JP5741474B2 - レーダ装置 - Google Patents

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本発明は、車両に搭載されるレーダ装置に関する。
従来、予め決められたパルス波形を有する送信波を送信して、送信波の送信タイミングからの所定時間内に受信した反射波を含む受信信号をサンプリングし、そのサンプリング値に基づいて反射波の受信タイミングを検出する車載レーダ装置が知られている。この車載レーダ装置によれば、送信波の送信タイミングから反射波の受信タイミングまでの時間差(即ち、送信波の往復時間)を計測することで、送信波を反射した物標との距離を求めることができる。
この種のレーダ装置では、送信波の送信タイミングが既知であるのに対し、車両の外部における物標から送信波が反射された反射波の受信タイミングを予め知ることができないことから、反射波の受信タイミングについて高い検出精度が求められる。一方、このような高精度の検出を実現するためには、受信信号のサンプリングにおける高分解能が求められることになり、これに関連する機器(例えばAD変換器)のコストが上積みされる。つまり、レーダ装置において検出精度とコストとは、トレードオフの関係にある。
そこで、受信信号から得られたサンプリング値の最大値を検出して、その最大値に1未満の係数(例えば0.5)を乗じた値を閾値として設定し、この閾値をサンプリング値が上回る立上りタイミングと、この閾値をサンプリング値が下回る立下りタイミングとを算出することにより、両者のタイミングの中間点を反射波の受信タイミングとする検出方法が採用されることに至っている(例えば、特許文献1参照)。この検出方法によれば、必ずしも高分解能なサンプリングを要することなく、受信タイミングの検出精度を上げることが可能となる。
特開2005−257405号公報
ところで、従来のレーダ装置が外部に露出する形態で車両に搭載されていたのに対し、昨今のレーダ装置では、風雨や埃による付着物に起因する検出精度の悪化を防ぐために、車室内(例えばフロントガラス近辺)に設置される態様が採用され始めている。
このように車室内に設置されるレーダ装置では、付着物から送信波が反射されることによるノイズの影響を考慮せずに済むものの、フロントガラス等の車両の一部から送信波が反射された反射波(「戻り波」と称する)の影響を定常的に受けることになる。
しかしながら、従来のレーダ装置では、上記特許文献1に記載のように、単にノイズを除去する構成しか採られていなかったため、戻り波に対処する術がなかった。このような問題は、車両から遠くに位置する物標に対しては、戻り波の受信タイミングと、物標からの反射波の受信タイミングとが大きく異なるため無視でき得るものの、特にPCS(Pre-Crash Safety)のように、車両に近接する物標の検出への要求が高い車両制御が存在することから、無視できない問題となりつつある。
本発明は、上記問題点を解決するために、戻り波の影響を加味しつつ、車両の外部における物標から送信波が反射された反射波の受信タイミングを精度よく検出することが可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載のレーダ装置は、車室内に設置される装置であって、送受信手段によって、パルス波形の送信波を送信して、その送信波の反射波を含む信号を受信して受信信号を生成し、サンプリング手段によって、送受信手段にて生成した受信信号をサンプリングする。そして、閾値設定手段が、送受信手段による送信波の送信タイミングからの所定時間内にサンプリング手段にて得られた複数のサンプリング値からなるパルス波形のうち、サンプリング値の最大値であるサンプリング最大値に基づいて、反射波の受信タイミングを決定するための閾値を設定する。
さらに、タイミング算出手段が、閾値設定手段にて設定した閾値をサンプリング値が上回る立上りタイミングと、閾値をサンプリング値が下回る立下りタイミングとを算出し、受信タイミング検出手段が、タイミング算出手段にて算出した立上りタイミングと立下りタイミングとの中間点を反射波の受信タイミングとして検出する。
本発明では、このような構成において、記憶手段が、上記所定時間内に車両の一部から送信波が反射されて得られる反射波を戻り波とし、この戻り波に対応する受信タイミング及びサンプリング最大値を含む戻り波情報を記憶する。
そして、戻り波判定手段が、受信タイミング検出手段にて検出した反射波の受信タイミング、記憶手段に記憶されている戻り波に対応する受信タイミングと、の時間的間隔が、所定の第1余裕時間を下回る場合に、戻り波情報を用いて、サンプリング最大値を含むパルス波形が前記戻り波の波形と同一であるか否かを判定する。
さらに、タイミング補正手段が、戻り波判定手段にてサンプリング最大値を含むパルス波形が戻り波の波形と非同一であると判定した場合に、サンプリング最大値に基づくパルス幅を用いて、タイミング算出手段にて算出される立上りタイミングを補正するように構成した。
本発明では、戻り波として送信波が反射される車両の一部がレーダ装置に対して所定の距離に位置することから、既知の情報として戻り波情報における受信タイミングとサンプリング最大値とを記憶しておくことができる点、及び、物標から送信波が反射された反射波(検出対象の反射波)と、車両の一部から送信波が反射された反射波(戻り波)とは共に、送信波の形状と相似する関係にある点に着目している。
