JP5425002B2 - 原子力発電所の隔離時冷却設備 - Google Patents
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Description
本発明は、原子力発電所停止時の崩壊熱除去と冷温停止に利用できる原子力発電所の隔離時冷却設備に関する。
公知例の特開平3−246492号公報には原子炉隔離時に原子炉停止時の崩壊熱を除去する原子力発電所の隔離時冷却設備が開示されている。この特開平3−246492号公報に開示された原子力発電所の隔離時冷却設備は、原子炉圧力容器から蒸気を復水器導入配管を通じて復水器に配設した復水器伝熱管に供給して復水器胴内に保有した保有水で冷却して凝縮させ、凝縮した復水を復水器から原子炉圧力容器へ戻す復水戻り配管に、原子力発電所が通常運転時には閉鎖される隔離弁を設置し、この隔離弁を開閉操作することによって隔離時冷却設備の起動・停止を行うように構成されている。
そして復水器伝熱管で凝縮した復水は、原子炉圧力容器内の炉水との密度差、復水器伝熱管と原子炉圧力容器内の炉水の水位との静水頭差によって復水器から復水戻り配管を通じて原子炉圧力容器に戻される。復水器胴内の保有水が復水器に配設した復水器伝熱管を流下する蒸気との熱交換で蒸発した蒸気は、復水器から排気配管を通じて屋外に排出される。
特開平3−246492号公報に開示された原子力発電所の隔離時冷却設備では、復水戻り配管に設置した隔離弁を開閉操作することにより起動・停止される。隔離弁を開弁すると原子炉圧力容器から蒸気が復水器導入配管を通じて復水器に供給されて復水器内に配設された復水器伝熱管を流下するが、復水器伝熱管にて復水器胴内の保有水と熱交換して冷却されることで前記復水器伝熱管を流下する蒸気が凝縮して復水となる。
復水器伝熱管で凝縮した復水は、原子炉圧力容器内の炉水との密度差、復水器伝熱管と原子炉圧力容器内の炉水の水位との静水頭差によって復水器から復水戻り配管を通じて原子炉圧力容器に戻される。
ところで、原子力発電所の隔離時冷却設備においては、復水器の胴内に保有された冷却水のみで原子炉圧力容器から復水器の復水器伝熱管に供給された蒸気を冷却できる冷却可能時間は原子炉停止後の数時間であり、冷却時間の延長には復水器胴内への冷却水の補給が必要となる。
また、復水器胴内の復水器伝熱管での冷却は冷却水の蒸発潜熱によるため、原子炉圧力容器から復水器に供給された蒸気を100°以下に冷却することができないので、前記蒸気を100°以下に冷却するためには残留熱除去設備、または停止時冷却設備を原子炉圧力容器に設置させる必要がある。
したがって、従来の隔離時冷却設備では、原子炉圧力容器から復水器に供給された蒸気を復水器によって除熱する除熱量の調節ができず、復水器の胴内で熱交換により発生した蒸気を全量大気に放出するので余分な蒸気の熱エネルギーが有効に利用できず、隔離時冷却設備による崩壊熱の除熱の調節ができなかった。
したがって、従来の隔離時冷却設備では、原子炉圧力容器から復水器に供給された蒸気を復水器によって除熱する除熱量の調節ができず、復水器の胴内で熱交換により発生した蒸気を全量大気に放出するので余分な蒸気の熱エネルギーが有効に利用できず、隔離時冷却設備による崩壊熱の除熱の調節ができなかった。
本発明の目的は、隔離時冷却設備の復水器での除熱量を可変にして、大気に放出せざるを得なかった復水器の胴側で発生した蒸気の熱エネルギーを有効に利用し、隔離時冷却設備による崩壊熱の除熱の調節を可能にした原子力発電所の隔離時冷却設備を提供することにある。
