JP5738115B2 - 汚濁排水に凝集剤を添加する新規連続汚濁排水処理装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、汚濁排水に凝集剤を添加する新規連続汚濁排水処理装置及び方法に関する。より詳しくは、本発明は、高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置を凝集ユニット内に含む連続汚濁排水処理装置及び該処理装置を用いた方法に関する。
従来より、汚濁排水に凝集剤を添加し、脱水機又は沈殿槽により凝集物(フロック)を除去し、処理水を得、これを下水として又は河川等に放流し、あるいは循環水として再利用する連続汚濁排水処理装置及び方法が知られている。
例えば、図4及び以下の表1に示すように、アイサン工業(株)の製造する凝集剤エコマックスを使用した凝集沈殿方式においては、汚濁排水が第一攪拌槽に取り入れると同時に凝集剤を自動散布・攪拌し、さらに凝集反応を高めるために第二攪拌槽で攪拌造粒し、凝集したフロックを処理水と一緒に沈殿槽側に流し移し、センターウェル(整流筒)を通過させることにより、フロックを沈殿槽の底に沈め、処理水を沈殿槽上部の集水桶をオーバーフローさせて放流させている。ここで、沈殿槽下部に堆積した汚泥を抜き取り、脱水機で処理し、処理水と脱水フロックに分離し、処理水を放流又は再循環し、そして脱水フロックを焼却、埋立て処理等している。脱水機以降の処理は、本発明に係る連続汚濁排水処理装置に関して図1に示すものと同様である。
本願明細書中、脱水機で処理する対象である、フロックを含んだ処理水を「フロック水」といい、汚濁排水に凝集剤を混合してから、フロックを形成させる、すなわち、フロック水を得るまでの工程に使用する装置系を「凝集ユニット」と定義する。
したがって、例えば、前記したアイサン工業(株)の凝集ユニットは、図4に示すように、凝集剤供給装置、攪拌機をそれぞれ備えた第一及び第二攪拌槽、並びに沈殿槽、必要によりポンプを含んでいる。
同じく図4及び表1に示すケーテックの装置においては、凝集ユニットは、アイサン工業(株)び凝集ユニットにおける攪拌機をそれぞれ備えた第一及び第二攪拌槽並びに沈殿槽に代えて、ライン混合器(スタティック混合管)を使用し、併せてライン混合器に汚濁排水を供給するポンプにおいて無機系凝集剤との混合を同時に行うことで、装置の小型化、メンテナンスの簡単化を図っている。
同じく図4及び表1に示すアウトテック(株)の装置においては、凝集ユニットは、無機系凝集剤を使用し、ポンプで加圧し、移送配管の直径を変化させる、すなわち、サイクロン(遠心分離)方式により分離・沈殿処理の短縮化・効率化を図っている。アウトテック(株)の凝集ユニットは、前記したケーテックの凝集ユニットに比較して装置のさらなる小型化が図られている。しかしながら、アウトテック(株)の装置においては、ケーテックと同様に、排水を供給するポンプにおいて、無機系凝集剤との混合がなされている。
ところで、被混合物と液体媒体の混合操作は、化学工業分野では固液反応、液液反応又は気液反応の反応促進や製品製造の手段として一般に行なわれており、また、混合手段は多岐に亘り、機械的方法としてパドル式攪拌機やプロペラ式攪拌機などが使用されている。また、前記したライン混合器(スタティック混合管)や、移送配管の直径を変化させるサイクロン(遠心分離)方式も、混合手段である。
土木分野においては、従来、横型回転機械のトロンメルなどを使用して土壌と水を混合している。土壌は粒度分布のある岩石片の粒子の集合体であり、通常、粘土の存在により塊状になっている。したがって、トロンメルなどを使用した機械的な攪拌では土壌を構成している粒子に至るまで水に分散させることはできない。換言すれば、分散能力の観点からは、トロンメルは大型機械であるにもかかわらず、攪拌能力不足であるといえる。
他の攪拌装置としては、水エジェクターポンプを使用して被混合物を配管内移送する際に管内で混合を実現している例がある。