つまり、本発明では、受信信号(反射波)における受信タイミング及びパルス波形をこの戻り波情報と比較することで、反射波と戻り波とが近似するものの同一でなければ、検出対象の反射波と戻り波とが融合した反射波(詳細には、時間的に戻り波の後ろ側に検出対象の反射波が融合した反射波)を受信したものとみなし、この場合に、検出対象の反射波または戻り波のサンプリング最大値に基づくパルス幅を用いて立上りタイミングをオフセットする。
従って、本発明によれば、上記のような融合波に対する立上りタイミングから戻り波の影響分を除去することができ、これにより、戻り波の影響を加味しつつ、車両の外部における物標から送信波が反射された反射波の受信タイミングを精度よく検出することができることになる。
なお、本発明のレーダ装置において、請求項2に記載のように、戻り波判定手段にてサンプリング最大値を含むパルス波形が戻り波の波形と同一であると判定した場合、そのサンプリング最大値とタイミング算出手段にて算出した立上りタイミング及び立下りタイミングとに基づいて、記憶手段にて記憶されている戻り波情報を更新する更新手段を備えてもよい。
このように構成することで、戻り波情報におけるサンプリング最大値と受信タイミングとを最新の値に保持することができ、例えば上記車両の一部に塵や埃等が付着したり、車室内におけるレーダ装置の位置がずれたりして、戻り波情報が多少変動する場合であっても適切に対応することができる。
また、本発明のレーダ装置において、請求項3に記載のように、サンプリング手段にて得られたサンプリング最大値を実測最大値、戻り波情報に含まれているサンプリング最大値を比較最大値とし、戻り波判定手段にてサンプリング最大値を含むパルス波形が戻り波の波形と非同一であると判定した場合、実測最大値と比較最大値との差分値が予め設定された許容差分値を上回る場合には、タイミング補正手段による立上りタイミングの補正を禁止する補正禁止手段を備えてもよい。
このように構成することで、実測最大値が比較最大値よりもはるかに大きい場合、つまり、立上りタイミングの算出に戻り波の影響が出ない場合に、不要な補正を施すことなく、検出対象の反射波の受信タイミングを適切に検出することができる。なお、許容差分値については、例えば、実測最大値に基づく閾値よりも比較最大値が小さくなる値として設定することができる。
そして、請求項3に記載のレーダ装置において、請求項4に記載のように、タイミング補正手段は、実測最大値から比較最大値を引いた差分値が、非負であり、且つ、許容差分値以下である場合には、実測最大値に基づくパルス幅を用いて立上りタイミングを補正することができる。
つまり、検出対象の反射波と戻り波とが融合してなる反射波(融合波)において、検出対象の反射波が戻り波よりも比較的強度が強い場合には、実測最大値として検出対象の反射波に相当する値が検出されるため、この実測最大値に基づくパルス幅を用いて立上りタイミングをオフセットすることになる。
あるいは、本発明のレーダ装置において、請求項5に記載のように、タイミング補正手段は、実測最大値比較最大値との差分値が所定の余裕強度以下である場合には、戻り波情報に含まれている比較最大値に基づくパルス幅を用いて立上りタイミングを補正することができる。
つまり、融合波において、検出対象の反射波が戻り波よりも比較的強度が弱いため、実測最大値として検出対象の反射波に相当する値が検出されない場合には、わざわざ実測最大値に基づくパルス幅を算出することなく、戻り波情報に基づくパルス幅を用いて立上りタイミングをオフセットすることから、検出対象の反射波の受信タイミングを効率よく求めることができる。
なお、本発明のレーダ装置において、請求項6に記載のように、送受信手段は、車両の進行方向側における複数の領域に送信波を送信し、記憶手段は、これら各領域にそれぞれ対応する戻り波情報を記憶することもできる。この場合、空間的な反射波の検出範囲を好適に広げることができる。
また、本発明のレーダ装置において、請求項7に記載のように、送受信手段による送信波の送信タイミングと、受信タイミング検出手段にて検出された受信タイミングとに基づいて、車両の外部における物標との距離を測定する測距手段を備えることもできる。この場合、一つの装置によって測距を行うことができるため、本発明のレーダ装置と連携する他装置の処理負担を軽減することができる。
(a)は、本発明のレーダ装置を適用した運転支援システムの概略構成を示す説明図であり、(b)は、レーダ装置の配置例を示す車両の側面図である。 レーダ装置における送信波の照射領域の一例を示す模式図である。 (a)は、レーダ制御部の構成を示す機能ブロック図であり、(b)は、レーダ制御部の構成のうち距離算出部の構成を示す機能ブロック図である。 レーダ制御部が実行する前工程処理の手順を示すフローチャートである。 (a)は、レーダ制御部が実行する通常距離算出処理の手順を示すフローチャートであり、(b)は、レーダ制御部が実行する戻り光除去算出処理の手順を示すフローチャートである。 戻り光除去算出処理における立上りタイミングの補正を説明するためのグラフである。 レーダ制御部が実行する戻り光融合判定処理の手順を示すフローチャートである。 戻り光融合判定処理における判定方法を説明するための第1の説明図である。 戻り光融合判定処理における判定方法を説明するための第2の説明図である。
以下に、本発明の実施形態としてのレーダ装置が適用された運転支援システムを図面と共に説明する。
[システムの概略構成]
