JP5737881B2 - 原子力発電プラント及び原子炉冷却材圧力制御装置 - Google Patents

原子力発電プラント及び原子炉冷却材圧力制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、原子力発電プラントの原子炉冷却系統に存在する原子炉冷却材の圧力を制御することに関する。
原子力発電プラント、特にPWR(Pressurized Water Reactor:加圧水型原子炉)は、核分裂反応によって生じた熱エネルギーで、原子炉冷却材である加圧された軽水を加熱する形式の原子炉である。PWRは、原子炉で加熱された原子炉冷却材を用いて蒸気を発生させ、この蒸気でタービン発電機を駆動して電力を生み出す。PWRは、原子炉冷却材を加圧するための加圧器を備える。特許文献1には、加圧器満水時の圧力制御方法が記載されている。
特開昭61−201198号公報
原子力発電プラントを起動する際には、RCS(Reactor Cooling System:原子炉冷却系統)内に空気が残留している。このため、RCP(Reactor Coolant Pump:原子炉冷却材ポンプ)が起動して原子炉冷却系統内の原子炉冷却材が加圧されると、空気が圧縮されて、RCS内に存在する原子炉冷却材の圧力が一時的に低下する。原子炉冷却系統内に存在する原子炉冷却材の圧力が低下すると、原子炉冷却材ポンプを保護するために原子炉冷却材ポンプを停止させる必要があるので、前記原子炉冷却材の圧力が低下しないようにする必要がある。本発明は、原子力発電プラントの起動時において、原子炉冷却系統内に存在する原子炉冷却材の圧力低下を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る原子力発電プラントは、原子炉冷却系統内の原子炉冷却材を抽出する抽出配管に設けられる抽出水圧力制御弁と、前記原子炉冷却系統内の目標とする圧力と前記原子炉冷却系統内の実際の圧力との偏差が0になるように、前記抽出水圧力制御弁の動作をP(Proportional)I(Integral)制御するとともに、前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前よりも大きくする原子炉冷却材圧力制御装置と、を含むことを特徴とする。
この原子力発電プラントは、起動時において、原子炉冷却系統内の目標とする圧力と実際の圧力との圧力偏差が0になるように、抽出水圧力制御弁の動作をPI制御され、かつ圧力偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方の値は、圧力偏差が閾値を超える前よりも大きくなるように制御される。このように、圧力偏差の大きさに応じて比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方を変化させることにより、抽出水圧力制御弁は迅速に閉じられる。その結果、この原子力発電プラントは、起動時において、原子炉冷却系統内に存在する原子炉冷却材の圧力低下を抑制できる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る原子炉冷却材圧力制御装置は、原子炉冷却系統内の原子炉冷却材を抽出する抽出配管に設けられる抽出水圧力制御弁を制御するものであり、前記原子炉冷却系統内の目標とする圧力と前記原子炉冷却系統内の実際の圧力との偏差が0になるように、前記抽出水圧力制御弁の動作をPI制御するとともに、前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前よりも大きくすることを特徴とする。
この原子炉冷却材圧力制御装置は、原子力発電プラントの起動時において、原子炉冷却系統内の目標とする圧力と実際の圧力との圧力偏差が0になるように、抽出水圧力制御弁の動作をPI制御するとともに、圧力偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方の値を、圧力偏差が閾値を超える前よりも大きくなるようにする。このように、圧力偏差の大きさに応じて比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方を変化させることにより、抽出水圧力制御弁は迅速に閉じられる。その結果、この原子炉冷却材圧力制御装置は、起動時において、原子炉冷却系統内に存在する原子炉冷却材の圧力低下を抑制できる。
