JP5734962B2 - L−糖結腸洗浄剤とその使用 - Google Patents

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2009年6月3日出願、米国暫定出願第61/183,596号と2009年8月13日出願、米国暫定出願第61/233,722号の優先権を主張するものであり、出願共に本明細書に参照により組み込まれている。
2006年に米国では55,170人が結腸直腸癌で死亡したと推定され、148,650人の新規患者が診断された。国立癌研究所によると、米国では、結腸癌は二番目に致死性の高い癌である。いずれの場合にも早期の正確な診断が非常に重要であり、この場合の検査の標準的ツールは、結腸内視鏡検査である。結腸内視鏡検査のスクリーニングは、結腸直腸癌の予測される罹病率と減少させ、死亡率を76%乃至90%減少させたことが示されている(米国癌協会「患者用の結腸及び直腸癌治療のガイドライン」第1版、2000年3月(00−80M−No.9409−HCP))。米国疾病対策予防センターは、疾病が進行期と診断された場合の生存率はわずか8.5%であると推定する。
結腸洗浄(結腸内視鏡検査の前処理)は、結腸内視鏡検査を成功させる必須要件である。平坦病変(非ポープ状の結腸直腸腫瘍)を識別することが必要なので、適切な結腸の前処理が更に一層必要である。外見が正常な組織と似ているため伝統的な結腸内視鏡検査で平坦な又は窪んだ病変を見つけるのは、隆起したポリープを見つけるよりずっと難しい。これらの平坦病変がポリープよりも癌になる可能性が高いことを近年の調査は示している(Soetinknoら、「無症候の及び症候の成人における非ポリープ状(平坦及び陥没した)結腸直腸腫瘍」、J.Am.Med.Assoc.299(9)巻、1027−1035頁、2008年)。
通常は、ポリエチレングリコール(PEG)溶液又は経口リン酸ナトリウム(NaP)溶液若しくは錠剤で、結腸内視鏡検査の前処理を行う。両方の前処理にはそれぞれ欠点がある。嫌な味がして、薬剤服用に伴い大量の水分を必要とすることがもたらす対象の服薬非順守が、不十分なPEG溶液の摂取と不適切な結腸内視鏡検査の前処理を引き起こした。PEG溶液の副作用は、膨満感や吐き気などが一般的である。何人かの対象は、PEG溶液よりもNaP溶液又はNaP錠剤に耐性が高い;しかし、このNaP溶液は、酸っぱくて塩辛い味がして、一般的な胃腸の副作用を引き起こすのに加えて、NaP前処理を使用すると、さまざまな体液と電解質平衡異常を伴う(Sharmaら、「ポリエチレングリコール電解液洗浄溶液を用いた結腸内視鏡検査の前準備の質に関するクエン酸マグネシウムを用いた前治療比較試験」、Can J 臨床薬理学 14(3)巻:e260−74頁、2007年;Caswellら、「経口リン酸ナトリウムを用いた腸管前処理と腎疾患」、内視鏡検査 38(8)巻:852頁、2006年;Caswellら、「ナトリウム塩の腸管前処理の処方計画が、術中の酸性−塩基性及び電解液のバランスを変える」、Can J 麻酔 53(9)巻:961頁、2006年)。
解糖として知られる生化学的過程で、細胞はD−グルコース分子の鏡像であるL−グルコースを代謝することができない。L−グルコースは、D−グルコースのエナンチオマーと同様に類似の官能特性、すなわち食品製造に使用する際にD−グルコースの甘さやバルク特性を有するので、D−グルコースの潜在的な代替品として長い間認識されてきた。
同様に、結腸内視鏡検査を成功させる必須要件である結腸洗浄(結腸内視鏡検査の前処理)についてL−グルコースが研究されてきた。結腸洗浄用の経口製剤としてのL−グルコースの使用は、現在生産される形態である無水L−グルコースの溶解特性によって妨げられてきた。このように、水を無水L−グルコースに添加すると、凝集と低速溶解が生じる。この事実が、乾式結腸洗浄組成物を自宅で使用する障害になっていた。L−グルコースの組成物が凝集して溶解が不十分だと、組成物を含んだL−グルコースを再構成するのに用いられる容器の後に残る非溶解の残留物のため、消費者は、医療処置前に完全に結腸を洗浄するのに必要な適量のL−グルコースを摂取することができなくなってしまう。
現在市販されている結腸洗浄剤の欠点、及び結腸内視鏡用の適切な結腸の前処理の重要性を考慮すると、結腸洗浄の代替品が必要である。例えば、容易にかつより素早く水中で溶解する新種のL−グルコースが必要である。本明細書に開示した化合物、組成物、方法、及びキットは、これらの必要性及びその他の必要性に取り組むものである。
本発明者は、L−グルコースの新規な素早く溶解する形態、具体的にはL−グルコース一水和物を見出した。L−グルコース一水和物は、家庭用又は医療用の「すぐに溶解する」結腸洗浄剤又は下剤組成物として、特に適している。迅速に溶解すると、固体L−グルコースからの経口L−グルコース溶液をより簡単に調製でき、溶液中の凝集がより少なくなり、無水グルコースよりも正確な用量になり、従って、結腸洗浄及び下剤の性能を一層良くする。
一態様では、本発明は、L−グルコース一水和物、及びその組成物(例えば、L−グルコース一水和物を含んだ医薬組成物)に関する。L−グルコース一水和物の調製方法及び/又は分離方法も開示する。迅速かつ完全に溶解したL−グルコースを含んだ溶液を望む消費者又は医療関係者が、使用する組成物とキットも更に開示する。
驚くことに特に、分割用量(例えば、主成分L−グルコースの重量ベースで、各用量は36g又はそれ以上)として投与した時の、十分に高い用量で、L−グルコースなどのL−糖類は結腸洗浄力を増進させ、結腸内視鏡検査の前処理に用いることができることを、本発明者は見出した。PEGやNaPの腸管洗浄調合液と異なり、L−グルコースなどのL−糖類は、さわやかな、甘い味がして、摂取量が低容量であり、一般的な下剤に関連する有害事象(AEs)が無いか若しくは軽く、結腸内視鏡検査の前の結腸洗浄の現在市販の調合液の特別に優位な代替品である。
その他の態様では、本発明は、結腸洗浄剤として、L−グルコース一水和物などのL−糖類を用いた方法に関する。結腸洗浄で使用する、L−グルコースなどのL−糖類を含有する組成物やキットも開示する。
一実施例は、(a)約36gから72gのL−グルコース(主成分L−グルコースの重量に基づいて)を含んだ水溶液を、夜(例えば、結腸内視鏡検査の前夜)に対象に投与するステップと、(b)約36gから72gのL−グルコースを含んだ水溶液を、翌朝(例えば、結腸内視鏡検査の朝、ただし、結腸内視鏡検査の前)に対象に投与するステップと、による対象(例えば、結腸内視鏡検査を受ける対象)における結腸洗浄方法である。水中でL−グルコース一水和物の粉末を溶解させてこの水溶液を調製してもよい。
好ましい一実施例は、(a)約48gのL−グルコース(主成分L−グルコースの重量に基づいて)(又は主成分のL−グルコースを同量含んだ52.8gのL−グルコース一水和物)を夜(例えば、結腸内視鏡検査の前夜)に対象に投与するステップと、(b)約48gのL−グルコース(又は52.8gのL−グルコース一水和物)を次の朝(例えば、結腸内視鏡検査の朝、ただし、結腸内視鏡検査の前)に対象に投与するステップと、による対象(例えば、結腸内視鏡検査を受ける対象)における結腸洗浄方法である。水中(例えば、8液量オンスの水)に52.8gのL−グルコース水一和物(主成分L−グルコース約48gに相当)を溶解させてこの水溶液を調製することがある。
以下の説明に更なる利点を示しており、一部はこの説明から明らかになり、あるいは以下に説明する態様を実施することにより理解されるであろう。特に添付の請求の範囲で示した要素と組み合わせにより、以下に説明する利点が実現されるであろう。先の一般的な説明と以下の詳細な説明は、共に例や説明的なものに過ぎず、限定的なものではないと理解されるであろう。
本明細書の一部に組み込まれており本明細書を構成する添付の図面により、以下に記載するいくつかの態様を説明する。
図1は、L−グルコース一水和物の粉末X線回折パターンを示す。
本明細書に記載した材料、化合物、組成物、物品、装置、及び方法は、ここに開示した主題の特定の実施態様及び実施例を参照することにより容易に理解できる。
本化合物、装置、及び/又は方法を開示若しくは記載するに先立って特に明記しない限り、それらは特定の合成方法に限定されず又は特に明記しない限り、当然ながら変形することができるものであり、特定の試薬に限定されるものではない。本明細書に記載する専門用語は、特定の態様を説明する目的で用いるものに過ぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に記載したものと類似又は同等ないかなる方法と材料も本発明の実施又は検査で用いることができるが、ここでは実施例の方法と材料を記載する。
また、本明細書を通して、多くの文献が参照されている。その開示事項に付随する技術の状態をより完全に記述するために、これらの公表文献の開示全体が参照することによりこの出願に組み込まれる。参考文献が依存される文において議論される、それらの中に含まれる材料に関して、開示された参考文献も、個々に明確に本明細書に参照により組み込まれる。
以下の明細書と請求の範囲では、多くの用語が用いられており、これらの用語は、以下の意味に定義される。
本明細書の説明と請求の範囲を通して、用語「具える」及び「具えている」などその他の形式の用語は、制限を意味するものではなく、例えば、その他の添加物、成分、整数、又はステップを排除することを意図するものではない。
本明細書と添付の請求の範囲で単数「一」や「その」は、使用するときにこの文脈で明確にそれ以外を指すのではない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「成分」は、二又はそれ以上の成分の混合物を含む。
範囲は、「約」ある特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして現わすことができる。このような範囲を表現するとき、他の態様は、ある特定の値から及び/又は別の特定の値までを含む。同様に、値を近似値として表現するときは、上述の「約」を用いることにより、その特定の値は、別の態様を形成することを理解されるであろう。その範囲の各々の終点は、他の終点と関連した終点と他の終点とは無関係な終点の双方に重要であることも理解されるであろう。本明細書でさまざまな値を開示したが、各々の値は、その値そのものに加え特定の値の「約」として本明細書に開示されていることも理解されるであろう。例えば、値「10」を開示したときは、「約10」も開示したことになる。また、二つの特定のユニット間の各々のユニットも開示されると理解する。例えば、10と15を開示するときは、11、12、13、及び14も開示したことになる。