本発明の原子力発電所の隔離時冷却設備は、原子炉圧力容器から蒸気を導く導入配管と、この導入配管を通じて原子炉圧力容器から導かれた蒸気を除熱する復水器と、復水器での除熱によって凝縮された復水を前記原子炉圧力容器に戻す戻り配管と、復水器での除熱によって復水器胴側で発生した蒸気を排気する排気配管を備えた原子力発電所の隔離時冷却設備において、前記排気配管を通じて復水器から排気された蒸気をフラッシュさせて凝縮するフラッシュタンクを備え、前記排気配管に圧力調節弁を設置し、前記復水器及び原子炉圧力容器に蒸気の圧力を検出する圧力計をそれぞれ設置し、前記圧力計が検出した復水器及び原子炉圧力容器に蒸気の圧力の実測値と圧力設定器で設定した設定値に基づいて圧力調節弁の開閉を調節する圧力制御装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、隔離時冷却設備の復水器での除熱量を可変にして、大気に放出せざるを得なかった復水器の胴側で発生した蒸気の熱エネルギーを有効に利用し、隔離時冷却設備による崩壊熱の除熱の調節を可能にした原子力発電所の隔離時冷却設備が実現できる。
本発明の一実施例である原子力発電所の隔離時冷却設備について図面を引用して以下に説明する。
本発明の一実施例である原子力発電所の隔離時冷却設備について図1を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例である原子力発電所の隔離時冷却設備を示す概略構成図である。本実施例の隔離時冷却設備は、原子炉圧力容器1から蒸気を復水器3に取り入れる復水器導入配管6と、復水器導入配管6を通じて原子炉圧力容器1から供給された蒸気を、復水器3の内部に配設した復水器伝熱管15を流下させて復水器3の胴内の復水器冷却水4によって除熱して凝縮させて復水にする復水器3と、復水器3の復水器伝熱管15で凝縮した復水を復水器3から原子炉圧力容器1に戻す復水戻り配管7と、復水戻り配管7に設けられて復水器3の復水器伝熱管15で凝縮した復水を原子炉圧力容器1に戻す操作を行う隔離弁5を備えている。
前記隔離時冷却設備にはフラッシュタンク11が設置されており、前記復水器3とフラッシュタンク11との間には復水器3の胴側で復水器冷却水4と復水器伝熱管15との熱交換で発生した蒸気を復水器3からフラッシュタンク11へ導く復水器排気管8が配設され、前記フラッシュタンク11で凝縮した凝縮水をフラッシュタンク11から復水器3の胴内に戻す凝縮水循環配管20が配設されている。
復水器排気管8の途中には復水器3の胴側圧力を調整する圧力調整弁9が設けられており、復水器排気管8の端部には復水器3の胴内で発生した蒸気をフラッシュタンク11内に噴出するエジェクタ10を設置して、フラッシュタンク11の凝縮水をこの蒸気の駆動力を利用して凝縮水循環配管20を通じて復水器3の胴内に再循環させている。
前記凝縮水循環配管20にはフラッシュタンク11の凝縮水を復水器3の胴内に再循環させると共に、該凝縮水循環配管20を通じて再循環する凝縮水の一部を、凝縮水循環配管20から分岐した凝縮水循環配管20aを通じて蒸気駆動ポンプであるエジェクタ10に噴出させる操作を行う凝縮水切替弁(三方弁)21が設置されている。
フラッシュタンク11の胴内には蒸気駆動ポンプであるエジェクタ10から噴出させた復水器3で発生した蒸気を冷却させる凝縮水伝熱管19が配設されており、この凝縮水伝熱管19に冷却水を給排させる冷却水配管22が接続している。
フラッシュタンク11には、補給水を供給する補給水配管23が配設されており、更に前記フラッシュタンク11の胴内で発生した蒸気を屋外(建物外壁14の外側)へ導く排気配管12が配設され、この排気配管12の端部には外部からの飛来物混入を防止するメッシュ13が設置されている。
