JP5738536B2 - カバープレートとシールを含むシールアセンブリを有するガスタービン - Google Patents

Description

本発明は、概して、ガスタービン及び機械のシールアセンブリに関し、より詳細には、ガスタービン及び機械の動作、性能、及び効率を改善するカバープレート及びシールアセンブリに関する。

ガスタービン及び機械の性能は、加圧された冷却用空気の損失及び高温ガス流の吸い込みにより低下する。

したがって、ガスタービン及び機械の動作、性能、又は効率を改善するカバープレートやシールアセンブリが求められる。

回転軸を有するガスタービン及び機械のシールアセンブリにおいて、ガスタービン及びシールアセンブリは、回転軸に連結されたホイールを有し、ホイールは、ホイールに連結された動翼を含み、ガスタービン及びシールアセンブリは、更に、ホイール及び動翼に固定されるカバープレートと、シールとを含み、シールは、カバープレートと、ホイール及び動翼との間に配置される。

本発明の第１の実施形態によると、ガスタービンが提供され、ガスタービンは、回転軸と、回転軸に連結されたホイールを含み、ホイールは、ホイールに連結された動翼を含み、ガスタービンは、ホイール及び動翼に固定されるカバープレートと、シールとを更に含み、シールは、カバープレートと、ホイール及び動翼との間に配置される。

本発明の第２の実施形態によると、回転軸を有する機械のシールアセンブリが提供され、シールアセンブリは、回転軸に連結されたホイールを含み、ホイールは、ホイールに連結された動翼を含み、シールアセンブリは、機械のホイール及び動翼に固定されるカバープレートと、シールとを更に含み、シールは、カバープレートと、ホイール及び動翼との間に配置される。

本開示の上記及び他の特徴は、本発明の実施形態についての下記の詳細な説明と共に、本発明の実施形態を記載した添付の図面を参照することで、更に容易に理解されるであろう。

機械の動翼及びホイールの断面図である。 図１の一領域を拡大してカバープレート及びシールを示した、機械の動翼及びホイールの断面図である。 ガス流と空気流が移動する様子を示した、機械の断面図である。 一箇所に割れ目を有する３６０度の単一コイルシールを示す図である。 一箇所に割れ目を有する３６０度の単一コイルシールにおいて、割れ目の端部が機械的に連結され、更に、単一コイルシールの機械的に連結された端部に分割カバープレートが存在する状態を示す図である。 ７２０度の多重コイルシールを示す図である。 分割シールの一部を示す図である。 分割シールの上に分割カバープレートを備えた状態の分割シールの一部を示す図である。 機械の動翼及びホイールを示す断面図である。

図面は、原寸に比例した尺度ではないことに留意されたい。図面は、本発明の代表的な実施形態のみを示すためのものであり、本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。図面において、同様の番号は、図面全体を通じて同様の構成要素を表す。

前述のように、本発明の実施形態は、機械の動作、性能、及び効率を改良するものである。本明細書全体を通じて、機械という表現は、ガスタービン、蒸気タービン、又は圧縮機を含むものとする。本明細書に記載した本発明は、一実施形態において、機械のホイール及び動翼に固定されるカバープレートと、シールとを含み、シールは、カバープレートと、ホイール及び動翼との間に配置される。機械のカバープレート及びシールの特徴は、システムからの加圧空気の損失を低減することである。また、カバープレート及びシールは、ホイール空間への高温ガスの流入を防ぐことができると共に、機械の二次空気の流れを補助することができる。また、本明細書で説明するカバープレート及びシールは、機械の保守整備を容易に行える。更に、カバープレート及びシールは、半割りのシェルに回転軸が存在する状態で取り付け及び取り外しを行えるため、機械の組み立て及び解体を容易に行える。このカバープレート及びシールは、熱シールドとして機能することによって機械の性能を改善できると共に、制振機能を追加することによって振動を低減することができる。カバープレート及びシールは、ホイールの前方側又は後方側に設置することができる。これに代えて、カバープレート及びシールは、ホイールの前方側と後方側の両方に設置されても良い。

図面を参照すると、図１は、シールアセンブリ１０１を含む機械１００の関連部分の断面図を示す。機械１００は、動翼１０２と、ホイール１０４と、回転軸１０６とを含む。理解されるように、少なくとも一つのホイール１０４は、機械１００の回転軸１０６に連結される。各ホイール１０４は複数の動翼１０２を含み、この動翼１０２にガスが作用して、回転軸１０６を回転させる。