本明細書で用いる用語「選択的」又は「選択的に」は、その後に記載する事象又は出来事が、生じることがある又は生じないことがあることを意味し、詳細な説明は、前記事象又は出来事が生じる事例と生じない事例を含む。
本明細書で用いる「対象」は、個別のものを意味する。一態様では、この対象は、霊長類などの哺乳類であり、別の態様では、ヒトである。用語「対象」は、飼いならされた動物(例えば、ネコ、イヌなど)、及び家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)を含む。
「溶解速度」及び「溶出速度」又はそれらの他の形態は、特定の温度の所定量の水中で所定量の固体を完全に溶解させる速度又は速さを意味する。
開示する材料、化合物、組成物、物品、及び方法の特定の態様について述べ、添付の例において実施例示を説明する。
[L−糖類]
本明細書は、L−糖類の使用を開示する。フィッシャー投影構造の最下位のキラル炭素原子において、ヒドロキシル基が左側にある単糖をL−糖と定義する。
L−糖類の例は、L−アルドース、L−ケトース、L−アルドペントース、L−アルドヘキソース、L−ケトペントース、及びL−ケトヘキソースを含むが、これらに限定されるものではない。L−アルドペントースは、L−リボース、L−キシロース、及びL−リキソースを含む。L−アルドヘキソースは、L−アロース、L−アルトロース、L−グルコース、L−グロース、L−イドース、L−ガラクトース、及びL−タロースを含む。L−ケトンペントースは、L−リブロースとL−キシルロースを含む。L−ケトヘキソースは、L−フルクトース、L−プシコース、L−ソルボース、及びL−タガトースを含む。L−糖類の更なる例は、L−アルドヘキソースとL−ケトヘキソースを含む。L−アルドヘキソースの更なる例は、L−グルコースとL−グロースを含む。L−ケトヘキソースの例は、L−フルクトースとL−ソルボースを含む。これらのL−ヘキソース単糖が体で代謝されない事実又は体や結腸細菌でわずかに代謝される事実により、L−ヘキソース単糖は結腸で危険なガスを生じさせない。好ましいL−糖は、L−グルコースである。
[L−グルコース一水和物]
ある特定の実施例では、このL−糖は、L−グルコース一水和物である。
理論により制限されることを望むものではないが、家庭用又は医療用に「すぐに溶解する」結腸洗浄組成物又は下剤組成物を調整するときに、L−グルコース製剤の溶解速度が重要なパラメータであることがわかっている。その他の報告されているL−グルコースの形態と比較して、L−グルコース一水和物の溶解速度は高いので、消費者又は医療専門家は結腸洗浄製剤又は下剤として使用する組成物を簡単に調製することができる。
本明細書に記載するL−グルコース一水和物は実験式:C14又はC12・HOを有する。L−グルコース水一和物は、およそ36.36%の炭素、7.12%の水素、及び56.61%の酸素を含み:これをC36.36、H7.12、O56.51と表示する。L−グルコース一水和物は、正確な質量198.073953g/molを有する。このL−グルコース一水和物は、平均分子重量約198.17115g/molを有する。
一実施例では、このL−グルコース一水和物は、約9.24、約18.46、約19.78、約20.24及び約28.36±0.2°2θに一又はそれ以上の特性ピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる。別の実施例では、このL−グルコース一水和物は、二又はそれ以上の前述の値にピークを示す。更に別の実施例では、このL−グルコース一水和物は、三又はそれ以上の前述の値にピークを示す。さらに別の実施例では、このL−グルコース一水和物は、四又はそれ以上の前述の値にピークを示す。
更なる実施例では、このL−グルコース一水和物は、約9.24、約18.46、約19.78、約20.24、及び約28.36±0.2°2θに特性ピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる。
別の実施例では、このL−グルコース水和物は、約9.24、約12.78、約14.60、約16.48、約18.46、約19.32、約19.78、約20.24、約20.56、約21.70、約22.84、約23.50、約25.52、約26.56、約27.62、約27.84、約28.36、約29.40、約30.80、約30.98、約31.22、約32.38、約33.44、約33.82、約35.24、約5.72、約36.96、及び約40.18±0.2°2θに一又はそれ以上の特性ピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる。別の実施例では、このL−グルコース水和物は、二又はそれ以上の前述の値にピークを示す。更に別の実施例では、このL−グルコース一水和物は、三又はそれ以上の前述の値にピークを示す。更に別の実施例では、このL−グルコース一水和物は、四又はそれ以上の前述の値にピークを示す。更に別の実施例では、このL−グルコース一水和物は、五又はそれ以上の前述の値にピークを示す。更に別の実施例では、このL−グルコース一水和物は、六又はそれ以上の前述の値にピークを示す。
別の実施例では、このL−グルコース水和物は、約9.24、約12.78、約14.60、約16.48、約18.46、約19.32、約19.78、約20.24、約20.56、約21.70、約22.84、約23.50、約25.52、約26.56、約27.62、約27.84、約28.36、約29.40、約30.80、約30.98、約31.22、32.38、約33.44、約33.82、約35.24、約35.72、約36.96、及び約40.18±0.2°2θに特性ピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる。
更なる実施例では、このL−グルコース水和物は、実質的に図1に示される粉末X線回折パターンによって特徴付けられことがある。
用語「実質的」について、サンプル調製技術、サンプル装着手順及び用いる特定の道具によってピークの相対強度が変化することを当業者は理解するであろう。その上、道具のバリエーションとその他の要因が、2θの値に影響を与えることがある。従って、プラス又はマイナス約0.2°2θによりこのXRPDピークの割当が変化することがある。
このL−グルコース一水和物は、D−グルコース及び/又はD−グルコース一水和物を実質的に含まず(例えば、重量によるグルコースの総量に基づいて、3%又これ未満、2%又はこれ未満、1%又はこれ未満、0.5%又はこれ未満、0.2%又はこれ未満を含む)又は含まない。このL−グルコース一水和物は、その他のL−糖類又はD−糖類などのその他の不純物も実質的に含まないか若しくは含まない。一実施例では、このL−グルコース一水和物は、糖の総量に基づいて少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%又は少なくとも約99.999%の純度といった少なくとも約99%の純度である。
一実施例では、無水L−グルコースについて計算すると、L−グルコース一水和物の比旋光度は、約−52.5乃至約−53.3度である。比旋光度は、以下の手順によって計算できる。L−グルコース一水和物(10g)を三重に脱イオン化した蒸留水(80mL)中に溶解させる。濃縮アンモニア(41g)を三重に脱イオン化した蒸留水で100mLの容量に希釈する。このL−グルコース一水和物の溶液に、希釈アンモニア溶液0.2mLを添加する。L−グルコース一水和物溶液と希釈アンモニアを30分間放置した後、三重に脱イオン化した蒸留水でこの溶液を100mLの容量に希釈する。
一実施例では、本明細書に開示するL−グルコース一水和物は、25℃、100mLの水中で少なくとも約18g/分の溶解速度を有する。一実施例では、本明細書に開示するL−グルコース一水和物は、25℃、100mLの水中で少なくとも約23g/分の溶解速度を有する。一実施例では、本明細書に開示するL−グルコース一水和物は、25℃、100mLの水中で少なくとも約26g/分の溶解速度を有する。一実施例では、本明細書に開示するL−グルコース一水和物は、25℃、100mLの水中で少なくとも約30g/分の溶解速度を有する。一実施例では、本明細書に開示するL−グルコース一水和物は、25℃、100mLの水中で少なくとも約45.5g/分の溶解速度を有する。一実施例では、本明細書に開示するL−グルコース一水和物は、25℃、100mLの水中で少なくとも約60g/分の溶解速度を有する。一実施例では、本明細書に開示するL−グルコース一水和物は、25℃、100mLの水中で少なくとも約91g/分の溶解速度を有する。しかし、開示されたL−グルコース一水和物は、少なくとも約18g/分から少なくとも約91g/分のいずれかの溶解速度を有することがある。非限定的な溶解速度の例は、少なくとも約18g/分、少なくとも約19g/分、少なくとも約20g/分、少なくとも約21g/分、少なくとも約22g/分、少なくとも約23g/分、少なくとも約24g/分、少なくとも約25g/分、少なくとも約26g/分、少なくとも約27g/分、少なくとも約28g/分、少なくとも約29g/分、少なくとも約30g/分、少なくとも約31g/分、少なくとも約32g/分、少なくとも約33g/分、少なくとも約34g/分、少なくとも約35g/分、少なくとも約36g/分、少なくとも約37g/分、少なくとも約38g/分、少なくとも約39g/分、少なくとも約40g/分、少なくとも約41g/分、少なくとも約42g/分、少なくとも約43g/分、少なくとも約44g/分、少なくとも約45g/分、少なくとも約46g/分、少なくとも約47g/分、少なくとも約48g/分、少なくとも約49g/分、少なくとも約50g/分、少なくとも約51g/分、少なくとも約52g/分、少なくとも約53g/分、少なくとも約54g/分、少なくとも約55g/分、少なくとも約56g/分、少なくとも約57g/分、少なくとも約58g/分、少なくとも約59g/分、少なくとも約60g/分、少なくとも約61g/分、少なくとも約62g/分、少なくとも約63g/分、少なくとも約64g/分、少なくとも約65g/分、少なくとも約66g/分、少なくとも約67g/分、少なくとも約68g/分、少なくとも約69g/分、少なくとも約70g/分、少なくとも約71g/分、少なくとも約72g/分、少なくとも約73g/分、少なくとも約74g/分、少なくとも約75g/分、少なくとも約76g/分、少なくとも約77g/分、少なくとも約78g/分、少なくとも約79g/分、少なくとも約80g/分、少なくとも約81g/分、少なくとも約82g/分、少なくとも約83g/分、少なくとも約84g/分、少なくとも約85g/分、少なくとも約86g/分、少なくとも約87g/分、少なくとも約88g/分、少なくとも約89g/分、少なくとも約90g/分、少なくとも約91g/分を含む。加えて、例えば、少なくとも約25.7g/分、少なくとも約44.56g/分、及び少なくとも約73.22g/分などのこの範囲における少数値も意図している。