フラッシュタンク11には、補給水を供給する補給水配管23が配設されており、更に前記フラッシュタンク11の胴内で発生した蒸気を屋外(建物外壁14の外側)へ導く排気配管12が配設され、この排気配管12の端部には外部からの飛来物混入を防止するメッシュ13が設置されている。
前記隔離時冷却設備には復水器排気管8に設けた圧力調整弁9の開度を調節する圧力制御器18が設置されている。
圧力制御器18では原子炉圧力容器1に設けた胴内の蒸気圧力を検出する圧力計16から入力した原子炉圧力容器1の胴内の圧力の実測値P1と、圧力制御器18に設けた目標値の圧力容器圧力設定値Paとを比較し、この比較値に基づいて圧力計16で検出する原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1が目標値となるように圧力調整弁9の開度を調節して、復水器排気管8を通じてフラッシュタンク11に供給する復水器3内の蒸気の流量を制御する。
復水器3には胴内の蒸気圧力を検出する圧力計17が設けられており、圧力制御器18では復水器3に設けた胴内の蒸気圧力を検出する圧力計17から入力した復水器3の胴内の圧力の実測値P2と、圧力制御器18に設けた目標値の復水器圧力設定値Pbとを比較し、この比較値に基づいて圧力計17で検出する復水器3の蒸気圧力P2が目標値となるように圧力調整弁9の開度を調節して、復水器排気管8を通じてフラッシュタンク11に供給する復水器3内の蒸気の流量を制御する。
次に、本実施例の原子力発電所の隔離時冷却設備における操作方法について説明する。
図1に示した本実施例の原子力発電所の隔離時冷却設備において、何らかの要因によって原子炉圧力容器1から蒸気タービン(図示せず)に蒸気を供給することが出来ない原子炉隔離事象が発生した時に、原子炉圧力容器1から蒸気タービンへの蒸気供給を遮断して一時的に発電を停止する運転を行う場合がある。
早期にこの原子炉隔離事象の復旧が見込まれる場合には、原子炉圧力容器1を高温状態としたまま、発電再開に向けて待機する(高温待機)。
この際に、原子炉制御棒全挿入(スクラム)により原子炉の熱出力は低下するが、原子炉から崩壊熱が継続して発生する。このため、原子炉隔離事象が発生して高温待機する場合、原子力発電所の隔離時冷却設備は原子炉から発生する崩壊熱を除去するため、原子炉圧力容器1から供給される飽和蒸気を復水器導入配管6を通じて復水器3に流入させ、復水器3の復水器伝熱管15で除熱されて凝縮した復水を、復水器3の復水器伝熱管15から原子炉圧力容器1に戻す復水戻り配管7に設けた隔離弁5を開操作して、原子炉圧力容器1に戻すように運転される。
このとき、原子炉圧力容器1の内部の蒸気温度は、崩壊熱と復水器3による除熱量等によって変化する。
そこで、本実施例の原子力発電所の隔離時冷却設備では、原子炉圧力容器1で発生する蒸気の圧力を一定に維持する制御を行うために、圧力制御器18に設けた復水器3の胴内の蒸気圧力P2を調整する圧力設定値Pbを原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1に応じて変化させ、この変化させた圧力設定値Pbと実測した復水器3の胴内の蒸気圧力P2との比較に基づいて復水器排気管8に設けた圧力調整弁9の開度を調節することによって、原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1を一定に維持する制御を実現している。
即ち、復水器3の胴内の蒸気温度は復水器3の胴内の蒸気圧力P2の飽和温度となるため、復水器3に設けた胴内の蒸気圧力を検出する圧力計17で検出した復水器3の胴内の蒸気圧力の検出値P2が圧力制御器18に入力されるが、前記圧力制御器18には圧力設定器が設けられており、この圧力設定器に設定されている目標値となる復水器圧力設定値Pbの値を原子炉圧力容器1に設けた圧力計16で検出した蒸気圧力P1に応じて変化させている。
