JP5737595B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は二次電池に関する。詳しくは車両搭載用電源に適用可能な二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコン、携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池その他の二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられることが期待されている。例えば特許文献1には、正極と負極とがセパレータを介して扁平形状に捲回されてなる電極体を備える二次電池が開示されている。
特開2011−71109号公報
上記従来の二次電池の一態様として、捲回電極体に対して荷重を加えた状態で用いる態様がある。かかる態様では、その荷重のために捲回電極体の捲回中心まで電解液が含浸し難い傾向があり、捲回中心近傍で電解液の濃度にムラが生じることが起こり得る。かかる場合、電解液の濃度ムラに起因して電池が劣化する虞がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するために創出されたものであり、その目的は、捲回電極体に対して荷重が加えられた状態で用いられる二次電池において、捲回電極体に含浸された電解液の濃度ムラが低減された二次電池を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明により、長尺の正極シートと長尺の負極シートとが長尺の2枚のセパレータシートを介して捲回されてなる扁平形状の捲回電極体を備え、該捲回電極体の扁平な面に対して荷重が加えられた状態で用いられる二次電池が提供される。この二次電池は、前記捲回電極体の捲回軸方向に直交する断面において、該捲回電極体の最内部の前記セパレータシートの2つの屈曲点間の平坦部の長さをLとし、該屈曲点の一方を起点として該平坦部に直交する屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離をXとしたとき、X/Lが1/100〜20/100の範囲となるように該負極シートが捲回されており、さらに前記屈曲端直線から前記正極シートの捲回始端までの距離をYとしたとき、X<Yを満たし、かつY/Lが10/100〜40/100の範囲となるように該正極シートが捲回されていることを特徴とする。
上記二次電池は、捲回電極体の扁平な面に対して荷重が加えられた状態で用いられるため、捲回中心近傍まで電解液が含浸し難く、電解液の濃度ムラが生じやすい。そこで、負極シートの捲回始端と正極シートの捲回始端をずらして配置することで、捲回中心近傍に空間を作出する。この空間が存在することにより電解液が捲回中心まで含浸しやすくなり、捲回中心近傍における電解液の濃度ムラが低減される。その結果、電池抵抗の上昇が抑制され、特にハイレートサイクルによる劣化が抑制される。しかし、捲回始端をずらす量が大きすぎると、上記空間は荷重によって潰されてしまう。したがって、負極シートの捲回始端を上述のX/Lの範囲とし、正極シートの捲回始端の配置位置を上述のY/Lの範囲とすることが必要である。すなわち、1≦X/L≦20かつ10≦Y/L≦40を満たすことにより、ハイレートサイクルによる劣化を好適に抑制することができる。本発明の上記構成は、正負の電極シートが0≦X/L<1、0≦Y/L<10となるように配置されていた従来技術とは異なる新規かつ実用上有益な構成である。そして、かかる構成は、捲回電極体に対して荷重が加えられた状態で用いられる二次電池では電解液の濃度ムラが生じやすいこと、上記濃度ムラを低減するには捲回電極体の捲回中心近傍で空間を確保することが有効であることを知得し、さらに正負の電極シートの捲回始端をずらすことで上記空間を確保するという発想により初めて実現されたものである。なお、上述のL、X、Yは同じ単位(例えばmm)の値を用いるものとする。
ここで開示される二次電池の好適な一態様では、前記捲回電極体の幅方向において、該捲回電極体の一方の端部を第一端部とし、他方の端部を第二端部とした場合に、前記負極シートは、前記第一端部側に負極合材層形成部を備え、前記第二端部側に負極合材層非形成部を備えており、前記負極シートと該負極シートに対向する前記セパレータシートとは、前記捲回電極体の幅方向において、前記負極シートの前記第一端部側の端部と前記セパレータシートの前記第一端部側の端部との間に距離Aを有するように配置されており、前記距離Aと、前記屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離Xとの比(A/X)が、0.1≦(A/X)≦5である。上述のように捲回電極体の捲回中心近傍において各捲回始端から屈曲部にかけて空間が作り出されると、セパレータシートは、荷重が加えられている扁平部では収縮しないが、上記の空間が存在することによって荷重が低減または解消した部分では収縮し得る。かかる場合、セパレータシートの収縮によって正負極の微短絡の発生が懸念される。そこで、第一端部側における負極シートの端部とセパレータシートの端部との間の距離Aを上述の範囲とする。すなわち、上述の比(A/X)を0.1以上とすることによって、負極シートの捲回始端近傍に作出された空間によってセパレータシートが収縮しても、上記距離Aは、該作出された空間の大きさに対応して所定の幅を有する。その結果、上記微短絡を防ぐことが可能となり、二次電池の安全性が向上する。上記比(A/X)が5を超えると、余裕代である距離Aが大きくなりすぎて、電池抵抗が上昇する等、電池性能が低下する傾向がある。なお、距離Aを正極シートではなく負極シートの合材層形成部側の端部との関係で規定したのは、捲回電極体の幅方向において負極シートの上記端部の方がセパレータシートの端部に近接するためである。また、屈曲端直線から負極シートの捲回始端までの距離Xを上記比(A/X)で採用したのは、上述のように負極シートの捲回始端部と正極シートの捲回始端部とがX<Yの関係を満たしているため、Xとの関係を規定することにより、XとYとで作出される空間との関係を規定できるためである。
上記好適な一態様を換言すると、前記負極シートは、負極集電体と負極合材層とを備えており、前記捲回電極体の幅方向における前記捲回電極体の一方の端部を第一端部とした場合において、前記負極合材層は、前記負極集電体上の、前記幅方向の第一端部側に形成されており、それによって前記負極シートは、前記第一端部側に位置する負極合材層形成部を有しており、前記負極シートと該負極シートに対向する前記セパレータシートとは、前記捲回電極体の幅方向において、該負極シートの前記第一端部側の端部と該セパレータシートの該第一端部側の端部との間に距離Aを有するように配置されており、前記距離Aと、前記屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離Xとの比(A/X)が、0.1≦(A/X)≦5であり得る。なお、距離Aは上述のL、Xと同じ単位の値を用いるものとする。
ここで開示される二次電池の好適な一態様では、前記2枚のセパレータシートの150℃における幅方向の収縮率αは0.5%〜5%であり、前記セパレータシートの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10−2<Aを満たす。これによって、上述の距離Aはセパレータシートの収縮量より大きい値をとるので、正負極の微短絡は防がれ、二次電池の安全性が向上する。なお、上述のQは、上記Aと同じ単位の値を用いるものとする。
ここで開示される二次電池の好適な一態様では、前記捲回電極体の幅方向において、該捲回電極体の一方の端部を第一端部とし、他方の端部を第二端部とした場合に、前記正極シートは、前記第二端部側に正極合材層形成部を備え、前記第一端部側に正極合材層非形成部を備えており、前記正極シートと該正極シートに対向する前記セパレータシートとは、前記捲回電極体の幅方向において、前記正極シートの前記第二端部側の端部と前記セパレータシートの前記第二端部側の端部との間に距離Bを有するように配置されており、前記2枚のセパレータシートの150℃における幅方向の収縮率αは0.5%〜5%であり、前記セパレータシートの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10−2<Bを満たす。これによって、第二端部側において、正極シートの端部とセパレータシートの端部との間の距離Bは、セパレータシートの収縮量より大きい値をとるので、正負極の微短絡は防がれ、二次電池の安全性が向上する。