[L−糖類の合成]
多くのL−糖類は、市販されており、この技術分野で知られた方法によって調製することができる。例えば、米国特許第1,830,618号;第3,677,818号;第4,471,114号;第4,581,447号;第4,718,405号;第4,815,445号;第4,837,315号;第4,900,667号;第4,939,304号;第4,959,467号;第4,970,302号;及び第5,000,794号を参照されたい。これらの特許は、L−糖製剤の教示として参照によりここに組み込まれている。
以下の手順を用いて、L−グルコース源からL−グルコース一水和物を調製することができる。この源は、市販の無水L−グルコースでもよく、又は既知の商業的プロセス若しくは実験室規模の調製でこのL−グルコースを得てもよい。例えば、その全体が参照により本明細書に含まれる、度量衡基準局研究報告書48:3、163乃至171頁(1952)イズベル,H.S.ら「D−グルコース−1−C14とD−マンノース−1−C14」の手順を変更してL−グルコース源を得てもよい。
一実施例では、このプロセスは、(a)L−グルコースを水に添加して、得られた混合物を減圧下で過熱して溶液を形成するステップと、(b)得られた溶液を冷却して結晶化を誘導するステップと、選択的にエタノールなどの有機溶媒を添加するステップと、を具える。
別の実施例では、このプロセスは:(a)約55℃から約65℃未満までの温度で、大気圧より低い少なくとも約700mmHgの減圧で、水中に1リットルあたり約0.9モルから約1.5モルの量のL−グルコース源を分散させて存在する水の量を溶液の約28重量%から約30重量%になるように減少させ、この分散物を約80℃から約82℃の温度に加熱して溶液を形成するステップと;(b)この溶液を約50℃乃至約55℃の温度に冷却して結晶化を誘導して得られたスラリーを更に約25℃乃至約30℃の温度に冷却し、ステップ(a)で分散させたL−グルコース1グラムにつき約4.5mLのエタノール乃至約5mLのエタノールを添加してL−グルコース一水和物を形成するステップと、を具える。
更なる実施例では、ステップ(b)で形成したL−グルコース一水和物を更なるステップ(c)で選択的に分離する。
一実施例では、ステップ(a)で、減圧下で、約55℃乃至約65℃未満の温度で、L−グルコースを水中に溶解させ、分散させ、又は懸濁させる。この減圧は、大気より低い少なくとも約700mmHgであるが、調合者が利用できる特定の条件に応じて上げたり下げたり調整してもよい。最終L−グルコース濃度は、約3.5M乃至約4Mである。一実施例では、この濃度は、約3.77M乃至約3.89Mである。別の実施例では、この濃度は、約3.75M乃至約3.9Mである。
加熱している間にL−グルコースの溶液を減圧下でかき混ぜて又は攪拌してもよい。固体が溶解したら、調合者は温度を約65℃未満に上げて、溶液中の水の量を調整してもよい。このL−グルコースの当初の濃度を知っているので、この調合者は、減圧下で除去した水量を回収、さもなければ測定することにより、加熱した溶液の濃度を決定することができる。溶液中の水の量を溶液の約28重量%乃至約30重量%の量に減少させる。次いで得られたスラリーを約80℃乃至約82℃の温度に加熱して、L−グルコースの全てが溶解するまで保持する。
このステップで用いたL−グルコース源は、さまざまな結晶サイズを有するので、約80℃乃至約82℃の温度に加熱して得たスラリーを時間の程度の差はあるが、この温度範囲でかき混ぜたり攪拌したりする必要がある。調合者は、この溶液を長時間かき混ぜて、水の量を約28重量%乃至約30重量%の範囲に維持した溶液を提供する。
ステップ(b)の一実施例では、ステップ(a)から得られる溶液を、攪拌又はかき混ぜを行いながら、継続した攪拌と共に約50℃乃至約55℃の温度に徐々に冷却する。溶液がこの温度に到達したら結晶化が始まるまで保持する。結晶化が始まったら、この溶液を約25℃乃至約30℃の温度に下げる。一実施例では、調合者は、L−グルコース一水和物の結晶を添加することにより結晶化を誘発できる。別の実施例では、調合者は、この溶液を自己凝集させてもよい。
更なる実施例では、エタノールを添加してこの溶液の結晶化を増進させることができる。このエタノールの添加量は、例えば、ステップ(a)で用いるL−グルコース1グラムにつき約4.5mLのエタノール乃至約5mLのエタノールである。あるプロセスから得た湿った混合物としてL−グルコースを導入するプロセスに関しては、ステップ(a)に入れるL−グルコースの実際の質量に基づいてこのエタノール量を計算する。例えば、無水L−グルコースをステップ(a)における出発材料として用いる場合は、開示したプロセスの一実施例は、ステップ(a)で最初に溶解する無水L−グルコース1グラムにつき約4.8mLのエタノールを使用する。このエタノールは、ほぼ均質な結晶形成が行われる速度で添加する。しかし、調合者は、エタノールの添加速度を、条件、装置、又は所望の結晶サイズに合った速度に適合させることができる。
結晶化が生じた後、更なるステップ(c)において、形成した固体を分離してもよい。調合者は、例えば、真空濾過、遠心分離などの結晶を得るために使用できるいずれかの手段を使用できる。結晶を分離したら、更なる凝集用に用いるエタノールの1/10の量、例えば、ステップ(a)で用いるL−グルコース1グラムにつき約0.45mL乃至約0.5mLのエタノールで結晶を更に洗浄してもよい。
例えば、約15℃乃至約20℃の温度で、少なくとも約650mmHgの真空下で、得られた結晶を乾燥させることができるが、調合者は、真空や温度を調整して、ほぼ同じ条件を提供することができる。
[L−糖類含有組成物]
更なる態様では、本発明は、L−糖類(L−グルコース一水和物を含有する組成物など)を含有する組成物に関する。これらの組成物は、好ましくは医薬組成物である。
一態様では、この組成物は:(a)少なくとも約10重量%のL−グルコース一水和物と;(b)一又はそれ以上の補助成分と;を含む。この態様による組成物は、任意の値、例えば、少なくとも約10重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%、最大約99.999重量%又はそれ以上のL−グルコース一水和物を含んでもよい。
一実施例では、この組成物は、少なくとも約50重量%のL−グルコース一水和物を含む。別の実施例では、この組成物は、少なくとも約70重量%のL−グルコース一水和物を含む。更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約75重量%のL−グルコース一水和物を含む。また更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約80重量%のL−グルコース一水和物を含む。さらに更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約85重量%のL−グルコース一水和物を含む。更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約90重量%のL−グルコース一水和物を含む。別の実施例では、この組成物は、少なくとも約95重量%のL−グルコース一水和物を含む。一実施例では、この組成物は、例えば、少なくとも約99.9重量%、少なくとも約99.99重量%、又は少なくとも99.999重量%のL−グルコース一水和物などの少なくとも約99重量%のL−グルコース一水和物を含む。
追加的な非限定的な例では、この組成物は、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、約99.9重量%、約99.99重量%又は約99.999重量%のL−グルコース水和物であり、上述の値のいずれもある範囲の上位又は下位の終点を形成する。加えて、例えば、約0.1%、約4.5%、約25.7%、約44.56%、及び約99.98%などこの範囲内における小数値も意図している。
本明細書に記載したこの組成物は、無水L−グルコースと比べて溶解速度が速い。ここに含まれる組成物は、100mLの水中25℃で少なくとも約18g/分の溶解速度を有する。更なる実施例では、成分を含んだL−グルコース一水和物の溶解速度は、100mLの水中25℃で少なくとも約23g/分である。別の実施例では、成分を含んだL−グルコース一水和物の溶解速度は、100mLの水中25℃で少なくとも約26g/分である。さらに更なる実施例では、成分を含んだL−グルコース一水和物の溶解速度は、100mLの水中25℃で少なくとも約30g/分である。また更なる実施例では、成分を含んだL−グルコース一水和物の溶解速度は、100mLの水中25℃で少なくとも約45.5g/分である。またさらに更なる実施例では、成分を含んだL−グルコース一水和物の溶解速度は、100mLの水中25℃で少なくとも約60g/分である。また別の実施例では、成分を含んだL−グルコース一水和物の溶解速度は、100mLの水中25℃で少なくとも約91g/分である。