本実施形態の運転支援システム1は、図1(a)に示すように、車両の外部における他車両や歩行者等の物体50を検出するレーダ装置10と、レーダ装置10による検出結果に基づいて各種の車両制御を行う車両制御部30とを備えている。なお、運転支援システム1は、例えば乗用車等の車両100に搭載されており、レーダ装置10が、車室内において車両100の進行方向側に送信波を送信するように設置されている。
本実施形態では、レーダ装置10は、車両100の進行方向側として前方側に送信波としてのレーザ光を照射するように構成されており、図1(b)に示すように、車室内においてフロントウインドシールド(以下「フロントガラス」と称する)付近に設置されている。
レーダ装置10は、図1(a)に示すように、レーダ制御部11と、走査駆動部12と、光学ユニット13とを備えている。レーダ制御部11は、CPU17と、ROM,RAM,フラッシュメモリ等のメモリ18とを含む周知のマイクロコンピュータ(マイコン)20と、後述するAD変換器21(図3参照)とから構成されており、CPU17が、ROM等のメモリ18に記憶されたプログラムに従って、後述する距離算出処理等の各種処理を実行する。
走査駆動部12は、例えばアクチュエータやモータ等によって構成されており、レーダ制御部11のマイコン20からの指令を受けて、光学ユニット13を水平方向および鉛直方向の任意の方向に向けることができるように構成されている。
光学ユニット13は、レーダ制御部11のマイコン20からの指令に応じて、予め決められたパルス波形を有するレーザ光を射出する発光部14と、発光部14からのレーザ光(図1(a)では実線の矢印で示す)が、車両100の外部における物体50に反射したときの反射波(図1(a)では破線の矢印で示す)を受光するための受光部15とを備えている。詳細には、受光部15は、レーザ光の反射波(反射光)を受光し、その反射光に応じた波形を含む信号を受信信号(アナログ信号)として生成するように構成されている。
なお、走査駆動部12は、結果として発光部14によるレーザ光の射出方向が受光部15により反射光を受光可能な方向と同じ方向となるように変化させられる構成であればよい。例えば、走査駆動部12は、光学ユニット13に換えて、レーザ光および反射光を任意の方向に反射させるミラーを駆動するように構成されていてもよい。
この場合には、複数の反射面を有するミラーを走査駆動部12で回転させることによって水平方向にレーザ光を走査し、反射面の角度をそれぞれ異なる角度に設定することによって、鉛直方向にもレーザ光を振りつつ走査する構成を採用すればよい。また、1つの反射面を有するミラーを任意の方向に向ける機構を採用してもよい。
上述のように、レーダ装置10は、自車両の進行方向(本実施形態では前方)の所定領域に対して、走査しつつ間欠的に電磁波であるレーザ光を照射し、その反射波(反射光)をそれぞれ受信することによって、自車両前方の物標を各検出点として検出するレーザレーダとして構成されている。なお、自車両が後方や側方に移動する場合には、レーダ装置10はその方向にレーザ光を照射し、その反射波を受信するようにしてもよい。
ここで、本実施形態のレーダ装置10においてレーダ制御部11のマイコン20は、前述のように走査駆動部12を利用して、光学ユニット13から照射されるレーザ光を所定の領域内において走査させる。なお、レーダ装置10が向けられた方向については、レーザ光を照射する全領域をレーザ光が照射される領域毎にマトリックス上に区切り、各領域に番号を付すことによって特定できるようにしておく。例えば、図2に示すように、水平方向については左から順に番号を付し、この番号を方位番号と呼ぶ。また、鉛直方向については上から順に番号を付し、この番号をレイヤ番号と呼ぶ。
レーザ光を走査する際には、図2に示すように、この領域の左上隅(レイヤ番号1、方位番号1)から方位番号のみを1ずつ大きくし、右上隅(レイヤ番号1、方位番号N)に向かって水平方向右側にレーザ光を照射させる範囲を変化させつつ間欠的に等間隔(等角度)でレーザ光を照射させる(図2のレイヤ番号1における実線参照)。
そして、レーザ光が右上隅に到達すると、左上隅からレイヤ番号を1だけ増加させ、左上隅よりも所定角度だけ下方の領域(レイヤ番号2、方位番号1)にレーザ光の照射範囲を変更し(図2のレイヤ番号1およびレイヤ番号2の間の破線参照)、この領域から水平方向右側にレーザ光を照射させる範囲(方位番号)を変化させつつ再びレーザ光を照射させる。
このように、各レイヤ番号において右隅(方位番号N)までレーザ光を照射させる範囲が移動すると、レイヤ番号を1だけ増加させ、方位番号1の領域から再びレーザ光を照射させる。この作動を繰り返すことによって、レーダ装置10は、自車両の進行方向側の領域を2次元で複数の領域に分割し、分割した各領域に存在する物体までの距離を検出した物体情報を取得することになる。このようにして、右下隅(レイヤ番号K、方位番号N)の領域までのレーザ光を照射すると、1周期分の走査(1回の走査)を終了する。
そして、レーダ装置10のマイコン20(CPU17)は、反射光を検出したタイミング(レーザ光を照射してから反射光を検出するまでの時間)に基づいて物標(検出点)までの距離を検出する距離算出処理を実行するとともに、レーザ光を照射した方向に基づいて、物標の方向を検出する。
そして、レーダ装置10は、レーザ光を照射する度に物標(検出点)の位置(物体の座標(方位・レイヤ)と物体までの距離とが対応づけられたもの)を検出し、この検出結果が得られる度に、レーダ制御部11のRAM等のメモリ18に格納する。