また、上記好適な一態様を換言すると、前記正極シートは、正極集電体と正極合材層とを備えており、前記捲回電極体の幅方向における前記捲回電極体の他方の端部を第二端部とした場合において、前記正極合材層は、前記正極集電体上の、前記幅方向の第二端部側に形成されており、それによって前記正極シートは、前記第二端部側に位置する正極合材層形成部を有しており、前記正極シートと該正極シートに対向する前記セパレータシートとは、前記捲回電極体の幅方向において、該正極シートの前記第二端部側の端部と該セパレータシートの該第二端部側の端部との間に距離Bを有するように配置されており、前記2枚のセパレータシートの150℃における幅方向の収縮率αは0.5%〜5%であり、前記セパレータシートの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10−2<Bを満たすものであり得る。なお、上述の距離Bは、上記Qと同じ単位の値を用いるものとする。
ここで開示される二次電池の好適な一態様では、前記2枚のセパレータシートのそれぞれの正極シート側表面には耐熱層が形成されている。これによってセパレータシートの収縮率が抑制されて上記微短絡が好適に防止され得る。
また、本発明によると、二次電池を製造する方法が提供される。この製造方法は、長尺の正極シートと長尺の負極シートとを、長尺の2枚のセパレータシートを介して捲回することにより扁平形状の捲回電極体を構築すること、を包含し、ここで、前記捲回電極体の捲回軸方向に直交する断面において、該捲回電極体の最内部の前記セパレータシートの2つの屈曲点間の平坦部の長さをLとし、該屈曲点の一方を起点として該平坦部に直交する屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離をXとしたとき、X/Lが1/100〜20/100の範囲となるように該負極シートを捲回し、さらに前記屈曲端直線から前記正極シートの捲回始端までの距離をYとしたとき、X<Yを満たし、かつY/Lが10/100〜40/100の範囲となるように該正極シートを捲回することを特徴とする。
ここで開示される二次電池の製造方法の好適な一態様では、負極集電体を用意すること、該負極集電体上に負極合材層を形成して負極シートを構築すること、を包含する。ここで、前記捲回電極体の幅方向において、該捲回電極体の一方の端部を第一端部とし、他方の端部を第二端部とした場合に、前記負極シートは、前記第一端部側に負極合材層形成部を備え、前記第二端部側に負極合材層非形成部を備えている。そして、前記負極シートと該負極シートに対向する前記セパレータシートとを、前記捲回電極体の幅方向において、前記負極シートの前記第一端部側の端部と前記セパレータシートの前記第一端部側の端部との間に距離Aを有するように配置する。このとき、前記距離Aと、前記屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離Xとの比(A/X)が、0.1≦(A/X)≦5の範囲となるように配置する。また、前記2枚のセパレータシートとして、150℃における幅方向の収縮率αが0.5%〜5%であるものを選択して用いること、および、前記セパレータシートの幅をQ/としたとき、Q×α(%)×10−2<Aを満たすように前記捲回電極体(典型的には負極シートおよび/またはセパレータシート)を捲回することを、を包含し得る。また、前記2枚のセパレータシートのそれぞれの正極シート側表面に耐熱層を形成することが好ましい。また、上記製造方法は、正極集電体を用意すること、該正極集電体上に正極合材層を形成して正極シートを構築すること、を包含する。ここで、前記捲回電極体の幅方向において、該捲回電極体の一方の端部を第一端部とし、他方の端部を第二端部とした場合に、前記正極シートは、前記第二端部側に正極合材層形成部を備え、前記第一端部側に正極合材層非形成部を備えている。そして、前記正極シートと該正極シートに対向する前記セパレータシートとを、前記捲回電極体の幅方向において、前記正極シートの前記第二端部側の端部と前記セパレータシートの前記第二端部側の端部との間に距離Bを有するように配置する。このとき、前記2枚のセパレータシートとして150℃における幅方向の収縮率αが0.5%〜5%のものを選択して用いること、および、前記セパレータシートの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10−2<Bを満たすように前記捲回電極体(典型的には正極シートおよび/またはセパレータシート)を捲回することを、を包含し得る。
また、本発明によると、複数の充放電可能な単電池が所定方向に配列されて構成された組電池が提供される。前記複数の単電池のそれぞれは、長尺の正極シートと長尺の負極シートとが長尺の2枚のセパレータシートを介して捲回されてなる扁平形状の捲回電極体を備えており、隣り合う少なくとも2つの前記単電池は、該単電池それぞれが備える前記捲回電極体の扁平な面が対向するように配列されるとともに該捲回電極体に対して該配列方向に荷重が加えられた状態で拘束されており、前記捲回電極体の捲回軸方向に直交する断面において、該捲回電極体の最内部の前記セパレータシートの2つの屈曲点間の平坦部の長さをLとし、該屈曲点の一方を起点として該平坦部に直交する屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離をXとしたとき、X/Lが1/100〜20/100の範囲となるように該負極シートが捲回されており、さらに前記屈曲端直線から前記正極シートの捲回始端までの距離をYとしたとき、X<Yを満たし、かつY/Lが10/100〜40/100の範囲となるように該正極シートが捲回されていることを特徴とする。上記組電池を構成する単電池のそれぞれは、単電池の配列方向に荷重が加えられた状態で拘束されているため、捲回電極体の捲回中心近傍では電解液が含浸し難く、電解液の濃度ムラが生じやすい。しかし、上述の構成を採用することにより、捲回中心近傍において正極シートの捲回始端から捲回電極体の屈曲部にかけて、また負極シートの捲回始端から屈曲部にかけて空間(空隙)が形成される。そのため、電解液が捲回中心まで含浸しやすくなり、捲回中心近傍における電解液の濃度ムラが生じ難い。その結果、電池抵抗の上昇が抑制され、特にハイレートサイクルによる劣化が抑制される。
また、本発明によると、複数の充放電可能な単電池が所定方向に配列されて構成された組電池を製造する方法が提供される。この製造方法は、長尺の正極シートと長尺の負極シートとが長尺の2枚のセパレータシートを介して捲回されてなる扁平形状の捲回電極体を備える少なくとも2つの単電池を用意すること、および前記少なくとも2つの単電池それぞれが備える前記捲回電極体の扁平な面が対向するように該少なくとも2つの単電池を配列するとともに該捲回電極体に対して該配列方向に荷重が加えられた状態で拘束すること、を包含し、ここで、前記捲回電極体の捲回軸方向に直交する断面において、該捲回電極体の最内部の前記セパレータシートの2つの屈曲点間の平坦部の長さをLとし、該屈曲点の一方を起点として該平坦部に直交する屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離をXとしたとき、X/Lが1/100〜20/100の範囲となるように該負極シートを捲回し、さらに前記屈曲端直線から前記正極シートの捲回始端までの距離をYとしたとき、X<Yを満たし、かつY/Lが10/100〜40/100の範囲となるように該正極シートを捲回することを特徴とする。
また、本発明によると、ここで開示される組電池を備える車両が提供される。かかる組電池は、電池抵抗の上昇が抑制され、特にハイレートサイクルによる劣化が抑制されているので、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1のII−II線における断面図である。 一実施形態に係る電極体を捲回する状態を模式的に示す斜視図である。 図3の捲回電極体の捲回軸方向に直交する断面を模式的に示す図である。 図4の捲回電極体の最内部の屈曲点近傍を拡大して示す図である。 図3の捲回電極体の一構成例の正負極間の断面の一部を拡大して示す図である。 図6に対応する図であって、他の構成例における拡大断面図である。 一実施形態に係る組電池を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による一実施形態を説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータや電解質(電解液)の構成および製法、電池(ケース)の形状等、電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