更なる実施例では、本明細書に記載された組成物は、少なくとも約18g/分から少なくとも約91g/分までの任意の溶解速度を有する。この速度の非限定的な例は、少なくとも約18g/分、少なくとも約19g/分、少なくとも約20g/分、少なくとも約21g/分、少なくとも約22g/分、少なくとも約23g/分、少なくとも約24g/分、少なくとも約25g/分、少なくとも約26g/分、少なくとも約27g/分、少なくとも約28g/分、少なくとも約29g/分、少なくとも約30g/分、少なくとも約31g/分、少なくとも約32g/分、少なくとも約33g/分、少なくとも約34g/分、少なくとも約35g/分、少なくとも約36g/分、少なくとも約37g/分、少なくとも約38g/分、少なくとも約39g/分、少なくとも約40g/分、少なくとも約41g/分、少なくとも約42g/分、少なくとも約43g/分、少なくとも約44g/分、少なくとも約45g/分、少なくとも約46g/分、少なくとも約47g/分、少なくとも約48g/分、少なくとも約49g/分、少なくとも約50g/分、少なくとも約51g/分、少なくとも約52g/分、少なくとも約53g/分、少なくとも約54g/分、少なくとも約55g/分、少なくとも約56g/分、少なくとも約57g/分、少なくとも約58g/分、少なくとも約59g/分、少なくとも約60g/分、少なくとも約61g/分、少なくとも約62g/分、少なくとも約63g/分、少なくとも約64g/分、少なくとも約65g/分、少なくとも約66g/分、少なくとも約67g/分、少なくとも約68g/分、少なくとも約69g/分、少なくとも約70g/分、少なくとも約71g/分、少なくとも約72g/分、少なくとも約73g/分、少なくとも約74g/分、少なくとも約75g/分、少なくとも約76g/分、少なくとも約77g/分、少なくとも約78g/分、少なくとも約79g/分、少なくとも約80g/分、少なくとも約81g/分、少なくとも約82g/分、少なくとも約83g/分、少なくとも約84g/分、少なくとも約85g/分、少なくとも約86g/分、少なくとも約87g/分、少なくとも約88g/分、少なくとも約89g/分、少なくとも約90g/分、少なくとも約91g/分を含み、規定された値のいずれも上位又は下位の終点の範囲を形成する。加えて、例えば、少なくとも約25.7g/分、少なくとも約44.56g/分、及び少なくとも約73.22g/分などこの範囲における小数値も意図している。
開示されている組成物は、一又はそれ以上の補助成分を含んでいてもよい。「補助成分」とは、L−グルコース一水和物ではない化学化合物又は化学種を意味する。一実施例では、この補助成分は無水L−グルコースである。別の実施例では、この補助成分は、安定剤又はこの組成物の流動性を確実にする材料である。更なる実施例では、この補助成分は、任意の知られていない不純物でもよい。
また更なる実施例では、L−グルコース一水和物を、本明細書に記載したプロセスによって、及び本明細書に記載したプロセスのステップ(a)で用いたL−グルコース源に応じて調製するとき、例えばD−又はL−アラビノース又はその形態、D−グルコース又はその形態、又はその他のD−又はL−ペントース、D−又はL−ヘキソースなどの糖類不純物が補助成分として存在することがある。
なお更なる実施例では、この補助成分はエタノール、又はその他の適切な処理溶媒であってもよい。補助成分である溶媒の非制限的な例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ジオキサン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、及びキシレンジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、アセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル・スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。
また更に別の実施例では、この補助成分は、着色剤であってもよく、非限定的な例には、FD&C 赤 3、FD&C 赤 40、FD&C 黄色 5、FD&C 黄色 6、FD&C 青 1、FD&C 青 2、FD&C 緑 3、二酸化チタン、Beet Root Red、リコピン、Carotenal、Carotenoic、パプリカ抽出物、アナトー、カロテン、カラメル、ブリリアント・ブルーFCF、インジゴチン(Indigotine)、アルラレッドAC、エリトロシン、ポンソー、カルモイシン、サンセットイエローFCF、タルトラジン、及びターメリックが挙げられる。
別の態様では、この組成物は、(a)少なくとも約10重量%のL−グルコース一水和物と;(b)無水L−グルコースを含む。更なる実施例では、この態様による組成物は、例えば、少なくとも約10重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%、又は最大約99.999重量%のL−グルコース一水和物と対応する平衡無水L−グルコースを含むことがある。
一実施例では、この組成物は、少なくとも約50重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。また更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約70重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。更に別の実施例では、この組成物は、少なくとも約75重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。なお更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約80重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。また更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約85重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。更なる実施例では、この組成物は、少なくとも約90重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。別の実施例では、この組成物は、少なくとも約95重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。この態様の一実施例では、この組成物は、少なくとも約99重量%、又は少なくとも約99.999重量%のL−グルコース一水和物と平衡無水L−グルコースを含むことがある。
本明細書に記載された組成物中のL−グルコース一水和物量の非限定的な例は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.9%、約99.99%、及び約99.999%を含み、ここに述べたいずれかの値がある範囲の上位又は下位の終点を形成する。更に、例えば、約0.1%、約4.5%、約25.7%、約44.56%、及び約99.98%などこの範囲における小数値も意図されている。
ある実施例では、本明細書に記載した組成物は、調合者がL−グルコース一水和物の調製に関する手順を変えて、従って任意の量の無水L−グルコースを含む組成物を形成することによってできる。追加的な実施例では、調合者は、L−グルコース一水和物を提供する組成物を調製することができるが、この組成物はL−グルコース一水和物及び無水L−グルコースの混合物に戻した状態で保存又は搬送される。
一実施例では、この組成物中の無水L−グルコースの量は、一又はそれ以上の因子に起因する性能(すなわち、この組成物の溶解速度)にとって最も重要ではない。例えば、この組成物の水溶液の最終濃度は、無水L−グルコースの溶解速度が制限因子ではない。この一例はL−グルコース一水和物と無水L−グルコースの混合物が、より溶解速度の高い材料で調合される状況である。いくつかの実施例では、より高い融解熱、すなわち、ΔH>19kJ/molを有する別の成分でこの混合物を調合してもよく、これによりこの混合物を温めることが必要となる。
別の態様では、結腸洗浄で用いる開示した組成物は:(i)約0.001重量%から約99.999重量%のL−グルコース一水和物と;(ii)0.001重量%から約99.999重量%の無水L−グルコースと;を含む(a)約0.01重量%から約99.99重量%の有効成分と;(b)平衡補助成分と;を含む。
この態様の更なる実施例は:(i)約0.001重量%から約99.999重量%のL−グルコース一水和物と;(ii)約0.001重量%から約99.999重量%の無水L−グルコースと;を含む(a)約0.01重量%から約99.99重量%の有効成分と;(b)平衡補助成分と;を含む下剤として用いる組成物に関する。
この態様に関連する「有効成分」は、結腸洗浄又は下剤活性を有することが知られていない又はそのように理解されていない補助成分を意味する。補助成分は、それ自体は、安定剤、着色剤、香味料などである。
水中での迅速な溶解速度を有することに加えて、開示した組成物は、例えば、25℃で約0.85g/mLから約1.5g/mLの水中での溶解度など、水での高い溶解度を有する。別の実施例では、この組成物は、25℃で約0.9g/mLから1.2g/mLの水中での溶解度を有する。更なる実施例では、この組成物は、25℃で約0.92g/mLから0.98g/mLの水中での溶解度を有する。また更なる実施例では、この組成物は、25℃で約0.91g/mLから0.93g/mLの水中での溶解度を有する。
開示した組成物の更なる実施例は、医薬組成物に関し、:(i)約0.001重量%から約99.999重量%までのL−グルコース一水和物と;(ii)約0.001重量%から約50重量%までの無水L−グルコースと;を含む(a)約0.01重量%から約99.99重量%までの非吸収性単糖類成分と;(b)一又はそれ以上の薬学的な有効成分と;を含む。
「非吸収性単糖類成分」は、例えば、甘い味はするものの高甘味指数のせいで、体積又は質量をこの組成物に加えずに結腸洗浄実施態様を妨害しないL−グルコース又は化合物など、体に容易に吸収されない化合物を意味する。このように、L−グルコースは、吸収されないと理解されているが、調合者は、所望の甘味感覚刺激特性を有するが、体に吸収されない又は最小限しか吸収されないあるいはノンカロリー甘味料として認識されているその他の成分を含めることができる。ノンカロリー甘味料の非限定的な例は、アセサルフェーム及びその塩、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、ステビア、及びタガトースを含む。更に、他の非吸収性糖は、キシリトールなどを含む。
