有の溶液としては、フッ化アンモニウム、フルオロ酢酸ナトリウム溶液、フッ化アリル溶液等を用いる。
フッ素含有溶液の添加量は、A元素の金属塩とフッ素との添加比を1:k(A元素の価数≦k≦A元素の価数×2)とすることが好ましい。フッ素含有溶液の添加量が前記範囲外の場合には本発明の目的とする効果が得られない。
リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物を含有する水懸濁液に、A元素の原料と、フッ素含有の溶液を添加して水懸濁液のpHを調整し、リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面に少なくともA元素とフッ素とを含有する表面処理成分を析出させる。水溶液のpHは6.0〜10.0にすることが好ましい。水溶液のpHが前記範囲外の場合には表面処理成分を生成・吸着させることが困難となる。
リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物を含有する水懸濁液に、A元素の原料とフッ素含有の溶液とを添加して水懸濁液のpHを調整することによって析出する成分は特に限定されるものではないが、例えば、(NH)AlFや(NHAlF等である。
表面処理成分をコア粒子の粒子表面に安定化させるためには、表面処理成分がコア粒子とも化学的に結合していることが好ましく、そのためには加熱処理が必要となる。加熱処理温度としては、300〜700℃であることが好ましい。300℃未満の場合には水酸化物や水和物が残存し、700℃を超える場合には、A元素やフッ素原子が粒子内部に浸潤し始めるため好ましくない。より好ましい加熱処理温度は350〜650℃である。保持時間は1〜5時間が好ましい。1時間より短い場合には分解反応が不十分であり、5時間より長い場合には生産性とコストの面から好ましくない。
このようにして得られるコア粒子とも結合し表面を保護する安定物質は、A元素と酸素(O)とフッ素(F)との化合物の形態をとることが好ましい。
加熱処理の雰囲気としては、炭酸ガスが吸着すると電池内部でのガス発生の原因となるため好ましくなく、また、安定物質のA−F−O系化合物の形成を促すため酸素雰囲気での熱処理が好ましい。
次に、本発明に係るリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質を用いた正極について述べる。
本発明における正極活物質を用いて正極を製造する場合には、常法に従って、導電剤と結着剤とを添加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等が好ましく、結着剤としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。
本発明における正極活物質を用いて製造される二次電池は、前記正極、負極及び電解質から構成される。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、グラファイトや黒鉛等を用いることができる。
また、電解液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルの組み合わせ以外に、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル等のカーボネート類や、ジメトキシエタン等のエーテル類の少なくとも1種類を含む有機溶媒を用いることができる。
さらに、電解質としては、六フッ化リン酸リチウム以外に、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩の少なくとも1種類を上記溶媒に溶解して用いることができる。
<作用>
本発明において最も重要な点は、本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末は、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面の一部にフッ素と金属元素A(AはLi、Mg、Al、Ti、Zn、Zr、Yから選ばれる少なくとも1種類以上の元素)とを含有する表面処理成分を存在させることによって、高充電電圧における二次電池としての初期放電容量を保持したまま、且つ、高レート充放電サイクル特性に優れるという点である。
本発明においては、湿式反応によってリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面に微細な金属元素Aのフッ素含有のコロイドを生成・吸着させ、次いで、酸素雰囲気下で加熱処理することにより、粒子表面にフッ素と金属元素Aの化合物とを含有する薄い表面処理成分を形成させ、それらの一部をリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面と化学的に結合させていることで粒子表面の保護をしつつ、構造の安定化を行うことができる。
本発明において高充電電圧での充放電に置いて初期放電容量を保持できるのは、本来のリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物が有する初期放電容量を低下させない範囲で、粒子表面にA元素と酸素とフッ素とからなる化合物を結合させたことによるものと本発明者は推定している。
本発明において高充電電圧において高レートサイクル特性が改善できるのは、活物質粒子の表面の一部が安定な物質で被覆されつつ、かつ粒子表面の充放電に伴う構造変化を安定化させることで電解液との反応(酸化分解)を抑制し、構造破壊を抑制することによるためである。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
表面処理後および焼成後の生成物の同定については、粉末X線回折(RIGAKU Cu−Kα 40kV 40mA)を用いた。また、前記粉末X線回折の各々の回折ピークから格子定数を計算した。
