JP5741413B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼帯およびその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼帯およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼帯およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、590MPa以上の高い引張強さを有しつつも良好な曲げ性と延性とを併せ持つ合金化溶融亜鉛めっき鋼帯およびその製造方法に関する。
近年、CO2排出量削減を目的とした車体軽量化による燃費向上や衝突安全基準の厳格化の観点から、車体部品の高強度化が推進されている。また、車体デザインの多様化に伴い、成形性の観点から、高い強度のみならず延性や曲げ性といった成形性に優れた鋼板が要求されるようになってきている。したがって、一般にトレードオフの関係にある強度と成形性とを高い次元で両立させることが重要となる。
高い強度を有しながら優れた延性をも有する鋼板として、残留オーステナイト鋼板が知られている。残留オーステナイト鋼板は、SiやAlを多量に含有させることにより鋼中にオーステナイトを残留させるものであり、鋼板にプレス成形等の加工が施されると、この残留オーステナイトが歪誘起塑性変態によってマルテンサイトに変態することにより優れた延性を発現すると同時に高強度が実現される。
このように優れた延性を示す残留オーステナイト鋼板ではあるが、複合組織鋼板と同様に曲げ性に劣る。これは、残留オーステナイトが歪誘起塑性変態することにより生じたマルテンサイトが非常に硬質であり、周囲の組織との硬度差が大きいため、曲げ加工時の割れの起点となるためである。
そこで、残留オーステナイト鋼板について曲げ性を向上させることが検討されている。
例えば、特許文献1には、残留オーステナイト鋼板について、冷間圧延後にオープン箱焼鈍による脱炭焼鈍を施して鋼板表層部を脱炭し、その後で連続焼鈍を施すことにより、曲げ性を向上させることが開示されている。
一方、車体部品に使用される鋼板には高い耐食性も求められるようになってきており、残留オーステナイト鋼板についても高い耐食性を有する合金化溶融亜鉛めっきが施された鋼板が求められている。
しかしながら、上述したように、残留オーステナイト鋼板は、SiやAlを多量に含有させることにより鋼中にオーステナイトを残留させるものであるところ、SiやAlといった易酸化性元素は、鋼板表面に濃化して酸化物を形成するため、合金化溶融亜鉛めっきを施す際にめっき密着性や合金化処理性を劣化させる原因となる。また、鋼中に多量のSiやAlを含むと、熱間圧延工程の粗熱間圧延後のスケール剥離性を劣化させるため、仕上熱間圧延後の熱延鋼板の表面には不均一に島状に分布した厚いスケール(以下、「島状スケール」ともいう。)が生じ易い。
前者の問題に関しては、多量のSiやAlを含む高強度高延性合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着性や合金化処理性に対する改善手法が、特許文献2をはじめとする多数の特許文献に開示されている。
また、後者の問題に関しては、熱間圧延工程の粗熱間圧延後のスケール剥離性を高める方法として、スラブを粗熱間圧延して粗バーとした後、粗バーの表面を加熱し、次いで粗バーの表面に高圧水を噴射して表面のスケールを除去する方法が特許文献3に開示されている。この技術は、デスケーリング前に鋼材表面を高温状態にすることが、スケール剥離性を高めるのに有効であるとの知見に基づくものである。その理由は、スケール基底部のファイアライト層の融点(1210℃)以上に加熱することにより、地鉄側からのFeイオンの拡散を起こり易くしてスケールを厚く生成した状態でデスケーリングを行うためとされている。
特開平2−175839号公報 特表2006−517257号公報 特開2001−323324号公報
特許文献1によれば、曲げ加工性に優れた残留オーステナイト鋼板が得られるとされている。しかしながら、特許文献1に記載された方法は、鋼板表層部を脱炭するために高温長時間に保持するオープン箱焼鈍という新たな工程を追加するものであり、製造コストの増加および生産性の低下を招くため好ましくない。
ここで、オープン箱焼鈍に代えて連続焼鈍により脱炭焼鈍を施すことが考えられるが、連続焼鈍設備においては脱炭が生じないように炉内雰囲気を制御することが通常であるので、一部の鋼種について脱炭焼鈍を施すために慣性の大きな炉内雰囲気を変更することは、制御が困難であるうえに、著しい生産性の低下をもたらす。
しかも、連続溶融亜鉛めっき設備において脱炭焼鈍を施すことが可能な高温状態に保持されるのは無酸化炉や還元炉であるが、これらの炉内雰囲気は良好な溶融めっき性を確保するために制御されているため、良好な曲げ性を確保するのに十分な脱炭焼鈍を施すことは困難である。このため、脱炭焼鈍のための連続焼鈍という新たな焼鈍工程を追加することに変わりはなく、製造コストの増加および生産性の低下を招く。
特許文献2に開示された方法は、多量のSiやAlを含む高強度高延性合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき性が改善されると説明されている。しかしながら、熱間圧延工程で生成する島状スケールを抑制して、めっき鋼板表面に現れる島状スケール模様を抑制することについて検討されていないため、鋼板表面の美観を損なうという問題がある。
特許文献3に開示された方法によれば、熱間圧延工程の粗熱間圧延後のスケール剥離性が高められ、島状スケールの形成を効果的に抑制することができる。しかしながら、加熱装置の能力が小さい場合には粗バーに十分な加熱を施すことができない場合があり、結果として、ファイアライトの融点に到達せず、熱間圧延工程における粗熱間圧延後のスケール剥離性の向上や島状スケールの形成の抑制には至らない場合がある。
このように、残留オーステナイト鋼板の曲げ性を向上させることについて、工業的生産に適した製造条件の検討は未だ不十分であり、さらに残留オーステナイト鋼板のように多量のSiやAlを含有する鋼板について、熱間圧延工程において生成する島状スケールに起因するめっき表面の島状スケール模様が抑制された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造条件の確立について改善が求められている。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、高い強度を有しつつも優れた延性と曲げ性とを有し、さらに、島状スケール模様が抑制された良好な表面性状を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼帯およびその工業的生産に適した製造方法を提供することを課題とする。
ここで、本発明における具体的な機械特性の目標は、引張強さが590MPa以上の高強度を有し、n値が0.15以上である優れた延性を有し、180度曲げにおける限界曲げ半径が板厚の2倍以下である優れた曲げ性を有することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