以下の特許文献1には、ノズルからの高速噴流体を利用した真空形成用ジェットポンプが開示されている。これは、エジェクターの真空発生原理を利用したポンプであり、工業分野においては水ジェットポンプの範疇にある装置である。
以下の特許文献2では、被混合物が穀物と液体であり、インジェクションというノズルに液体媒体の高圧水を通過させて高速流体をつくり、その負圧吸引力を利用して貯槽から穀物と液体を吸引した後に、移送配管中を移送している。特許文献2の段落0034には、移送配管中での穀物同士の接触や移送管内壁への衝突により穀物表面の洗浄が行われることが記載されている。この現象は、被混合物の粒子状固体及び液体と液体媒体との一種の混合操作であり、混合操作が移送配管中で行われているが、積極的な混合操作は存在しない。
以下の特許文献3には、噴射ノズルからの噴射流体を用いて土木工事の浚渫操作における土壌スラリーを吸引した後その噴射流体の速度を減速して揚圧に変えて移送する方法が開示されている。この移送方法は、噴射ノズルからの噴流を使用したポンプ機能の発現である。特許文献3では、被混合物の土壌スラリーと液体媒体との混合であるが、配管移送中での混合であり、積極的な混合操作は存在しない。
以下の特許文献4では、水ジェットポンプの原理を利用した汚染土壌の分離方法及び装置が開示されている。特許文献4の段落0006には、流路断面積を縮小した絞り部3が形成されている。その絞り部3の下流側近傍には空気吸引部4が形成されており、絞り部3を通過する高圧水ジェットのエジェクター作用によって発生した負圧によって空気が吸引され、液体流に注入されて高速の気液混合ジェットが形成されることが記載されている。また、特許文献4の段落0009には、高速の気液混合ジェットに混入された被処理物は、搬送管内で気液混合ジェットと混合しながら攪拌され、その強力な物理作用によって被処理物中の洗浄目的物から不純物としての汚染物の離脱が行われるとも、記載されている。しかしながら、このような攪拌や汚染物の離脱は、水ジェットポンプのエジェクター機能の活用とポンプによる配管中の流体移送能力に付随して生じた離脱であって、積極的な混合機能の発現とはいえない。
以上のとおり、特許文献1〜4に記載された技術の本質は、高速噴流体のエジェクターでの真空発生と該エジェクターポンプ機能で移送する配管中の乱流流動の結果として汚染物の離脱等の現象であり、工業分野における水ジェットポンプ又は水ジェットエジェクターと呼ばれる装置の応用例であるといえる。このような水ジェットポンプ又は水ジェットエジェクターと呼ばれる装置は、特許文献3に記載されたポンプと同じ基本原理に基づいて機能するものであり、ポンプの吸い込み圧力で配管内に被混合物を流動させるため、被混合物には一定の流動性が要求される。したがって、被混合物が粒状固体のみである場合には、配管中の移送は困難であり、その粒状固体に流動性を付与する液体が必要になる。そして粒状固体と液体は完全スラリー状態でないと吸い込み配管中やエジェクターのスロート部での閉塞が発生するため、これを防止するために、液体中の粒子状固体の含有濃度を小さくせざるをえない。
特許文献2〜4では、移送中の被混合物が配管中で混合されると記載されているが、そのような混合は配管中での被混合物の乱流の発生によるものであり、積極的な混合を発現させたものとはいえない。
そこで、積極的な混合を発現させるために、特許文献5には、高圧水を用いた土壌と水の混合物の製造装置が提案されている。
尚、前記したケーテック及びアウトテック(株)における配管中での混合・分離も、配管中での被混合物の乱流の発生や遠心分離によるものであり、積極的な混合を発現させたものとはいえない。
特公昭62−12400号公報 特許第3485215号公報 特許第3408377号公報 特開2002−336731号公報 特開2010−284624号公報
前記したように、汚濁排水に凝集剤を添加する連続又は半回分の汚濁排水処理装置及び方法は各種知られているものの、より小型であり、操作が簡単であり、処理能力が高く、さらに省エネルギーである装置を提供する必要性が未だある。
