JP5736893B2 - 情報分析装置、画像処理システム、情報処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、電子文書の印刷を指示する印刷指示情報を送信する情報送信装置と、前記情報送信装置により送信された前記印刷指示情報に基づいて第1の文書画像を第1の媒体に形成する第1の画像形成装置と、前記第1の画像形成装置により前記第1の媒体に形成された前記第1の文書画像を読み取る第1の画像読取装置と、前記情報送信装置により送信された前記印刷指示情報に基づいて第2の文書画像を第2の媒体に形成する第2の画像形成装置と、前記第2の画像形成装置により前記第2の媒体に形成された前記第2の文書画像を読み取る第2の画像読取装置と、前記第1の画像読取装置により読み取られた前記第1の文書画像と、前記第2の画像読取装置により読み取られた前記第2の文書画像とに基づいて、前記第1の画像形成装置で形成される画像の画質特性と、前記第2の画像形成装置で形成される画像の画質特性とを近付けるための情報を生成する情報生成装置とを備え、前記情報送信装置は、前記電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を前記印刷指示情報から抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記分布状態情報に基づいて、前記第1の文書画像及び前記第2の文書画像に発生する可能性がある不具合を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする画像処理システムである。
請求項3に記載の発明は、コンピュータに、電子文書の印刷を指示する印刷指示情報から、当該電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を抽出する機能と、抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する機能と、生成された前記分布状態情報に基づいて、前記電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を検出する機能とを実現させ、前記抽出する機能は、前記複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値の処理手順を示す処理手順情報を更に抽出し、前記検出する機能は、前記電子文書における文書要素の種別に対して指定された色値の処理が当該文書要素の種別に応じた処理手順で行われることを前記処理手順情報が示しており、かつ、前記電子文書における互いに隣接する異なる種別の文書要素に対して指定された色値が等価な色値であることを前記分布状態情報が示す場合に、前記不具合を検出するプログラムである。
請求項4に記載の発明は、電子文書の印刷を指示する印刷指示情報から、当該電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する分布状態情報生成手段と、前記分布状態情報生成手段により生成された前記分布状態情報に基づいて、前記電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を検出する検出手段と、前記検出手段により前記不具合が検出された場合に、当該不具合に応じて前記印刷指示情報を補正する補正手段と、前記補正手段による補正後の前記印刷指示情報に基づいて第1の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像と、前記補正手段による補正後の前記印刷指示情報に基づいて第2の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像とを用いて、当該第1の画像形成装置で形成される画像の画質特性を当該第2の画像形成装置で形成される画像の画質特性に近付けるための画質特性変更情報を生成する画質特性変更情報生成手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、コンピュータに、電子文書の印刷を指示する印刷指示情報から、当該電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を抽出する機能と、抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する機能と、生成された前記分布状態情報に基づいて、前記電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を検出する機能と、前記不具合が検出された場合に、当該不具合に応じて前記印刷指示情報を補正する機能と、補正後の前記印刷指示情報に基づいて第1の