先ず、残留オーステナイト鋼板に優れた曲げ性を具備させる方法として、本発明者らは、特許文献1に開示されるような冷間圧延後に脱炭焼鈍を施す方法ではなく、熱間圧延工程における巻取後にスケール脱炭を生じさせて利用することを新たに着想した。すなわち、熱間圧延工程の巻取後において積極的にスケール脱炭を促進させることにより、脱炭焼鈍のような新たな工程を追加することなく、鋼板表層部を脱炭することを可能とするのである。
しかしながら、残留オーステナイト鋼板は、SiやAlを多量に含有するため、熱間圧延工程において島状スケールが生成しやすく、島状スケールが生成すると、熱間圧延工程の巻取後におけるスケール脱炭にムラが生じ、安定した曲げ性を確保することが困難となることが判明した。島状スケールの生成は、また、最終製品である合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の表面性状を劣化させたり、熱間圧延後の冷却過程において温度ムラを生じ、これにより機械特性を変動させたりするので好ましくない。
そこで、残留オーステナイト鋼板の島状スケールの生成を抑制することについて鋭意検討を行った。
その結果、連続鋳造工程において特定のモールドフラックスを用いて連続鋳造するとともに、熱間圧延工程の粗熱間圧延後において特定の条件下でデスケーリングを施すことにより、残留オーステナイト鋼板の島状スケールの生成を抑制することができることを新たに見出した。
さらに、熱間圧延工程の圧延完了温度および圧延後の冷却条件、ならびに、連続溶融亜鉛めっき設備における熱処理条件を特定の条件とすることにより、優れた成形性を有する残留オーステナイト鋼板が得られることを見出した。
上記検討によって得られた新たな知見に基づいて完成した本発明は、次の通りである。
鋼板表面に合金化溶融亜鉛めっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼帯であって、
前記鋼板は、質量%で、C:0.02%以上0.30%以下、Si:0.05%以上2.0%以下、Mn:0.5%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.001%以上2.0%以下およびN:0.015%以下を含有する化学組成と、残留オーステナイトを2.0面積%以上含有する鋼組織と、下記式(1)を満足する板厚方向のC濃度分布とを有し、
前記合金化溶融亜鉛めっき層は、Fe濃度が3質量%以上20質量%以下であり、
前記合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、島状スケール模様の面積率が10%未満であり、かつ引張強さが590MPa以上であることを特徴とする、合金化溶融亜鉛めっき鋼帯:
Cs/Cb≦0.85 ・・・ (1)
式中、Csは鋼板表面から10μm深さ位置におけるC濃度(質量%)、Cbは鋼板表面から50μm深さ位置におけるC濃度(質量%)である。
本発明において、前記化学組成は、下記(a)〜(c)から選択された1種又は2種以上の元素をさらに含有していてもよい:
(a)質量%で、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種;
(b)質量%で、Ti:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選択された1種または2種以上;ならびに
(c)質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下およびBi:0.1%以下からなる群から選択された1種または2種以上。
別の側面から、本発明は下記工程(A)〜(E)を有することを特徴とする上記合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法である:
(A)溶鋼を、質量%で、P:0.5%以上4.0%以下およびB:1.0%以上8.0%以下を含有するモールドフラックスを用いて連続鋳造することによりスラブとする連続鋳造工程;
(B)前記スラブに粗熱間圧延を施して粗バーとし、前記粗バーを1180℃以上としてから5秒間以内に高圧水デスケーリングを施して仕上熱間圧延に供し、850℃以上で圧延を完了し、5℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で冷却して550℃以上の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(C)前記熱延鋼板に酸洗を施して酸洗鋼板とする酸洗工程;
(D)前記酸洗鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(E)前記冷延鋼板に、連続溶融亜鉛めっき設備の還元炉において750℃以上900℃以下の2相共存温度域に30秒間以上600秒間以下保持し、350℃以上550℃以下の温度域まで冷却して、この温度域に10秒間以上100秒間以下保持した後、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施し、続いて470℃以上650℃以下の温度域に5秒間以上180秒間以下保持する合金化処理を施す連続溶融亜鉛めっき工程。
本発明により、590MPa以上の高い引張強さを有しつつも良好な曲げ性と延性とを有する合金化溶融亜鉛めっき鋼帯およびその製造方法とが提供される。本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、特に自動車のメンバーや足廻り部品に代表される構造部材の素材として最適である。
以下に、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼帯およびその製造方法について、より具体的に説明する。以下の説明において、鋼板の化学組成に関する%は質量%である。
1.鋼板の化学組成
(1)C:0.02%以上0.30%以下
Cは鋼の強度を高める作用を有する元素であり、本発明においては590MPa以上の引張強さを確保するのに重要な元素である。C含有量が0.02%未満では590MPa以上の引張強さを確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.02%以上とする。好ましくは0.03%以上である。一方、C含有量が0.30%超では靱性や溶接性の低下が著しくなる。したがって、C含有量は0.30%以下とする。好ましくは0.20%以下である。
(2)Si:0.05%以上2.0%以下
Siはフェライト生成元素であり、連続焼鈍においてフェライト生成を促して、後述するMnの作用と相俟ってオーステナイトへのCの濃化を促進することによりオーステナイトを安定化させる作用を有するので、最終製品においてオーステナイトを残留させて良好な延性を確保するのに有効な元素である。また、固溶強化により鋼の強度を高める作用を有する。Si含有量が0.05%未満では、2.0面積%以上の残留オーステナイト確保することが困難な場合がある。したがって、Si含有量は0.05%以上とする。好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.5%以上である。
一方、Si含有量が2.0%を超えると、ファイアライトの融点の上昇が著しくなり、熱間圧延工程におけるスケール剥離性が著しく低下し、島状スケール模様として製品表面に多量に残存する場合がある。また、溶融亜鉛めっきを施す際の不めっきや合金化処理時の処理不足の原因となる場合がある。したがって、Si含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.50%以下である。
