JP5734575B2 - 有機積層膜 - Google Patents

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Description

本発明は、有機電導体、有機超電導体、有機磁性体、有機熱電素子、有機エレクトロクロミック素子、有機エレクトロルミネセンス素子等への応用が期待されている有機電荷移動錯体膜に関するものである。
有機エレクトロニクスデバイスは、フレキシビリティー性、可搬性に優れ、今後、その利用価値はますます高くなることが期待されている。そのため、有機半導体、有機LED、有機太陽電池といった有機エレクトロニクスの中心となるデバイスの研究開発が盛んに行われているが、有機物は本来絶縁物であり、これらのデバイスにおいても多くの電極部分は金属が用いられており、フレキシビリティー性、可搬性といった有機化合物の特徴を活かすにはこれら有機エレクトロニクスに利用可能な有機電極の登場が待たれている。
有機電極の可能性を示す例として、電子供与分子と電子受容分子からなる電荷移動錯体が知られている。この電荷移動錯体が金属的伝導を示すことは1973年にテトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)を用いて知られるようになり、その後BDTTF、TSFや、つぎに示されるF1TCNQ、F2TCNQ、F4TCNQ(非特許文献1 のAppl. Phys. Lette., 88, 073504, (2006)、及び非特許文献2のAdv. Matterials, 2007, 19, 3248参照)など新たな材料開発も進んでいる。また、この電荷移動錯体は他にも多くの応用が期待されており、有機超電導体、有機磁性体、有機エレクトロクロミック素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機熱電素子等が挙げられる。
Figure 0005734575
成膜方法としてはたとえばTTF単結晶とTCNQ単結晶を張り合わせる方法(特許文献1の特開2005-268715号公報)、TTF-TCNQの混晶を用いる方法(非特許文献3 のChem. Matter, 19, 6382, (2007))、真空共蒸着法を用いる方法(特許文献2の特開平5-339379号公報)、インクジェット法を用いて混合膜を形成する方法(特許文献3の特開2007-305807号公報)が知られている。
しかしながら、単結晶や混晶を用いた方法ではその特殊性から未だ実用化には至って折らず、さらに共蒸着やインクジェット法による混合膜では2種類の成分の均一な分散性に課題が残るなど工程の煩雑さから実用的なデバイスに至っていない。
さらには、従来のテトラチアフルバレン誘導体は強いドナー性を有しているが同時にイオン化ポテンシャルが低く過ぎ、酸素に対する耐久性に乏しい欠点を有していた。
すなわち有機エレクトロニクスに適応可能なプロセスアビリティーに優れた有機電極のため高い電気伝導度を有する有機膜の実用化が待たれているが、上記理由により未だ実用化には至っていない。
本発明の目的は、複雑な工程を経ることなく、テトラチアフルバレン誘導体と電子受容性化合物とを積層させるだけで、簡便かつ高電気伝導度を有する積層膜を提供することにある。これらは例えば有機配線等に特に有効であり、さらに、有機電導体、有機超電導体、有機磁性体、有機熱電素子、有機エレクトロクロミック素子、有機エレクトロルミネセンス素子等への応用が可能である。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有するテトラチアフルバレン誘導体と電子受容性膜を積層することにより上記目的に対して有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の(1)〜(2)の積層膜を包含する。
(1)「一般式(I)で表されるテトラチアフルバレン誘導体と、分子性電子受容性化合物の積層膜
Figure 0005734575
(式(I)中、Xは炭素原子または窒素原子から選択される原子であり同一でも異なっていても良い。R〜R16は水素原子、ハロゲン原子、置換および無置換のアルキル基またはアルコキシ基またはチオアルコキシ基から選択される基であり同一でも異なっていても良い。)」。;
(2)「前記分子性電子受容性化合物がフラーレンであることを特徴とする前記(1)に記載の積層膜。」。
本発明によれば、複雑な工程を経ることなく、テトラチアフルバレン誘導体と電子受容性化合物とを積層させるだけで、簡便かつ高電気伝導度を有する積層膜を提供することができ、これら積層膜は例えば有機配線等に特に有効であり、さらに、有機電導体、有機超電導体、有機磁性体、有機熱電素子、有機エレクトロクロミック素子、有機エレクトロルミネセンス素子等への応用が可能であるという優れた効果が発揮される。