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像と、補正後の前記印刷指示情報に基づいて第2の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像とを用いて、当該第1の画像形成装置で形成される画像の画質特性を当該第2の画像形成装置で形成される画像の画質特性に近付けるための画質特性変更情報を生成する機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項2の発明によれば、電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を印刷前に検出することができる。
請求項3の発明によれば、電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合として、等価な色値が指定された異なる種別の文書要素が隣接することにより色段差が生じる不具合を印刷前に検出することができる。
請求項4の発明によれば、電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を印刷前に検出することができる。
請求項5の発明によれば、電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を印刷前に検出することができる。
図1は、本実施の形態が適用される画像ハンドリングシステムの構成例を示したものである。
図示するように、この画像ハンドリングシステムは、端末装置10と、ターゲット画像処理装置(以下、「ターゲット装置」という)30aと、ハンドリング画像処理装置(以下、「ハンドリング装置」という)30bとがネットワーク80を介して接続されることにより、構成されている。
ハンドリング装置30bは、紙等の媒体から画像を読み取る画像読取機能、紙等の媒体に画像を形成する画像形成機能等を有し、出力される画像の画質特性をターゲット装置30aの画質特性に近付くように変化させる対象となる画像処理装置である。
図2は、画像ハンドリングシステムにおける各装置の機能構成例を示したブロック図である。
まず、端末装置10の機能構成について説明する。
図示するように、端末装置10では、アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」という)18と、プリンタドライバ19と、画像ハンドリングユーティリティ20とが動作する。
このうち、アプリケーション18は、ユーザの操作に応じて、原稿データを作成したり、作成済の原稿データを取り込んだりするプログラムである。
プリンタドライバ19は、アプリケーション18から原稿データに基づく印刷の要求があると、ターゲット装置30a及びハンドリング装置30bに原稿の印刷を指示する印刷指示データを送信するプログラムである。ここで、印刷指示データとは、例えばPDL(Page Description Language)で記述されたPDLデータである。また、印刷指示データには、解像度、階調情報、スクリーン等の画質に関する指示である画質指示と、文字、図形、イメージ等の描画命令である描画コマンドとが含まれる。本実施の形態では、電子文書の一例として、原稿データを用いており、電子文書の印刷を指示する印刷指示情報の一例として、印刷指示データを用いている。
抽象化原稿生成部22は、画質項目抽出部21が抽出した画質項目に基づいて、抽象化した原稿データ(以下、「抽象化原稿データ」という)を生成する。具体的には、画質項目抽出部21が抽出した画質項目に関するターゲットマッチング処理が行い易いように、その画質項目に着目した抽象化原稿データを生成する。
描画オブジェクト記憶部23は、抽象化原稿データを生成するために必要な描画オブジェクトを描画コマンドの形式で記憶したデータベースである。
出力指示部24は、抽象化原稿データをプリンタドライバ19に受け渡すことにより、プリンタドライバ19に対して、抽象化原稿の印刷を指示する印刷指示データの出力指示を行う。
画質特性比較部26は、画質項目抽出部21が抽出した画質項目ごとに、読取画像受付部25がターゲット装置30aから受け付けた読取画像と、読取画像受付部25がハンドリング装置30bから受け付けた読取画像とを比較する。
画質ターゲット情報生成部28は、画質特性比較部26による読取画像の比較結果に基づいて、ハンドリング装置30bで出力される画像の画質特性をターゲット装置30aで出力される画像の画質特性に近付けるための情報(以下、「画質ターゲット情報」という)を生成する。
図示するように、ターゲット装置30aは、画像処理部40aと、画像形成部50aと、画像読取部60aとを含んでいる。
このうち、画像処理部40aは、プリンタドライバ19からネットワーク80を通じて送信された印刷指示データに基づいて、画像処理を行い、画像データを出力する。