(3)Mn:0.5%以上3.0%以下
Mnはオーステナイト生成元素であり、連続焼鈍においてオーステナイトを確保して、上記Siの作用と相俟ってオーステナイトへのCの濃化を促進することによりオーステナイトを安定化させる作用を有するので、最終製品においてオーステナイトを残留させて良好な延性を確保するのに有効な元素である。また、変態強化により鋼の強度を高める作用を有する。Mn含有量が0.5%未満では、2.0面積%以上の残留オーステナイト確保することが困難な場合がある。したがって、Mn含有量は0.5%以上とする。好ましくは1.0%以上である。
一方、Mn含有量が3.0%を超えると、連続焼鈍におけるフェライト生成が阻害され、オーステナイトへのCの濃化を促進することによりオーステナイトを安定化させることができずに、最終製品において2.0面積%以上の残留オーステナイト確保することが困難な場合がある。また、バンド組織が発達して局部伸びの低下が著しくなる場合がある。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%以下である。
(4)P:0.03%以下
Pは不純物として含有され、鋼の靱性を劣化させる作用を有する。また、溶融亜鉛めっき後の合金化処理工程において亜鉛と鉄との反応を抑制する。P含有量が0.03%を超えると上記作用による悪影響が顕著となる。したがって、P含有量は0.03%以下とする。
(5)S:0.02%以下
Sは不純物として含有され、鋼中に硫化物を形成して曲げ性を劣化させる作用を有する。S含有量が0.02%超えると上記作用による悪影響が顕著となる。したがって、S含有量は0.02%以下とする。好ましくは0.01%以下である。
(6)sol.Al:0.001%以上2.0%以下
Alは脱酸により鋼を健全化する作用を有する。sol.Al含有量が0.001%未満では上記作用による効果を得ることができない。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは0.03%以上である。
一方、sol.Al含有量が2.0%を超えると、Siと同様に、ファイアライトの融点の上昇が著しくなり、熱間圧延工程におけるスケール剥離性が著しく低下し、島状スケール模様として製品表面に残存するようになる。また、溶融亜鉛めっきを施す際の不めっきや、合金化処理時の処理不足の原因となる。したがって、sol.Al含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.6%以下である。
(7)N:0.015%以下
Nは不純物として含有され、その含有量が過剰になると曲げ性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.015%以下とする。好ましくは0.008%以下である。
(8)Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種
CuおよびNiは、任意元素であり、いずれも鋼の強度を高める作用および溶融亜鉛めっき工程におけるめっき濡れ性を向上させる作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種を含有させてもよい。
しかし、Cu含有量が1.0%を超えると、熱間圧延工程において液体赤熱脆性等を惹き起こして、靭性を著しく低下させてしまう場合がある。Ni含有量が1.0%を超えると、延性に悪影響を及ぼす場合がある。また、Niは高価な元素であるためコスト的に不利となる。したがって、いずれの元素も含有量を1.0%以下とする。上記作用による効果をより確実に得るには、いずれかの元素の含有量を0.001%以上とすることが好ましく、いずれかの元素の含有量を0.1%以上とすることがさらに好ましい。
(9)Ti:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選択された1種または2種以上
Ti、Nb、V、Cr、MoおよびBは、任意元素であり、いずれも鋼の焼入性を高める作用を有し、高強度化に有用な元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。
しかしながら、これらの元素のいずれかを上記範囲を超えて含有させると、延性の低下が著しくなるとともにコスト的に不利となる。したがって各元素の含有量は上記範囲とする。上記作用による効果をより確実に得るには、Ti:0.01%以上、Nb:0.02%以上、V:0.02%以上、Cr:0.02%以上、Mo:0.01%以上およびB:0.0001%以上のいずれかを満足させることが好ましい。
(10)REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下およびBi:0.1%以下からなる群から選択された1種または2種以上
REM(希土類元素)、Mg、CaおよびBiは、任意元素であり、REM、MgおよびCaは酸化物や硫化物を微細に球状化することにより、また、Biは凝固偏析を軽減することにより、いずれも曲げ加工性を向上させる作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。
しかしながら、REM、MgおよびCaのいずれかを上記範囲を超えて含有させると、鋼中に酸化物や硫化物を多量に形成してしまい、曲げ性の低下が著しくなる。また、Biは、上記範囲を超えて含有させても、上記作用は飽和していたずらにコストの増加を招く。したがって各元素の含有量は上記範囲とする。上記作用による効果をより確実に得るには、これらの元素のいずれかを0.0005%以上含有させることが好ましい。
ここで、REMとは、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素を指し、ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。なお、本発明では、REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を指す。
2.鋼板の鋼組織
鋼板の鋼組織は、残留オーステナイトを2.0面積%以上含有するものとする。
残留オーステナイトは、成形等により変形を受けた際にマルテンサイトに変態して変態誘起塑性を呈するので、高い強度と良好な延性とを高い次元で両立することを可能にする。残留オーステナイトの面積率が2.0%未満では、変態誘起塑性による延性向上作用を十分に得られない場合がある。したがって、残留オーステナイトの面積率は2.0%以上とする。好ましくは3.0%超、さらに好ましくは5.0%以上である。本発明における残留オーステナイトの面積率は板厚の1/4深さ位置におけるものである。
残留オーステナイトの面積率の上限は特に限定しないが、残留オーステナイトの面積率が25%超では、成形後の状態におけるマルテンサイトの面積率が高くなり、耐二次加工性や耐衝撃性において問題を来たす場合がある。したがって、残留オーステナイトの面積率は25%以下とすることが好ましい。
鋼板の残りの鋼組織は、フェライト、ベイナイト、マルテンサイトから選ばれた1種又は2種以上を含むものである。