この組成物は、一又はそれ以上の薬学的に有効な成分を更に含む。「薬学的に有効な成分」は、医学的な利益を消費者に提供するが、組成物の結腸洗浄又は下剤特性に影響を及ぼさない物質を意味する。例えば、薬学的に有効な成分は不安を和らげる物質であってもよい。更に、この有効成分は、空腹による胃又は食道の動きを和らげることができる。
一実施例では、この組成物は、(i)約10重量%乃至約90重量%のL−グルコース一水和物と;(ii)約10重量%乃至約50重量%の無水L−グルコースと;を含む。
別の実施例では、この組成物は、(i)約20重量%乃至約80重量%のL−グルコース一水和物と;(ii)約20重量%乃至約50重量%の無水L−グルコースと;を含む。
更なる実施例では、この組成物は、(i)約30重量%乃至約70重量%のL−グルコース一水和物と;(ii)約30重量%乃至約50重量%の無水L−グルコースと;を含む。
また更なる実施例では、この組成物は、(i)約40重量%乃至約60重量%のL−グルコース一水和物と;(ii)約40重量%乃至約50重量%の無水L−グルコースと;を含む。
なお更なる実施例では、この組成物は、(i)約50重量%のL−グルコース一水和物と;(ii)約50重量%の無水L−グルコースと;を含む。
一実施例では、この組成物は、約10重量%乃至約90重量%の薬学的に有効な成分を含む。更なる実施例では、この態様の組成物は、約10重量%乃至約90重量%の薬学的に有効な成分を含む。別の実施例では、この態様の組成物は約20重量%乃至約90重量%の薬学的に有効な成分を含む。更なる実施例では、この態様の組成物は、約30重量%乃至約90重量%の薬学的に有効な成分を含む。また更なる実施例では、この態様の組成物は、約10重量%乃至約80重量%の薬学的に有効な成分を含む。なお更なる実施例では、この態様の組成物は、約10重量%乃至約70重量%の薬学的に有効な成分を含む。
多くの実施例では、L−グルコース一水和物は、例えば、結腸洗浄で使用する組成物などの薬学的組成物中に用いられている。例えば、結腸洗浄方法は、対象に一又はそれ以上の用量で約48gより多い量の一又はそれ以上のL−糖類量を含む組成物を経口投与するステップを具え、このL−糖類の一つはL−グルコース一水和物であり、又はL−糖類はL−グルコース一水和物のみから成るものである。
結腸洗浄用の組成物は、食品などの組成物中のL−糖を含んでいてもよい。例えば、ジェル形態の結腸洗浄組成物は、化合水、L−糖、及びゲル化剤を含んでいてもよい。ゲル化剤は、例えば、Great Lakes Gelatin社、PO Box 917、グレースレーク、イリノイ州から得られるAタイプ、25ブルーム、50メッシュ、ゼラチンなどのゼラチン;Sigma brand Agar A−7002 Lot 71K0093などの寒天;JELL−O(商標)ブランドデザートミックスなどの香味料を含む市販の製品;などを含む。一態様では、約85gのJELL−O(商標)を約130mLの水で沸騰させて、約65mLの水と香味料で希釈した45mLのL−糖を含んだほぼ沸騰している混合物と混合することがある。例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれている米国公開公報第2004/0071779号A1にゲルへの下剤の取り込みが記載されている。
本明細書に記載した結腸洗浄用の組成物及び/又は結腸洗浄用のキットは、L−糖を含む。この組成物及び/又はキットは、香味料、着色料、及び/又は分散剤などの一又はそれ以上の他の成分を含んでもよい。このL−糖は、例えば、溶液、懸濁液、コロイド、分散、スラリー、又はゲルの形態であってもよい。結腸洗浄用の組成物は、粉末固体、粒状、又は一又はそれ以上の錠剤を含む固体形態のL−糖を含んでもよい。固体として存在するとき、このL−糖は、無水でもよく、又は例えばL−グルコース一水和物などの水和物(例えば、一水和物)として存在することがある;本明細書で言及したL−糖類及びL−グルコースの全量は、用いられたL−糖の特定の形態において存在することがある水和物水及びその他の化合物を排除する。このL−糖は、ボトル、タブ、小袋、包装材料、小さな包み、チューブ、及びアンプルなどの一又はそれ以上の容器中に存在してもよい。
ある態様では、水(又はその他の食用の液体)中でこのL−糖を溶解させる。この溶解速度は、溶質の表面積に正比例する。従って、非常に細かい粉末の無水形態のL−糖類を使用することが有利なことがある。なぜなら、これは非常に大きな面積を有するからである。従って、対象が無水L−糖に水を添加して数分間攪拌すると、この材料は溶解する。しかし対象が十分に攪拌しないと、固体は凝集して溶解速度が非常に遅くなってしまう。
理論に拘束されることを望まないが、溶解が生じてから結晶らしきものが発生するまで、水中でL−グルコースが局部的に過飽和であることがこの現象の理由と考える。これがL−グルコース一水和物結晶の無水材料への急速な成長及び堆積を引き起こし、溶出速度それによって変わる全表面積を劇的に減少させる。
L−グルコース一水和物(又は同様にその他のL−糖類の一水和物)の利点は、全表面積に影響を及ぼす結晶形態の移行がもはやないことである。高表面積を有するL−グルコース一水和物から始めると、それらは水を加えて、最小限の攪拌をすることで迅速な溶解(例えば、約1分以内)を実現できる。このように、本明細書のある実施例では、キットに提供されているL−糖は、一水和物の形態である。
[L−糖類を含んだキット]
追加の態様では、本発明は、L−糖類(L−グルコース一水和物を含む組成物など)を含むキットに関する。一実施例では、このキットは、パッケージとこのパッケージ内にある量の結腸洗浄に効果的であるL−糖(例えば、L−グルコース一水和物)を含む。
更なる実施例では、このキットは、好ましくは別々の容器に入った、第一用量及び第二用量などの、少なくとも二つの別々の予め測定したL−糖の用量を含む。いくつかの実施例では、このキットは、二つのL−糖の容器を具えており、各容器は水との混合に適する量のL−糖を有し、経口投与できる第一又は第二用量を形成する。更なる例では、L−糖は、二つの小さな包み内に含有された粉末としてL−糖が存在しており、この小さな包みは、結腸洗浄剤の第一用量及び第二用量に対応している。また更なる例では、このキットは、水を添加しL−糖を溶解させて所望の容量にする、予め測定された量のL−糖を含有する容器を具えていてもよい。キットは、一、二、またはそれ以上の容器を含んでいてもよい。開示されているキットは、結腸内視鏡検査前処理の説明書を含んでいてもよい。
特定の実施例では、キット中のL−糖の総量は48gを超える。更なる実施例では、キット中のL−糖の総量は、約48gを超えて約200gまでである。
別の実施例では、キット中の第一用量は、少なくとも36gのL−糖を含み、第二用量は、少なくとも30gのL−糖を含む。例えば、キット中のこの第一用量は、約36g乃至約80gのL−糖を含み、この第二用量は、約30g乃至約80gのL−糖を含む。
一実施例では、このL−糖はL−グルコースである。別の実施例では、このL−糖は、L−グルコース一水和物である。
一又はそれ以上の肛門直腸ワイプが、選択的にキットに含まれていてもよい。肛門直腸ワイプは、布、紙、又はこれらの組み合わせなど適切な物質から作られ、一又はそれ以上の有効成分を含む水性混合物で湿らせるようにしてもよい。有効成分の例は、塩酸プラモキシンなどの局部麻酔薬及びグリセリンなどの保護剤を含む。水性混合物は、塩化セチルビリジニウム、クエン酸、二ナトリウムEDTA、オイカリプトール、メントール、オクトキシノール−9、安息香酸ナトリウム、及びクエン酸ナトリウムなど一又はそれ以上の有効成分を含むこともある。この肛門直腸ワイプは、例えば、FLEET(商標)鎮痛ウェットタイプの肛門直腸パッドのようなパッド及びこれに類似する形態でもよい。一態様では、四つの個別包装されたワイプが好ましい。この肛門直腸ワイプは、約4cm×約7cmの寸法の矩形形状でもよい。この肛門直腸のワイプは、キット中にボトル、タブ、小袋、包装材料、小さな包み、チューブなどの一又はそれ以上の容器中に含まれていてもよい。例えば、このキットは、各々一又はそれ以上肛門直腸のワイプを含んだ二つの小さな包みを含んでいてもよい。一実施例では、このキットは、少なくとも二つの肛門直腸のワイプの小さな包みを具えており、各々の小さな包みは二つの肛門直腸のワイプを含んでいる。
[処置方法]
前臨床試験では、試験した全ての哺乳類種はL−グルコースの代謝をしなかった。マウス、ラット、イヌ、ウサギ、及びサルのL−グルコース排出の主要経路は、尿中排泄であった。食事制限は、L−グルコースの代謝において有意な効果はなかった。Sprague−Dawleyラットにおける食餌試験は、90日間継続してL−グルコースを投与しても、明確な毒性の証拠がないことを示した。ラットの最大耐用量は、食餌量の10%のL−グルコースになるように決めた。
臨床試験は、L−グルコースが穏やかにヒトの腸内から吸収されることを示している。ヒトでの呼気中水素結果は、インビトロでの試験から得られる結果と同程度であり、結腸細菌がL−グルコースを代謝しないことを示した。ヒトのL−グルコース排出の主要経路は、糞便中排泄と尿中排泄である。L−グルコース投与後に、有意なグルコース反応又はインスリン反応は見られなかった。嘔吐、悪心、おくび/リフティング、及び膨満などの軽度の上部消化管症状が少数の対象に生じた。けいれん及びガス/腸内ガスなどの下部消化管症状が、大多数の対象に生じたが、症状は軽く彼等の日常活動を妨げるものではなかった。対象は、L−グルコースの味は一般的にさわやかだと認識されると報告した。