画像形成部50aは、画像処理部40aが出力した画像データに基づいて紙等の媒体に画像を形成し、原稿(抽象化原稿を含む)を出力する。本実施の形態では、第1の画像形成装置の一例として、画像形成部50aを設けている。
画像読取部60aは、画像形成部50aが出力した抽象化原稿を読み取り、読取画像をネットワーク80を通じて読取画像受付部25に送信する。尚、この画像読取部60aは、画像形成部50aが出力した抽象化原稿を人手を介することなく読み取るインラインスキャナであってもよい。また、画像形成部50aとは別のスキャナ単体であってもよく、本実施の形態では2台の画像処理装置30の調整に関して記載しているが、例えば画像処理装置30が3台ある場合に、そのうち2台の画像処理装置30の画像形成部50の出力を1つのスキャナを用いて読み取ってもよい。本実施の形態では、第1の画像読取装置の一例として、画像読取部60aを設けている。
入力情報通知部41aは、プリンタドライバ19からネットワーク80を通じて入力された印刷指示データを描画処理部42aに通知する。
描画処理部42aは、入力情報通知部41aから通知された印刷指示データに含まれる描画コマンドに基づいて画像データを描画する。
色再現処理部43aは、描画処理部42aにより描画された画像データに対して各種の色再現処理を施す。ここで、色再現処理としては、描画コマンドにおける特定の色空間の色信号をトナーの色を成分とする別の色空間の色信号に変換する処理、色信号を色再現範囲内の別の色信号へ変換する処理、色信号の階調を補正する処理等がある。
中間調処理部44aは、スクリーン処理等により擬似中間調の画像を生成する。
図示するように、ハンドリング装置30bは、画像処理部40bと、画像形成部50bと、画像読取部60bと、画像ハンドリング部70とを含んでいる。
このうち、画像処理部40bは、プリンタドライバ19からネットワーク80を通じて送信された印刷指示データに基づいて、画像処理を行い、画像データを出力する。
画像形成部50bは、画像処理部40bが出力した画像データに基づいて紙等の媒体に画像を形成し、原稿(抽象化原稿を含む)を出力する。本実施の形態では、第2の画像形成装置の一例として、画像形成部50bを設けている。
画像読取部60bは、画像形成部50bが出力した抽象化原稿を読み取り、読取画像をネットワーク80を通じて読取画像受付部25に送信する。尚、この画像読取部60bは、画像形成部50bが出力した抽象化原稿を人手を介することなく読み取るインラインスキャナであってもよい。また、画像形成部50bとは別のスキャナ単体であってもよく、本実施の形態では2台の画像処理装置30の調整に関して記載しているが、例えば画像処理装置30が3台ある場合に、そのうち2台の画像処理装置30の画像形成部50の出力を1つのスキャナを用いて読み取ってもよい。本実施の形態では、第2の画像読取装置の一例として、画像読取部60bを設けている。
画像ハンドリング部70は、ターゲット装置30aで出力される画像の画質特性に近い画質特性で画像を出力するための処理(以下、「画像ハンドリング処理」という)を行う。
入力情報通知部41bは、プリンタドライバ19からネットワーク80を通じて入力された印刷指示データを描画処理部42b及び画像ハンドリング部70に通知する。
描画処理部42bは、入力情報通知部41bから通知された印刷指示データに含まれる描画コマンドに基づいて画像データを描画する。その際、画像ハンドリング部70による決定に基づく描画処理を行う。
色再現処理部43bは、描画処理部42bにより描画された画像データに対して各種の色再現処理を施す。ここで、色再現処理としては、描画コマンドにおける特定の色空間の色信号をトナーの色を成分とする別の色空間の色信号に変換する処理、色信号を色再現範囲内の別の色信号へ変換する処理、色信号の階調を補正する処理等がある。その際、画像ハンドリング部70による決定に基づく色再現処理を行う。
中間調処理部44bは、スクリーン処理等により擬似中間調の画像を生成する。その際、画像ハンドリング部70による決定に基づく中間調処理を行う。
指示判定部71は、入力情報通知部41bから通知された印刷指示データに含まれる画質指示の内容を判定する。
描画判定部72は、入力情報通知部41bから通知された印刷指示データに含まれる描画コマンドの内容を判定する。
画像ハンドリングターゲット決定部73は、指示判定部71が内容を判定した画質指示と、画質ターゲット情報記憶部74に記憶された画質ターゲット情報とに基づいて、画像ハンドリング処理の目標となる画質特性を決定する。
画質ターゲット情報記憶部74は、画像ハンドリングユーティリティ20の画質ターゲット情報生成部28により生成された画質ターゲット情報を記憶する。