ここで開示される二次電池に係る好適な一実施形態として、リチウムイオン二次電池を例にして説明するが、本発明の適用対象をかかる電池に限定することを意図したものではない。例えば、リチウムイオン以外の金属イオン(例えばナトリウムイオン)を電荷担体とする二次電池に本発明を適用することも可能であるし、ニッケル水素電池等の二次電池に本発明を適用することも可能である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウムイオン二次電池等の蓄電池(すなわち化学電池)のほか、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。さらに、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図1および図2に示すように、リチウムイオン二次電池100は、直方体箱形状の角型の電池ケース10と、電池ケース10内に収容された捲回電極体20とを備える。電池ケース10は上面に開口部12を有しており、この開口部12は、捲回電極体20が電池ケース10内に収容された後、蓋体14によって封止される。電池ケース10内にはまた、電解質(電解液)25が収容されている。電解液25は典型的には捲回電極体20中に含浸されている。蓋体14には、外部接続用の外部正極端子38と外部負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。また、外部正極端子38の一部は電池ケース10内部で内部正極端子37に接続されており、外部負極端子48の一部は電池ケース10内部で内部負極端子47に接続されている。
図3に示すように、捲回電極体20は、長尺シート状の正極(正極シート)30と、長尺シート状の負極(負極シート)40とを備える。正極シート30は、長尺状の正極集電体32とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された正極合材層34とを備える。負極シート40は、長尺状の負極集電体42とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された負極合材層44とを備える。捲回電極体20はまた、長尺シート状の2枚のセパレータ(セパレータシート)50A,50Bを備える。
捲回電極体20の捲回方向に直交する方向(幅方向)の中心部には、正極集電体32の表面上に形成された正極合材層34と、負極集電体42の表面上に形成された負極合材層44とが重なり合って密に積層された部分が形成されている。また、正極シート30の幅方向の一方の端部には、正極合材層34が形成されずに正極集電体32が露出した部分(正極合材層非形成部36)が設けられている。この正極合材層非形成部36は、セパレータシート50A,50Bおよび負極シート40からはみ出た状態となっており、捲回電極体20の幅方向の一端には正極集電体32の正極合材層非形成部36が重なり合った正極集電体積層部35が形成されている。なお、捲回電極体20の幅方向において、正極集電体積層部35が形成されている側の端部を第一端部という。また、正極シート30の幅方向の他方の端部(上記一方の端部の反対側に位置する端部)を正極合材層34形成部側の端部33という。
また、捲回電極体20の幅方向において、正極集電体積層部35が形成されている端部(第一端部)とは反対側の端部(第二端部)には、負極集電体42の負極合材層非形成部46が重なり合った負極集電体積層部45が形成されている。なお、負極シート40の幅方向において、負極合材層非形成部46側とは反対側の端部を負極合材層44形成部側の端部43という。
正極シート30および負極シート40は、2枚のセパレータシート50A,50Bを介して積層されている。セパレータシート50A,50Bの幅は、正極合材層34および負極合材層44の積層部分の幅より大きく、捲回電極体20の幅より小さい。これを正極合材層34および負極合材層44の積層部分に挟むように配することで、正極合材層34および負極合材層44が互いに接触して内部短絡が生じることを防いでいる。正極シート30、負極シート40、2枚のセパレータシート50A,50Bからなる積層体は、長尺方向に捲回されることによって捲回体とされ、さらにこの捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形される。
図4に示すように、捲回電極体20は、捲回軸方向に直交する断面において、略角丸長方形状を有しており、中央側に位置する扁平部21と、扁平部21の両側に位置する断面半円形状の屈曲部22とを有する。捲回電極体20の最内部(最内層)には、扁平部21の最内面として平坦部23が存在している。平坦部23は、図4の断面図中、長さLを有する線分で表される部分である。この平坦部23の両端は2つの屈曲点P1,P2となっている。これら屈曲点P1,P2は、屈曲部22を構成する半円の中心点近傍に位置する。なお、上記捲回軸方向は捲回方向に直交する方向であり、捲回電極体の幅方向に平行する方向でもある。
図5に示すように、捲回電極体20の最内部(最内層)はセパレータシート50A,50Bによって構成されている。したがって、上述の屈曲点P1は、セパレータシート50Aの屈曲点である。そして、負極シート40の捲回始端41は、捲回電極体20の捲回軸方向に直交する断面において、屈曲点P1を起点として平坦部23を表す線分に直交する屈曲端直線Mから所定量ずらして配置されている。すなわち、捲回電極体20の最内部のセパレータシート50Aの2つの屈曲点P1,P2間の平坦部23の長さをLとし、屈曲点P1を起点として平坦部23に直交する屈曲端直線Mから負極シート40の捲回始端41までの距離をXとしたとき、X/Lが1/100〜20/100の範囲となるように負極シート40は捲回されている。これによって、捲回電極体20の負極シート40の捲回始端41から捲回電極体20の屈曲部22にかけて、負極シート40が存在しないことにより空隙S1が形成される。リチウムイオン二次電池100は、図4で説明すると、断面が略角丸長方形状の捲回電極体20の扁平部21に対して荷重が加えられた状態で用いられるため、捲回電極体20中の電解液25は捲回中心まで含浸し難い。しかし、上述の空隙S1が存在することにより電解液25が捲回中心まで含浸しやすくなり、捲回電極体20における電解液25の濃度ムラが低減される。その結果、上記濃度ムラによってLiPF等の支持塩が部分的に析出する現象(反応斑の発生)が防止され、それに起因するリチウムの析出耐性の悪化が抑制される。上記X/Lは3/100〜15/100(例えば5/100〜12/100、典型的には7/100〜10/100)であることが好ましい。
また、正極シート30の捲回始端31は、負極シート40の捲回始端41よりもさらに屈曲部22から離れるようにずらして配置されている。すなわち、屈曲端直線Mから正極シート30の捲回始端31までの距離をYとしたとき、X<Yを満たし、かつY/Lが10/100〜40/100の範囲となるように正極シート30は捲回されている。これによって、正極シート30の捲回始端31から屈曲部22にかけても、正極シート30が存在しないことにより空隙S2が形成される。この空隙S2が存在することにより、負極シート40の場合と同様に、電解液25の濃度ムラが低減され、かかる濃度ムラに起因するリチウムの析出耐性の悪化が抑制される。上記Y/Lは15/100〜30/100(例えば17/100〜25/100、典型的には17/100〜20/100)であることが好ましい。また、上記Y/Lは上記X/Lより3/100以上(例えば5/100以上、典型的には10/100以上)大きいことがより好ましい。
また、捲回電極体20の捲回中心における屈曲点P1近傍には、図5に示すように空隙S0が存在している。この空隙S0は、セパレータシート50A,50Bを捲回中心で1回折り返した後に、すなわち1ターンさせた後にセパレータシート50A,50Bの捲回始端51A,51B側とは逆側に折り返して捲回することによって作出されている。この空隙S0が存在することによっても電解液25の濃度ムラが低減され、かかる濃度ムラに起因するリチウムの析出耐性の悪化が抑制される。その結果、電池抵抗の上昇、特にハイレートサイクルによる劣化が抑制される。なお、上述の1ターンとは、正極シート、負極シート、セパレータシートのいずれかが、一方の屈曲端(典型的には屈曲端直線であり得る)から他方の屈曲端へ進み、上記他方の屈曲端で折り返して元の屈曲端(典型的には屈曲端直線であり得る)に戻ってくること、またはそれに要する長さ(距離)のことをいう。かかる距離は捲回電極体における相対的な距離として定義され得る。したがって、この実施形態においては図5に示すように、負極シート40の捲回始端41は、セパレータシート50A,50Bのいずれか一方(典型的には両方)がその捲回始端51A,51Bから2ターンし、さらに上記X/Lの分だけ進んだ位置から始まっているということができる。また、正極シート30の捲回始端31も、セパレータシート50A,50Bのいずれか一方(典型的には両方)がその捲回始端51A,51Bから2ターンし、さらに上記Y/Lの分だけ進んだ位置から始まっているということができる。