次に、車両制御部30においては、CPU,メモリ等からなる周知のマイクロコンピュータとして構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに従って、自車両の挙動を制御する処理や、運転者に対する報知を行う等の各種処理を実行する。例えば、車両制御部30は、自車両の挙動を変更するような(或いは挙動の変更を促すような)運転支援を行う旨の指令をレーダ装置10から受けると、この指令に応じた制御信号を表示装置、音声出力装置、制動装置、操舵装置等の何れかに出力するようにすればよい。
さらに詳細に述べると、車両制御部30は、ACC(Adaptive Cruise Control)、LKA(Lane Keep Assist)、PCS(Pre-Crash Safety)を実現するための制御部として構成することができる。例えば、車両制御部30をACCの一部として機能させる場合には、車両制御部30は、先行車の位置についての情報に基づき、車速・車間距離を制御するために、スロットル制御やブレーキ制御に対して指令を出すようにすればよい。
車両制御部30をLKAの一部として機能させる場合には、車両制御部30は、自車線の位置についての情報に基づき、自車線を安全に走行するために、警報装置や操舵制御、ブレーキ制御に対して指令を出すようにすればよい。車両制御部30をPCSの一部として機能させる場合には、車両制御部30は、先行車や人などの障害物の位置についての情報に基づき、衝突の軽減または回避のために、スロットル制御やブレーキ制御、シートベルト、エアバッグに対して指令を出すようにすればよい。
なお、レーダ装置10では、光学ユニット13が車室内に設置されていることから、受光部15が、先行車や人、車線(縁石やガードレールを含む)といった検出対象となる物標からの反射光だけに限らず、自車両の一部としてのフロントガラスから照射光が透過されずに反射して戻ってくる戻り光(戻り波に相当)を受光することになる。
このため、本実施形態のレーダ装置10では、レーダ制御部11において、このような戻り光に対処するために必要な構成が採られている。以下、このようなレーダ制御部11の機能的な構成を説明する。
[レーダ制御部の機能構成]
レーダ制御部11は、図3(a)に示すように、受光部15(図1参照)にて生成された受信信号をレーザ光の照射領域毎にサンプリングするAD変換器21と、AD変換器21にてサンプリングされた受信信号波形に基づいて、検出対象と自車両との距離を算出する距離算出部22とから構成される。
AD変換器21は、受光部15(図1参照)にて生成された受信信号(アナログ信号)について、発光部14(図1参照)によるレーダ光の送信タイミングから予め設定された計測期間の間、所定間隔でサンプリングした複数のサンプリング値(デジタル信号)を順に出力する。なお、計測期間は、少なくともレーダ装置10の最大検知距離をレーザ光が往復するのに要する時間より長く設定されていればよい。
距離算出部22は、マイコン20が実行する距離算出処理を機能的に表した構成要素であり、AD変換器21にてサンプリングされた複数のサンプリング値が示す波形(受信信号波形)を入力し、検出対象と自車両との距離に関する算出結果を車両制御部30に出力する。
さらに、距離算出部22は、図3(b)に示すように、メモリ18に記憶された戻り光情報28(戻り波情報に相当)と、AD変換器21により得られた受信信号波形とに基づいて、戻り光と検出対象の反射光とが融合されているか否かを判定する戻り光融合判定部23と、戻り光融合判定部23による判定結果に応じて実現される機能として、通常距離算出部24、戻り光特徴算出部25、及び、戻り光除去距離算出部26とを備える。
なお、戻り光情報28には、戻り光としてレーダ光が反射されるフロントガラスがレーダ装置10に対して所定の距離に位置することから、戻り光(パルス波形)の受信タイミングとピーク強度とを表す情報が既知の情報として少なくとも含まれている。
[前工程処理]
ここで、戻り光融合判定部23、通常距離算出部24、戻り光特徴算出部25、及び、戻り光除去距離算出部26として機能する前の工程として、マイコン20が実行する前工程処理を、図4に示すフローチャートに沿って説明する。なお、前工程処理は、レーダ装置10本体の電源がONされると、この電源がOFFされるまで所定周期(上記計測期間に基づく周期)毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されると、マイコン20(詳細にはCPU17)は、AD変換器21にてサンプリングされた受信信号波形のうち、所定値以上のサンプリング値の上昇(立上り)と下降(立下り)を示すパルス波形のなかから、サンプリング値の最大値(サンプリング最大値)を抽出し(S110)、このサンプリング最大値に1未満の係数(本実施形態では0.5)を乗じた値を閾値として設定する(S120)。
そして、S110におけるパルス波形において、S120にて設定した閾値をサンプリング値が上回るタイミングを立上りタイミングとして算出し(S130)、S120にて設定した閾値(ピーク検出閾値)をサンプリング値が下回るタイミングを立下りタイミングとして算出する(S140)。
[通常距離算出処理]
次に、通常距離算出部24としてマイコン20が実行する通常距離算出処理を、図5(a)のフローチャートに沿って説明する。なお、通常距離算出処理は、戻り光融合判定部23からの指令に従って開始される。
