JP5734894B2 - タービン翼の補修方法及びタービン翼 - Google Patents

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本発明はタービン翼に発生した浸食部位を補修するために補修方法及びタービン翼に関する。
通常の蒸気タービンの全体構成図を図3に示す。蒸気タービンは、主蒸気管1、再熱蒸気管2、タービンロータ3、低圧外部ケーシング4、クロスオーバー管6、等から構成され、低圧外部ケーシング4内部には低圧内部ケーシング5が収納され、この低圧内部ケーシング5の内側にタービン翼7(動翼及び静翼)が配置されている。
このタービン翼7は蒸気中に含まれる水滴や酸化スケールの微粉によって浸食を受ける浸食環境下にある。特に、最終段の大型翼に使用される材料は、Cr、Moを含む強度に優れた鉄基材料を用いることが一般的であるが、この高い延靭性を有する高硬度の翼材料でも、タービンの運転条件によっては、作動蒸気中に含まれる液滴等による侵食が発生することがあり、タービン翼寿命の支配的な因子となっている。
この液滴等によるタービン翼7の侵食対策として、従来から、局部的な火炎焼入れ、ステライトに代表される硬質なコバルト基材料の板を、ろう付けや溶接により翼の一部に接合させ侵食による影響を小さくするような技術が用いられている。
しかし、局部的な火炎焼入れは、鋼のマルテンサイト変態を用いた局部硬化法であるため、析出強化により強度を高めてある17−4PHのような鉄鋼材料ではこの火炎焼入れによる局部硬化ができない。
また、ステライトに代表される硬質なコバルト基材料の板を、ろう付けや溶接により翼の一部に接合させる手法では、ステライト板素材のコスト、入手の困難性に加え、析出強化型の鋼に対しては、溶接、接合時の熱影響で大幅な強度低下が懸念される。
一方、レーザー溶接によりステライト粉末を翼の一部に積層させる技術が提案されている(特許文献1)。この補修方法によれば、溶接による熱影響を最小にすること、溶接後に時効処理することで、析出強化型の鋼に対しても強度を低下させることなく、ステライトの肉盛溶接を行うことができることが開示されている。
特開2008−93725号公報
しかしながら、上述したレーザー溶接によりステライト粉末を翼の一部に形成させる方法は、単位時間当たりに積層できるステライトの量が小さく、大型のタービン翼の補修に適用した場合には、補修工期が長期化するという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、作動蒸気中に含まれる液滴等による侵食が発生したタービン翼の浸食部位に対し、タービン翼の強度を低下させることなく短時間で補修することができるタービン翼の補修方法及びタービン翼を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るタービン翼の補修方法は、鉄基の析出硬化型鋼からなるタービン翼の浸食部位又は浸食が生じやすい部位を除去し、前記除去した部位にソリッドワイヤを用いた短絡移行ガスメタルアーク溶接により硬質層を形成することを特徴とする。
また、本発明に係るタービン翼は、本発明に係る補修方法を用いて、タービン翼の浸食部位又は浸食が生じやすい部位に硬質層及び中間層を形成したことを特徴とする。
本発明によれば、作動蒸気中に含まれる液滴等によって発生したタービン翼の浸食部位又は浸食が発生しやすい部位に対し、タービン翼の強度を低下させることなく短時間で補修可能とすることにより、タービン翼の耐浸食性を向上させることができる。
(a)は本実施形態に係る補修方法が適用されるタービン翼の全体構成図、(b)はタービン翼先端部の拡大図、(c)は補修後のタービン翼前縁部の模式図。 補修部位の部分拡大断面図。 一般的な蒸気タービンの構成図。
本実施形態では、蒸気タービン翼として、例えば15Cr−6.5Ni−1.5Cu−Nb−Fe合金からなる鉄基の析出強化型の鋼が用いられる。この鉄基の析出硬化型鋼からなるタービン翼の浸食部位に対し、ステライト粉末を用いた肉盛溶接によって補修を行う際に、ステライト層に含まれる炭素の希釈を防止し、高温による溶接割れを防ぐために、溶接入熱量を小さく制御する必要があるが、本発明者等は、短絡移行ガスメタルアーク溶接を用いることにより、入熱量を適切に制御できるとともに、補修時間の短縮化、効率化を図ることができることを新たに知見した。
また、この短絡移行ガスメタルアーク溶接は、その溶接電源をデジタル制御することにより行われるが、通常のスプレー移行又はグロビュール移行を用いるガスメタルアーク溶接に比べ、溶接による溶け込みが非常に小さいため母材と溶接金属が交じり合う希釈が非常に小さいこと、及び溶接金属部近傍の熱影響部が非常に小さいことを実証試験により確認した。
さらに、本発明者等は、このデジタル制御を行っている短絡移行ガスメタルアーク溶接の溶接電源とHv.400以上の硬質な材料のソリッドワイヤを用いて溶接試験をおこなったところ、ステライトからなるソリッドワイヤが割れることなく溶接できること、これによりタービン翼の耐侵食性を向上できることを確認した。
以下、本発明に係るタービン翼の補修方法及びタービン翼の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態において、図1の(a)はタービン翼7の全体構成図、(b)はタービン翼7の翼先端部12の拡大図で、翼先端部12の翼前縁部13に発生した浸食部位が削り取られている。また、図1(c)は補修後の翼先端部12の模式図であり、削り取られた箇所に補修部位14が形成された状態を示している。さらに、図2は補修後の補修部位14の部分拡大断面図で、タービン翼7の翼前縁部13に硬質層15と中間層16が形成されている。