鋼組織における残留オーステナイトの割合は、鋼組成以外に、合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の製造過程における熱履歴、特に熱間圧延完了から巻取開始までの冷却速度、連続溶融亜鉛めっきにおけるめっき前の熱処理およびめっき後の合金化熱処理に依存して変動する。本発明では、製造工程におけるそれらの条件を調整して.残留オーステナイトの面積率が2.0%以上となるようにすることができる。
3.鋼板の板厚方向のC濃度分布
本発明では鋼板の板厚方向のC濃度分布は、下記式(1)を満足する。
Cs/Cb≦0.85 ・・・ (1)
ここで、Csは、鋼板表面から10μm深さ位置におけるC濃度(質量%)であり、Cbは、鋼板表面から50μm深さ位置におけるC濃度(質量%)である。すなわち、Csは表面近傍のC濃度を、CbはバルクのC濃度を示す。式(1)は鋼板表層部のC濃度が鋼板全体のC濃度より低いことを意味する。
曲げ加工における割れの起点は、鋼板内部に比して大きな変形を受ける鋼板表層部である。本発明では、上記式(1)を満足する板厚方向のC濃度分布を具備させることにより、曲げ加工において割れの起点となる硬質相の割合が鋼板表層部において低減しているため、高い強度と良好な曲げ性とを高い次元で両立することが可能になる。鋼板の板厚方向のC濃度分布が上記式(1)を満足しないと、曲げ性が低下し、180度曲げにおける限界曲げ半径が板厚の2倍以下という曲げ性が得られない場合がある。Cs/Cbの値は、好ましくは0.80以下であり、より好ましくは0.75以下である。この値が0.80以下では上記限界曲げ半径が板厚の1倍以下となり、0.75以下では180度密着曲げが可能になる。
Cs/Cbの下限は特に制限されないが、通常は0.10以上である。
上記式(1)を満たす鋼板板厚方向のC濃度分布は、熱延鋼板の巻取後にスケール脱炭を行わせて、鋼板表面近傍を脱炭することにより得ることができる。
板厚方向のC濃度分布は、後述する実施例で説明するように、高周波グロー放電分光分析(GDS)により求める。この方法は、Arプラズマにより試料をスパッタリングしながら、スパッタされた原子を原子発光させて元素分析を行うため、非常に迅速な分析が可能である。
4.合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度
合金化溶融亜鉛めっき層は、Fe濃度が3質量%以上20質量%以下であるものとする。周知のように、このFe濃度は溶融亜鉛めっき後の合金化処理条件に依存する。
溶融亜鉛めっきを施した後に合金化処理を施すことによりめっき密着性を向上させることが可能となる。合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度が3質量%未満では、合金化処理によるめっき密着性の向上作用が十分に得られない場合がある。したがって、Fe濃度は3質量%以上とする。好ましくは7質量%以上である。一方、Fe濃度が20質量%超では、耐パウダリング性が劣化する場合がある。したがって、Fe濃度は20質量%以下とする。好ましくは18質量%以下である。
なお、鋼板の片面当りのめっき付着量は、防食性の観点からは3g/m2以上とすることが好ましい。さらに好ましくは6g/m2以上である。一方、溶接時にブローホールなどの欠陥を防止する観点からはめっき付着量を150g/m2以下とすることが好ましい。さらに好ましくは100g/m2以下である。
また、合金化溶融亜鉛めっき層の表面には、有機系又は無機系の被膜を施してもよい。この場合でも本発明の効果は損なわれない。有機系被膜の例は有機樹脂被膜であり、無機系被膜の例は、リン酸塩、ケイ酸塩などの被膜である。
5.合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の表面性状
合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、島状スケール模様の面積率が10%未満であるものとする。「島状スケール模様」とは、熱延鋼板の表面に発生した島状スケールが酸洗と冷間圧延を経ても凹凸として鋼板表面に残り、それが溶融亜鉛めっき後にも目視で識別できる模様となって現れ、合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の外観を悪化させるものである。
熱延鋼板の表面に生じた島状スケールは、スケール脱炭時にムラを生じさせることで、安定した曲げ性を確保するのを阻害したり、或いは熱間圧延後の冷却過程における温度ムラを生じて機械特性を変動させたりという、美観以外の悪影響も生ずる。
島状スケール模様の面積率が10%以上では、表面外観の不良により歩留りの低下が著しくなる上、上記の悪影響も顕著になる。したがって、島状スケール模様の面積率は10%未満とする。
本発明では、島状スケール模様の面積率は、鋼帯表面のスキャナ像を粒子解析することにより測定した。
6.合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の機械特性
合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、590MPa以上の引張強さを有するものとする。
引張強さが590MPa未満では、そもそも強度が低く成形性が良好であり、SiやAlといった易酸化性元素を多量に含有させる必要性に乏しいことから、本発明によらずとも目的とする強度と成形性を得ることが容易である。したがって、引張強さは590MPa以上とする。引張強さは好ましくは600MPa以上である。本発明は、例えば、800MPa以上といった高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼帯にも適用可能である。
7.合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、次に述べる方法により製造することができる。
(1)連続鋳造工程
連続鋳造工程においては、上記化学組成を有する溶鋼を、質量%で(以下同様)、P25:0.5%以上4.0%以下およびB23:1.0%以上8.0%以下を含有するモールドフラックスを用いて連続鋳造することによりスラブとする。
熱間圧延工程の粗熱間圧延後のスケール剥離性を高めるために、後述するように粗熱間圧延後の粗バーを1180℃以上としてスケールを厚く生成させた後に、高圧水を噴射することにより高圧水デスケーリングを施す。
ここで、粗熱間圧延後の粗バーを1180℃以上とした際にスケールを厚く生成させるには、スケールと地鉄界面間に形成されるファイアライト層の融点以上の温度とし、ファイアライト層が有する物質移動阻害作用を軽減することが重要なポイントとなる。すなわち、このプロセスによってスケール剥離性を向上させるには、ファイアライトの融点を低下させることが効果的である。
発明者らは、鋳片表面のスケール生成に及ぼすモールドフラックスの影響について、鋭意調査を重ねた結果、以下の事実を見出すに到った。
(1)溶融したモールドフラックスと溶鋼との界面張力が低く、溶鋼に溶融フラックスが濡れやすい場合には、鋳片表面に多くのモールドフラックスが付着し、スケール中のモールドフラックス由来成分の含有率が増える。
(2)モールドフラックス由来成分は、スケールと地鉄界面近くのファイアライト層中に選択的に濃化し、ファイアライトの融点を効果的に下げる作用を有する。