そして、圧力計16で検出した原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1の値が、所定の蒸気圧力設定値Pc(例えば7MPa)を超える場合には、圧力制御器18の圧力設定器で設定する復水器圧力設定値Pbの値を大気圧に近づくように変化させて減少し、復水器3の圧力計17で検出した復水器3の胴内の蒸気圧力P2と前記復水器圧力設定値Pbとの比較値に基づいて、前記復水器排気管8に設けた圧力調整弁9の開度を調節する。
また、圧力計16で検出した原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1の値が、所定の設定値Pc(例えば7MPa)を下回る場合には、圧力制御器18の圧力設定器で設定する復水器圧力設定値Pbの値を1.0MPaに近づくように変化させて増加し、復水器3の圧力計17で検出した復水器3の胴内の蒸気圧力P2と前記復水器圧力設定値Pbとの比較値に基づいて、前記復水器排気管8に設けた圧力調整弁9の開度を調節する。
圧力制御器18によって復水器排気管8に設けた圧力調整弁9の開度を調節することで、復水器3の胴内の蒸気圧力P2は変化させた復水器圧力設定値Pbと一致するように制御され、復水器3から復水器排気管8を通じてフラッシュタンク11に流入する復水器3内の蒸気の流量が調節される。
この結果、圧力制御器18による制御によって、復水器3による除熱量を変化させることが可能となり、この復水器3の除熱量の調節により圧力計16で検出する原子炉圧力容器1の蒸気の圧力P1の値が所望の設定値Pcを維持するように調節することができる。
即ち、前記圧力制御器18においては、圧力制御器18に設けた目標値の復水器圧力設定値Pbを圧力計16で検出した原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1に応じて適切な蒸気圧力の値となるように変化させて設定することで、圧力計17で検出する復水器3の胴内の蒸気圧力の検出値P2を、この適切な値に変化させた蒸気圧力の設定値Pbに一致するように前記圧力制御器18の制御によって前記復水器排気管8に設けた圧力調整弁9の開度を調節し、復水器3による除熱量を調節する。
前記圧力制御器18による復水器3の除熱量の調節によって、圧力計16で検出する原子炉圧力容器1の蒸気の圧力P1の値が所望の設定値Pcを維持するように調節できる。
更に前記圧力制御器18においては、圧力計17で検出した復水器3の胴内の蒸気圧力P2と復水器圧力設定値Pbとの比較に基づいて前記復水器排気管8に設けた圧力調整弁9の開度を調節しているので、復水器3の胴内で発生した蒸気はフラッシュタンク11に供給されて有効に利用される。
即ち、復水器3の胴内で発生した蒸気はフラッシュタンク11に供給され、フラッシュタンク11の胴内で冷却水配管22を通じて供給される冷却水によって冷却されて凝縮水となる。このラッシュタンク11の胴内の凝縮水は凝縮水循環配管20を通じて復水器3に流入して復水器3に再循環し、復水器3の胴側で発生した蒸気と凝縮水を混合させることによって原子力発電所の隔離時冷却設備の冷却を促進させる。
復水器排気管8がフラッシュタンク11に接続する復水器排気管8の端部にはエジェクタ10が設けられており、前記凝縮水循環配管20に設けた凝縮水切替弁21から凝縮水循環配管20から分岐した分岐配管21aが前記エジェクタ10に至るまで配設されている。