画像ハンドリングパラメータ記憶部75は、画像ハンドリングターゲット決定部73により決定された画質特性で画像を出力する画像ハンドリング処理で用いられる画像ハンドリングパラメータを記憶する。
まず、画像ハンドリングシステムにおけるターゲットマッチング処理時の動作について説明する。
図3は、このときの画像ハンドリングユーティリティ20の動作例を示したフローチャートである。
ユーザは、アプリケーション18上で、画質特性を合わせたい原稿データと、画質特性を合わせる目標となるターゲット装置30aと、画質特性をその目標に合わせる対象であるハンドリング装置30bとを指定する。これにより、プリンタドライバ19が原稿データに基づく印刷を指示する印刷指示データを生成すると、画像ハンドリングユーティリティ20の動作が開始する。
そして、出力指示部24が、ステップ203で抽象化原稿生成部22が生成した抽象化原稿データをプリンタドライバ19に渡すことにより、ターゲット装置30a及びハンドリング装置30bでの抽象化原稿の出力を指示する(ステップ204)。すると、プリンタドライバ19は、抽象化原稿データに基づく印刷を指示する印刷指示データをターゲット装置30a及びハンドリング装置30bに出力し、これにより、ターゲット装置30aは画像形成部50aで、ハンドリング装置30bは画像形成部50bで、それぞれ抽象化原稿を出力することになる。
すると、画像ハンドリングユーティリティ20では、まず、読取画像受付部25がこれらの読取画像を受け付ける(ステップ205)。
次に、画質特性比較部26が、読取画像受付部25から読取画像を受け取り、これらの読取画像に基づいて、ターゲット装置30aの画質特性とハンドリング装置30bの画質特性とを比較する。具体的には、画質項目抽出部21が抽出した画質項目に対して、読取画像受付部25が受け付けたターゲット装置30aでの読取画像から得られる画質特性と、読取画像受付部25が受け付けたハンドリング装置30bでの読取画像から得られる画質特性との対応付けを行う(ステップ206)。
その結果、全ての画質項目について対応付けが終了していないと判定すれば、画質特性比較部26は、ステップ206に戻り、画質項目に対して、ターゲット装置30aでの読取画像から得られる画質特性と、ハンドリング装置30bでの読取画像から得られる画質特性との対応付けを繰り返す。
一方、全ての画質項目について対応付けが終了したと判定すれば、画質特性比較部26は、対応付けの結果を画質ターゲット情報生成部28に渡し、画質ターゲット情報生成部28が、画質ターゲット情報を生成してファイルに保存する(ステップ208)。そして、画質ターゲット情報をネットワーク80を通じてハンドリング装置30bの画像ハンドリング部70に送信する(ステップ209)。これにより、画像ハンドリング部70では、画質ターゲット情報が画質ターゲット情報記憶部74に記憶される。
このステップは、原稿データに基づく印刷を指示する印刷指示データから画質項目を抽出するステップであるが、本実施の形態では、このステップにおいて、原稿データを構成する文書要素の一例としてのオブジェクトの色値に関する画質的リスク(以下、単に「リスク」という)を分析し、リスクがあると判断すれば、原稿の印刷前に警告を行ったり、原稿の印刷前にリスクに対処する処理(補正等)を行ったりすることで、所望の画質の原稿を得ることができるようにする。
そこで、本実施の形態では、このような色値の意図しない変化や色値の設定ミス等によるトラブルを事前に回避できるようにする。
図4は、原稿データを分析することで得られる各オブジェクト種別に対する色値の分布を示す色値分布情報を例示したものである。具体的には、色値分布情報は、色空間と、色値と、オブジェクト種別ごとのその色値が指定されたオブジェクトの数とを対応付けたものとなっている。尚、図では、色空間がRGBの場合、色値1がBを示し、色値2がGを示し、色値3がRを示すものとする。
(b)は、リスクがある原稿の場合の色値分布情報の第1の例である。この色値分布情報の第1の例は、CMYK色空間で作成した原稿データをPDFファイルに変換した場合等に起き得る色値の意図しない変化が生じたときの例である。この色値分布情報の第1の例において、例えば、No.1は、K100%で再現される黒を多くのテキスト及びグラフィックスに対して指定したにも関わらず、CMYK色空間からRGB色空間への変換等により、その黒の色値がRGB=(0,0,0)から少しずれた色値になっていることを示している。
(c)は、リスクがある原稿の場合の色値分布情報の第2の例である。この色値分布情報の第2の例は、再現不良が発生するときの例を含む。例えば、No.1は、極ハイライト部の色値で塗り潰しが行われたオブジェクトがあることを示す。また、この色値分布情報の第2の例は、線が途切れて点線になるときの例も含む。例えば、No.2は、明るい赤で描画された細線があることを示しているが、このような赤は中間調で表されるため、赤の点線になる虞がある。また、No.3は、中間調のグレイで描かれた線があることを示しているが、これも点線になる虞がある。