また、負極シート40とセパレータシート50A,50Bとは、図3に示すように、捲回電極体20の幅方向において、負極シート40の負極合材層形成部側の端部43と、セパレータシート50A,50Bの端部(図3のセパレータシートの左端)との間に距離Aを有するように配置されていることが好ましい。ここで、負極シート40の端部43は、捲回電極体20の第一端部側の端部である。また、セパレータシート50A,50Bの上述の端部も、捲回電極体20の第一端部側の端部である。そして、上記距離Aと、屈曲端直線Mから負極シート40の捲回始端41までの距離Xとの比(A/X)は、0.1≦(A/X)≦5であることがより好ましい。上述のように、捲回電極体20の捲回中心近傍において正極シート30、負極シート40の各捲回始端31,41から屈曲部22にかけて空隙S1,S2が作り出されると、この空隙周辺においてセパレータシート50A,50Bに対する荷重が低減または解消される。そのため、セパレータシート50A,50Bは収縮し、この収縮幅が大きい場合、正負極の微短絡が懸念される。しかし、上記比(A/X)を所定の範囲とすることで、負極シート40の捲回始端41近傍に空隙S1が形成されてセパレータシート50A,50Bが収縮しても、上記距離Aは、該形成された空隙S1の大きさに対応して所定の幅を有することとなるので、過充電時には距離Aに対応する部分でセパレータシート50A,50Bは融着し、上記微短絡を強固に防ぐことができる。上記比(A/X)は、0.2≦(A/X)≦1.6(例えば0.4≦(A/X)≦1.0、典型的には0.5≦(A/X)≦0.7)であることがさらに好ましい。
また、セパレータシート50A,50Bの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10−2<Aを満たすことがさらに好ましい。ここでαは、セパレータシート50A,50Bの150℃における幅方向の収縮率である。これによって、上記距離Aはセパレータシート50A,50Bの収縮量より大きい値をとるので、正負極の微短絡は防がれ、二次電池の安全性が向上する。
さらに、正極シート30とセパレータシート50A,50Bとは、捲回電極体20の幅方向において、正極シート30の正極合材層形成部側の端部33と、該セパレータシート50A,50Bの端部との間に距離Bを有するように配置されていることが好ましい。ここで、正極シート30の端部33は、捲回電極体20の第二端部側の端部である。また、セパレータシート50A,50Bの上記端部も、捲回電極体20の第二端部側の端部である。そして、セパレータシート50A,50Bの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10−2<Bを満たすことがさらに好ましい。これによって、正極シート30の正極合材層34形成部側の端部33とセパレータシート50A,50Bの端部との間の距離Bは、セパレータシート50A,50Bの収縮量より大きい値をとるので、正負極の微短絡は防がれ、二次電池の安全性が向上する。
また、図6に示すように、セパレータシート50Aの正極シート30側表面には、耐熱層52が該表面の全体を覆うように形成されていることが好ましい。耐熱層52は、正極シート30側表面ではなく、図7に示すように負極シート40側の表面に形成されていてもよい。耐熱層52を形成することによって、セパレータシート50Aの収縮が抑制されて微短絡が好適に防止され得る。過充電に対する抵抗性(過充電耐性)を向上する観点から、耐熱層52は、セパレータシート50Aの正極シート30側表面(正極シート30に対向する面)に形成されていることが好ましい。セパレータシート50Bにも、セパレータシート50Aと同様に、上述のような耐熱層が形成されていることが好ましく、その耐熱層は、正極シート側表面(正極シートに対向する面)に形成されていることがより好ましい。2枚のセパレータシートはともに正極シート側表面に耐熱層が形成されていることが特に好ましい。
上述の捲回電極体を構成する構成要素は、従来のリチウムイオン二次電池の捲回電極体と同様でよく、特に制限はない。例えば、正極シートを構成する正極集電体には、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えばアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の厚さも特に限定されず、例えば5μm〜30μmとすることができる。
正極活物質としては、リチウム(Li)および少なくとも1種の遷移金属元素を含むリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。上記遷移金属元素としては、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種が好ましい。上記複合酸化物としては、例えば、上記遷移金属元素を1種含むいわゆる一元系リチウム遷移金属複合酸化物、上記遷移金属元素を2種含むいわゆる二元系リチウム遷移金属複合酸化物、遷移金属元素としてNi、CoおよびMnを構成元素として含む三元系リチウム遷移金属複合酸化物、固溶型のリチウム過剰遷移金属複合酸化物が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、正極活物質として、一般式がLiMAO(ここでMは、Fe,Co,NiおよびMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、Aは、P,Si,SおよびVからなる群から選択される元素である。)で表されるポリアニオン型化合物も好ましく用いられる。なかでも、遷移金属元素としてNi、CoおよびMnを構成元素として含む三元系リチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。かかる三元系リチウム遷移金属複合酸化物の典型例としては、一般式:Li(LiNiCoMn)O
(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z=1を満足する実数)で表される三元系リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
また、正極活物質は、アルミニウム(Al),クロム(Cr),バナジウム(V),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),タングステン(W),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),インジウム(In),スズ(Sn),ランタン(La)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される1種または2種以上の金属元素がさらに添加されたものであってもよい。これらの金属元素の添加量(配合量)は特に限定されないが、0.01質量%〜5質量%(例えば0.05質量%〜2質量%、典型的には0.1質量%〜0.8質量%)とするのが適当である。
正極合材層に占める正極活物質の割合は凡そ50質量%を超え、凡そ70質量%〜97質量%(例えば75質量%〜95質量%)であることが好ましい。
導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、グラファイト粉末等が好ましい。また、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等を、1種を単独でまたは2種以上の混合物として含ませることができる。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物(活物質粒子の分散媒として水または水を主成分とする混合溶媒を用いた組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、結着材として水に溶解または分散する(水溶性または水分散性の)ポリマー材料を好ましく採用し得る。水溶性または水分散性のポリマー材料としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;が例示される。あるいは、溶剤系の組成物(活物質粒子の分散媒が主として有機溶媒である組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等のポリマー材料を用いることができる。このような結着材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、結着材として用いられる他に正極合材層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。