更に、フラッシュタンク11の胴内の凝縮水の水位を、復水器3の通常の水位よりも高くなるように配置して、原子炉圧力容器1の蒸気圧力が低下した後に前記凝縮水循環配管20に設けた凝縮水切替弁21をフラッシュタンク11から導かれる凝縮水が復水器3側に供給するように切り替えることで、フラッシュタンク11内の凝縮水を水頭圧によって凝縮水循環配管20を通じて復水器3に供給して復水器冷却水4として再利用する。
この結果、仮に、フラッシュタンク11に補給水を供給する補給水配管23が利用できない場合でも、原子力発電所の隔離時冷却設備の冷却時間を延長できる。
また、補給水配管23から補給水をフラッシュタンク11に供給してフラッシュタンク11内の凝縮水の水位を上昇させ、フラッシュタンク11内の凝縮水を凝縮水循環配管20を通じて復水器3に供給して復水器3の胴内を満水にすることで、フラッシュタンク11に補給した補給水が復水器3の胴内の飽和水との密度差によって凝縮水循環配管20及び復水器排気管8を通じて循環し、復水器3で除熱した崩壊熱をフラッシュタンク11内に排泄した凝縮水伝熱管19によって冷却できる。
一方、原子力発電所の発電の再開を考慮すると、高温待機中の原子炉圧力容器1は、内部の蒸気圧力(温度)を出来るだけ通常運転条件に近くしておけば、原子力発電所の運転の復旧にかかる時間やエネルギーを少なくできる。
本実施例の原子力発電所の隔離時冷却設備においては、原子炉隔離事象が発生すると、前述したように、原子炉圧力容器1から供給される飽和蒸気は復水器導入配管6を通じて復水器3に流入して復水器3で除熱され、復水器3で除熱された凝縮水(復水)は、復水器3の復水器伝熱管15から復水戻り配管7を通じて原子炉圧力容器1に戻る。
この結果、仮に、フラッシュタンク11に補給水を供給する補給水配管23が利用できない場合でも、原子力発電所の隔離時冷却設備の冷却時間を延長できる。
また、補給水配管23から補給水をフラッシュタンク11に供給してフラッシュタンク11内の凝縮水の水位を上昇させ、フラッシュタンク11内の凝縮水を凝縮水循環配管20を通じて復水器3に供給して復水器3の胴内を満水にすることで、フラッシュタンク11に補給した補給水が復水器3の胴内の飽和水との密度差によって凝縮水循環配管20及び復水器排気管8を通じて循環し、復水器3で除熱した崩壊熱をフラッシュタンク11内に排泄した凝縮水伝熱管19によって冷却できる。
一方、原子力発電所の発電の再開を考慮すると、高温待機中の原子炉圧力容器1は、内部の蒸気圧力(温度)を出来るだけ通常運転条件に近くしておけば、原子力発電所の運転の復旧にかかる時間やエネルギーを少なくできる。
本実施例の原子力発電所の隔離時冷却設備においては、原子炉隔離事象が発生すると、前述したように、原子炉圧力容器1から供給される飽和蒸気は復水器導入配管6を通じて復水器3に流入して復水器3で除熱され、復水器3で除熱された凝縮水(復水)は、復水器3の復水器伝熱管15から復水戻り配管7を通じて原子炉圧力容器1に戻る。
このとき、原子炉圧力容器1の内部温度は、崩壊熱と復水器3による除熱量等によって変化する。復水器3の胴内の蒸気温度は復水器3の胴内圧力の飽和温度となるため、前述したように前記圧力制御器18による制御によって、圧力計17で検出した復水器3の胴内の蒸気圧力P2を目標値の復水器圧力設定値Pbとの比較に基づいて復水器排気管8設けた圧力調整弁9の開度を調節して、復水器3から復水器排気管8を通じてフラッシュタンク11に供給する復水器3内の蒸気の流量を制御することにより、復水器3の除熱量を変化させることができる。
従って、復水器3の除熱量の調節により、圧力計16で検出する原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1を所望の圧力設定値Pcを維持するように調整することができる。
従って、復水器3の除熱量の調節により、圧力計16で検出する原子炉圧力容器1の蒸気圧力P1を所望の圧力設定値Pcを維持するように調整することができる。