また、元素分析にはプラズマ発光分析装置(セイコー電子工業製 SPS4000)を用いた。
粉体pHは、0.5gの粉末を25mlの蒸留水に懸濁し、室温にて静置して懸濁液のpH値を測定した。
平均2次粒子径はレーザー式粒度分布測定装置LMS−30[セイシン企業(株)製]を用いて湿式レーザー法で測定した体積基準の平均粒子径である。
平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡SEMにより判断した。
被覆又は存在させる粒子の存在状態はエネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡SEM−EDX[(株)日立ハイテクノロジーズ製]および飛行時間型2次イオン質量分析装置 TOF−SIMS5 [ION−TOF社製]を用いて観察した。なお、強度比(A/TM)は、複数種類の遷移金属からなる複合酸化物をコア粒子とした場合には、コア粒子において最も多量に存在する遷移金属に基づく強度比とし、コア粒子において等モルの遷移金属が存在する場合には前記飛行時間型2次イオン質量分析装置における強度比(A/TM)のなかの最大値を示すものを用いた。
被覆又は存在させる粒子の平均一次粒子径はエネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡SEM−EDX[(株)日立ハイテクノロジーズ製]を用いて観察し、確認した。
正極活物質の電池特性は、下記製造法によって正極、負極及び電解液を調製しコイン型の電池セルを作製して評価した。
<正極の作製>
正極活物質と導電剤であるアセチレンブラック及び結着剤のポリフッ化ビニリデンを重量比で85:10:5となるように精秤し、乳鉢で十分に混合してからN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを調整した。次に、このスラリーを集電体のアルミニウム箔に150μmの膜厚で塗布し、150℃で真空乾燥してからφ16mmの円板状に打ち抜き正極板とした。
<負極の作製>
金属リチウム箔をφ16mmの円板状に打ち抜いて負極を作製した。
<電解液の調製>
炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの体積比50:50の混合溶液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル混合して電解液とした。
<コイン型電池セルの組み立て>
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、上記正極と負極の間にポリプロピレン製のセパレータを介し、さらに電解液を注入してCR2032型のコイン電池を作製した。
<電池評価>
前記コイン型電池を用いて、二次電池の充放電試験を行った。測定条件としては、室温で、測定レートを1.0Cとし、カットオフ電圧はコバルト系、マンガン系、ニッケル系においては3.0〜4.3V、オリビン系においては2.5〜4.3Vの間で充放電を繰り返した。レートが1.0Cの場合、0.2Cなどの場合に比べて短時間で充放電することになり(1Cでは1時間で行うのに対し、0.2Cでは5時間かけて行う。)、大きな電流密度で充放電を行うものである。
参考例1
MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た(平均一次粒子径5μm、平均二次粒子径15.3μm)。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、0.020mol/Lの硝酸アルミニウム溶液100ml中に100gを懸濁させる。30分間保持した後、アルミニウムとフッ素の比率が1:4となるように1mol/Lのフッ化アンモニウム溶液を8ml添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗した。次いで、110℃で12時間乾燥し、その後、酸素雰囲気で400℃で5時間の熱処理を行った。
表面処理の反応溶液中のAl濃度は0.020mol/lであり、F濃度は1.000mol/lであり、A元素は反応溶液中の存在量が0.05mol/l以下の低い濃度で反応を行った。
得られたリチウム複合化合物粒子粉末について、粒子断面の組成分析を行ったところ、フッ素は粒子表面に存在することが確認された。また、飛行時間型2次イオン質量分析装置による評価の結果、Li/Liの比は8.701であり、Al+/Co+の比は5.882となっており、表面にFおよびAlの存在を確認した。
また、液中に懸濁する前のリチウム含有複合酸化物と表面処理を行った後のリチウム複合化合物において、AlF成分の強度はそれぞれ4.8×10−4、5.5×10−3であり表面処理によって増加しており、表面にAlとOとFとからなる複合酸化物成分が形成したことが確認された。
参考例2
参考例1と同様にして、MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、0.005mol/Lの硝酸リチウム溶液100ml中に100gを懸濁する。30分間保持した後、リチウムとフッ素の比率が1:1.50となるように0.5mol/Lのフッ化アンモニウム溶液を2ml添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥した。その後、酸素雰囲気で400℃で5時間の熱処理を行った。
参考例3
参考例1と同様にして、MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、0.04mol/Lの硫酸アルミニウム溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後、アルミニウムとフッ素の比率が1:3.75となるように1mol/Lのフッ化アンモニウム溶液を15ml添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後、酸素雰囲気で500℃で5時間の熱処理を行った。