正極合材層に占めるこれら添加材の割合は特に限定されないが、導電材の割合は凡そ2質量%〜20質量%(例えば3質量%〜18質量%)とすることが好ましく、結着材の割合は凡そ1質量%〜10質量%(例えば2質量%〜7質量%)とすることが好ましい。
上述したような正極シートの作製方法は特に限定されず、従来の方法を適宜採用することができる。例えば以下の方法によって作製することができる。まず、正極活物質、必要に応じて導電材、結着材等を適当な溶媒(水系溶媒、非水系溶媒またはこれらの混合溶媒)で混合してペースト状またはスラリー状の正極合材層形成用組成物を調製する。混合操作は、例えば適当な混練機(プラネタリーミキサー、ホモディスパー、クレアミックス、フィルミックス等)を用いて行うことができる。上記組成物を調製するために用いられる溶媒としては、水系溶媒および非水系溶媒のいずれも使用可能である。水系溶媒は全体として水性を示すものであればよく、水または水を主体とする混合溶媒を好ましく用いることができる。非水系溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等が例示される。こうして調製した上記組成物を正極集電体に塗付し、乾燥により溶媒を揮発させた後、圧縮(プレス)する。正極集電体に上記組成物を塗付する方法としては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の適当な塗付装置を使用することにより、正極集電体に該組成物を好適に塗付することができる。また、溶媒を乾燥するにあたっては、自然乾燥、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線および電子線を、単独でまたは組み合わせて用いることにより良好に乾燥し得る。さらに、圧縮方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することができる。かかる厚さを調整するにあたり、膜厚測定器で該厚さを測定し、プレス圧を調整して所望の厚さになるまで複数回圧縮してもよい。このようにして正極合材層が正極集電体上に形成された正極シートが得られる。
正極集電体上への正極合材層の単位面積当たりの目付量(正極合材層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(導電パス)を確保する観点から、正極集電体の片面当たり3mg/cm以上(例えば5mg/cm以上、典型的には6mg/cm以上)であり、45mg/cm以下(例えば28mg/cm以下、典型的には15.2mg/cm以下)とすることが好ましい。正極合材層の密度も特に限定されないが、1.0g/cm〜3.8g/cm(例えば1.5g/cm〜3.0g/cm、典型的には1.8g/cm〜2.4g/cm)とすることが好ましい。
負極シートを構成する負極集電体としては、従来のリチウムイオン二次電池と同様に、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、銅または銅を主成分とする合金を用いることができる。負極集電体の厚さは特に限定されず、例えば5μm〜30μmとすることができる。
負極合材層には、電荷担体となるリチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極活物質が含まれる。負極活物質の組成や形状に特に制限はなく、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の1種または2種以上を使用することができる。かかる負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で一般的に用いられる炭素材料が挙げられる。かかる炭素材料の代表例としては、グラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。なかでも天然黒鉛を主成分とする炭素材料の使用が好ましい。かかる天然黒鉛は鱗片状の黒鉛を球形化したものであり得る。特に、黒鉛の表面にアモルファスカーボンがコートされた炭素質粉末が好ましい。その他、負極活物質として、チタン酸リチウム等の酸化物、ケイ素材料、スズ材料等の単体、合金、化合物、上記材料を併用した複合材料を用いることも可能である。負極合材層に占める負極活物質の割合は、凡そ90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%、典型的には97質量%〜99質量%)とするのが適当である。
負極合材層は、負極活物質の他に、一般的なリチウムイオン二次電池の負極合材層に配合され得る1種または2種以上の結着材や増粘材その他の添加材を必要に応じて含有することができる。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物または溶剤系の組成物に対して、正極合材層に含有され得るものを好ましく用いることができる。かかる結着材は、結着材として用いられる他に、負極合材層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。負極合材層に占めるこれら添加材の割合は特に限定されないが、凡そ1質量%〜10質量%(例えば凡そ1質量%〜5質量%、典型的には1質量%〜3質量%)であり得る。
負極シートの作製方法は特に限定されず、従来の方法を採用することができる。例えば以下の方法によって作製することができる。まず、負極活物質を結着材等とともに上記適当な溶媒(水系溶媒、有機溶媒またはこれらの混合溶媒)で混合して、ペースト状またはスラリー状の負極合材層形成用組成物を調製する。こうして調製した上記組成物を負極集電体に塗付し、乾燥により溶媒を揮発させた後、圧縮(プレス)する。これによって該組成物を用いて形成された負極合材層を負極集電体上に備える負極が得られる。なお、混合、塗付、乾燥および圧縮方法は、上述の正極シートの作製と同様の手段を採用することができる。
負極集電体上への負極合材層の単位面積当たりの目付量(負極合材層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(導電パス)を確保する観点から、負極集電体の片面当たり2mg/cm以上(例えば3mg/cm以上、典型的には4.8mg/cm以上)であり、40mg/cm以下(例えば22mg/cm以下、典型的には10.2mg/cm以下)とすることが好ましい。負極合材層の密度も特に限定されないが、0.5g/cm〜3.0g/cm(例えば0.7g/cm〜2.0g/cm、典型的には0.8g/cm〜1.4g/cm)とすることが好ましい。
正極シートと負極シートの間に配置されるセパレータシートは、正極合材層と負極合材層とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。セパレータシートの好適例としては、単層構造または2層以上の樹脂層からなる多層構造を有するものが挙げられる。樹脂層を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。なかでも、PP/PE/PPからなる三層構造フィルムが好ましい。
セパレータシートを構成する樹脂層としては、例えば一軸延伸または二軸延伸された多孔性樹脂フィルムを好適に用いることができる。なかでも、長手方向に一軸延伸された多孔性樹脂フィルムは、適度な強度を備えつつ幅方向の熱収縮が少ないため特に好ましい。一軸延伸された多孔性樹脂フィルムを有するセパレータシートを用いると、長尺の正極シートおよび負極シートとともに捲回された態様において、長手方向の熱収縮も抑制され得る。したがって、長手方向に一軸延伸された多孔性樹脂フィルムは、かかる捲回電極体を構成するセパレータシートの一要素として特に好適である。
長尺のセパレータシートの150℃における幅方向(長手方向に直交する方向)の収縮率αは、正負極の微短絡を防止する観点から0.5%〜5%とすることが好ましい。上記収縮率αは0.5%〜3%(例えば1%〜3%、典型的には1%〜2%)であることがより好ましい。また、上記セパレータシートの150℃における長手方向(捲回方向)の収縮率は特に限定されないが、凡そ1%以上30%以下(例えば2%以上25%以下、典型的には3%以上20%以下)とすることが適当である。上記幅方向の収縮率は、常温(典型的には25℃)にてセパレータシートの長手方向の両端をテープ等で固定して、150℃で10分間保持した後、幅方向における最も収縮量の大きい部分を計測することにより測定することができる。上記長手方向の収縮率も、常温にてセパレータシートの幅方向の両端をテープ等で固定して、150℃で10分間保持した後、長手方向における最も収縮量の大きい部分を計測することにより測定することができる。後述する実施例においても同様の測定方法が採用され得る。なお、上記の収縮率は、セパレータシート作製の際における延伸強度の調整や、耐熱層の形成によって実現され得る。