図5は、画質項目抽出部21の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、画質項目抽出部21は、色値分布情報生成部81と、色値分布情報記憶部82と、リスク分析部83と、分析結果記憶部84と、分析結果出力部85と、補正内容決定部86と、補正処理部87とを備えている。
色値分布情報記憶部82は、色値分布情報生成部81が生成した色値分布情報を記憶する。
分析結果記憶部84は、リスク分析部83による分析結果を記憶する。
分析結果出力部85は、分析結果記憶部84に記憶された分析結果を表示機構15(図14参照)に出力する。本実施の形態では、不具合に関する情報を出力する出力手段の一例として、分析結果出力部85を設けている。
補正内容決定部86は、原稿データにリスクがあり、原稿データに対してリスクを軽減するための補正を行う旨の指示があった場合に、補正内容を決定する。
補正処理部87は、補正内容決定部86が決定した補正内容に基づいて、原稿データを補正する。本実施の形態では、印刷指示情報を補正する補正手段の一例として、補正処理部87を設けている。
図示するように、画質項目抽出部21では、まず、色値分布情報生成部81が、原稿データに基づく印刷を指示する印刷指示データから画質項目及び画質項目に指定された色値の情報を抽出し、この画質項目及び色値の情報に基づいて色値分布情報を生成し、色値分布情報記憶部82に記憶する(ステップ211)。
次に、リスク分析部83が、色値分布情報記憶部82に記憶された色値分布情報に基づいて、原稿データのリスク分析処理を行う。即ち、第一に、プロセスKリスク分析処理を行う(ステップ212)。このプロセスKリスク分析処理については後述する。第二に、再現不良リスク分析処理を行う(ステップ213)。この再現不良リスク分析処理についても後述する。第三に、色細線リスク分析処理を行う(ステップ214)。この色細線リスク分析処理についても後述する。そして、これらのリスク分析処理の結果、リスクがあると判断された場合は、そのリスクの種別と、そのリスクを生じさせる原因となった色値等の情報とを含む分析結果が分析結果記憶部84に記憶される。
その後、補正内容決定部86は、分析結果記憶部84に未処理の分析結果が残っているかどうかを判定し(ステップ219)、残っていれば、ステップ217に戻り、残っていなければ、ステップ220へ進む。
そして、最後に、補正処理部87が、原稿データの補正を行うと判定されたリスクがある部分を、そのリスクに対してステップ218で決定された補正を施した後の部分で置き換える(ステップ220)。
プロセスKリスク分析処理を行う場合、リスク分析部83は、まず、図4の色値分布情報の1つのレコードを取り出す(ステップ221)。
その結果、取り出したレコードにおける色値が指定されたテキストが多いと判定されれば、ステップ226へ進む。
その結果、取り出したレコードにおける色値が指定されたグラフィックスが多いと判定されれば、ステップ226へ進む。一方、取り出したレコードにおける色値が指定されたグラフィックスが多いと判定されなければ、ステップ227へ進む。
そして、最後に、リスク分析部83は、取り出したレコードが色値分布情報における最終レコードであるかどうかを判定し(ステップ227)、最終レコードでなければ、ステップ222に戻り、最終レコードであれば、プロセスKリスク分析処理を終了する。
再現不良リスク分析処理を行う場合、リスク分析部83は、まず、図4の色値分布情報の1つのレコードを取り出す(ステップ231)。
更にまた、ステップ238で、取り出したレコードにおける色値が、極グレイ部の色値でないと判定されれば、ステップ241へ進む。
色細線リスク分析処理を行う場合、リスク分析部83は、まず、図4の色値分布情報の1つのレコードを取り出す(ステップ251)。
そして、最後に、リスク分析部83は、取り出したレコードが色値分布情報における最終レコードであるかどうかを判定し(ステップ255)、最終レコードでなければ、ステップ252に戻り、最終レコードであれば、色細線リスク分析処理を終了する。
この色段差リスク分析処理について簡単に説明する。
まず、色段差が生じるためには、画質指示(図12参照)における処理手順情報の一例である色味に「オブジェクト最適化」が設定されていることが必要である。ここで、「オブジェクト最適化」とは、オブジェクト種別ごとに異なる色変換を行うことによりオブジェクト種別ごとに相応しい色味を再現するための設定であり、色値の処理を文書要素の種別に応じた処理手順で行うことの一例である。つまり、原稿データ全体に対して一律にイメージ用の色変換を行うのではなく、原稿データのイメージの部分に対してはイメージ用の色変換を行い、原稿データのグラフィックスの部分に対してはグラフィックス用の色変換を行うというものである。