本処理が開始されると、マイコン20(詳細にはCPU17)は、S130にて算出した立上りタイミングと、S140にて算出した立下りタイミングとの時間的な中間点を、検出対象の反射光の受信タイミングとして検出する(S160)。そして、この反射光に対応するレーダ光の送信タイミングから、S160にて検出した受信タイミングまでの時間を、発光部14により出射されたレーダ光が検出対象に反射されて、その反射光が受光部15に到達するまでに要した往復時間として算出し、この往復時間の半分の時間に光速を乗じた値を、自車両と検出対象との距離として算出する(S170)。なお、通常距離算出処理の詳細については、上記特許文献1に記載のように各種の付加的な処理を行うことができる。
以上説明した通常距離算出処理は、戻り光融合判定部23にて戻り光と検出対象の反射光とが融合されていないと判定された場合に、検出対象の反射光に対してだけ行うのではなく、戻り光に対しても行われることになる。
[戻り光特徴算出処理]
具体的には、戻り光特徴算出部25としてマイコン20が実行する戻り光特徴算出処理では、戻り光に対して行われた通常距離算出処理において、S160で検出した受信タイミングを戻り光の受信タイミング、前工程処理においてS110で抽出したサンプリング最大値を戻り光のピーク強度として、メモリ18に記憶する。
そして、戻り光特徴算出部25は、メモリ18に蓄積された複数の受信タイミングの各々について、レーダ光が照射されて戻り光として受信されるまでに要するレーダ光の往復時間の平均値(戻り光の平均距離時間)と標準偏差とを算出し、この戻り光の平均距離時間と標準偏差を戻り光情報28に含めた態様でメモリ18に記憶する。さらに、戻り光特徴算出部25は、メモリ18に蓄積された複数のピーク強度の平均値(戻り光の平均ピーク値)と標準偏差とを算出し、この戻り光の平均ピーク値と標準偏差を戻り光情報28に含めた態様でメモリ18に記憶する。
つまり、メモリ18には、戻り光情報28として、戻り光の平均距離時間と標準偏差、及び、戻り光の平均ピーク値と標準偏差が記憶されることになる。なお、メモリ18には、この戻り光情報28に加えて、発光部14にて生成されるレーダ光のパルス波形のピーク強度とパルス幅の関係を表す相関マップ27(図3(b)参照)が記憶されている。この相関マップ27は、検出対象の反射光や戻り光の波形がレーダ光のパルス波形とその形状が相似する関係を利用して、後述する戻り光除去距離算出部26にて使用されるものである。
[戻り光除去距離算出処理]
次に、戻り光除去距離算出部26としてマイコン20が実行する戻り光除去距離算出処理を、図5(b)に示すフローチャートに沿って説明する。なお、戻り光除去距離算出処理は、戻り光融合判定部23からの指令に従って開始される。
本処理が開始されると、マイコン20(詳細にはCPU17)は、前工程処理におけるS110で抽出したサンプリング最大値に基づいて、前工程処理におけるS130で算出した立上りタイミングを補正し(S150)、この補正した立上りタイミングと、S140にて算出した立下りタイミングとの時間的な中間点を、検出対象の反射光の受信タイミングとして検出する(S160)。そして、前述した通常距離算出処理と同様に、レーダ光の送信タイミングから、S160にて検出した受信タイミングまでの時間に基づいて、自車両と検出対象との距離として算出する(S170)。
ここで、S150における立上りタイミングの補正について、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。
まず、図6(a)及び図6(b)において、実線上の四角で表される各点がAD変換器21にてサンプリングされたサンプリング値(即ち、この実線が受信信号波形)、破線上の菱形で表される各点が戻り光に対応するサンプリング値である。
なお、戻り光に対応するサンプリング値は、戻り光融合判定部23にて戻り光と検出対象の反射光とが融合されていないと判定された場合に、戻り光に対してサンプリングされたサンプリング値である。また、各サンプリング値は、反射光の強度に対応する値であり、図6(a)及び図6(b)では、パルス波形における立上り前および立下り後の各値を平均した値をゼロとしている。
そして、図6(a)及び図6(b)において、実線で表される受信信号波形はいずれも、レーザ光が検出対象の物標に反射された反射光(検出対象の反射光)と戻り光とが融合してなるパルス波形を示している。図6(a)は、検出対象の反射光の受光強度が戻り光の受光強度よりも大きい場合を示し、図6(b)は、検出対象の反射光の受光強度が戻り光の受光強度よりも小さい場合を示している。
なお、検出対象の反射光が戻り光よりも時間的に後に出現するのは、戻り光が自車両の一部(フロントガラス)から反射された反射光であるのに対し、検出対象の反射光が車両の外部における物標から反射された反射光であることに因る。このような検出対象の反射光と戻り光との融合は、自車両と近接する障害物からの反射光を受光した場合に起こり得るものであり、例えば車両制御部30をPCSの一部として機能させる場合に、そのような障害物との距離を測定する必要性が生じてくる。
まず、検出対象の反射光の受光強度が戻り光の受光強度よりも大きい場合、マイコン20(詳細にはCPU17)は、図6(a)に示すように、前工程処理におけるS110で抽出したサンプリング最大値をパルス波形のピーク強度として、メモリ18に記憶されている相関マップ27を参照し、このピーク強度に対応するパルス幅を取得する。