かかる状況に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、従来技術のものに比較して、より小型であり、操作が簡単であり、処理能力が高く、さらに省エネルギーである連続汚濁排水処理装置及び方法を提供することである。
本願発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討し、実験を重ねた結果、特許文献5に記載された高圧ジェット水を用いた土壌と水の混合物の製造装置を用いることにより前記課題を解決することができることを見出し、本願発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]汚濁排水に凝集剤を添加する連続汚濁排水処理装置において、以下:
凝集剤供給装置;
高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置;及び
得られた混合物から凝集物(フロック)が形成されるために十分な時間にわたり該混合物が滞留することができる容積を有するフロック反応管;
を含む凝集ユニットを含むことを特徴とする、前記連続汚濁排水処理装置。
[2]前記高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置が、1MPa〜20Mpaの圧力水を噴出するノズル3と被処理物の投入口2を具備する入口缶1、第1端と第2端を有する管4、並びに衝突板7と排出口6と排気口8を具備する飛散防止缶5から構成される被処理物と水の混合物の製造装置であって、ここで、該ノズルは、該被処理物の投入方向の側面から圧力水を高速噴流体として噴出するように設置され、該管の第1端は、該圧力水の噴出方向に沿って、該入口缶1に接続され、該管4の第2端は該飛散防止缶5に接続され、該ノズル3の吐出口内径(Dn)は、1〜20mmであり、該管の内径(Dp)は、該ノズル3吐出口内径(Dn)の5〜50倍であり、該管4の第1端から第2端までの長さ(Lp)は、該ノズル3吐出口内径(Dn)の10〜600倍であり、該該ノズルの吐出口から該管4の第1端までの距離(Ls)は、該ノズル吐出口内径(Dn)の5〜100倍であり、これにより、該投入口2に投入された被処理物は、該管4の第2端に到達する間に、該圧力水由来の水と混合されて被処理物と水の混合物が製造される、前記[1]に記載の連続汚濁排水処理装置。
[3]前記[1]又は[2]のいずれかに記載の連続汚濁排水処理装置を使用した連続汚濁排水処理方法であって、以下のステップ:
汚濁排水と凝集剤を、前記高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置に、投入し、
該製造装置に圧力水を高速噴流体として噴出することにより、汚濁排水と凝集剤と水との混合物を製造し、
得られた混合物から凝集物(フロック)が形成されるために十分な時間にわたり前記フロック反応管内で該混合物を滞留させて、フロック水を製造する、
を含むことを特徴とする、汚濁排水に凝集剤を添加する連続汚濁排水処理方法。
[4]前記圧力水として、前記汚濁排水、及び/又は前記フロック水を固液分離して得た処理水を、使用する、前記[3]に記載の連続汚濁排水処理方法。
[5]前記汚濁排水の投入量が1〜30m/hrであり、かつ、前記高圧水の噴出量が0.1〜6m/hrである、前記[3]又は[4]に記載の連続汚濁排水処理方法。
本発明に係る連続汚濁排水処理装置は、従来技術のものに比較して、より小型であり、操作が簡単であり、処理能力が高く、さらに省エネルギーである。
本発明に係る汚濁排水に凝集剤を添加する連続汚濁排水処理装置における凝集ユニットの概略図である。 本発明に係る高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置の概略図である。 被処理物と圧力水である高速噴流体の混合を効率よく行うための装置各部の寸法条件を示す図である。 本発明に係る汚濁排水に凝集剤を添加する連続汚濁排水処理装置における凝集ユニットと従来技術の凝集ユニットとを対比する概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1及び図4に示すように、本発明は、汚濁排水に凝集剤を添加する連続汚濁排水処理装置において、以下:
凝集剤供給装置;
高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置;及び
得られた混合物から凝集物(フロック)が形成されるために十分な時間にわたり該混合物が滞留することができる容積を有するフロック反応管;
を含む凝集ユニットを含むことを特徴とする、前記連続汚濁排水処理装置に関する。
本明細書中、用語「高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置」とは、例えば、特許文献5に記載する装置であり、以下「DEM」とも略す。
以下詳細に説明し、また、図2及び図3に示すように、本発明に使用するDEMは、例えば、1MPa〜20Mpaの圧力水を噴出するノズル3と被処理物の投入口2を具備する入口缶1、第1端と第2端を有する管4、並びに衝突板7と排出口6と排気口8を具備する飛散防止缶5から構成される被処理物と水の混合物の製造装置であって、ここで、該ノズルは、該被処理物の投入方向の側面から圧力水を高速噴流体として噴出するように設置され、該管の第1端は、該圧力水の噴出方向に沿って、該入口缶1に接続され、該管4の第2端は該飛散防止缶5に接続され、該ノズル3の吐出口内径(Dn)は、1〜20mmであり、該管の内径(Dp)は、該ノズル3吐出口内径(Dn)の5〜50倍であり、該管4の第1端から第2端までの長さ(Lp)は、該ノズル3吐出口内径(Dn)の10〜600倍であり、該該ノズルの吐出口から該管4の第1端までの距離(Ls)は、該ノズル吐出口内径(Dn)の5〜100倍である。
本発明に係る凝集ユニットにおいては、DEMから排水される被処理物(汚濁排水と凝集剤)と水との混合物から凝集物(フロック)が形成されるために十分な時間にわたり該混合物が滞留することができる容積を有するフロック反応管が、DEMに配管で接続される。
以下に説明するように、DEM内では、強力、かつ、積極的な混合が行われるため、汚濁排水と凝集剤の混合は、従来技術における不完全な汚濁排水と凝集剤の混合に比較して、より完全なものとなる。そのため、フロックの形成が完結するための時間も、従来技術の装置に比較してより短くなる。これは、必要とされるフロック反応管の容積がより小さいものであることを意味する。すなわち、本発明に係る連続汚濁排水処理装置の凝集ユニットは、DEMにより完全な混合を達成することができるめ、それに付随するフロック反応管の容積を減少させることができるので、高圧ジェット水を発生させるためのポンプ等は追加的に必要になるものの、凝集ユニットを全体として見た場合に、従来技術の凝集ユニットに比較して装置をより小型化することができる。
また、DEMは、元来、土壌等の固形物と水との混合も可能な装置であるので、凝集剤の形態、すなわち、液体であるか粉体であるかを問わず、さらに、汚濁排水に、ある程度の大きさの固形異物が混入していてしても問題はなく、安定な連続運転が可能となる。すなわち、本発明に係る装置を用いれば、建築廃材のような固形で塊状の物質であってある程度以内の大きさのものは、水と混合することができるので、かかる塊状の物質を含む汚濁排水の処理も可能となる。さらに、本発明に係る連続汚濁排水処理方法に使用する凝集剤の選択は、ほとんど制限されない。
本明細書中、用語「高速噴流体」とは、ノズル吐出口から噴出された後の圧力水の状態をいい、一方、ノズル吐出口に至る前の状態は「圧力水」という。したがって、本明細書中、用語「高速噴流体」は「被処理物」と混合される水を意味し、「被処理物」を含まない概念である。
以下、本発明に係る装置の概要を、図に基づいて具体的に説明する。
図2に、本発明に係る装置の概要を示す。
被処理物(汚濁排水と、凝集剤貯槽からの凝集剤)を入口缶(1)に設けられた投入口(2)から連続的に投入する。投入する被処理物に、予め水を添加してもよい。この操作は大気圧、真空又は高圧下でもよい。圧力水が入口缶(1)に設けられたノズル(3)から高速噴流体として噴出される。この高速噴流体は、ほぼ水平に飛翔して、前記ノズル(3)に対向して入口缶(1)に設置された管(4)の内部に侵入する。管(4)は、高速噴流体の飛翔を妨げない構造となっている。高速噴流体は水平方向の流線をもつのが望ましいが、勾配があっても支障はない。管(4)は、高速噴流体を包むように設置され管の中心部分を高速噴流体が飛翔する。