その場合、まず、図6のステップ211では、色値分布情報生成部81が、画質指示の情報を抽出し、これも加味して色値分布情報を生成し、この画質指示の情報が加味された色値分布情報に基づいてリスク分析を行う。例えば、色細線リスク分析処理において、画像指示のスクリーンが「低線数」又は「中線数」であるという条件が更に満たされた場合に、色細線リスクと判定することが考えられる。
また、図6のステップ218では、補正内容決定部86が、画像指示に対する補正内容を決定して保存し、図6のステップ220では、補正処理部87が、画質指示のリスクに関係する部分を、そのリスクに対して決定された補正を施した後の部分で置き換える。例えば、色細線リスクがある場合には、画質指示のスクリーンを「低線数」又は「中線数」から「高線数」に変更することが考えられる。また、色段差リスクがある場合には、画質指示の色味を「オブジェクト最適化」から「イメージ用」又は「グラフィックス用」に変更することが考えられる。
図10は、画質ターゲット情報の具体例を示した図である。
図中、「Image/」の部分は、色やスクリーンに関する目標を記述する部分である。そして、「Color/」の部分において、「Intent=Perceptual」は、色域マッピングを知覚重視で行うことを、「Gray=Normal」は、通常の方法でK版を生成することを、それぞれ示しており、全体的な色再現に関する目標記述の例である。一方、「RGB」、「CMYK」等は、特定の色に対する目標記述の例である。
また、「Other/」の部分は、画像処理のポリシーに関する目標を記述する部分である。「Policy/」の部分において、「OOR=OFF」は、オブジェクトごとにレンダリング処理を変えないことを、「OOH=OFF」は、オブジェクトごとにスクリーン処理を変えないことを、それぞれ示している。
尚、ここでは、画質ターゲット情報を構造型文書の形式で示したが、これはあくまで一例であって、これに限られるものではない。
また、このような画質ターゲット情報は、複数の画像ハンドリングシステムで共有してもよい。
図11は、このときの画像ハンドリング部70の動作例を示したフローチャートである。
ユーザは、アプリケーション18上で、画質特性を合わせたい原稿データと、原稿を出力したいハンドリング装置30bとを指定する。これにより、プリンタドライバ19が原稿データに基づく印刷を指示する印刷指示データを生成して入力情報通知部41bに送信し、入力情報通知部41bがこれを受信すると、画像ハンドリング部70の動作が開始する。尚、この動作例では、図3のステップ209でハンドリング装置30b内に記憶した画質ターゲット情報を読み出して利用する第1のケース、図3のステップ208で端末装置10内に保存した画質ターゲット情報を添付して利用する第2のケース、画質ターゲット情報を利用しない第3のケースを想定している。
そして、指示判定部71が、印刷指示データに含まれる画質指示の内容を判定し、描画判定部72が、印刷指示データに含まれる描画コマンドの内容を判定し、これらの判定結果を画像ハンドリングターゲット決定部73に伝える(ステップ702)。ここで、画質指示は、上記第1のケースでは、画質ターゲット情報を指定する情報と画質に関する印刷設定とを含み、上記第2のケースでは、画質ターゲット情報を保存したファイルと画質に関する印刷設定とを含み、上記第3のケースでは、画質に関する印刷設定のみを含む。そこで、画質指示の内容の判定では、画質指示がこれらの何れに該当するかも判定する。
その後、画像ハンドリングターゲット決定部73は、ハンドリング装置30bで出力される画像の画質特性をステップ707又はステップ708で決定された目標に近付けるためのデータを、描画処理部42b、色再現処理部43b、中間調処理部44bの各処理部に供給する(ステップ709)。尚、この場合、ハンドリング装置30bで出力される画像の画質特性を目標に近付けるために、描画コマンドの書き換えが必要であれば、描画判定部72で内容の判定が行われた描画コマンドを書き換えて描画処理部42bに供給する。また、画像ハンドリングターゲット決定部73が各処理部に供給するデータを生成する際には、画像ハンドリングパラメータ記憶部75に記憶された画像ハンドリングパラメータも用いられる。
図12は、印刷指示データに含まれる画質指示について示した図である。