セパレータシートの厚さは特に限定されるものではないが、5μm〜30μm(例えば10μm〜30μm、典型的には15μm〜25μm)程度が好ましい。セパレータシートの厚さが上記の範囲内であることにより、良好なイオン通過性となり、破膜が生じ難い。
また、上記セパレータシートには耐熱層が設けられていることが好ましい。かかる耐熱層は、無機フィラー(例えば金属酸化物、金属水酸化物等のフィラー)や、有機フィラーを主成分とするものであり得る。耐熱性や、分散性、安定性を考慮すると、無機フィラーを用いることが好ましい。無機フィラーとしては、特に限定されないが、例えばベーマイト、アルミナ等のアルミニウム化合物、マグネシア、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸化鉄等の無機酸化物等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。耐熱性、サイクル特性に優れるという理由から、アルミニウム化合物、マグネシア、シリカ、チタニア、ジルコニアが好ましく、ベーマイト、アルミナが特に好ましい。
フィラーの形態は特に限定されず、例えば粒子状、繊維状、板状(フレーク状)等であってもよい。フィラーの平均粒径は特に限定されないが、分散性等を考慮して例えば0.1μm〜2μm(例えば0.2μm〜1.8μmあるいは0.2μm〜1.2μm)とするのが適当である。フィラーの平均粒径としては、レーザー散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布から導き出せるメジアン径(平均粒径D50:50%体積平均粒径)を採用することができる。
フィラーの比表面積は特に限定されないが、凡そ1m/g〜120m/g(例えば1.3m/g〜100m/g、典型的には2.8m/g〜100m/g)が好ましい。フィラーの比表面積としては、BET比表面積を採用するものとする。
耐熱層はまた、結着材を含有することが好ましい。耐熱層形成用組成物が水系の溶媒(結着材の分散媒として水または水を主成分とする混合溶媒を用いた溶液)の場合には、結着材は水系の溶媒に分散または溶解するポリマーを用いることができる。水系溶媒に分散または溶解するポリマーとしては、例えばアクリル系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート等のモノマーの1種類を重合した単独重合体が好ましく用いられる。あるいは、上記モノマーの2種以上を重合した共重合体であってもよい。さらに、上記単独重合体および共重合体の2種類以上を混合したものであってもよい。上記結着材の他の例としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類;ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂;カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル重合体;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アクリル系樹脂、SBR、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。これらの水系結着材は、大気中の水分と反応・硬化しないので、耐熱層の伸展性を容易に(例えば製造時に水分管理を行うことなく)調整し得る点で好ましい。
また、耐熱層形成用組成物が溶剤系の溶媒(結着材の分散媒が主として有機溶媒である溶液)の場合には、結着材は溶剤系の溶媒に分散または溶解するポリマーを用いることができる。溶剤系溶媒に分散または溶解するポリマーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲン化ビニル樹脂が挙げられる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンの単独重合体が好ましく用いられる。さらに、ポリフッ化ビニリデンは、フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との共重合体も好ましく用いられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、三塩化フッ化エチレン等が例示される。あるいは、溶剤系溶媒に分散または溶解するポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル等も好ましく用いられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤系結着材は、耐熱層の伸展性を好適に向上し得る点で好ましい。ただし、溶剤系結着材は大気中の水分と反応して硬化し得るので、製造時に水分管理を行う必要がある。なお、上記結着材は、結着材としての機能の他に、耐熱層形成用組成物の増粘材その他の添加材としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
耐熱層全体に占めるフィラーの割合は特に限定されないが、凡そ90質量%以上(例えば92質量%〜99.5質量%、典型的には95質量%〜99質量%)であることが好ましい。また、耐熱層が結着材、増粘材等の添加材を含有する場合、耐熱層に占める添加材の割合は凡そ10質量%以下(例えば0.5質量%〜8質量%、典型的には1質量%〜5質量%)とすることが好ましい。フィラー、必要であれば結着材やその他の添加成分の割合が上記の範囲内であることにより、耐熱層の投錨性や耐熱層自体の強度(保形性)が向上する。また、耐熱層の多孔性を良好な範囲に調整しやすくなり、イオン通過性が向上する傾向がある。さらに、耐熱層をセパレータシート上に形成する場合には、セパレータシートの強度や収縮率を好適な範囲に調整しやすい。
耐熱層の多孔度は特に限定されないが、電解質の保持性やイオン通過性向上の観点から40%以上(例えば45%以上、典型的には50%以上)であることが好ましい。また多孔度は、熱収縮を抑制する観点、ヒビや剥落等の不具合が生じない程度の強度を得る観点から75%以下(例えば70%以下、典型的には65%以下)であることが好ましい。
上述したような耐熱層は、例えば以下の方法によって作製することができる。まず、フィラーと必要に応じて結着材等の添加材を適当な溶媒で混合して、ペースト状またはスラリー状の耐熱層形成用組成物を調製する。混合操作は、例えば適当な混練機を用いて行うことができる。上記組成物を調製するために用いられる溶媒としては、水系溶媒および非水系溶媒のいずれも使用可能である。水系溶媒は全体として水性を示すものであればよく、水または水を主体とする混合溶媒を好ましく用いることができる。また、非水系溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等が例示される。調製した上記組成物をセパレータシートの一方の表面に付与(典型的には塗付)し、乾燥により溶媒を揮発させる。また、必要に応じて、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法により圧縮(プレス)してもよい。このようにしてセパレータシート上に耐熱層が形成され得る。なお、混合、塗付、乾燥方法は、正極シートの作製と同様の手段や従来公知の手段を用いて行えばよい。
耐熱層の厚さは特に限定されないが、凡そ1μm〜12μm(例えば2μm〜10μm、典型的には3μm〜8μm)であることがより好ましい。耐熱層の厚さが上記の範囲内であることにより、短絡防止効果や電解質の保持性が向上する。セパレータシート上に耐熱層を設ける場合には、セパレータシートの強度や収縮率を好適な範囲に調整しやすい。耐熱層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像を画像解析することにより求めることができる。
リチウムイオン二次電池に注入される電解質(典型的には非水電解質)を構成する非水溶媒と支持塩は、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解質は、典型的には適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する電解液である。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトンが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なかでも、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒が好ましい。