(3)モールドフラックス中にP25またはB23が含有されると、ファイアライト層中にこれら酸化物が濃化し、その融点を降下させる作用が強められる。
(4)これらは単体で含有しても効果的であるが、組み合わせて含有すると相乗的に効果を発揮し、加熱装置の能力が小さい場合であってもファイアライト層の融点以上とすることを容易にする。
したがって、モールドフラックスにおけるP25含有量が0.5%未満であったり、B23含有量が1.0%未満であったりすると、ファイアライトの融点を十分に低下させることができずに、後述するデスケーリングを施しても島状スケールの生成を抑制することができずに、優れた機械特性や表面性状を確保することが困難となる。したがって、モールドフラックスにおけるP25含有量は0.5%以上、B23含有量は1.0%以上とする。
一方、モールドフラックスにおけるP25含有量が4.0%超であったり、B23含有量が8.0%超であったりすると、これらの元素がモールドフラックスの物性に与える影響が顕著となり、元来モールドフラックスに必要とされる物性を確保することが困難となる。したがって、モールドフラックスにおけるP25含有量は4.0%以下、B23含有量は8.0%以下とする。
なお、鋳型と凝固シェルとの間隙に流入した溶融モールドフラックスが形成するフラックスフィルムの熱伝達係数を適度に抑え、凝固シェルが鋳型内で強冷却されるのを防ぎ、鋳片表面の割れの発生を防ぐ観点からは、モールドフラックスの凝固温度を1050℃以上とすることが好ましい。一方、フラックスフィルム中の液相の割合を適度に確保して、良好な潤滑性を確保する観点からは、モールドフラックスの凝固温度を1280℃以下とすることが好ましい。
また、モールドフラックスの凝固温度を1050℃以上とする観点からは、モールドフラックスにおけるCaOとSiO2との質量比CaO/SiO2は0.6以上とすることが好ましい。一方、モールドフラックスの溶鋼との濡れ性を確保し、ファイアライト中へのモールドフラックス由来成分の濃化を促進し、ファイアライトの融点を効果的に低下させる観点からは、モールドフラックスにおけるCaOとSiO2との質量比CaO/SiO2は2.0以下とすることが好ましい。
(2)熱間圧延工程
上記連続鋳造工程により得られたスラブに粗熱間圧延を施して粗バーとし、粗バーの温度を1180℃以上としてから5秒間以内に高圧水デスケーリングを施した後、仕上熱間圧延に供し、850℃以上で圧延を完了し、5℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で冷却して、550℃以上の温度域で巻き取って熱延鋼板とする。
粗バーを1180℃以上としてから5秒間以内に高圧水デスケーリングを施すのは、スケールを厚く生成させてスケール剥離性を高めた状態で高圧水スプレーによりデスケーリングを施すためである。それにより、スケールを効率よく除去することができる。高圧水デスケーリングは、10MPa以上の水圧で実施することが好ましい。
高圧水デスケーリングを施す前の粗バーの温度が1180℃未満では、ファイアライトが溶融しないため、スケールを厚く生成させてスケール剥離性を高めることが困難となる。したがって、高圧水デスケーリングを施す前の粗バーの温度は1180℃以上とする。粗バーを加熱することにより1180℃としてもよいが、粗熱間圧延後においてなお1180℃以上の温度を確保できるならば、加熱を施さずに高圧水スプレーによるデスケーリングを施してもよい。粗バーを加熱装置により加熱する場合には、加熱装置の負荷を軽減する観点から、粗バーの温度は1250℃以下とすることが好ましい。
粗バーの温度を1180℃以上としてからデスケーリングを施すまでの時間が5秒間を超えると、鋼板表層近傍温度が低下してファイアライトが再凝固してしまい、スケール剥離性が低下する場合がある。したがって、粗バーの温度を1180℃以上としてからデスケーリングを施すまでの時間は5秒間以下とする。この時間は短いほど好ましいので、好ましくは4秒以下、さらに好ましくは3秒以下である。
高圧水デスケーリングを施した粗バーを次いで、仕上圧延に供する。熱間圧延は850℃以上の温度で完了させる。熱間圧延工程での圧延完了温度が850℃未満では、2相域圧延となって、鋼板内で硬質ムラが発生し、鋼板形状が損われる場合がある。圧延完了温度の上限は特に規定しないが、(Ar点+150℃)以下とすることが好ましい。
熱間圧延完了から巻取開始までの平均冷却速度が5℃/秒未満では、フェライトが過度に粗大な組織となり、連続溶融亜鉛めっき工程の均熱処理においてオーステナイト分率を高めることが困難となり、最終製品において2.0%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、仕上熱間圧延完了から巻取開始までの平均冷却速度は5℃/秒以上とする。この冷却速度は好ましくは10℃/秒以上、より好ましくは15℃/秒以上である。
一方、熱間圧延完了から巻取開始までの平均冷却速度が200℃/秒超では、フェライト生成が不十分となり、連続溶融亜鉛めっき工程においてオーステナイトへのCの速やかな濃縮を進行させることが困難となり、最終製品において2.0%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、仕上熱間圧延完了から巻取開始までの平均冷却速度は200℃/秒以下とする。好ましくは100℃/秒以下である。
巻取温度は、巻取後に起こるスケール還元に伴う鋼板表面近傍の脱炭(スケール脱炭)を促進させるために550℃以上とする。巻取温度が550℃未満では、スケール脱炭が不十分となって上記式(1)を満足する板厚方向のC濃度分布を実現することができず、優れた曲げ性を得ることが困難となる。また、硬質相が多くなり、冷間圧延工程において冷間圧延を施すことが困難となるため好ましくない。合金化処理性を一層向上させる観点からは、巻取温度は680℃以上とすることが好ましい。巻取温度の上限は特に規定しないが、良好な酸洗性を確保する観点からは750℃以下とすることが好ましい。
なお、熱間圧延に供するスラブの温度は、ファイアライトが溶融した状態として、粗熱間圧延前に施すデスケーリングによって良好なデスケーリング性を確保し、粗熱間圧延時のロール疵等の発生を防止する観点から、1150℃以上とすることが好ましい。1200℃以上とすることがさらに好ましい。一方、熱間圧延に供するスラブを加熱炉に装入して加熱する場合には、加熱炉在炉時間が長時間となり生産性が低下するのを防ぐ観点から、1300℃以下とすることが好ましい。
(3)酸洗工程および冷間圧延工程
酸洗および冷間圧延は常法に従って実施すればよい。酸洗工程では、巻取後に生成したスケールが除去され、鋼板表面近傍の脱炭により上記式(1)を満足する板厚方向のC濃度分布が有する鋼板が得られる。冷間圧延における圧下率は特に制限されないが、一般には30〜70%の範囲内である。冷間圧延は多段圧延または一段圧延で実施できる。
(4)連続溶融亜鉛めっき工程
冷間圧延工程で得られた冷延鋼板を、連続溶融亜鉛めっき設備の還元炉において、750℃以上900℃以下の2相共存温度域に30秒間以上600秒間以下保持し、350℃以上550℃以下の温度域まで冷却して、この温度域に10秒間以上100秒間以下保持した後、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施し、続いて470℃以上650℃以下の温度域に5秒間以上180秒間以下保持する合金化処理を施す。連続溶融亜鉛めっき設備では、還元炉での加熱前に冷延鋼板をまず無酸化炉で加熱するのが普通である。