L−糖類のこれらの一般的な有利な特性にかかわらず、L−糖類は、さまざまな試験において結腸洗浄剤として満足するものであると認められていなかった。例えば、L−グルコース24g用量の非盲検試験、既存対照試験、単回投与試験を実施して、結腸内視鏡検査前の結腸洗浄剤としてのL−グルコースの安全性と効用を決定した(Raymerら、「結腸内視鏡検査前の結腸洗浄剤としてのL−グルコースの非盲検検査」、胃腸内視鏡 58(1)巻:30−5頁、2003年)。この結腸内視鏡検査の結果に基づくと、大多数の対象(80%)が、「優」又は「良」等級の結腸内視鏡検査の前処理を有した。しかし、報告されたこの80%の成功率は、従来のPEG組成物で観察されるものより低く、同様にこの組成物は、リン酸を基にする結腸洗浄剤より効果が低い(Hsuら、「結腸内視鏡検査の前処理に関するポリエチレングリコール洗浄対リン酸ナトリウムのメタ分析と原価比較」、胃腸内視鏡 48(3)巻:276−282頁、1998年)。この報告された80%の成功率は、20%の失敗率に相当することを意味しており、この失敗率は、特に失敗した各結腸内視鏡検査が誤診を意味する可能性があると考えると、莫大な費用についてはもちろんのこと、結腸内視鏡検査のスケジュールを組み直すことは、医者と患者にとって不都合であり、受け入れることができないものである。
本明細書に開示した方法は、著しく向上した結腸洗浄を生じさせる用量のL−糖類を含む組成物を使用する。
一実施例では、一又はそれ以上の用量(例えば、24時間周期内)で対象に約48gを超えるL−糖量を含んだ組成物を経口投与するステップを具える結腸洗浄方法である。例えば、約48g乃至約200gの量のL−糖、約50g乃至約150gの量のL−糖、約60g乃至約140gの量のL−糖、約70g乃至約130gの量のL−糖、約80g乃至約120gの量のL−糖、又は約90g乃至約110gの量のL−糖を投与してもよい。
別の例では、L−糖は、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99、約100、約101、約102、約103、約104、約105、約106、約107、約108、約109、約110、約111、約112、約113、約114、約115、約116、約117、約118、約119、約120、約121、約122、約123、約124、約125、約126、約127、約128、約129、約130、約131、約132、約133、約134、約135、約136、約137、約138、約139、約140、約141、約142、約143、約144、約145、約146、約147、約148、約149、約150、約151、約152、約153、約154、約155、約156、約157、約158、約159、約160、約161、約162、約163、約164、約165、約166、約167、約168、約169、約170、約171、約172、約173、約174、約175、約176、約177、約178、約179、約180、約181、約182、約183、約184、約185、約186、約187、約188、約189、約190、約191、約192、約193、約194、約195、約196、約197、約198、約199、約200gを投与してもよく、上述の値のいずれも用量範囲の上位又は下位の終点を形成する。
また、本明細書では、第一用量のL−糖を含む組成物と、次いでL−糖を含む第二用量の組成物を投与するステップを具える結腸洗浄方法が開示されている。例えば、少なくとも約36gのL−糖を含む第一用量と少なくとも約30gのL−糖を含んだ第二用量、約36gから約80gまでのL−糖を含んだ第一用量と約30gから約80gまでのL−糖を含む第二用量、約40g乃至約60gのL−糖を含む第一用量と約40g乃至約60gのL−糖を含む第二用量、約45g乃至約55gのL−糖を含む第一用量と約45g乃至約55gのL−糖を含む第二用量、約40g乃至約50gのL−糖を含む第一用量と約30g乃至約40gのL−糖を含む第二用量、又は少なくとも約48gのL−糖を含む第一用量と少なくとも約48gのL−糖を含む第二用量を投与してもよい。
ある実施例では、第一用量の投与後少なくとも約2、約4、約6、約8、約10、又は約12時間後に、第二用量を投与している。
本明細書に記載する方法の特定の実施例では、このL−糖は、L−グルコースである。本明細書に記載する方法の別の実施例では、このL−糖は、L−グルコース一水和物である。
一実施例では、本明細書に記載する方法は、約48gのL−グルコース(約52.8gのL−グルコース一水和物に相当)を含む第一用量と約48gのL−グルコース(又は約52.8gのL−グルコース一水和物)を含む第二用量を投与するステップを具える。好ましくは、この第一及び第二用量は、L−グルコースの水溶液である。
一実施例では、本発明は、結腸内視鏡検査を受ける対象の結腸洗浄方法に関し、結腸内視鏡検査の前夜に約52.8gのL−グルコース一水和物(約48gの活性L−グルコースに相当)を含む水溶液を対象に投与するステップと、結腸内視鏡検査の朝、ただし結腸内視鏡検査の前に約52.8gのL−グルコース一水和物を含む水溶液を対象に投与するステップと、を具える。
更なる実施例では、対象に投与する前にL−グルコース一水和物の各用量を8オンスの水中で溶解させる。
一実施例では、このL−グルコース一水和物の第一用量を結腸内視鏡検査の前夜のおよそ午後6時に投与する。別の実施例では、L−グルコース一水和物の第二用量を結腸内視鏡検査の当日のおよそ午前6時に投与する。更なる実施例では、L−グルコース一水和物の第一用量を結腸内視鏡検査の前夜のおよそ午後6時に投与し、L−グルコース一水和物の第二用量を結腸内視鏡検査の当日およそ午前6時に投与する。
追加の実施例では、L−糖を含む組成物を水(又はその他の食べられるもの)中で溶解させて経口投与することによりL−糖を含む組成物の投与を実現させることができる。代替として、水又は非水性溶媒中の錠剤、カプセル、小袋、粒子、顆粒、懸濁液、エマルション、又は溶液を摂取する又は対象に投与することができる。増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤又は結合剤を用いることがある。開示した組成物を浣腸により投与してもよい。
以下の実施例は、本発明の単なる実例であり、本発明に包含される多くのバリエーション及び同等物に発明の請求の範囲を制限するものと決して解釈するべきでないことは、本開示を読めば、当該技術の当業者には明らかであろう。
[L−グルコース一水和物の調製]
L−グルコース(144kg、800mol)を密封容器の水(600L)に溶解させ、圧力を約700mmHgまで下げる。この溶液を約65℃未満に加熱して、水分含量を約28重量%から約30重量%までに減らす。次いでこの溶液を約80℃乃至約82℃の温度に加熱し、観測される固体が溶解するまで保持する。次いでこの溶液を徐々に冷却し、結晶化が生じるまで約50℃乃至約55℃の温度で保持する。結晶化が開始したら、この溶液を継続的に攪拌しながら約25℃乃至約30℃に更に冷却する。結晶化を約12時間継続させる。イソプノパノールで変性させたエタノール(700L)を約30分にわたって添加する。
約90分後、得られた結晶スラリーを遠心分離して、この固体を収集し、変性エタノール(70L)で洗浄して箱形乾燥機に移した。この結晶を約15℃乃至約20℃の温度で、少なくとも約650mmHgの真空下で乾燥させて、110kg(69.4%の収率)のL−グルコース一水和物を得た。約9%の水の存在が認められた最終生成物をカール・フィッシャー水分析することにより、L−グルコース一水和物を確認した。残りのL−グルコースを再利用して、更なるL−グルコース一水和物を得てもよい。
[L−グルコース一水和物の組成例]
以下は、非限定的なL−グルコース一水和物を含んだ組成物の例示である。以下は、100mL中で溶解させて、結腸洗浄及び/又は下剤組成物を作る固体組成物である。以下の量は、グラム単位である。
Figure 0005734962
L−グルコース一水和物は、温度が上昇するに伴い溶解速度が上昇する。そういうわけで、L−グルコース一水和物を含む組成物を利用者が温めることにより、溶解速度を上げることができる。
組成物を含むL−グルコース一水和物の溶出速度の上昇を決定する方法を以下に記載する。
別々の600mLビーカーにL−グルコース一水和物(53g)と無水L−グルコース(48g)を充填する。各サンプルは、重量ベースでおおよそ同量のL−グルコースを含む。攪拌と混合を回避するため、各ビーカーに慎重に再蒸留水(240mL)を添加する。一例では、水を添加した後すぐにこの溶液を攪拌する。第二の例では、攪拌の前に5分間溶液をそのまま置いておく。利用者が使用の前にサンプルを攪拌するであろう方法を再現して、攪拌を行った。以下の表は、二回行ったこれらの実験をまとめたものである。
Figure 0005734962

1.Danisco社のロット番号Mil−S5−110408Aから得たサンプル。
2.Arch Pharmalabs社のロット番号VLLGC−017090001から得たサンプル。
3.Danisco社のロット番号Del−S5−190208Aから得たサンプル。
4.利用者の実践に一致する方法、即ち、スプーン又は攪拌棒を使用して遅滞なくすぐにサンプルを攪拌する。遅延時間が終わるまで、時間遅延を伴うサンプルを攪拌しない。
L−グルコース一水和物の溶解速度が高いので、組成成分の急速溶解が切望される製剤に用いることができる。例えば、このL−グルコース一水和物を結腸洗浄用に経口摂取される組成物に調合してもよい。この組成物は、利用者又は医療関係者によって使用される。結腸洗浄用の組成物は、粉末固体、粒状固体、又は一若しくはそれ以上の錠剤を含む固体形態のL−グルコース一水和物を含むものでもよい。固体として存在するときは、このL−グルコース一水和物は、ボトル、タブ、小袋、包装材料、小さな包み、チューブ、及びアンプルなどの一又はそれ以上の容器中にあってもよい。
[腸管前処理の基準]
米国胃腸内視鏡協会(ASGE)と内視鏡検査の質における米国消化器病学会部隊は、全ての内視鏡検査報告における腸管洗浄の質を評価するための提案を含む手続きの文書に関するガイドラインを公開している(Rexら、「内視鏡検査の品質指標」、Am J Gastroenterol 101巻:873−85頁、2006年)。残念ながら、内視鏡検査用の腸管前処理の評価に関する業界全体の基準はない。以前に公開された基準は、様式(全体的対部分的)、採点システム(分類対数値)、及び適用(清浄と洗浄の前又は後)の点で大きく異なる。各々の採点方法の利点と欠点を表1に示す。
Figure 0005734962
歴史的に、腸管前処理メーカーは、自分達の独自の基準に基づいて、直接比較臨床試験において腸管洗浄の適正を評価する。これらの基準は、様式が大きく異なるので、相互比較をすることができない。更に、腸管洗浄の分類表現(例えば、「優」、「良」、「正」、及び「悪」など)の信頼できる、有効な定義がないので、腸管前処理の文書化のガイドラインも適切に実行できない。