画質指示としては、上記第2のケースにおける画質ターゲット情報を保存したファイルも考えられるが、ここでは、上記第1のケースにおける画質ターゲット情報を指定する情報(指定情報)と、プリンタドライバ19上での画質に関する印刷設定とを示している。具体的には、Index1,2,3の画質指示は、印刷設定として、解像度、階調情報、スクリーン、色味等の画質項目ごとの設定情報を含んでおり、Index4,5の画質指示は、画質ターゲット情報を指定する情報として、画質ターゲット情報に付与された「高画質」、「カスタム1」等の名称を含んでいる。
尚、ここで示した画質項目はあくまで一例であり、これら以外にも、入力色信号(例えば、CMYK、RGB)に対する色再現、入力線幅指定(例えば、mm、pixel)に対する細線再現、オブジェクトごとの画像処理ポリシー(OOR/OOH)、スクリーン角度、オブジェクトの描画方法(ラスタかベクタか)等が考えられる。
図では、描画コマンドに対して、その描画コマンドによる実際の描画の内容を示している。ここで、例えば文字描画1と文字描画2のように、同じ原稿データに対して、実際の描画内容が異なる場合がある。このような場合、ハンドリング装置30bの画質特性をターゲット装置30aの画質特性に合わせることが困難になることがある。そのため、ターゲット装置30aにおける描画内容を出力結果から予測し、これをハンドリング装置30bにも反映することで、出力結果をより近付ける。
図14は、端末装置10のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、端末装置10は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)11と、記憶手段であるメインメモリ12及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)13とを備える。ここで、CPU11は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、端末装置10は、外部との通信を行うための通信I/F14と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構15と、キーボードやマウス等の入力デバイス16とを備える。
図15は、画像処理装置30の構成例を示した図である。この画像処理装置30は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部50と、画像処理装置30全体の動作を制御する主制御部31とを備えている。更には、例えばPC等との通信を行って印刷指示データを受信する通信部32と、原稿から画像を読み取って読取画像を生成する画像読取部60と、通信部32で受信した印刷指示データや画像読取部60で生成した読取画像等に対し予め定めた画像処理を施すことで画像データを取得して画像形成部50に転送する画像処理部40と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部33とを備えている。
画像形成ユニット51各々は、現像器55に収容されるトナーを除いて概ね同じ構成であり、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
このようにして、画像処理装置30での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
また、画像処理装置30は、画質項目抽出部21が抽出した画質項目に応じて、事前処理を行うようにしてもよい。このような事前処理としては、画像処理部40における階調補正、画像形成部50におけるレジ補正、複数枚ランニング等がある。
更に、画像読取部60は、画質項目抽出部21が抽出した画質項目に応じて、画像読取部60aの読み取り精度や読み取り位置等を変化させてもよい。
Claims (5)
- 電子文書の印刷を指示する印刷指示情報から、当該電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記分布状態情報に基づいて、前記電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を検出する検出手段と
を備え、
前記抽出手段は、前記複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値の処理手順を示す処理手順情報を更に抽出し、
前記検出手段は、前記電子文書における文書要素の種別に対して指定された色値の処理が当該文書要素の種別に応じた処理手順で行われることを前記処理手順情報が示しており、かつ、前記電子文書における互いに隣接する異なる種別の文書要素に対して指定された色値が等価な色値であることを前記分布状態情報が示す場合に、前記不具合を検出することを特徴とする情報分析装置。 - 電子文書の印刷を指示する印刷指示情報を送信する情報送信装置と、
前記情報送信装置により送信された前記印刷指示情報に基づいて第1の文書画像を第1の媒体に形成する第1の画像形成装置と、