還元炉における保持は、熱間圧延工程において形成された炭化物を再固溶させるとともにフェライトとオーステナイトの2相共存状態としてフェライトからCを排出させてオーステナイトへのC濃化を促進することにより、オーステナイトの安定化を図り、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保するために行う。
還元炉における保持温度(均熱温度)が750℃未満では、熱間圧延工程において形成された炭化物の再固溶が遅滞するため、オーステナイトへのC濃化を促進することができず、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、上記均熱温度は750℃以上とする。好ましくは800℃以上である。
一方、還元炉における均熱温度が900℃超では、オーステナイト単相域またはオーステナイト面積率が過大となるため、オーステナイトへのC濃化を促進することができず、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、上記均熱温度は900℃以下とする。
また、還元炉において750℃以上900℃以下の温度域に保持する時間(均熱時間)が30秒間未満では、熱間圧延工程において形成された炭化物が十分に再固溶しないまま残存する可能性が高く、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、750℃以上900℃以下の温度域に保持する時間は30秒間以上とする。好ましくは60秒以上である。750℃以上900℃以下の温度域に保持する時間の上限は特に規定しないが、生産性の観点から600秒間以下とすることが好ましい。一般には200秒以下で十分なことが多い。
還元炉における上記均熱の後、350℃以上550℃以下の温度域まで冷却し、この温度域に10秒間以上100秒間以下保持する。これにより、オーステナイトの一部をベイナイト変態させ、ベイナイトからCを排出させてオーステナイトへのC濃化を促進することにより、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが可能になる。
保持温度が550℃超では、オーステナイトが炭化物に分解してしまうため、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、保持温度は550℃以下とする。
保持温度が350℃未満では、オーステナイトの大半がマルテンサイトに変態するため、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、保持温度は350℃以上とする。好ましくは400℃以上である。
350℃以上550℃以下の温度域における保持時間が10秒間未満では、ベイナイト変態の進行が不十分となり、オーステナイトへのC濃化を促進することができず、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、保持時間は10秒間以上とする。好ましくは20秒以上である。
350℃以上550℃以下の温度域における保持時間が100秒間超では、炭化物が生成してしまい、オーステナイトへのC濃化を促進することができず、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。したがって、保持時間は100秒間以下とする。
上記350℃以上550℃以下の温度域における10秒間以上100秒間以下の保持の後、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施し、さらに、470℃以上650℃以下の温度域に5秒間以上180秒間以下保持する合金化処理を施す。これにより、Fe濃度が3質量%以上20質量%以下である合金化溶融亜鉛めっき層を鋼板表面に形成させ、優れた耐食性を具備させる。
合金化処理温度が470℃未満では、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応の進行が不十分となり、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度を3質量%以上とすることが困難となる。したがって、合金化処理温度は470℃以上とする。好ましくは500℃以上である。
合金化処理温度が650℃超では、オーステナイトの炭化物への分解が進行してしまうため、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。また、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応が過度に進行してしまい、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度を20質量%以下とすることが困難となる。したがって、合金化処理温度は650℃以下とする。
470℃以上650℃以下の合金化処理温度域における保持時間が5秒間未満では、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応の進行が不十分となり、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度を3質量%以上とすることが困難となる。したがって、470℃以上650℃以下の合金化処理温度域における保持時間は5秒間以上とする。好ましくは10秒間以上である。
470℃以上650℃以下の温度域における保持時間が180秒間超では、オーステナイトの炭化物への分解が進行してしまうため、製品段階において2.0面積%以上の残留オーステナイトを確保することが困難となる。また、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応が過度に進行してしまい、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度を20質量%以下とすることが困難となる。したがって、470℃以上650℃以下の温度域における保持時間は180秒間以下とする。好ましくは60秒間以下である。
連続溶融亜鉛めっき設備の無酸加炉では、空燃比rが0.9≦r≦1.1、到達材温tが450℃≦t≦750℃を満たす条件下で加熱することが好ましい。これは、還元炉での還元焼鈍に先立つ無酸化炉での加熱処理おいて、鋼板表面に予めFe系酸化被膜を形成させることにより、Siの酸化被膜の形成による不めっきを阻止するのに効果的であるからである。すなわち、無酸化炉において空燃比および材温を調整し、所定のFe系酸化被膜を還元炉での還元焼鈍前に鋼板表面に形成させることが好ましく、無酸化炉での材温を450℃以上とし、空燃比を0.9以上とすることにより、十分な厚みのFe酸化被膜が得られ、その後の還元炉で還元焼鈍において、Siの鋼板表面濃化が抑制され、不めっきの発生が効果的に防止される。また、無酸化炉での材温を750℃以下、空燃比を1.1以下とすることにより、Fe系酸化被膜の生成を適度に抑制し、還元炉による還元焼鈍によるFe系酸化被膜の還元を容易にし、不めっきや合金化処理時の合金化ムラを効果的に防止する。