前記原子炉冷却材圧力制御装置は、前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記比例ゲイン及び前記積分時定数の両方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前よりも大きくすることが好ましい。このようにすることで、原子炉冷却系統内の実際の圧力の低下を抑制するために抽出水圧力制御弁を閉じる際には積分の寄与を小さくできるので、オーバーシュートやハンチングを抑制して、原子炉冷却系統内の圧力を迅速に目標とする圧力にすることができる。
前記原子炉冷却材圧力制御装置は、前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記比例ゲインと前記積分時定数との少なくとも一方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前の10倍以上とすることが好ましい。このようにすれば、抽出水圧力制御弁を必要十分な速度で動作させることができるので、原子炉冷却系統内の圧力を迅速に目標とする圧力にすることができる。
本発明は、原子力発電プラントの起動時において、原子炉冷却系統内に存在する原子炉冷却材の圧力低下を抑制できる。
図1は、原子力発電プラントを示す模式図である。 図2は、原子炉冷却材圧力制御装置の制御ブロック図である。 図3は、比例ゲインの変化例を示す概念図である。 図4は、積分時定数の変化例を示す概念図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、原子力発電プラントを示す模式図である。本実施形態において、原子力発電プラント1は、原子炉から生み出される熱エネルギーを利用して電力を発生させる原子力発電プラントである。原子力発電プラント1が有する原子炉2は軽水炉である。原子力発電プラント1は、格納容器1W内に原子炉2と、蒸気発生器3と、加圧器4と、原子炉冷却材ポンプ5とが配置される。また、格納容器1Wの外には、タービン8、復水器9及び発電機10が配置される。原子炉2は、圧力容器2PBの内部に核燃料2Cが配置されている。また、圧力容器2PBの内部には原子炉冷却材(冷却水に相当し、例えば軽水が用いられる)C1が満たされている。原子炉冷却材ポンプ5と原子炉2とは原子炉冷却材第1供給配管6Aで接続され、原子炉2と蒸気発生器3とは、原子炉冷却材第2供給配管6Bで接続される。また、蒸気発生器3と原子炉冷却材ポンプ5とは、原子炉冷却材回収配管6Cで接続される。
このような構成により、原子炉冷却材ポンプ5から吐出された原子炉冷却材C1は、原子炉冷却材第1供給配管6Aを通って原子炉2の圧力容器2PB内へ供給される。そして、圧力容器2PBの内部に配置される核燃料2Cの核分裂反応によって発生した熱エネルギーで原子炉冷却材C1が加熱される。加熱された原子炉冷却材C1は、原子炉冷却材第2供給配管6Bを通って蒸気発生器3へ供給される。そして、原子炉冷却材C1は、蒸気発生器3の伝熱管3Tを通過した後、蒸気発生器3から流出し、原子炉冷却材回収配管6Cを通って原子炉冷却材ポンプ5へ戻り、再び原子炉冷却材第1供給配管6Aから原子炉2の圧力容器内へ吐出される。
蒸気発生器3は、前述した伝熱管3Tを複数備えており、伝熱管3T内を流れる原子炉冷却材C1によって伝熱管3T外の二次冷却材C2が加熱されて沸騰し、二次冷却材C2の高温高圧の蒸気が生成される。蒸気発生器3とタービン8とは蒸気供給配管7Sで接続されており、復水器9と蒸気発生器3とは二次冷却材回収配管7Rで接続されている。このような構造により、蒸気発生器3で生成された二次冷却材C2の高温高圧の蒸気は、蒸気供給配管7Sを通ってタービン8へ供給されてこれを駆動する。タービン8は、自身の駆動軸に連結された発電機10を駆動して電力を発生させる。タービン8を駆動した後の二次冷却材C2は、復水器9で液体となり、二次冷却材回収配管7Rを通って再び蒸気発生器3へ送られる。
原子炉2は、加圧器4が原子炉冷却材第2供給配管6Bに接続されている。加圧器4は、原子炉冷却材第2供給配管6B内の原子炉冷却材C1に圧力を与える。このような構造により、原子炉冷却材C1は、核燃料2Cの核分裂反応によって発生した熱エネルギーで加熱されても沸騰せず、液相の状態で原子炉2及び原子炉冷却系統2rcsを循環する。原子炉冷却系統2rcsは、原子炉冷却材ポンプ5、原子炉冷却材第1供給配管6A、原子炉冷却材第2供給配管6B、蒸気発生器3、原子炉冷却材回収配管6Cを有しており、これらの間を原子炉冷却材C1が流れる系統である。原子炉冷却系統2rcs内の原子炉冷却材C1の圧力は、原子炉冷却系統2rcsに設けられた原子炉冷却系統圧力計21が検出する。