ここで、圧力制御器18で設定する復水器3の蒸気圧力設定値Pbと復水器3の除熱量及び原子炉圧力容器1の蒸気圧力設定値Pcとの関係は以下の通りとなる。
復水器3の除熱量は、復水器3の内部に配設された復水器伝熱管15の管側と復水器3の胴側の温度差に比例するため、例えば圧力制御器18で設定する復水器の蒸気圧力設定値Pbを、大気圧、0.5MPa、lMPaにそれぞれ設定した場合、蒸気表から前記温度差は各々約100°C、約130°C、約185°Cと計算される。
この復水器3の除熱量は大気圧を100%とすると、0.5MPaで約70%、l.OMPaで約55%になる。このことから、圧力制御器18で設定する復水器3の蒸気圧力設定値Pbの設定を、原子炉圧力容器1の蒸気圧力設定値Pcの約10〜20%となるように設定することにより、復水器3の除熱量を復水器3の定格の50〜100%の範囲で調整することが可能となる。
本実施例によれば、隔離時冷却設備の復水器での除熱量を可変にして、復水器の胴側で発生した蒸気の熱エネルギーを有効に利用し、隔離時冷却設備による崩壊熱の除熱の調節を可能にした原子力発電所の隔離時冷却設備が実現できる。
本発明は、原子力発電所停止時の崩壊熱除去と冷温停止に利用できる原子力発電所の隔離時冷却設備に適用可能である。
1:原子炉圧力容器、2:炉水、3:復水器、4:復水器冷却水、5:隔離弁、6:復水器導入配管、7:復水戻り配管、8:復水器排気管、9:圧力調整弁、10:エジェクタ、11:フラッシュタンク、12:排気配管、13:メッシュ、14:建物外壁、15:復水器伝熱管、16、17:圧力計、P1、P2:蒸気圧力、Pb:復水器圧力設定値、Pc:蒸気圧力設定値、18:圧力制御器、19:凝縮水伝熱管、20:凝縮水循環配管、20a:分岐配管、21:凝縮水切替弁、22:冷却水配管、9:補給水配管。
Claims (4)
- 原子炉圧力容器から蒸気を導く導入配管と、この導入配管を通じて原子炉圧力容器から導かれた蒸気を除熱する復水器と、復水器での除熱によって凝縮された復水を前記原子炉圧力容器に戻す戻り配管と、復水器での除熱によって復水器胴側で発生した蒸気を排気する排気配管を備えた原子力発電所の隔離時冷却設備において、
前記排気配管を通じて復水器から排気された蒸気をフラッシュさせて凝縮するフラッシュタンクを備え、
前記排気配管に圧力調節弁を設置し、前記復水器及び原子炉圧力容器に蒸気の圧力を検出する圧力計をそれぞれ設置し、前記圧力計が検出した復水器及び原子炉圧力容器に蒸気の圧力の実測値と圧力設定器で設定した設定値に基づいて圧力調節弁の開閉を調節する圧力制御装置を備えたことを特徴とする原子力発電所の隔離時冷却設備。 - 請求項1記載の原子力発電所の隔離時冷却設備において、
前記フラッシュタンクに連通する排気配管の端部に蒸気駆動ポンプを設置し、前記フラッシュタンクに該フラッシュタンク内の蒸気を凝縮させる冷却装置を配設し、前記フラッシュタンクで凝縮した凝縮水を前記蒸気駆動ポンプに供給する循環配管を配設した設けたことを特徴とする原子力発電所の隔離時冷却設備。 - 請求項2記載の原子力発電所の隔離時冷却設備において、
前記フラッシュタンクの凝縮水の水位が復水器の胴内の復水の水位よりも高くなるように設定して、フラッシュタンクから凝縮水の静水頭により凝縮水を前記復水器に供給する第2の循環配管を設置したことを特徴とする原子力発電所の隔離時冷却設
備。 - 請求項3記載の原子力発電所の隔離時冷却設備において、
前記フラッシュタンクに補給水を供給する補給水配管を設けたことを特徴とする原子力発電所の隔離時冷却設備。
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