参考例4
参考例1と同様にして、MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、0.05mol/Lの硝酸イットリウム溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後イットリウムとフッ素との比率が1:4.5となるように1mol/Lのフッ化アンモニウム溶液を23ml添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後、酸素雰囲気で400℃で5時間の熱処理を行った。
参考例5
Alを含んだ四酸化三マンガンと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中900℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た(平均一次粒子径2μm、平均二次粒子径5.7μm)。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、0.012mol/Lの硫酸亜鉛溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後に亜鉛とフッ素の比率が1:3となるように0.5mol/Lのフッ化アンモニウム溶液を7ml添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後、酸素雰囲気で500℃で5時間の熱処理を行った。
参考例6
参考例1と同様にして、MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、0.015mol/Lの硝酸亜鉛溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後、亜鉛とフッ素との比率が1:3.4となるように0.5mol/Lのフッ化アンモニウム溶液を10ml添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、その後、酸素雰囲気で550℃で5時間の熱処理を行った。
実施例1
コバルトとニッケルとアルミニウムからなる水酸化物に水酸化リチウムを所定の比率で混合し、酸素雰囲気で750℃で20時間焼成してリチウム含有複合酸化物を得た(平均一次粒子径0.5μm、平均二次粒子径17μm)。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、0.10mol/Lの塩化アルミニウム水溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後、アルミニウムとフッ素の比率が1:4となるように1.5mol/Lのフッ化アンモニウム溶液を27ml添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、乾燥した。その後、酸素雰囲気で400℃で5時間の熱処理を行った。
実施例2
コバルトとニッケルとマンガンからなる水酸化物に炭酸リチウムを所定の比率で混合し、酸素雰囲気で950℃で20時間焼成してリチウム含有複合酸化物を得た(平均一次粒子径0.5μm、平均二次粒子径10μm)。表1に示すとおり、0.025mol/Lの硝酸アルミニウム溶液100ml中に、アルミニウムとフッ素の比率が1:3となるようにフッ化アンモニウム溶液を混合した懸濁液に、得られたリチウム含有複合酸化物を加えて30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後、酸素雰囲気で500℃で5時間の熱処理を行った。
参考例7
表1に示す割合0.030mol/Lので硝酸マグネシウム溶液100ml中に、マグネシウムとフッ素の比率が1:3.7となるようにフッ化アンモニウム溶液を混合した懸濁液に、Li1.01Fe0.98Mn0.02POの粉末を加えて30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後、酸素雰囲気で400℃で5時間の熱処理を行った。
比較例1
MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持して得られたリチウム含有複合酸化物であり、参考例1の表面処理を行っていないものである。
比較例2
Alを含んだ四酸化三マンガンと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中900℃で8時間保持して得られたリチウム含有複合酸化物であり、参考例5の表面処理を行っていないものである。
比較例3
コバルトとニッケルとアルミニウムからなる水酸化物に水酸化リチウムを所定の比率で混合し、酸素雰囲気で750℃で20時間焼成して得られたリチウム含有複合酸化物であり、実施例1の表面処理を行っていないものである。
比較例4
参考例1と同様にして、MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、表1に示すように0.02mol/Lのアルミン酸ソーダ溶液100ml中に100gを懸濁した。硫酸を用いてpH調整した後、粉末を濾過・洗浄した後に空気中で800℃で5時間の熱処理を行った。
比較例5
参考例1と同様にして、MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、表1に示すように0.01mol/Lの硝酸アルミニウム溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後、アルミニウムとフッ素の比率が1:2となるようにフッ化アンモニウム溶液を添加し30分間保持した。30℃で保持し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後、窒素雰囲気で400℃で5時間の熱処理を行った。
比較例6