還元炉において750℃以上900℃以下の2相共存温度域に30秒間以上600秒間以下保持した後に350℃以上550℃以下の温度域まで冷却する際の冷却は、3℃/秒以上100℃/秒以下の平均冷却速度で冷却することが好ましい。すなわち、上記平均冷却速度を3℃/秒以上とすることにより、冷却過程におけるオーステナイトからのパーライト変態を抑制し、より多くの残留オーステナイトを確保することを可能にする。また、上記平均冷却速度を100℃/秒以下とすることにより、冷却終点温度の制御精度を高められ、鋼板の幅方向および長手方向の特性がより一層均質化される。
合金化処理温度に保持した後の冷却は、ベイナイト変態の過度の進行を抑制し、残留オーステナイトの面積率を確保する観点から、250℃以下の温度域まで4℃/秒以上の平均冷却速度で行うことが好ましい。
本発明の具体的な実施例を以下に説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼を転炉で溶製し、試験用連続鋳造機にて連続鋳造を実施した。連続鋳造時には、溶鋼の冷却を調整するために、表2に示す化学組成を有するモールドフラックスを鋳型内に添加した。鋳造速度は、0.4〜2.0m/分とし、鋳片冷却水量は0.6〜2.5リットル/Kg・Steelの条件で行った。こうして、幅1000mm、厚み50〜250mmのスラブを得た。液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度の変更は、スラブ厚みの変更ならびに2次スプレー帯の水量を変更により調整した。
上記スラブを用いて表3の条件に示す製造条件で熱間圧延から合金化溶融亜鉛めっきまでを実施した。熱間圧延は、試験用熱間圧延装置を用いて、得られたスラブを1250℃に加熱して粗熱間圧延を施して粗バー(厚み35〜38mm)にした後、得られた粗バーを用いて表3に示す熱間圧延条件で実施した。高圧水デスケーリングは、圧力15MPaの高圧水を50ms間噴射することにより実施した。
得られた熱延鋼板のコイルを巻き戻し、塩酸系酸洗液を用いて常法により酸洗を施した後、40〜60%の圧下率で冷間圧延を行った。冷間圧延は5回に分けて実施した。
こうして得られた冷延鋼板をめっき基材として、縦型溶融めっきシミュレータを用いて、表3に示す条件で、溶融亜鉛めっきおよび合金化処理を実施した。すなわち、冷延鋼板を、表3に示すように、還元炉均熱温度にて還元炉均熱時間だけ保持した後に、中間保持帯保持温度まで冷却して中間保持帯保持時間だけ保持し、次いで溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、さらに合金化処理温度まで加熱して合金化処理時間保持した。溶融亜鉛めっきでは、ワイピングノズルにて片面当りのめっき付着量が40mg/m2になるように調整し、めっき後の合金化処理はソルトバスを用いて行った。
Figure 0005741413
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得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対して下記の試験を実施した。試験結果を表4にまとめて示す。
1)鋼組織の評価
鋼板の鋼組織の種類は、ナイタール試薬により鋼板の圧延方向に平行な断面を腐食して、SEMを用いて各組織を特定した。残留オーステナイトの面積率に関しては、鋼板表層より板厚の1/4を化学研磨後、X線回折(XRD−6100,Co管球)を行い、オーステナイトとフェライトの特定格子面ピーク値から回折強度を計算し、値を求めた。
2)C濃度の評価
C濃度は、GDS(マーカス型高周波グロー放電発光分析装置:JY−5000RF、堀場製作所製)を用いて鋼板表面から深さ100μm位置までの定量分析を行い測定した。鋼板表面から10μm深さ位置におけるC濃度(Cs)と、鋼板表面から10μm深さ位置におけるC濃度(Cb)とから、Cs/Cbを求めた。
3)機械特性の評価
得られた鋼板に対して、次に示す引張試験および限界曲げ試験を実施した。
3−1)引張試験
各鋼板の圧延直角方向からJIS5号引張試験を採取した。試験方法はJIS Z2241に準じた。降伏点YP、引張強さTS、伸びEl、加工硬化指数n値(真ひずみ5%−15%)を測定した。
3−2)限界曲げ試験
各鋼板の圧延直角方向から幅40mm、長さ200mmの試験片を採取した。試験片形状ならびに試験方法はJIS Z2248に準じた。曲げ半径は、密着から板厚の1倍、2倍、3倍、4倍にて実施し、その割れが発生しない限界板厚に対する曲げ半径を限界曲げ半径とした。
4)鋼板表面外観の評価
目視観察により、鋼板表面における不めっきおよび合金化過処理ムラの有無を確認した。また、鋼板表面の像をスキャナで転写後、粒子解析により島状スケール模様の面積率を算出した。これらの結果から、以下の基準により鋼板表面外観を評価した。
○:島状スケール模様面積率10%未満
△:島状スケール模様面積率10%以上〜20%未満
×:島状スケール模様面積率20%以上
5)合金化溶融亜鉛めっき層中のFe濃度
合金化溶融亜鉛めっき層中のFe濃度は、合金化処理後の試料から25mmφの試料を採取し、0.5vol%インヒビター(商品名:朝日化学製「イビット710N」)を含有した10%HCl水溶液でめっき層を溶解し、ICP法でめっき層の組成分析を行うことによりにより求めた。
Figure 0005741413
本発明である供試材No.1〜11は、引張強さが590MPa以上の高強度を有し、n値が0.15以上である優れた延性を有し、さらに180度曲げにおける限界曲げ半径が「密着〜2.0t」という優れた曲げ性を有していた。ここで、tは板厚を表し、2.0tとは、板厚の2倍を意味する。また、合金化溶融亜鉛めっきの表面は島状スケール模様の面積率が10%未満であり、不めっきおよび合金化過処理ムラもなく、表面性状にも優れていた。
これに対して、供試材No.12〜14は、機械特性を満たすものの、本発明内で規定するモールドフラックスを使用しなかったために、また、供試材No.15は、粗バー加熱温度が本発明内の規定する温度よりも低かったために、ファイアライト融点に到達せず、島状スケールが発生し、表面外観に劣っていた。さらに、供試材No.16は、高圧水デスケーリングまでの時間が本発明の規定範囲より長く、一度溶融したファイアライトが再凝固したために、スケール剥離性が劣化し、島状スケールが発生し表面外観に劣っていた。
供試材No.17は、熱間圧延の圧延完了温度が840℃と本発明の規定範囲より低かったために、圧延時にフェライト生成による体積変動が起こり、正常な圧延ができなかった。そのため、鋼板表面の品質が悪く、鋼板の評価ができなかった。
供試材No.18は、熱間圧延工程における圧延完了から巻取までの平均冷却速度が本発明の規定範囲よりも高かったために、フェライト生成が不十分となった。そのため、連続溶融亜鉛めっき工程においてオーステナイトへのCの速やかな濃縮を進行させることが困難となり、十分な残留オーステナイト量が得られず、n値が低く、延性に劣っていた。
供試材No.19は、熱間圧延工程における圧延完了から巻取までの平均冷却速度が本発明の規定範囲よりも低かったために、フェライトが過度に粗大な組織となった。そのため、連続溶融亜鉛めっき工程の均熱処理においてオーステナイト分率を高めることが困難となり、十分な残留オーステナイト量が得られず、n値が低く、延性に劣っていた。