出願人は、結腸洗浄の質を評価するためのカテゴリー別4点スケール及び数的な採点システムを信頼していた(Balabanら、「内視鏡検査用の低容量の結腸前処理:ランダムに選ばれた、液体リン酸ナトリウム対錠剤リン酸ナトリウムの内視鏡医盲検試験」、Am J Gastroenterol 98巻:827−32頁、2003年)。グローバル前処理評価(GPA)として知られる、基本4点スケールは、1990年にVannerらによって公開された腸管洗浄剤としてPHOSPHO−SODA(商標)の最初のランダム化比較試験で用いられるオリジナルの基準と本質的に同じである(「内視鏡検査用の患者の前処理における標準ポリエチレングリコール系洗浄溶液を含有する経口リン酸ナトリウム(Golytely)を含んだ前向きランダム化試験」、Am J Gastroenterol 85巻:422−7頁、1990年)。残留便採点システム(RSS)として知られるこの数値採点システムは、吸引前の残留便の量と粘稠度の両方を評価する継続的に可変の、平均的な部分的採点手段(腸管洗浄投薬計画の下剤活性の測定)並びに清浄及び洗浄の後に見られる腸管壁の割合(腸管前処理の成功に関する最終的な終点の測定)である。この二つのスケールを以下に示す。
[グローバル前処理の評価]
優=清潔な結腸又は少量の透明な液体
良=中程度乃至大量の透明乃至半透明の液体
正=吸引された又は洗い流されたいくらかの半固体便
悪=吸引されない又は洗い流されない半固体又は固体便
[残留便採点スコア]
有効性変数は、腸管の便の量と粘稠度及び視覚化された腸管壁の割合の評価を含む。以下の尺度に従って直腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、及び盲腸のレベルで部分的な評価を行なう。

便の量: 便の粘稠度 視覚化された壁の割合
0=なし 0=なし 0=>95%
1=最小量 1=透明な黄色の液体 1=85%乃至94%
2=少ない 2=濁った液体 2=75%乃至84%
3=中程度 3=粒子状の便 3=50%乃至74%
4=大量 4=固体の便 4=<50%
視覚化された腸管壁の割合は、洗浄及び吸引後に採点するのに対し、便の量と便の粘稠度は、清浄及び吸引前に採点する。三つの評価の合計が、各部分のスコアを構成する。見られる全ての部分のスコアの平均を計算することにより最終RSSを決定する。結腸内視鏡検査が、結腸の五つのセクションを通過しないときは、結腸内視鏡検査が終わった部分と停止の理由を記録し、これらの部分をその時点まで見たと見なす。
GPA基準は、視覚的な支援として洗浄の各等級の代表的な結腸内視鏡画像を含む。この4点GPAは、セグメントでできたRSS(r=−0.76、p<0.001)に高度の統計的相関関係を有することを示している(Balabanら、Am J Gastroenterol 98巻:827−32頁、2003年)。
以下の実施例に記載した腸管前処理の評価は、残留便の量と粘稠度を表す二つの基準だけでなく、完全な検査のために便を除去する内視鏡医の手腕も採用した。採点方法の特定の要素を吸引や洗浄の前に完了させて、腸管前処理の能力を反映させて、試験の間の追加的な洗浄と吸引の時間を最小にさせる利点を有する、乾燥した清潔な前処理を提供する。その他の要素を吸引と清浄後に完了させ、結腸を完全に検査する能力を反映した。
その他の公開された腸管前処理の基準は、その他の例示的な結腸の視覚化又は残留便に関する記述に焦点を当てているが、これらの要素の各々の独立した評価に限定するものではない。更に、いくつかの基準におけるセグメントでなる成分の欠如は、左右の結腸における、洗浄の相対的効果、すなわち内視鏡医へ配慮に関する重要な評価を排除する。
過去7年にわたる数十の研究から得たGPAとRSSの基準の用語の増分修正は、他の尺度の有用性を妨げる曖昧さの無い記述を生む。一例として、Raymerらが採用した基準は、優の分類に「少量の粘着性のある糞便流体」の記述を含むが;「少量」が、予期できるように、固体成分、又は「流体」と記載される液体成分を指すかはっきりしない。注目すべきは、固体の糞便は、以下の実施例で用いられる優又は良の採点のいずれにおいても許容可能ではなく、以下の実施例で用いる尺度がより厳格であることを示す。
全体的な前処理の評価と残留便スコアを含む出願人の腸管洗浄評価方法は、結腸内視鏡検査用の腸管洗浄の独自かつ補完的な要素を扱う。両方の基準を使用することで、完全な結腸内視鏡検査の試験が容易に達成されることを含めて、糞便除去の完全な分析が可能になった。その他の公開された採点システムと比較して、出願人の方法はその用語においてより厳格であり、腸管前処理妥当性についての記述においてより完全である。
[比較実施例1]
結腸内視鏡検査を行う前に結腸洗浄剤としてのL−グルコースの効果と安全性を評価する、多角的な、二重盲検用量範囲測定試験を行った。この試験で使用した用量は、12g、16g、20g、及び24gであった。この前処理の評価は、Hsuら「結腸内視鏡検査の前処理用のポリエチレングリコール洗浄対リン酸ナトリウムのメタ分析とコスト比較」、胃腸内視鏡検査 48巻(3):276−282頁、1998年で使用される基準に基づいており、結腸内の少量の糞便物質は、「優」のスコアであった。従って、24gの用量実験は、Raymerらの最大用量の実験と類似した。この結果は、これらの範囲内の単一用量におけるL−グルコースは、結腸洗浄剤として許容できないことを示している。
[比較実施例2]
結腸内視鏡検査を行う前に、腸管前処理としてのL−グルコースの臨床的効果を測定すべく考案された無作為化単純盲検試験を行った。三つの用量処方:午後のみ24g、午後のみ30g、及び朝の12gに続いて午後に24g(計36g)を評価した。このとき、本明細書に記載した出願人のGPA基準を用いて前処理を評価した。この試験では、午後のみの2つの用量(24gと30g)は、効果がないので停止した。この試験は、分割用量として与えられたL−グルコースが、より効果的な腸管洗浄の臨床的効果を有することを示した。実際に、この分割用量スケジュールは、単一用量スケジュールよりも統計的に優れており:GPAは、単一用量スケジュールと比べて分割用量の効果(p<0.001)には非常に大きな差があることを示した。単一用量スケジュール(p<0.001)の7/31(23%)と比べて、分割用量スケジュールに関する臨床的有効性(「優」及び「良」の評価の組み合わせとして定義される)は、19/27(70%)であった。通常報告される有害事象は、ほとんど無いか若しくは軽いものであり、研究室の検査結果では、それほど重要な臨床的な変化ではなかった。ほぼ全ての対象が、このL−グルコース洗浄溶液は、使用が容易で便利であると報告した。味は、非常にさわやか乃至いくぶんさわやかであると好意的に評価され、全般的な腸管前処理耐性は、良い又は非常に良いと評価され、ほとんどの対象が、この処方を繰り返しても構わないと報告した。
上の出願人のGPAの基準の説明で述べたように、前処理が「優」又は「良」であるかを判断する基準は、「清潔な結腸又は少量の透明な液体」又は「中程度乃至大量の、透明乃至半透明の液体」とそれぞれ定義されている。Raymerの「優」及び「良」の評価は、それぞれ「わずかな粘着性の糞便流体」及び「検査を妨げない位少量の糞便又は流体」と定義しているので、これらの基準は、Raymerらが用いた上記の評価システムよりも厳しい。従って、Raymerの「優」の評価は、出願人のGPA尺度では「良」とさえ評価されないだろう。
[実施例3]
2サイト非盲検試験は、L−グルコースの3つの分割用量(24g/24g、36g/36g、及び48g/48g)を用いる用量漸増法を採用した。予定した結腸内視鏡検査の前夜及び朝にこの用量を投与した。段階Iの設備でこの試験を実施し、L−グルコースの投与、食事の順守、及び水和処方を制御した。
24人の対象の3つの投与群は、各群につき男性と女性に均等に分かれた。選択的結腸内視鏡検査を受けることが予定されており、試験を受ける基準を満たして試験に参加することを同意した対象を登録した。最初に試験対象患者基準に合致し、かつ試験除外基準に合致しない試験の対象を、最も少ない投与群に登録した。各対象は、投薬試験の一部として厳しい食事制限と水和処方を順守した。
現場の薬剤師は、与えられた試験の薬物調製マニュアルに基づいてL−グルコース製剤を調製した。各対象は、投与群にかかわらず、8オンスの水に入ったこの用量を10分以内に摂取した。投与群は、最も少ない用量(24g/24g)で始まる用量漸増法を行って、用量漸増決定木により増加させた。
結腸内視鏡検査を実施する医師が、出願人のGPA基準を利用して、吸引及び洗浄前の腸管前処理の質を評価した。残存便が原因ではなく解剖学的理由又は医学的な理由で、結腸内視鏡が結腸から盲腸を通過しないときは、結腸内視鏡検査が終わった場所に留意し、前処理をその点まで検討したものと判断した。結腸内視鏡が、残存便の存在が原因の不十分な腸管前処理が理由で結腸から盲腸を通過しないときは、GPAを「悪」と評価した。
5つの部分の腸管(直腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、及び盲腸)の各々における腸管洗浄の評価にも上記の残留便採点スコア(RSS)を使用した。上記のように、評価は、便の量、便の粘稠性、及び各部分で視覚化される腸管壁のおよその割合を含む。
不十分な腸管前処理が理由で、結腸内視鏡検査時に直接検査されなかった腸管部分は、上述の三つの基準全てにおいて「悪」と評価した。
計24の対象が三つの投与群の各々に登録された。72の対象全てが包括解析(ITT)と安全個体群に含まれていた。
各投与群に23の対象(95.8%)があり、これらは完全な結腸内視鏡検査(内視鏡医が、盲腸レベルまで達することができる)を行った。GPAの平均(SD)は、24g/24gの投与群に関しては3.29(0.81)、36g/36gの投与群に関しては、3.42(0.83)、及び48g/48gの投与群に関しては、3.88(0.45)であった。24g/24gの用量コホートでは12(50.0%)対象、36g/36gの投与群では14(58.3%)対象、及び48g/48gの投与群では22(91.7%)対象、を含む3つの投与群の各々で少なくとも半数の対象がGPAスコアが「優」と評価された。GPAスコアが「悪」と評価されたのは、36g/36gの投与群で1(4.2%)対象のみであった。表2にこのGPAの結果をまとめる。