参考例1と同様にして、MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、表1に示すように0.12mol/Lの硝酸アルミニウム溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後、アルミニウムとフッ素の比率が1:2.90となるようにフッ化アンモニウム溶液を添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥した。その後、酸素雰囲気で500℃で5時間の熱処理を行った。
比較例7
加熱処理を窒素雰囲気のもと500℃で5時間の処理に変更した以外は、比較例6と同様の処理を行った。
比較例8
実施例1で得られた表面処理後の乾燥品を、窒素雰囲気下、400℃で5時間の加熱処理を行った。
比較例9
実施例1で得られた表面処理後の乾燥品を、酸素雰囲気下、800℃で5時間の加熱処理を行った。
比較例10
Alを含んだ四酸化三マンガンと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中900℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を用いて、表1に示すように0.20mol/Lの硝酸亜鉛溶液100ml中に100gを懸濁した。30分間保持した後、亜鉛とフッ素の比率が1:3となるようにフッ化アンモニウム溶液を添加し30分間保持した。80℃に昇温し12時間保持したところで取り出して水洗し、110℃で12時間乾燥し、その後、酸素雰囲気で400℃で5時間のアニーリングを行った。
比較例11
MgとAlを含んだ四酸化三コバルトと炭酸リチウムを所定の比率で混合し、空気中990℃で8時間保持してリチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物に対して0.25mol%のLiFを添加・混合し、空気中350℃で熱処理を行った。
比較例12
コバルトとニッケルとアルミニウムからなる水酸化物に、水酸化リチウムとフッ化リチウムをLi1.05Ni0.85Co0.10Al0.051.99890.0022となるように混合し、酸素雰囲気で750℃で20時間焼成してリチウム含有複合酸化物を得た。
得られた正極活物質の諸特性及びコイン型電池の電池特性を表1及び表2に示す。
Figure 0005741969
Figure 0005741969
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末を用いて作製したコイン電池の電池特性は、初期放電容量に対して、コイン電池における高レート(1C)での30サイクル後の容量維持率が高いレベルにある。例えば、コバルト系を用いた参考例1〜4及び6は、比較例1、4〜7及び11に対して高い容量維持率を示すものである。
本発明に係るリチウム複合化合物粒子粉末を用いることで、二次電池としての初期放電容量を維持し、且つ、高温特性が改善された非水電解質二次電池を得ることができる。
参考例1と比較例1で得られたリチウム複合化合物粒子粉末を用いた二次電池のサイクル特性である 参考例5と比較例2で得られたリチウム複合化合物粒子粉末を用いた二次電池のサイクル特性であるサイクル特性である

Claims (3)

  1. 平均一次粒子径が0.1μm以上で平均2次粒子径が1〜20μmであるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物をコア粒子とし、該コア粒子の粒子表面に少なくともフッ素と金属元素A(AはLi、Mg、Al、Zn、Yから選ばれる少なくとも1種類以上の元素)とを含有する表面処理成分を存在させたリチウム複合化合物粒子粉末であって、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物が下記組成1を有するリチウム複合化合物であり、表面処理成分の組成がA−F−O化合物であり、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物に対するA元素の含有率が0.01〜1.0原子%であり、当該リチウム複合化合物粒子粉末の粒子表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置で分析したときの、カチオン強度比(Li/Li)が1.0〜100であるとともに前記遷移金属元素のイオンと表面処理成分の金属元素(A)のイオンとの強度比(A/TM)が1.0〜1000であり、粉体pHが11.5以下であることを特徴とするリチウム複合化合物粒子粉末。
    (組成1)
    Li1+xNi1−bM2
    M2:Mg、Al、Ti、Mn、Co、Zr、Snから選ばれる少なくとも1種類以上の元素
    (−0.05≦x≦0.20)、(0≦b≦0.7)
  2. コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物を含む水懸濁液に、A原料としてA元素の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩又はA元素のアルコキシドを用いるとともに、中和剤としてフッ素含有の溶液を用いて、リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面にA元素の金属塩とフッ素との添加比を1:k(A元素の価数≦k≦A元素の価数×2)とする少なくともA元素とフッ素とを含有する表面処理成分を析出させた後、酸素雰囲気の下300〜700℃の温度範囲で加熱処理する請求項1記載のリチウム複合化合物粒子粉末の製造方法。
  3. 請求項1記載のリチウム複合化合物粒子粉末からなる正極活物質を含有する正極を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
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