投入口(2)から連続的に投入された被処理物は、入口缶(1)の内部で噴出された高速噴流体を包み込むようになると、高速噴流体は、被処理物を貫通する状況になるので、被処理物は、その衝突力で跳ね飛ばされると同時に、高速噴流体の表面の速度と被処理物の速度との速度差による粘性抵抗力が発生することにより、被処理物は、高速噴流体の流線方向に加速される。高速噴流体は、随伴流を発生し、この随伴流により発生した被処理物と水との随伴流体は、体積を増加しつつ入口缶体(1)の内部から管(4)の内部に管の第1端から流入する。
被処理物が、入口缶(1)に投入されると流入乱れによる簡単な混合が起こる。さらに被処理物の内部に高速噴流体が貫通するので、衝突による混合も起こる。さらに高速噴流体と被処理物との速度差に基づく粘性抵抗力を被処理物が受けることにより、被処理物を形成している汚濁排水中の固形又は液体汚濁物質及び凝集剤分子又は懸濁液の間にもその粘性抵抗力が働くことになる。高速噴流体の速度や表面積が大きければその粘性抵抗力も非常に大きなものとなる。被処理物中には水が存在するので、水にも粘性抵抗力が発生して高速噴流体の随伴流となり、その際にも被処理物と水の混合が起こる。被処理物と水の混合が行われながら、また、随伴流体の体積の増加を伴いながら、高速噴流体は、管(4)の内部に流入する。そして高速噴流体と随伴流体とが管(4)の内部を飛翔する際、高速噴流体の周囲には乱流が発生し、混合がさらに進行する。高速噴流体は、飛翔距離が長くなると分散する挙動を示し、その噴流体の外側の飛散状態部分において混合がさらに促進される。空気が随伴流として存在する場合には乱流の程度がさらに大きくなり、被処理物と水がさらに混合された混合物を得ることができる。
以上を要約すると、被処理物が高速噴流体と接触すると、被処理物は瞬間的に加速されて高速流動状態(以下、加速状態ともいう。)になり、その際、懸濁液物及び凝集剤は微粒子に分解され、同時に高速噴流体の一部に巻き込まれながら、高速噴流体の周囲に被処理物の随伴流が形成され、被処理物自体の分散や混合、高速噴流体との衝突、混合が実現する。管(4)内の流動(、以下、移送状態ともいう。)においては、高速噴流体の拡散流動と被処理物との混合が更に加味されるが、管が長いと配管抵抗のため、処理能力の低下につながる。
被処理物と水との混合物は、管(4)の第2二端から飛散防止缶(5)に噴出する。被処理物と高速噴流体の混合物が管(4)から放出された時には、混合は既に十分に行われている。放出の環境は、大気圧でも真空や高圧でもよい。混合物は大気圧の下では、速度水頭のみを有する流体である。換言すれば、圧力水頭を有してないのでポンプのように、混合物を圧送する能力はない。このような混合物を排出口(6)から排出し、前記したフロック反応管に送ることにより、目的のフロック水を得ることができる。
前記したように、被処理物は、投入口(2)から入口缶(1)に投入される。高圧水(圧力水)は、ノズル(3)を介して高速噴流体になっているので、被処理物は、随伴流として高速噴流体とともに管(4)に流入した後、管(4)ら吐出して飛翔する混合物になる。その飛翔する方向は一般的には水平方向に直線性を有しているので、その飛翔を遮るように衝突板(7)を設置する。衝突により混合物の飛散を防止することが望ましいので、飛散防止のために飛散防止缶(5)を設置する。混合物は飛翔速度を減じながら飛散防止缶(5)に至り、排出口(6)から排出される。飛散防止缶(5)に流入する混合物には空気を同伴している場合があるので、その空気を除くために排気口(8)から排気ガスとして流出させてもよい。この衝突板(7)においても、飛翔する混合物の速度が急減速する際に混合が更に加速される効果が得られる。すなわち、放出された混合物は、速度エネルギーを保持しているので、そのエネルギーを混合に更に利用するために、放出された混合物の流線上に衝突板を設置して、混合物の速度を急減速(以下、減速状態ともいう。)することにより混合効率を高めることができる。混合は加速状態と移送状態で十分に実現できるが、必要なら減速状態での混合を付加すればよい。