原子炉冷却材回収配管6Bには、原子炉冷却系統2rcs内を循環する原子炉冷却材C1を取り出すための原子炉冷却材取り出し配管12Aが接続されている。原子炉冷却材取り出し配管12Aには、余熱除去ポンプ13と、余熱除去クーラー14とが接続されている。余熱除去クーラー14の出口と原子炉冷却系統2rcsとは、原子炉冷却材戻し第1配管12Bで接続されている。原子炉冷却材取り出し配管12Aと、余熱除去ポンプ13と、余熱除去クーラー14と、原子炉冷却材戻し第1配管12Bとが、余熱除去系統系(RHRS:Residual Heat Removal System)11を構成している。
余熱除去クーラー14の出口には、抽出配管15Aが接続されている。抽出配管15Aは、余熱除去クーラー14と、抽出水圧力制御弁16と、体積制御タンク17を接続する。体積制御タンク17の出口には、原子炉冷却材配管15Bが接続されている。原子炉冷却材配管15Bは、体積制御タンク17と、充填ポンプ18と、充填流量制御弁19とを接続する。このような構造により、原子炉冷却系統2rcsから取り出された原子炉冷却材C1は、抽出水圧力制御弁16と、体積制御タンク17と、充填ポンプ18と、充填流量制御弁19とを流れる。充填ポンプ18から吐出された原子炉冷却材C1は、充填流量制御弁19で流量が調整された後、充填流量制御弁19と原子炉冷却系統2rcsとを接続する原子炉冷却材戻し第2配管15Cを通過して、原子炉冷却系統2rcsに戻される。抽出水圧力制御弁16は、原子炉冷却材圧力制御装置20によって開閉動作が制御される。
図2は、原子炉冷却材圧力制御装置の制御ブロック図である。図3は、比例ゲインの変化例を示す概念図である。図4は、積分時定数の変化例を示す概念図である。原子炉冷却材圧力制御装置(以下、圧力制御装置という)20は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)とメモリとを含むコンピュータである。圧力制御装置20は、原子炉冷却系統圧力計21が検出した原子炉冷却系統2rcs内の原子炉冷却材C1の圧力を取得する。そして、圧力制御装置20は、図2に示すように、原子炉冷却系統2rcs内の目標とする圧力(目標圧力)Ptと、原子炉冷却系統2rcs内の実際の圧力、すなわち、原子炉冷却系統圧力計21が検出した原子炉冷却系統2rcs内の原子炉冷却材C1の圧力(実圧力)Prとの偏差(圧力偏差)ΔPが0になるように、抽出水圧力制御弁16の動作をPI制御する。
PI制御は、フィードバック制御の一種であり、制御対象システムに対する制御入力uを、目標値と実測値との偏差に比例させるとともに、前記偏差の積分値に比例させる制御である。本実施形態においては、図2に示すように、圧力制御装置20は、抽出水圧力制御弁16の動作を、圧力偏差ΔPに比例させるとともに、圧力偏差ΔPの積分値に比例させるように制御する。図2に示すGpが比例ゲインであり、τが積分時定数である。なお、積分ゲインGiは、Gi/τである。
原子力発電プラント1を起動する際には、原子炉冷却系統2rcs内には空気が残留している。このため、原子力発電プラント1を起動させる場合、原子炉冷却材ポンプ5が起動して原子炉冷却系統2rcs内の原子炉冷却材C1を加圧し、かつ循環させる過程で、空気が原子炉冷却系統2rcsの外部へ排出される。このとき、原子炉冷却系統2rcs内の原子炉冷却材C1が加圧されると、原子炉冷却系統2rcs内に残留した空気が圧縮され、原子炉冷却系統2rcs内の実圧力Prが低下する。このため、原子力発電プラント1を起動する際には、原子炉冷却材ポンプ5を保護するために、実圧力Prが低下しないようにする必要がある。