前記第1の画像形成装置により前記第1の媒体に形成された前記第1の文書画像を読み取る第1の画像読取装置と、
前記情報送信装置により送信された前記印刷指示情報に基づいて第2の文書画像を第2の媒体に形成する第2の画像形成装置と、
前記第2の画像形成装置により前記第2の媒体に形成された前記第2の文書画像を読み取る第2の画像読取装置と、
前記第1の画像読取装置により読み取られた前記第1の文書画像と、前記第2の画像読取装置により読み取られた前記第2の文書画像とに基づいて、前記第1の画像形成装置で形成される画像の画質特性と、前記第2の画像形成装置で形成される画像の画質特性とを近付けるための情報を生成する情報生成装置と
を備え、
前記情報送信装置は、
前記電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を前記印刷指示情報から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記分布状態情報に基づいて、前記第1の文書画像及び前記第2の文書画像に発生する可能性がある不具合を検出する検出手段と
を備えたことを特徴とする画像処理システム。 - コンピュータに、
電子文書の印刷を指示する印刷指示情報から、当該電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を抽出する機能と、
抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する機能と、
生成された前記分布状態情報に基づいて、前記電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を検出する機能と
を実現させ、
前記抽出する機能は、前記複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値の処理手順を示す処理手順情報を更に抽出し、
前記検出する機能は、前記電子文書における文書要素の種別に対して指定された色値の処理が当該文書要素の種別に応じた処理手順で行われることを前記処理手順情報が示しており、かつ、前記電子文書における互いに隣接する異なる種別の文書要素に対して指定された色値が等価な色値であることを前記分布状態情報が示す場合に、前記不具合を検出するプログラム。 - 電子文書の印刷を指示する印刷指示情報から、当該電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する分布状態情報生成手段と、
前記分布状態情報生成手段により生成された前記分布状態情報に基づいて、前記電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記不具合が検出された場合に、当該不具合に応じて前記印刷指示情報を補正する補正手段と、
前記補正手段による補正後の前記印刷指示情報に基づいて第1の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像と、前記補正手段による補正後の前記印刷指示情報に基づいて第2の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像とを用いて、当該第1の画像形成装置で形成される画像の画質特性を当該第2の画像形成装置で形成される画像の画質特性に近付けるための画質特性変更情報を生成する画質特性変更情報生成手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。 - コンピュータに、
電子文書の印刷を指示する印刷指示情報から、当該電子文書を構成する複数の文書要素のそれぞれに対して指定された色値を示す色値情報を抽出する機能と、
抽出された前記色値情報に基づいて、前記電子文書における特定の文書要素の種別に対して指定された色値の分布状態を示す分布状態情報を生成する機能と、
生成された前記分布状態情報に基づいて、前記電子文書を媒体に印刷する際に発生する可能性がある不具合を検出する機能と、
前記不具合が検出された場合に、当該不具合に応じて前記印刷指示情報を補正する機能と、
補正後の前記印刷指示情報に基づいて第1の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像と、補正後の前記印刷指示情報に基づいて第2の画像形成装置で形成された画像を読み取って得られた読取画像とを用いて、当該第1の画像形成装置で形成される画像の画質特性を当該第2の画像形成装置で形成される画像の画質特性に近付けるための画質特性変更情報を生成する機能と
を実現させるためのプログラム。
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