本発明は、前記した連続汚濁排水処理装置(DEM)を使用した連続汚濁排水処理方法であって、以下のステップ:
汚濁排水と凝集剤を、前記高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置(DEM)に、投入し、
該製造装置に圧力水を高速噴流体として噴出することにより、汚濁排水と凝集剤と水との混合物を製造し、
得られた混合物から凝集物(フロック)が形成されるために十分な時間にわたり前記フロック反応管内で該混合物を滞留させて、フロック水を製造する、
を含むことを特徴とする、汚濁排水に凝集剤を添加する連続汚濁排水処理方法にも関する。
フロック反応管からの凝集物を含有するフロック水は、連続脱水機により固液分離することにより脱水フロックと処理水(循環水)に分離することができる。ここで、前記圧力水として、前記フロック水を固液分離して得た処理水を使用することができる。また、高圧ポンプの運転に支障ない程度の濁度の汚濁排水であれば、それ自体又はそれを希釈したものを、圧力水として使用することもできる。
本発明に係る連続汚濁排水処理方法においては、汚濁排水の投入量は1〜30m/hrであり、かつ、高圧水の噴出量は0.1〜6m/hrであることができる。
図2及び図3に、被処理物と高速噴流体の混合を効率よく行うための装置各部の寸法条件を示す。
圧力水を高圧噴流体に変換する手段がノズル(3)である。高速噴流体のノズル(3)の出口の吐出口内径(Dn)と吐出速度(Vn)は、投入する被処理物の組成や処理速度などに従って、また、目的とする混合物の仕様(混合の程度)から決定されるが、圧力水の仕様は、ノズル(3)の抵抗を考慮して選定すればよく、圧力水の圧力は、一般的な高揚程ポンプで実現することができるが、本発明においては、1MPa〜20Mpaであり、好ましくは3〜6MPaである。本発明においては、該ノズルの吐出口内径(Dn)は、1〜20mmであり、好ましくは2〜6mmである。ノズル吐出口から噴出する圧力水の吐出速度(Vn)は10〜200m/秒であり、好ましくは50〜100m/秒である。
ノズル(3)の吐出口の出口端と管(4)の入口端である第1端との距離(Ls)は、被処理物の仕様に従って、決定される。Lsが大き過ぎると、高速噴流体の随伴流形成能力よりも混合処理物堆積量が大きくなり、運転不能になるし、Lsが小さくても随伴流形成能力が低下することにより、混合処理量の低下になるので、その中間の長さのLsを決定する。本発明においては、ノズルの吐出口から管の第1端までの距離(Ls)は、ノズル吐出口内径(Dn)の5〜100倍であり、好ましくは20〜50倍である。
管(4)の断面形状は、円や角などの任意な形状を選べる。本発明においては、管の内径(Dp)は、ノズル吐出口内径(Dn)の5〜50倍であり、好ましくは10〜30倍である。Dpは、高速噴流体と随伴流体が通過する断面積の基準となるが、Dpが大きすぎると随伴流に発生するせん断速度分布の勾配が小さくなり混合が減少するし、逆に小さすぎると随伴流体の流入量の低下による処理速度の低下につながる。
管の第1端から第2端までの長さ(Lp)は、被処理物が管(4)内に流入した後、安定的な随伴流を形成するための一定の長さであることが必要であるが、Lpを大きくすると、混合は良好になるが配管抵抗の増大のために混合物の飛翔が困難になる。したがって、管の第1端から第2端までの長さ(Lp)は、ノズル吐出口内径(Dn)の10〜600倍であり、好ましくは100〜400倍である。
本発明に係る装置においては、従来技術の水ジェットポンプに見られる真空域は存在しない。換言すれば、本発明に係る装置は、流体を吸引、移送する目的で負圧を利用しない点で従来技術の装置とは異なる。すなわち、本発明に係る装置においては、入口缶の被処理物投入口の開口面積は、被処理物処理速度の観点から、より大きくすることが望ましく、また該投入口から大気中の空気を流入させることもできるので、管内では事実上負圧が生じない。尚、コスト低減の観点から、高圧水の量はより少ないことが望ましい。