次に、本実施形態に係る補修工程を説明する。
まず、タービン翼7の先端部12における翼有効部の70%高さ以上の翼前縁部13の部位を約10mm以上削り取る(図1(b))。この切除した部位は、翼の周速が大きく、液滴等による侵食が発生している浸食部位である。
次に、前工程で削り取った翼前縁部13に短絡移行ガスメタルアーク溶接により肉盛溶接を行い、オーステナイト系の溶接材料からなる中間層16とステライトからなる硬質層15を形成する(図1(c)、図2)。ここで、図2のa、bは、硬質層15と中間層16、及び中間層16と翼前縁部13の境界をそれぞれ便宜的に図示したものである。
なお、上記工程では浸食を受けた部位を削り取っているが、未だ浸食が発生していないが浸食を受ける可能性の高い翼前縁部13の部位を耐浸食性向上のために削り取り上記補修を実施してもよい。
中間層16は、ステライト中に含まれる炭素の希釈を防ぐために、炭素を固溶しない例えばオーステナイト系のニッケル基合金が用いられ、これによりステライト肉盛部の大きな残留応力を緩和させる。この中間層16は硬質層15と同様に短絡移行ガスメタルアーク溶接により積層することが可能であり、中間層16の硬さはHv.300以下であることが望ましい。なお、本実施形態では、中間層としてHv.200のインコネル82を用いている。
溶接の施工条件は、上述した炭素の希釈を防ぎ、ソリッドワイヤの高温割れのリスクを低減させるために、3000J/cm以下の溶接入熱で溶接を行うことが望ましい。また、溶接条件によっては溶接材料を1分間当たり20g以上で肉盛溶接を行うことが可能である。
本実施形態の実証試験では、ステライトからなる硬質のソリッドワイヤを用い、短絡移行ガスメタルアーク溶接により3000J/cm以下の溶接入熱、20g/分以上で肉盛溶接を行ったところ、ステライト中に含まれる炭素の希釈が抑制され、また、ソリッドワイヤの高温割れを生じずに高融着性のステライト硬質層を形成できることが確認された。
このように、タービン翼7の翼前縁部13等、液滴等による侵食を受けた部位又は浸食を受けやすい部位を本実施形態に係る補修方法によって硬質な材料と置き換えることにより、タービン翼7の形状を回復させるとともに、タービン翼7の耐浸食性を向上させ寿命を延ばすことができる。
なお、本実施形態では、タービン翼7の基材として析出強化型のステンレス鋼を用いているが、マルテンサイト系ステンレス鋼に対しても、同様の補修方法が適用できる。
さらに、本実施形態で使用する短絡移行ガスメタルアーク溶接は、溶接姿勢の制約が殆どないため、実際の補修作業の際に、タービン翼をタービンロータから分解しないで補修することが可能であり、これにより補修期間の短縮化、作業性の向上に寄与することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、液滴等によって侵食されたタービン翼の浸食部位又は浸食が生じやすい部位に対し、硬質のソリッドワイヤを用いた短絡移行ガスメタルアーク溶接による補修を行うことにより、低溶接入熱量で肉盛溶接を行うことが可能となり、硬質のソリッドワイヤ中に含まれる炭素の希釈を防ぐとともにソリッドワイヤの高温割れを生じずに高融着性の硬質層及び中間層を形成することができる。これにより、タービン翼の長寿命化、補修期間の短縮化及びコストの低減化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態の例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的な対象となる液体金属冷却炉等は、適宜変更可能である。また、実施形態やその変更例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、タービン翼を対象としているが、コルモノイとポンプ用インペラ等の他の部材の侵食対策用に用いることができる。
1…主蒸気管、2…再熱蒸気管、3…タービンロータ、4…低圧外部ケーシング、5…クロスオーバー管、6…、7…タービン翼、12…翼先端部、13…翼前縁部、14…補修部位、15…硬質層、16…中間層。

Claims (6)

  1. 鉄基の析出硬化型鋼からなるタービン翼の浸食部位又は浸食が発生しやすい部位を除去し、前記除去した部位にソリッドワイヤを用いた短絡移行ガスメタルアーク溶接により硬質層を形成することを特徴とするタービン翼の補修方法。
  2. 前記ソリッドワイヤはHv.400以上のステライトからなることを特徴とする請求項1記載のタービン翼の補修方法。
  3. 前記タービン翼と硬質層の間にHv.300以下の中間層を短絡移行ガスメタルアーク溶接により形成することを特徴とする請求項1又は2記載のタービン翼の補修方法。
  4. 前記中間層はインコネルからなることを特徴とする請求項3記載のタービン翼の補修方法。
  5. 前記短絡移行ガスメタルアーク溶接を、溶接入熱量が3000J/cm以下、溶接量が20g/分以上で行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタービン翼の補修方法。
  6. 請求項1又は2に記載のタービン翼の補修方法を用いて、タービン翼の浸食部位又は浸食が発生しやすい部位に硬質層を形成したことを特徴とするタービン翼。
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