図２に、図１の関連部分の拡大図を示す。シールアセンブリ１０１は、シール１０８と、カバープレート１１０と、エンジェルウィング１１２とを含む。一実施形態において、カバープレート１１０は、フック２０６を用いて、機械１００のホイール１０４に固定される。ホイール１０４にカバープレート１１０を固定する代替の実施形態は、例えば、ボルト、ピン、立て筒、又は差し込み保持リングなどであって良い。他の実施形態において、カバープレート１１０は、機械１００の動翼１０２内のスロット２１０に係合する外縁２０８を含む。

図３に、ガス流と空気流の移動の様子を示した、機械１００の断面図を示す。図３には、機械１００のノズル３０２を示す。図示のように、ノズル３０２は、動翼１０２の両側に配置される。ただし、動翼が最終段の動翼である場合には、ノズル３０２は、動翼１０２の前方側のみに存在することは理解されよう。高温のガス流３０８は、動翼１０２を超えて移動する。機械１００の前方（左）側、すなわち上流側のノズル３０２の真下には、ノズル支持リング３０４が存在する。機械１００の後方（右）側、すなわち下流側のノズル３０２の真下には、ダイアフラム３０６が存在する。ノズル３０２は、前方側及び後方側の両方において、ノズル３０２からホイール１０４に向かって延びる部品３０５を含む。ホイール空間３１４は、動翼１０２の前方側及び後方側に存在する。前方側において、ホイール空間３１４は、ノズル支持リング３０４とホイール１０４の間に位置する。後方側において、ホイール空間３１４は、ダイアフラム３０６とホイール１０４の間に位置する。

ホイール空間パージ用空気３１２は、ホイール空間３１４を通って移動する。また、動翼に補給される冷却用空気（図示せず）は、ホイール１０４から動翼１０２に向かって移動する。ホイール空間パージ用空気３１２の移動図には、そのパージ用空気３１２が、ホイール空間３１４を通って、ホイール１０４を超えて移動する様子を示す。カバープレート１１０は、前方側ではホイール１０４とノズル支持リング３０４の間、後方側ではホイール１０４とダイアフラム３０６の間で移動できるホイール空間パージ用空気３１２の量を削減する効果がある。また、カバープレート１１０は、動翼に補給される冷却用空気を動翼１０２に到達させる一方で、ホイール空間３１４に進入させないようにする役割を担う。前述のように、一実施形態において、カバープレート１１０及びシール１０８は、ホイール１０４の前方側又は後方側に設ける（図１）。他の実施形態において、カバープレート１１０及びシール１０８は、ホイール１０４の前方側及び後方側に設ける。また、カバープレート１１０に、一つ以上のエンジェルウィング１１２が存在しても良い。エンジェルウィング１１２は、高温流路のガスがホイール空間３１４に進入することを防止する役割を果たす。

カバープレート１１０及びシール１０８がいずれも存在しない場合、ホイール空間パージ用空気３１２は、ホイール１０４内の貫通穴３１６に進入することが可能である。カバープレート１１０及びシール１０８が存在する場合は、ホイール空間パージ用空気３１２がホイール１０４に進入する量、又はホイール１０４を通ってホイール空間３１４内に移動する量を抑制又は削減することができる。カバープレート１１０及びシール１０８がいずれも設けられていない場合、ホイール空間パージ用空気３１０は、ホイール１０４とホイール空間３１４の間を移動できるようになる。カバープレート１１０及びシール１０８は、ホイール空間パージ用空気３１２の損失を防ぐ役割を担う。また、カバープレート１１０及びシール１０８がいずれも存在しない場合は、動翼に補給される冷却用空気が、ホイール空間３１４に進入できるようになる。

一実施形態において、カバープレート１１０は分割される。他の実施形態においては、シール１０８が分割される。更に他の実施形態においては、カバープレート１１０及びシール１０８の両方が分割される。図８に示す代替の実施形態では、分割カバープレート８０６及び分割シール７００が存在するか、或いは分割カバープレート８０６又は分割シール７００のいずれかが存在しており、シール１０８は、分割カバープレート８０６の境界８０４を覆う位置に配設されて、周方向に隣接して配置されるカバープレート区画８０２の間の隙間を除去する。