また、上記支持塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム化合物(リチウム塩)の1種または2種以上を用いることができる。なお、支持塩の濃度は特に限定されないが、凡そ0.1mol/L〜5mol/L(例えば0.5mol/L〜3mol/L、典型的には0.8mol/L〜1.5mol/L)の濃度とすることができる。なお、本発明の構成をニッケル水素電池のような水系の電解液を用いる二次電池に適用する場合には、電解質(電解液)は非水電解質に限定されないことは言うまでもない。
次に、かかる構成のリチウムイオン二次電池100を単電池とし、該単電池を複数備えてなる組電池の一構成例を説明する。図8に示すように、組電池200は、複数個(典型的には10個以上、好ましくは10〜30個程度、例えば20個)のリチウムイオン二次電池(単電池)100を、それぞれの外部正極端子38および外部負極端子48が交互に配置されるように一つずつ反転させつつ、電池ケース10の幅広な面が対向する方向(積層方向)に配列したものである。当該配列した単電池100間には、所定形状の冷却板210が挟み込まれている。この冷却板210は、使用時に各単電池100内で発生する熱を効率よく放散させるための放熱部材として機能するものであって、好ましくは単電池100間に冷却用流体(典型的には空気)を導入可能な形状(例えば、長方形状の冷却板の一辺から垂直に延びて対向する辺に至る複数の平行な溝が表面に設けられた形状)を有する。熱伝導性のよい金属製または軽量で硬質なポリプロピレンその他の合成樹脂製の冷却板が好適である。
図8に示すように、上記配列した単電池100および冷却板210の両端には、一対のエンドプレート(拘束板)220A,220Bが配置されている。また、上記冷却板210とエンドプレート220A,220Bの各々との間には、長さ調整手段としてのシート状スペーサ部材250を一枚または複数枚挟み込んでいてもよい。上記配列された単電池100、冷却板210およびスペーサ部材250は、両エンドプレート220A,220Bの間を架橋するように取り付けられた締付け用の拘束バンド230によって、該積層方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。より詳しくは、拘束バンド230の端部をビス255によりエンドプレート220A,220Bに締付かつ固定することによって、上記複数の単電池100等は、その配列方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。これにより、各単電池100の電池ケース10の内部に収容されている捲回電極体20にも拘束圧がかかる。そして、隣接する単電池100間において、一方の外部正極端子38と他方の外部負極端子48とが、接続部材(バスバー)240によって電気的に接続されている。このように各単電池100を直列に接続することにより、所望する電圧の組電池200が構築されている。単電池(リチウムイオン二次電池)100の電池ケース10内の捲回電極体20に加わる上記配列方向の圧力(面圧)は特に限定されないが、4kgf/cm〜60kgf/cm(例えば7kgf/cm〜40kgf/cm、典型的には8kgf/cm〜20kgf/cm)の範囲に設定されていることが好ましい。
このようにして構築された組電池は、捲回中心近傍において正極シートの捲回始端から捲回電極体の屈曲部にかけて、また負極シートの捲回始端から屈曲部にかけて空間(空隙)が形成されるため、電解液が捲回中心まで含浸しやすくなり、捲回中心における電解液の濃度ムラが生じ難い。その結果、電池抵抗の上昇が抑制され、特にハイレートサイクルによる劣化が抑制される。したがって、かかる組電池は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。本発明は、図9に模式的に示すように、組電池200を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)を提供する。
次に、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<例1〜例3>
[正極シートの作製]
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(Li[Ni1/3Mn1/3Co1/3]O)粉末と、導電材としてアセチレンブラック(AB)と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が90:8:2となるようにN−メチル−2−ピロリドンで混合して、ペースト状の正極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状のアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、片面当たりの目付量(固形分基準)が6mg/cmのシート状の正極(正極シート)を作製した。正極合材層の密度は2.1g/cmであった。
[負極シートの作製]
負極活物質としてアモルファスカーボンがコートされた天然黒鉛粉末と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)と、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の負極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状の銅箔(厚さ10μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、片面当たりの目付量(固形分基準)が7.5mg/cmのシート状の負極(負極シート)を作製した。負極合材層の密度は1.1g/cmであった。
[耐熱層付きセパレータシートの作製]
セパレータシートとして、ポリエチレンからなる長尺シート状の単層フィルム(厚さ:16μm)を用いた。このセパレータシートの150℃における収縮率は長手方向(捲回方向)が20%であり、幅方向(捲回方向に直交する方向)が5%であった。このセパレータシートの片面に耐熱層を形成した。すなわち、フィラーとしてアルミナ(平均粒径D50:0.7μm、BET比表面積:50m/g)と、結着材としてアクリル系バインダと、増粘材としてCMCとを、これらの質量比が96.7:2.6:0.7となるようにイオン交換水で混合することによってペースト状の耐熱層形成用組成物を調製した。混合は、エム・テクニック(株)製の超音波分散機「クレアミックス」を用いて、予備分散を15000rpmで5分行い、本分散を20000rpmで15分行った。得られた耐熱層形成用組成物を、セパレータシートの片面全体を覆うようにグラビア塗工方法により塗付し、温度70℃で乾燥させて耐熱層を形成した。グラビア塗工では、セパレータシートのライン速度を3m/min、グラビアロール速度を3.8m/min、速比(グラビア速度/ライン速度)を1.27とした。このようにして厚さ10μmの耐熱層が片面に形成された耐熱層付きセパレータシートを作製した。
[リチウムイオン二次電池の構築]
作製した正極シートと負極シートとを、上記2枚の耐熱層付きセパレータシートを介して捲回して、図4に示すような断面が略長丸長方形状の捲回電極体を作製した。2枚のセパレータシートはいずれも、耐熱層が形成された面が正極シートと対面するように配置した。また、正極シートと負極シートとセパレータシートの捲回始端側が図5に示すような配置となるように電極体を捲回した。すなわち、図4および図5中のXとLとの比(X/L)が表1に示す値となるように負極シートの捲回始端を配置し、また、YとLとの比(Y/L)が表1に示す値となるように正極シートの捲回始端を配置して捲回電極体を作製した。ここでLは、捲回電極体の捲回軸方向に直交する断面図である図4および図5において、捲回電極体20の最内部のセパレータシート50Aの2つの屈曲点P1,P2間の平坦部23の長さであり、Xは、屈曲点P1を起点として平坦部23に直交する屈曲端直線Mから負極シート40の捲回始端41までの距離であり、Yは、上記屈曲端直線Mから正極シート30の捲回始端31までの距離のことをいう。また、負極シートとセパレータシートとを、捲回電極体の幅方向の第一端部側において、負極シートの端部とセパレータシートの端部との間に距離Aを有するように配置した。この距離Aと距離Xとの比(A/X)は表1に示す値であった。また、セパレータシートの幅をQとし、セパレータシートの150℃における幅方向の収縮率をα(%)としたとき、Q×α×10−2<Aを満たしていた。さらに、正極シートとセパレータシートとを、捲回電極体の幅方向の第二端部側において、正極シートの端部とセパレータシートの端部との間に距離Bを有するように配置した。セパレータシートの幅をQとしたとき、Q×α×10−2<Bを満たしていた。作製した捲回電極体の正負の電極集電体の端部にそれぞれ電極端子を接合し、アルミ製の電池ケースに収容した。その後、非水電解液を注入して密封することにより角型リチウムイオン二次電池を作製した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:3:4(体積比)混合溶媒に、支持塩として約1.1mol/LのLiPFを溶解した電解液を用いた。なお、表1中、捲回電極体の径方向内側に配置したセパレータシートを内側セパレータシートと表記し、上記径方向の外側に配置したセパレータシートを外側セパレータシートと表記する。