本願発明に係る装置として、例えば、被処理物処理能力1〜5トン/hrのものである場合には、ノズル径(Dn)は2.5mm、管径(Dp)は10倍、管長(Lp)は120倍、間隔(Ls)は20倍であり、例えば、被処理物処理能力10〜25トン/hrのものである場合には、ノズル径(Dn)は4.5mm、管径(Dp)は15倍、管長(Lp)は300倍、間隔(Ls)は50倍であることができる。
以下の表1に従来技術の凝集ブロックに比較した本発明に係る凝集ブロックの特徴を示す。
Figure 0005738115
本発明に係る凝集ブロックにおいては、DEMを使用するため混合が完全であり、汚濁排水中への固形異物混入による連続運転停止の虞がない、すなわち、省エネルギーかつ操作が簡単であり、装置寸法、装置体積がより小さく、処理能力が比較的高く、さらに凝集剤の種類を問わないという利点を有することが分かる。
本発明に係る連続汚濁排水処理装置は、従来技術のものに比較して、より小型であり、操作が簡単であり、処理能力が高く、さらに省エネルギーであるため、汚濁排水処理に好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. 以下の:凝集剤供給装置;高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置;及び得られた混合物から凝集物(フロック)が形成されるために十分な時間にわたり該混合物が滞留することができる容積を有するフロック反応管;を含む凝集ユニットを含む連続汚濁排水処理装置を使用した、汚濁排水に凝集剤を添加する連続汚濁排水処理方法であって、以下の:
    汚濁排水と凝集剤を、前記高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置に、投入するステップ;
    該製造装置に圧力水を高速噴流体として噴出することにより、汚濁排水と凝集剤と水との混合物を製造するステップ;及び
    得られた混合物から凝集物(フロック)が形成されるために十分な時間にわたり前記フロック反応管内で該混合物を滞留させて、フロック水を製造するステップ;
    を含み、
    前記高圧ジェット水を用いた被処理物と水の混合物の製造装置は、1MPa〜20Mpaの圧力水を噴出するノズル3と被処理物の投入口2を具備する入口缶1、第1端と第2端を有する管4、並びに衝突板7と排出口6と排気口8を具備する飛散防止缶5から構成される被処理物と水の混合物の製造装置であり、該ノズルは、該被処理物の投入方向の側面から圧力水を高速噴流体として噴出するように設置され、該管の第1端は、該圧力水の噴出方向に沿って、該入口缶1に接続され、該管4の第2端は該飛散防止缶5に接続され、該ノズル3の吐出口内径(Dn)は、1〜20mmであり、該管の内径(Dp)は、該ノズル3吐出口内径(Dn)の5〜50倍であり、該管4の第1端から第2端までの長さ(Lp)は、該ノズル3吐出口内径(Dn)の10〜600倍であり、該該ノズルの吐出口から該管4の第1端までの距離(Ls)は、該ノズル吐出口内径(Dn)の5〜100倍であり、これにより、該投入口2に投入された被処理物は、該管4の第2端に到達する間に、該圧力水由来の水と混合されて被処理物と水の混合物が製造され、そして
    前記凝集剤と混合される汚濁排水は、微粒子懸濁液である、
    ことを特徴とする前記連続汚濁排水処理方法。
  2. 前記圧力水として、前記汚濁排水、及び/又は前記フロック水を固液分離して得た処理水を、使用する、請求項に記載の連続汚濁排水処理方法。
  3. 前記汚濁排水の投入量が1〜30m/hrであり、かつ、前記高圧水の噴出量が0.1〜6m/hrである、請求項又はに記載の連続汚濁排水処理方法。
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