そして、図6(a)に示すように、前工程処理におけるS130で算出した立上りタイミングT1に換えて、S140で算出した立下りタイミングT2を起点とし、この取得したパルス幅に基づく補正時間だけT1側にオフセットした時刻を、補正後の立上りタイミングT1´として算出する。なお、本実施形態では、ピーク検出閾値がサンプリング最大値の半分の値に設定されていることから、パルス幅に相当する時間を補正時間とすることができる。
次に、検出対象の反射光の受光強度が戻り光の受光強度よりも小さい場合、マイコン20(詳細にはCPU17)は、図6(b)に示すように、前工程処理におけるS110で抽出したサンプリング最大値が戻り光情報における平均ピーク値にほぼ等しいことから、この戻り光情報における平均ピーク値(ピーク強度)に対応するパルス幅を、メモリ18に記憶されている相関マップ27から取得する。
そして、図6(b)に示すように、前工程処理におけるS130で算出した立上りタイミングT1を起点とし、この取得したパルス幅に基づく補正時間だけT2側にオフセットした時刻を、補正後の立上りタイミングT1´として算出する。なお、本実施形態では、ピーク検出閾値がサンプリング最大値の半分の値に設定されていることから、パルス幅に相当する時間を補正時間とすることができる。
以下では、図6(a)に示すように、検出対象の反射光の受光強度が戻り光の受光強度よりも大きい場合に、マイコン20が行う戻り光除去距離算出処理を、第1の戻り光除去距離算出処理と称し、図6(b)に示すように、検出対象の反射光の受光強度が戻り光の受光強度よりも小さい場合に、マイコン20が行う戻り光除去距離算出処理を、第2の戻り光除去距離算出処理と称する。
[戻り光融合判定処理]
最後に、戻り光融合判定部23としてマイコン20が実行する戻り光融合判定処理を、図7に示すフローチャートに沿って説明する。なお、戻り光融合判定処理は、前工程処理の起動とともに開始される。
本処理が開始されると、S210では、マイコン20(詳細にはCPU17)は、前工程処理におけるS110で抽出したサンプリング最大値であるピーク強度P、S130で算出した立上りタイミングT1、及び、S140で算出した立下りタイミングT2からなる入力波形情報を取得する。なお、この入力波形情報は、一つ以上のピーク強度Pを有する受信信号波形に対応するデータ列として表される。
続くS220では、S110で取得した受信信号波形に対応する入力波形情報に基づいて、次式(1)の条件が成立するか否かを判断する。なお、次式(1)において、μrtは、メモリ18に記憶されている戻り光情報における戻り光の平均距離時間、σrtは、この戻り光の平均距離時間の標準偏差を表す(図8(a)参照)。
(T1+T2)/2 <(μrt+10σrt) …(1)
つまり、S220では、上式(1)の条件を用い、受信信号波形において一つ目のパルス波形に対応するレーダ光の往復時間が、戻り光に対応するレーダ光の往復時間(平均距離時間)μrtに所定の第1余裕時間10σrtを加算した時間を下回るか否かを判断する。
そして、上式(1)の条件が成立する場合には、反射光の受信タイミングが戻り光に対応する受信タイミングに近似する(近いタイミングである)ものとみなして、S230に移行する。一方、上式(1)の条件が不成立の場合には、反射光(サンプリング最大値を含むパルス波形)の受信タイミングと戻り光に対応する受信タイミングとを比べて、両者の時間的間隔が充分に離れているとみなして(図8(b)参照)、このパルス波形に対して前述した通常距離算出処理を開始する。
次に、S230では、S110で取得した受信信号波形に対応する入力波形情報に基づいて、次式(2)の条件が成立するか否かを判断する。なお、次式(2)において、μrpは、メモリ18に記憶されている戻り光情報における戻り光の平均ピーク値、σrpは、この戻り光の平均ピーク値の標準偏差を表す(図8(a)参照)。
P>(μrp+4σrp) …(2)
つまり、S230では、上式(2)の条件を用い、受信信号波形において一つ目のパルス波形に対応するピーク強度Pが、戻り光に対応するピーク強度μrpに所定の余裕強度4σrpを加算した値を上回るか否かを判断する。
そして、上式(2)の条件が成立する場合には、反射光の受光強度(サンプリング最大値)と戻り光に対応する受光強度とが非同一であり、検出対象の反射光と戻り光とが融合した融合波を受光したものとみなして、S250に移行する。一方、上式(2)の条件が不成立である場合には、反射光の受光強度(サンプリング最大値)と戻り光に対応する受光強度とが同一であるとみなして(図8(c)参照)、S240に移行する。
S240では、S110で取得した受信信号波形に対応する入力波形情報に基づいて、次式(3)の条件が成立するか否かを判断する。
(T1+T2)/2 >(μrt+4σrt) …(3)
つまり、S240では、上式(3)の条件を用い、受信信号波形において一つ目のパルス波形に対応するレーダ光の往復時間が、戻り光に対応するレーダ光の往復時間(平均距離時間)μrtに所定の第2余裕時間4σrtを加算した時間を下回るか否かを判断する。なお、第2余裕時間4σrtは、少なくとも前述のS210における第1の余裕時間10σrtよりも短い時間とする。