実圧力Prが低下した場合、圧力制御装置20は、抽出水圧力制御弁16を閉じて、実圧力Prの低下を抑制する。本実施形態では、圧力制御装置20は、圧力偏差ΔPが、予め定めた所定の閾値ΔPcを超えた場合には、比例ゲインGpと積分時定数τとの少なくとも一方の値を、圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超える前よりも大きくする。このようにすることで、圧力偏差ΔPが大きくなった場合には、抽出水圧力制御弁16が迅速に閉じられるので、実圧力Prの低下を速やかに抑制することができる。その結果、原子炉冷却材ポンプ5を確実に保護でき、かつ作業員の負担も低減できる。なお、本実施形態では、圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超えた場合、実圧力Prが低下したと判定している。また、積分時定数τを大きくする代わりに、積分ゲインGiを小さくしてもよい。すなわち、本実施形態において、積分時定数τを大きくすることと、積分ゲインGiを小さくすることとは同義である。圧力制御装置20は、圧力偏差ΔPが、予め定めた所定の閾値ΔPc内になった場合には、比例ゲインGpと積分時定数τとのうち値を変更した方を、変更する前の値に戻す。
本実施形態においては、圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超えた場合、圧力制御装置20は、比例ゲインGpと積分時定数τとの少なくとも一方を大きくすればよいが、少なくとも比例ゲインを大きくすることが好ましく、さらには両方を大きくすることがより好ましい。圧力制御装置20が、比例ゲインGpを大きくするとともに積分時定数τを大きくすることによって、実圧力Prの低下を抑制するために抽出水圧力制御弁16を閉じる際には積分の寄与が小さくなるので、オーバーシュートやハンチングを抑制して、迅速に実圧力Prを目標圧力Ptにすることができる。
図3、図4に示すように、本実施形態では、閾値ΔPcをΔP1、−ΔP1として、圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超える、すなわち、圧力偏差ΔPがΔP1よりも大きくなった、又は−ΔP1よりも小さくなった場合には、比例ゲインGpと積分時定数τとの少なくとも一方を、閾値ΔPcを超える前よりも大きくする。本実施形態では、圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超える前における比例ゲインGpはGp1であり、積分時定数τはτ1である。そして、圧力偏差ΔPがΔP2以上、又は−ΔP2以下になると(ΔP2>ΔP1、−ΔP2<−ΔP1)、比例ゲインGpはGp2に、積分時定数τはτ2になる(Gp1<Gp2、τ1<τ2)。
本実施形態では、圧力偏差ΔPがΔP1からΔP2に、又は−ΔP1から−ΔP2に変化する間に、比例ゲインはGp1からGp2に、積分時定数τはτ1からτ2に変化するが、これらの変化の仕方はこれに限定されるものではない。例えば、圧力偏差ΔPがΔP1又は−ΔP1になったら、比例ゲインをGp1からGp2に、積分時定数τをτ1からτ2に変化させてもよい。本実施形態において、圧力偏差ΔPは負の値も考慮しているが、通常、目標圧力Ptは実圧力Prよりも大きくなるので、圧力偏差ΔPは正の値のみを考慮すれば十分である。
比例ゲインGpと積分時定数τとの少なくとも一方を変化させる場合、圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超える前の10倍以上とすることが好ましく、15倍以上とすることがより好ましい。比例ゲインGpと積分時定数τとは、変更前後における差を大きくすることにより、抽出水圧力制御弁16を迅速に動作させることができる。上述した範囲であれば、抽出水圧力制御弁16を必要十分な速度で動作させることができる。なお、比例ゲインGpを大きくしすぎると、実圧力Prが振動したり発散したりするおそれがあるので、比例ゲインGpは、圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超える前の20倍以下とすることが好ましい。これにともなって、積分時定数τも圧力偏差ΔPが閾値ΔPcを超える前の20倍以下とすることが好ましい。このようにすることで、実圧力Prを目標圧力Ptへ迅速に収束させることができる。
以上、本実施形態では、原子力発電プラントの起動時において、目標圧力と実圧力との圧力偏差が0になるように、抽出水圧力制御弁の動作をPI制御し、かつ圧力偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方の値を、圧力偏差が閾値を超える前よりも大きくする。このように、圧力偏差の大きさに応じて比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方を変化させる(可変とする)ことにより、原子炉冷却系統が有する原子炉冷却材ポンプを確実に保護でき、かつ作業員の負担も低減できる。