Figure 0005734962
サイト01では、30(96.8%)の対象が、及びサイト02では、39(95.1%)の対象が、完全な結腸内視鏡検査を受けた。平均(SD)GPAは、サイト01に関しては3.68(0.75)であり、サイト02に関しては3.41(0.74)であった。サイト01(25対象、80.7%)及びサイト02(23対象、56.1%)では半数より多い対象がGPAスコアで「優」の評価がされた。GPAスコアが「悪」と評価されたのは、サイト01では1(3.2%)対象のみであった。
この有効性の分析結果を以下に説明する。24g/24gの投与群で12(50.0%)対象、36g/36gの投与群で14(58.3%)対象、及び48g/48gの投与群で22(91.7%)対象を含む3つの投与群の全てにおいて、少なくとも半数の対象がGPAスコアで「優」と評価された。各投与群で、完全な結腸内視鏡検査を受けたのは23(95.8%)対象であった。両サイトで観測された試験において「優」の割合が高いこと、最初の水様性排便までの時間が最も短いことに裏付けを得たところでは、最大の有効性を達成した投与量は、48g/48g用量であった。更に、試験において「優」の高い割合が高いことから、48g/48g用量は、より強力な腸管洗浄力を有し;より低い用量はGPA評価が異なり、より弱い腸管洗浄力であることを示している。この結果は、36g/36gより多い分割用量は、これより少ない分割用量、及び特にこれより低い単一用量よりも著しく良い結腸洗浄をもたらすことを示している。更に、前処理の結果を評価するこの試験で用いている、より厳しい基準(すなわち、GPA及びRSS尺度)を考慮すると、得られた結果は、さらに顕著である。
本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明内でさまざまな改良や変形がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。本発明の他の態様は、本明細書に開示される本発明の詳細な説明及び実施の考察から、当業者には明らかであろう。詳細な説明と実施例は、以下の特許請求の範囲によって示される発明の真の範囲と精神とともに、単なる典型例として考慮されることを意図する。

Claims (28)

  1. L−グルコース一水和物。
  2. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、9.24、18.46、19.78、20.24、及び28.36±0.2°2θに一又はそれ以上の特性ピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを有することを特徴とするL−グルコース一水和物。
  3. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、9.24、18.46、19.78、20.24、及び28.36±0.2°2θに特性ピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを有することを特徴とするL−グルコース一水和物。
  4. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、9.24、12.78、14.60、16.48、18.46、19.32、19.78、20.24、20.56、21.70、22.84、23.50、25.52、26.56、27.62、27.84、28.36、29.40、30.80、30.98、31.22、32.38、33.44、33.82、35.24、35.72、36.96、及び40.18±0.2°2θに一又はそれ以上の特性ピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを有することを特徴とするL−グルコース一水和物。
  5. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、9.24、12.78、14.60、16.48、18.46、19.32、19.78、20.24、20.56、21.70、22.84、23.50、25.52、26.56、27.62、27.84、28.36、29.40、30.80、30.98、31.22、32.38、33.44、33.82、35.24、35.72、36.96、及び40.18±0.2°2θに特性ピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを有することを特徴とするL−グルコース一水和物。
  6. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、図1に示す粉末X線回折パターンを有することを特徴とするL−グルコース一水和物。
  7. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、無水L−グルコースを基準にして計算すると−52.5から−53.3度の旋光度を有することを特徴とするL−グルコース一水和物。
  8. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、D−グルコース及びD−グルコース一水和物を含まないことを特徴とするL−グルコース一水和物。
  9. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、少なくとも99%の純度であることを特徴とするL−グルコース一水和物。
  10. 請求項1に記載のL−グルコース一水和物において、少なくとも99.999%の純度であることを特徴とするL−グルコース一水和物。
  11. L−グルコース一水和物の調製プロセスであって、
    (a)L−グルコースを水に添加して減圧下で加熱するステップと、
    (b)得られた溶液を冷却してL−グルコース一水和物を形成させるステップと、
    を具えることを特徴とする調製プロセス。
  12. L−グルコース一水和物の調製プロセスであって、
    (a)大気圧より低い少なくとも700mmHgの減圧下で、55℃乃至65℃未満の温度で、水中に1リットルあたり0.9モル乃至1リットルあたり1.5モル量のL−グルコース源を分散させて、水分量が28重量%乃至30重量%の溶液になるように水分量を減らし、分散体を80℃乃至82℃の温度に加熱して溶液を形成するステップと;
    (b)前記溶液を50℃乃至55℃の温度に冷却して結晶化を誘導し、得られたスラリーを25℃乃至30℃の温度に更に冷却し、ステップ(a)で分散されたL−グルコース1グラムにつき4.5mL乃至5mLの量のエタノールを添加してL−グルコース一水和物を形成するステップと;
    を具えることを特徴とする調製プロセス。
  13. 請求項12に記載のプロセスにおいて:(c)ステップ(b)で形成されたL−グルコース一水和物を分離するステップを更に具えることを特徴とするプロセス。
  14. 請求項12に記載のプロセスにおいて、ステップ(a)で提供されたL−グルコース量が、水1リットルあたり1.33モルのL−グルコースであることを特徴とするプロセス。
  15. 請求項12に記載のプロセスにおいて、ステップ(b)でL−グルコース一水和物が添加され、結晶化を誘導することを特徴とするプロセス。
  16. 請求項12に記載のプロセスにおいて、ステップ(b)で添加するエタノールの量が、ステップ(a)で用いるL−グルコース1グラムにつき4.85mLであることを特徴とするプロセス。
  17. 請求項13に記載のプロセスにおいて、前記L−グルコース一水和物が、遠心分離によって分離されることを特徴とするプロセス。
  18. 請求項11又は12に記載のプロセスにより調製されることを特徴とするL−グルコース一水和物。
  19. 少なくとも50重量%のL−グルコース一水和物及び一又はそれ以上の補助成分を含むことを特徴とする組成物。
  20. (a)少なくとも50重量%のL−グルコース一水和物と;(b)無水L−グルコースと;を含むことを特徴とする組成物。
  21. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも70重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
  22. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも75重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
  23. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも80重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
  24. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも85重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
  25. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも90重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
  26. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも95重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
  27. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも99重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
  28. 請求項20に記載の組成物において、少なくとも99.999重量%のL−グルコース一水和物を含むことを特徴とする組成物。
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