<例4〜例19>
セパレータシートを、表1および表2に示す収縮率(150℃)を有するポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンからなる長尺シート状の三層構造フィルム(厚さ:20μm)に変更し、また、比(X/L)、比(Y/L)、比(A/)、耐熱層の厚さ、内側セパレータシートと外側セパレータシートの耐熱層の向きを表1および表2に示すように変更した他は例1と同様にして角型リチウムイオン二次電池を作製した。
[ハイレート抵抗増加率]
上記で作製した各リチウムイオン二次電池をSOC(State of Charge)60%に調整し、25℃の温度下にて20Cで10秒間の定電流放電を行い、5秒間休止した後、5Cで40秒間の定電流充電を行い、5秒間休止した。これを10000サイクル繰り返して行い、下記式より10000サイクル後の抵抗増加率を評価した。結果を表1および表2に示す。
ハイレート抵抗増加率(%)=10000サイクル後の反応抵抗(mΩ)/初期反応抵抗(mΩ)×100
[過充電耐性]
温度60℃の環境下で15Cの過充電を行い、リチウムイオン二次電池をシャットダウンさせた。電圧を25Vに設定し、シャットダウンから30秒後の電流量(漏れ電流量)を測定した。得られた漏れ電流量を、過充電前の定電流量(10C)で除し、これを過充電耐性(%)として算出した。結果を表1および表2に示す。値が小さいほど過充電耐性に優れる。
Figure 0005737595
Figure 0005737595
表1および表2に示されるように、比(X/L)が1/100〜20/100であり、X<Yを満たし、かつ比(Y/L)が10/100〜40/100である例1〜例14に係るリチウムイオン二次電池は、ハイレート抵抗増加率が160%以下と低かった。一方、比(X/L)が1/100〜20/100を満たさないか、あるいは比(Y/L)が10/100〜40/100を満たさない例15〜例19の二次電池はハイレート抵抗増加率が250%を超えた。これらの結果から、比(X/L)が1/100〜20/100の範囲であり、かつ比(Y/L)が10/100〜40/100の範囲であることにより、ハイレート抵抗増加率を好適に抑制し得ることがわかる。その理由として、比(X/L)と比(Y/L)とが上記の範囲となるように負極シートと正極シートの捲回始端を配置することにより、捲回中心近傍に空隙が形成され、この空隙が存在することにより電解液の濃度ムラが低減され、ハイレートサイクルによる劣化が抑制されたことが考えられ得る。
また、比(A/X)が0.1≦(A/X)≦5の範囲であった例1〜例14に係る二次電池は、過充電耐性が優れていた。一方、比(A/X)が0.1未満であった例17〜例19に係る二次電池は、過充電後の漏れ電流が増大し、過充電耐性が低下する傾向が見られた。これらの結果から、比(A/X)は0.1≦(A/X)≦5の範囲とすることが好ましいことがわかる。
さらに例6〜例9を対比すると、2枚のセパレータシートの各々に形成された耐熱層がいずれも正極シート側となるようにした捲回電極体を用いた例9では、過充電耐性が最も優れていた。同様の傾向が例10〜例12においても見られた。これらの結果から、耐熱層が正極シートと対向するようにセパレータシートを配置することにより、正負極の微短絡を好適に防止できることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
1 自動車(車両)
10 電池ケース
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
21 扁平部
22 屈曲部
23 平坦部
25 電解質(電解液)
30 正極シート(正極)
31 (正極シートの)捲回始端
32 正極集電体
33 (正極合材層形成部側の)端部
34 正極合材層
35 正極集電体積層部
36 正極合材層非形成部
37 内部正極端子
38 外部正極端子
40 負極シート(負極)
41 (負極シートの)捲回始端
42 負極集電体
43 (負極合材層形成部側の)端部
44 負極合材層
45 負極集電体積層部
46 負極合材層非形成部
47 内部負極端子
48 外部負極端子
50A,50B セパレータシート
51A,51B (セパレータシートの)捲回始端
52 耐熱層
100 リチウムイオン二次電池(単電池)
200 組電池
L 屈曲点間の平坦部の長さ
M 屈曲端直線
S0,S1,S2 空隙
P1,P2 屈曲点

Claims (2)

  1. 複数の充放電可能な単電池が所定方向に配列されて構成された組電池であって、
    前記複数の単電池のそれぞれは、長尺の正極シートと長尺の負極シートとが長尺の2枚のセパレータシートを介して捲回されてなる扁平形状の捲回電極体を備えており、
    隣り合う少なくとも2つの前記単電池は、該単電池それぞれが備える前記捲回電極体の扁平な面が対向するように配列されるとともに該捲回電極体に対して該配列方向に荷重が加えられた状態で拘束されており、
    前記捲回電極体の捲回軸方向に直交する断面において、
    該捲回電極体の最内部の前記セパレータシートの2つの屈曲点間の平坦部の長さをLとし、該屈曲点の一方を起点として該平坦部に直交する屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離をXとしたとき、X/Lが1/100〜20/100の範囲となるように該負極シートが捲回されており、
    さらに前記屈曲端直線から前記正極シートの捲回始端までの距離をYとしたとき、X<Yを満たし、かつY/Lが10/100〜40/100の範囲となるように該正極シートが捲回されており、
    前記捲回電極体の幅方向において、該捲回電極体の一方の端部を第一端部とし、他方の端部を第二端部とした場合に、
    前記負極シートは、前記第一端部側に負極合材層形成部を備え、前記第二端部側に負極合材層非形成部を備えており、
    前記負極シートと該負極シートに対向する前記セパレータシートとは、
    前記捲回電極体の幅方向において、前記負極シートの前記第一端部側の端部と前記セパレータシートの前記第一端部側の端部との間に距離Aを有するように配置されており、
    前記距離Aと、前記屈曲端直線から前記負極シートの捲回始端までの距離Xとの比(A/X)が、0.1≦(A/X)≦5であり、
    前記2枚のセパレータシートの150℃における幅方向の収縮率αは0.5%〜3%であり、
    前記セパレータシートの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10 −2 <Aを満たし、
    前記捲回電極体の幅方向において、該捲回電極体の一方の端部を第一端部とし、他方の端部を第二端部とした場合に、
    前記正極シートは、前記第二端部側に正極合材層形成部を備え、前記第一端部側に正極合材層非形成部を備えており、
    前記正極シートと該正極シートに対向する前記セパレータシートとは、
    前記捲回電極体の幅方向において、前記正極シートの前記第二端部側の端部と前記セパレータシートの前記第二端部側の端部との間に距離Bを有するように配置されており、
    前記セパレータシートの幅をQとしたとき、Q×α(%)×10 −2 <Bを満たし、
    前記2枚のセパレータシートのそれぞれの正極シート側表面には耐熱層が形成されており、
    前記耐熱層は、無機フィラーを90質量%以上の割合で含み、
    前記耐熱層の厚さは3μm〜12μmである、組電池。
  2. 請求項に記載の組電池を備える車両。
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