供試材No.20は、熱間圧延工程における巻取温度が本発明での規定範囲より低く、巻取り後のスケール脱炭が十分に進行せず、鋼板表層のC濃度が高いままであり、鋼板表層の硬質相が多くなるために、曲げ性に劣っていた。
供試材No.21、22は、還元炉での均熱温度が本発明での規定範囲外であるために、また、供試材No.23は還元炉での均熱時間が本発明内での規定範囲外であり、十分な残留オーステナイト量が得られず、n値が低く、延性に劣っていた。
供試材No.25は、還元焼鈍および冷却後の保持温度が本発明の規定範囲より低く、オーステナイトの大半がマルテンサイトに変態したため、また、供試材No.26は還元焼鈍および冷却後の保持温度が本発明の規定範囲より高く、オーステナイトが炭化物に分解したため、十分な残留オーステナイト量が得られず、n値が低く、延性に劣っていた。
供試材No.27は、還元焼鈍および冷却後の保持時間が8秒間と本発明の規定範囲よりも短かったために、ベイナイト変態が不十分となり、オーステナイトへのC濃縮が進まないため、十分な残留オーステナイト量が得られず、n値が低く、延性に劣っていた。
供試材No.28は、還元焼鈍および冷却後の保持時間が115秒間と本発明の規定範囲よりも長かったために、ベイナイト変態が過剰に進みオーステナイトが炭化物に分解したため、十分な残留オーステナイト量が得られず、n値が低く、延性に劣っていた。
供試材No.29は、合金化処理温度が本発明の規定範囲よりも低かったために、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応の進行が不十分となり、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度が低かった。
供試材No.30は、本発明の規定範囲よりも合金化温度が高かったことから、オーステナイトが炭化物に分解してしまい、十分な残留オーステナイト量が得られなかった。また、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応が過度に進行してしまい、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度が高かった。このようにめっき層のFe濃度が高いと、加工時にパウダリングを引き起こしやすい。
供試材No.31は、本発明で規定する合金化保持時間よりも短かったために、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応の進行が不十分となり、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度が低かった。
供試材No.32は、合金化保持時間が200sと本発明で規定した合金化保持時間よりも長いために、オーステナイトの炭化物分解が進み、十分な残留オーステナイト量が得られず、n値が低く、延性に劣っていた。また、溶融亜鉛めっき層のZnと鋼板のFeとの合金化反応が過度に進行してしまい、合金化溶融亜鉛めっき層のFe濃度が高かった。
供試材No.33は、本発明で規定した鋼成分範囲に入っていなかったため、590MPaの引張強さおよびn値を満たすことができず、強度、加工性ともに不十分であった。

Claims (5)

  1. 鋼板表面に合金化溶融亜鉛めっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼帯であって、
    前記鋼板は、質量%で、C:0.02%以上0.30%以下、Si:0.05%以上2.0%以下、Mn:0.5%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.001%以上2.0%以下およびN:0.015%以下を含有する化学組成と、残留オーステナイトを2.0面積%以上含有する鋼組織と、下記式(1)を満足する板厚方向のC濃度分布とを有し、
    前記合金化溶融亜鉛めっき層は、Fe濃度が3質量%以上20質量%以下であり、
    前記合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、島状スケール模様の面積率が10%未満であり、かつ引張強さが590MPa以上であることを特徴とする、合金化溶融亜鉛めっき鋼帯。
    Cs/Cb≦0.85 ・・・ (1)
    式中、Csは鋼板表面から10μm深さ位置におけるC濃度(質量%)、Cbは鋼板表面から50μm深さ位置におけるC濃度(質量%)である。
  2. 前記化学組成が、質量%で、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種をさらに含有する請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼帯。
  3. 前記化学組成が、質量%で、Ti:0.2%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選択された1種または2種以上をさらに含有する請求項1または請求項2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼帯。
  4. 前記鋼組成が、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下およびBi:0.1%以下からなる群から選択された1種または2種以上をさらに含有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼帯。
  5. 下記工程(A)〜(E)を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法:
    (A)溶鋼を、質量%で、P:0.5%以上4.0%以下およびB:1.0%以上8.0%以下を含有するモールドフラックスを用いて連続鋳造することによりスラブとする連続鋳造工程;
    (B)前記スラブに粗熱間圧延を施して粗バーとし、前記粗バーを1180℃以上としてから5秒間以内に高圧水デスケーリングを施して仕上熱間圧延に供し、850℃以上で圧延を完了し、5℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で冷却して550℃以上の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (C)前記熱延鋼板に酸洗を施して酸洗鋼板とする酸洗工程;
    (D)前記酸洗鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
    (E)前記冷延鋼板に、連続溶融亜鉛めっき設備の還元炉において750℃以上900℃以下の2相共存温度域に30秒間以上600秒間以下保持し、350℃以上550℃以下の温度域まで冷却して、この温度域に10秒間以上100秒間以下保持した後、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施し、続いて470℃以上650℃以下の温度域に5秒間以上180秒間以下保持する合金化処理を施す連続溶融亜鉛めっき工程。
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