すなわち、本発明によれば、有機電子デバイスに有用な製造プロセスに有利な高い電気伝導度を有する積層膜が得られる。
本発明の積層膜の概略図である。 ビス(アントラ[2,3-d])テトラチアフルバレン/フラーレン積層膜の電流―電圧(I―V)特性を示す図である。 5,5’−ビス(4-ヘキシルオキシフェニル)-2,2’-ビチオフェン/フラーレン積層膜の電流―電圧(I―V)特性を示す図である。
本発明の特徴の一つは、つぎの一般式(I)で表されるテトラチアフルバレン(TTF)誘導体を分子性電子供与性材料として用いることにある。
Figure 0005734575
(式(I)中、Xは炭素原子または窒素原子から選択される原子であり同一でも異なっていても良い。R〜R16は水素原子、ハロゲン原子、置換および無置換のアルキル基またはアルコキシ基またはチオアルコキシ基から選択される基であり同一でも異なっていても良い。)。」
これらのテトラチアフルバレン(TTF)誘導体は、一種類、または複数種の混合物として使用することができる。
TTF・TCNQ電荷移動錯体で知られるように、テトラチアフルバレン構造は、ヘテロ環部位のπ電子が7πであり、1個の電子を放出してヒュッケル則満たす6πになり易く、テトラチアフルバレン構造は強い電子ドナー性を示す。この電子ドナー性により、ラジカルカチオンになり易く、さらにそのラジカルカチオンの状態で安定であるため、電子受容性材料を積層する事により容易に電荷移動錯体を形成する。

しかしながら、従来のテトラチアフルバレン誘導体はこの強いドナー性によりイオン化ポテンシャルが低く過ぎ、酸素に対する耐久性に乏しい。前記一般式(I)で示される材料は、従来のテトラチアフルバレン誘導体と比較して、分子の共役系を拡張した分子構造になっている。共役系を拡張することにより、テトラチアフルバレンのドナー性を若干弱める可能性が示唆されるが、その影響は少なく、むしろ劣化の要因となる酸素に対して従来のテトラチアフルバレン誘導体と比較して安定性が上がる大きなメリットが期待できる。ただし、電子受容性化合物は一般にイオン化ポテンシャルは電子供与性化合物と比してはるかに高く、電子供与性化合物のようにイオン化ポテンシャルを高める必要性はなく、電子供与性さえ有していれば本発明で使用可能である。
さらに、前記一般式(I)で表されるテトラチアフルバレン誘導体は真空蒸着法で平滑な成膜性を有しており共蒸着法等を用いずとも、テトラチアフルバレン誘導体層と電子受容性化合物層を積層させるだけで電荷移動錯体を効率よく生成することが期待できる。
本発明で用いるテトラチアフルバレン誘導体の具体例を以下に示す。
前記一般式(I)中の、R〜R16としては、以下のものを挙げることができる。
水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基またはアルコシキ基もしくはチオアルコキシ基から選択される基であり同一でも異なっていても良い。
置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素数が1以上の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にハロゲン原子(たとえばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、シアノ基、フェニル基又は直鎖乃至分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を含有してもよい。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデカン基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロオクチル基、トリフルオロドデシル基、トリフルオロオクタデシル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、置換もしくは無置換のアルコキシ基またはチオアルコキシ基である場合は、上記アルキル基の結合位に酸素原子あるいは硫黄原子を挿入してアルコキシ基あるいはチオアルコキシ基としたものが具体例として挙げられる。
さらに、詳細な本発明の誘導体を示す。
Figure 0005734575
このようなテトラチアフルバレン誘導体としては、従来公知のものを用いることができ、また、公知の合成法により合成することができ、かつまた、我々が既に提案(特許文献4の特願2009−073990号明細書、特許文献5の特願2010−000319号明細書、特許文献6の特願2010−026729号明細書参照)した合成法により合成したものを用いることができる(重複を避けるため、特許文献4〜6記載の技術の詳細は、ここでは記載を省略している)。