本実施形態において、圧力制御装置は、ディジタルの情報処理により抽出水圧力制御弁の動作を制御する。より具体的には、圧力制御装置は、抽出水圧力制御弁の動作を制御するためのコンピュータプログラムにしたがって、抽出水圧力制御弁をPI制御する。このように、ディジタル化によって、比例ゲインと積分時定数との少なくとも一方を変更する制御も容易である。
以上のように、本発明に係る原子力発電プラント及び原子炉冷却材圧力制御装置は、原子炉冷却系統内に存在する原子炉冷却材の圧力低下を抑制することに有用である。
1 原子力発電プラント
2 原子炉
2rcs 原子炉冷却系統
5 原子炉冷却材ポンプ
6A 原子炉冷却材第1供給配管
6B 原子炉冷却材第2供給配管
6C 原子炉冷却材回収配管
11 余熱除去系統
12A 原子炉冷却材取り出し配管
12B 原子炉冷却材戻し第1配管
13 余熱除去ポンプ
14 余熱除去クーラー
15A 抽出配管
15B 原子炉冷却材配管
15C 原子炉冷却材戻し第2配管
16 抽出水圧力制御弁
17 体積制御タンク
18 充填ポンプ
19 充填流量制御弁
20 圧力制御装置(原子炉冷却材圧力制御装置)
21 原子炉冷却系統圧力計

Claims (6)

  1. 原子炉冷却系統内の原子炉冷却材を抽出する抽出配管に設けられる抽出水圧力制御弁と、
    前記原子炉冷却系統内の目標とする圧力と前記原子炉冷却系統内の実際の圧力との偏差が0になるように、前記抽出水圧力制御弁の動作をPI制御するとともに、前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、比例ゲイン及び積分時定数の両方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前よりも大きくする原子炉冷却材圧力制御装置と、
    を含むことを特徴とする原子力発電プラント。
  2. 前記原子炉冷却材圧力制御装置は、
    前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記比例ゲイン及び前記積分時定数の両方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前の10倍以上とする請求項1に記載の原子力発電プラント。
  3. 前記原子炉冷却材圧力制御装置は、
    前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記比例ゲイン及び前記積分時定数の両方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前の20倍以下とする請求項2に記載の原子力発電プラント。
  4. 原子炉冷却系統内の原子炉冷却材を抽出する抽出配管に設けられる抽出水圧力制御弁を制御するものであり、
    前記原子炉冷却系統内の目標とする圧力と前記原子炉冷却系統内の実際の圧力との偏差が0になるように、前記抽出水圧力制御弁の動作をPI制御するとともに、前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、比例ゲイン及び積分時定数の両方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前よりも大きくする原子炉冷却材圧力制御装置。
  5. 前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記比例ゲイン及び前記積分時定数の両方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前の10倍以上とする請求項4に記載の原子炉冷却材圧力制御装置。
  6. 前記偏差が予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記比例ゲイン及び前記積分時定数の両方の値を、前記偏差が前記閾値を超える前の20倍以下とする請求項に記載の原子炉冷却材圧力制御装置。
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