カバープレート１１０及びシール１０８は、機械１００の二次流れの設計に役立てるように利用される。具体的には、カバープレート１１０及びシール１０８は、空気流及びガス流が指定の場所に移動することを補助するように装着及び配置される。また、カバープレート１１０及びシール１０８は、加圧空気（例えば、ホイール空間パージ用空気及び動翼に補給される冷却用空気）の漏れと、高温ガスの吸い込みとを防ぐように装着及び配置される。また、カバープレート１１０及びシール１０８は、ホイール１０４に接触するかその近くに到達する高温ガス流３０８の量を低減すること、又は、動翼１０２とホイール１０４の間に追加の障壁を提供することによって、ホイール１０４の熱シールドとして利用される。更に他の実施形態において、カバープレート１１０及びシール１０８は、ホイール１０４及び動翼１０２の振動を弱めて、全体として機械１００の振動を抑制することに利用される。例えば、カバープレート１１０及びシール１０８は、ホイール１０４と動翼１０２の間の追加の機械的接続部を提供する。動翼１０２とホイール１０４の間の追加の接続部により、剛性が向上し、機械１００の動作時の振動が低減される。

図４を参照すると、一箇所に割れ目を有する３６０度の単一コイルシール（「単一コイルシール」）４０２が示されている。この単一コイルシール４０２は、機械１００が工場にある場合、及び顧客の場所にある場合の両方において、機械１００に対する組み付けと解体を含む、設置及び保守管理を可能にするものである。一実施形態において、単一コイルシール４０２はシールを取り外すことができ、これにより機械１００の保守及び修理を行うことができる。更に他の実施形態において、円周に切れ目が存在する単一コイルシール４０２によって、オンとオフを操作する機械１００の柔軟性が提供される。他の実施形態において、一箇所に割れ目を有する単一コイルシール４０２は、剛性及び耐久性を保持しながら、上記で詳しく説明したように機能し、かつ機械１００に取り付けたり取り外したりすることができる。

図４を参照しながら、更に図５を参照すると、単一コイルシール５０２の端部は、例えば、つまみと溝、重ね接合、蟻継ぎ、突き合わせ接合、溶接、又はロウ付けによって機械的に連結される。また、カバープレート５０４は、単一コイルシール５０２が機械的に連結されるときに、その単一コイルシール５０２の連結部に配置される。一実施形態において、カバープレート５０４を備える機械的に連結された単一コイルシールにより、カバープレート５０４上に単一コイルシール４０２が配置されて、周方向に隣接して配置されるカバープレート区画５０４間の隙間５０６を除去するように構成される。

図６に、７２０度の多重コイルシール（「多重コイルシール」）６０２を示す。一実施形態において、多重コイルシールの両端は互いに機械的に連結されることはない。これにより、機械１００の設置及び保守管理中におけるシールの柔軟性が与えられ、機械１００への多重コイルシール６０２の取り付け及び除去が可能になる。他の実施形態では、必要に応じて、７２０度を超える多重コイルシールを含む。

図７を参照すると、分割シール７００の一部が示されている。分割シール７００は、区画７０４が接続する接合部７０２を含む。一実施形態において、分割シール７００の上にカバープレート１１０を取り付ける。図８に、分割シール７００の上に分割カバープレート８０６を備えた状態の分割シール７００を示す。図７を引き続き参照しながら図８を考察すると、一実施形態において、カバープレート接合部８０４は、カバープレート区画８０４に分割シール７００が配置される場所である分割シール７００の接合部７０２に対して千鳥に配置されるため、周方向に隣接して配置されるカバープレート区画間の隙間を除去することができる。

図９を参照すると、この図に記載した代替の実施形態において、シール９０４は動翼１０２及びホイール１０４の側面に沿って延び、その間の境界を覆う。シール９０４は、動翼１０２上のフック９０２によって動翼１０２に取り付けられると共に、シール９０４は、ホイール１０４上のフック９０６によってホイール１０４に取り付けられる。シール９０４は、ホイール１０４の前方側又は後方側に位置する。追加の実施形態において、シール９０４は、ホイール１０４の前方側と後方側の両方に存在する。シール９０４は、前述のシールいずれの形式でも良い。

本明細書において様々な実施形態を説明してきたが、当業者によって要素の組み合わせ、変更、又は改良が本発明の範囲内で行えることは、本明細書から理解されよう。また、多数の変更を行うことができ、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に特定の状況又は事物を適合させることができる。従って、本発明は、本発明を実施するための最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるのではなく、付随する特許請求の範囲内の全ての実施形態を含むことが意図されるものである。

１００ 機械
１０１ シールアセンブリ
１０２ 動翼
１０４ ホイール
１０６ 回転軸
１０８ シール
１１０ カバープレート
１１２ エンジェルウィング
２０６ フック
２０８ 外縁
２１０ スロット
３０２ ノズル
３０４ ノズル支持リング
３０５ 部品
３０６ ダイアフラム
３０８ 高温のガス流
３１２ ホイール空間パージ用空気
３１４ ホイール空間
３１６ 貫通穴
４０２，５０２ 単一コイルシール
５０４ カバープレート
５０６ 隙間
６０２ 多重コイルシール
７００ 分割シール
７０２ 接合部
７０４ 区画
８０２ カバープレート区画
８０４ 境界
８０４ カバープレート接合部
８０６ 分割カバープレート
９０２，９０６ フック
９０４ シール