すなわち、一例を挙げれば、原料の1,3−ジチオール−2−オン化合物のカップリング反応(非特許文献4 のJ.Org,Chem.,2000,65, 5794-5805参照)により製造することができる。そしてこの場合の原料の1,3−ジチオール−2−オン化合物は、例えば非特許文献5のJ. Org. Chem. 1994, 59, 6519-6527, 非特許文献6のChem. Commun. 1998, 361-362, 非特許文献7 のChem. Commun. 1998, 2197-2198, 非特許文献8 のTetrahedron Letters 2000, 41, 2091-2095記載の反応、ジェノフイルと所望構造に対応するジエンとの間で公知のDiels-Alder反応(触媒としてルイス酸使用)により得たキノン化合物を、これのカルボニル基を金属水素化合物でヒドロキシ化合物に還元し、このヒドロキシ化合物の分子内脱水により1,3−ジチオール−2−チオン化合物となし、この化合物から化1,3−ジチオール−2−オン化合物に変換(この変換反応は、上記J.Org,Chem.,2000,65, 5794-5805参照)すること等の方法により入手することができる。
「積層膜の概略」
以下、図面を参照して、本発明に係わる積層膜の構造の概要を説明する。
図1の(A)〜(F)は本発明に係わる積層膜の概略構造である。本発明に係わるテトラチアフルバレン誘導体層(1)は、前記一般式(I)で示したテトラチアフルバレン誘導体を主成分とする。本発明の電子受容性化合物層(2)は電子受容性を有しておれば特に限定されるものではないが、電子受容性の高いフラーレンが特に好ましい。
本発明では、前記積層膜を支持体上に設けることができ、例えば、ガラス、シリコン、プラスチック等の一般に用いられる基板を利用できる。本発明の積層膜が応用されるデバイスのフレキシビリティー、軽量化、安価、耐衝撃性等の特性が所望される場合、プラスチックシートを支持体とすることが好ましい。
プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルム等が挙げられる。
[テトラチアフルバレン誘導体層、電子受容性化合物層]
本発明に係わるテトラチアフルバレン誘導体層および電子受容性化合物層の成膜方法は、共に、特に制限されるものではないが、たとえば蒸着法によって薄膜を形成することができる。それぞれの化合物を真空中にて加熱することにより蒸気とし、それを所望の領域に堆積させ、薄膜を形成する。
本発明の積層膜において、テトラチアフルバレン誘導体層および電子受容性化合物層は、共に、特に制限はないが、均一な薄膜(即ち、テトラチアフルバレン誘導体層および電子受容性化合物層のキャリア輸送特性に悪影響を及ぼすギャップやホールがない)が形成されるような厚みに選択されることが好ましい。
積層膜の厚みは、一般に1μm以下、特に5〜200nmが好ましい。
[HMDS(ヘキサメチレンジシラザン)等、有機半導体/絶縁膜界面修飾]
本発明の積層膜において、基材とテトラチアフルバレン誘導体層の接着性を向上、リーク電流低減等の目的で、これら層間に有機薄膜を設けても良い。有機薄膜はテトラチアフルバレン誘導体層に対し、化学的悪影響を与えなければ、特に限定されないが、例えば、有機分子膜や高分子薄膜が利用できる。
有機分子膜としては、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ヘキサメチレンジシラザン等を具体的な例としたカップリング剤が挙げられる。また、高分子薄膜としては、上述の高分子絶縁膜材料を利用することができ、これらが絶縁膜の一種として機能していても良い。また、この有機薄膜をラビング等により、異方性処理を施していても良い。
[引き出し電極、保護層]
また、本発明の積層膜は、必要に応じて引出し電極を設けることができる。引き出し電極は図1(A)〜(F)に示すようにテトラチアフルバレン誘導体層と電子受容層の間にあってもよいし、また、電子受容層上にあってもよい、また、テトラチアフルバレン誘導体層下にあってもよい。
本発明の積層膜は、水分、大気及びガスからの保護、またはデバイスの集積の都合上の保護等のため必要に応じて保護層を設けることもできる。
[応用デバイス]
本発明の積層膜は、液晶、有機EL、電気泳動等の表示画像素子を駆動するための電極として利用でき、これらの集積化により、いわゆる「電子ペーパー」と呼ばれるディスプレイを製造することが可能である。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的かつ詳細に説明するが、これら実施例は、本発明を説明するためのものであって、制限するためのものではない。以下の記載中、「部」は別段の断りないかぎり、「重量部」を表わす。