そして、上式(3)の条件が成立する場合には、反射光の受信タイミングと戻り光に対応する受信タイミングとが近似するものの非同一であることから、検出対象の反射光と戻り光とが融合した融合波を受光したものとみなして(図9(a)参照)、この融合波のパルス波形に対して前述した第2の戻り光除去算出処理を開始する。なお、第2の戻り光除去算出処理を開始する理由は、先のS230において、反射光の受光強度(サンプリング最大値)と戻り光に対応する受光強度とが同一であり、且つ、反射光の受信タイミングと戻り光に対応する受信タイミングとが非同一であることから、融合波における検出対象の反射光の受光強度が戻り光の受光強度よりも小さいといえるためである。
一方、上式(3)の条件が不成立である場合には、反射光(サンプリング最大値を含むパルス波形)が戻り光の波形と同一であるとみなして、前述した戻り光情報算出処理を実行する。なお、この場合、受信信号波形において二つ目以降のパルス波形については、前述した通常距離算出処理を実行すればよい。
最後に、S250では、S110で取得した受信信号波形に対応する入力波形情報に基づいて、次式(4)の条件が成立するか否かを判断する。但し、ピーク強度Pが飽和していないことを前提とする。なお、次式(4)において、kは、S120でピーク検出閾値を設定する際にサンプリング最大値に乗ずる係数(例えば0.5)を表す。
(P×k)<2μrp …(4)
つまり、S250では、受信信号波形において一つ目のパルス波形に対応するピーク強度Pに係数kを乗じた値が、戻り光に対応するピーク強度μrpの2倍の値よりも小さいか否かを判断する。
そして、上式(4)が成立する場合(あるいはピーク強度Pが飽和している場合)には、反射光の受光強度(サンプリング最大値)が戻り光に対応する受光強度よりも大きく、且つ、反射光の受光強度(サンプリング最大値)と戻り光に対応する受光強度との差分値が、所定の許容差分値よりも小さいものとみなして、前述した第1の戻り光除去算出処理を実行する。
なお、許容差分値は、立上りタイミングを補正することなく、検出対象の反射光の受信タイミングを適切に検出できる値として予め設定されたものである(図9(b)参照)。一方、上記の差分値が許容差分値より小さい場合には、検出対象の反射光における受信タイミングの検出に戻り光の影響が出ることになる(図9(c)参照)。
よって、上式(4)が不成立である場合には、立上りタイミングを補正する必要がないことから、前述した第1の戻り光除去算出処理を実行する。つまり、反射光の受光強度(サンプリング最大値)と戻り光に対応する受光強度との差分値が、許容差分値を上回る場合には、検出対象の反射光と戻り光とが融合している場合であっても、検出対象の反射光における受信タイミングの検出に戻り光の影響が出ないため、戻り光除去算出処理の実行を禁止するのである。
[効果]
以上説明したように、本実施形態のレーダ装置10では、受信信号波形(反射光)における受信タイミング及びピーク強度を戻り光情報と比較することで、反射光と戻り光との両者の波形が近似するものの同一でないとみなせる場合には、検出対象の反射光と戻り光とが融合した反射波を受信したものとみなし、このときのサンプリング最大値に基づくパルス幅を用いて立上りタイミングをオフセットする。
従って、本実施形態のレーダ装置10によれば、融合波に対する立上りタイミングから戻り波の影響分を除去することができ、これにより、戻り波の影響を加味しつつ、車両の外部における物標(外部物標)から送信波が反射された反射波の受信タイミングを精度よく検出することができ、その結果、特に車両に近接する外部物標との距離を適切に測定することができる。
また、レーダ装置10では、反射光と戻り光との両者の波形が同一であるとみなせる場合には、このときのサンプリング最大値と受信タイミングとによって戻り光の平均ピーク値と平均距離時間とを更新するため、戻り光情報を学習することができ、これにより、自車両のフロントガラスの状態(雨滴や埃等が付着することがある)に応じた判定を行うことができる。
さらに、レーダ装置10では、反射光と戻り光とのピーク強度が同一(つまり、実測最大値と比較最大値とが同一)であり、反射光と戻り光との受信タイミングが近似するものの同一でないとみなせる場合には、戻り光情報における平均ピーク値に基づくパルス幅を用いて立上りタイミングをオフセットする。
このため、レーダ装置10によれば、検出対象の反射光に対応するピーク強度(ひいては、立上りタイミング)を検出できない場合であっても、融合波に対する立上りタイミングから戻り波の影響分を除去することができ、その結果、車両に近接する外部物標の検出精度を向上させることができる。
[発明との対応]
なお、本実施形態において、光学ユニット13が送受信手段、AD変換器21がサンプリング手段、S110〜S120の処理を行うマイコン20が閾値設定手段、S130〜S140の処理を行うマイコン20がタイミング算出手段、S160の処理を行うマイコン20が受信タイミング検出手段、メモリ18が記憶手段、戻り光融合判定部23が戻り波判定手段、S150の処理を行うマイコン20がタイミング補正手段、戻り光特徴算出部25が更新手段、S230及びS150の処理を行うマイコン20が補正禁止手段、S170の処理を行うマイコン20が測距手段のそれぞれ一例に相当する。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
上記実施形態のレーダ装置10では、光学ユニット13によってレーダ光を送受信する構成であるが、レーダ光に限らず、例えば超音波等の他の電磁波を送受信する構成であってもよい。