Claims (16)

1. 回転軸（１０６）と、
   前記回転軸（１０６）に連結されたホイール（１０４）と、
   前記ホイール（１０４）に連結された動翼（１０２）と、
   前記ホイール（１０４）及び前記動翼（１０２）に固定されるカバープレート（５０４，１１０）と、
   前記カバープレート（５０４，１１０）と、前記ホイール（１０４）及び前記動翼（１０２）との間に配置されるシール（１０８，９０４）と
   を含むガスタービンであって、前記シール（１０８，９０４）が前記ホイール（１０４）及び前記動翼（１０２）の側面に沿って延在して前記ホイール（１０４）と前記動翼（１０２）との間の境界全体を封止しており、前記カバープレート（５０４，１１０）が前記シール全体を覆っている、ガスタービン。
2. 前記カバープレート（５０４，１１０）がエンジェルウィング（１１２）を含む、請求項１に記載のガスタービン。
3. 前記カバープレート（５０４，１１０）が、前記ガスタービンのホイール（１０４）に前記カバープレート（５０４，１１０）を固定するフック（２０６）を含む、請求項１又は請求項２に記載のガスタービン。
4. 前記カバープレート（５０４，１１０）が、前記ガスタービンの動翼（１０２）内のスロット（２１０）に係合する外縁（２０８）を含む、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のガスタービン。
5. 前記シール（１０８，９０４）が、一箇所に割れ目を有する３６０度のシール（１０８，９０４）を含む、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のガスタービン。
6. 前記シール（１０８，９０４）が７２０度の多重コイルシール（１０８，９０４）を含む、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のガスタービン。
7. 前記シール（１０８，９０４）が分割シール（１０８，９０４）を含む、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のガスタービン。
8. 前記カバープレート（５０４，１１０）及びシール（１０８，９０４）が、前記ホイール（１０４）の前方側又は後方側に設置される、請求項１乃至請求項７のいずれか１項に記載のガスタービン。
9. 前記カバープレート（５０４，１１０）及びシール（１０８，９０４）が、前記ホイール（１０４）の前方側及び後方側に設置される、請求項１乃至請求項７のいずれか１項に記載のガスタービン。
10. 前記ホイール（１０４）から前記動翼（１０２）に冷却用空気が供給される、請求項１乃至請求項９のいずれか１項記載のガスタービン。
11. 回転軸（１０６）を有する機械（１００）のシールアセンブリ（１０１）であって、前記シールアセンブリ（１０１）が、
    前記回転軸（１０６）に連結されるホイール（１０４）と、
    前記ホイール（１０４）に連結される動翼（１０２）と、
    前記機械（１００）の前記ホイール（１０４）及び前記動翼（１０２）に固定されるカバープレート（５０４，１１０）と、
    前記カバープレート（５０４，１１０）と、前記ホイール（１０４）及び前記動翼（１０２）との間に配置されるシール（１０８，９０４）と
    を含んでおり、前記シール（１０８，９０４）が前記ホイール（１０４）及び前記動翼（１０２）の側面に沿って延在して前記ホイール（１０４）と前記動翼（１０２）との間の境界全体を封止しており、前記カバープレート（５０４，１１０）が前記シール全体を覆っている、シールアセンブリ。
12. 前記カバープレート（５０４，１１０）がエンジェルウィング（１１２）を含む、請求項１１に記載のシールアセンブリ。
13. 前記カバープレート（５０４，１１０）が、前記機械（１００）の前記ホイール（１０４）に前記カバープレート（５０４，１１０）を固定するフック（２０６）を含む、請求項１１又は請求項１２に記載のシールアセンブリ。
14. 前記カバープレート（５０４，１１０）が、前記機械（１００）の前記動翼（１０２）内のスロット（２１０）に係合する外縁（２０８）を含む、請求項１１乃至請求項１３のいずれか１項に記載のシールアセンブリ。
15. 前記シール（１０８，９０４）が、一箇所に割れ目を有する３６０度のシール（１０８，９０４）を含む、請求項１１乃至請求項１４のいずれか１項に記載のシールアセンブリ。
16. 前記ホイール（１０４）から前記動翼（１０２）に冷却用空気が供給される、請求項１１乃至請求項１５のいずれか１項記載のシールアセンブリ。