ビス(アントラ[2,3-d])テトラチアフルバレン:(1)を用いて、以下の手順で、図1-(A)の構造の積層膜を作製した。
膜厚300 nmの熱酸化膜を有するN型のシリコン基板を濃硫酸に24時間浸漬させ洗浄した。洗浄済みのシリコン基板をシランカップリング剤(オクチルトリクロロシラン)のトルエン溶液 (1 mM)に浸漬させ、5分間超音波処理を行い、シリコン酸化膜表面に単分子膜を形成させた。
上記で作製した基板に対して、ビス(アントラ[2,3-d])テトラチアフルバレン:(1)を真空蒸着(背圧 〜10-4 Pa, 蒸着レート0.1 Å/s、膜厚:25 nm)することにより、テトラチアフルバレン誘導体層を形成した。続けて、フラーレンを真空蒸着(背圧 〜10-4 Pa, 蒸着レート0.1 Å/s、膜厚:40 nm)することにより、電子受容性化合物層を形成した。
さらに積層膜の電気伝導度測定を行うためにシャドウマスクを用いて金を真空蒸着(背圧 〜10-4 Pa, 蒸着レート1〜2 Å/s、膜厚:50 nm)することによりカソード、アノード電極を形成した(チャネル長50 μm, チャネル幅 2 mm)。
こうして得られた積層膜の電流―電圧特性をAgilent社製 半導体パラメーターアナライザーB1500を用いて評価した結果、0.2 S/cmと高い電気伝導度特性を示した。
実施例1において電子受容性層にF4TCNQを用いた以外実施例1と同様に形成した積層膜を用いて、実施例1同様に電流―電圧測定を行った。
実施例1において電子受容性層にF2TCNQを用いた以外実施例1と同様に形成した積層膜を用いて、実施例1同様に電流―電圧測定を行った。
実施例1において電子受容性層にF1TCNQを用いた以外実施例1と同様に形成した積層膜を用いて、実施例1同様に電流―電圧測定を行った。
[比較例1]
実施例1において電子供与性化合物としてビス(アントラ[2,3-d])テトラチアフルバレン:(1)の代わりに、つぎの構造の5,5’−ビス(4-ヘキシルオキシフェニル)-2,2’-ビチオフェン:(23)を用いた以外実施例1と同様に作製した積層膜を用いて、実施例1同様に電流―電圧測定を行った。
Figure 0005734575
実施例1〜4及び比較例1の結果を表2にまとめた。表2において○は積層膜の界面に電荷移動錯体が形成されオーミック接合(I-Vグラフの直線性)が確認でき、さらに、0.001 S/cm以上の高い電気伝導度が確認された場合、◎は特に高い電気伝導度(0.1 S/cm以上)が確認された場合、×は低い電気伝導度(0.001 S/cm未満)を表す。
Figure 0005734575
これらの結果から、一般式(I)で示されるテトラチアフルバレンは電子受容性化合物層の材料に関わりなく、その高い電子ドナー性のため電荷移動錯体層を形成し高い電気伝導度が得られていることがわかる。また比較例1ではドナー性の低い5,5’−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)−2,2’−ビチオフェン:(23)を用いた場合、電子受容性の高いフラーレンを用いても電荷移動錯体は形成されておらず、また電気伝導度も低いことが分かる。特に電気伝導度の高かった実施例1および比較例1の電流−電圧測定結果をそれぞれ図2、図3に示す。
図3では図2と比べて明らかなように直線性(オーミック接合性)が失われており、且つ、電気伝導度も−5乗のオーダー(S/cm)とほぼ絶縁膜と言ってよい。このように電子受容性層が同じであっても電子供与性層の電子ドナー性が低い場合電荷移動錯体膜は形成されない。
1 テトラチアフルバレン誘導体層
2 電子受容性化合物層
3 アノード電極
4 カソード電極
5 基材
特開2005−268715号公報 特開平5−339379号公報 特開2007−305807号公報 特願2009−073990号明細書 特願2010−000319号明細書 特願2010−026729号明細書
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Claims (2)

  1. 一般式(I)で表されるテトラチアフルバレン誘導体と、分子性電子受容性化合物の積層膜。
    Figure 0005734575
    (式(I)中、Xは炭素原子または窒素原子から選択される原子であり同一でも異なっていても良い。R〜R16は水素原子、ハロゲン原子、置換および無置換のアルキル基またはアルコキシ基またはチオアルコキシ基から選択される基であり同一でも異なっていても良い。)
  2. 前記分子性電子受容性化合物がフラーレンであることを特徴とする請求項1に記載の積層膜。
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