また、上記実施形態のレーダ装置10では、自車両のフロントガラスからの反射光を戻り光として戻り光融合判定処理を行っているが、自車両におけるレーダ装置10の設置位置に応じて、フロントガラスに限らず、例えばドアウインドウやボンネット等からの反射光を戻り光として戻り光融合判定処理を行えばよい。
また、上記実施形態のレーダ装置10では、レーダ制御部11がS170の測距処理を行っているが、これに換えて、車両制御部30がS170の測距処理を行うようにしてもよい。
1…運転支援システム、10…レーダ装置、11…レーダ制御部、12…走査駆動部、13…光学ユニット、14…発光部、15…受光部、17…CPU、18…メモリ、20…マイコン、21…AD変換器、22…距離算出部、23…戻り光融合判定部、24…通常距離算出部、25…戻り光特徴算出部、26…戻り光除去距離算出部、27…相関マップ、28…戻り光情報、30…車両制御部、50…物体、100…車両。

Claims (7)

  1. 車両の室内に設置されるレーダ装置であって、
    パルス波形の送信波を送信し、該送信波の反射波を含む信号を受信して受信信号を生成する送受信手段と、
    前記送受信手段にて生成した受信信号をサンプリングするサンプリング手段と、
    前記送受信手段による前記送信波の送信タイミングからの所定時間内に前記サンプリング手段にて得られた複数のサンプリング値からなるパルス波形のうち、該サンプリング値の最大値であるサンプリング最大値に基づいて、前記反射波の受信タイミングを決定するための閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記閾値設定手段にて設定した閾値を前記サンプリング値が上回る立上りタイミングと、該閾値を前記サンプリング値が下回る立下りタイミングとを算出するタイミング算出手段と、
    前記タイミング算出手段にて算出した立上りタイミングと立下りタイミングとの中間点を前記反射波の受信タイミングとして検出する受信タイミング検出手段と、
    前記所定時間内に前記車両の一部から前記送信波が反射されて得られる反射波を戻り波とし、該戻り波に対応する前記受信タイミング及び前記サンプリング最大値を含む戻り波情報を記憶する記憶手段と、
    前記受信タイミング検出手段にて検出した前記反射波の受信タイミング、前記記憶手段に記憶されている前記戻り波に対応する受信タイミングと、の時間的間隔が、所定の第1余裕時間を下回る場合に、前記戻り波情報を用いて、前記サンプリング最大値を含むパルス波形が前記戻り波の波形と同一であるか否かを判定する戻り波判定手段と、
    前記戻り波判定手段にて前記サンプリング最大値を含むパルス波形が前記戻り波の波形と非同一であると判定した場合に、前記サンプリング最大値に基づくパルス幅を用いて、前記タイミング算出手段にて算出される立上りタイミングを補正するタイミング補正手段と、
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記戻り波判定手段にて前記サンプリング最大値を含むパルス波形が前記戻り波の波形と同一であると判定した場合、該サンプリング最大値と前記タイミング算出手段にて算出した立上りタイミング及び立下りタイミングとに基づいて、前記記憶手段に記憶されている戻り波情報を更新する更新手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記サンプリング手段にて得られたサンプリング最大値を実測最大値、前記戻り波情報に含まれているサンプリング最大値を比較最大値とし、
    前記戻り波判定手段にて前記サンプリング最大値を含むパルス波形が前記戻り波の波形と非同一であると判定した場合、前記実測最大値と前記比較最大値との差分値が予め設定された許容差分値を上回る場合には、前記タイミング補正手段による前記立上りタイミングの補正を禁止する補正禁止手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記タイミング補正手段は、前記実測最大値から前記比較最大値を引いた差分値が、非負であり、且つ、前記許容差分値以下である場合には、前記実測最大値に基づくパルス幅を用いて前記立上りタイミングを補正することを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 前記サンプリング手段にて得られたサンプリング最大値を実測最大値、前記戻り波情報に含まれているサンプリング最大値を比較最大値とし、
    前記タイミング補正手段は、前記実測最大値前記比較最大値との差分値が所定の余裕強度以下である場合には、前記比較最大値に基づくパルス幅を用いて、前記立上りタイミングを補正することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  6. 前記送受信手段は、前記車両の進行方向側における複数の領域に前記送信波を送信し、
    前記記憶手段は、該各領域にそれぞれ対応する前記戻り波情報を記憶していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  7. 前記送受信手段による前記送信波の送信タイミングと、前記受信タイミング検出手段にて検出された受信タイミングとに基づいて、前記車両の外部における物標との距離を測定する測距手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のレーダ装置。
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